JP3563495B2 - 水酸化マグネシウムの精製法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水酸化マグネシウムの精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水酸化マグネシウムは主に、海水中に含有されている水酸化マグネシウムを強塩基で沈殿させ、次いで公知の方法(Sardamag Spa、 1994年1月 − ”Production of sea water magnesite for refractory purposes”, Moscuzzaら; Villavecchia Eigenmann; 第4巻, 2006ページを参照されたい)により抽出する海水抽出、ケーブ抽出(cave extraction)、海水ブライン抽出、又はNaOH若しくはCa(OH)2との反応により得られる。
【0003】
ケーブから抽出される天然の水酸化マグネシウムは、96〜98%という比較的高い純度を示す。現在では、抽出コストが安く、有用性が高く且つ高純度を有するために、この製品がある種の特定の応用又はさらなる精製のための出発物質として海水から抽出される製品に比べて好まれている。しかし、定性及び結晶の不均一性により、医薬品として、プラスチック及びケーブル産業における難燃剤として、また化粧品及び洗剤産業においても、この供給源には限界がある。
【0004】
例えば、塩化物のようなマグネシウム塩を含む濃縮溶液である海水ブラインから抽出される水酸化マグネシウムは、強塩基、例えばNaOH又はCa(OH)2と反応させることにより得られる。
【0005】
海水から合成される水酸化マグネシウムは、塩基、例えば水酸化カルシウム若しくはナトリウムを用いて沈殿させ、安価な無機酸、例えばHCl、H2SO4で連続洗浄し、次いで水酸化物を再び可溶化し、大量の洗浄水を用いて再結晶することにより得られ、こうしてタイターが改善される。
【0006】
用いられる酸性及び塩基性試薬及び他の不純物、例えばホウ酸塩に由来するカチオン性及びアニオン性汚染物質のために、ケーブから抽出される製品より低純度の製品しか得られない。
【0007】
無機の酸及び塩基の使用は、排水の廃棄が困難になるために、環境に対して極めて有害であるという点でも不利である。
【0008】
また大量の水及び酸を用いるために、そのような方法はコストがかなり高くなる。
【0009】
通常海水に含まれ、精製段階では排除されないアニオン性物質が最終製品のタイターを低下させることは明らかである。
【0010】
さらに、水酸化マグネシウムは水中又は空気中に存在する炭酸ガスと容易に反応して炭酸マグネシウム(及び水酸化カルシウムを沈殿用に用いる場合には炭酸カルシウム)を形成し、それによって製品の純度がさらに低下する。実際、得られたマグネシウムのタイターが93/95%(MgOで表して)を超えることは殆どない。
【0011】
従って、得られた製品は高純度を必要としないホース(hose)としての用途においてのみ利用し得、例えば、そのようにして得られた水酸化物は、酸化物の形態で耐火物として使用可能である。
【0012】
水酸化物を焼成して酸化物に転化させ、次いで再水和して水酸化物に転化させる熱処理法(thermic process)は、海水からの水酸化マグネシウムをさらに精製するのに用いられる。
【0013】
上記方法により、99%にも達する高純度が得られる。しかし、設備投資及びエネルギーコストが極めて高くなるため、そのような方法は工業的な規模で実施するには不利である。
【0014】
熱処理法から得られるものと同等な純度を示す製品を得る水酸化マグネシウムの他の精製法は、水酸化物を酸性化して再可溶化した後、 例えば、MITSUBISHI DIAION CRB 02並びにROHM AND HAAS IR 120及びIRA 400のような樹脂を選択的にイオン交換することにより行われる。
しかし、樹脂及び試薬の連続再生はコストが高くつき、また大量の水や酸及び塩基の使用に加えてプラント及びその管理が複雑であるために、そのような方法は極めて少量の生産には便利であっても、その高コストのために工業的な見地から見れば不利である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、廃棄に問題が無いか、又は時間が経過しても環境に害を与えず、工業的な見地から見て安価且つ便利で、容易に実行可能な方法を実現することである。
【0016】
本発明の他の目的は、98%より高い純度を有し、結晶の均一性及び一定の性質を示す水酸化マグネシウムの精製法を開示することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
明細書及び以下の実施態様を読めば当業者には明らかなように、上記及び他の目的は、原料の水酸化マグネシウムから実質的に純粋な水酸化マグネシウムを製造する方法を実施することにより達成され、該方法は、原料の水酸化マグネシウムを撹拌下に水中に分散し、次いでpHを10.0〜14.0の範囲の値に調整し、キレート化剤を添加して、得られた相を分離し、場合によって、そのようにして得られた生成物をさらに水で洗浄することからなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
出発物質は、海水ブライン又は海水から抽出された水酸化マグネシウムであり、調製したばかりであっても、既に包装されて数カ月を経たものであってもよい。
【0019】
原料物質と水の重量比が1:2〜1:30の範囲、特に1:5〜1:10の範囲であるのが好ましい。
【0020】
前記分散は5℃〜95℃の範囲、好ましくは20℃〜60℃の範囲の温度で行われる。
【0021】
純な水酸化マグネシウムと純なキレート化剤の重量比は、0.01〜0.5の範囲が好ましい。
【0022】
相を分離した後で、クエン酸、酒石酸、酢酸などからなる群から選択される有機酸を添加するのが好ましい。
【0023】
本発明に好適なキレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及びそのアルカリ金属との塩からなる群から選択される。
【0024】
本発明の方法においては、上記分散の後で、水酸化アルカリ金属及びアンモニア並びに例えばトリエタノールアミン等のアミンのような有機塩基からなる群から選択される塩基を添加してpHを上昇させることも好ましい。
【0025】
本発明の方法によって得られる水酸化マグネシウムは、少なくとも98%の純度を示し、洗浄回数を増やすことにより純度をより高くし得ることは自明である。99%以上の純度を有する水酸化マグネシウムは、以下の実施例からわかるように、平均3回の洗浄を行うことにより得られる。
【0026】
本発明の方法により得られる製品は、全ての公知の用途、例えば、耐火物として、水処理用のセメント添加剤として、水の清澄化剤として、マグネシウムの工業用生産のための中間体として使用可能であることは勿論であるが、高純度、結晶の均一性及び一定の性質を有していることから、例えば抗酸緩下剤などとして医薬に、及び例えば難燃剤としてプラスチック及びケーブル産業に、さらに化粧品及び洗剤産業において使用するのに特に好適である。
【0027】
本発明の方法は容易に実行可能であり且つその操作が簡単であるために、多くの労働力を必要としない。
【0028】
さらに、本発明は経済性を著しく向上させ得、従って工業的規模での生産に特に好適である。
【0029】
本発明はまた、本発明により得られた水酸化マグネシウムを燃焼且つ焼成することにより得られる酸化マグネシウムの生産にも好適である。
【0030】
本発明の方法は、排水の廃棄に何ら問題がなく、排水はその性質上、予備処理する必要無しに海又は下水溝に直接排出し得る。
【0031】
【実施例】
本発明の方法の以下の実施態様は本発明を例示するに過ぎず、本発明をいかなる点においても限定するものではない。
【0032】
特に断りのない限り、百分率は全て重量で表される。
【0033】
比表面積は単位重量又は単位体積当たりの表面積である。
【0034】
実施例1
数カ月を経、既に包装され、平均固体含量が75%の圧縮ブロック形態にあり、その不純物の中のいくつかの分析結果が以下:
【0035】
【表1】
【0036】
(水酸化物を基準とし、力価は93.54%)
のようである出発物質8,400Kgを脱イオン水8,400Kgと共に混練機に導入する。さらに、脱イオン水19,200Kgを60±5℃に加熱した反応器に導入する。初期分散液を反応器に導入し、30%NaOH360lを加え、pHを約13.29に調整する。40%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)溶液のナトリウム塩360lを常に撹拌しながら加え、60±5℃の温度で8時間反応させる。
【0037】
初期に測定した比表面積は12.0m2/gであった。ALFA−LAVAL/SHARPLES SUPER−D−CANTER型の水平連続遠心機を用いて遠心分離し、2つの相に分離する。得られたスラリーの平均固体含量は68%である。
【0038】
得られた生成物を分析して以下の結果を得た:
【0039】
【表2】
【0040】
(水酸化物を基準とし、比表面積は14.0m2/g、タイターは96.74%)。この結果からわかるように、CaOが40%、硫酸塩が50%、ホウ酸塩が40%、塩化物が83%及び炭酸塩が45%減少した。
【0041】
上記の方法を繰り返すが、今度は室温、約20℃で作業する。先に得た68%水酸化マグネシウム8,760Kgを反応器に導入し、脱イオン水27,240Kgを加え、pH12.68で、40%NaEDTA220Kgを加える。前回のように操作し、8時間反応させる。
【0042】
遠心分離と相分離を行う。
【0043】
得られた固体相中の不純物のいくつかを分析して、以下の結果を得た:
【0044】
【表3】
【0045】
(水酸化物を基準とし、総タイターは98.23%)。
【0046】
上記結果からわかるように、総減少率は、CaOが60%、硫酸塩が62.5%、ホウ酸塩が60%、塩化物が95%及び炭酸塩が85%である。
【0047】
実施例2
実施例1の方法を繰り返すが、初期分散液を体積36,000lにした後で、室温で作業する。粉末状のクエン酸12.192Kgを加え、pH10.84で、40%NaEDTA220lを加える。
【0048】
得られた生成物を分析して以下の結果を得た:
【0049】
【表4】
【0050】
(水酸化物を基準とし、タイターは98.72%)。
【0051】
実施例3
平均固体含量が60%であり、その不純物のいくつかを分析すると、以下:
【0052】
【表5】
【0053】
(水酸化物を基準とし、タイターは96.65%)
のようである水酸化マグネシウム7,200Kgを脱イオン水7,200Kgと共に室温で混練機に導入し、反応器に導入して、撹拌しながら体積を36,000lにする。pH10.11で40%NaEDTA360lを加え、5時間反応させる。
【0054】
遠心分離と相分離を行う。得られたスラリーを反応器中で再分散して36,000lにし、NaOH60Kgを加えてpHを12.43にする。8時間反応させ、遠心して再分離する。
【0055】
固体相を分離して得たスラリーを再分散して30,000lにし、30%NaOH86.4Kgを加えてpHを12.83にする。
【0056】
60±5℃に加熱し、撹拌下に5時間反応させる。
【0057】
実施例1に記載の方法に従って相を分離し、以下の分析結果:
【0058】
【表6】
【0059】
(水酸化物を基準とし、タイターは99.12%)
を有する生成物を得る。
【発明の属する技術分野】
本発明は水酸化マグネシウムの精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水酸化マグネシウムは主に、海水中に含有されている水酸化マグネシウムを強塩基で沈殿させ、次いで公知の方法(Sardamag Spa、 1994年1月 − ”Production of sea water magnesite for refractory purposes”, Moscuzzaら; Villavecchia Eigenmann; 第4巻, 2006ページを参照されたい)により抽出する海水抽出、ケーブ抽出(cave extraction)、海水ブライン抽出、又はNaOH若しくはCa(OH)2との反応により得られる。
【0003】
ケーブから抽出される天然の水酸化マグネシウムは、96〜98%という比較的高い純度を示す。現在では、抽出コストが安く、有用性が高く且つ高純度を有するために、この製品がある種の特定の応用又はさらなる精製のための出発物質として海水から抽出される製品に比べて好まれている。しかし、定性及び結晶の不均一性により、医薬品として、プラスチック及びケーブル産業における難燃剤として、また化粧品及び洗剤産業においても、この供給源には限界がある。
【0004】
例えば、塩化物のようなマグネシウム塩を含む濃縮溶液である海水ブラインから抽出される水酸化マグネシウムは、強塩基、例えばNaOH又はCa(OH)2と反応させることにより得られる。
【0005】
海水から合成される水酸化マグネシウムは、塩基、例えば水酸化カルシウム若しくはナトリウムを用いて沈殿させ、安価な無機酸、例えばHCl、H2SO4で連続洗浄し、次いで水酸化物を再び可溶化し、大量の洗浄水を用いて再結晶することにより得られ、こうしてタイターが改善される。
【0006】
用いられる酸性及び塩基性試薬及び他の不純物、例えばホウ酸塩に由来するカチオン性及びアニオン性汚染物質のために、ケーブから抽出される製品より低純度の製品しか得られない。
【0007】
無機の酸及び塩基の使用は、排水の廃棄が困難になるために、環境に対して極めて有害であるという点でも不利である。
【0008】
また大量の水及び酸を用いるために、そのような方法はコストがかなり高くなる。
【0009】
通常海水に含まれ、精製段階では排除されないアニオン性物質が最終製品のタイターを低下させることは明らかである。
【0010】
さらに、水酸化マグネシウムは水中又は空気中に存在する炭酸ガスと容易に反応して炭酸マグネシウム(及び水酸化カルシウムを沈殿用に用いる場合には炭酸カルシウム)を形成し、それによって製品の純度がさらに低下する。実際、得られたマグネシウムのタイターが93/95%(MgOで表して)を超えることは殆どない。
【0011】
従って、得られた製品は高純度を必要としないホース(hose)としての用途においてのみ利用し得、例えば、そのようにして得られた水酸化物は、酸化物の形態で耐火物として使用可能である。
【0012】
水酸化物を焼成して酸化物に転化させ、次いで再水和して水酸化物に転化させる熱処理法(thermic process)は、海水からの水酸化マグネシウムをさらに精製するのに用いられる。
【0013】
上記方法により、99%にも達する高純度が得られる。しかし、設備投資及びエネルギーコストが極めて高くなるため、そのような方法は工業的な規模で実施するには不利である。
【0014】
熱処理法から得られるものと同等な純度を示す製品を得る水酸化マグネシウムの他の精製法は、水酸化物を酸性化して再可溶化した後、 例えば、MITSUBISHI DIAION CRB 02並びにROHM AND HAAS IR 120及びIRA 400のような樹脂を選択的にイオン交換することにより行われる。
しかし、樹脂及び試薬の連続再生はコストが高くつき、また大量の水や酸及び塩基の使用に加えてプラント及びその管理が複雑であるために、そのような方法は極めて少量の生産には便利であっても、その高コストのために工業的な見地から見れば不利である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、廃棄に問題が無いか、又は時間が経過しても環境に害を与えず、工業的な見地から見て安価且つ便利で、容易に実行可能な方法を実現することである。
【0016】
本発明の他の目的は、98%より高い純度を有し、結晶の均一性及び一定の性質を示す水酸化マグネシウムの精製法を開示することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
明細書及び以下の実施態様を読めば当業者には明らかなように、上記及び他の目的は、原料の水酸化マグネシウムから実質的に純粋な水酸化マグネシウムを製造する方法を実施することにより達成され、該方法は、原料の水酸化マグネシウムを撹拌下に水中に分散し、次いでpHを10.0〜14.0の範囲の値に調整し、キレート化剤を添加して、得られた相を分離し、場合によって、そのようにして得られた生成物をさらに水で洗浄することからなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
出発物質は、海水ブライン又は海水から抽出された水酸化マグネシウムであり、調製したばかりであっても、既に包装されて数カ月を経たものであってもよい。
【0019】
原料物質と水の重量比が1:2〜1:30の範囲、特に1:5〜1:10の範囲であるのが好ましい。
【0020】
前記分散は5℃〜95℃の範囲、好ましくは20℃〜60℃の範囲の温度で行われる。
【0021】
純な水酸化マグネシウムと純なキレート化剤の重量比は、0.01〜0.5の範囲が好ましい。
【0022】
相を分離した後で、クエン酸、酒石酸、酢酸などからなる群から選択される有機酸を添加するのが好ましい。
【0023】
本発明に好適なキレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及びそのアルカリ金属との塩からなる群から選択される。
【0024】
本発明の方法においては、上記分散の後で、水酸化アルカリ金属及びアンモニア並びに例えばトリエタノールアミン等のアミンのような有機塩基からなる群から選択される塩基を添加してpHを上昇させることも好ましい。
【0025】
本発明の方法によって得られる水酸化マグネシウムは、少なくとも98%の純度を示し、洗浄回数を増やすことにより純度をより高くし得ることは自明である。99%以上の純度を有する水酸化マグネシウムは、以下の実施例からわかるように、平均3回の洗浄を行うことにより得られる。
【0026】
本発明の方法により得られる製品は、全ての公知の用途、例えば、耐火物として、水処理用のセメント添加剤として、水の清澄化剤として、マグネシウムの工業用生産のための中間体として使用可能であることは勿論であるが、高純度、結晶の均一性及び一定の性質を有していることから、例えば抗酸緩下剤などとして医薬に、及び例えば難燃剤としてプラスチック及びケーブル産業に、さらに化粧品及び洗剤産業において使用するのに特に好適である。
【0027】
本発明の方法は容易に実行可能であり且つその操作が簡単であるために、多くの労働力を必要としない。
【0028】
さらに、本発明は経済性を著しく向上させ得、従って工業的規模での生産に特に好適である。
【0029】
本発明はまた、本発明により得られた水酸化マグネシウムを燃焼且つ焼成することにより得られる酸化マグネシウムの生産にも好適である。
【0030】
本発明の方法は、排水の廃棄に何ら問題がなく、排水はその性質上、予備処理する必要無しに海又は下水溝に直接排出し得る。
【0031】
【実施例】
本発明の方法の以下の実施態様は本発明を例示するに過ぎず、本発明をいかなる点においても限定するものではない。
【0032】
特に断りのない限り、百分率は全て重量で表される。
【0033】
比表面積は単位重量又は単位体積当たりの表面積である。
【0034】
実施例1
数カ月を経、既に包装され、平均固体含量が75%の圧縮ブロック形態にあり、その不純物の中のいくつかの分析結果が以下:
【0035】
【表1】
【0036】
(水酸化物を基準とし、力価は93.54%)
のようである出発物質8,400Kgを脱イオン水8,400Kgと共に混練機に導入する。さらに、脱イオン水19,200Kgを60±5℃に加熱した反応器に導入する。初期分散液を反応器に導入し、30%NaOH360lを加え、pHを約13.29に調整する。40%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)溶液のナトリウム塩360lを常に撹拌しながら加え、60±5℃の温度で8時間反応させる。
【0037】
初期に測定した比表面積は12.0m2/gであった。ALFA−LAVAL/SHARPLES SUPER−D−CANTER型の水平連続遠心機を用いて遠心分離し、2つの相に分離する。得られたスラリーの平均固体含量は68%である。
【0038】
得られた生成物を分析して以下の結果を得た:
【0039】
【表2】
【0040】
(水酸化物を基準とし、比表面積は14.0m2/g、タイターは96.74%)。この結果からわかるように、CaOが40%、硫酸塩が50%、ホウ酸塩が40%、塩化物が83%及び炭酸塩が45%減少した。
【0041】
上記の方法を繰り返すが、今度は室温、約20℃で作業する。先に得た68%水酸化マグネシウム8,760Kgを反応器に導入し、脱イオン水27,240Kgを加え、pH12.68で、40%NaEDTA220Kgを加える。前回のように操作し、8時間反応させる。
【0042】
遠心分離と相分離を行う。
【0043】
得られた固体相中の不純物のいくつかを分析して、以下の結果を得た:
【0044】
【表3】
【0045】
(水酸化物を基準とし、総タイターは98.23%)。
【0046】
上記結果からわかるように、総減少率は、CaOが60%、硫酸塩が62.5%、ホウ酸塩が60%、塩化物が95%及び炭酸塩が85%である。
【0047】
実施例2
実施例1の方法を繰り返すが、初期分散液を体積36,000lにした後で、室温で作業する。粉末状のクエン酸12.192Kgを加え、pH10.84で、40%NaEDTA220lを加える。
【0048】
得られた生成物を分析して以下の結果を得た:
【0049】
【表4】
【0050】
(水酸化物を基準とし、タイターは98.72%)。
【0051】
実施例3
平均固体含量が60%であり、その不純物のいくつかを分析すると、以下:
【0052】
【表5】
【0053】
(水酸化物を基準とし、タイターは96.65%)
のようである水酸化マグネシウム7,200Kgを脱イオン水7,200Kgと共に室温で混練機に導入し、反応器に導入して、撹拌しながら体積を36,000lにする。pH10.11で40%NaEDTA360lを加え、5時間反応させる。
【0054】
遠心分離と相分離を行う。得られたスラリーを反応器中で再分散して36,000lにし、NaOH60Kgを加えてpHを12.43にする。8時間反応させ、遠心して再分離する。
【0055】
固体相を分離して得たスラリーを再分散して30,000lにし、30%NaOH86.4Kgを加えてpHを12.83にする。
【0056】
60±5℃に加熱し、撹拌下に5時間反応させる。
【0057】
実施例1に記載の方法に従って相を分離し、以下の分析結果:
【0058】
【表6】
【0059】
(水酸化物を基準とし、タイターは99.12%)
を有する生成物を得る。
Claims (9)
- 原料の水酸化マグネシウムから実質的に純粋な水酸化マグネシウムを製造する方法であって、原料物質を撹拌下に水中に分散し、次いでpHを10.0〜14.0の範囲に調整し、キレート化剤を加え、得られた相を分離し、場合によって、得られた生成物を水で洗浄することからなる前記方法。
- 原料物質と水の重量比が1:2〜1:30の範囲である請求項1に記載の方法。
- 5℃〜95±5℃の範囲の温度で前記分散を行う請求項1又は2に記載の方法。
- 20℃〜60±5℃の範囲の温度で前記分散を行う請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 純な水酸化マグネシウムと純なキレート化剤の重量比が0.01〜0.5の範囲である請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記分散の後、水酸化アルカリ金属及び有機アミンからなる群から選択される無機又は有機塩基を加えてpHを上昇させる請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記キレート化剤がエチレンジアミン四酢酸及びそのアルカリ金属との塩からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 相の分離後に、クエン酸、酒石酸及び酢酸からなる群から選択される有機酸を加えてpHを低下させる請求項1に記載の方法。
- 原料物質と水の重量比が1:5〜1:10の範囲である請求項1に記載の方法。
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