JPH11352588A - 照明装置およびそれを用いた投写型表示装置 - Google Patents

照明装置およびそれを用いた投写型表示装置

Info

Publication number
JPH11352588A
JPH11352588A JP10159480A JP15948098A JPH11352588A JP H11352588 A JPH11352588 A JP H11352588A JP 10159480 A JP10159480 A JP 10159480A JP 15948098 A JP15948098 A JP 15948098A JP H11352588 A JPH11352588 A JP H11352588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
hologram element
source lamp
illumination device
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10159480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3629951B2 (ja
Inventor
Yoshitaka Ito
嘉高 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP15948098A priority Critical patent/JP3629951B2/ja
Publication of JPH11352588A publication Critical patent/JPH11352588A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3629951B2 publication Critical patent/JP3629951B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源ランプからの発散光のうち、反射出射光
成分に加えて、直接出射光成分をも有効に利用できる照
明装置を提供すること。 【解決手段】 照明装置1は、光源ランプ2と、リフレ
クタ3と、リフレクタ3の前面開口4の出射側に配置さ
れたホログラム素子5とを有している。ホログラム素子
5は、光源ランプ2からの発散光のうち、リフレクタ3
で平行化された反射出射光成分L2を回折せずにそのま
ま透過する。しかるに、発散光のうち、光入射面5aに
直接に入射した直接出射光成分L1を回折してランプ光
軸Lに略平行な方向に出射する。従って、従来使用され
ていない直接出射光成分L1を照明装置1の出射光Hと
して利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源ランプからの
発散光をリフレクタによって反射することにより略平行
な出射光として出射する照明装置に関するものである。
更に詳しくは、照明装置の光の利用効率を向上するため
の技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メタルハライドランプ、キセノンランプ
等の光源ランプは投写型表示装置の光源として広く利用
されている。これらの光源ランプは、放物面リフレクタ
等のリフレクタと共に使用され、ユニット形式の照明装
置として投写型表示装置に組付けられる。
【0003】図9には従来の一般的な照明装置の概略構
成を示してある。この図に示すように、照明装置100
は、メタルハライドランプ等の光源ランプ2と、この光
源ランプ2が取り付けられたリフレクタ3とから基本的
に構成されている。この照明装置100では、光源ラン
プ2からの発散光はリフレクタ3の反射面11で反射
し、リフレクタ3の前面開口4からランプ光軸Lに略平
行な光として出射する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】投写型表示装置に用い
る照明装置としては、平行性の高い照明光を出射できる
照明装置が望ましいため、リフレクタで反射し略平行な
光となった反射出射光成分L2のみが照明光として使わ
れる場合が多い。しかし、図9に示した照明装置100
では、光源ランプ2からの発散光のうち、リフレクタ3
で反射されることなく前面開口4からそのまま出射され
る光成分(直接出射光成分)L1は、照明装置100の
出射光としては利用されていない。この直接出射光成分
も出射光として利用できれば、照度の高い照明装置を実
現でき、投写型表示装置の投写画像を明るくできる。
【0005】本発明の課題は、上記の点に鑑みて、光源
ランプからの発散光のうち、反射出射光成分に加えて直
接出射光成分をも有効利用できる照明装置を提供するこ
とにある。
【0006】また、本発明の課題は、この新規な照明装
置を備え、明るい画像を投写可能な投写型表示装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の照明装置では、光源ランプと、この光源ラ
ンプの発散光の一部を反射して略平行な出射光として前
面開口から出射するリフレクタとを有する照明装置にお
いて、前記リフレクタの前記前面開口の出射側に配置さ
れたホログラム素子を有し、当該ホログラム素子は、前
記光源ランプの発散光のうち、反射されることなく前記
前面開口から直接に出射する直接出射光成分の少なくと
も一部を前記光源ランプの光軸に略平行な方向に回折す
ることを特徴としている。
【0008】本発明の照明装置では、光源ランプの発散
光のうち、直接出射光成分の少なくとも一部はホログラ
ム素子によって回折されてランプ光軸に略平行な光に変
換される。従って、直接出射光成分を照明装置の出射光
として利用できる。このため、従来利用されていない直
接出射光成分を利用できる分、照明装置の光の利用効率
を高めることができ、明るい出射光を得ることができ
る。また、本発明の照明装置を投写型表示装置に組み込
むことにより、明るい投写画像を投写可能な投写型表示
装置を実現できる。
【0009】ホログラム素子としては、表面(光入射
面)が凹凸となったレリーフ型のホログラム素子を採用
できる。また、屈折率などが周期的に変化した光学的な
構造を内部に有する体積変調型のホログラム素子を用い
ることが可能である。この体積変調型のホログラム素子
は入射角依存性が大きい。すなわち、十分に高い回折効
率が得られる光の入射角の範囲が狭い。このため、体積
変調型のホログラム素子を用いれば、その入射角依存性
を適切に設置することにより、リフレクタで反射されて
平行化された入射角の小さな光成分には回折作用を与え
ず、入射角の大きな直接出射光成分にのみ回折作用を与
えることが容易となる。このようにすれば、従来の照明
装置の出射光として利用していた光成分を回折させるこ
となくそのまま有効に利用できる。
【0010】また、ホログラム素子に波長依存性を持た
せて、所定の波長帯の色光成分のみを前記ランプ光軸に
略平行な方向に回折するようにして、所望の色光成分の
みの利用効率を高めても良い。一般的に、光源ランプの
各波長帯における光(色光成分)の発光強度は不均一で
ある。このため、光源ランプのある波長帯の光の強度が
他の波長帯の光に比べて低い場合には、その波長帯の光
に対してのみホログラム素子の回折作用が生じるように
すれば、照明装置からの出射光の色バランスをほぼ均一
にできる。
【0011】ここで、1つの波長帯の光のみの発光強度
を高めるだけでなく、複数の波長帯の光の発光強度を高
めるようにすれば、照明装置からの出射光の色バランス
をより均一化できる。すなわち、第1の波長帯の第1の
色光成分のみを光源ランプの光軸に略平行な方向に回折
する第1の偏向部分と、第1の波長帯とは異なる第2の
波長帯の第2の色光成分のみを光源ランプの光軸に略平
行な方向に回折する第2の偏向部分とから構成したホロ
グラム素子を使用すれば良い。第1および第2の偏向部
分は光学的特性の異なる少なくとも2つの偏向部から構
成されるのが一般的である。このようなホログラム素子
の例としては、第1の偏向部分に対応するホログラム素
子(第1の偏向部分)と第2の偏向部分に対応するホロ
グラム素子(第2の偏向部分)を積層して一体化したも
のが挙げられる。また、複数のホログラム材料を積層し
て第1および第2の偏向部分を構成したものが挙げられ
る。
【0012】一方、ホログラム素子に、ランプ光軸を中
心とする中心領域を設け、この中心領域では光をそのま
ま透過させるようにしても良い。例えば、中心領域が貫
通孔となった円環状のホログラム素子や、中心領域のみ
がガラス等の光をそのまま透過させる材質から形成され
たホログラム素子を採用することができる。直接出射光
成分のうち、ランプ光軸付近を通過する光成分はホログ
ラム素子の光入射面に対する入射角は小さく、実質的に
ランプ光軸に略平行な光となっている。上記のような中
心領域を有するホログラム素子を用いれば、実質的にラ
ンプ光軸に略平行な直接出射光成分を回折させることな
くそのまま透過させることができるので、不要な回折に
よる光損失を防止できる。
【0013】また、リフレクタの前面開口から出射され
る光の強度分布は、一般的にランプ光軸近傍が最も大き
く、ランプ光軸から遠ざかるにつれて急激に低下する。
すなわち、周辺部では光強度は小さい。上記のような中
心領域を有するホログラム素子を用いれば、ランプ光軸
近傍の光強度を不要な回折によって低下させることがな
く、しかも周辺部の光強度をホログラム素子により確実
に高めることができる。これにより、照明装置の出射光
の照度ムラを低減できる。
【0014】次に、本発明の照明装置は、投写型表示装
置の光源として適用可能である。すなわち、照明装置
と、当該照明装置からの出射光を変調する光変調素子
と、この光変調素子によって変調された変調光を投写面
上に拡大投写する投写光学系とを有する投写型表示装置
において、その照明装置として、前述した本発明の照明
装置を採用できる。本発明の照明装置は、光の利用効率
が高く、明るい出射光を出射できるので、本発明の投写
型表示装置によれば、明るい投写画像を投写可能であ
る。なお、光変調素子は透過型であっても良く、また、
反射型であっても良い。
【0015】なお、本発明の照明装置は、投写型表示装
置の光源としてだけでなく、車のヘッドライト等に対し
て適用できるのは勿論である。
【0016】
【発明の実施の形態】(照明装置)以下に図面を参照し
て本発明を適用した照明装置を説明する。図1は照明装
置の概略断面構成図である。図1に示す照明装置1は、
基本的には、光源ランプ2からの発散光をリフレクタ3
によって反射して、ランプ光軸Lに略平行な出射光とし
て出射する形式のものである。また、照明装置1は、リ
フレクタ3の前面開口4の出射側に配置されたホログラ
ム素子5を有している。
【0017】光源ランプ2としては、メタルハライドラ
ンプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等を使用でき
る。光源ランプ2の発光管6は、石英ガラス製であり、
その中央には断面が楕円形状をした球状の発光部7が形
成されている。この発光部7の両側には外側に細長く直
線的に伸びる封止部8、9が一体形成されている。発光
部7の内部には、電極芯棒が所定の位置に配置されてい
る。また、例えば、沃化ジスプロシウム、沃化ネオジ
ム、沃化セシウム等の金属ハロゲン化物が封入されてい
る。
【0018】リフレクタ3には、放物面状の反射面11
が備わっており、この反射面11の前端縁によって前面
開口4が規定されている。反射面11に照射した光源ラ
ンプ2からの発散光はランプ光軸Lに略平行な反射出射
光成分L2として反射される。この反射出射光成分L2
の出射方向とランプ光軸Lがなす角度(反射出射光成分
L2の拡がり角)は約10°以下程度である。反射面1
1の底部中央からはその背面側に向けて筒型のランプ取
付け部12が延びている。このランプ取付け部12に、
光源ランプ2の一方の封止部9が挿入されている。
【0019】なお、光源ランプ2は、封止部9に口金が
取り付けられ、この口金を介してランプ取付け部12に
挿入された後、耐熱性の接着剤等によって固定される。
また、光源ランプ2は、管軸とランプ光軸Lが略平行と
なるようにリフレクタ3に取り付けられ、発光部7が取
付け部の底部中央から所定の量だけ前方に突き出た状態
で固定される。
【0020】ホログラム素子5は、その光入射面5aお
よび光出射面5bが平坦で、屈折率等が周期的に変化し
た光学的な内部構造を有する体積変調型の素子である。
このホログラム素子5は、ランプ光軸Lに直交する姿勢
でその光入射面5aがリフレクタ3の前面開口4から僅
かに離れた位置に対峙するように配置されている。本例
のホログラム素子5は、前面開口4よりも一回り大きな
円形をしている。また、ホログラム素子5は、光源ラン
プ2の発散光のうち、その光入射面5aに対して所定の
角度範囲で入射する光だけを回折し、ランプ光軸Lに略
平行な方向に出射する。
【0021】図2には、ホログラム素子5に入射する光
の入射角θとホログラム素子5の回折効率の関係を示し
てある。この図から分かるように、本例のホログラム素
子5は、入射角θがθ1からθ2(10°<θ1<θ
2)の範囲の光に対する回折効率が高くなるように設定
されている。このようなホログラム素子5では、入射す
る光のうち、θ1以下の入射角θで入射する光は、ホロ
グラム素子5の回折作用をほとんど受けずに、実質的に
ホログラム素子5をそのまま透過する。また、θ1〜θ
2の入射角θで入射する光は、ホログラム素子5の回折
作用によってランプ光軸Lに略平行な光に変換されるこ
とになる。
【0022】このため、照明装置1では、図3(A)お
よび図4に示すように、リフレクタ3の反射面11で反
射されることなく、前面開口4から出射された発散状態
の直接出射光成分L1のうち、ホログラム素子5のラン
プ光軸Lを中心とする中心領域5cに入射する光成分L
12は、その入射角θがθ1以下となるので、回折作用
を受けることなく、ホログラム素子5をそのまま透過す
る。この光成分L12は、光入射面5aに対する入射角
θが小さいので、実質的にランプ光軸Lに略平行な光で
ある。従って、光成分L12は回折による光損失を伴う
ことなく、そのまま照明装置1からの出射光Hとして利
用される。
【0023】また、直接出射光成分L1のうち、中心領
域5c以外の領域5dに入射する光成分L11は、その
入射角θがθ1より大きくなる。このため、光成分L1
1のうち、ホログラム素子5に対する入射角θがθ1〜
θ2の範囲に含まれている成分、すなわち、光成分L1
1の全成分あるいは一部がホログラム素子5の回折作用
を受けてランプ光軸Lに略平行な光に変換され、ホログ
ラム素子5の光出射面5bから出射する。そして、照明
装置1の出射光Hとして利用される。
【0024】一方、図3(B)に示すように、反射出射
光成分L2は、ホログラム素子5に対する入射角がθ1
より小さいので、入射する領域に関係なくその全成分が
回折作用をほとんど受けずに当該ホログラム素子5を透
過し、照明装置1の出射光Hとして利用される。
【0025】このように照明装置1では、リフレクタ3
の前面開口4の出射側にホログラム素子5を配置して、
光源ランプ2からの発散光のうち、従来利用されていな
かった直接出射光成分L1を照明装置1の出射光Hとし
て利用している。従って、照明装置1の光の利用効率を
高めることができ、明るい出射光Hを得ることができ
る。
【0026】また、照明装置1においては、体積変調型
のホログラム素子5を採用している。体積変調型ホログ
ラム素子は、レリーフ型のホログラム素子に比べて入射
角依存性が大きく、回折作用が発揮される光の入射角の
範囲(θ1〜θ2)が狭い。このため、リフレクタ3で
反射されて平行化された反射出射光成分L2には回折作
用をほとんど与えず、直接出射光成分L1の一部(光成
分L11)にのみ確実に回折作用を与えることができ
る。
【0027】ここで、リフレクタ3の前面開口4から出
射される光の強度分布は、一般的にランプ光軸近傍が最
も大きく、ランプ光軸Lから遠ざかるにつれて急激に低
下する傾向にある。すなわち、ホログラム素子5の中心
領域5cに入射する光の強度は、その他の領域5dに入
射する光の強度に比べて大きい。照明装置1では、領域
5cに入射する光はホログラム素子5を実質的にそのま
ま透過するので、ランプ光軸Lの近傍を通過する光の強
度はほとんど低下することがない。また、前述のよう
に、領域5dに入射する直接出射光成分(光成分L1
1)を回折して照明装置1の出射光Hとして利用してい
るので、ランプ光軸Lから離れた周辺部を通過する光の
強度は高まる。このため、照明装置1の出射光Hの光強
度分布が均一化され、出射光Hの照度ムラを低減でき
る。
【0028】なお、ホログラム素子としては、体積変調
型のホログラム素子の代わりに、レリーフ型のホログラ
ム素子を採用することも可能である。このようなレリー
フ型のホログラム素子を用いる場合には、図5(A)お
よび(B)に示すように、ホログラム素子5Aの中心領
域5cをガラス等の透明な材質から形成することが望ま
しい。中心領域5cは貫通孔としても良い。レリーフ型
のホログラム素子は体積変調型のホログラム素子に比べ
て入射角依存性が低いので、光軸中心に沿って略平行に
進む出射光が回折作用を受けてしまう恐れが高い。しか
し、本例の構成のホログラム素子を用いれば、そのよう
な不要な回折による光損失が発生しないという利点があ
る。
【0029】また、本例のホログラム素子5Aを用いれ
ば、それがレリーフ型、体積変調型のいずれであっても
中心領域5cに入射する反射出射光成分L2は回折され
ずにそのまま透過するので、ランプ光軸Lの近傍を通過
する光の強度の低下をより確実に防止でき、同時に照明
装置1の出射光Hの照度ムラも一層低減できる。
【0030】(投写型表示装置)次に、上述した照明装
置1が組み込まれた投写型表示装置の一例を説明する。
図6にはその投写型表示装置の光学系の概略構成を示し
てある。この図に示す投写型表示装置20は、本発明を
適用した照明装置1からの出射光Hを赤、緑、青の各色
光R、G、Bに分離し、分離された各色光R、G、Bに
対して反射型の液晶ライトバルブにより各色の画像信号
に応じた変調を施し、変調後の各色光(変調光束)を再
合成して投写面上に拡大投写する形式のものである。
【0031】詳細に説明すると、照明装置1からの出射
光Hは、出射光Hに含まれるP偏光成分PおよびS偏光
成分Sを空間的に分離する偏光ビームスプリッタ21に
入射する。この偏光ビームスプリッタ21は、ランプ光
軸Lに対して45度傾斜した偏光分離膜21aを備えて
おり、出射光Hに含まれるP偏光光Pを透過し、S偏光
光Sを直交する方向に向けて反射することにより、2種
類の偏光光を空間的に90度の角度で分離する。
【0032】この偏光ビームスプリッタ21におけるP
偏光光Pの出射面31に対峙させて、ダイクロイックプ
リズム22が配置されている。このダイクロイックプリ
ズム22は上記の偏光分離膜21aと略平行に赤色・青
色反射膜22aが形成されている。
【0033】ダイクロイックプリズム22に入射したP
偏光光Pに含まれる緑色光Gは赤色・青色反射膜22a
を透過して当該ダイクロイックプリズム22の出射面4
1から出射する。この出射面41に対峙させて、出射し
た緑色光Gの光路に直交する状態で、反射型の液晶ライ
トバルブ23Gが配置されている。従って、P偏光光P
から分離された緑色光Gは当該液晶ライトバルブ23G
に入射して、緑色画像信号に対応した変調が施される。
P偏光光Pに含まれる赤色光Rおよび青色光Bはダイク
ロイックプリズム22の赤色・緑色反射膜22aで反射
される。
【0034】一方、偏光ビームスプリッタのS偏光光S
の出射面32側には、ダイクロイックプリズム24と、
ダイクロイックプリズム24における偏光ビームスプリ
ッタ21からS偏光光Sが入射する入射面42に形成さ
れた緑色反射ダイクロイックフィルタ25とが設けられ
ている。偏光ビームスプリッタ21から出射されたS偏
光光Sは、緑色反射ダイクロイックフィルタ25を通過
する際に緑色成分が除去される。
【0035】そして、ダイクロイックプリズム24に入
射したS偏光光Sは、偏光分離膜21aとは直交する方
向に形成された青色反射膜24aによって青色光Bが反
射されて出射面43から出射する。この出射面43に対
峙させて、出射した青色光Bの光路に直交する状態で、
反射型の青色用液晶ライトバルブ23Bが配置されてい
る。従って、S偏光光Sから分離された青色光Bは当該
液晶ライトバルブ23Bに入射して青色画像信号に対応
する変調が施される。青色反射膜24aを透過した赤色
光Rは出射面44から出射する。この出射面44に対峙
させて、出射した赤色光Rの光路に直交する状態で、反
射型の赤色用液晶ライトバルブ23Rが配置されてい
る。従って、S偏光光Sから分離された赤色光Rは当該
液晶ライトバルブ23Rに入射して赤色画像信号に対応
する変調が施される。
【0036】反射型の液晶ライトバルブ23R、23
G、23Bに入射した各色光R、G、Bは、それぞれに
供給されている各色の画像信号の画素信号に応じて各画
素電極毎に偏光面の回転を受けた光が反射光(変調光)
として得られる。このようにして得られた変調光は、再
度、同一光路に沿って戻り、ダイクロイックプリズム2
2、24を通り、偏光ビームスプリッタ21に至る。
【0037】ここで、P偏光光Pが入射した緑色用液晶
ライトバルブ23Gからの反射光は偏光面の回転作用を
受けて部分的にS偏光光となっており、このS偏光成分
のみが、当該偏光ビームスプリッタ21の偏光分離膜2
1aで反射されて、投写光学系を構成している投写レン
ズ26に供給され、変調されなかった光は偏光面の回転
作用を受けずにP偏光光のままであるので、その残りの
P偏光成分は光源の側に向けて戻っていく。
【0038】一方、S偏光光Sが入射した青色用および
赤色用の液晶ライトバルブ23B、23Rからの変調光
は、偏光面の回転作用を受けて部分的にP偏光光となっ
ており、このP偏光成分のみが、当該偏光ビームスプリ
ッタ21の偏光分離膜21aを透過して、投写レンズ2
6に供給され、残りのS偏光成分は反射されて光源の側
に戻っていく。
【0039】この結果、偏光ビームスプリッタ21の出
射面32からは各色の画像信号に応じて変調が施された
各色光(変調光)が再度合成されて出力される。この合
成光は投写レンズ26を介して、投写面27の上に拡大
投写される。
【0040】このように構成された投写型表示装置20
は、本発明を適用した照明装置1を有している。照明装
置1は、上述したように光の利用効率に優れ、明るい出
射光Hを出射可能である。このため、投写型表示装置2
0によれば、明るい投写画像を表示可能である。
【0041】(投写型表示装置の別の例)上述した投写
型表示装置20は反射型液晶ライトバルブを光変調素子
として用いたものであるが、本発明の照明装置は透過型
液晶ライトバルブを光変調素子として用いたものに対し
ても適用可能である。
【0042】次に、透過型液晶ライトバルブを用いた投
写型表示装置の一例を説明する。図7はその投写型表示
装置の光学系の要部を示した概略構成図であり、XZ平
面における構成を示している。また、図8には照明装置
の周辺部分を取り出して示してある。なお、以下の説明
においては、特にことわりのない限り、互いに直交する
3方向を便宜的にX方向(横方向)、Y方向(縦方
向)、Z方向(ランプ光軸Mの方向)とする。
【0043】投写型表示装置20Aは、前述した照明装
置1と、この照明装置1から出射された光束を複数の中
間光束に分割する第1の光学要素61と、中間光束が集
光する位置付近に配置された第2の光学要素62と、こ
の第2の光学要素62から出射された光を画像情報に基
づいて変調する3枚の透過型液晶ライトバルブ80R、
80G、80Bと、透過型液晶ライトバルブ80R、8
0G、80によって変調された光束を投写面27上に拡
大投写する投写光学系(投写レンズ)26とを有してい
る。
【0044】照明装置1は、ランプ光軸Mがシステム光
軸Nに対して一定の距離DだけX方向に平行シフトした
状態となるように配置されている。照明装置1から出射
された光束は、第1の光学要素61に入射する。
【0045】第1の光学要素61は、XY平面上で矩形
状の外形を有する複数の光束分割レンズ61aがマトリ
クス状に配列して構成されており、ランプ光軸Mが第1
の光学要素61の中心に来るように、照明装置1と第1
の光学要素61との位置関係が設定されている。第1の
光学要素61に入射した光は、光束分割レンズ61aに
より複数の中間光束61bに分割され、同時に光束分割
レンズ61aの集光作用により、システム光軸Nと垂直
な平面内(XY平面内)の中間光束が集束する位置に光
束分割レンズの数と同数の集光像61cを形成する。光
束分割レンズ61aのXY平面上における外形形状は、
照明領域90の形状と相似形をなすように設定される。
本例では、XY平面上でX方向に長い横長の照明領域9
0を想定しているため、光束分割レンズ61aのXY平
面上における外形形状も横長である。なお、この照明領
域90は、図7の液晶ライトバルブ80R、80G、8
0Bにおける画像形成領域に相当する。
【0046】集光像61cが形成される位置の近傍に
は、システム光軸Nに対して垂直な平面内(XY平面
内)に第2の光学要素62が配置されている。この第2
の光学要素62は、集光レンズアレイ63、遮光板6
4、偏光変換装置68および結合レンズ67から大略構
成される複合体である。なお、第1の光学要素61に入
射する光束の平行性が極めて良い場合には、第2の光学
要素62から集光レンズアレイ63を省略した構成とし
ても良い。この第2の光学要素62は、中間光束61b
のそれぞれをP偏光光束とS偏光光束とに空間的に分離
した後、一方の偏光光束の偏光方向と他方の偏光光束の
偏光方向とを揃え、偏光方向がほぼ揃ったそれぞれの光
束を照明領域に導くような機能を有している。
【0047】集光レンズアレイ63は、第1の光学要素
61とほぼ同様な構成となっており、即ち、第1の光学
要素61を構成する光束分割レンズ61aと同数の集光
レンズ63aをマトリクス状に配列したものであり、そ
れぞれの中間光束61bを後述する偏光変換装置68の
偏光分離ユニットアレイ65の特定の場所に集光しなが
ら導く機能を有している。従って、第1の光学要素61
により形成された中間光束61bの特性に合わせて、ま
た、偏光分離ユニットアレイ65に入射する光はその主
光線の傾きがシステム光軸Nと平行であることが理想的
である点を考慮して、各集光レンズ63aのレンズ特性
は各々最適化されることが望ましい。ただし、一般的に
は、光学系の低コスト化および設計の容易さを考慮し
て、第1の光学要素61と全く同じものを集光レンズア
レイ63として用いるか、或いは、光束分割レンズ61
aとXY平面での形状が相似形である集光レンズを用い
て構成した集光レンズアレイを用いても良いことから、
本例の場合には、第1の光学要素61を集光レンズアレ
イ63として用いている。なお、集光レンズアレイ63
は遮光板64や偏光変換装置68から離れた位置(第1
の光学要素61に近い側)に配置してもよい。
【0048】遮光板64は複数の遮光面64aと複数の
開口面64bが配列して構成されたものであり、遮光面
64aと開口面64bの配列の仕方は後述する偏光分離
ユニットの配列の仕方に対応している。遮光板64の遮
光面64aに入射した光束は遮られ、開口面64bに入
射した光束は遮光板64をそのまま透過する。従って、
遮光板64は、遮光板64上の位置に応じて透過する光
束を制御する機能を有しており、遮光面64aと開口面
64bの配列の仕方は、第1の光学要素61による集光
像61cが後述する偏光分離ユニットの偏光分離面上の
みに形成されるように設定されている。遮光板64とし
ては、ガラス板等の平板状の透明体に、クロムやアルミ
ニウム等からなる遮光性の膜を部分的に形成したもの
や、アルミニウム板のような遮光性の平板に開口部を設
けたもの等を使用することができる。特に、遮光性を有
する膜を利用する場合には、遮光性を有する膜を集光レ
ンズアレイ63や後述する偏光分離ユニットアレイ65
上に直接形成しても同様の機能を発揮させることができ
る。
【0049】次に、偏光変換装置68は偏光分離ユニッ
トアレイ65と、この偏光分離ユニットアレイ65の出
射面の側に取り付けられた選択位相差板66とを有して
いる。
【0050】偏光分離ユニットアレイ65は、複数の偏
光分離ユニット65aがマトリクス状に配列した構成を
なしている。偏光分離ユニット65aの配列の仕方は、
第1の光学要素61を構成する光束分割レンズ61aの
レンズ特性およびそれらの配列の仕方に対応している。
本例においては、全て同じレンズ特性を有する同心系の
光束分割レンズ61aを用いて、それらの光束分割レン
ズ61aを直交マトリクス状に配列することで第1の光
学要素61を構成しているため、偏光分離ユニットアレ
イ65も全て同じ偏光分離ユニット65aを全て同じ向
きに直交マトリクス状に配列することにより構成されて
いる。なお、Y方向に並ぶ同一列の偏光分離ユニットが
全て同じ偏光分離ユニットである場合には、Y方向に細
長い偏光分離ユニットをX方向に配列して構成した偏光
分離ユニットアレイ65を用いた方が、偏光分離ユニッ
ト間の界面における光損失を低減できると共に偏光分離
ユニットアレイの製造コストを低減できるという利点が
ある。
【0051】偏光分離ユニット65aは内部に偏光分離
面65bと反射面65cを備えた四角柱状の構造体であ
り、偏光分離ユニット65aに入射する中間光束61b
のそれぞれをP偏光光束とS偏光光束とに空間的に分離
する機能を有している。偏光分離ユニット65aのXY
平面上における外観形状は、光束分割レンズ61aのX
Y平面上における外観形状と相似形をなしており、即
ち、横長の矩形状である。従って、偏光分離面65bと
反射面65cとは横方向(X方向)に並ぶように配置さ
れている。ここで、偏光分離面65bと反射面65cと
は、偏光分離面65bがシステム光軸Nに対して約45
度の傾きをなし、且つ、反射面65cが偏光分離面と平
行な状態をなし、さらに、偏光分離面65bがXY平面
上に投影する断面積(後述するP出射面の面積に等し
い)と反射面65cがXY平面上に投影する断面積(後
述するS出射面の面積に等しい)とが等しくなるように
配置されている。従って、本例では、偏光分離面65b
が存在する領域のXY平面上での横幅と反射面が存在す
る領域のXY平面上での横幅とは等しくなり、且つ、そ
れぞれが偏光分離ユニットのXY平面上での横幅の半分
になるように設定されている。なお、一般的に、偏光分
離面65bは誘電体多層膜で、また、反射面65cは誘
電体多層膜或いはアルミニウム膜で形成することができ
る。
【0052】偏光分離ユニット65aに入射した光は、
偏光分離面65bにおいて、進行方向を変えずに偏光分
離面65bを透過するP偏光光束と、偏光分離面65b
で反射され隣接する反射面65cの方向に進行方向を変
えるS偏光光束とに分離される。P偏光光束はそのまま
P出射面65dを経て偏光分離ユニットから出射され、
S偏光光束は再び反射面65cで進行方向を変え、P偏
光光束とほぼ平行な状態となって、S出射面65eを経
て偏光分離ユニットから出射される。従って、偏光分離
ユニットに入射したランダムな偏光光束は偏光分離ユニ
ットにより偏光方向が異なるP偏光光束とS偏光光束の
二種類の偏光光束に分離され、偏光分離ユニットの異な
る場所(P出射面65dとS出射面65e)からほぼ同
じ方向に向けて出射される。偏光分離ユニット65aは
上記のような機能を有することから、それぞれの偏光分
離ユニット65aの偏光分離面65bが存在する領域に
それぞれの中間光束61bを導く必要があり、そのた
め、偏光分離ユニット内の偏光分離面65bの中央部に
中間光束61bが入射するように、それぞれの偏光分離
ユニット65aとそれぞれの集光レンズ63aの位置関
係やそれぞれの集光レンズ63aのレンズ特性は設定さ
れている。特に、本例の場合には、それぞれの偏光分離
ユニット内の偏光分離面65bの中央部にそれぞれの集
光レンズの中心軸が来るように配置するため、集光レン
ズアレイ65は、偏光分離ユニットの横幅の1/4に相
当する距離Dだけ、偏光分離ユニットアレイ65に対し
てX方向にずらした状態で配置されている。
【0053】尚、偏光分離ユニットアレイにおいては、
その内部に上述した偏光分離面と反射面が規則的に形成
されたものであれば良く、上述した偏光分離ユニットを
基本的な構成単位として用いる必要は必ずしもない。こ
こでは、偏光分離ユニットアレイの機能を説明し易くす
るために、偏光分離ユニットという構成単位を導入した
に過ぎない。
【0054】遮光板64は偏光分離ユニットアレイ65
と集光レンズアレイ63との間にあって、遮光板64の
それぞれの開口面64bの中心とそれぞれの偏光分離ユ
ニット65aの偏光分離面65bの中心がほぼ一致する
ように配置され、また、開口面64bの開口横幅(X方
向の開口幅)は偏光分離ユニット65aの横幅の約半分
の大きさに設定されている。この結果、偏光分離面65
bを経ずして反射面65cに直接入射する中間光束61
bは、予め遮光板64の遮光面64aで遮られるためほ
とんど存在せず、遮光板64の開口面64bの通過した
光束はそのほとんど全てが偏光分離面65bに入射する
ことになる。従って、遮光板64の設置により、偏光分
離ユニット65aにおいて、直接反射面65cに入射
し、反射面65cを経て隣接する偏光分離面65bに入
射する光束はほとんど存在しないことになる。
【0055】偏光分離ユニットアレイ65の出射面側に
は、λ/2位相差板66aが規則的に配置された選択位
相差板66が設置されている。即ち、偏光分離ユニット
アレイ65を構成する偏光分離ユニット65aのP出射
面65dの部分にのみλ/2位相差板66aが配置さ
れ、S出射面65eの部分にはλ/2位相差板66aは
設置されていない。この様なλ/2位相差板66aの配
置状態により、偏光分離ユニット65aから出射された
P偏光光束は、λ/2位相差板66aを通過する際に偏
光方向の回転作用を受けS偏光光束へと変換される。一
方、S出射面65eから出射されたS偏光光束はλ/2
位相差板66aを通過しないので、偏光方向は変化せ
ず、S偏光光束のまま選択位相差板66を通過する。以
上をまとめると、偏光分離ユニットアレイ65と選択位
相差板66により、偏光方向がランダムな中間光束61
bは一種類の偏光光束(この場合はS偏光光束)に変換
されたことになる。
【0056】選択位相差板66の出射面の側には、結合
レンズ67が配置されており、選択位相差板66により
S偏光光束に揃えられた光束は、結合レンズ67により
照明領域(液晶ライトバルブ80R、80G、80Bの
画像形成領域)90へと導かれ、照明領域上で重畳結合
される。ここで、結合レンズ67は1つのレンズ体であ
る必要はなく、第1の光学要素61のように、複数のレ
ンズの集合体であっても良い。
【0057】第2の光学要素62の機能をまとめると、
第1の光学要素61により分割された中間光束61b
(つまり、光束分割レンズ61aにより切り出されたイ
メージ面)は、第2の光学要素62により照明領域上で
重畳結合される。これと同時に、途中の偏光変換装置6
8により、ランダムな偏光光束である中間光束は偏光方
向が異なる二種類の偏光光束に空間的に分離され、その
分離された二種類の偏光光束が一種類の偏光光束に変換
される。ここで、偏光変換装置68の偏光分離ユニット
アレイ65の入射側には遮光板64が配置され、偏光分
離ユニット65aの偏光分離面65bにだけ中間光束が
入射する構成となっているため、反射面65cを経て偏
光分離面65bに入射する中間光束61bはほとんどな
く、偏光分離ユニットアレイ65から出射される偏光光
束の種類はほぼ一種類に限定される。従って、照明領域
は殆ど一種類の偏光光束でほぼ均一に照明されることに
なる。
【0058】このような第2の光学要素62から出射さ
れた一種類の偏光光束は、まず青光緑光反射ダイクロイ
ックミラー71において、赤色光Rが透過し、青色光B
および緑色光Gが反射する。赤色光Rは、反射ミラー7
2で反射され、赤色用の透過型液晶ライトバルブ80R
に達する。一方、青色光Bおよび緑色光Gのうち、緑色
光Gは、緑光反射ダイクロイックミラー73によって反
射され、緑光用の透過型液晶ライトバルブ80Gに達す
る。
【0059】ここで、青色光Bは、各色光のうちでその
光路の長さが最も長いので、青色光Bに対しては、入射
レンズ74、リレーレンズ75、および出射レンズ76
からなるリレーレンズ系で構成された導光手段79を設
けてある。即ち、青色光Bは、緑光反射ダイクロイック
ミラー73を透過した後に、まず、入射レンズ74を経
て反射ミラー77により反射されてリレーレンズ75に
導かれ、このリレーレンズ75に集束された後、反射ミ
ラー78によって出射レンズ76に導かれ、しかる後
に、青光用の透過型液晶ライトバルブ80Bに達する。
ここで、3ヶ所の透過型液晶ライトバルブ80R、80
G、80Bは、それぞれの色光を変調し、各色光に対応
した画像情報を含まれた後に、変調した色光をクロスダ
イクロイックプリズム85に入射する。クロスダイクロ
イックプリズム85には、赤光反射の誘電体多層膜と青
光反射の誘電体多層膜とがX字状に形成されており、そ
れぞれの変調光束を合成しカラー画像を形成する。ここ
で形成されたカラー画像は、投写光学系である投写レン
ズ26により投写面27上に拡大投影され、投写画像を
形成する。
【0060】このように構成された投写型表示装置20
Aは、本発明を適用した照明装置1を有しているので、
上述した反射型液晶ライトバルブを用いた投写型表示装
置20と同様に、明るい投写画像を表示可能である。
【0061】ここで、照明装置1の構成要素である光源
ランプ2の各色の発光バランスは一般的に不均一である
ので、照明装置1からの出射光Hの色バランスも整って
いない。このため、上述した投写型表示装置20、20
Aでは、分離された各色光R、G、Bの光強度は一致し
ておらず、例えば、所定の色光の光強度のみがその他の
色光より弱くなる場合がある。
【0062】このような場合には、照明装置1のホログ
ラム素子5に波長依存性を持たせて、光源ランプ2から
の直接光L1のうち、所定の波長帯の色光のみに回折作
用が働くように設定し、所定の波長帯の色光の強度を効
果的に強めるようにすれば良い。このようにすれば、照
明装置1からの出射光Hの色バランスを向上でき、投写
型表示装置20、20Aにおける各色光R、G、Bの光
強度をほぼ一致させることができる。また、投写型表示
装置20、20Aにおいて、光路中における所定の色光
の損失がその他の色光に比べて多い場合にも、ホログラ
ム素子5に波長依存性を持たせて、光源ランプ2からの
直接光L1のうち、所定の波長帯の色光のみに回折作用
が働くようにすることが有効である。
【0063】さらに、2色の色光の強度を高める場合に
は、それぞれの色光に対応した2つのホログラム素子
(第1および第2の偏向部分)を積層したものを使用す
れば良い。また、複数のホログラム材料を積層すること
により、第1および第2の偏向部分を構成したホログラ
ム素子を使用することも可能である。
【0064】なお、本発明の照明装置は、投写型表示装
置の光源に限らず、車のヘッドライト等に対して適用可
能である。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、リフレクタの前面開口の出射側にホログラム素子を
配置して、光源ランプからの発散光のうち、直接出射光
成分の少なくとも一部をこのホログラム素子の回折作用
によってランプ光軸に略平行な光に変換して照明装置の
出射光として利用している。
【0066】従って、従来では利用されていない直接出
射光成分を照明装置の出射光として利用できるので、そ
の分、光の利用効率を高め、明るい出射光を得ることが
できる。また、本発明の照明装置を投写型表示装置に組
み込むことにより、明るい投写画像を投写可能な投写型
表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した照明装置の概略断面構成図で
ある。
【図2】ホログラム素子の光の入射角に対する回折効率
の関係を示す図である。
【図3】(A)は、図1に示す照明装置における直接出
射光成分の回折状態を示す図、(B)は、ホログラム素
子から出射される直接出射光成分の各光成分の分布を示
す図である。
【図4】図1に示す照明装置における反射出射光成分の
出射状態を示す図である。
【図5】(A)は図1に示すホログラム素子とは異なる
例のホログラム素子の平面図、(B)はその断面図であ
る。
【図6】図1に示す照明装置を備えた投写型表示装置の
光学系の概略構成図である。
【図7】図1に示す照明装置を備えた投写型表示装置の
異なる光学系の例を示す概略構成図である。
【図8】図7に示す投写型表示装置の光学系における照
明装置の周辺部分の拡大図である。
【図9】従来の照明装置の概略断面構成図である。
【符号の説明】
1 照明装置 2 光源ランプ 3 リフレクタ 4 前面開口 5、5A ホログラム素子 5a 光入射面 5b 光出射面 7 発光部 11 放物面反射面 20、20A 投写型表示装置 23R、23G、23B 反射型液晶ライトバルブ 80R、80G、80B 透過型液晶ライトバルブ 26 投写レンズ 51 透明部分 L ランプ光軸 L1 直接出射光成分 L2 反射出射光成分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源ランプと、この光源ランプの発散光
    の一部を反射して略平行な出射光として前面開口から出
    射するリフレクタとを有する照明装置において、 前記リフレクタの前記前面開口の出射側に配置されたホ
    ログラム素子を有し、当該ホログラム素子は、前記光源
    ランプの発散光のうち、該ホログラム素子の光入射面に
    対して所定の範囲で入射する光成分を前記光源ランプの
    光軸に略平行な方向に回折することを特徴とする照明装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ホログラム素子
    は、体積変調型のホログラム素子であることを特徴とす
    る照明装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記ホログ
    ラム素子は、所定の波長帯の色光成分の光を、主に、前
    記光源ランプの光軸に略平行な方向に回折可能であるこ
    とを特徴とする照明装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記色光成分は、前
    記光源ランプの発散光の色光成分のうち、発光強度が他
    の色光成分に比べて低いものであることを特徴とする照
    明装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記ホログラム素子
    は、第1の波長帯の第1の色光成分を前記光源ランプの
    光軸に略平行な方向に回折する第1の偏向部分と、前記
    第1の波長帯とは異なる第2の色光成分を前記光源ラン
    プの光軸に略平行な方向に回折する第2の偏向部分とを
    備え、前記第1および第2の偏向部分は光学特性の異な
    る少なくとも2つの偏向部から構成されていることを特
    徴とする照明装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの項におい
    て、前記ホログラム素子は、前記光源ランプの光軸を中
    心とする中心領域を有し、この中心領域では光をそのま
    ま透過させることを特徴とする照明装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の照明装置と、当該照明
    装置からの出射光を変調する透過型の光変調素子と、こ
    の光変調素子によって変調された変調光を投写面上に拡
    大投写する投写光学系とを有することを特徴とする投写
    型表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の照明装置と、当該照明
    装置からの出射光を変調する反射型の光変調素子と、こ
    の光変調素子によって変調された変調光を投写面上に拡
    大投写する投写光学系とを有することを特徴とする投写
    型表示装置。
JP15948098A 1998-06-08 1998-06-08 照明装置およびそれを用いた投写型表示装置 Expired - Fee Related JP3629951B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15948098A JP3629951B2 (ja) 1998-06-08 1998-06-08 照明装置およびそれを用いた投写型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15948098A JP3629951B2 (ja) 1998-06-08 1998-06-08 照明装置およびそれを用いた投写型表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11352588A true JPH11352588A (ja) 1999-12-24
JP3629951B2 JP3629951B2 (ja) 2005-03-16

Family

ID=15694700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15948098A Expired - Fee Related JP3629951B2 (ja) 1998-06-08 1998-06-08 照明装置およびそれを用いた投写型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3629951B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045204A (ja) * 2001-07-26 2003-02-14 Ricoh Co Ltd 照明装置および映像装置
JP2004534276A (ja) * 2001-07-06 2004-11-11 エクスプレイ エルティーディー 画像投影装置および方法
CN113589629A (zh) * 2020-04-30 2021-11-02 华为技术有限公司 投影显示装置及其校准方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04173440A (ja) * 1990-11-07 1992-06-22 Nissan Motor Co Ltd 車両用前照灯
JPH0616085A (ja) * 1992-06-30 1994-01-25 Nissan Motor Co Ltd 灯 具
JPH0618710A (ja) * 1992-06-30 1994-01-28 Dainippon Printing Co Ltd 回折波長範囲の広い回折格子の作製方法
JPH0676618A (ja) * 1992-08-28 1994-03-18 Shimadzu Corp 照明装置
JPH08106804A (ja) * 1994-10-03 1996-04-23 Nippondenso Co Ltd 車両用灯具
JPH08138407A (ja) * 1994-11-09 1996-05-31 Nippondenso Co Ltd 照明装置
JPH09127610A (ja) * 1995-10-30 1997-05-16 Sony Corp プロジェクタ装置とその光源
JPH09133804A (ja) * 1995-11-09 1997-05-20 Dainippon Printing Co Ltd ホログラムカラーフィルター及びその作製方法
JPH1039411A (ja) * 1996-07-23 1998-02-13 Seiko Epson Corp 投写型表示装置
JP2002159642A (ja) * 2001-10-22 2002-06-04 Sanyo Product Co Ltd パチンコ機

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04173440A (ja) * 1990-11-07 1992-06-22 Nissan Motor Co Ltd 車両用前照灯
JPH0616085A (ja) * 1992-06-30 1994-01-25 Nissan Motor Co Ltd 灯 具
JPH0618710A (ja) * 1992-06-30 1994-01-28 Dainippon Printing Co Ltd 回折波長範囲の広い回折格子の作製方法
JPH0676618A (ja) * 1992-08-28 1994-03-18 Shimadzu Corp 照明装置
JPH08106804A (ja) * 1994-10-03 1996-04-23 Nippondenso Co Ltd 車両用灯具
JPH08138407A (ja) * 1994-11-09 1996-05-31 Nippondenso Co Ltd 照明装置
JPH09127610A (ja) * 1995-10-30 1997-05-16 Sony Corp プロジェクタ装置とその光源
JPH09133804A (ja) * 1995-11-09 1997-05-20 Dainippon Printing Co Ltd ホログラムカラーフィルター及びその作製方法
JPH1039411A (ja) * 1996-07-23 1998-02-13 Seiko Epson Corp 投写型表示装置
JP2002159642A (ja) * 2001-10-22 2002-06-04 Sanyo Product Co Ltd パチンコ機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004534276A (ja) * 2001-07-06 2004-11-11 エクスプレイ エルティーディー 画像投影装置および方法
JP2003045204A (ja) * 2001-07-26 2003-02-14 Ricoh Co Ltd 照明装置および映像装置
CN113589629A (zh) * 2020-04-30 2021-11-02 华为技术有限公司 投影显示装置及其校准方法
CN113589629B (zh) * 2020-04-30 2022-12-27 华为技术有限公司 投影显示装置及其校准方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3629951B2 (ja) 2005-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7213920B2 (en) Image display apparatus
JP3780873B2 (ja) 照明装置
JP4479686B2 (ja) 照明装置及びプロジェクタ
US20050083573A1 (en) Polarization luminaire and projection display
JPH11271744A (ja) カラー液晶表示装置
JP3408202B2 (ja) 照明装置および投写型映像表示装置
JP3635979B2 (ja) 照明光学系および投写型表示装置
US20230091332A1 (en) Light source apparatus and projection-type image display apparatus
EP2154567B1 (en) Light source device and projection display device using the same
US6987618B2 (en) Polarization converting device, illumination optical system and projector
EP1382996A1 (en) Illuminating optical system and projector
JPH10170869A (ja) 偏光照明装置および投写型表示装置
US20050157501A1 (en) Illumination device and projector
JP3629951B2 (ja) 照明装置およびそれを用いた投写型表示装置
US7052140B2 (en) Illumination device and projector equipped therewith
JP3642190B2 (ja) 偏光照明装置および投写型表示装置
EP1355500B1 (en) Single panel color projection display apparatus
JP2000193926A (ja) 光源ユニット及び照明光学系、並びに投写型表示装置
JP2005284307A (ja) 画像表示装置
JPH0772428A (ja) 投写型液晶表示装置の偏光光源装置
KR100447208B1 (ko) 프로젝션 시스템
JP4487484B2 (ja) 照明装置及びこれを備えたプロジェクタ
JPH10319349A (ja) 偏光変換素子及びそれを用いた投影装置
JP3669371B2 (ja) 画像表示装置用の照明装置
JP2005258469A (ja) 照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121224

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees