JPH113711A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JPH113711A
JPH113711A JP9168128A JP16812897A JPH113711A JP H113711 A JPH113711 A JP H113711A JP 9168128 A JP9168128 A JP 9168128A JP 16812897 A JP16812897 A JP 16812897A JP H113711 A JPH113711 A JP H113711A
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Japan
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sheet
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polytetrafluoroethylene
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JP9168128A
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Naoto Akaha
尚登 赤羽
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質の劣化を防止して、高容量のリチ
ウム二次電池を提供する。 【解決手段】 シート状正極とシート状負極とをセパレ
ータを介して対向させるリチウム二次電池において、シ
ート状正極を導電性基体上に少なくとも正極活物質とバ
インダーを含有する塗膜を形成することによって作製す
るにあたり、上記バインダーとして、少なくともポリテ
トラフルオロエチレンと変性ポリオレフィンとを用い
る。上記バインダー中におけるポリテトラフルオロエチ
レンの含有量としては5〜95重量%、特に10〜90
重量%が好ましく、変性ポリオレフィンの含有量として
は5〜95重量%、特に10〜90重量%が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
に関し、さらに詳しくは、正極活物質の劣化が少なく、
高容量のリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、正極活物質にバインダーや溶剤
などを加えて攪拌混合して調製した塗料を導電性基体上
に塗布、乾燥して正極活物質などを含有する塗膜を形成
したシート状正極と、同様に負極活物質にバインダーや
溶剤などを加えて攪拌混合して調製した塗料を導電性基
体上に塗布、乾燥して負極活物質などを含有する塗膜を
形成したシート状負極とを、セパレータを介して対向さ
せて、たとえば渦巻状に巻回するなど円弧状に曲げ加工
して渦巻状、円筒状、直方体状など種々の形状に成形し
た積層状の電極体を、有機溶媒系の電解液とともに、電
池ケース内に封入して作製したリチウム二次電池は、単
位容量当たりのエネルギー密度や単位重量当たりのエネ
ルギー密度が高いという特徴を有している。
【0003】そして、上記シート状正極やシート状負極
などのシート状電極に使用するバインダーとしては、充
電時の活物質による強い酸化作用に対する耐性や有機溶
媒系の電解液に対する化学的安定性が要求されることか
ら、フッ素樹脂、特にポリテトラフルオロエチレンが好
適であるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ポ
リテトラフルオロエチレンは、水や有機溶剤に不溶であ
るため、バインダーとして用いて塗料を調製したとき
に、導電性基体上に塗膜を効率良く形成できるようなチ
キソトロピー性の粘性特性を持つ塗料が得られないとい
う問題があった。また、活物質などと粉末状のポリテト
ラフルオロエチレンに液体を加えて攪拌混合して塗料を
調製し、これを導電性基体上に塗布、乾燥して形成した
だけの塗膜は、塗膜中に含まれている粉末状のポリテト
ラフルオロエチレンが結着しないため、膜形状を保持す
る強度が得られず、従って、そのような状態の塗膜は、
たとえば、導電性基体に対し塗膜を下方に向けただけで
塗膜が剥離したり、落下するなどの問題があった。
【0005】そこで、ポリテトラフルオロエチレンをバ
インダーとして用いたシート状電極の作製にあたり、特
開平2−158055号公報には、粉末状の活物質と電
子伝導助剤とを混合し、その混合物に粘性剤としてカル
ボキシメチルセルロース(CMC)の水溶液を加えて混
練した後、さらにポリテトラフルオロエチレンのディス
パージョンを加えて混練することにより塗料を調製する
ことが提案され、該塗料を圧延アルミニウム箔のような
フィルム状の導電性基体上に塗布、乾燥することによっ
て、導電性基体との接着強度が優れた塗膜を得ることが
できたと、報告されている。また、特開平1−3207
61号公報には、粘性剤としてポリアクリル酸ソーダや
その他のアクリル系ポリマーが使用できると記載されて
いる。
【0006】しかしながら、上記粘性剤を添加して調製
した塗料は、水を溶剤として使用しているため、正極活
物質中からリチウムが溶出して水と反応し、それによっ
て、活物質の劣化が生じるという問題があった。この現
象は高容量が得られる正極活物質を使用したときほど生
じやすく、たとえば、正極活物質として高容量が得られ
ることで知られているリチウムニッケル酸化物(LiN
iO2 )を用いた場合には、電池容量が1/10以下に
まで低下する。また、粘性剤をアルコールで溶解した塗
料でも、正極活物質の劣化を完全に防止することはでき
なかった。
【0007】従って、本発明は、上記のような従来のリ
チウム二次電池における問題点を解決し、正極活物質の
劣化を防止して、高容量のリチウム二次電池を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために種々検討を行った結果なされたものであ
り、導電性基体上に少なくとも正極活物質とバインダー
を含有する塗膜を形成することによってシート状正極を
作製するにあたり、上記バインダーとして、少なくとも
ポリテトラフルオロエチレンと変性ポリオレフィンとを
用いることによって、水やアルコールを溶剤に使用する
ことなく、シート状正極を作製して、正極活物質の劣化
が少なく、高容量が得られるリチウム二次電池を提供し
たものである。
【0009】すなわち、本発明においては、シート状正
極のバインダーとして、ポリテトラフルオロエチレンと
粘性剤としての作用を有する変性ポリオレフィンとを用
いるが、これらはアルコール以外の有機溶剤に溶解する
ので、アルコール以外の有機溶剤で溶解して活物質など
の固体粉末と攪拌混合して塗料を調製することができ、
正極活物質中からのリチウムの水中への溶出に基づく正
極活物質の劣化を防止することができ、高容量のリチウ
ム二次電池を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、シート状正極の
塗膜中におけるバインダーの含有量は0.2〜20重量
%であることが好ましく、特に0.5〜10重量%であ
ることが好ましい。塗膜中におけるバインダーの含有量
が上記範囲より少ない場合は、塗膜の機械的強度が不足
して、塗膜が導電性基体から剥離しやすくなり、また、
バインダーの含有量が上記範囲より多い場合は、塗膜中
の活物質が減少して電池容量が低下するおそれがある。
【0011】また、バインダー中におけるポリテトラフ
ルオロエチレンの含有量は5重量%以上、特に10重量
%であることが好ましい。すなわち、ポリテトラフルオ
ロエチレンはバインダー中において5〜95重量%、特
に10〜90重量%であることが好ましく、変性ポリオ
レフィンはバインダー中において5〜95重量%、特に
10〜90重量%であることが好ましい。
【0012】これを詳しく説明すると、上記シート状正
極を用いて電池を組み立てると、塗膜が電解液に浸され
た状態となる。この時、塗膜のバインダー中のポリテト
ラフルオロエチレンの含有量が少ないと、活物質などの
固体粒子を結着しているバインダーの膨潤が大きくな
り、固体粒子間および固体粒子と導電性基体との間の電
気的接触が低下して、電池の電気容量が低下するおそれ
がある。そのため、本発明においては、バインダー中に
おけるポリテトラフルオロエチレンの含有量は5重量%
以上、特に10重量%以上であることが好ましい。
【0013】一方、変性ポリオレフィンの含有率が少な
いと、塗膜を形成するための塗料の粘度特性がチキソト
ロピー性を持たず流動性に乏しくなり、導電性基体上に
塗膜を効率良く塗布、形成することがむつかしくなり、
また、塗布、乾燥して得た塗膜と導電性基体との接着力
が弱くなり、塗膜が導電性基体から剥離しやすくなる。
そのため、バインダー中の変性ポリオレフィンの含有量
は5重量%以上、特に10重量%以上であることが好ま
しい。
【0014】本発明において、ポリテトラフルオロエチ
レンは、水性ディスパージョンとして用いることができ
ないため、たとえば、ポリテトラフルオロエチレンのフ
ァインパウダーを有機溶剤に分散させたポリテトラフル
オロエチレンの有機溶剤分散液として用いることが好ま
しい。このポリテトラフルオロエチレンのファインパウ
ダーは、たとえば、平均粒径0.1〜0.5μm程度の
ポリテトラフルオロエチレン粒子が水中に高度に分散し
たポリテトラフルオロエチレンのディスパージョンを凝
析することによって得られる。また、上記ポリテトラフ
ルオロエチレンのディスパージョンは、たとえば、テト
ラフルオロエチレンモノマーを原料にして水中で乳化重
合によって合成された平均粒径が0.1〜0.5μm程
度のポリテトラフルオロエチレン粒子の水分散液に、界
面活性剤などを添加して調製される。
【0015】また、本発明において用いる変性ポリオレ
フィンは、ベースポリマーのポリオレフィンを変性して
極性基を導入したものであって、そのような変性ポリオ
レフィンの具体例としては、たとえば、酸変性ポリオレ
フィン、ヒドロキシ変性ポリオレフィンなどの非塩素系
変性ポリオレフィンや、塩素化変性ポリオレフィンなど
があり、それらを溶液状にしたものを商品名で例示する
と、たとえば、三井石油化学工業社製のユニストールP
のPシリーズ(酸変性ポリオレフィンのワニス)、Qシ
リーズ(塩素系変性ポリオレフィンのワニス)などが挙
げられる。
【0016】本発明において、正極活物質としては、た
とえば、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸
化物、リチウムマンガン酸化物(これらは、通常、Li
NiO2 、LiCoO2 、LiMn2 4 で表される
が、LiとNiの比、LiとCoとの比、LiとMnと
の比は化学量論組成からずれている場合が多い)などの
リチウム含有金属酸化物を単独でまたは2種以上の混合
物として、あるいはそれらの固溶体として用いることが
好ましい。そして、シート状正極の作製にあたっては、
必要に応じ、上記正極活物質に鱗片状黒鉛、カーボンブ
ラックなどの電子伝導助剤を添加することができる。
【0017】シート状正極は、たとえば、上記正極活物
質を含み、必要に応じて鱗片状黒鉛、カーボンブラック
などの電子伝導助剤を含み、さらにバインダーを含む塗
料を導電性基体上に塗布し、乾燥して、導電性基体上に
少なくとも正極活物質とバインダーを含有する塗膜を形
成する工程を経て作製される。本発明において、この導
電性基体上に塗膜を形成するとは、導電性基体の一方の
面に塗膜を形成する場合のみならず、導電性基体の両面
に塗膜を形成する場合も含んでいる。
【0018】上記塗料の調製に当たって、ポリテトラフ
ルオロエチレンはそのファインパウダーをあらかじめ有
機溶剤に分散させたポリテトラフルオロエチレンの有機
溶剤分散液として用い、変性ポリオレフィンはあらかじ
め有機溶剤に溶解させた溶液として用い、それらを活物
質などと攪拌混合して塗料を調製するのが好ましい。
【0019】本発明において、シート状正極の塗膜形成
用に使用する塗料の溶剤としては、変性ポリオレフィン
を溶解させることができるものであれば特に限定される
ことはないが、たとえば、トルエン、キシレンなどを単
独でまたは2種以上混合して用いることが好ましい。
【0020】また、本発明において、負極活物質として
は、たとえばリチウム金属またはリチウム含有化合物が
用いられるが、そのリチウム含有化合物としてはリチウ
ム合金とそれ以外のものとがある。上記リチウム合金と
しては、たとえば、リチウム−アルミニウム、リチウム
−鉛、リチウム−ビスマス、リチウム−インジウム、リ
チウム−ガリウム、リチウム−インジウム−ガリウムな
どのリチウムと他の金属との合金が挙げられる。リチウ
ム合金以外のリチウム含有化合物としては、たとえば、
乱層構造を有する炭素材料、黒鉛などが挙げられる。こ
れらは製造時にはリチウムを含んでいないものもある
が、負極活物質として作用するときには、化学的手段、
電気化学的手段などによりリチウムを含有した状態にな
る。
【0021】シート状負極は、たとえば、上記負極活物
質に、必要に応じて、たとえば鱗片状黒鉛、カーボンブ
ラックなどの電子伝導助剤を加え、さらに、たとえばポ
リビニリデンフルオライド、エチレン−プロピレンジエ
ンターポリマーなどのバインダーを加え、さらに溶剤を
加え、攪拌混合して塗料を調製し、その塗料を導電性基
体上に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する工程を経て作
製される。また、このシート状負極の作製にあたり、前
記シート状正極の場合と同様のバインダーを用いること
もできる。
【0022】本発明において、上記塗料を導電性基体上
に塗布する際の塗布方法としては、たとえば、押出しコ
ーター、リバースローラー、ドクターブレード、アプリ
ケーターなどをはじめ、各種の塗布方法を採用すること
ができる。
【0023】本発明において、シート状正極、シート状
負極などのシート状電極の導電性基体としては、たとえ
ば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅などの金
属製導電材料を網、パンチドメタル、フォームメタル
や、板状に加工した箔などが用いられる。
【0024】電解液としては、たとえば、1,2−ジメ
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラク
トン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジ
エチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメ
チルカーボネートなどの単独または2種以上の混合溶媒
に、たとえば、LiCF3 SO3 、LiC4 9
3 、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 などの電
解質を単独でまたは2種以上を溶解させて調製した有機
溶媒系の電解液が用いられる。
【0025】セパレータとしては、たとえば、厚さ10
〜50μmで、開孔率30〜70%の微多孔性ポリエチ
レンフィルムまたは微多孔性ポリプロピレンフィルムな
どが好適に用いられる。
【0026】電池は、たとえば、上記のようにして作製
されるシート状正極とシート状負極とをセパレータを介
して対向させて渦巻状に巻回して渦巻状電極体にするな
ど、シート状正極とシート状負極とをセパレータを介し
て対向させて円弧状に曲げ加工して渦巻状、円筒状、直
方体状など種々の形状に成形した積層状の電極体を、ニ
ッケルメッキを施した鉄やステンレス鋼製の電池ケース
内に挿入し、電解液を注入し、封口する工程を経て作製
される。また、上記電池には、通常、電池内部に発生し
たガスをある一定圧力まで上昇した段階で電池外部に排
出して、電池の高圧下での破裂を防止するための防爆機
構が取り入れられる。
【0027】
【実施例】つぎに、本発明の実施例について説明する。
ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下の実施例などにおいて、濃度など
を示す%は重量%である。
【0028】実施例1 (1)シート状正極の作製 シート状正極の作製を、正極活物質として用いるリチウ
ムニッケル酸化物の合成、塗膜の形成の順に説明する。
【0029】リチウムニッケル酸化物の合成 水酸化リチウム(LiOH・H2 O)と酸化ニッケル
(Ni2 3 )とを熱処理してリチウムニッケル酸化物
を合成した。このリチウムニッケル酸化物の合成は以下
のように行った。
【0030】水酸化リチウムと酸化ニッケルとをLi/
Ni=1/1.05(モル比)の割合になるように秤量
した後、メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合した。これを
酸素(O2 )気流中において500℃で2時間予備加熱
した後、昇温速度50℃/h以下で700℃まで昇温
し、700℃で20時間加熱し焼成することによってリ
チウムニッケル酸化物を合成した。なお、合成されたリ
チウムニッケル酸化物は水分に対して弱いため、粉砕な
どの取扱いはアルゴン雰囲気中で行った。
【0031】塗膜の形成 まず、上記のようにして合成した正極活物質としてのリ
チウムニッケル酸化物と、電子伝導助剤としての鱗片状
黒鉛と、バインダーとしてのポリテトラフルオロエチレ
ンおよび変性ポリオレフィンを下記の割合で含む塗料を
調製した。なお、本実施例で用いる変性ポリオレフィン
は三井石油化学工業製のユニストールP−401A(商
品名、酸変性ポリオレフィンのワニス)であり、通常、
固形分濃度が11%のトルエン溶液の状態で供給され
る。
【0032】 リチウムニッケル酸化物 90重量部 鱗片状黒鉛 6重量部 ポリテトラフルオロエチレン 3重量部 変性ポリオレフィンのトルエン溶液 9.09重量部 (変性ポリオレフィン固形分1重量部) トルエン 32重量部
【0033】上記塗料の調製は次に示すように行った。
まず、溶剤のトルエンにポリテトラフルオロエチレンの
ファインパウダーを加えて分散させ、そのポリテトラフ
ルオロエチレンのトルエン分散液に変性ポリオレフィン
のトルエン溶液、正極活物質のリチウムニッケル酸化
物、電子伝導助剤の鱗片状黒鉛を加え、攪拌混合するこ
とによって塗料を調製した。そして、得られた塗料を厚
さ20μmのアルミニウム箔上にアプリケータを用いて
塗布し、100〜120℃で乾燥して塗膜を形成した。
同様にアルミニウム箔の裏面側にも上記塗料を塗布し、
100℃で8時間真空乾燥して塗膜を形成した。そし
て、この電極体をロールプレスして、片面の塗膜厚みが
80μmのシート状正極を作製した。
【0034】(2)シート状負極の作製 まず、負極活物質として人造黒鉛(2800℃で合成)
を用い、バインダーとしてポリビニリデンフルオライド
(ただし、あらかじめN−メチルピロリドンに溶解させ
て濃度12%の溶液として使用)を用い、それらを下記
の割合で含む塗料を調製した。
【0035】 人造黒鉛 90重量部 ポリビニリデンフルオライド(固形分) 10重量部
【0036】得られた塗料を厚さ18μmの銅箔上にア
プリケーターを用いて塗布し、100〜120℃で乾燥
して塗膜を形成した。同様に銅箔の裏面側にも上記塗料
を塗布し、100℃で8時間真空乾燥して塗膜を形成し
た。そして、この電極体をロールプレスして、片面の塗
膜厚みが80μmのシート状負極を作製した。なお、上
記シート状正極とシート状負極との活物質の重量比が
2:1になるように塗膜密度を調整した。
【0037】(3)電解液の調製 エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの
混合溶媒(体積比で1:1)に1mol/lのLiPF
6 を溶解して有機溶媒系の電解液を調製した。
【0038】(4)筒形電池の組立て 上記シート状正極を幅28mm×長さ220mmの帯状
に切断し、シート状負極を幅30mm×長さ260mm
の帯状に切断した。そして、それぞれの電極の塗膜の一
部を剥がして、金属箔を露出させた部分に、アルミニウ
ム製のリード体を抵抗溶接し、厚さ25μmで開孔率5
0%の微多孔性ポリプロピレンフィルムからなる帯状セ
パレータを上記シート状正極とシート状負極との間に介
在させ、渦巻状に巻回して渦巻状電極体を作製し、その
渦巻状電極体をステンレス鋼製の電池ケースに挿入し
た。そして、負極側のリード体の先端を絶縁体を貫通さ
せて電池ケースの底部に溶接し、さらに、電池ケースの
開口部に絶縁体を挿入し、ついで溝を形成した後、封口
板と正極側のリード体とを溶接した。そして、このよう
な工程を経て作製された電極などを内填する缶体を60
℃で10時間真空乾燥した後、乾燥雰囲気中で電解液2
mlを注入した後、封口して図1に示す筒形のR5形リ
チウム二次電池(外径:14.95mm、高さ:39.
7mmの筒形リチウム二次電池)を作製した。
【0039】図1に示す電池について説明すると、1は
前記のシート状正極で、2はシート状負極である。ただ
し、図1では、煩雑化を避けるため、シート状正極1や
シート状負極2の作製に当って使用した導電性基体とし
ての金属箔などは図示していない。これらのシート状正
極1とシート状負極2はセパレータ3を介して渦巻状に
巻回され、渦巻状電極体として上記の電解液4と共に電
池ケース5内に収容されている。
【0040】電池ケース5はステンレス鋼製で、負極端
子を兼ねており、この電池ケース5の底部には前記渦巻
状電極体の挿入に先立って、ポリテトラフルオロエチレ
ンからなる絶縁体6が配置され、電池ケース5の内周部
にもポリテトラフルオロエチレンからなる絶縁体7が配
置されている。
【0041】封口体8はステンレス鋼製で、この封口板
8の中央部にはガス通気孔8aが設けられている。環状
パッキング9はポリプロピレン製で、上記封口板8の周
縁部上に配置され、可撓性薄板10はチタン製で、円板
状であって、その周縁部が上記環状パッキング9上に配
置され、熱変形部材11は環状でポリプロピレン製であ
って、上記可撓性薄板10上に配置されている。そし
て、この熱変形部材11は温度によって変形することに
より、可撓性薄板10の破壊圧力を変える作用をする。
【0042】端子板12は圧延鋼製でニッケルメッキが
施されており、この端子板12には切刃12aとガス排
出孔12bとが設けられていて、電池内部にガスが発生
して電池の内部圧力が上昇し、その内圧上昇によって可
撓性薄板10が変形したときに、上記切刃12aによっ
て可撓性薄板10を破壊し、電池内部のガスを上記ガス
排出孔12bから電池外部に排出して、電池の高圧下で
の破壊が防止できるように設計されている。
【0043】絶縁体13は電池ケース5と封口板8との
間を絶縁し、リード体14はアルミニウム製で前記のシ
ート状正極1と封口板8とを電気的に接続しており、端
子板12は封口板8との接触により正極端子として作用
する。リード体15はアルミニウム製で前記のシート状
負極2と電池ケース5とを電気的に接続している。
【0044】実施例2 実施例1のポリテトラフルオロエチレン3重量部を1重
量部に変更し、変性ポリオレフィンのトルエン溶液9.
09重量部(変性ポリオレフィン固形分1重量部)を2
7.27重量部(変性ポリオレフィン固形分3重量部)
に変更し、溶剤のトルエン32重量部を16重量部に変
更したほかは、実施例1と同様にしてR5形リチウム二
次電池を作製した。
【0045】比較例1 実施例1の正極の塗膜形成用のポリテトラフルオロエチ
レンのファインパウダーに代えてポリテトラフルオロエ
チレンの60%ディスパージョン5重量部(ポリテトラ
フルオロエチレン固形分としては3重量部)を用い、変
性ポリオレフィンのトルエン溶液9.09重量部(変性
ポリオレフィン固形分1重量部)に代えてカルボキシメ
チルセルロース1重量部を用い、溶剤のトルエン32重
量部を蒸留水38重量部に変更したほかは、実施例1と
同様にしてR5形リチウム二次電池を作製した。
【0046】上記のようにして作製した実施例1〜2お
よび比較例1の電池について電池容量の測定を行った。
その結果を表1に示す。なお、電池容量の測定方法は次
の通りである。
【0047】電池容量の測定方法:充放電電流をCで表
示した場合、R5形で560mAを1Cとして充放電を
行った。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.1Vの
定電圧で行い、放電は電池の電極間電圧が2.75Vに
低下するまで行った。そして、このとき(第1回目の充
放電時)の放電容量を測定し、実施例1の電池の放電容
量を100%としてその比を求めた。表1には、実施例
1の電池の放電容量を100%としたときの他の電池の
放電容量の比を電池容量(%)として示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示す実施例1〜2の電池容量(%)
と比較例1の電池容量(%)との対比から明らかなよう
に、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレンと変
性ポリオレフィンとを用いた実施例1〜2の電池は、電
池容量(%)が大きく、高容量が得られた。
【0050】これに対して、シート状正極のバインダー
としてポリテトラフルオロエチレンとカルボキシメチル
セルロースを用い、水を溶剤として塗料化した比較例1
の電池は、電池容量(%)が著しく小さく、容量が著し
く低かった。これは正極活物質のリチウムニッケル酸化
物が劣化したことによるものと考えられる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
正極活物質の劣化が少なく、高容量のリチウム二次電池
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム二次電池の一例を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
1 シート状正極 2 シート状負極 3 セパレータ 4 電解液

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状正極とシート状負極とをセパレ
    ータを介して対向させるリチウム二次電池において、上
    記シート状正極が導電性基体上に少なくとも正極活物質
    とバインダーを含有する塗膜を形成したものからなり、
    上記シート状正極のバインダーが、少なくともポリテト
    ラフルオロエチレンと変性ポリオレフィンとを含むもの
    であることを特徴とするリチウム二次電池。
JP9168128A 1997-06-10 1997-06-10 リチウム二次電池 Withdrawn JPH113711A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012002037A1 (ja) 2010-06-30 2012-01-05 ダイキン工業株式会社 電極用バインダー組成物

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