JPH1135306A - 過酸化水素組成物 - Google Patents

過酸化水素組成物

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JPH1135306A
JPH1135306A JP19273097A JP19273097A JPH1135306A JP H1135306 A JPH1135306 A JP H1135306A JP 19273097 A JP19273097 A JP 19273097A JP 19273097 A JP19273097 A JP 19273097A JP H1135306 A JPH1135306 A JP H1135306A
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hydrogen peroxide
aluminum
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JP19273097A
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Yoshio Nishimura
嘉男 西村
Yoshiji Namikawa
好次 南川
Jun Kokubu
純 国分
Chiharu Nishizawa
千春 西沢
Satoru Okabe
哲 岡部
Naoko Matsuka
直子 松家
Toshihiro Nomura
俊広 野村
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定化された過酸化水素組成物を提供する。 【解決手段】アルミニウムを過酸化水素水溶液に含有さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品用、医療用容
器殺菌などの低蒸発残分、低リン成分が要求される用途
に適した過酸化水素組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素は、繊維、パルプの漂白、殺
菌消毒液、酸化剤として有機合成反応等の多くの分野で
幅広く利用され、更に、近年では電子工業用のウェハー
洗浄にも多量に用いられている。この様な過酸化水素
は、使用までの輸送や保存期間において、過酸化水素の
分解による濃度低下が発生するという問題を抱えてい
る。この分解による損失は、水溶液中に含まれる微量の
金属不純物イオン等の分解触媒作用によって引き起こさ
れることは広く知られており、現在までに用途に応じて
様々な安定化剤や安定化方法が検討されている。過酸化
水素の分解と安定化方法やその分解触媒活性を持つ元
素、化合物についての初歩的な知見は、Schumbらの「Hy
drogen Peroxide 」、レインホールド出版社、ニューヨ
ーク(1955)、P.447-546 やKirk-Othmer の「Encyclop
edia of Chemical Technology 」,13巻3版、ジョンウ
ィリー アンド サンズ、ニューヨーク(1981)、P.14
-15 等多くの著書に記載されている。
【0003】また近年に開発された過酸化水素の用途と
して、食品包装容器や医療器具の減菌、殺菌分野が挙げ
られ、その中でも、過酸化水素水溶液をそのまま使用す
る場合、ガス状の過酸化水素を使用する場合、又は低温
プラズマ状態の過酸化水素を使用する場合などが公表さ
れている。この過酸化水素の使用方法の中で、ガス状で
過酸化水素を使用する場合、過酸化水素中に含まれる蒸
発後の残分量が多いことから、過酸化水素の気化器等の
設備にスケールが付着し熱効率を低減化させたり、ノズ
ルを閉塞させたりすることが問題となっている。この蒸
発残分について、JIS規格(K-1463)では0.10重
量%以下、また食品衛生法に基づく規格には0.03重
量%以下と定められており、また、リン酸塩も同様に食
品添加用規格において0.00625重量%以下と定め
られているが、現実にはこれらの数値よりも相当低い残
分量やリン酸塩量が求められている。
【0004】然るに、過酸化水素中の蒸発残分やリン酸
塩の量は、ほとんど過酸化水素の安定性を維持するため
に添加されている各種安定剤の添加量に起因している。
これらの安定剤は、前述の様に分解触媒活性を有する金
属不純物による過酸化水素の分解損失を防ぎ、安定性を
維持するために、所望に応じて適当な量が添加されてい
る。過酸化水素は、その純度が非常に高い場合、熱力学
的に不安定とされるものの自然分解は起こさないとさ
れ、長期に渡って保存することが可能とされている。し
かし、貯蔵や輸送において使用される各種容器からの不
純物の溶出や、希釈する時に使用される水などから、分
解触媒活性を有する金属不純物が混入し汚染されること
が多く、貯蔵、輸送、取り扱い時に損失を招く結果とな
る。そのため、これらの過酸化水素安定剤を多量に添加
することが必要不可欠なものとなっている。
【0005】一般に広く使用されている安定剤は、無機
系安定剤のリン酸塩、ピロリン酸塩、錫酸塩等に代表さ
れ、価格が安価であることから多くの過酸化水素製品で
使用されている。これらは、それ自体の分解劣化が少な
いが、過酸化水素に対する単独の安定化効果は小さく、
分解活性を有する重金属類を封鎖し安定性を維持するた
めに、系内に多量に添加される必要があり、前述の低蒸
発残分の要求とは逆行する結果となる。
【0006】有効とされる有機キレート化合物は、例え
ばエチレンジアミンテトラメチレン(ホスホン酸)の様
なホスホン酸系キレート剤や、エチレンジアミン4酢
酸、ニトリロトリ酢酸等が列挙される(例えば、特公昭
50-36838号公報)。しかし、これらのキレート剤の中で
エチレンジアミン4酢酸やニトリロトリ酢酸は、初期に
は有効な安定剤であるが、長時間経過後に、窒素原子を
含むこれらの化合物が過酸化水素により分解され安定化
能力が低下することから、長期間の使用には適さない欠
点がある。このことは他の公知の有機化合物、例えば有
機ヒドロキシ化合物、ジグリコール酸、芳香族スルホン
酸、亜リン酸アシル化物、フェナントロリン、アミノト
リアジン、アセトアニリド等についても同様である。ま
た、ホスホン酸系キレート剤は、金属封鎖能力は高い
が、そのために貯蔵中における容器材質の腐食が激し
く、却って分解活性を持つ金属不純物の溶出を招くた
め、リン酸塩等の無機系安定剤、硝酸ナトリウム、硝酸
アンモニウム等の金属腐食防止剤を多量に併用すること
が必要である。このことは、結果的に無機系安定剤の場
合と同様、安定剤に起因する蒸発残分の増加を招くた
め、その使用用途が制限されるといった問題点がある。
更に、これらの有機キレート化合物は、価格が高価であ
るため、生産コストの上昇につながることも好ましくな
い欠点である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様々
な問題点から、実用上問題のない過酸化水素の安定度と
その持続性を保持し、また、安定剤量の実質的な低減化
を図ることで蒸発残分量を削減した過酸化水素組成物の
開発を目的としてなされたものであり、従来使用されて
いたリン系安定剤のみの使用で不十分であった分解損失
を抑制し経済的に有利な、尚且つ、蒸発残分を低減化さ
せた過酸化水素組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の諸
問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アルミニウム
が、単独又はリン系安定剤と共に過酸化水素に含有され
る場合、リン系安定剤単独使用の場合よりも過酸化水素
組成物が安定化され、尚且つ高温下の繰り返し使用に対
する持続性が優れることを見出した。更に、それを利用
することで、他の安定剤添加量を実質的に削減し、蒸発
残分量を低減化できることをも見出して本発明を完成す
るに至った。
【0009】すなわち本発明は、アルミニウムを単独又
はリン系安定剤と併用して含有させることを特徴とする
安定化された低蒸発残分の過酸化水素組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、過酸化水素の安
定性を改良するため含有されるアルミニウムは、過酸化
水素組成物中に添加後、均一に混合できるアルミニウム
イオンを含む水溶液又はアルミニウム化合物であれば特
に制限を受けず、それらが1種又は2種以上の組み合わ
せて含有させても良い。
【0011】本発明において含有されるアルミニウムの
無機化合物は、アルミニウムイオンを含む水溶液、メタ
アルミン酸ナトリウム、オルトアルミン酸ナトリウム等
のアルミン酸塩類、硝酸アルミニウム・9水和物、硫酸
アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミ
ニウムナトリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、珪
酸アルミニウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸ア
ルミニウムカリウム、硼酸アルミニウム、硼酸アルミニ
ウムアンモニウム、リン酸アルミニウム、リン酸水素ア
ルミニウム、ピロリン酸アルミニウム等の無機塩、水酸
化アルミニウム、酸化アルミニウム等の酸素化合物等が
例示される。
【0012】また、本発明において含有されるアルミニ
ウムの有機化合物は、酢酸アルミニウム等の酢酸塩、蓚
酸アルミニウム、蓚酸アルミニウムカリウム、蓚酸アル
ミニウムナトリウム、蓚酸アルミニウムアンモニウム等
の蓚酸塩類が挙げられる。
【0013】本発明で、過酸化水素に対し安定化効果の
あるアルミニウムを含有する方法は、水溶性のものであ
れば液体、固体を直接添加しても良く、また、予め、水
又は過酸化水素、過酸化水素を分解しない硝酸、硫酸等
の無機酸や有機酸等に溶解したマスターバッチを調整し
添加する方法でも良い。また、他の安定剤や安定化助剤
などと共に添加する方法も差し支えない。
【0014】また、例示したアルミニウム化合物の中
で、過酸化水素又は水に対し難溶、不溶の化合物につい
ては、過酸化水素を分解しない硝酸等の無機酸等に溶解
し、適当な濃度に調整したものを添加する方法が挙げら
れる。
【0015】本発明において、過酸化水素組成物中に含
有させるアルミニウムの濃度は、過酸化水素水溶液中に
含まれる重金属不純物濃度に依存するため一概に規定で
きないが、実際に使用する上で、過酸化水素水溶液中の
アルミニウム換算で0.1〜50重量ppmとなるよう
に添加することが好ましく、更に好ましくは0.2〜3
0重量ppmの範囲である。また、他の過酸化水素安定
剤と併用する場合は、その安定剤添加量、組成に応じ
て、所望のアルミニウム添加量を選択することが出来
る。
【0016】本発明によると、アルミニウムを使用する
ことにより従来使用されていた公知の各種過酸化水素安
定剤を使用しなくても過酸化水素の安定化が可能である
が、所要量のリン系安定剤を併用することで、リン系安
定剤単独使用の場合よりも安定度が改善する事ができ
る。その併用されるリン系安定剤の例として、オルト燐
酸、リン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩類や、ピロリ
ン酸水素ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等のピロリ
ン酸塩類などを含むリン含有無機化合物、アミノトリ
(メチレンホスホン酸)、アルキリデンジホスホン酸塩
等のホスホン酸系キレート剤、アセトフォスフォン酸ナ
トリウム等の亜リン酸アシル化体等のリン含有有機化合
物が挙げられ、使用用途などの所望に応じて単独又は組
み合わせで含有させてもよい。
【0017】本発明においてアルミニウムと共にリン酸
塩を併用する場合、過酸化水素組成物中に含有されるリ
ン酸の量は、過酸化水素組成物中に含まれる重金属不純
物濃度に依存するため一概に規定できないが、求められ
ている過酸化水素組成物の安定度と蒸発残分量から、過
酸化水素水溶液中リン酸とアルミニウムとの比率が重量
基準で1000:1〜0.1:1の範囲が好ましく、ま
た、過酸化水素化水素組成物中のリン酸濃度として0.
1重量ppm〜200重量ppmの範囲が好ましい。
【0018】また、本発明においてアルミニウムと共に
ピロリン酸塩を併用する場合、過酸化水素組成物中に含
有、又は添加するピロリン酸の量は、リン酸塩の場合と
同様に組成物中に含まれる重金属不純物濃度に依存する
ために一概に規定できないが、求められている組成物の
安定度と蒸発残分量から、過酸化水素組成物中のピロリ
ン酸とアルミニウムとの比率が重量基準で1000:1
〜0.1:1の範囲が好ましく、また、過酸化水素化水
素組成物中のピロリン酸濃度として0.1重量pm〜2
00重量ppmの範囲が好ましい。
【0019】また、リン酸塩とピロリン酸塩を組み合わ
せて使用する場合、前述のように求められている組成物
の蒸発残分量から、その合計濃度が0.5〜200重量
ppmの範囲で使用することが好ましい。
【0020】更に、他の過酸化水素安定剤を添加しても
よく、具体的な例として、ヒドロキシキノリン、脂肪族
アミン、芳香族スルホン酸、チオスルフェイト等の硫黄
含有有機化合物、ニトロ置換有機化合物、安息香酸等の
有機酸、エチレンジアミン4酢酸等の窒素含有キレート
剤等が挙げられる。しかし、これらの安定剤は、分解触
媒である重金属イオン類を封鎖するだけでなく、安定化
効果のあるアルミニウムをも封鎖しその効果を妨げるこ
とがあるため、適当な濃度範囲で添加されることが望ま
しい。特に、錫酸及び錫酸塩類は、アルミニウムの共存
下で沈殿を起こすことが知られており、本発明では、共
に使用する事は好ましくない。
【0021】本発明で使用される過酸化水素の濃度は、
特に制限を受けないが、通常は市販されている過酸化水
素は1〜90重量%の範囲であり、本発明によれば任意
の濃度でその安定性が改善できる。
【0022】更に、過酸化水素を分解しない硝酸、硫
酸、弗酸、塩酸等の無機酸を、金属表面処理等の使用用
途等に応じて過酸化水素水溶液中に任意量を添加するこ
とも差し支えない。
【0023】上記の各安定化剤等の他に、必要に応じて
硼酸塩等のpH調整剤、塩化ナトリウム等の等張化剤並
びに珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム等の安定化助剤
等を単独又は組み合わせて添加しても差し支えない。
【0024】
【実施例】以下に本発明の効果を実施例及び比較例によ
り具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定
されるものではない。 実施例1 過酸化水素に対して分解触媒活性を持つ鉄及びクロムを
各1重量ppb含有し、過酸化水素濃度が60.2重量
%の過酸化水素水溶液に、アルミニウムイオンを含む水
溶液(関東化学(株)社製原子吸光分析用1,000p
pm標準原液使用)をアルミニウム換算で0.5〜10
重量ppmとなる様に添加した過酸化水素水溶液を調製
し、その安定度を、JIS K-1463(1971),5.5章に定める
工業用過酸化水素の安定度測定法に基づいて求めた。本
方法は、所定の試料を硬質メスフラスコ中に入れ、沸騰
水浴中で標線が水浴の水面下に没する様に保ちながら5
時間加熱し、試験前後の過酸化水素濃度を1/10N過
マンガン酸カリウム溶液を用いた滴定(JIS K-1463、5.
2.4章)により求め、以下に示した式により5時間後の
過酸化水素残存率を過酸化水素水溶液の安定度とするも
のである。安定度試験の結果を表1に示した。
【0025】安定度 H=J’/J×100 H :安定度(%) J’:5時間加熱後の過酸化水素濃度(%) J :試験前の過酸化水素濃度(%)
【0026】実施例2 硝酸アルミニウム・九水和物(関東化学製試薬1級使
用)0.69gを、実施例1で用いた過酸化水素水溶液
999.31gに添加し、アルミニウム換算で約5pp
m含む過酸化水素水溶液を調製した。その過酸化水素水
溶液の安定度を実施例1に示した方法で測定し、結果を
表1に示した。
【0027】実施例3 アルミン酸ナトリウム(和光純薬製試薬1級)3.04
gを純水96.96gに溶解し、アルミニウム換算で約
1重量%含む水溶液を調整した。この水溶液1.50g
を実施例1で用いた過酸化水素水溶液298.50gに
添加して、アルミニウムを約5ppm含む過酸化水素水
溶液を調整し、実施例1に示した方法で安定度を測定し
た。結果を表1に示した。
【0028】比較例1 実施例1で用いた鉄、クロムをそれぞれ1重量ppb含
む過酸化水素水溶液に、アルミニウムのイオン又は化合
物を添加せず、実施例1と同様の方法で安定度試験を実
施した結果、安定度は97.4%であった。
【0029】比較例2 実施例1で用い鉄、クロムをそれぞれ1重量ppb含む
た過酸化水素水溶液に、硝酸を0.2mol/リットル
となる様に添加し、また、アルミニウムのイオン又は化
合物を添加せず、実施例1と同じ方法で安定度試験を実
施した結果、安定度は98.3%であった。
【0030】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実施例 Al添加量 化合物形態/溶液 安定度 (計算値/重量ppm ) (濃度) (%) ──────────────────────────────────── 実施例1 0.5 アルミニウム/0.2mol硝酸溶液 99.0 〃 1 〃 99.1 〃 5 〃 98.7 〃 10 〃 98.4 実施例2 5 硝酸アルミニウム 99.0 実施例3 5 アルミン酸ナトリウム 98.7 ──────────────────────────────────── 比較例1 0 ――― 97.4 比較例2 0 0.2mol硝酸溶液 98.1 ────────────────────────────────────
【0031】実施例4 31.2重量%過酸化水素水溶液に、過酸化水素に対し
て分解触媒活性を持つ鉄、クロムを各20重量ppbと
なる様に添加した。その過酸化水素水溶液にアルミニウ
ムの有機化合物である蓚酸アルミニウムを、アルミニウ
ム濃度として5〜10重量ppmの範囲で添加し、実施
例1と同様の方法で安定度を測定した。その結果を表2
に示した。
【0032】比較例3 実施例4で用いた過酸化水素組成物に、過酸化水素に対
し安定化効果を持つ蓚酸アルミニウムを添加しないこと
以外は、実施例4と同じ過酸化水素組成物の安定度を実
施例1記載の方法に基づき測定した。その結果を表2に
示した。
【0033】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実施例 Al添加量 化合物形態/溶液 安定度 (計算値/重量ppm ) (濃度) (%) ──────────────────────────────────── 実施例4 5 蓚酸アルミニウム 97.4 〃 10 〃 98.3 ──────────────────────────────────── 比較例3 0 ――― 95.4 ────────────────────────────────────
【0034】実施例5 過酸化水素に対して分解触媒活性を持つ鉄、クロムを各
10重量ppb、また、安定剤としてリン酸50重量p
pmとピロリン酸ナトリウム・10水和物50重量pp
mを含有し、過酸化水素濃度が60.2重量%の過酸化
水素組成物に、硝酸アルミニウムをアルミニウム換算で
1〜10重量ppmの範囲で添加し、その安定度を実施
例1と同様に測定した。その結果を表3に示した。
【0035】比較例4 実施例5で用いた過酸化水素組成物に、過酸化水素に対
し安定化効果を持つアルミニウムを添加しないこと以外
は、実施例5と同じ過酸化水素組成物の安定度を実施例
1記載の方法に基づき測定した。その結果を表3に示し
た。
【0036】
【表3】 ──────────────────────────────────── 実施例 Al添加量 化合物形態/溶液 安定度 (計算値/重量ppm ) (濃度) (%) ──────────────────────────────────── 実施例5 1 硝酸アルミニウム 99.3 〃 5 〃 99.6 〃 10 〃 99.5 ──────────────────────────────────── 比較例4 0 ――― 98.9 ────────────────────────────────────
【0037】比較例5 31.2重量%過酸化水素水溶液に、分解触媒活性を持
つ金属不純物である鉄及びクロムを20重量ppb添加
した過酸化水素組成物を調整し、リン酸及びピロリン酸
ナトリウム・10水和物を表4で示した濃度となる様に
加えて、それぞれの組成の安定度及び蒸発残分量を測定
した。蒸発残分量は、JIS K-1463(1971),5.5章に定める
工業用過酸化水素の蒸発残分測定法により求めた。
【0038】実施例6 比較例5で用いた過酸化水素組成物の中で、最もリン系
安定剤添加量が少ない例であるリン酸50ppm、ピロ
リン酸ナトリウム10水和物50ppmの過酸化水素組
成物に、硝酸アルミニウム・9水和物をアルミニウム濃
度が5ppmとなる様に添加し、その安定度及び蒸発残
分量を測定した。結果を表4に示した。
【0039】
【表4】 ──────────────────────────────────── 実施例 リン酸 ヒ゜ロリン酸ナトリウム アルミニウム 安定度 蒸発残分量 添加量 添加量 濃度 (%) (重量ppm ) (重量ppm )(重量ppm ) (重量ppm ) ──────────────────────────────────── 比較例5 100 100 <0.1 99.5 163 〃 75 75 <0.1 99.3 122 〃 50 50 <0.1 99.1 79 〃 0 0 <0.1 95.5 <1.0 ──────────────────────────────────── 実施例6 50 50 5 99.6 85 ────────────────────────────────────
【0040】実施例7 分解触媒活性を持つ鉄、クロムを各10重量ppb、ま
た、安定剤としてリン酸50重量ppmとピロリン酸ナ
トリウム・10水和物50重量ppmを含む、60.2
重量%過酸化水素水溶液にアルミニウムイオンを含む水
溶液をアルミニウム換算で1重量ppmとなるように添
加した過酸化水素組成物を調整した。この過酸化水素組
成物について、実施例1に示した安定度測定方法を2回
繰り返し実施し、高温安定度の持続性を検証した。その
結果を表5に示した。
【0041】比較例6 実施例7で用いた過酸化水素組成物にアルミニウムを添
加せず、実施例7と同様に安定度試験を繰り返し行っ
た。その結果を表5に示した。
【0042】
【表5】 ──────────────────────────────────── 実施例 試験回数 安定度 低下率 使用化合物 (%) (%) ──────────────────────────────────── 実施例7 1回目 99.6 アルミニウム/0.2mol硝酸溶液 〃 2回目 99.5 0.1 ──────────────────────────────────── 比較例6 1回目 99.0 無し 2回目 98.7 0.3 ────────────────────────────────────
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、高温安定度が改善さ
れ、且つ持続性を有する過酸化水素組成物が提供され、
他の安定剤添加量を実質的に削減することで蒸発残分量
を低減化させ、低蒸発残分量が望まれる容器殺菌用途な
どに好適な過酸化水素組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西沢 千春 三重県四日市市日永東2丁目4番16号 三 菱瓦斯化学株式会社四日市工場内 (72)発明者 岡部 哲 三重県四日市市日永東2丁目4番16号 三 菱瓦斯化学株式会社四日市工場内 (72)発明者 松家 直子 三重県四日市市日永東2丁目4番16号 三 菱瓦斯化学株式会社四日市工場内 (72)発明者 野村 俊広 三重県四日市市日永東2丁目4番16号 三 菱瓦斯化学株式会社四日市工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムを含有させることを特徴と
    する安定化された過酸化水素組成物。
  2. 【請求項2】 アルミニウムがイオン又は化合物である
    請求項1記載の過酸化水素組成物。
  3. 【請求項3】 アルミニウム含有量が、アルミニウム換
    算で0.1〜50重量ppmである請求項2記載の過酸
    化水素組成物。
  4. 【請求項4】 リン系安定剤を含有する請求項1記載の
    過酸化水素組成物。
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