JPH11349592A - 有機酸マグネシウム水溶液の製造方法 - Google Patents

有機酸マグネシウム水溶液の製造方法

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JPH11349592A
JPH11349592A JP15164198A JP15164198A JPH11349592A JP H11349592 A JPH11349592 A JP H11349592A JP 15164198 A JP15164198 A JP 15164198A JP 15164198 A JP15164198 A JP 15164198A JP H11349592 A JPH11349592 A JP H11349592A
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magnesium
aqueous solution
acid
organic
magnesium hydroxide
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JP15164198A
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Masaru Higuchi
勝 樋口
Kazunori Yamaguchi
和則 山口
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Daicel Amihoshi Sangyo Kk
Original Assignee
Daicel Amihoshi Sangyo Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低純度のマグネシウム原料を用いても、簡便
な操作で高純度な有機酸マグネシウム水溶液を製造す
る。 【解決手段】 低純度のマグネシウム原料から得られる
水酸化マグネシウム水溶液(又はスラリー)と、有機酸
とを50℃〜還流温度で反応させて、有機酸マグネシウ
ム水溶液を生成させる。前記温度範囲で中和することに
より不溶性不純物を凝集させ、固液分離(濾過など)に
より除去する。必要に応じて有機酸マグネシウム水溶液
を加熱処理することにより、さらに不溶性不純物を凝集
させてもよく、有機酸マグネシウム水溶液には凝集剤を
添加してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肥料、融雪剤、凍
結防止剤、中和剤、染色助剤などとして有用な有機酸マ
グネシウム水溶液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機酸マグネシウム水溶液、例えば、酢
酸マグネシウム水溶液の製造方法としては、高純度のマ
グネシウム金属を使用する方法が知られている。例え
ば、ドイツ特許第41,150,906号明細書には、
電解精製した高純度マグネシウム金属と、酢酸とを反応
させ酢酸マグネシウム水溶液を製造する方法が開示され
ている。しかし、電解精製は、多工程からなる複雑な製
造方法であり、収率やコストパフォーマンスが低く、工
業的に不利である。
【0003】一方、天然マグネシウム鉱石と酢酸とを直
接反応させ、酢酸マグネシウムを得る方法も知られてい
る。この方法は、工程数を低減できる利点を有するもの
の、不純物が混入し、得られる酢酸マグネシウムの純度
が低い。
【0004】また、中間的な原料として、天然マグネシ
ウム鉱石(マグネサイトなどの炭酸マグネシウムど)を
焼成することにより得られる軽焼マグネシアを用いる方
法も知られている。この方法では、酢酸を用いて、軽焼
マグネシアから直接、又は水和により水酸化マグネシウ
ムとした後で、酢酸マグネシウムを製造している。しか
し、得られる酢酸マグネシウム水溶液には、マグネシウ
ム原料に由来する不純物(カルシウム、鉄、シリカな
ど)が大量に含まれており、濾過によりこれら不溶性不
純物を一旦除去しても、着色が大きく、保存中、徐々に
沈殿物が発生する。
【0005】また、塩基性炭酸マグネシウムや炭酸マグ
ネシウムなどをマグネシウム原料として用いる方法も知
られているが、酢酸との反応時に、多量の炭酸ガスを発
生するため、取扱いが困難である。低純度マグネシウム
原料から、高純度マグネシウム水溶液を製造する方法と
しては、例えば、低純度水酸化マグネシウムと酢酸とか
ら得られる低純度酢酸マグネシウム水溶液を、常温でア
ルカリ性にし、硫化アンモニウムで処理して、透明なマ
グネシウム水溶液を製造する方法が知られている。しか
し、この方法では、硫化水素臭が残存し、その除去が困
難である。また、硫化アンモニウムに代えて、大量の活
性炭で処理して、透明なマグネシウム水溶液を製造する
方法が知られている。しかし、この方法では、活性炭の
使用量が大きいため、粉塵が発生し、活性炭の濾過など
の後処理が煩雑である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、簡便な操作で高純度な有機酸マグネシウム水溶液を
製造できる方法を提供することにある。本発明の他の目
的は、低純度のマグネシウム原料を用いても、高純度な
有機酸マグネシウム水溶液を製造できる方法を提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、有機酸マグネ
シウム水溶液中のコロイド状不純物を有効に除去でき、
高純度な有機酸マグネシウム水溶液を製造するのに適し
た方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため鋭意検討した結果、不純物を含有する水酸
化マグネシウム水溶液(又はスラリー)と有機酸とを、
高温で反応させると、不純物が凝集して沈殿すること、
凝集した不純物は濾過性よく容易に除去できることを見
いだし、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、水の存在下、水酸化
マグネシウムと有機カルボン酸とを50℃〜還流温度で
反応させて有機酸マグネシウム水溶液を生成させ、析出
した不溶性不純物を除去することにより、有機酸マグネ
シウム水溶液を製造する。水酸化マグネシウムとして
は、軽焼マグネシアの水和により得られる水酸化マグネ
シウムを用いてもよく、有機カルボン酸は、酢酸などの
1-4 有機カルボン酸であってもよい。さらに、水酸化
マグネシウムと有機カルボン酸との反応混合液を凝集剤
の存在下、加熱処理することにより、不溶性の不純物を
析出させてもよい。水酸化マグネシウム水溶液と有機カ
ルボン酸との反応混合液又は前記反応混合液を加熱処理
した液を濾過することにより、析出した不溶性不純物
(コロイド状不純物)を除去してもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】[水酸化マグネシウム]本発明に
用いる水酸化マグネシウムは、不純物を含有している。
不純物としては、アルミニウムやシリカなどのコロイド
形成能を有する金属、鉄などの重金属、およびカルシウ
ムなどのアルカリ土類金属などが例示される。水酸化マ
グネシウムは、通常、粉粒状で使用され、粒子の平均直
径は、通常、5mm以下である。
【0010】前記水酸化マグネシウムとしては、例え
ば、マグネシア(特に軽焼マグネシア)の水和物、水酸
化マグネシウム含有鉱石(ブルーサイトなど)などを使
用することができる。前記マグネシアは、ペリクレー
ス、マグネサイト、ブルーサイトなどの天然マグネシウ
ム鉱石を焼成することにより得られる。また、海水マグ
ネシア中の塩素は焼成により除去することができるた
め、塩素含有量が許容される場合には、前記マグネシア
として海水マグネシアを用いてもよい。焼成は、通常、
550〜1500℃程度、好ましくは650〜1300
℃程度、さらに好ましくは800〜1200℃程度で行
う。このような軽焼マグネシアを用いると、水和により
反応性の高い水酸化マグネシウム(活性水酸化マグネシ
ウム)が得られる。
【0011】前記マグネシアは、スラリー法、タワーミ
ルスラリー法、乾式混練法などの慣用の方法により水和
することができ、水酸化マグネシウムを生成できる。水
和においては、必要に応じて、触媒や添加剤(分散剤な
ど)を併用してもよい。触媒および添加剤は、最終生成
物(酢酸マグネシウムなどの有機酸マグネシウム水溶
液)の品質(沈殿生成物量、濾過性、不純物量など)に
影響を与えない範囲で選択することができる。水和触媒
としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナ
トリウムなど)などのアルカリ触媒;有機カルボン酸
(酢酸など)およびその塩(酢酸ナトリウムなど)など
の酸触媒などが挙げられる。無触媒又はアルカリ触媒を
用いて水和すると、不純物を凝集できるので有利であ
る。
【0012】[有機カルボン酸]有機カルボン酸として
は、脂肪族カルボン酸、例えば、脂肪族モノカルボン酸
(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草
酸、アクリル酸、クロトン酸などのC1-4 脂肪族モノカ
ルボン酸など)、ハロゲン化脂肪族モノカルボン酸(モ
ノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などのC
1-4 ハロゲン化脂肪族モノカルボン酸など)、脂肪族多
価カルボン酸(マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレ
イン酸などの脂肪族多価カルボン酸、特にC1-4 脂肪族
多価カルボン酸など)、脂肪族ヒドロキシカルボン酸
(グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石
酸、クエン酸、グルコン酸などの脂肪族ヒドロキシカル
ボン酸、特にC1-4 脂肪族ヒドロキシカルボン酸な
ど)、アルコキシカルボン酸(メトキシ酢酸、エトキシ
酢酸などのC1-4 アルコキシカルボン酸など)、オキソ
カルボン酸(アセト酢酸などのC1-4 オキソカルボン酸
など)などが挙げられる。好ましい有機カルボン酸は、
1-4 有機カルボン酸、特にC1-4 脂肪族モノカルボン
酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、アク
リル酸、クロトン酸など)、なかでも酢酸(氷酢酸を含
む)である。酢酸などの有機カルボン酸は、無水酢酸な
どの無水物としても使用できる。有機カルボン酸は水と
共に水溶液として使用してもよい。
【0013】水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )と
有機カルボン酸のカルボキシル基との割合(Mg(O
H)2 /COOH)は、通常、0.7/1〜1.3/1
(モル比)程度、好ましくは0.8/1〜1.2/1
(モル比)程度、さらに好ましくは0.9/1〜1.1
/1(モル比)程度である。
【0014】[反応]水の存在下、水酸化マグネシウム
と有機カルボン酸とを反応させることにより、有機酸マ
グネシウム水溶液を生成させることができる。水酸化マ
グネシウムは水懸濁液(スラリー)として用いることが
多い。なお、酸性下でスラリーを長時間放置すると、シ
リカやアルミニウムなどはコロイドを形成し、鉄などの
重金属は水酸化物として析出するため、スラリーは、中
性〜アルカリ性(例えば、pH=6〜11程度)である
ことが好ましい。スラリーを中性〜アルカリ性に保つた
め、好ましくは、水酸化マグネシウムの水懸濁液(スラ
リー)に、撹拌下、有機カルボン酸(酢酸水溶液など)
を添加する。
【0015】水酸化マグネシウムと有機酸との反応を高
温で行うと、不溶性不純物(コロイド状不純物)を有効
に析出させることができる。反応温度は、50℃以上
(例えば、50℃〜還流温度)、好ましくは70℃以上
(例えば、80℃〜還流温度)、さらに好ましくは90
℃以上(例えば、90℃〜還流温度)である。常圧下で
の反応の場合、還流温度は、例えば、100〜110℃
程度、通常100〜105℃程度である。
【0016】水酸化マグネシウムと有機カルボン酸とを
全量混合した後、25℃、酢酸マグネシウム濃度25重
量%で測定したときの水溶液のpHは、通常、6〜10
程度、好ましくは7〜9程度、さらに好ましくは7.5
〜8.5程度である。なお、水酸化マグネシウムと酢酸
との割合が当量程度であるとき、pHは、7.9〜8.
3程度である。pHが10を越えると、水酸化マグネシ
ウムが未反応のままスラリーとして残存し、濾過などの
後処理が必要となる。一方、pHが6未満では、反応液
が黒褐色に着色し、さらに、この褐変溶液を濾過しても
着色し、経時的に徐々に沈殿が生じる。
【0017】[加熱処理]高温で反応させると不純物を
有効に凝集できるため、反応混合液をそのまま濾過して
も、高純度な有機酸マグネシウム水溶液が得られる。さ
らに精製が必要な場合、反応混合液を加熱処理(熟成)
することにより、さらに不純物を凝集できる。熟成は、
0〜50℃程度(特に10〜40℃程度)で行ってもよ
いが、50℃以上の温度で加熱熟成処理(加熱処理)す
ると、コロイド状不純物を有効に凝集させることができ
る。加熱処理の温度は、例えば、50〜100℃程度、
好ましくは60〜100℃程度、さらに好ましくは85
〜100℃程度である。
【0018】また、0〜50℃程度で熟成する場合に比
べ、加熱処理によると処理時間を短縮することができ
る。加熱処理の時間は、通常、30分〜3日間程度、好
ましくは5〜24時間程度である。熟成又は加熱処理
は、通常、弱い撹拌下、または静置(放置)することに
より行うことができる。
【0019】[凝集剤]熟成又は加熱処理においては、
凝集剤(添加剤)の存在下、熟成又は加熱処理してもよ
い。凝集剤により、不純物の凝集を促進でき、加熱処理
することなく、高純度の有機酸マグネシウム水溶液が得
られる。
【0020】凝集剤(添加剤)としては、例えば、有機
カルボン酸類(陰イオン性のアルギン酸ナトリウム、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ナトリウムカルボキシメチル
セルロース(CMC)、ポリアクリルアミドの部分加水
分解物の塩などのポリカルボン酸塩;非イオン性のポリ
アクリルアミドなどのポリカルボン酸アミドなど)、ポ
リオキシエチレンなどの慣用の高分子凝集剤;無機酸塩
(硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、ナトリウ
ムミョウバンなど)、アルカリ金属類(水酸化ナトリウ
ム、過炭酸ナトリウムなど)、無機酸化剤(過酸化水素
など)などの無機凝集剤;カーボンブラック、吸着剤
(活性炭、ベントナイトなど)などの固体粉粒体などが
挙げられる。濾過性向上には、固体粉粒体が効果的であ
る。これら凝集剤は、一種又は二種以上組み合わせて使
用することができる。
【0021】凝集剤の使用量は、処理溶液中の不純物
量、処理条件に応じて選択することができ、例えば、高
分子凝集剤および無機凝集剤の使用量は、通常、1〜1
000ppm(重量基準)程度、好ましくは1〜500
ppm(重量基準)程度(例えば、2〜100ppm
(重量基準))、さらに好ましくは2〜50ppm(重
量基準)程度(例えば、2〜30ppm(重量基準))
である。また、固体粉粒体の使用量は、通常0.005
〜1(w/v)%程度、好ましくは0.01〜0.5
(w/v)%程度、さらに好ましくは0.01〜0.2
(w/v)%程度、特に0.02〜0.1(w/v)%
程度である。
【0022】前述した水酸化マグネシウムの活性炭によ
る再精製方法と同様に、本発明においても活性炭などの
固体微粉の使用が効果的であるが、上記先行技術に比べ
本発明では、使用する活性炭の量を極端に低減できるた
め、粉塵対策や濾過などの取り扱いの困難性が少ない。
添加剤を併用する場合は、添加剤が均一に分散したあと
で、弱い撹拌下、又は静置することにより、熟成又は加
熱処理を行うことができる。
【0023】[不純物除去]上記反応混合液又は加熱処
理(熟成)液は、不純物が析出している為、固液分離に
より、不純物を効率よく、かつ容易に除去することがで
き、高純度の有機酸マグネシウム水溶液を得ることがで
きる。固液分離の方法としては、デカンテーション、濾
過、遠心分離などの慣用の方法が利用できる。本発明で
は、不純物が凝集しているため、濾布や濾紙などの濾材
の目詰まりが少なく、高い濾過効率で濾過できる。その
ため、濾過により不純物を除去することが多い。
【0024】このようにして得られた有機酸マグネシウ
ム水溶液は、脱色され、澄明性が高い。有機酸マグネシ
ウム水溶液の着色度(透明性)の指標となる色度(JI
SK0101 10.1に準拠)は、通常、0〜300
度程度、好ましくは、0〜200度程度、さらに好まし
くは0〜100度程度(特に0〜80度程度)である。
有機酸マグネシウムの濃度は、用途に応じて選択でき、
通常、15〜35重量%程度、好ましくは20〜30重
量%程度である。また、マグネシウムの濃度は、通常、
30〜70g/l程度、好ましくは40〜60g/l程
度である。
【0025】また、本発明の有機酸マグネシウム水溶液
の製造方法によれば、有機酸マグネシウム水溶液中の不
純物量を低減できる。25重量%有機酸マグネシウム水
溶液中の不純物濃度、例えば、鉄分濃度は、0.1〜1
0mg/l程度、好ましくは0.5〜5mg/l程度で
あり、カルシウム分濃度は、0.1〜5mg/l程度、
好ましくは0.5〜1.5mg/l程度である。なお、
前記不純物濃度は、原子吸光法により測定できる。有機
酸マグネシウム水溶液は、有機酸マグネシウム濃度、沈
殿物の量、溶液の色などの経時変化がなく、長期間に亘
って安定である。
【0026】有機酸マグネシウム水溶液は、酢酸マグネ
シウム肥料などの有機酸マグネシウム肥料の高純度原料
として、又は他の凍結防止剤と組み合わせて融雪剤の高
純度原料として使用することができる。また、液状であ
るため即効性が高く、液体肥料、液状融雪剤、又は酢酸
セルロース製造時の硫酸触媒の中和剤などに使用するこ
とができる。
【0027】
【発明の効果】本発明によると、天然産マグネシウムか
ら少ない工程数で、簡便な操作により高純度な有機酸マ
グネシウム水溶液を製造することができる。また、低純
度のマグネシウム原料を用いても、高純度な酢酸マグネ
シウム水溶液を効率よく製造できる。さらに、有機酸マ
グネシウム水溶液のコロイド状不純物を有効に除去する
ことができる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。実施例および比較例において、「部」
は重量部を示す。また、有機酸マグネシウム水溶液の製
造には、以下に示す材料を用いた。なおマグネシアの組
成及び強熱減量において、「%」は重量%を示す。
【0029】[軽焼マグネシア] 1)軽焼マグネシア(A):ペリクレースの1100℃
焼成品 組成:MgO 92.8%、CaO 1.9%、SiO2 0.9%、Fe2O2 0.55
%、Al2O3 0.06% 強熱減量(LOI):3.6% 2)軽焼マグネシア(B):ペレクレースの1100℃
焼成品 組成:MgO 92.1%、CaO 2.3%、SiO2 1.1%、Fe2O2 0.53
%、Al2O3 0.15% 強熱減量(LOI):3.7% 3)ブルーサイト:中国産天然鉱石、200メッシュパ
ス粉砕品 組成:Mg(OH)2 92.1%(MgO換算63.6%)、CaO 2.58%、Si
O2 2.5%、Fe2O30.27%、Al2O3 0.09% 強熱減量(LOI):30.8% [凝集剤] 1)高置換度ナトリウムカルボキシメチルセルロース
(CMC) 2)ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC1
240、ダイセル化学工業(株)製) 3)アクリル酸アミド 4)活性炭BA(北越炭素(株)製) 5)活性炭A(武田薬品工業(株)製) 6)活性炭F(北越炭素(株)製) 7)ポリアクリル酸ナトリウム 8)水酸化ナトリウム 9)過酸化水素 10)ナトリウムミョウバン 実施例1 還流冷却器を備えた反応容器に、軽焼マグネシア(B)
7.7部と水50.3部を加え、2時間還流(103
℃)し、水酸化マグネシウムスラリーを得た(ヒドロ化
(水和)率85%)。水酸化マグネシウムスラリーに、
還流撹拌下、30分かけて、酢酸21.0部と水21.
0部との酢酸水溶液を添加した。添加終了後、さらに3
0分還流(温度104℃)して反応を継続した。還流を
停止し、反応混合液を、90℃で16時間加熱処理し
た。室温(約20℃)まで冷却した後、濾紙(No.
6)を用いて熟成液を濾過したところ、目詰まりなく、
簡単に濾過することができた。得られた酢酸マグネシウ
ム水溶液の品質は以下の通りであった。また、1月経過
しても、品質(pH、色度など)の変化がなく、沈殿の
生成もなかった。 Mg濃度 :48g/l(酢酸マグネシウム濃度25重量%) pH :7.0 色度 :30度 濁度 :2.4度(カオリン) 粘度 :10cps(25℃) 不純物濃度:Fe 0.9mg/l、 Ca 0.6g/l 比較例1 水和せずに、軽焼マグネシア(B)と水との混合液に、
直接、酢酸水溶液を添加する以外は、実施例1と同様に
して、加熱処理液を得た。室温(約20℃)まで冷却し
た後、濾紙(No.6)を用いて加熱処理液を濾過した
ところ、濾過性が悪く、濾紙が目詰まりをおこし、濾紙
の交換が必要だった。得られた酢酸マグネシウム水溶液
の品質は以下の通りであった。
【0030】 Mg濃度 :43g/l 色度 :1200度(水で4倍希釈した後の色度=300度) 濁度 :40度(カオリン) 不純物濃度:Fe 22mg/l、 Ca 0.48g/l 実施例2 90℃、16時間の条件で加熱処理するところを、室温
(約20℃)、16時間で熟成する以外は、実施例1と
同様に操作して、熟成液を得た。濾紙(No.6)を用
いて熟成液を濾過したところ、目詰まりなく、簡単に濾
過することができた。得られた酢酸マグネシウム水溶液
の品質は以下の通りであった。
【0031】 Mg濃度 :48g/l(酢酸マグネシウム濃度25重量%) pH :7.0 色度 :30度 濁度 :3度(カオリン) 不純物濃度:Fe 1.5mg/l 、Ca 0.6g/l 実施例3 軽焼マグネシア(B)7.7部と水50.3部とに代え
て、ブルーサイト(中国産)11.3部と水47.0部
とを用い、水和をしない以外は、実施例1と同様にし
て、酢酸マグネシウム水溶液を得た。濾過性は実施例1
と同様に、良好であった。得られた酢酸マグネシウム水
溶液の品質は以下の通りであった。
【0032】 pH :7.5 色度 :50度 濁度 :40度(カオリン) 不純物濃度:Fe 4mg/l、 Ca 1.2g/l 実施例4 軽焼マグネシア(B)に代えて、軽焼マグネシア(A)
を用いる以外は、実施例1と同様にして、酢酸マグネシ
ウム水溶液を得た。濾過性は良好であり、酢酸マグネシ
ウム水溶液の色度は50〜80度であった。
【0033】実施例5 反応温度を、104℃に代えて60℃とする以外は、実
施例1と同様にして、反応混合液を得た。反応混合液
に、活性炭を添加し(活性炭濃度0.2(w/v)
%)、90℃で16時間放置した後、濾過することによ
り、酢酸マグネシウム水溶液を得た(色度=40度)。
【0034】実施例6 反応温度を、104℃に代えて60℃とする以外は、実
施例1と同様にして、反応混合液を得た。反応混合液
に、活性炭を添加し(活性炭濃度0.2(w/v)
%)、室温(約20℃)で16時間放置した後、濾過す
ることにより、酢酸マグネシウム水溶液を得た(色度=
30度)。
【0035】実施例7 反応温度を、104℃に代えて60℃とする以外は、実
施例3と同様にして、反応混合液を得た。反応混合液
に、活性炭を添加し(活性炭濃度0.4(w/v)
%)、室温(約20℃)で16時間放置した後、濾過す
ることにより、酢酸マグネシウム水溶液を得た(色度=
40度)。
【0036】実施例8〜20 実施例4と同様にして、反応混合液を得た。反応混合液
に、表1で示す添加剤を加え、90℃で16時間加熱処
理し、濾過することにより無色透明の酢酸マグネシウム
水溶液を得た。酢酸マグネシウム水溶液の品質を表1に
示した。
【0037】
【表1】 実施例21 実施例4と同様にして、反応混合液を得た。反応混合液
に、アクリルアミドを添加し(アクリルアミド濃度5p
pm)、室温(約20℃)で16時間放置した後、濾過
することにより、酢酸マグネシウム水溶液を得た(色度
=30度)。
【0038】実施例22 反応温度を、104℃に代えて60℃とする以外は、実
施例4と同様にして反応混合液を得た。反応混合液に活
性炭を添加し(活性炭濃度0.4(w/v)%)、室温
(約20℃)で16時間放置した後、濾過することによ
り、酢酸マグネシウム水溶液を得た(色度=50度)。
【0039】実施例23 ブレンダーに、軽焼マグネシア(A)と、少量の触媒
(酢酸又は苛性ソーダなど)と、水和(ヒドロ化)に必
要な最小限の水とを加え、撹拌することにより、水和反
応した(乾式混練法)。なお、反応初期は、蒸気で加温
した。得られた水酸化マグネシウム(ヒドロ化率 90
%)59部と水251部とを混合し、還流下(104
℃)、50%酢酸水溶液223部を30分かけて添加し
た。添加後、さらに30分還流を継続した後、90℃で
16時間放置して加温処理した。加温処理液を室温(約
20℃)まで冷却した後、No.6の濾紙を用いて濾過
することにより、酢酸マグネシウム水溶液を得た(色度
=60度)。
【0040】実施例24 比較例1で得られた加温処理液に、凝集剤としてアクリ
ルアミドを添加し(アクリルアミド濃度10ppm)、
90℃で16時間放置した。放置後の液の濾過性は良好
であり、濾過後の酢酸マグネシウム水溶液の色度は20
度であった。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の存在下、水酸化マグネシウムと有機
    カルボン酸とを反応させて有機酸マグネシウム水溶液を
    生成させ、析出した不溶性不純物を除去する方法であっ
    て、水酸化マグネシウムと有機カルボン酸とを、50℃
    〜還流温度で反応させる有機酸マグネシウム水溶液の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 水酸化マグネシウムが軽焼マグネシアの
    水和により得られた水酸化マグネシウムである請求項1
    記載の有機酸マグネシウム水溶液の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機カルボン酸が、C1-4 有機カルボン
    酸である請求項1記載の有機酸マグネシウム水溶液の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 水酸化マグネシウムと有機カルボン酸と
    の反応混合液を加熱処理する請求項1記載の有機酸マグ
    ネシウム水溶液の製造方法。
  5. 【請求項5】 60〜110℃で加熱処理する請求項4
    記載の有機酸マグネシウム水溶液の製造方法。
  6. 【請求項6】 凝集剤の存在下で加熱処理する請求項4
    記載の有機酸マグネシウム水溶液の製造方法。
  7. 【請求項7】 水酸化マグネシウムと有機カルボン酸と
    の反応混合液又は前記反応混合液を加熱処理した液を濾
    過する請求項1又は4記載の有機酸マグネシウム水溶液
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 水酸化マグネシウムと、有機カルボン酸
    のカルボキシル基との割合が、Mg(OH)2 /COO
    H=0.7/1〜1.3/1(モル比)である請求項1
    記載の有機酸マグネシウム水溶液の製造方法。
  9. 【請求項9】 水酸化マグネシウムと有機カルボン酸と
    をpH6〜10で反応させる請求項1記載の有機酸マグ
    ネシウム水溶液の製造方法。
  10. 【請求項10】 水の存在下、水酸化マグネシウムと酢
    酸とを80℃〜還流温度で反応させるか、又は80℃〜
    還流温度で反応させた後、85〜100℃で加熱処理
    し、濾過することにより、色度0〜100度の酢酸マグ
    ネシウム水溶液を製造する方法。
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