JPH11351545A

JPH11351545A - 煤塵無発生溶融炉

Info

Publication number: JPH11351545A
Application number: JP19795598A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiko Kamimura; 嘉彦上村
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1998-06-09
Filing date: 1998-06-09
Publication date: 1999-12-24

Abstract

(57)【要約】【目的】従来の焼却炉は、燃焼促進用空気の圧送や排
煙効率向上の負圧吸引で焼却灰が溶融する以前に排煙装
置に導かれ、煤塵が大量発生する。また、炉内で直接に
焼却灰を溶融させるため、炉内壁面を痛め、炉の寿命を
縮め、修復には長期の時間と高額の支出を余儀なくされ
る。以上の欠点を除くものである。【構成】回転炉（１）内に、独立し脱着容易な耐熱容
器（２）を設置し、バーナー（５）で熱し、ここに焼却
灰等を通過させ溶融する。また、回転炉（１）内発生の
燃焼排気と、耐熱容器（２）内発生の溶融排気を其々独
立した排気系統とする。【効果】被溶融物投入部分と燃焼部分が隔絶され、排
気系統が其々独立のため飛散煤塵を抑制しつつ、燃焼温
度を高めることが可能となる。また、独立した溶融容器
の採用で、これを脱着交換することで補修が簡便とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、飛散煤塵を発生させ
ない溶融炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の溶融炉は、何れも炉内に直接に焼
却灰等を入れ、これに直接熱を加える方法を用いてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そのため、燃焼効率向
上のための空気の圧送や、排煙を促すためのブロアーの
吸引力等で、焼却灰が溶融する以前に排煙装置に導か
れ、煤塵が大量発生する。また、炉内で焼却灰を直接溶
融させるため、飛散した焼却灰が炉内側面および溶融物
排出口付近でクリンカ状になり、炉材を痛め、炉の寿命
を縮め、修復には長期の休止時間が必要となり、加えて
高額の費用支出を余儀なくされる。そして、排煙系統の
構造上かなり大型の集塵器の設置が必要であり、集塵器
のフィルターが抵抗となり、ますます集塵器の容量が肥
大化する。本発明は、以上の欠点を除くため考えたもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】内壁面に耐高温処理を施
した回転炉（１）の内に、回転炉（１）の回転中心軸か
ら等距離の円周上で、この円周を等分割する位置に、複
数の耐熱容器（２）を設置し、これをバーナー（５）で
赤熱させ、そこへ焼却炉からの焼却灰やバグフィルター
で集塵された浮遊煤塵等を通過させて溶融する。回転炉
（１）内で発生の燃焼排気と、耐熱容器（２）内で発生
の溶融排気を、其々独立した排気系統とする。

【０００５】

【作用】回転炉（１）の、供給側キャップ（３）と排出
側キャップ（４）で支持された、耐熱容器（２）をバー
ナー（５）で熱して、赤熱状態の耐熱容器（２）の中
へ、供給側キャップ（３）に設置の予熱室（６）で、あ
らかじめ加熱され乾燥された焼却灰や集塵灰を導入し、
溶融し、流出口（１７）より排出する。

【０００６】

【実施例】本発明を図面にもとづいて説明すれば、（イ）断面が楕円形の耐熱容器（２）を、供給側キャッ
プ（３）と排出側キャップ（４）で、貫通保持する。（ロ）耐熱容器（２）の設置法は、その断面形状である
楕円の長軸の中心点が回転炉（１）の直径線と直交し、
且つ、回転炉（１）の回転軸から等距離の円周上でその
円周を等分割する位置に、任意の複数個を設置する。（ハ）耐熱容器（２）は（イ）で述べた保持部分を除
き、回転炉（１）と非接触とする。（ニ）バーナー（５）は、外部より供給の燃料で回転炉
（１）内、ならびに耐熱容器（２）を熱す。（ホ）本装置には、耐熱容器（２）内で発生した溶融排
気が予熱室（６）を温め回転炉（１）内の燃焼室へ環流
するライン（１０）と、回転炉（１）内で発生した燃焼
排気が予熱室（６）を温め、熱交換器等を経て大気中に
放出されるライン（１１）が、其々独立している。（ヘ）耐熱容器（２）より回転炉（１）に至る溶融排気
ライン（１０）は、被溶融物から浮遊煤塵を発生させぬ
ため、排気を促す目的の負圧を高度に与えない。（ト）排出側キャップ（４）に設けた外部空気予熱室
（１２）に外気を導入通過させ、高温となった空気を回
転炉（１）内の燃焼室へ加圧圧送し、燃焼を促進させ
る。（チ）回転炉（１）、供給側キャップ（３）、排出側キ
ャップ（４）は、其々、その内部を必要に応じ耐熱材と
断熱材で覆う。（リ）回転炉（１）は、架台（１３）に設けたローラー
（１４）で保持し、その回転は回転炉（１）外周のラッ
クギヤ（１５）と、架台（１３）に設けた駆動用モータ
ー（１６）より減速装置を介して歯車に至る回転力にて
回転する。（ヌ）供給側キャップ（３）と排出側キャップ（４）
は、其々、架台（１３）に固定され、其々と回転炉
（１）は、緩く接面し滑動する。（ル）本装置に供給される焼却灰や集塵器で集められた
煤塵は、本装置外の破砕機、シフター、磁選器等を経由
し粒子を細かく整えた後、供給口に設けた定量供給器
（７）を通過、供給側キャップ（３）に設けた予熱室
（６）に貯えられる。（ヲ）予熱室（６）へ送られた被溶融物は、ここで十分
に予熱を受け、溶融促進と耐熱容器（２）の熱衝撃を和
らげる二つの目的で、加熱と乾燥が同時にされる。（ワ）予熱室（６）で加熱された被溶融物は、耐熱容器
（２）の被溶融物取入口直近に設置の、開口部を回転炉
（１）の回転方向と同一方向とする、取入器（８）にて
耐熱容器（２）内に取り入れる。（カ）耐熱容器（２）内の溶融物は、これの排出側より
流出する。

【０００７】また、本特許の他の実施例として、（あ）耐熱容器（２）の内部断面形状を多角形、または
内部にフィン状突起物を有す円形とすることができる。（い）耐熱容器（２）を単数、その回転中心軸を回転炉
（１）のそれと同一とし炉全体を単純小型化することが
できる。

【０００８】

【発明の効果】被溶融物を投入する部分と燃焼加熱する
部分が、隔壁で隔絶されているため、燃焼室に必要十分
な空気を圧送、また排気を強制吸引しても、被溶融物が
飛灰となって排気系統に流れるのを防止する。また、直
接に圧力が被溶融物に加わらないため、排熱を利して被
溶融物の含有水分を極力低下させることが可能となり、
溶融が促進され効率的である。被溶融物を溶融する部分
（耐熱容器）が燃焼部と隔壁されていることで、炉内壁
面をクリンカで損傷させるのを防ぎ、炉の寿命を延命で
きる。また、耐熱容器に支障あるいは耐用時間が到来し
たとき、当該部分のみカセット様に交換することで対応
でき、金銭的にも時間的にも経済的である。耐熱容器の
溶融室断面構造を楕円形、多角形あるいはフィンを有す
円形とすることで、回転炉の回転に伴い溶融室内で被溶
融物が攪拌され、高効率的な溶融が可能である。加え
て、回転炉の回転に伴う溶融室の回転により、溶融室の
内壁面全周で被溶融物を加熱することとなり、小型の耐
熱容器で対応でき、装置全体を小型化することが可能で
ある。また、溶融室の内壁面全周で加熱できることは、
耐熱容器の温度分布が均一化され、温度管理を簡単にし
つつ、溶融能力を高めることが可能である。溶融ガス排
気ラインと燃焼ガス排気ラインを其々独立させ、溶融排
気ラインを燃焼室へ環流できることで、もともと溶融で
はダイオキシン等の発生割合は低いのだが、発生した場
合でも排気を燃焼室へ環流し高温で分解することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の正面縦断面図

【図２】本発明の正面図

【図３】図２のＡ−Ａ線拡大断面図

【図４】供給側キャップの拡大内面図

【図５】排出側キャップの拡大内面図

【符号の説明】

１回転炉２耐熱容器３供給側キャップ４排出側キャップ５バーナー６予熱室７定量供給器８取入器９酸素供給ライン１０溶融排気ライン１１燃焼排気ライン１２外部空気予熱室１３架台１４ローラー１５ラックギヤ１６駆動用モーター１７流出口

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回転炉（１）内に設置した、脱着容易
な、独立した耐熱容器（２）を、バーナー（５）で赤熱
させ、これに焼却灰や飛灰を通過させ溶融する溶融炉。
【請求項２】耐熱容器（２）内で発生する溶融排気
と、回転炉（１）内で発生する燃焼排気を、其々独立し
た排気系統（１０）・（１１）とした溶融炉。