JPH11352638A - 写真印画紙用支持体の製造方法及び装置 - Google Patents

写真印画紙用支持体の製造方法及び装置

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JPH11352638A
JPH11352638A JP16085498A JP16085498A JPH11352638A JP H11352638 A JPH11352638 A JP H11352638A JP 16085498 A JP16085498 A JP 16085498A JP 16085498 A JP16085498 A JP 16085498A JP H11352638 A JPH11352638 A JP H11352638A
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resin film
base material
temperature
hot air
nip
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JP16085498A
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Kazuo Ozaki
和夫 尾崎
Tadahiro Kikazawa
忠宏 気賀沢
Ryuichi Katsumoto
隆一 勝本
Tadashi Ueda
忠 上田
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材の走行速度を高速化して写真印画紙用支持
体を製造しても、クレーターの発生を顕著に低減でき、
ランニングコストも殆ど上がることのない。 【解決手段】押出ダイ12から吐出された溶融状態の樹
脂膜11は、走行する基材22面上に被覆された後、冷
却ローラ14とニップローラ16との間でニップ操作が
行われ、基材22と樹脂膜11から成るラミネート物2
6が形成される。このラミネートにおいて、押出ダイ1
2から吐出されてからニップされるまでの樹脂膜11の
温度低下を抑制あるいは加熱することによりクレータを
顕著に低減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真印画紙用支持
体の製造方法及び装置に係り、特に、クレーターの発生
がない写真印画紙用支持体を製造するための写真印画紙
用支持体の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】紙等のように表面に凸凹がある基材を、
樹脂膜で被覆して写真印画紙用支持体を製造する装置と
しては、ポリオレフィン等の熱可塑性の樹脂を加熱溶融
状態で押出ダイから走行する帯状の基材上にフィルム状
に押し出し、該樹脂膜と該基材とをニップローラと冷却
ローラとの間でニップして圧着することにより、樹脂膜
を基材にラミネートする押出ラミネート方法(押出コー
ティング方法とも称す)が広く採用されている。
【0003】この写真印画紙用支持体の製造において、
基材にラミネートされた樹脂膜の表面に微細な細孔(以
下、「クレーター」と称す)が生じることがある。そし
て、このクレーターの数が多いと製品の外観が損なわ
れ、写真印画紙用支持体として使用する場合には光沢感
も低下することから、製品の価値が著しく低下する。ク
レーターと呼ばれる樹脂膜表面に生じる細孔について
は、基材の走行速度であるライン速度が大きいほど、ラ
ミネートする樹脂膜の膜厚が薄いほど、押出ダイから吐
出される溶融樹脂の温度が低いほど、ニップする圧力が
小さいほど、基材の表面粗さが大きいほど発生し易いこ
とが知られている。
【0004】クレーター発生の防止対策を開示した先行
技術としては、例えば、特開平8─36238号公報の
ようにラミネートする樹脂の面から検討されたもの、特
開平4─81836号公報のように基材表面の改良の面
から検討されたもの、特開平6─214342公報のよ
うに製造の工程条件を規定するようにしたもの、特開昭
63─246227号公報のように新しい設備を提案し
たものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た何れの技術も、クレーター発生の防止対策としては不
充分であると共に、ランニングコスト等のコスト面にお
いてもアップになるという欠点がある。特に、基材の走
行速度、即ちライン速度が450m/分を越すような高
速な製造の場合には、上記の技術ではほとんど効果が見
られない。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、基材の走行速度を高速化して写真印画紙用支
持体を製造しても、クレーターの発生を顕著に低減で
き、しかもランニングコストも殆ど上がることのない写
真印画紙用支持体の製造方法及び装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、押出ダイから吐出した樹脂膜を基材面に被
覆してから該基材と前記樹脂膜をニップローラと冷却ロ
ーラとの間でニップして圧着すると共に前記樹脂膜を冷
却固化することにより基材面にフィルム状の樹脂膜をラ
ミネートする写真印画紙用支持体の製造方法において、
前記押出ダイより吐出された樹脂膜を直接的あるいは間
接的に保温又は加熱して、前記吐出されてからニップさ
れるまでの前記樹脂膜の温度降下を抑制あるいは加熱し
て樹脂膜の温度を高めることを特徴とする。
【0008】また、本発明は前記目的を達成するため
に、押出ダイから吐出した樹脂膜を基材面に被覆してか
ら該基材と前記樹脂膜をニップローラと冷却ローラとの
間でニップして圧着すると共に前記樹脂膜を冷却固化す
ることにより基材面にフィルム状の樹脂膜をラミネート
する写真印画紙用支持体の製造装置において、前記押出
ダイより吐出されてから前記ニップされるまでの前記樹
脂膜の温度降下を抑制あるいは高める温度降下抑制手段
あるいは加熱手段を設けたことを特徴とする。
【0009】本発明は、押出ダイから吐出された樹脂膜
が基材に被覆された後、被覆された基材と樹脂膜がニッ
プされるまでに樹脂膜の温度が急激に低下し、この樹脂
膜の温度低下が、基材にラミネートされた樹脂膜の表面
にクレーターが形成される大きな要因であることを見出
したことに基づいてなされたものである。即ち、本発明
によれば、例えば温風送風機の如くの温度降下抑制手段
を設けて、押出ダイから吐出されてからニップされるま
での樹脂膜を加熱して樹脂膜の温度降下を抑制あるいは
高めて、ニップ時における樹脂膜の温度を高く維持する
ようにしたので、基材にラミネートされた樹脂膜の表面
にクレーターが発生しにくくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る写真印画紙用支持体の製造方法及び装置の好ましい実
施の形態について詳説する。図1は、本発明の第1の実
施の形態における写真印画紙用支持体の製造装置10の
全体構成図である。
【0011】図1に示すように、溶融状態の熱可塑性樹
脂の樹脂膜11が吐出される押出ダイ12の下方には、
冷却ローラ14とニップローラ16とが平行に隣接配置
されると共に、冷却ローラ14を挟んでニップローラ1
6の反対側には、剥離ローラ18が冷却ローラに平行し
て隣接配置される。更に、ニップローラ16を挟んで冷
却ローラ14の反対側には、バックアップローラ17が
設けられる。そして、帯状の基材22は、冷却ローラ1
4とニップローラ16との間、冷却ローラ14と剥離ロ
ーラ18との間を通って冷却ローラ14の周面に接触し
ながら矢印方向に走行する。
【0012】また、ニップローラ16の上方には、筒状
の熱風送風機20がニップローラ16に対して平行に設
けられると共に、熱風送風機20の長手方向には走行す
る基材22に向かって熱風を吹出すスロットル状の吹出
口20Aが形成される。尚、本発明おける基材22は、
必要とするラミネート物に応じて、紙、樹脂、又は金属
を使用することができる。また、熱可塑性樹脂は、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を
はじめとする公知の熱可塑性樹脂を使用することができ
る。
【0013】次に、上記の如く構成された本発明の写真
印画紙用支持体の製造装置の作用について説明する。押
出ダイ12から吐出された溶融状態の樹脂膜11は、走
行する基材22面上に被覆された後、冷却ローラ14と
ニップローラ16との間でニップ操作が行われる。この
ニップ操作において、バックアップローラ17は、樹脂
膜11が基材面に圧着されるのに必要な圧力でニップロ
ーラ16を冷却ローラ14に対して押圧する。これによ
り、基材22面に被覆された樹脂膜11は基材22面に
圧着され、基材22と樹脂膜11から成るラミネート物
26が形成される。
【0014】しかし、従来のラミネート物26の製造方
法では、ラミネート物26の樹脂膜11の表面にクレー
ターが多数形成されるという問題がある。即ち、押出ダ
イ12から樹脂膜11を吐出する吐出点Pと、ニップロ
ーラ16と冷却ローラ14とで基材22と樹脂膜11が
ニップされるニップ点Qまでの間には、通常10〜40
cmのエアギャップと呼ばれる一定の距離が設けられ、
樹脂膜11が極めて薄いこともあって、吐出点Pからニ
ップ点Qに達するまでに樹脂膜11の温度が吐出時の温
度よりも数十〜100°Cも低下してしまう。そして、
この温度低下が大きい程、樹脂膜11表面のクレーター
の数が多いという知見を得た。樹脂膜11が温度低下を
引き起こす要因としては、雰囲気温度の他に、走行する
基材22或いは回転する冷却ローラ14からの同伴エア
ー等も大きな要因の一つとなる。
【0015】そこで、本発明では、このラミネート物2
6の形成において、熱風送風機20から走行する基材2
2の表面(樹脂膜11が被覆される面)に熱風13を吹
き付けるようにした。この熱風13は基材22によりエ
アギャップ間に運ばれるのでエアギャップ間の温度が高
温となり、樹脂膜11の温度低下を防止できる。また、
基材22に熱風13を吹き付けて熱風送風機20と基材
22との間にエアーカーテンを形成することにより、基
材22の走行に同伴されるエアを遮断して樹脂膜11に
当たらないようにできる。形成するエアーカーテンの高
さ(L)は、前記同伴されるエアを遮断できる限度にお
いてできるだけ低くした方が基材22の近い位置から熱
風13を吹き出すことができるので、加熱効率の点で好
ましい。また、熱風13の温度は基材22の同伴エアよ
りも高ければ樹脂膜11の温度低下を抑制する効果はあ
るが、余り低すぎても効果が小さいので50°C以上で
あることが好ましい。一方、熱風13の温度が余り高す
ぎると樹脂膜11から発生する煙に着火する危険がある
ので500°C以下であることが好ましい。熱風13の
風速は、エアカーテンを形成するために0.01m/秒
以上であることが好ましく、熱風13の影響で樹脂膜が
揺らがないようにするために50m/秒以下であること
が好ましい。
【0016】これにより、押出ダイ12から吐出されて
からニップされるまでの樹脂膜11を加熱して樹脂膜1
1の温度降下を抑制し、ニップ時における樹脂膜11の
温度を高く維持することができるので、基材22にラミ
ネートされた樹脂膜11の表面にクレーターが発生しに
くくなる。従って、ライン速度を高速化する場合や樹脂
量を減らして基材22に樹脂膜11を薄くラミネートす
る場合にも、樹脂膜11の表面にクレーターの少ない、
光沢が良好な平面性の良い写真印画紙用支持体を製造す
ることができる。
【0017】上記説明では、熱風13を基材22に当て
てエアギャップ間の雰囲気温度を上げることにより、そ
の基材22に被覆される樹脂膜11の温度低下を抑制す
るようにしたが、熱風13を樹脂膜11に直接吹き付け
ることもできる。しかし、熱風13を樹脂膜11に直接
吹き付けると樹脂膜11が揺らぐために熱風13の風速
を抑えざるを得ないので、熱風13を基材22に当てて
樹脂膜11を加熱する場合に比べて樹脂膜11の温度低
下を抑制する効果は多少小さくなる。
【0018】また、エアーカテーテンの外側に遮風板2
8を設けて、走行する基材22に同伴されるエアを遮蔽
するようにすると、熱風13によるエアーカーテンの効
果と遮風板28の両方で前記同伴エアを遮蔽することが
できる。また、遮風板28で壁を形成することによりエ
アーカーテンのみの場合に比べて保温効果を上げること
ができる。この場合、遮風板28で樹脂膜11を囲むよ
うにすると遮風や保温の効果を更に上げることができ
る。
【0019】このように、吐出点Pからニップ点Qまで
の樹脂膜11を直接的或いは間接的に加熱又は保温して
樹脂膜11の温度低下を抑制し、ニップ点Qでの樹脂膜
11の温度を高く維持することにより、クレーターの数
を減少することができる理由としては、ニップ点Qにお
ける樹脂膜11の温度を高く維持することにより良好な
流動性を維持できるためである。即ち、高い流動性を維
持することにより、基材22と樹脂膜11とをニップし
てラミネートする時に、レベリング作用のようなものが
働くために、基材22表面の凸凹の影響が樹脂膜11の
表面に反映されにくくなるためと考えられる。例えば、
吐出点Pからニップ点Qまでの樹脂膜11の温度低下を
抑制してニップ点Qでの樹脂膜11の温度を従来よりも
10°C高くできれば、クレーターの数を従来の1/3
〜1/4にまで減少させることができる。また、ニップ
点Qでの樹脂膜11の温度を従来よりも30°C高くで
きれば、温度以外の条件にも関係するがクレーターを全
く発生させないようにすることも可能である。
【0020】ちなみに、ニップ点Qにおける樹脂膜11
の吐出温度を高く維持するためには、例えば押出ダイ1
2から吐出する樹脂膜11の温度(吐出直後の樹脂膜温
度)を従来の吐出温度より高くすれば良いとの考えもあ
る。事実、押出ダイ12から吐出する樹脂膜11の吐出
温度を従来の吐出温度より10°C上昇させることによ
り、クレーターの数を減少させることができる。しか
し、押出ダイ12で溶融樹脂の温度を上げすぎると樹脂
が熱分解し、ネックインが大きくなって適正な幅の樹脂
膜11を吐出できなくなるばかりか、樹脂に焦げが発生
してしまい、クレーターを減少できても製品にならなく
なる。このことから、押出ダイ12から吐出される樹脂
膜11の吐出温度は、ネックインや焦げが発生しない上
限の温度に調整されているのが通常であり、押出ダイ1
2から吐出される樹脂温度を更に上昇させることは現実
には不可能である。
【0021】図2は、本発明の別の実施態様であり、熱
風送風機を2台設けて、1台の熱風送風機20(第1の
熱風送風機と称す)からは図1のように基材22に熱風
13を吹き付け、一方、冷却ローラ14側の上方に設け
た別の熱風送風機24(第2の熱風送風機と称す)から
ニップ点Qより僅かに冷却ローラ14側に向けて熱風1
3を吹き付けるようにしたものである。これにより、第
2の熱風送風機24とニップ点Qの間にもエアカーテン
を形成して、冷却ローラ14の回転による同伴される冷
風が樹脂膜11に当たらないようにできるので、樹脂膜
11の温度低下をより効果的に抑制することができる。
また、第1の熱風送風機20と基材22との間に形成さ
れるエアーカーテンと第2の熱風送風機24とニップ点
Qとの間に形成されるエアーカーテンとにより、樹脂膜
11の両側面側に壁を形成することができるので、樹脂
膜11の保温効果も大きくなる。第2の熱風送風機24
の送風量、熱風温度等の条件は第1の熱風送風機20の
場合と同様である。但し、第2の熱風送風機24からの
熱風温度を上げすぎると剥離ローラ18での樹脂膜11
の剥離性が多少悪くなる傾向があるので、第2の熱風送
風機24の熱風温度の上限は第1の熱風送風機20の5
00°Cよりも低めにした方がよい。また、第1の熱風
送風機20と第2の熱風送風機24との外側に遮風板2
8を設けると更に樹脂膜11の温度低下を抑制すること
ができる。この場合、遮風板28で樹脂膜11を囲むよ
うにすると更に良い。
【0022】尚、本発明の実施の形態では、熱風13に
より樹脂膜11の温度低下を抑制することで説明した
が、これに限定されるものではなく、ヒータを用いて樹
脂膜11を加熱するようにしてもよい。この場合、ヒー
タで樹脂膜11の周囲を囲むようにすると熱が逃げにく
くでき保温効果もある。要は吐出点Pからニップ点Qの
間における樹脂膜11の温度低下を抑制できればどのよ
うな方法或いは手段であっても良い。従って、熱風やヒ
ータによらずに保温材で吐出点Pからニップ点Qまでの
間の樹脂膜11を囲んで保温して樹脂膜11の熱が逃げ
にくくすることにより、樹脂膜11の温度低下を抑制す
るようにしてもよい。
【0023】
【実施例】(第1実施例)第1実施例では、厚み175
μm、幅300mmの帯状の基材(原紙)の表面に、メ
ルトフローレート7.0、密度0.916g/cm3
低密度ポリエチレンに酸化チタンを10wt%混ぜた樹
脂膜を30μmの厚みになるようにラミネートした。ま
た、押出ダイから吐出される樹脂膜の温度(吐出点Pの
温度)は、315°Cとし、基材の走行速度であるライ
ン速度は200m/分と、高速な450m/分の2通り
で行った。また、基材面に樹脂膜を圧着するニップ操作
のニップ圧は30kg/cm2 とした。
【0024】実施した結果を表1に示す。尚、表1にお
いて実施例1〜4は、図1から遮風板を省略した製造装
置を用いて熱風温度を350°C、500°C、熱風の
風速を5m/秒で行った場合である。実施例5〜6は図
2から遮風板を省略した製造装置を用いて熱風温度を3
50°C、熱風の風速を5m/秒で行った場合である。
また、比較例1〜2は、吐出点Pからニップ点Qの間に
おける樹脂膜の温度低下を抑制しない従来の製造装置で
行った場合である。
【0025】実施例及び比較例のクレーターの評価方法
としては、製造された写真印画紙用支持体の樹脂膜面か
ら0.4cm2 の面積のサンプル範囲をランダムに5ヵ
所選択し、それぞれのサンプル範囲を50倍に光学顕微
鏡で拡大し、直径50μm以上のクレーターの数をカウ
ントした。そして、5箇所のサンプル範囲のクレーター
の数を平均した平均値を実施例又は比較例のクレーター
数とし、以下の5段階にグレード分けした。
【0026】 グレード1…クレーター数が20以上 グレード2…クレーター数が15以上20未満 グレード3…クレーター数が10以上15未満 グレード4…クレーター数が 5以上10未満 グレード5…クレーター数が 5未満
【0027】
【表1】 表1の結果から分かるように、比較例の場合、ライン速
度が200(m/分)の比較例1の場合でクレーターの評
価が3であり、ライン速度が450(m/分)と高速化さ
れた比較例2の場合ではクレーターの評価が1まで悪く
なる。
【0028】これに対し、本発明の実施例は、ライン速
度が200(m/分)の実施例1、3、5では、いずれも
クレーターの評価が5であった。また、ライン速度が4
50(m/分)と高速化された場合でも、実施例2でのク
レーターの評価は4であるが実施例4、6の場合のクレ
ーターの評価は5であった。この結果から、本発明の写
真印画紙用支持体の製造方法を行うことにより、樹脂膜
面のクレーターの数を比較例に比べて顕著に低減するこ
とができた。
【0029】また、実施例2、4のライン速度を高速化
する場合の比較から、熱風の温度アップがクレーター防
止により効果的であることが分かった。また、実施例
2、4のライン速度を高速化する場合の比較から、図2
の如く熱風を基材とニップ点Qの両方に吹き付けた方が
クレーター防止により効果的であることが分かった。 (第2実施例)第2実施例で示した実施例7は、熱風を
樹脂膜に直接吹きつけた場合であり、熱風を基材に吹き
付けて樹脂膜を間接的に加熱する第1実施例の実施例1
と対比したものである。即ち、実施例7は、ライン速度
を200m/分とし、風速5m/秒の熱風を基材側から
樹脂膜に直接吹き付けた。尚、基材、樹脂膜及び樹脂膜
の吐出温度、クレーターの評価方法等の条件は第1実施
例と同様である。
【0030】また、実施例8は、第1実施例の実施例2
の条件に加えて基材の走行上流側、即ち熱風送風機を挟
んで樹脂膜の反対側に遮風板を設け、走行する基材によ
って同伴される冷風を遮風板で遮蔽するようにした場合
である。従って、実施例2は、エアーカーテンと遮風板
の両方で前記同伴される冷風が遮断される。
【0031】
【表2】 表2の結果から分かるように、熱風を樹脂膜に直接吹き
付ける実施例7のクレーターの評価は4〜5であり、比
較例1に比べると良い結果であったが実施例1に比べる
と効果が小さかった。このことは、同じ温度、風速の熱
風を樹脂膜に直接吹き付けるよりも、基材に吹き付けて
間接的に樹脂膜を加熱した方が効果が大きいことを示し
ている。
【0032】また、実施例8のクレーターの評価は5で
あり、第1実施例の実施例2のクレーターの評価4より
も良い結果であった。この結果から遮風板を設けた方が
効果が大きいことを示している。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の写真印画
紙用支持体の製造方法及び装置によれば、押出ダイから
吐出されてからニップされるまでの樹脂膜を加熱して樹
脂膜の温度降下を抑制し、ニップ時における樹脂膜の温
度を高く維持するようにしたので、基材にラミネートさ
れた樹脂膜の表面にクレーターが発生しにくくなる。
【0034】従って、ライン速度を高速化する場合や樹
脂量を減らして基材に樹脂膜を薄くラミネートする場合
にも、樹脂膜の表面にクレーターの少ない、光沢が良好
な平面性の良い写真印画紙用支持体を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真印画紙用支持体の製造装置の全体
構成図
【図2】本発明の写真印画紙用支持体の製造装置の別の
態様を示した全体構成図
【符号の説明】
10…写真印画紙用支持体の製造装置 12…押出ダイ 14…冷却ローラ 16…ニップローラ 18…剥離ローラ 20…第1の熱風送風機 22…基材 24…第2の熱風送風機 26…ラミネート物 28…遮風板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 忠 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出ダイから吐出した樹脂膜を基材面に被
    覆してから該基材と前記樹脂膜をニップローラと冷却ロ
    ーラとの間でニップして圧着すると共に前記樹脂膜を冷
    却固化することにより基材面にフィルム状の樹脂膜をラ
    ミネートする写真印画紙用支持体の製造方法において、 前記押出ダイより吐出された樹脂膜を直接的あるいは間
    接的に加熱又は保温して、前記吐出されてからニップさ
    れるまでの前記樹脂膜の温度降下を抑制あるいは樹脂膜
    の温度を高めることを特徴とする写真印画紙用支持体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記温度降下抑制は前記樹脂膜の温度以上
    での加熱により行われることを特徴とする請求項1に記
    載の写真印画紙用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】押出ダイから吐出した樹脂膜を基材面に被
    覆してから該基材と前記樹脂膜をニップローラと冷却ロ
    ーラとの間でニップして圧着すると共に前記樹脂膜を冷
    却固化することにより基材面にフィルム状の樹脂膜をラ
    ミネートする写真印画紙用支持体の製造装置において、 前記押出ダイより吐出されてから前記ニップされるまで
    の前記樹脂膜の温度降下を抑制する温度降下抑制手段を
    設けたことを特徴とする写真印画紙用支持体の製造装
    置。
  4. 【請求項4】前記温度降下抑制手段は加熱手段であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の写真印画紙用支持体の
    製造装置。
  5. 【請求項5】前記加熱手段は、熱風送風機であることを
    特徴とする請求項4の写真印画紙用支持体の製造装置。
  6. 【請求項6】前記熱風送風機は、熱風を前記基材に当て
    てエアカーテンを形成し前記基材に同伴されてくる空気
    を熱風に置換するものであることを特徴とする請求項5
    に記載の写真印画紙用支持体の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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