JPH1137272A - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置

Info

Publication number
JPH1137272A
JPH1137272A JP9196076A JP19607697A JPH1137272A JP H1137272 A JPH1137272 A JP H1137272A JP 9196076 A JP9196076 A JP 9196076A JP 19607697 A JP19607697 A JP 19607697A JP H1137272 A JPH1137272 A JP H1137272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
shift
hydraulic
rotation speed
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9196076A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3399302B2 (ja
Inventor
Nobuaki Takahashi
信明 高橋
Masamitsu Kondo
真実 近藤
Hiroya Nakamura
泰也 中村
Kagenori Fukumura
景範 福村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP19607697A priority Critical patent/JP3399302B2/ja
Publication of JPH1137272A publication Critical patent/JPH1137272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3399302B2 publication Critical patent/JP3399302B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキB2を解放すると共にブレーキB3
を係合させるクラッチツークラッチ変速のパワーONダ
ウンシフト時に、ブレーキB2を解放し、エンジンの出
力でトルクコンバータを介してC0回転速度NC0(入力
軸の回転速度)を上昇させ、そのC0回転速度NC0がダ
ウンシフト後の回転速度と略同期した時にブレーキB3
を係合させるアンダーラップ制御において、ブレーキB
3の係合タイミングが早過ぎるタイアップを高い精度で
検出できるようにする。 【解決手段】 イナーシャ相におけるC0回転速度NC0
がエンジン回転速度NEよりも所定値以上大きくなった
場合に、ブレーキB3の係合タイミングが早過ぎると判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用自動変速機の
油圧制御装置に係り、特に、クラッチツークラッチ変速
が適正に行われたか否かを高い精度で判定する技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の油圧式摩擦係合装置の作動を組み
合わせることによって複数の変速段のうちの所望の変速
段を達成させる形式の自動変速機が知られている。この
ような自動変速機においては、一方向クラッチを用いる
ことにより単一の油圧式摩擦係合装置を解放或いは係合
させることにより変速が実行される場合が多いが、構造
が複雑となる。これに対し、自動変速機を一層小型軽量
とするために、一方向クラッチを用いる替わりに、第1
油圧式摩擦係合装置(クラッチ或いはブレーキ)を解放
すると共に第2油圧式摩擦係合装置(クラッチ或いはブ
レーキ)を係合させることにより所定の変速段から他の
変速段へ切り換えるクラッチツークラッチ変速を採用し
た自動変速機が提案されている。特開平9−72409
号公報等に記載されている装置はその一例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなクラッチツ
ークラッチ変速において、運転者がアクセルを踏込み操
作した状態、言い換えれば動力源側から駆動輪側へ動力
が伝達される状態でダウンシフトするパワーONダウン
シフト時には、第1油圧式摩擦係合装置を速やかに解放
するとともに、動力源の出力で入力部材の回転速度を上
昇させ、その入力部材の回転速度がダウンシフト後の回
転速度と略同期した時に第2油圧式摩擦係合装置を係合
させることにより、優れた応答性で滑らかにダウンシフ
トさせることが考えられている。図8は、図1および図
2に示す車両用自動変速機において、第1油圧式摩擦係
合装置としてのブレーキB2を解放すると共に第2油圧
式摩擦係合装置としてのブレーキB3を係合させるパワ
ーONの3→2ダウンシフト時におけるC0回転速度N
C0(=入力部材である入力軸20の回転速度NIN)、ブ
レーキB2、B3の油圧PB2、PB3、B3油圧PB3を制
御するリニアソレノイド弁SLUの制御圧PSLU の変化
を示すタイムチャートの一例である。
【0004】ここで、ブレーキB3の係合タイミングが
早いと、タイアップによりC0回転速度NC0が点線で示
すように立ち上がり、無理にエンジン回転速度が上昇さ
せられることにより変速ショックを生じる一方、係合タ
イミングが遅いと一点鎖線で示すようにエンジン回転速
度がオーバシュートする。このため、それ等のタイアッ
プやオーバシュートを検出して、ブレーキB3の係合タ
イミングを学習補正することが考えられている。この係
合タイミングの学習補正は、例えばブレーキB3の低圧
待機時における制御圧PSLU の補正値ΔPSLU のマップ
などを書き換えることによって行われ、補正値ΔPSLU
を大きくすれば係合タイミングは早くなり、補正量ΔP
SLU を小さくすれば係合タイミングは遅くなる。
【0005】ところで、上記タイアップの検出は、C0
回転速度NC0の変化速度(所定時間当たりの変化量)が
所定値以上か否かによって行われていたが、変速時のC
0回転速度NC0の変化速度はエンジンの種類や個体差な
どでばらつきがあるため、タイアップか否かを高い精度
で判定することは困難で、必ずしも係合タイミングを適
正に学習補正することができなかった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、クラッチツークラッ
チ変速が適正に行われたか否か、具体的にはタイアップ
か否かを、動力源の個体差などに拘らず高い精度で判定
できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、流体式動力伝達装置を介して動力源か
ら入力部材に伝達された回転を変速して出力部材から出
力する一方、第1油圧式摩擦係合装置を解放すると共に
第2油圧式摩擦係合装置を係合させて変速段を切り換え
るクラッチツークラッチ変速を行う車両用自動変速機の
油圧制御装置において、前記クラッチツークラッチ変速
時のイナーシャ相における前記動力源の回転速度と前記
入力部材の回転速度との差に基づいて、そのクラッチツ
ークラッチ変速が適正に行われたか否かを判定する変速
適否判定手段を有することを特徴とする。
【0008】第2発明は上記第1発明の一実施態様に相
当するもので、流体式動力伝達装置を介して動力源から
入力部材に伝達された回転を変速して出力部材から出力
する一方、第1油圧式摩擦係合装置を解放すると共に第
2油圧式摩擦係合装置を係合させるクラッチツークラッ
チ変速のパワーONダウンシフト時に、その第1油圧式
摩擦係合装置を解放して前記動力源の出力で前記入力部
材の回転速度を上昇させるとともにその第2油圧式摩擦
係合装置を所定のタイミングで係合させるクラッチツー
クラッチ変速制御手段を有する車両用自動変速機の油圧
制御装置において、前記クラッチツークラッチ変速時の
イナーシャ相における前記入力部材の回転速度が前記動
力源の回転速度よりも所定値以上大きい場合に、前記第
2油圧式摩擦係合装置の係合タイミングが早過ぎると判
定する変速適否判定手段を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】このような車両用自動変速機の油圧制御
装置においては、動力源の回転速度と入力部材の回転速
度との差に基づいてクラッチツークラッチ変速が適正に
行われたか否かが判定されるため、従来のように入力部
材の回転速度変化で判定する場合に比較して、動力源の
種類や個体差などに拘らず高い精度で判定できるように
なる。
【0010】例えば、第2発明のようにパワーONダウ
ンシフト時に第1油圧式摩擦係合装置を解放して動力源
の出力で入力部材の回転速度を上昇させるとともに第2
油圧式摩擦係合装置を所定のタイミングで係合させるク
ラッチツークラッチ変速制御手段を有する場合、流体式
動力伝達装置の作用で通常は動力源の回転速度の方が入
力部材の回転速度よりも僅かに速いが、第2油圧式摩擦
係合装置の係合タイミングが早いと入力部材の回転速度
が上昇させられ、それに伴って動力源の回転速度が強制
的に引き上げられるため、逆に入力部材の回転速度の方
が動力源の回転速度よりも高くなる。このようなタイア
ップによる回転速度の変化は、動力源の性能とは関係な
く専らタイアップによる動力伝達方向の変化に起因して
生じることであるため、入力部材の回転速度が動力源の
回転速度よりも所定値以上大きいか否かにより、動力源
の種類や個体差などに拘らず第2油圧式摩擦係合装置の
係合タイミングが早過ぎるタイアップを高い精度で判定
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】ここで、動力源としては、燃料の
燃焼で作動するエンジンが好適に用いられるが、電気エ
ネルギーで作動する電動モータなど他の動力源を用いる
こともできる。流体式動力伝達装置としてはトルクコン
バータが好適に用いられるが、フルードカップリング等
の他の手段を用いることも可能である。
【0012】変速適否判定手段は、例えば動力源の回転
速度と入力部材の回転速度との差を積分するとともに時
間で割算して平均値を求めることにより、ノイズなどの
検出誤差による誤判定を抑制でき、一層高い信頼性が得
られるようになる。
【0013】第2発明は、例えば前記クラッチツークラ
ッチ変速制御手段による第2油圧式摩擦係合装置の係合
タイミングを、前記変速適否判定手段の判定結果に従っ
て係合タイミングが適正になるように学習補正する係合
タイミング学習制御手段を有して構成される。
【0014】第2発明の変速適否判定手段は、例えば入
力部材の回転速度のオーバシュートについても検出し、
オーバシュート量が所定値以上の場合には第2油圧式摩
擦係合装置の係合タイミングが遅過ぎると判定するよう
に構成される。その場合に、タイアップおよびオーバシ
ュートが共に検出された場合は、信頼性の点でオーバシ
ュート判定を優先することが望ましい。
【0015】第1油圧式摩擦係合装置、第2油圧式摩擦
係合装置は、油圧アクチュエータによって係合または解
放される多板式、単板式等の摩擦クラッチやブレーキ、
或いはバンドブレーキなどである。
【0016】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である油圧
制御装置を備えている車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、動力源としてのエンジン10
の出力は、トルクコンバータ12を介して自動変速機1
4に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介
して駆動輪へ伝達されるようになっている。トルクコン
バータ12は流体式動力伝達装置に相当するもので、エ
ンジン10のクランク軸16に連結されたポンプインペ
ラ18と、自動変速機14の入力軸20に連結されたタ
ービンランナー22と、それらポンプインペラ18およ
びタービンランナー22の間を直結するロックアップク
ラッチ24と、一方向クラッチ26によって一方向の回
転が阻止されているステータ28とを備えている。入力
軸20は入力部材に相当する。
【0017】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進変速段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32とを備
えている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギ
ヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそ
れらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされ
ている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、
サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッ
チC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およ
びハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備え
ている。
【0018】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0019】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキ
ャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は
出力部材としての出力軸42に連結されている。また、
リングギヤR2がサンギヤS3に一体的に連結されてい
る。そして、リングギヤR2およびサンギヤS3と中間
軸44との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1
およびサンギヤS2と中間軸44との間にクラッチC2
が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1が
ハウジング41に設けられている。また、サンギヤS1
およびサンギヤS2とハウジング41との間には、一方
向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられて
いる。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1および
サンギヤS2が入力軸20と反対の方向へ逆回転しよう
とする際に係合させられるように構成されている。
【0020】キャリアK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0021】以上のように構成された自動変速機14で
は、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変
速比が順次異なる前進5段の変速段のいずれかに切り換
えられる。図2において「○」は係合状態を表し、空欄
は解放状態を表し、「●」はエンジンブレーキのときの
係合状態を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を
表している。この図2から明らかなように、第3変速段
(3rd)から第2変速段(2nd)へのダウンシフト
では、ブレーキB2を解放すると共にブレーキB3を係
合させるクラッチツークラッチ変速が行われ、アクセル
ONのパワーONダウンシフトではブレーキB2を解放
した後にブレーキB3を係合させるアンダーラップの変
速制御が行われる。それ以外の変速は、1つのクラッチ
またはブレーキの係合或いは解放作動だけで行われるよ
うになっている。本実施例では、ブレーキB2が第1油
圧式摩擦係合装置で、ブレーキB3が第2油圧式摩擦係
合装置であり、何れも油圧アクチュエータによって係合
させられる湿式の多板式ブレーキである。
【0022】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセルペダル50によって操作される
第1スロットル弁52とスロットルアクチュエータ54
によって操作される第2スロットル弁56とが設けられ
ている。また、エンジン10の回転速度NE を検出する
エンジン回転速度センサ58、エンジン10の吸入空気
量Qを検出する吸入空気量センサ60、吸入空気の温度
A を検出する吸入空気温度センサ62、上記第1スロ
ットル弁52の開度θTHを検出するスロットルセンサ6
4、出力軸42の回転速度NOUT すなわち車速Vを検出
する車速センサ66、エンジン10の冷却水温度TW
検出する冷却水温センサ68、ブレーキの作動を検出す
るブレーキスイッチ70、シフトレバー72の操作位置
SHを検出する操作位置センサ74、入力軸20の回転
速度NINすなわちクラッチC0の回転速度NC0(=ター
ビン回転速度NT )を検出する入力軸回転速度センサ7
3、油圧制御回路84の作動油温度TOIL を検出する油
温センサ75などが設けられており、それらのセンサか
ら、エンジン回転速度NE 、吸入空気量Q、吸入空気温
度TA 、第1スロットル弁の開度θTH、車速V、エンジ
ン冷却水温TW 、ブレーキの作動状態BK、シフトレバ
ー72の操作位置PSH、入力軸回転速度NC0、作動油温
度TOIL を表す信号がエンジン用電子制御装置76或い
は変速用電子制御装置78に供給されるようになってい
る。
【0023】上記シフトレバー72は、図4に示すよう
に、車両の前後方向に位置するPレンジ、Rレンジ、N
レンジ、Dおよび4レンジ、3レンジ、2およびLレン
ジへ操作されるとともに、Dレンジと4レンジの間、お
よび2レンジとLレンジとの間が車両の左右方向に操作
されるように構成されている。
【0024】図3のエンジン用電子制御装置76は、C
PU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備え
た所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAM
の一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプ
ログラムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制
御を実行する。例えば、燃料噴射量制御のために燃料噴
射弁80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ8
2を制御し、アイドルスピード制御のために図示しない
バイパス弁を制御し、トラクション制御のためにスロッ
トルアクチュエータ54により第2スロットル弁56を
制御し、エンジン回転速度NE が予め設定された過回転
領域(例えばレッドゾーン)に入ると燃料噴射弁80を
遮断してそれ以上のエンジン回転速度NE の上昇を抑制
する。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子
制御装置78と相互に通信可能に接続されており、一方
に必要な信号が他方から適宜送信されるようになってい
る。
【0025】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニアソレノイド弁を駆動する。例えば、変
速用電子制御装置78は、第1スロットル弁52の開度
θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させる
ための指令値DSLT をリニアソレノイド弁SLTに供給
し、その指令値DSLT に対応した制御圧PSLTを出力さ
せる。また、アキュム背圧PACC を制御するための指令
値DSLN をリニアソレノイド弁SLNに供給し、その指
令値DSLN に対応した制御圧PSLN を出力させる。更
に、ロックアップクラッチ24の係合、解放、スリップ
量、ブレーキB3の直接制御、およびクラッチツークラ
ッチ変速である2→3変速時、3→2変速時のブレーキ
B3の油圧PB3を制御するための指令値DSLU をリニア
ソレノイド弁SLUに供給し、その指令値DSLU に対応
した制御圧PSLU を出力させる。変速用電子制御装置7
8はまた、予め記憶された変速線図から実際のスロット
ル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機14の
変速段やロックアップクラッチ24の係合状態を決定
し、この決定された変速段および係合状態が得られるよ
うに電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレー
キを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。
【0026】図5は、上記油圧制御回路84の要部を示
す図で、1−2シフト弁90、2−3シフト弁92、3
−4シフト弁94、B2リリース弁96、B3コントロ
ール弁98、リレー弁100、およびB2アキュムレー
タ102が配設されており、前記電磁弁S1〜S4およ
びリニアソレノイド弁SLU、SLN、SLT等により
制御される。
【0027】B3コントロール弁98は、ブレーキB3
の油圧PB3が図の上向きに印加され、それとは逆の下向
きにリニアソレノイド制御圧PSLU が印加されて、それ
等の圧力に応じてブレーキB3の油圧PB3を調圧するス
プール104と、そのスプール104と同軸的に配設さ
れ、ブレーキB2を係合させてブレーキB3を解放する
2→3変速時に、ブレーキB2の油圧PB2が図の上向き
に印加され、少なくとも2→3変速時にリニアソレノイ
ド制御圧PSLU が下向きに印加されるプランジャ106
とを備え、ブレーキB2の油圧PB2の印加でプランジャ
106がスプール104に当接してスプール104と連
動作動する構成とされている。B3コントロール弁98
には、2→3変速時に切換え操作されない1−2シフト
弁90を介してDレンジ圧PD が供給され、これを元圧
として油圧PB3が調圧される。また、B3コントロール
弁98とブレーキB3との間には、ブレーキB2からの
油圧PB2によって制御されるリレー弁100が配設され
ている。
【0028】シフトレバー72によって機械的に切り換
えられる図示しないマニュアルシフト弁に接続されたD
レンジ圧油路108は、1−2シフト弁90を経て分岐
し、一方の油路108aは、2−3シフト弁92経由で
リレー弁100に接続され、そのリレー弁100を経由
してブレーキB3の油路110に接続されている。分岐
した他方の油路108bは、3−4シフト弁94、B2
リリース弁96、および油路108cを経てB3コント
ロール弁98のインポート112に接続され、そのB3
コントロール弁98から油路114を経てリレー弁10
0に接続されている。
【0029】マニュアルシフト弁に接続された別のDレ
ンジ圧油路116は、2−3シフト弁92を経て分岐
し、一方の油路116aは、オリフィスを経てブレーキ
B2の油路118に接続されている。この油路118
は、B2リリース弁96、バイパス油路124、および
チェック弁経由で油路116aに接続されるとともに、
オリフィスを経てB2アキュムレータ102に接続され
ている。
【0030】3−4シフト弁94は、上記油路108
b、116bの連通および遮断の他に、電磁弁S3の信
号圧PS3をB2リリース弁96のスプール端へ印加する
ため、油路120を介してB2リリース弁96に接続さ
れている。
【0031】B2リリース弁96は、ブレーキB2の解
放終期にB2アキュムレータ102の油圧のドレーンを
迅速化するバイパス回路を形成すべく設けられており、
スプリング負荷されたスプール122を有し、前記3−
4シフト弁94経由の電磁弁S3の信号圧PS3がスプー
ル122端に印加されて、バイパス油路124と油路1
18との連通および遮断、前記Dレンジ圧油路108b
から油路108cへの連通またはプランジャ126端の
信号ポートに接続された油路108dへの連通の切換
え、並びに他のDレンジ圧油路108aから分岐する油
路108eと油路108cとの連通および遮断を行う。
したがって、B3コントロール弁98のインポート11
2へは、1−2シフト弁90、2−3シフト弁92、B
2リリース弁96を経由する油路108a、108e、
および108cの経路、および1−2シフト弁90、3
−4シフト弁94、B2リリース弁96を経由する油路
108bおよび108cの経路の2経路でDレンジ圧P
D が供給される。
【0032】B3コントロール弁98は、フィードバッ
ク信号圧インポート128を経てスプール104端に印
加されるフィードバック圧により、スプール104に設
けられた2つのランドの一方でインポート112を開閉
するとともに他方でドレーンポートEXを開閉し、アウ
トポート130に連なる油路114の油圧PB3を調圧す
る構成とされている。また、スプール104と同軸的に
配設されたプランジャ106は差動ピストン形状とさ
れ、径差部にリニアソレノイド制御圧PSLU 、端面に2
−3シフト弁92を介してブレーキB2の油路118に
連なる油路118aの油圧PB2が印加されて、スプール
104に当接・離反可能なストローク域を有する構成と
されている。このB3コントロール弁98には、更にス
プール104へのスプリング負荷を変更するプランジャ
126がプランジャ106と反対側に設けられており、
そのプランジャ126の端面には前記油路108d、B
2リリース弁96、および油路108b経由でDレンジ
圧PD の印加および解放が可能とされている。
【0033】リレー弁100は、スプリング負荷された
スプール型の切換弁とされ、スプリング負荷側のスプー
ル端に油路118の油圧PB2が、また、他方のスプール
端にライン圧PL が対向して印加され、ブレーキB3の
油路110と油路108aおよび114との連通を切り
換える。
【0034】ここで、前記B3コントロール弁98のリ
ニアソレノイド制御圧PSLU の受圧面積は、1→2変
速、2→1変速、および3→2変速時に比較して、2→
3変速時には大きくなるので、図6のB3コントロール
弁98′を参照して説明する。このB3コントロール弁
98′は、前記B3コントロール弁98に比較してスプ
リング負荷のかけ方が異なるが、スプール104とプラ
ンジャ106との関係は実質的に同じである。B3コン
トロール弁98′の調圧機能としては、1→2、2→
1、および3→2変速時は、リニアソレノイド制御圧P
SLU の油圧制御範囲で油圧PB3を調圧し、ブレーキB3
のトルク容量を確保するだけで良い。そこで、プランジ
ャ106の端面の受圧面積をA1 、径差部の受圧面積を
2 、スプール104の径差部の受圧面積をA3 、ラン
ド端面の受圧面積をA4 とすると、ブレーキB3の油圧
B3は次式(1) で表される。 PB3=A4 ×PSLU /A3 ・・・(1)
【0035】これに対し、2→3変速時には、ブレーキ
B2の油圧PB2がリターンスプリング力に打ち勝つまで
の油圧がB3コントロール弁98′に作用した状態で、
油圧PB3によりブレーキB3のトルク容量を確保しなけ
ればならないため、その時のブレーキB3の油圧PB3
は次式(2) の関係を保ってブレーキB3のトルク容量を
確保しなければならない。(2) 式におけるリニアソレノ
イド制御圧PSLU の受圧面積A4 ′は(A4 +A2 )で
ある。更に、2→3変速時の回路の切換えにより、ブレ
ーキB3の油圧PB3が一時的に落ち込むことが考えられ
るため、これを補正するためにも油圧PB3を高く設定し
ておく必要があり、油圧PB3が次式(3)を満足するよう
に各部の受圧面積は定められる。 PB3′=(A4 ′×PSLU −A1 ×PB2)/A3 ・・・(2) PB3′>PB3 ・・・(3)
【0036】図7は、変速用電子制御装置78が備えて
いる制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であ
る。図において、自動変速判定手段158は、自動変速
を実行させる前提として、よく知られた図示しない変速
線図から車両の走行状態、例えば実際のスロットル弁開
度θTHおよび車速Vに基づいて変速判断を実行する。
【0037】クラッチツークラッチ変速制御手段160
は、上記自動変速判定手段158により第3変速段〜第
5変速段の何れかから第2変速段へ変速する変速判断が
為された場合に、ブレーキB2を解放すると共にブレー
キB3を係合させて第2変速段を成立させる。すなわ
ち、2−3シフト弁92が第3変速段側から第2変速段
側へ切り替えられると、Dレンジ圧PD のブレーキB2
への供給が遮断されるとともにブレーキB2内の作動油
がドレーンされ、B2油圧PB2が低下させられてブレー
キB2が解放される一方、B3コントロール弁98によ
り前記(1) 式に従って調圧されたB3油圧PB3がリレー
弁100からブレーキB3に供給され、そのブレーキB
3が係合させられる。ブレーキB2の過渡油圧PB2は、
B2アキュムレータ102によって徐々に低下させられ
るが、アクセルペダル50が踏込み操作されているパワ
ーONダウンシフトではアキュム背圧PACC が前記リニ
アソレノイド弁SLNによって低圧に制御され、ブレー
キB2は速やかに解放される。これにより、エンジン1
0の出力に基づいて入力軸20と共にC0回転速度N C0
が上昇させられる。また、ブレーキB3の油圧PB3は、
図8に示すようにC0回転速度NC0が上昇して第2変速
段への変速が終了する直前まではリニアソレノイド弁S
LUにより低圧待機状態に保持され、C0回転速度NC0
が第2変速段の回転速度(NOUT ×i2 )と同期すると
略同時にブレーキB3が係合するように、例えばC0回
転速度NC0が所定値に達した後、或いは所定の経過時間
が経過した後などに急上昇させられる。図8はパワーO
Nの3→2ダウンシフト時のもので、i2 は第2変速段
の変速比、i3 は第3変速段の変速比である。上記C0
回転速度NC0は、クラッチC0が係合させられている第
3変速段および第4変速段から第2変速段へのダウンシ
フトでは、入力軸20の回転速度NINと一致する。
【0038】係合タイミング学習制御手段162は、上
記ブレーキB3の係合が早くてC0回転速度NC0が点線
で示すように立ち上がり、エンジン回転速度NE が強制
的に上昇させられるタイアップや、係合タイミングが遅
くて一点鎖線で示すようにエンジン回転速度NE と共に
同期回転速度(NOUT ×i2 )を超えて上昇するオーバ
シュート(吹上り)が所定の許容範囲内となるように、
ブレーキB3の係合タイミング、すなわち低圧待機時の
リニアソレノイド制御圧PSLU の補正値ΔPSL U であっ
て、具体的にはリニアソレノイド弁SLUに対する指令
値DSLU の補正値ΔDSLU のマップなどを書き換える。
補正値ΔPSLU が大きくなるようにすれば係合タイミン
グは早くなり、補正値ΔPSLU が小さくなるようにすれ
ば係合タイミングは遅くなる。B3油圧PB3は、前記B
3コントロール弁98により前記(1) 式に従ってリニア
ソレノイド制御圧PSLU に応じて制御されるが、リニア
ソレノイド制御圧PSLU の変化に対して所定の応答遅れ
が存在するため、タイアップやオーバシュートを防止す
るためには学習制御する必要がある。この学習補正は所
定の学習許容条件を満足した場合に実行される。なお、
低圧待機状態からリニアソレノイド制御圧PSLU を立ち
上げるタイミングを学習補正で変更するようにしても良
い。
【0039】変速適否判定手段164は、上記タイアッ
プおよびオーバシュートが所定の許容範囲内か否かを判
定するもので、イナーシャ相におけるC0回転速度NC0
とエンジン回転速度NE との回転差NCE32(=NC0
−NE )を検出し、その平均値NCE32AVが所定の
判定値LNCE32より大きい場合に、前記係合タイミ
ング学習制御手段162による学習補正が必要なタイア
ップと判定する。すなわち、パワーONダウンシフト時
に、前記クラッチツークラッチ変速制御手段160によ
りブレーキB2を解放してエンジン10の出力でC0回
転速度NC0を上昇させるとともブレーキB3を所定のタ
イミングで係合させる場合、イナーシャ相ではトルクコ
ンバータ12の存在により通常は図9に実線で示すよう
にエンジン回転速度NE の方がC0回転速度NC0よりも
僅かに速いが、ブレーキB3の係合タイミングが早い
と、タイアップによりC0回転速度NC0が上昇させら
れ、それに伴ってエンジン回転速度NE が強制的に引き
上げられるため、図9に一点鎖線で示すようにC0回転
速度NC0の方がエンジン回転速度NE よりも高くなるの
である。また、オーバシュート量(NCO−NOUT ×
2 )を検出し、その最大値SNFK32=(NCO−N
OUT ×i2 )max が、所定の判定値LFKC032より
大きい場合に、係合タイミング学習制御手段162によ
る学習補正が必要なオーバシュートと判定する。
【0040】一方、本実施例では入力軸20の回転速度
INの代わりにC0回転速度NC0を用いているため、ク
ラッチC0が解放されている第5変速段から第2変速段
へのダウンシフト時には、ブレーキB3の係合タイミン
グが早いと中間軸44の回転速度の上昇に伴ってC0回
転速度NC0が図9に点線で示すように低下させられる。
このため、本実施例では、イナーシャ相におけるエンジ
ン回転速度NE とC0回転速度NC0との回転差NEC3
2(=NE −NC0)を検出し、その平均値NEC32A
Vが前記判定値LNCE32より大きい場合にも、前記
係合タイミング学習制御手段162による学習補正が必
要なタイアップと判定する。なお、本実施例では平均値
NEC32AVの判定で、前記平均値NCE32AVの
判定と同じ判定値LNCE32を用いているが、異なる
判定値を設定するようにしても良い。
【0041】図10は、第3変速段〜第5変速段から第
2変速段へのパワーONダウンシフト時におけるタイア
ップおよびオーバシュートの判定、並びにブレーキB3
の係合タイミングの学習制御を説明するフローチャート
で、ステップSA2〜SA13は変速適否判定手段16
4によって実行され、そのうちのステップSA4〜SA
7、SA10、SA11、SA13はタイアップ判定に
関する部分で、ステップSA9およびSA12はオーバ
シュート判定に関する部分である。また、ステップSA
14およびSA15は、係合タイミング学習制御手段1
62によって実行される。この図10のフローチャート
は、所定のサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0042】図10のステップSA1では、パワーON
時における第2変速段へのダウンシフトか否かを、例え
ばスロットル弁開度θTHや油圧制御回路84を切り換え
るための電磁弁の切換えなどから判断し、パワーON時
の2ndダウンシフトであればステップSA2を実行す
る。ステップSA2では、イナーシャ相の後半の所定の
モニタ期間に達したか否かを次式(4) に従って判断し、
モニタ期間に達するとステップSA3以下を実行する。
モニタ期間は、本実施例では第3変速段と第2変速段と
の間の中間点から変速終了までの期間で、そのうちC0
回転速度NC0が第2変速段の同期回転速度(NOUT ×i
2 )に達するまでの間がタイアップのモニタ期間で、そ
れ以後がオーバシュートのモニタ期間である。 NC0>NOUT ×K1 ・・・(4) 但し、K1=(i2 +i3 )/2
【0043】ステップSA3では、C0回転速度NC0
第2変速段の同期回転速度(NOUT×i2 )に達したか
否かを判断し、同期回転速度に達するまではステップS
A4〜SA7を実行する。ステップSA4ではエンジン
回転速度NE がC0回転速度NC0よりも大きいか否かを
判断し、NE >NC0であればステップSA5で回転差N
EC32=NE −NC0、回転差NCE32=0とする一
方、NE <NC0であればステップSA6で回転差NCE
32=NC0−NE 、回転差NEC32=0とする。そし
て、次のステップSA7では、前回の積分値SNEC3
i-1 、SNCE32i-1 と今回の回転差NEC32、
NCE32とを加算して積分値SNEC32i 、SNC
E32i を算出する。これにより、C0回転速度NC0
第2変速段の同期回転速度(NOUT ×i2 )に達するま
での間の回転差NEC32およびNCE32の積分値S
NEC32、SNCE32が求められる。
【0044】C0回転速度NC0が第2変速段の同期回転
速度(NOUT ×i2 )に達してステップSA3の判断が
YESになると、ステップSA8を実行し、変速が終了
したか否かを例えば一定時間内の回転速度NC0やNOUT
の値、ブレーキB3の油圧P B3などにより判断する。そ
して、変速終了判断が為されるとステップSA10以下
を実行するが、そうでない場合、すなわちC0回転速度
C0が第2変速段の同期回転速度(NOUT ×i2 )を超
えて上昇した場合には、ステップSA9を実行し、オー
バシュート量(NCO−NOUT ×i2 )を検出するととも
にその最大値をSNFK32として記憶する。
【0045】ステップSA10では、前記積分値SNE
C32、SNCE32をそれぞれ前記ステップSA2の
判断が最初にYESになった後ステップSA3の判断が
最初にYESになるまでの経過時間、すなわちタイアッ
プのモニタ期間TCE32で割算することにより、それ
等の平均値NEC32AV、NCE32AVを算出す
る。モニタ期間TCE32は、タイマやカウンタなどに
よって求められる。また、ステップSA11では、それ
等の平均値NEC32AVおよびNCE32AVのうち
大きい方をNHK32として選択する。
【0046】ステップSA12では、前記オーバシュー
ト量の最大値SNFK32が予め定められた判定値LF
KC032よりも大きいか否かを判断し、SNFK32
>LFKC032の場合は、オーバシュートが所定の許
容範囲を超えているとして、ステップSA14において
オーバシュートが小さくなるように、言い換えればブレ
ーキB3の係合タイミングが早くなるように、低圧待機
時におけるリニアソレノイド制御圧PSLU が高くなる方
向へ補正値ΔPSLU (ΔDSLU )を書き換える。SNF
K32≦LFKC032の場合は、オーバシュートにつ
いては許容範囲内であるため、次にステップSA13を
実行し、前記選択値NHK32が予め定められた判定値
LNCE32よりも大きいか否かを判断する。そして、
NHK32>LNCE32の場合は、タイアップが所定
の許容範囲を超えているとして、ステップSA15にお
いてタイアップが抑制されるように、言い換えればブレ
ーキB3の係合タイミングが遅くなるように、低圧待機
時におけるリニアソレノイド制御圧PSLU が低くなる方
向へ補正値ΔPSLU (ΔDSLU )を書き換える。
【0047】このように、本実施例ではエンジン回転速
度NE とC0回転速度NC0との回転差NEC32、NC
E32に基づいてタイアップを判定するようになってい
るが、タイアップによる回転差NEC32またはNCE
32の変化は、エンジン10の性能とは関係なく専らタ
イアップによる動力伝達方向の変化に起因して生じるこ
とであるため、エンジン10の種類や個体差などに拘ら
ずタイアップを高い精度で判定できる。これにより、ブ
レーキB3の係合タイミングの誤った学習が防止され
る。
【0048】また、本実施例では、回転差NEC32、
NCE32を積分するとともに、その積分値SNEC3
2、SNCE32をモニタ期間TCE32で割算して平
均値NEC32AV、NCE32AVを求め、その平均
値NEC32AV、NCE32AVに基づいてタイアッ
プか否かを判定しているため、ノイズなどの検出誤差に
よる誤判定を抑制でき、一層高い信頼性が得られる。
【0049】また、本実施例の変速適否判定手段164
は、C0回転速度NC0のオーバシュートについても許容
範囲内か否かを判定するようになっているが、このオー
バシュート判定はタイアップ判定に優先して行われ、オ
ーバシュートが許容範囲を超えている場合には、タイア
ップか否かに拘らずそのオーバシュートに基づいてブレ
ーキB3の係合タイミングが学習補正されるため、高い
信頼性が得られる。すなわち、タイアップの判定精度が
従来より向上したとはいえ、オーバシュート判定に比べ
ればその信頼性はまだ低いのであり、オーバシュート判
定を優先することが望ましいのである。
【0050】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0051】例えば、前述の実施例ではブレーキB2の
解放とブレーキB3の係合とにより達成される第2変速
段へのパワーONダウンシフトについて説明したが、関
係する摩擦係合装置やクラッチツークラッチ変速の種類
は自動変速機の構成に応じて適宜定められる。
【0052】また、前述の図10のフローチャートは、
同様の制御機能を達成する範囲でステップが追加された
り、或いはステップ内容の変更が行われても差支えな
い。
【0053】また、前述の実施例では、エンジン用電子
制御装置76と変速用電子制御装置78とは相互に独立
して構成されていたが、共通の演算制御装置によって構
成されていてもよい。
【0054】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である油圧制御装置を備えて
いる車両用自動変速機の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立する変速段との関
係を示す図である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電気制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図6】油圧制御回路のB3コントロール弁を説明する
図である。
【図7】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図8】図7のクラッチツークラッチ変速制御手段によ
る制御作動の一例を説明するタイムチャートである。
【図9】クラッチツークラッチ変速のパワーONダウン
シフト時におけるエンジン回転速度NE およびC0回転
速度NC0の変化の一例を説明するタイムチャートであ
る。
【図10】図7の変速適否判定手段の具体的な制御作動
を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:エンジン(動力源) 12:トルクコンバータ(流体式動力伝達装置) 14:自動変速機 20:入力軸(入力部材) 42:出力軸(出力部材) 160:クラッチツークラッチ変速制御手段 164:変速適否判定手段 B2:ブレーキ(第1油圧式摩擦係合装置) B3:ブレーキ(第2油圧式摩擦係合装置) NE :エンジン回転速度(動力源の回転速度) NCO:C0回転速度(入力部材の回転速度)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福村 景範 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体式動力伝達装置を介して動力源から
    入力部材に伝達された回転を変速して出力部材から出力
    する一方、第1油圧式摩擦係合装置を解放すると共に第
    2油圧式摩擦係合装置を係合させて変速段を切り換える
    クラッチツークラッチ変速を行う車両用自動変速機の油
    圧制御装置において、 前記クラッチツークラッチ変速時のイナーシャ相におけ
    る前記動力源の回転速度と前記入力部材の回転速度との
    差に基づいて、該クラッチツークラッチ変速が適正に行
    われたか否かを判定する変速適否判定手段を有すること
    を特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 流体式動力伝達装置を介して動力源から
    入力部材に伝達された回転を変速して出力部材から出力
    する一方、第1油圧式摩擦係合装置を解放すると共に第
    2油圧式摩擦係合装置を係合させるクラッチツークラッ
    チ変速のパワーONダウンシフト時に、該第1油圧式摩
    擦係合装置を解放して前記動力源の出力で前記入力部材
    の回転速度を上昇させるとともに該第2油圧式摩擦係合
    装置を所定のタイミングで係合させるクラッチツークラ
    ッチ変速制御手段を有する車両用自動変速機の油圧制御
    装置において、 前記クラッチツークラッチ変速時のイナーシャ相におけ
    る前記入力部材の回転速度が前記動力源の回転速度より
    も所定値以上大きい場合に、前記第2油圧式摩擦係合装
    置の係合タイミングが早過ぎると判定する変速適否判定
    手段を有することを特徴とする車両用自動変速機の油圧
    制御装置。
JP19607697A 1997-07-22 1997-07-22 車両用自動変速機の油圧制御装置 Expired - Fee Related JP3399302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19607697A JP3399302B2 (ja) 1997-07-22 1997-07-22 車両用自動変速機の油圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19607697A JP3399302B2 (ja) 1997-07-22 1997-07-22 車両用自動変速機の油圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1137272A true JPH1137272A (ja) 1999-02-12
JP3399302B2 JP3399302B2 (ja) 2003-04-21

Family

ID=16351808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19607697A Expired - Fee Related JP3399302B2 (ja) 1997-07-22 1997-07-22 車両用自動変速機の油圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3399302B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100350131B1 (ko) * 2000-07-28 2002-08-24 현대자동차주식회사 차량용 자동 변속기의 2 →3 업 시프트시의 변속 제어방법
WO2006093324A1 (ja) 2005-03-02 2006-09-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 自動変速機の制御装置
JP2008151252A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機のタイアップ判定装置及びこれを備えた変速制御装置
US10160445B2 (en) 2016-11-22 2018-12-25 Hyundai Motor Company Shift control method for hybrid electric vehicle

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100350131B1 (ko) * 2000-07-28 2002-08-24 현대자동차주식회사 차량용 자동 변속기의 2 →3 업 시프트시의 변속 제어방법
WO2006093324A1 (ja) 2005-03-02 2006-09-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 自動変速機の制御装置
JP2006242251A (ja) * 2005-03-02 2006-09-14 Toyota Motor Corp 自動変速機の制御装置
EP1855031A1 (en) * 2005-03-02 2007-11-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for automatic transmission
KR100897216B1 (ko) * 2005-03-02 2009-05-14 도요타 지도샤(주) 자동 변속기용 제어장치
KR100949070B1 (ko) * 2005-03-02 2010-03-25 도요타 지도샤(주) 자동 변속기용 제어장치
JP4525389B2 (ja) * 2005-03-02 2010-08-18 トヨタ自動車株式会社 自動変速機の制御装置
US7833128B2 (en) 2005-03-02 2010-11-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for automatic transmission
EP1855031A4 (en) * 2005-03-02 2011-06-01 Toyota Motor Co Ltd CONTROL DEVICE FOR AUTOMATIC TRANSMISSION
EP2405160A1 (en) * 2005-03-02 2012-01-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device of automatic transmission
JP2008151252A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機のタイアップ判定装置及びこれを備えた変速制御装置
US10160445B2 (en) 2016-11-22 2018-12-25 Hyundai Motor Company Shift control method for hybrid electric vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JP3399302B2 (ja) 2003-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3536537B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
US7074158B2 (en) Shift control apparatus of automatic transmission of motor vehicle
US20030203790A1 (en) Vehicle drive control apparatus and method
KR101559180B1 (ko) 자동 변속기의 변속 제어 장치
JP2004169867A (ja) 車両用駆動制御装置
US7563198B2 (en) Shift control device and shift control method of automatic transmission
JPH1019116A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
EP1431624B1 (en) Shift control device for automatic transmission
JPH1137267A (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JPH08285064A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3399302B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP3152095B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3348566B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3584555B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH0914421A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3449108B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3303700B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3948896B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP3620229B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4182810B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH09144863A (ja) 車両用自動変速機およびエンジンの制御装置
JPH08296731A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3557934B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JPH0932912A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JPH0921459A (ja) 自動変速機の変速制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees