JPH11350355A - 耐久制電撥水性布帛の製造方法 - Google Patents

耐久制電撥水性布帛の製造方法

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JPH11350355A
JPH11350355A JP10164665A JP16466598A JPH11350355A JP H11350355 A JPH11350355 A JP H11350355A JP 10164665 A JP10164665 A JP 10164665A JP 16466598 A JP16466598 A JP 16466598A JP H11350355 A JPH11350355 A JP H11350355A
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fabric
yarn
fineness
water
repellent
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JP10164665A
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Yoshihisa Okamoto
佳久 岡本
Mamoru Shinomiya
守 四宮
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたドライ感,ふくらみ感,ハリ,腰を有
し,ソフト感に優れ,かつ洗濯耐久性にも優れた耐久制
電撥水性布帛を製造する。 【解決手段】 芯部にのみ帯電防止剤を含有する芯鞘構
造の単糸繊度2デニール以上の太繊度糸を20重量%以
上含み,断面形状が実質的に直線状の偏平幹部と突起部
とを有する非回転対称形状の単糸繊度1.5デニール以下
の細繊度糸を5重量%以上含む異繊度混繊糸を,布帛に
対して20重量%以上含有せしめて布帛を構成し,この
布帛を染色後,フッ素系撥水剤で撥水処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,良好なハリ,腰や
ドライ感,ふくらみ,ソフト感等の優れた風合を有する
とともに,洗濯耐久性に優れた制電撥水性を有する布帛
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,合成繊維布帛は,静電気を蓄
積しやすく,縫製時や縫製品の着用時に静電気障害を生
じ,電撃や身体へのまとわりつきによる不快感を与えた
り,空気中のホコリを吸着して汚れたりしやすいという
問題があった。また,外衣用途に合成繊維布帛を用いる
場合も多いが,雨や雪等により衣服が濡れたりする問題
もあった。従来より,上述のそれぞれの問題に対処すべ
く種々の方法が提案されている。例えば,制電加工に関
しては,イオン性高分子活性剤で処理して繊維表面にコ
ンプレックスを形成する方法や,親水性高分子物質と酸
性,塩基性およびアミド系低分子量物質の混合物を繊維
に付与し,乾熱,湿熱,放射線,マイクロ波,紫外線等
によって繊維表面にグラフトする方法,さらには,エチ
レングリコールとプロピレングリコールのブロックポリ
マーを含有し,末端をアクリルやメタクリルで構成した
重合性モノマーや,エチレングリコールとプロピレング
リコールのブロックポリマーを含有し,末端に架橋性官
能基を有するプレポリマー等を単独ないし架橋剤を併用
して繊維上で樹脂化する方法等が提案されている。
【0003】一方,撥水加工に関しては,通常,布帛に
対して最終仕上げ工程でフッ素系撥水剤やシリコン系撥
水剤等の撥水剤を含浸後,乾燥熱処理を行う方法で加工
されており,特に洗濯耐久性に優れているフッ素系撥水
剤を使用した撥水加工が多く行われている。また,合成
繊維布帛に対して制電性と撥水性を同時に付与する加工
方法も数多く行われており,一般的には,最終仕上げ工
程でフッ素系撥水剤にアルキルスルホン酸型あるいはア
ルキルリン酸エステル型の帯電防止剤を混合し,パディ
ング法にて含浸付与する方法で加工されている。しかし
ながら,上記の方法により得られた制電撥水布帛は,一
般的な性能には優れているものの,洗濯に対する両者の
性能低下が大きいという欠点を有しているため,洗濯後
の衣服が雨や雪により濡れやすくなり,かつ静電気の発
生によりホコリが付着しやすいという問題がある。
【0004】また,帯電防止性能を具備した糸条を用い
て制電性と撥水性を両立させる方法も種々行われてお
り,さらに,布帛に帯電防止性能を付与し,かつドライ
感やソフト感あるいはふくらみの効果を発現させる方法
が特開昭55−158333号公報,同59−2280
33号公報等の実施態様で紹介されており,これらの公
報では,単糸の繊度を1.5デニール以下にしたり,糸条
群間に収縮率差を付与して布帛のソフト化を図り,ふく
らみの効果を発現させている。しかしながら,これら細
繊度糸あるいは異収縮混繊糸からなる糸条は,単糸間の
繊度構成や断面形状に何ら工夫がなされておらず,細繊
度の効果や収縮率差だけでは十分満足のできるドライ
感,ハリ,腰およびふくらみ感のある布帛は得られなか
った。
【0005】布帛にハリ,腰を付与したい場合には,比
較的太繊度の糸条を用いることによりその目的を達する
ことができる反面,単糸繊度が太いために,ソフト感に
欠けた剛直な風合を呈する欠点を生じる。また,逆に,
ソフト感を布帛に付与するために単糸繊度を細くする
と,ソフト感が強調される点ではよいが,ハリ,腰が欠
け,さらには,ヌメリ感のある布帛となってしまい,こ
のように一部の性能を満足すると他の性能が不足すると
いう現象が現れてしまい,今日に至っても帯電防止性能
を有し,しかもソフト感を有しながらハリ,腰,ドライ
感を具備した布帛は得られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
状況に鑑みて行われたもので,良好なハリ,腰やドライ
感,ふくらみ,ソフト感を有するとともに洗濯耐久性の
ある撥水性および制電性に優れた耐久制電撥水性布帛を
製造することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は,上述の目的を
達成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,芯部にのみ帯電防止剤を含有する芯鞘構
造の単糸繊度2デニール以上の太繊度糸を20重量%以
上含み,断面形状が実質的に直線状の偏平幹部と突起部
とを有する非回転対称形状の単糸繊度1.5デニール以下
の細繊度糸を5重量%以上含む異繊度混繊糸を,布帛に
対して20重量%以上含有せしめて布帛を構成し,この
布帛を染色後,フッ素系撥水剤で撥水処理することを特
徴とする耐久制電撥水性布帛の製造方法を要旨とするも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明
する。本発明では,布帛を構成する繊維糸条として,芯
部にのみ帯電防止剤を含有する芯鞘構造の単糸繊度2デ
ニール以上の太繊度糸を20重量%以上含み,断面形状
が実質的に直線状の偏平幹部と突起部を有する非回転対
称形状の単糸繊度1.5デニール以下の細繊度糸を5重量
%以上含む異繊度混繊糸を用いる。この異繊度混繊糸
は,単糸の繊度構成が2デニール以上の太繊度糸と1.5
デニール以下の細繊度糸が渾然一体となって構成されて
いることが必要であり,太繊度糸の存在によってハリ,
腰のある風合を呈し,また,異形断面形状の細繊度糸の
存在によってドライ感,ふくらみ感,あるいはソフト感
の良好な布帛が得られる。
【0009】ここで,太繊度糸の繊度が2デニール未満
では,単糸の断面積が小さいため,単糸にかかる横方向
の力あるいは曲げ,ねじりに対して反発力が期待できに
くくなり,ハリ,腰が減少し,さらには,細繊度糸との
繊度差が少ないので,凹凸感がなくなって表面効果の少
ないヌメリ感の強い布帛となる。したがって,ハリ,腰
のある布帛を得るためには,太繊度糸の単糸繊度は2デ
ニール以上であることが必要であり,特に4〜7デニー
ルの範囲にあることが好ましい。太繊度糸のみからなる
糸条を用いて布帛を構成すると,布帛のソフト感やドレ
ープ性が欠けて剛直な風合となるので好ましくなく,そ
こで,本発明では,異繊度混繊糸の単糸繊度構成を2デ
ニール以上の太繊度糸が少なくとも20重量%以上存在
し,同時にソフト感を付与するために1.5デニール以下
の細繊度糸を5重量%以上存在させるように規定した。
【0010】本発明において太繊度糸の構成比率を20
重量%未満にすると,ハリ,腰,ふくらみ感が欠けてし
まい,好ましくない。また,細繊度糸が5重量%未満に
なると,太繊度糸の影響が強くなってソフト感が欠け,
剛直感のある布帛となるので好ましくない。太繊度糸と
細繊度糸の混合割合は,上記の範囲内であれば特に限定
されるものではなく,目的とする風合に応じて適宜変更
が可能である。また,本発明においては,少なくとも太
繊度糸が芯鞘構造であり,かつ芯部にのみ帯電防止剤を
含有せしめ,鞘部は帯電防止剤を含有しないようにす
る。布帛に帯電防止剤を付与するためには,異繊度混繊
糸を構成するすべての単糸に帯電防止剤を含有させるこ
とが好ましいが,少なくとも芯鞘構造を形成しやすい太
繊度糸に含有させれば,布帛に実用上十分な帯電防止性
能を付与することができる。
【0011】太繊度糸の芯部にのみ帯電防止剤を含有さ
せるのは,帯電防止剤が糸条表面に露出するのを防止し
て,染色性,減量速度の均一化および染色堅牢度を向上
させるためである。帯電防止剤としては,ポリアルキレ
ングリコール,ポリアルキレングリコールの付加体,種
々の有機スルホン酸金属塩,ホスホン酸金属塩,カルボ
ン酸金属塩あるいはこれらと紡糸に供するポリマーとの
共重合物等が挙げられる。帯電防止剤は,ポリマーの重
合の段階あるいは製糸の段階でポリマーに配合すればよ
い。帯電防止剤の中でも,使用するポリマーとの相溶性
あるいは熱安定性を考慮すると,ポリアルキレングリコ
ールまたはポリアルキレングリコールと紡糸に供するポ
リマーとの共重合ポリマーが好適に用いられる。例え
ば,ポリアルキレングリコールを10〜50重量%共重
合したポリエステルは,他のポリマーと製糸段階で混合
し,芯成分として用いることができるので好適である。
【0012】また,芯部に位置する帯電防止剤が洗濯や
ドライクリーニング時等に含まれる膨潤剤や溶剤等によ
り溶出するのを極力防止するには,芯部を帯電防止剤あ
るいはその共重合ポリマーと鞘部を構成するポリマーと
の混合物で形成し,かつ芯部内で帯電防止剤を広く混合
分散させるとよい。帯電防止剤あるいはそれを含むポリ
マーの混合比率については,帯電防止剤のもつ性能にも
よるが,例えば,帯電防止剤としてポリアルキレングリ
コールとポリエステルとの共重合ポリマーを用いた場合
には,実質的なポリアルキレングリコールの混合比率が
太繊度糸の5〜60重量%の範囲内で帯電防止効果のあ
る布帛が得られる。
【0013】次に,糸条を構成する細繊度糸は,その断
面形状が,例えばL字状,T字状,トの字状などのごと
く,実質的に直線状の偏平幹部と突起部とをもつ非回転
対称形状からなる特殊偏平断面であることが必要であ
る。このような特殊偏平断面にしておくと,布帛の製造
工程において糸条に作用する旋回力や張力,衝撃力等で
単糸同士が回転しても密着することなく,単糸間の空隙
部を確保し,布帛にふくらみ感やドライ感を与えること
ができる。細繊度糸の断面形状が,従来使用されてきた
ような普通の丸断面や三角断面では,布帛の製造工程に
おいて糸条に作用する旋回力や張力,衝撃力等で単糸同
士が密着してしまい,単糸間に空隙が存在しにくくな
り,布帛にふくらみ感を与えることができない。
【0014】この細繊度糸は,断面形状や単糸繊度を2
種あるいは3種,4種とバラエティをもたせて構成する
と,極めて良好な風合を有する布帛が得られるようにな
るのでより一層好ましい。本発明の糸条を形成するポリ
マーとしては,ポリエステル,ポリアミド等が用いられ
るが,アルカリ減量加工による一層の風合向上を図るた
めには,ポリエステルが好適である。本発明では,上述
の異繊度混繊糸を使用して織物,編物等の布帛を製編織
するが,このとき異繊度混繊糸は,布帛中に少なくとも
20重量%以上含有されていることが必要である。異繊
度混繊糸の量が20重量%未満になると,布帛に十分な
帯電防止性能を与えることができないので好ましくな
い。本発明の布帛の編織組織は,従来公知のものを任意
に採用することができる。
【0015】この後本発明では,上述の布帛に従来より
公知の方法で染色加工を行った後,フッ素系撥水剤を含
む加工剤にて撥水処理を行う。ここでいうフッ素系撥水
剤は,パーフルオロアルキル基を含有するアクリル酸エ
ステルまたはメタアクリル酸エステルのごときフルオロ
アルキル基含有の重合し得る化合物と,共重合可能なラ
ジカル反応性の不飽和結合をもったアクリル酸アミド誘
導体や塩化ビニル,塩化ビニリデン等の化合物とを,界
面活性剤と水可溶の有機溶媒を分散助剤として乳化重合
することによって得られる共重合体が水分散されたもの
である。
【0016】フッ素系撥水剤の使用量は,特に限定する
ものではないが,良好な撥水性を得るためには,繊維重
量に対して0.2重量%以上使用しなければ,目的とする
洗濯耐久性のある撥水性能が得られにくい。フッ素系撥
水剤による撥水処理方法については,一般に行われてい
る通常の方法でよいし,特に限定するものではなく,布
帛に処理液を含浸し,マングル等で絞液後,乾燥する方
法や,処理液を布帛に噴霧後,乾燥する方法等の公知の
方法で行えばよい。必要ならば,フッ素系撥水剤を適当
な架橋剤とともに使用し,キュアリングを行ってもよ
い。本発明は,以上の構成よりなるものである。
【0017】
【作用】本発明のごとく,芯部にのみ帯電防止剤を含有
する単糸繊度が2デニール以上の芯鞘構造の太繊度糸を
20重量%以上,断面形状が実質的に直線状の偏平幹部
と突起部とをもつ非回転対称形状である単糸繊度が1.5
デニール以下の細繊度糸を5重量%以上含む糸条を布帛
の20重量%以上含有せしめて布帛を構成し,染色加
工,撥水処理を行うと,帯電防止剤が繊維の内部に存在
するので,特に低湿度下等において発生しやすい静電気
を防止する帯電防止効果を恒久的に保持させた布帛とな
るとともに,耐久性を有するフッ素系撥水剤等によって
布帛を撥水処理しているので,洗濯耐久性のある撥水性
をも合わせもつ布帛とすることができる。また,本発明
のごとく,細繊度糸の断面形状が実質的に直線状の偏平
幹部と突起部とをもつ非回転対称形状にしておくと,布
帛の製造工程において糸条に作用する旋回力や張力,衝
撃力等で単糸同士が転がり,密着することなく,単糸間
の空隙部が減少するのを防止することでき,従って,良
好なドライ感,ふくらみ感を与えるとともに,単糸間に
多くの空気を含んで,良好な撥水性能をも得ることがで
きる。
【0018】
【実施例】次に,本発明の布帛の製造方法を実施例によ
ってさらに具体的に説明するが,実施例における布帛の
性能の測定,評価は,下記の方法で行った。ただし,制
電性および撥水性は,加工上がりの試料およびJISL
−1027(103法)にて洗濯10回(HL−10)
後,一昼夜風乾した試料について行った。 (1)風 合 布帛のドライ感,ふくらみ感,ハリ,腰,ソフト感をそ
れぞれハンドリングによる官能検査により,相対的に次
の4段階で評価した。 ◎:非常に良好 ○:良 好 △:やや不良
×:不 良 (2)制電性 半 減 期 JISL−1094(A法) 摩擦帯電圧 JISL−1094(B法) (3)撥水性 JISL−1092(スプレー法)
【0019】実施例1 鞘部を構成するポリマーとして,酸化チタンを0.5重量
%含む相対粘度1.38のポリエチレンテレフタレートを
使用し,芯部を構成するポリマーとして,分子量が約6
000のポリエチレングリコールを23重量%,5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸成分を2モル%共重合した
相対粘度が1.60のポリエチレンテレフタレート系コポ
リエステルを使用して,断面丸形の芯鞘孔(0.3mmφ)
を2孔有する芯鞘型ノズルを取り付けた紡糸錘にて紡出
するに際し,紡糸温度285℃,鞘部のポリマー吐出量
17g/min ,芯部のコポリエステル吐出量2.8g/mi
nにて本発明で用いる芯鞘構造太繊度未延伸糸を紡出
し,また,これと同時に上記太繊度糸の鞘部を構成した
ものと同じポリエチレンテレフタレートを使用して,ス
リット幅0.12mm,スリット長0.3mm,各スリットのな
す角度60°の断面L字形のオリフィスを20孔有する
異形断面ノズルを取り付けた紡糸錘にて紡糸するに際
し,紡糸温度295℃,吐出量14.5g/min にて本発
明で用いる断面L字形の細繊度未延伸糸を紡出し,これ
ら2種の断面形状の異なる未延伸糸条を捲取ローラー上
で合糸して,捲取速度1400m/min にて1つのボビ
ンに捲き取った。
【0020】このような方法にて捲き取った未延伸糸を
延伸倍率2.6,延伸温度85℃,熱処理温度165℃に
て延伸し,単糸繊度が4デニールで2フィラメントの芯
部にのみ帯電防止剤を含有する芯鞘構造の太繊度糸(混
合比24%)と,単糸繊度が1.2デニールで20フィラ
メントの断面L字形の異形断面細繊度糸(混合比76
%)により構成された33デニール/22フィラメント
の本発明で用いる異繊度混繊糸を得た。上述のごとくし
て得られた異繊度混繊糸を2本合糸した糸条と75デニ
ール/36フィラメントの丸断面レギュラーポリエステ
ル糸条を経糸および緯糸の双方にそれぞれ1本おきに使
用して,経糸密度116本/吋,緯糸密度84本/吋の
平織物を製織した。このとき,布帛中に含まれる上記異
繊度混繊糸の混合比は,23.4%であった。
【0021】次に,この織物をサーキュラー型液流染色
機(日阪製作所株式会社製)に投入し,下記処方1によ
り80℃×20分間のリラックス−精練後乾燥し,経方
向,緯方向への過剰な加工張力を避けて,ピンテンター
(市金工業株式会社製,ヒートセッター)で170℃,
1分間のプレセットを行った。 処方1 NaOH(フレーク) 1g/リットル サンモール FL 1g/リットル (日華化学株式会社製,界面活性剤)
【0022】続いて,同じ液流染色機を用い,NaOH
40g/リットルの濃度にて100℃で25分間の減量
加工(減量率10.5%)を行った後,よく洗浄し,下記
処方2により130℃,30分間の染色を行い,乾燥し
た。 処方2 ミケトンポリエスターブルー FBL 1% owf (ダイスタージャパン株式会社製,分散染料) ニッカサンソルト SN−130 0.5g/リットル (日華化学株式会社製,分散剤) 酢 酸(48%) 0.2cc/リットル
【0023】ここで,下記処方3のフッ素系撥水剤溶液
中に浸漬し,マングルで絞り率45%にて均一に絞り,
130℃で乾燥した後,170℃で1分間の仕上げセッ
トを行い,本発明の耐久制電撥水性布帛を得た。 処方3 アサヒガード LS−317 8重量% (明成化学株式会社製,フッ素系撥水剤) スミテックスレジン M−3 0.3重量% (住友化学工業株式会社製,トリメチロールメラミン) スミテックスアクセレレーター ACX 0.3重量% (住友化学工業株式会社製,トリメチロールメラミン用触媒) 水 91.4重量%
【0024】本発明との比較のため,本実施例において
芯鞘構造太繊度糸の芯部を構成するポリマー中のポリエ
チレングリコール成分を除く他は,本実施例とまったく
同一の方法により比較用の加工布帛(比較例1)を得
た。また,本発明との比較のため,本実施例において芯
鞘構造太繊度糸の単糸繊度を1.5デニールとする以外
は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の加工
布帛(比較例2)を得た。さらに,本発明との比較のた
め,本実施例において芯鞘構造太繊度糸の混合割合を1
5重量%にする以外は,本実施例とまったく同一の方法
により比較用の加工布帛(比較例3)を得た。本発明お
よび比較用の布帛の性能を測定,評価し,その結果を合
わせて表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1より明らかなごとく,本発明方法によ
って得られた布帛は,ドライ感,ふくらみ感,ハリ,
腰,ソフト感が非常に良好で,同時に洗濯耐久性に優れ
た制電性と撥水性を合わせもった良好な布帛であった。
【0027】実施例2 上記実施例1で得られた異繊度混繊糸を構成する一方の
芯鞘構造太繊度糸の単糸繊度を7.6デニール(混合比9
2.7%),他方の断面L字形細繊度糸の単糸繊度を0.3
デニール(混合比7.3%)に代えることにより33デニ
ール/22フィラメントの糸条とする他は,実施例1と
まったく同一の方法により本発明の耐久制電撥水性布帛
を得た。本発明との比較のため,本実施例において細繊
度糸の断面形状を丸形断面とする以外は,本実施例とま
ったく同一の方法により比較用の加工布帛(比較例4)
を得た。
【0028】さらに,本発明との比較のため,本実施例
において細繊度糸の混合比率を3%とする以外は,本実
施例とまったく同一の方法により比較用の加工布帛(比
較例5)を得た。また,本発明との比較のため,本実施
例において細繊度糸の単糸繊度を2デニールとする以外
は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の加工
布帛(比較例6)を得た。本発明および比較用の布帛の
性能を測定,評価し,その結果を合わせて表2に示し
た。
【0029】
【表2】
【0030】表2より明らかなごとく,本発明方法によ
って得られた布帛は,比較用の布帛に比べドライ感,ふ
くらみ感,ハリ,腰,ソフト感が非常に良好で,同時に
洗濯耐久性に優れた制電性と撥水性を合わせもった良好
な布帛であった。
【0031】実施例3 前記実施例1で得られた異繊度混繊糸を2本合糸して,
福原精機株式会社製の丸編機(LPJ−H型,33イン
チ,32ゲージ)にてモックミラノリブ組織の編地を編
成した。次に,実施例1における染色加工において,リ
ラックス,精練時に用いたカセイソーダを省くこと,お
よび減量加工を省くこと以外は,実施例1とまったく同
一の方法により, 本発明の耐久制電撥水性布帛を得た。
【0032】本発明との比較のため,本実施例において
用いた異繊度混繊糸の割合を布帛の18重量%とする以
外は,本実施例とまったく同一の方法により比較用の加
工布帛(比較例7)を得た。本発明および比較用の布帛
の性能を測定,評価し,その結果を合わせて表3に示し
た。
【0033】
【表3】
【0034】表3より明らかなごとく,本発明方法によ
って得られた布帛は,比較用の布帛に比べドライ感,ふ
くらみ感,ハリ,腰,ソフト感が非常に良好で,同時に
洗濯耐久性に優れた制電性と撥水性を合わせもった良好
な布帛であった。
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば,優れたドライ感,
ふくらみ感,ハリ,腰を有し,ソフト感にも優れ,洗濯
耐久性に優れた耐久制電撥水性布帛を得ることができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // D01D 5/253 D01D 5/253 D01F 8/04 D01F 8/04 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯部にのみ帯電防止剤を含有する芯鞘構
    造の単糸繊度2デニール以上の太繊度糸を20重量%以
    上含み,断面形状が実質的に直線状の偏平幹部と突起部
    とを有する非回転対称形状の単糸繊度1.5デニール以下
    の細繊度糸を5重量%以上含む異繊度混繊糸を,布帛に
    対して20重量%以上含有せしめて布帛を構成し,この
    布帛を染色後,フッ素系撥水剤で撥水処理することを特
    徴とする耐久制電撥水性布帛の製造方法。
JP10164665A 1998-06-12 1998-06-12 耐久制電撥水性布帛の製造方法 Pending JPH11350355A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019219321A (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 ライオン株式会社 繊維製品の評価方法、これを用いた繊維製品用処理剤の評価方法及び繊維製品用処理剤の製造方法

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