JPH1135957A - ガス精製方法及びガス精製設備 - Google Patents

ガス精製方法及びガス精製設備

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JPH1135957A
JPH1135957A JP9211361A JP21136197A JPH1135957A JP H1135957 A JPH1135957 A JP H1135957A JP 9211361 A JP9211361 A JP 9211361A JP 21136197 A JP21136197 A JP 21136197A JP H1135957 A JPH1135957 A JP H1135957A
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gas
combustion
regeneration
tower
heat
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JP9211361A
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English (en)
Inventor
Makoto Suzaki
洲崎  誠
Seiji Kagawa
晴治 香川
Susumu Okino
沖野  進
Shintaro Honjo
新太郎 本城
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭ガス化プロセス等の生成ガスから硫黄化
合物を除去し、この硫黄化合物を含む再生ガスを燃焼さ
せて亜硫酸ガスを含む排煙に転換した後に石膏として回
収するガス精製方法であって、燃焼工程に関する経済面
での問題点が解消され、より実用的なガス精製方法を提
供する。 【解決手段】 前記硫黄化合物の燃焼を行なう燃焼室1
21に対して複数の蓄熱体122を設け、これら蓄熱体
のうちいずれか特定の蓄熱体に燃焼後の排煙E3を接触
させて当該特定の蓄熱体を加熱すると同時に、他の蓄熱
体に燃焼前の再生ガスE2を接触させて再生ガスを加熱
する操作を、順次蓄熱体を切換えて連続的に実行するこ
とにより、蓄熱体を媒体として前記排煙E3から回収し
た熱で再生ガスE2を加熱しつつ前記燃焼を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭ガス化プロセ
ス等の生成ガスから硫黄化合物を除去し、この硫黄化合
物を亜硫酸ガスに転換した後に石膏として回収するガス
精製方法に係わり、詳しくは、除去した硫黄化合物を亜
硫酸ガスに転換する燃焼工程が低コストかつ実用的に実
現されるガス精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油資源の枯渇、価格の高騰か
ら、燃料の多様化が叫ばれ、石炭や重質油の利用技術開
発が進められており、その一つとして、石炭や重質油を
ガス化して発電燃料や合成原料とする技術が注目されて
いる。また、ガス化ガスによる発電は、石炭や石油によ
る従来の火力発電に比較して効率が良いので、有限な資
源の有効利用の点からも注目されている。
【0003】しかし、このガス化生成ガスには、数10
0〜数1000ppmの硫黄化合物(主に硫化水素)が
含まれ、これは公害防止のため、或いは後流機器(例え
ばガスタービン等)の腐食防止等のため、除去する必要
が有る。そこで、例えば特開平6−293888号公報
や特開平7−48584号公報に示されるように、ガス
を硫黄化合物の吸収液に気液接触させてガス中の硫黄化
合物を除去するとともに、硫黄化合物を吸収した吸収液
に熱を加えて硫黄化合物を含む再生ガスを排出し、吸収
液を順次再生して循環使用する湿式のガス精製方法が知
られている。
【0004】そして、このようなガス精製方法で生じる
前記再生ガス中の硫黄化合物の処理方法としては、前記
公報に示されるように、この再生ガスを燃焼させて亜硫
酸ガスを含む排煙に転換させ、この排煙中の亜硫酸ガス
を湿式石灰石膏法により吸収して石膏を副生する方法が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のガス精製方
法によれば、乾式のガス精製法に比較してよりクリーン
化が可能であるとともに、有用な石膏が得られるという
利点がある。しかしながら、上記ガス精製方法をより経
済的に実施するためには、以下のようなさらに改善すべ
き問題点があることが発明者らの検討により判明した。
【0006】(1)再生ガスの燃焼手段に一般的な燃焼
炉を使用したのでは、補助燃料が必要になり、燃料代が
嵩むばかりか、排煙の量が膨大になって、燃焼工程後の
装置容量が極めて大型化し運転コストも増大する。
【0007】すなわち、再生ガス中の硫化水素の濃度
は、ガス化原料の種類等によっても差があるが、例えば
20vol%程度であり、一般的な燃焼炉では補助燃料
を連続して投入しなければ燃焼が安定的に継続しない。
このため燃焼炉には、再生ガスとこれに含まれる硫化水
素を燃焼させるための空気に加えて、補助燃料とこれを
燃焼させるための空気を投入しなければならず、燃焼工
程で生じる排煙の流量が定常的に膨大なものとなる。そ
して、排煙の流量が増えると、燃焼工程以降の排煙流路
を構成するダクトや亜硫酸ガスを吸収する吸収塔等の全
ての設備が大型化するとともに、ガスを送給するファン
やブロワ等の運転コストも増大する。
【0008】(2)また、再生ガスを低温で燃焼させる
と、排煙中のSO3の濃度が高くなり、燃焼工程以降の装
置設備の耐食性を向上させる等の特別な措置が必要にな
り、設備コストの増大を招く。すなわち、硫化水素を燃
焼させると、下記反応式(1)に示す反応により主にS
2(亜硫酸ガス)が発生するのであるが、この他に下記
反応式(2)で示すSO3の生成反応も起る。
【0009】
【化1】 H2S + 3/2O2 → SO2 +H2O (1) H2S + 2O2 → SO3 +H2O (2)
【0010】ここで、反応式(2)のSO3の生成反応の
割合は、後述する図8に示すように、燃焼温度が低温で
あればあるほど増大し、燃焼排ガス中のSO3濃度が増加
する。そしてこのSO3は、通常の排煙温度のような低温
では腐食性の強い硫酸ミストとなるため、燃焼工程以降
のダクトや脱硫搭の構成部材をこれに耐えられるような
より高価な耐食性材料で構成するか、或いはダクト等の
全体を高温に保ち硫酸ミストが生じないようにするか、
或いは排煙中に多量のアンモニアを注入して中和するな
どの特別な措置を講ずる必要がある。このため、SO3
発生量を最低限に抑制することが重要である。
【0011】なお、硫化水素の濃度が高ければ、補助燃
料がなくまた一般的な燃焼炉であっても例えば600〜
700℃程度の低温で燃焼させることができるが、この
場合には、上述したようにSO3の発生量が多くなるた
め上記(2)の問題で経済的に不利になり、一方これを
解決するために燃焼温度を上げようとすれば、そのため
にはやはり補助燃料が必要となり上記(1)の問題で経
済的な実用性に劣ることになる。
【0012】そこで本発明は、石炭ガス化プロセス等の
生成ガスから硫黄化合物を除去し、この硫黄化合物を燃
焼させて亜硫酸ガスに転換した後に石膏として回収する
ガス精製方法又はガス精製設備であって、燃焼工程に関
する上述の問題点が解消され、経済的な面でより実用的
なガス精製方法又はガス精製設備を提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のガス精製方法は、石炭や石油のガス
化によって得られる生成ガスを精製するガス精製方法で
あって、前記生成ガスを硫黄化合物の吸収液と気液接触
させることにより前記生成ガス中に含まれる硫黄化合物
を吸収除去する脱硫工程と、この脱硫工程で前記硫黄化
合物を吸収した吸収液に熱を加えて硫黄化合物を含む再
生ガスを排出する再生工程と、この再生工程で生じた再
生ガスを燃焼させて亜硫酸ガスを含む排煙に転換させる
燃焼工程と、この燃焼工程で生じた排煙中の亜硫酸ガス
を湿式石灰石膏法により吸収して石膏を副生する石膏回
収工程とよりなり、前記燃焼工程を行なう燃焼室に対し
て複数の蓄熱体を設け、これら蓄熱体のうちいずれか特
定の蓄熱体に前記排煙を接触させて当該特定の蓄熱体を
加熱すると同時に、他の蓄熱体に燃焼前の前記再生ガス
を接触させて前記再生ガスを加熱する操作を、順次蓄熱
体を切換えて連続的に実行することにより、前記蓄熱体
を媒体として前記排煙から回収した熱で前記再生ガスを
加熱しつつ前記燃焼工程を行なうことを特徴とする。
【0014】また、請求項2記載のガス精製方法は、前
記燃焼工程における再生ガスの燃焼温度を1000℃以
上としたことを特徴とする。
【0015】また、請求項3記載のガス精製設備は、石
炭や石油のガス化によって得られる生成ガスを精製する
ガス精製設備であって、前記生成ガスを硫黄化合物の吸
収液と気液接触させることにより前記生成ガス中に含ま
れる硫黄化合物を吸収除去する脱硫塔と、この脱硫塔で
硫黄化合物を吸収した吸収液に熱を加えて硫黄化合物を
含む再生ガスを排出する再生塔と、この再生塔で生じた
再生ガスを燃焼させて亜硫酸ガスを含む排煙に転換させ
る蓄熱式熱交換燃焼炉と、この蓄熱式熱交換燃焼炉で生
じた排煙中の亜硫酸ガスを湿式石灰石膏法により吸収し
て石膏を副生する脱硫装置とを備え、前記蓄熱式熱交換
燃焼炉が、燃焼室と、この燃焼室に並列状態に連通しそ
れぞれ蓄熱体が装填された複数の熱交換流路とより構成
され、前記熱交換流路が前記燃焼室に対する前記再生ガ
スの導入路又は前記排煙の排出路として順次切換えられ
る構成としたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて説明する。図1乃至図5は、本発明の
一例を実施するガス精製設備を示す図である。以下、説
明の便宜のために、設備を複数の部分(ガス洗浄部,脱
硫再生部,燃焼冷却部,石膏回収部,及び排水処理部)
に分けて説明する。なお、図1は、ガス洗浄部の構成を
示す図であり、図2は、脱硫再生部の構成を示す図であ
り、図3は、燃焼冷却部の構成を示す図であり、図4
は、石膏回収部の構成を示す図であり、図5は、排水処
理部の構成を示す図である。また、図4に示す石膏回収
部は、本発明の脱硫装置に相当する。
【0017】まず、図1によりガス洗浄部の構成及び動
作について説明する。図示省略したガス化炉では、例え
ば石炭が空気をガス化剤としてガス化され、一酸化炭素
及び水素を主成分とした生成ガスA1が発生する。この
ように石炭を原料とし空気をガス化剤としてなる生成ガ
スA1には、通常、1000〜1500ppm程度のH
2S(硫黄化合物)と、100ppm程度のCOS(硫黄
化合物)とが含有され、さらに、1000〜1500p
pm程度のNH3と、100ppm程度のHClが含有
されている。また生成ガスAは、炉出口直後においては
通常1000℃〜2000℃であるが、通常炉出口側に
設けられたスチームヒータ(図示省略)により熱回収さ
れて例えば350℃程度に冷却され、その圧力は例えば
26ata程度である。
【0018】この生成ガスA1は、図示省略したサイク
ロンやポーラスフィルタにより除塵処理された後、図1
に示すように、シェルアンドチューブ構造の熱交換器1
に導入される。この熱交換器1では、浄化された後のガ
スA4が生成ガスA1の熱により加熱され、ガスA1は
逆に熱を奪われて、例えば230℃程度まで冷却され
る。
【0019】この熱交換器1の後流には、COS(硫化
カルボニル)をH2Sに変換する触媒が装填された変換
器2がこの場合二つ設けられ、生成ガスA1中のCOS
のほとんどがここでH2Sに変換される。またこの変換
器2の後流には、シェルアンドチューブ構造の熱交換器
3が設けられ、変換器2から導出されたガスA2の熱に
よっても浄化された後のガスA4が加熱される。
【0020】そして、熱交換器3の後流には、ガスA2
を洗浄液B1或いはB2に気液接触させて、HClやN
3等の不純物を除去する洗浄塔4a,4bが順次設置さ
れている。洗浄塔4a,4bは、この場合いわゆる充填
式の気液接触塔であり、塔底部に貯留された水を主成分
とする洗浄液B1或いはB2が循環ポンプ5により吸上
げられて、塔上部のスプレーパイプ6から噴射され、塔
下部から導入されて上昇するガスA2と気液接触しつつ
充填材7を経由して流下して再び塔底部に戻って循環す
る構成となっている。
【0021】ここで、洗浄液B1或いはB2の一部は、
この場合循環ポンプ5の吐出側から分岐する流路5a,
5bにより抜き出され、排水B3として排出されるよう
になっている。また、後流側の洗浄塔4bの塔底部に
は、排水B3として排出され或いはガス中に含まれて持
去られる分を補う量の補給水B4が適宜供給される。ま
た、各洗浄塔4a,4bの塔上部には、ガス中のミスト
を分離除去するミストエリミネータ8と、このミストエ
リミネータ8に洗浄水B5を噴射するスプレーパイプ9
とが設けられ、後流側に流出するいわゆる同伴ミストの
量が低く抑えられる構成となっている。なお洗浄水B5
は、この場合塔底部に流下して洗浄液の一部となる。
【0022】また、各洗浄塔4a,4bの塔底部には、
タンク10に貯留された酸(この場合には、硫酸)が、
ポンプ11により供給可能となっており、図示省略した
制御手段によって、各洗浄液のpHの検出値に応じてこ
の硫酸の供給量が調整されることで、各洗浄液のpHが
例えば以下のように調整される。
【0023】すなわち、洗浄塔4aにおける洗浄液B1
のpHが、H2Sを過度に吸収しない範囲でHClの吸収
に最適な値(例えば弱酸性領域又は中性領域)に維持す
るとともに、洗浄塔4bにおける洗浄液B2のpHを、
NH3の吸収に最適な比較的低い値(例えば強酸性領域
又は弱酸性領域)に維持する。
【0024】このようにpH調整すれば、洗浄塔4aで
HClのほとんどが吸収され、洗浄塔4aで吸収されず
に残留したNH3は、洗浄塔4bでほぼ完全に吸収除去で
きる。また、HClやNH3の含有量が別個に変化したと
きでも、それに応じて各洗浄塔のpHを最適値に調整
し、さらに洗浄液の循環量を各洗浄塔において必要最低
限に調整することで、運転コストを必要最小限に維持し
つつこれら有害物をいずれもほぼ完全に吸収除去でき
る。
【0025】なお本例では、洗浄塔4bから排出される
洗浄液B2の一部を、循環ポンプ5の吐出側から分岐す
る流路5cにより洗浄塔4aに導入して、全体的な排水
の量の低減を図っている。またこの場合、図示省略した
制御手段により、例えば流路5aと流路5cの流量が調
整されることによって、洗浄塔4aの液面レベルが一定
範囲に制御され、また、補給水B4の流量等がが調整さ
れることによって、洗浄塔4bの液面レベルが一定範囲
に制御される。
【0026】また本例では、図1に示す如く、各洗浄液
B1,B2を冷却する冷却器12が各洗浄塔に設けられ
ている。この冷却器12は、洗浄液の循環流路の途上に
設けられた熱交換器であり、例えば工業用水等が通水さ
れて洗浄液を冷却するものである。
【0027】そして本例では、上記冷却器12により、
ガスや洗浄液の温度が不純物の吸収に好ましい温度に調
整されるとともに、第1の洗浄塔4aから導出されたガ
スの温度が第2の洗浄塔4bにおいて低下するように、
運転温度が制御される。このようにすると、熱交換器3
や洗浄塔4aによるガスA2の冷却で析出した塩化アン
モニウム等よりなるヒューム状のサブミクロン粒子が、
洗浄塔4bにおいて凝縮水により積極的に捕集される。
【0028】すなわち、洗浄塔4aから導出されたガス
は含有する水蒸気が飽和した状態にあるため、洗浄塔4
bにおいてこのガスの温度が低下すると、必ず凝縮水が
発生し、これはガス中の前記サブミクロン粒子を核とし
て凝結するので、前記サブミクロン粒子のほとんどはこ
の凝縮水とともに、洗浄塔4b内の洗浄液B2中に捕集
される。
【0029】次に、脱硫再生部の構成及び動作を図2に
より説明する。脱硫部は、主に脱硫塔21と再生塔22
とよりなる。脱硫塔21は、向流式の気液接触塔であ
り、再生塔22の塔底部に溜まった硫化水素の吸収液C
1が循環ポンプ23により吸上げられて、吸収液熱交換
器24及び吸収液クーラ25で冷却された後、この脱硫
塔21内に供給されるようになっている。供給された吸
収液C1は、脱硫塔21の底部に導入され上昇するガス
A3と気液接触してガス中のH2Sを吸収しつつ充填材
26を経由して流下する。そして、脱硫塔21の底部に
溜まった吸収液C1は、ライン21aにより吸収液熱交
換器24を経由して再生塔22に戻される。
【0030】一方、充填材26を通過して上昇するガス
A3は、充填材26の上方に設けられたたな段27及び
充填材28を順次経由してさらに上昇し、外部から供給
されスプレーパイプ29から噴射される吸収液C2(例
えば工業用水)と気液接触して、さらにH2Sやサブミク
ロン粒子を除去された後、ミストエリミネータ30を経
由して精製後のガスA4として塔頂部から排出される構
成となっている。
【0031】ここで吸収液熱交換器24は、前述のポン
プ23が設けられたライン22aを経由して再生塔22
から脱硫塔21に供給される吸収液C1と、前述のライ
ン21aを経由して脱硫塔21から再生塔22に戻され
る吸収液C1との間で、熱交換を行うためのシェルアン
ドチューブ構造の熱交換器である。また、吸収液クーラ
25は、再生塔22から脱硫塔21に供給される吸収液
C1を冷却するシェルアンドチューブ構造の熱交換器で
あり、冷媒として工業用水等の水C3が通水される。
【0032】また、脱硫塔21のたな段27は、吸収液
C1の供給位置よりも上方に設けられ、流下する吸収液
C2を受け止めるように脱硫塔21内を仕切る水平方向
の仕切り壁であり、いわゆる泡鐘(図示省略)を複数有
していて、この泡鐘を介して上昇するガスA3を通過さ
せて泡状に上面から吹出すようになっている。なお、こ
のたな段27の上面側に溜められた吸収液C2は、ポン
プ31により吸上げられ、前述のスプレーパイプ29に
供給されて循環するとともに、一定の貯留量を越える分
が、オバーフローライン21bを介して、前述のライン
21aに送りこまれ、最終的には吸収液C1の一部とな
って再生塔22に送られる。
【0033】また、ポンプ31からスプレーパイプ29
への供給流路の途上には、吸収液C2を工業用水等によ
り冷却する冷却器32が設けられている。このように冷
却器32が設けられていると、脱硫塔21の塔上部にお
いてスプレーパイプ29から噴射される吸収液C2と接
触するガスの温度がさらに冷却されることになり、ガス
中に残留したサブミクロン粒子が、水分の凝縮により大
径化してここでも捕集されることになる。
【0034】なお、精製後のガスA4は、前述の図1に
示す熱交換器3及び熱交換器1により加熱された後、精
製ガスA5として例えば石炭ガス化ガス発電設備のガス
タービンに供給される。そして、この精製ガスA5の圧
力は例えば25.5ata程度、その温度は300℃程
度となり、またその硫黄分(H2S及びCOSの濃度)は
10ppm以下となる。
【0035】また、硫化水素の吸収剤を含む吸収液C1
は、ポンプ33によって、吸収液タンク34から前述の
ライン22a(前述のポンプ23の吸込み側)に補給さ
れる構成となっている。また、吸収液C1の一部は、前
述のライン22a(前述のポンプ23の吐出側)から分
岐するライン35を経由して中和タンク36に送られ、
この中和タンク36で中和された後、ポンプ37により
再生塔22に戻される。なお、中和タンク36からポン
プ37により送り出された吸収液C1の一部は、加熱器
38において水蒸気D1により加熱された後、再生塔2
2に戻される。
【0036】一方、再生塔22では、脱硫塔21の塔底
部に溜まった吸収液C1が、前述したライン21aを経
由して、吸収液熱交換器24で加熱された後、塔中央部
に配設された充填材39の上面側に供給され、塔内を上
昇する吸収液C1の蒸気や吸収成分(オフガス)と接触
しつつ充填材39を経由して流下する構成となってい
る。
【0037】この再生塔22の塔底部の吸収液C1は、
加熱器40において水蒸気D2により加熱され、これに
より吸収成分であるH2Sがこの再生塔22においてガ
ス側に放散されるようになっている。そして、このH2
を含むオフガスE1は、再生塔22の頂部に設けられた
ミストエリミネータ41や還流部を経て、より高濃度に
2Sを含む再生ガスE2(主成分CO2)として、後述
の石膏回収部に送られる。
【0038】ここで還流部とは、オフガスE1が冷却器
42により冷却されることにより生成され、タンク43
に貯留されたオフガスE1の凝縮液C4が、ポンプ44
により再生塔22の塔頂部に供給され充填材45を経由
して流下するもので、これによりオフガスE1中の蒸気
がより多く液化する一方で、液中の吸収成分であるH2
Sがより多く放散して、例えば体積パーセントで20%
程度の高濃度のH2Sを含む再生ガスE2が得られる。
【0039】なお、ポンプ44により再生塔22の塔頂
部に供給される吸収液C4には、外部から供給される吸
収液C2(例えば工業用水)が混入される。また、吸収
液C4の一部は、ポンプ44の吐出側から分岐するライ
ン46を経て、前述の洗浄塔からの排水B3と混合さ
れ、排水B4として後述の燃焼冷却部に送られる。また
冷却器42は、工業用水等の冷媒C5によりオフガスE
1を冷却するシェルアンドチューブ構造の熱交換器であ
る。
【0040】次に、燃焼冷却部の構成及び動作につい
て、図3により説明する。燃焼冷却部には、脱硫再生部
から送られた再生ガスE2を一時貯留するバッファタン
ク51と、このバッファタンク51から排出される再生
ガスE2を空気F1,F2や後述のオフガスB7(図5
に示す)と反応させて、含有されるH2Sを燃焼させる
燃焼炉52と、この燃焼炉52で再生ガスE2が燃焼し
てなる排煙E3に工業用水等よりなる冷却液G1を気液
接触させる冷却塔53とが設けられている。
【0041】ここで、燃焼炉52は、蓄熱式熱交換燃焼
炉で、この燃焼炉52には、ブロワ54,55から空気
F1,F2が供給される。なお、この燃焼炉52の詳細
構成及び動作については、図6,7により後述する。な
お燃焼炉52では、オフガスB7中の僅かなアンモニア
や空気F1,F2中の窒素が燃焼することにより窒素酸
化物が発生するため、要求される窒素酸化物の排出濃度
によっては、例えば乾式の脱硝装置を燃焼炉52の後流
に設けてもよい。
【0042】また燃焼炉52では、H2Sの燃焼によっ
て、SO2に比較して僅かな量であるが三酸化硫黄(SO
3)も生成される。この三酸化硫黄は、そのまま放置す
れば、ガス中に僅かに残留したアンモニアと結合するこ
とによって、腐食性が強くスケールとなり易い酸性硫安
(NH4HSO4)となったり、或いは硫酸露点の特性に
従って腐食性が強い硫酸ミストになる。また、この三酸
化硫黄が凝縮してなる硫酸ミストは、通常サブミクロン
粒子であるため、後述の吸収塔61(図4に示す)では
捕集できず、後述の排煙E5中に含まれて大気放出され
てしまう。
【0043】そこで、前述の脱硝処理に必要な量に加え
て、排煙E3中の三酸化硫黄を中和して無害で捕集容易
な硫安((NH4)2SO4)とする分も含む多量のアンモニ
アを、排煙E3中に注入するようにしてもよい。なお、
このアンモニアとしては、後述する排水処理部で回収さ
れたアンモニア水M3又はM5(図5に示す)が使用で
きる。
【0044】冷却塔53は、底部に溜まった冷却液G1
が循環ポンプ56により吸上げられて塔頂部から噴射さ
れ、塔下部に導入されて上昇する排煙E3と気液接触す
るもので、この冷却液G1や後述の補給水G2と気液接
触して冷却された排煙E3は、塔頂部から冷却後の排煙
E4として排出される。なお、循環ポンプ56の吐出側
には、循環する冷却液G1を工業用水等により冷却する
冷却器57が設けられている。また、この冷却塔53の
塔頂部からは、工業用水等の補給水G2が冷却液G1を
構成する水分として供給される。またさらに、冷却液G
1の一部は、循環ポンプ56の吐出側から分岐するライ
ン58から排出され、脱硫再生部から送られる排水B4
と混合され、排水B5として後述の排水処理部に送られ
る。
【0045】次に、石膏回収部(脱硫装置)の構成及び
動作について、図4により説明する。本例の石膏回収部
は、カルシウム化合物J1を含有するスラリ状の吸収液
H1(以下、吸収剤スラリH1という。)により、燃焼
冷却部から排出された排煙E4から主にSO2(亜硫酸ガ
ス)を吸収除去して、石膏を副生する脱硫装置よりな
る。
【0046】この脱硫装置は、亜硫酸ガスを高濃度に含
む排煙E4を、吸収剤スラリH1と気液接触させて浄化
後の排煙E5として排出するとともに、亜硫酸ガスを吸
収したスラリ中に酸化用空気F3を多数の微細気泡とし
て吹込み、スラリ中の亜硫酸を酸化して石膏化させる吸
収塔61と、この吸収塔61から抜き出されたスラリH
2(石膏スラリ)を固液分離する遠心分離機等の固液分
離手段62と、この固液分離手段62で生じるろ液H3
を貯留するろ液ピット63と、吸収剤スラリH1を生成
するための吸収剤スラリピット64とを備える。なお、
固液分離手段62で分離された固形分J2(二水石膏の
石膏ケーキ)を120℃〜150℃程度まで加熱して半
水石膏とする燃焼炉等の石膏加熱装置を備えていてもよ
い。
【0047】ここで吸収塔61は、塔底部に吸収剤スラ
リH1が供給されるスラリタンク65を有し、この一つ
のスラリタンク65の上方に、この場合四つの塔本体6
6a,66b,66c,66dが並べて設置されたもの
である。そして、スラリタンク65内のスラリが循環ポ
ンプ67により吸上げられ、各塔本体内に設置されたス
プレーパイプから液注状に上向きに噴射され、効率良く
排煙E4と気液接触する構成となっている。
【0048】なお、四つの塔本体のうち、塔本体66
a,66cはいわゆる並流式の気液接触塔であり、塔本
体66b,66dはいわゆる向流式の気液接触塔であ
る。また、処理される排煙E4は、この場合塔本体66
aの塔頂部から導入され、次いでスラリタンク65の上
部を経由して塔本体66bの下部に導入され、次いで塔
本体66bと塔本体66cの塔頂部を接続する接続ダク
ト66eを経由して塔本体66cに導入され、次いでス
ラリタンク65の上部を経由して塔本体66dの下部に
導入され、最終的に塔本体66dの塔頂部から排出され
る構成となっている。
【0049】また、処理後の排煙E5の出口ダクト69
には、ミストエリミネータ70と、排気ファン71とが
順次設けられている。ミストエリミネータ70は、排煙
E5から同伴ミストを除去するもので、適宜工業用水等
の洗浄水G4が供給され、エレメントが洗浄される。な
お、供給された洗浄水G4や除去された液分は、最終的
にミストエリミネータ70の下部ホッパを経由してスラ
リタンク65内に導入され、吸収塔61で循環するスラ
リの一部となる。
【0050】また、排気ファン71は、吸収塔61など
における排煙の圧力損失に対抗して排煙を圧送するため
のもので、例えば前述のバッファタンク51内の圧力の
検出値に基づいてその能力が制御される。なお、排気フ
ァン71により送り出された排煙E5は、図示省略した
煙突から大気放出される。
【0051】スラリタンク65には、空気F3を微細気
泡として拭き込む固定式エアスパージャ72と、タンク
内のスラリ全体を攪拌する攪拌機73とが設けられ、亜
硫酸ガスを吸収して各塔本体から流下するスラリが、吹
き込まれた空気と効率良く接触して、吸収された亜硫酸
が略全量酸化され、さらにはカルシウム化合物と中和反
応を起こして高純度の石膏が生成されるようになってい
る。
【0052】そして、このように定常状態においては石
膏を高濃度に含むスラリが、タンク65内からポンプ7
4により抜出され、スラリH2として固液分離機62に
送られ、固液分離されて固形分である石膏J2が採取さ
れる。なお、上記固液分離により生じてろ液ピット63
に一時的に貯留されるろ液H3は、ポンプ75により適
宜吸上げられて、スラリタンク65又は吸収剤スラリピ
ット64に送られ、いずれにしろ最終的にはスラリタン
ク65に戻されて循環使用される。
【0053】また吸収剤スラリピット64では、図示省
略したサイロより供給されるカルシウム化合物J1(例
えば、石灰石)と、これに応じた量のろ液H3とが混合
攪拌され、所定濃度の吸収剤スラリH1が調製される。
そして、この吸収剤スラリピット64内の吸収剤スラリ
H1は、例えば処理ガスである排煙E4中の亜硫酸ガス
量の検出値などに応じて、その供給流量が制御され、ポ
ンプ76によりスラリタンク65に送られる。また、吸
収塔61において蒸発して排煙中の蒸気として持去られ
る水分や、石膏J2の含有水或いは付着水として系外に
排出される水分を補うべく、工業用水等の補給水G3
が、例えばスラリタンク65内の液面高さを一定範囲に
維持するように、スラリタンク65内に供給される。
【0054】なお、火力発電設備等に付設される一般の
脱硫装置では、亜硫酸ガスとともにスラリ中に吸収され
る塩素等の不純物が、循環するスラリ構成液分の中に蓄
積することを防止するため、例えばろ液ピットのろ液の
一部を系外に排出し、排水処理を行ったのち放水或いは
再使用するなどの措置をとっている。しかし本例では、
このような排水処理は行う必要がない。というのは、火
力発電設備から排出される排煙に比較して、本例で処理
する排煙E4中には、このような不純物は僅かしか存在
しないので、石膏J2などとともに系外に排出される液
分により、このような不純物の蓄積が防止できるからで
ある。
【0055】また、前述の補給水G3の一部又は全部と
して後述のアンモニア水M3又はM5(図5に示す)を
用いてもよい。このようにアンモニアが注入されて脱硫
装置の循環スラリ中のアンモニウムイオン濃度が増加す
ると、亜硫酸ガスの除去率が格段に向上することが分っ
ている。
【0056】次に、排水処理部の構成及び動作につい
て、図5により説明する。燃焼冷却部より排出された前
述の排水B5(図3に示す)は、まずpH処理槽81
で、例えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2)などの
アルカリKが添加され、pHを中性付近に調整された
後、排水B6としてポンプ82により蒸発缶83(一次
濃縮手段)の循環系に導入される構成となっている。
【0057】なお、pH処理槽81内はほぼ大気圧とな
っており、ここに導入される排水B5は、前述のガス洗
浄部や脱硫再生部などからこのpH処理槽81まで送ら
れる過程で、高圧状態から常圧状態へと変化する。この
ため、溶け込んでいたアンモニア等のガスが一部自然的
に蒸発し、このガスがpH処理槽81で気相側に放散さ
れるが、この場合このガスは、オフガスB7としてファ
ン81aにより排出され、前述したように燃焼炉52に
導入される再生ガスE2に混入される構成となってい
る。
【0058】蒸発缶83は、排水B6を蒸発処理して濃
縮液L1とアンモニアを含む蒸気M1とに分離するもの
で、この場合、底部の液溜まりの濃縮液L1が循環ポン
プ84により吸上げられ、新たに導入された排水B6と
ともに加熱器85により加熱された後、上部から噴射さ
れるものである。なお加熱器85は、例えば発電システ
ムにおける蒸気サイクルの一部から抽気された高温蒸気
D3により、アンモニアがガスとして放散される温度に
循環液を加熱する熱交換器である。
【0059】そして、蒸発缶83の循環系から抜き出さ
れた濃縮液L1は、タンク86及びポンプ87を経て、
石膏を分離する固液分離機88に送られる。固液分離機
88では、濃縮液L1中に含まれる石膏J3が選択的に
分離される。なお、この石膏J3は、ガス洗浄部におい
てタンク10から供給されて排水中に存在する硫酸イオ
ンと、pH処理槽81において添加されたカルシウムイ
オンとが結合してなるものである。また固液分離機88
は、例えば真空式ベルトフィルタであり、吸引されたろ
液L2は、真空チャンバ89及びポンプ90を経てろ液
タンク92に供給される。
【0060】さらに、ろ液タンク92のろ液L2は、ポ
ンプ93によって、ローラ式の二次濃縮手段94に送ら
れて脱水され、汚泥J4として排出される。なお、汚泥
J4には、固液分離機88で分離できない微細な粒径の
固形分が含有される。なお、二次濃縮手段94で分離さ
れた液分は、例えば前流側(蒸発缶83など)に送られ
て再処理される。
【0061】一方、蒸発缶83の頂部から導出されたア
ンモニアを含む蒸気M1は、まず冷却器95により凝縮
温度まで冷却された後に、凝縮液タンク96に導入さ
れ、アンモニアを含む凝縮水(アンモニア水M2)とし
て一次貯留される。そして、この凝縮液タンク96のア
ンモニア水M2は、ポンプ97により抜き出されて、熱
交換器98を経て蒸留塔99に送られ、希釈アンモニア
水M3と濃縮アンモニア水M5とに分離される。
【0062】蒸留塔99は、例えば泡鐘塔などのいわゆ
る段塔であり、前述のアンモニア水M2が、熱交換器9
8で加熱された後に塔上部に供給され、塔内を上昇する
アンモニアを高濃度に含む蒸気M4と接触しつつ流下す
る構成となっている。そして、この蒸留塔99の塔底部
に溜まった低濃度の希釈アンモニア水M3は、加熱器1
00において水蒸気D4により加熱され、これにより溶
解したガス成分であるアンモニアがガス側に放散される
ようになっている。そして、放散されたアンモニアを含
む蒸気は、この蒸留塔99の頂部に設けられた還流部を
経て、より高濃度にアンモニアを含む蒸気M5として、
濃縮アンモニアタンク101に送られる。
【0063】ここで還流部とは、蒸気M4が冷却器10
2により冷却されることにより生成され、タンク103
に貯留された濃縮アンモニア水M5が、ポンプ104に
より蒸留塔99の塔頂部に供給されるもので、これによ
り蒸気M4中のアンモニア以外の蒸気(例えば水蒸気)
がより多く液化する一方で、液中のアンモニアがより多
く放散して、より高濃度のアンモニア水M5が得られ
る。なお、冷却器102は、工業用水等の冷媒G7によ
り蒸気M4を冷却するシェルアンドチューブ構造の熱交
換器である。
【0064】また、蒸留塔99の塔底部に溜まった低濃
度の希釈アンモニア水M3は、その一部が循環ポンプ1
05の吐出側から分岐するライン106によって適宜抜
出され、熱交換器98及び冷却器107で冷却された後
に、希釈アンモニアタンク108に送られる。
【0065】なお、濃縮アンモニアタンク101や希釈
アンモニアタンク108に貯留された濃縮アンモニア水
M5や希釈アンモニア水M3は、前述した燃焼炉52の
後流側での脱硝処理或いは三酸化硫黄の中和処理や、ガ
ス化ガス発電のガスタービンの後流側での脱硝処理に利
用できるし、或いは、亜硫酸ガスの吸収塔61のスラリ
構成液としても利用することができるが、このように濃
縮水と希釈水とに分離されているため、適宜要求される
アンモニア濃度に対応するように使い分けができて便利
である。
【0066】次に、前述した燃焼冷却部(図3)におけ
る燃焼炉52の詳細構成について、図6により説明す
る。燃焼炉52は、図6に示すように、炉本体120と
その付帯機器や配管ラインよりなる。炉本体120は、
燃焼室121と、この燃焼室121に並列状態に連通し
それぞれセラミック製の蓄熱体122が装填された三つ
の熱交換流路123a,123b,123cとを備え、
燃焼室121の上部にはバーナ124が設けられてい
る。
【0067】ここでバーナ124は、始動時に補助燃料
N(例えば、LPG)とこれを燃やす空気F2が供給さ
れ、始動時のみ燃焼室121内において補助燃料Nを燃
焼させるものである。なおこの炉本体120としては、
具体的には、例えば中外炉工業株式会社製のRTO蓄熱
式脱臭装置(型式RI−3)の燃焼炉が使用できる。
【0068】付帯機器や配管ラインとしては、再生ガス
E2と空気F1を混合させる混合器131と、この混合
器131により混合された処理ガスPがファン132に
より送り込まれる導入ライン133と、パージガスQが
送り込まれるパージライン134と、燃焼後の排煙E3
を排気するための排気ライン135と、燃焼室121か
ら排煙の一部を抜き取るライン137と、このライン1
37により燃焼室121から分離された排煙の一部を排
煙E3に混合する混合器136と、ライン137の途上
に設けられ燃焼室121から抜き取られる排煙の一部か
ら熱回収してボイラ給水Rを加熱し蒸気Sを発生させる
廃熱ボイラ138とが備えられている。
【0069】また、導入ライン133,パージライン1
34及び排気ライン135と、各熱交換流路123a,
123b,123cとの間には、開閉バルブ141a〜
141c,142a〜142c,143a〜143cが
それぞれ設けられている。
【0070】なお、これら開閉バルブ141a〜141
c,142a〜142c,143a〜143cは、図示
省略したコントローラにより所定のシーケンス又はプロ
グラムに従って制御され、後述する運転が実行されるよ
うに作動する。また、この場合パージライン134に
は、排煙E3の一部が図示省略したファンによって送り
込まれ、この排煙E3の一部がパージガスQとして利用
されるようになっている。
【0071】次に、以上のようなガス精製設備において
実施される本発明のガス精製方法の一例について説明す
る。まず、図1に示す洗浄部では、生成ガスA1中の硫
化カルボニルが硫化水素に変換された後、生成ガスA1
の洗浄が行われ、ガス中の塩素化合物やアンモニアなど
の不純物が除去される。次に、図2に示す脱硫塔21で
は、生成ガスA3を硫黄化合物(硫化水素)の吸収液と
気液接触させることにより生成ガス中に含まれる硫黄化
合物を吸収除去する(脱硫工程)。次いで、図2に示す
再生塔22では、この脱硫工程で硫黄化合物を吸収した
吸収液C1に熱を加えて硫黄化合物を含む再生ガスE2
を排出する(再生工程)。
【0072】次に、図3及び図6に示す燃焼炉52で
は、上記再生工程で生じた再生ガスE2を後述のような
動作で効率良く燃焼させて亜硫酸ガスを含む排煙E3に
転換させる(燃焼工程)。次いで、図3に示す冷却塔5
3では、排煙E3を冷却液G1に気液接触させて冷却す
る。
【0073】さらに、図4に示す石膏回収部では、冷却
後の排煙E4中の亜硫酸ガスを湿式石灰石膏法により吸
収して石膏J2を副生する(石膏回収工程)。なお、洗
浄部や脱硫再生部などから出た排水は、最終的に排水B
5として統合され、図5に示す排水処理により処理され
て、アンモニアM3,M5が回収されるとともに、ここ
でも石膏J3が副生される。
【0074】そして上記燃焼工程では、燃焼炉52の燃
焼室121(図6に示す)で再生ガスE2と空気F1の
混合ガス(処理ガスP)をこの場合1000℃以上で燃
焼させることにより、SO3の発生がほぼ最低量に抑制
され前述の反応式(1)により再生ガスE2中の硫化水
素(H2S)のほとんどが亜硫酸ガス(SO2)となる。
【0075】以下、この燃焼工程を遂行する燃焼炉52
の動作を、図7を参照しつつ説明する。なお図7では、
開閉バルブ141a〜141c,142a〜142c,
143a〜143cのうち、閉じているバルブを黒色で
塗り潰して図示しており、開動しているバルブを白抜き
で図示している。
【0076】燃焼炉52では、各開閉バルブの作動状態
が切換えられることにより、図7の(a),(b),
(c)で示す動作状態が、それぞれ60〜70秒の間隔
で順次繰返される。そして、始動時から燃焼室121内
の温度が設定温度である1000℃に到達し安定するま
での時間だけは、燃焼室121の上部にバーナ124か
らLPGと空気の混合ガスが吹込まれ火炎124aが形
成される。これにより、以下のような運転が実現され
る。
【0077】すなわち、図7(a)に示す状態では、熱
交換流路123aが再生ガスE2と空気F1が混合され
てなる処理ガスPの導入路となっており、処理ガスP
は、導入ライン133から開閉バルブ141aを介して
熱交換流路123aに入り、この熱交換流路123a内
の蓄熱体122と熱交換した後に燃焼室121内に導入
される。始動時から定常状態になるまでの過渡期には、
熱交換流路123aの蓄熱体122は低温であるため、
このように導入された処理ガスPは確実に高温で自己燃
焼する程には十分に加熱されないが、バーナ124から
の火炎124aにより硫化水素の濃度が低い場合にも確
実に1000℃以上で燃焼させることができる。
【0078】そして熱交換流路123aの蓄熱体122
は、図7(c)で示す一つ前の動作状態で1000℃以上
の排煙により加熱されるため、定常状態においては、外
側(燃焼室から遠い側)で300℃程度、内側(燃焼室
に近い側)で800℃程度となる。
【0079】このため、定常状態においては、このよう
に十分高温とされた蓄熱体122により熱交換流路12
3aを通過する処理ガスPを750℃程度にまで加熱で
き、硫化水素の濃度が低い場合でも、バーナ124から
の火炎124aが停止しているにもかかわらず処理ガス
Pを燃焼室121内において1000℃以上で自己燃焼
させることができる。なお、定常状態の場合、この図7
(a)で示す動作状態の終了時(次の動作状態への切替直
前)には、熱交換流路123aの蓄熱体122は逆に処
理ガスPにより冷却されており、その温度は外側で20
0℃程度、内側で700℃程度となる。
【0080】また、図7(a)に示す動作状態では、同
時に、熱交換流路123cがパージガスQの導入路、熱
交換流路123bが排煙E3の排出路となっており、処
理ガスPが燃焼してなるガスが、開閉バルブ142cを
介して熱交換流路123cから流入したパージガスQと
ともに、熱交換流路123bを経由して開閉バルブ14
3b及び排気ライン135から排煙E3として排気され
る。
【0081】ここで熱交換流路123cは、図7(c)
で示す一つ前の動作状態で処理ガスPの導入路として機
能しているため、流路内には処理ガスPが残留している
が、この図7(a)に示す動作状態においてパージガス
Qによりこの残留した処理ガスPが燃焼室121内に送
り込まれ、含有される硫化水素が熱交換流路123aか
ら導入された処理ガスP中の硫化水素とともに1000
℃以上で燃焼する。なお、この熱交換流路123cの蓄
熱体122は、図7(c)で示す一つ前の動作状態で処
理ガスPの冷却効果により、定常状態においては、外側
で200℃程度、内側で700℃程度となっているが、
パージガスQとの接触によってさらに若干冷却されて、
この図7(a)で示す動作状態の終了時には、外側で1
80℃程度、内側で680℃程度となる。
【0082】また、熱交換流路123bの蓄熱体122
は、図7(c)で示す一つ前の動作状態でパージガスQ
と接触して冷却されているため、定常状態においては、
外側で180℃程度、内側で680℃程度となってい
る。このため、この図7(a)に示す動作状態におい
て、このように十分低温とされた蓄熱体122により熱
交換流路123bを通過する燃焼排ガスE3を300℃
程度にまで冷却できる。なお、定常状態の場合、この図
7(a)で示す動作状態の終了時には、熱交換流路12
3bの蓄熱体122は逆に排煙E3により加熱され、そ
の温度は外側で300℃程度、内側で800℃程度とな
る。
【0083】次に、図7(b)や図7(c)で示す動作
状態では、図7(a)で示した上述の各熱交換流路の動
作が順次隣接する或いは反対側の熱交換流路に移動する
ように切換わり、まず図7(b)で示す動作状態では、
左側の熱交換流路123aがパージガスQの導入路、中
央の熱交換流路123bが処理ガスP(再生ガスE2)
の導入路、右側の熱交換流路123cが排煙E3の排出
路となって同様の動作が実行される。そして、次の図7
(c)で示す動作状態では、左側の熱交換流路123a
が排煙E3の排出路、中央の熱交換流路123bがパー
ジガスQの導入路、右側の熱交換流路123cが処理ガ
スPの導入路となってやはり同様の動作が実行された
後、また図7(a)で示す動作状態に戻る。
【0084】こうして、この場合三つ設けられた蓄熱体
122のうちいずれか特定の蓄熱体122に排煙E3を
接触させて当該特定の蓄熱体122を加熱すると同時
に、他の蓄熱体122に燃焼前の処理ガスPを接触させ
て処理ガスPを加熱する操作が、順次蓄熱体122を切
換えつつ連続されることになり、結局、蓄熱体122を
媒体として排煙E3から回収した熱で再生ガスE2と空
気F1を連続的に加熱して、燃焼室121内では再生ガ
スE2に含まれる硫化水素の1000℃以上での燃焼が
連続できる。
【0085】さらに説明すれば、例えば燃焼排ガスの熱
で処理ガスを加熱する単なる熱交換器を有するいわゆる
熱交付き燃焼炉が考えられるが、熱交換材料(チューブ
や管板やエレメントなど)が燃焼排ガスで加熱されつつ
処理ガスで冷却されるため、約1000℃から常温まで
の高温と低温の温度差の大きなものに耐える高級材料を
必要とし、実用性のあるものは見当たらない。
【0086】一方、このような蓄熱式の熱交換機能を備
えた燃焼炉であると、熱媒体である蓄熱体の加熱と冷却
(熱回収)が独立して行なわれるため、熱媒体である蓄
熱体の僅か100℃〜150℃位の温度変化幅におい
て、ガスの入口(加熱前)と出口(加熱後)の温度差を
700℃程度と格段に大きくできる。このため、熱効率
が格段に高くなり、定常状態においては、LPG等の補
助燃料N及びそのための空気F2を投入することなく、
1000℃以上の高温での燃焼が連続的に実現できる。
【0087】なお、補助燃料Nの投入を停止した定常状
態においては、燃焼室121内の燃焼温度は、なんら操
作しなければ再生ガスE2の流量変動等により変動する
が、例えばこのような変動を考慮した場合の燃焼温度が
最低でも1000℃になるように設定しておき、100
0℃を大きく上回った場合には、例えば廃熱ボイラ13
8による熱回収量を排煙の流量操作等によりその分増加
させることにより、蓄熱体の加熱温度の増加を抑制して
1000℃近傍に保持するようにすればよい。このよう
にすれば、燃焼温度1000℃以上という条件を保持し
つつ、燃焼室121を構成する材料の耐熱温度(許容温
度)を最低限に抑えてコスト増加を回避できる。
【0088】またこの燃焼工程において、燃焼温度が1
000℃以上に保持されることは、前述の反応式(2)
の反応によるSO3の発生がほぼ最低量に抑制される作
用がある。即ち、発明者らの研究によれば、例えば図8
に示すように、SO3の発生量の低下は燃焼温度が高くな
るにつれ横這いとなり1000℃以上ではほとんど変化
しなくなる。そしてこの傾向は、硫化水素の濃度変化等
にかかわらず同様である。なお、図8に示したデータ
は、処理ガスの硫化水素濃度が14.2%で、排煙の硫
黄酸化物(SOx)の濃度が65000ppmのもので
あり、この場合燃焼温度が1000℃でのSO3転化率
(SO3/SOx)は、約2%と極めて低い値になって
いる。
【0089】以上のように、本例のガス精製設備或いは
ガス精製方法によれば、生成ガスA1中の硫黄化合物や
各種不純物が除去されて、極めてクリーンな精製ガスA
5が得られるとともに、工業上極めて有用な石膏が容易
に副生できる。
【0090】しかも、燃焼工程に関する前述の問題点が
解消され、設備コスト及び運転コストの点でさらに格段
に有利になる。すなわち、硫化水素の濃度が低濃度であ
っても、少なくとも定常状態においては補助燃料Nやこ
れを燃焼させるための空気F2を投入しなくても燃焼が
可能であり、補助燃料Nが不要になる分に加えて、補助
燃料Nや空気F2を送り込むためのポンプやファンの動
力が不要になる分だけ運転コストが低減できる。また、
補助燃料Nと空気F2を投入する必要がないため、排煙
E3の流量が格段に低減でき、燃焼工程以降の装置容量
が大幅に低減できるとともに、燃焼工程以降のガス送給
用のファンやブロワ等の運転コストも格段に低減でき
る。
【0091】また、本例の燃焼工程においては、燃焼温
度を1000℃以上に保持するようにしているので、前
述したようにSO3の発生量がほぼ最低限に抑制され、燃
焼工程以降の装置設備の耐食性を向上させる等の特別な
措置を施す必要がなくなり、この点においても設備コス
トの低減が可能になるとともに、SO3による装置部材の
腐食といった不具合も信頼性高く防止される。
【0092】しかも本例の場合には、廃熱ボイラ138
の熱回収量の調整等により、再生ガスE2の流量変動が
あっても、燃焼温度を常に1000℃近傍に維持するよ
うにしているので、燃焼温度が過剰に高くなって燃焼室
121の構成部材の寿命を縮めるといった不具合の発生
が信頼性高く回避される効果もある。
【0093】なお、本発明は上記形態例に限られず各種
の態様がありうる。例えば本発明の燃焼炉における熱交
換流路及び蓄熱体は、三つに限られず、例えば四つ以上
設けて、各役割を複数の熱交換流路及び蓄熱体により時
間的にオーバーラップして実行するようにしてもよい。
【0094】
【発明の効果】請求項1記載のガス精製方法では、脱硫
工程において生成ガス中の硫黄化合物が吸収液に吸収除
去されて、クリーンな精製ガスが得られる。そして、再
生工程において吸収した硫黄化合物を含む再生ガスが排
出され、この再生ガスが、燃焼工程により亜硫酸ガスを
含む排煙に転換され、さらに石膏回収工程においてこの
排煙中の亜硫酸ガスが吸収されて工業上極めて有用な石
膏が副生される。
【0095】しかも、前記燃焼工程においては、蓄熱体
のうちいずれか特定の蓄熱体に燃焼後の排煙を接触させ
て当該特定の蓄熱体を加熱すると同時に、他の蓄熱体に
燃焼前の前記再生ガスを接触させて前記再生ガスを加熱
する操作を、順次蓄熱体を切換えて連続的に実行するこ
とにより、蓄熱体を媒体として排煙から回収した熱で燃
焼前の再生ガスを加熱する。
【0096】これにより、熱媒体である蓄熱体の加熱と
冷却(熱回収)が独立して行なわれるため、熱媒体であ
る蓄熱体の僅か150℃位の温度変化幅の範囲におい
て、蓄熱体と熱交換するガスの入口と出口の間の温度差
を700℃程度に格段に大きくできる。このため、熱効
率が格段に高くなり、定常状態においては、LPG等の
補助燃料及びそのための空気を投入することなく、高温
での燃焼が連続的に実現できる。
【0097】したがって、前述の燃焼工程に関する問題
点が解消され、設備コスト及び運転コストの点で格段に
有利になる。すなわち、硫化水素の濃度が低濃度であっ
ても、定常状態においては補助燃料やこれを燃焼させる
ための空気を投入しなくても燃焼が可能であり、補助燃
料の購入費が不要になる分に加えて、補助燃料や空気を
送り込むためのポンプやファンの動力が不要になる分だ
け運転コストが低減できる。しかも、補助燃料とそのた
めの空気を投入する必要がないため、燃焼後の排煙の流
量が格段に低減でき、燃焼工程以降の装置容量が大幅に
低減できるとともに、燃焼工程以降のガス送給用のファ
ンやブロワ等の運転コストも格段に低減できる。
【0098】また、請求項2記載のガス精製方法では、
燃焼温度を1000℃以上に保持するようにしているの
で、前述したようにSO3の発生量がほぼ最低限に抑制さ
れ、燃焼工程以降の装置設備の耐食性を向上させる等の
特別な措置を施す必要がなくなり、この点においても設
備コストの低減が可能になるとともに、SO3による装置
部材の腐食といった不具合も信頼性高く防止される。
【0099】次に、請求項3記載のガス精製設備では、
脱硫塔において生成ガス中の硫黄化合物が吸収液に吸収
除去されて、クリーンな精製ガスが得られる。そして、
再生塔において吸収した硫黄化合物を含む再生ガスが排
出され、この再生ガスが、蓄熱式熱交換燃焼炉により亜
硫酸ガスを含む排煙に転換され、さらに脱硫装置におい
てこの排煙中の亜硫酸ガスが吸収されて工業上極めて有
用な石膏が副生される。
【0100】ここで、前記蓄熱式熱交換燃焼炉として
は、燃焼室に並列状態に連通しそれぞれ蓄熱体が装填さ
れた複数の熱交換流路を備え、これら熱交換流路が燃焼
室に対する再生ガスの導入路又は燃焼後の排煙の排出路
として順次切換えられる構成が採用されている。
【0101】このため、いずれか特定の熱交換流路の蓄
熱体に排煙が接触して当該特定の蓄熱体が加熱されると
同時に、他の熱交換流路の蓄熱体に燃焼前の再生ガスが
接触してこの再生ガスが加熱される動作が、順次熱交換
流路及び蓄熱体を切換えて連続的に実行されることにな
り、蓄熱体を媒体として燃焼後の排煙から回収した熱で
燃焼前の再生ガスが加熱される。
【0102】これにより、熱媒体である蓄熱体の加熱と
冷却(熱回収)が独立して行なわれるため、熱媒体であ
る蓄熱体の僅か150℃位の温度変化幅の範囲におい
て、蓄熱体と熱交換するガスの入口と出口の間の温度差
を700℃程度に格段に大きくできる。このため、熱効
率が格段に高くなり、定常状態においては、LPG等の
補助燃料及びそのための空気を投入することなく、高温
での燃焼が連続的に実現できる。したがって、やはり前
述の燃焼炉に関する問題点が解消され、設備コスト及び
運転コストの点で格段に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例であるガス精製設備のガス洗浄部
の構成を示す図である。
【図2】同設備における脱硫再生部の構成を示す図であ
る。
【図3】同設備における燃焼冷却部の構成を示す図であ
る。
【図4】同設備における石膏回収部の構成を示す図であ
る。
【図5】同設備における排水処理部の構成を示す図であ
る。
【図6】同設備の燃焼炉の詳細構成を示す図である。
【図7】同設備の燃焼炉の動作を示す図である。
【図8】硫化水素の燃焼により発生する亜硫酸ガスの濃
度と燃焼温度との相関関係を示すデータの一例を示す図
である。
【符号の説明】
21 脱硫塔 22 再生塔 52 燃焼炉(蓄熱式熱交換燃焼炉) 121 燃焼室 122 蓄熱体 123a,123b,123c 熱交換流路 A1〜A5 生成ガス C1 吸収液(硫黄化合物吸収用) E1,E2 再生ガス E3,E4 排煙 H1 吸収剤スラリ(亜硫酸ガス吸収用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本城 新太郎 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭や石油のガス化によって得られる生
    成ガスを精製するガス精製方法であって、 前記生成ガスを硫黄化合物の吸収液と気液接触させるこ
    とにより前記生成ガス中に含まれる硫黄化合物を吸収除
    去する脱硫工程と、この脱硫工程で前記硫黄化合物を吸
    収した吸収液に熱を加えて硫黄化合物を含む再生ガスを
    排出する再生工程と、この再生工程で生じた再生ガスを
    燃焼させて亜硫酸ガスを含む排煙に転換させる燃焼工程
    と、この燃焼工程で生じた排煙中の亜硫酸ガスを湿式石
    灰石膏法により吸収して石膏を副生する石膏回収工程と
    よりなり、 前記燃焼工程を行なう燃焼室に対して複数の蓄熱体を設
    け、これら蓄熱体のうちいずれか特定の蓄熱体に前記排
    煙を接触させて当該特定の蓄熱体を加熱すると同時に、
    他の蓄熱体に燃焼前の前記再生ガスを接触させて前記再
    生ガスを加熱する操作を、順次蓄熱体を切換えて連続的
    に実行することにより、前記蓄熱体を媒体として前記排
    煙から回収した熱で前記再生ガスを加熱しつつ前記燃焼
    工程を行なうことを特徴とする請求項1記載のガス精製
    方法。
  2. 【請求項2】 前記燃焼工程における再生ガスの燃焼温
    度を1000℃以上としたことを特徴とする請求項1記
    載のガス精製方法。
  3. 【請求項3】 石炭や石油のガス化によって得られる生
    成ガスを精製するガス精製設備であって、 前記生成ガスを硫黄化合物の吸収液と気液接触させるこ
    とにより前記生成ガス中に含まれる硫黄化合物を吸収除
    去する脱硫塔と、この脱硫塔で硫黄化合物を吸収した吸
    収液に熱を加えて硫黄化合物を含む再生ガスを排出する
    再生塔と、この再生塔で生じた再生ガスを燃焼させて亜
    硫酸ガスを含む排煙に転換させる蓄熱式熱交換燃焼炉
    と、この蓄熱式熱交換燃焼炉で生じた排煙中の亜硫酸ガ
    スを湿式石灰石膏法により吸収して石膏を副生する脱硫
    装置とを備え、 前記蓄熱式熱交換燃焼炉が、燃焼室と、この燃焼室に並
    列状態に連通しそれぞれ蓄熱体が装填された複数の熱交
    換流路とより構成され、前記熱交換流路が前記燃焼室に
    対する前記再生ガスの導入路又は前記排煙の排出路とし
    て順次切換えられる構成としたことを特徴とするガス精
    製設備。
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