JPH11349580A - シクロアルケンオキシドの製造法 - Google Patents

シクロアルケンオキシドの製造法

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JPH11349580A
JPH11349580A JP15652798A JP15652798A JPH11349580A JP H11349580 A JPH11349580 A JP H11349580A JP 15652798 A JP15652798 A JP 15652798A JP 15652798 A JP15652798 A JP 15652798A JP H11349580 A JPH11349580 A JP H11349580A
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JP
Japan
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cycloalkene
cycloalkane
phosphate
oxidized
reaction
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JP15652798A
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English (en)
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Nobuyuki Kuroda
信行 黒田
Mitsuo Yamanaka
光男 山中
Takahito Nakamura
隆人 中村
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、即ち、シクロアルケンから高選択
率でシクロアルケンオキシドを製造する方法を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、シクロアルカンを酸化
してシクロアルキルハイドロパーオキサイドを含有する
シクロアルカン酸化液を生じせしめ、次いで可溶性モリ
ブデン触媒の存在下、リン酸エステルを添加して、シク
ロアルケンと該シクロアルカン酸化液を接触させて、シ
クロアルケンのモノエポキシ化を行うことを特徴とする
シクロアルケンオキシドの製造法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロアルケンを
シクロアルキルハイドロパーオキサイドでエポキシ化し
て、シクロアルケンオキシドを製造する方法に関する。
シクロアルケンオキシドは、シクロアルカノンへの変換
により、更にラクタム類、ラクトン類又は二塩基酸類に
容易に公知の方法によって誘導されるため、ポリアミ
ド、ポリエステル類の合成繊維、合成樹脂の中間原料と
なる重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、シクロアルカンを酸化してシクロ
アルキルハイドロパーオキサイドを含有するシクロアル
カン酸化液を生じせしめ、シクロアルケンと該シクロア
ルカン酸化液とを接触させて、シクロアルケンオキシド
を得る方法としては、例えば、シクロヘキサンを酸化し
てシクロヘキシルハイドロパーオキサイドを含有するシ
クロヘキサン酸化液を生じせしめ、シクロヘキセンと該
シクロヘキサン酸化液とを接触させて、シクロヘキセン
オキシドを製造する方法(特開昭63-104932号公報)が
開示されている。しかしながら、この方法において高い
シクロヘキセンオキシド選択率を得るためには、該シク
ロヘキサン酸化液中のシクロヘキシルハイドロパーオキ
サイドに対して大過剰のシクロヘキセンを用いなければ
ならなかった。それゆえ、反応後に沸点差の小さいシク
ロヘキサンと未反応のシクロヘキセンを分離回収すると
いう極めて繁雑な操作が必要となり、工業的には望まし
くなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の従来技術の問題点を解決し、シクロアルケンとシクロ
アルキルハイドロパーオキサイドから高選択率でシクロ
アルケンオキシドを得ることが出来る、工業的に好適な
シクロアルケンオキシドの製造法を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、シクロ
アルカンを酸化してシクロアルキルハイドロパーオキサ
イドを含有するシクロアルカン酸化液を生じせしめ、次
いで可溶性モリブデン触媒の存在下、一般式(1)
【0005】
【化2】 (式中、Xは水素原子又は炭素数3〜12のアルキル
基、Rは炭素数3〜12のアルキル基を示す。)
【0006】で表されるリン酸エステルを添加して、シ
クロアルケンと該シクロアルカン酸化液とを接触させ
て、シクロアルケンのエポキシ化を行うことを特徴とす
るシクロアルケンオキシドの製造法によって解決され
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の反応において使用するシ
クロアルカンとしては、炭素数5〜16のシクロアルカン
が好ましく、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、
シクロドデカン、シクロヘキサデカンが使用される。
【0008】本発明の反応において使用するシクロアル
ケンとしては、炭素数5〜16のシクロアルケンが好まし
く、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロ
ヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデ
セン、シクロヘキサデセンが使用される。
【0009】本発明の反応において使用する可溶性モリ
ブデン触媒としては、例えば、ジオキソアセチルアセト
ナトモリブデン、ヘキサカルボニルモリブデン等のモリ
ブデン錯体;ナフテン酸モリブデン、オクチル酸モリブ
デン等のモリブデンの有機酸塩が挙げられるが、好まし
くはナフテン酸モリブデン、オクチル酸モリブデン等の
モリブデンの有機酸塩が使用される。これら可溶性モリ
ブデン触媒は単独でも、二種以上を混合して使用しても
差し支えない。
【0010】本発明の反応において使用する前記モリブ
デン触媒の量は、シクロアルキルハイドロパーオキサイ
ド1molに対して、モリブデン金属換算で好ましくは0.01
〜2mmol、更に好ましくは0.2〜1.0mmolである。また、
前記モリブデン触媒は、固体状態で反応系内に添加して
も、反応を阻害しない有機溶媒に溶解して添加しても良
い。
【0011】本発明の反応において使用するリン酸エス
テルとしては、Xが水素原子で、Rが炭素数3〜12の
アルキル基であるリン酸モノアルキルエステル(リン酸
モノイソプロピル、リン酸モノブチル、リン酸モノ(2-
エチルヘキシル)、リン酸モノドデシル、リン酸モノベ
ンジル、リン酸モノシクロペンチル、リン酸モノシクロ
ヘキシル、リン酸モノシクロオクチル等)や、X及びR
が炭素数3〜12のアルキル基であるリン酸ジエステル
(リン酸ジイソプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジ(2
-エチルヘキシル)、リン酸ジデシル、リン酸ジドデシ
ル、リン酸ジベンジル、リン酸ジシクロペンチル、リン
酸ジシクロヘキシル、リン酸ジシクロオクチル等)等が
挙げられる。これらのリン酸エステルの中では、リン酸
モノ(2-エチルヘキシル)、リン酸ジ(2-エチルヘキシル)
が好適に用いられる。これらリン酸エステルは単独で
も、二種以上を混合して使用しても差し支えない。
【0012】本発明の反応において使用する前記リン酸
エステルの量は、シクロアルキルハイドロパーオキサイ
ド1molに対して好ましくは0.01〜0.3g、更に好ましくは
0.1〜0.2gである。
【0013】本発明において使用するシクロアルキルハ
イドロパーオキサイドを含有するシクロヘキサン酸化液
は公知の方法によって得られるが、例えば、シクロアル
カンを120〜180℃において、0〜15kg/cm2・Gの圧力下
で、酸素含有ガス(酸素濃度5〜30vol.%)により酸化
して得られる。
【0014】前記酸化反応によって得られたシクロアル
カン酸化液中のシクロアルキルハイドロパーオキサイド
の含有量は、通常、シクロアルカン酸化液1g当たり0.20
〜0.80mmolである。また、該シクロアルカン酸化液は濃
縮して使用することも出来る。
【0015】本発明の反応において使用するシクロアル
ケンの量は、シクロアルキルハイドロパーオキサイドに
対して、好ましくは1〜1.5倍モル、更に好ましくは1.1
〜1.3倍モルである。
【0016】本発明の反応においては溶媒を使用するこ
とも出来る。その溶媒としては、反応を阻害しないもの
であれば特に制限はなく、ヘキサン、ドデカン、シクロ
ヘキサン、シクロドデカン等の脂肪族炭化水素類;ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エ
タノール、t-ブタノール、t-アミルアルコール、シクロ
ヘキサノール、シクロドデカノール等のアルコール類;
酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエー
テル、ジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル、プ
ロピオニトリル等のニトリル類が挙げられる。これら溶
媒は単独でも、二種以上を混合して使用しても差し支え
ない。その使用量は、シクロアルケンに対して好ましく
は0〜50重量倍、更に好ましくは0〜15重量倍である。
【0017】エポキシ化反応は、シクロアルケンとシク
ロアルキルハイドロパーオキサイドとを液相で接触させ
ることが好ましく、例えば、不活性ガス雰囲気にて、シ
クロアルケン、シクロアルキルハイドロパーオキサイド
を含有するシクロアルカン酸化液、可溶性モリブデン触
媒及びリン酸エステルを混合し、加熱攪拌する等の方法
によって、常圧下又は加圧下で行われる。その際の反応
温度は、好ましくは50〜160℃、更に好ましくは60〜130
℃である。また、得られた生成物は、例えば、蒸留等に
よって、単離、精製することが出来る。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を用いて、本発明を
具体的に説明する。
【0019】実施例1 [シクロヘキサン酸化反応]シクロヘキサンを160℃に
おいて60分間空気酸化して、シクロヘキサン酸化液1gに
対して、シクロヘキシルハイドロパーオキサイド(以下
CHPと称する)を0.035g(0.302mmol)含有するシクロ
ヘキサン酸化液を得た。
【0020】[エポキシ化反応]温度計及び攪拌装置を
備えた100ml容の耐圧ガラスオートクレーブに、シクロ
ヘキセン1.066g(13.0mmol)、前記シクロヘキサン酸化液
33.112g(CHPとして10.0mmol)、モリブデン金属とし
て91.7mg/gを含有するオクチル酸モリブデンのシクロヘ
キサン溶液5.5mg(CHP1molに対して0.53mmol)及びリ
ン酸エステル混合物(リン酸モノ(2-エチルヘキシル)と
リン酸ジ(2-エチルヘキシル)との1:1の混合物)を1.0mg/
ml含有するシクロヘキサン溶液1.3ml(CHP1molに対し
て0.13g)を加え、窒素圧下(4kg/cm2)、110℃で1時間加
熱攪拌した。反応後、室温まで冷却し、得られた反応液
の分析を行った。反応液の分析は、残存するCHPをヨ
ードメトリーにより、生成したシクロヘキセンオキシド
をガスクロマトグラフィーにより行った。その結果、C
HP転化率は99.6%、消費CHP基準のシクロヘキセン
オキシド選択率は87.5mol%であった。
【0021】比較例1 実施例1において、リン酸エステル混合物を加えなかっ
たこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結
果、CHP転化率は98.2%、消費CHP基準のシクロヘ
キセンオキシド選択率は79.5mol%であった。
【0022】実施例2 実施例1において、前記オクチル酸モリブデンのシクロ
ヘキサン溶液を、モリブデン金属として91.7mg/gを含有
するナフテン酸モリブデンのシクロヘキサン溶液11.0mg
(CHP1molに対して1.0mmol)に変えたこと以外は、実
施例1と同様な方法で行った。その結果、CHP転化率
は99.6%、消費CHP基準のシクロヘキセンオキシド選
択率は87.5mol%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明により、シクロアルケンとシクロ
アルキルハイドロパーオキサイドから高選択率でシクロ
アルケンオキシドを得ることが出来る、工業的に好適な
シクロアルケンオキシドの製造法を提供することが出来
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロアルカンを酸化してシクロアルキル
    ハイドロパーオキサイドを含有するシクロアルカン酸化
    液を生じせしめ、次いで可溶性モリブデン触媒の存在
    下、一般式(1) 【化1】 (式中、Xは水素原子又は炭素数3〜12のアルキル
    基、Rは炭素数3〜12のアルキル基を示す。)で表さ
    れるリン酸エステルを添加して、シクロアルケンと該シ
    クロアルカン酸化液とを接触させて、シクロアルケンの
    エポキシ化を行うことを特徴とするシクロアルケンオキ
    シドの製造法。
  2. 【請求項2】反応に使用するシクロアルケンの量が、シ
    クロアルキルハイドロパーオキサイドに対して1〜1.5倍
    モルである請求項1記載のシクロアルケンオキシドの製
    造法。
JP15652798A 1998-06-05 1998-06-05 シクロアルケンオキシドの製造法 Pending JPH11349580A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004131504A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Degussa Ag 環式アルケンをエポキシ化する際の沈澱促進剤としての環式アルカンの使用
JP2007527907A (ja) * 2004-03-08 2007-10-04 エイビービー ラマス グローバル インコーポレイテッド オレフィンのエポキシ化方法とナイロン前駆体の同時製造方法

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