JPH11349485A - 肝臓障害改善剤 - Google Patents

肝臓障害改善剤

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JPH11349485A
JPH11349485A JP10160526A JP16052698A JPH11349485A JP H11349485 A JPH11349485 A JP H11349485A JP 10160526 A JP10160526 A JP 10160526A JP 16052698 A JP16052698 A JP 16052698A JP H11349485 A JPH11349485 A JP H11349485A
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JP
Japan
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none
porphyran
oligosaccharide
genus
culture
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JP10160526A
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English (en)
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Yukihiro Osumi
幸寛 大住
Kazuhito Moriya
和仁 森屋
Tadashi Sasazuka
忠 笹塚
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Hokkaido Sugar Co Ltd
Shirako Co Ltd
Original Assignee
Hokkaido Sugar Co Ltd
Shirako Co Ltd
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Publication date
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    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7024Esters of saccharides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics

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Abstract

(57)【要約】 【課題】肝細胞中の脂肪を低減する作用を有する肝臓障
害改善剤を提供すること。 【解決手段】アマノリ属海藻に含まれるポルフィランを
加水分解して得られる下記構造式のオリゴ糖を主成分と
する肝臓障害改善剤であって、肝細胞中の脂肪の低減効
果を奏し、かつ副作用の懸念がないという利点がある。 【化6】 【化7】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肝臓障害の改善効
果の高い新規な肝臓障害改善剤に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪肝とは、肝細胞の脂質代謝異常の1
つであり、肝細胞中に脂肪が出現し、異常に多量の脂肪
が沈着する状態である。ヒトにおける脂肪肝は、食事に
おけるカロリーの過剰摂取などによる栄養過多,更年期
障害,酸素不足,突発性高脂血症や潰瘍性大腸炎などが
原因として知られている。正常な肝細胞では、大部分の
脂肪は、リポタンパク質として存在し、脂肪滴が見られ
ることはない。脂肪肝の状態で10年以上経過すると肝
硬変に移行する場合が多く、早期の治療が重要であり生
活習慣の改善,すなわち、食事中の糖分を減らし、高タ
ンパク質食の摂取とともに適度な運動が奨められる。
【0003】しかしながら、このような生活習慣の改善
だけでは、短期によい効果があらわれにくく、長期にわ
たる食事制限を継続できない事例が多々見受けられるよ
うである。また、高脂血症に併発しておきる脂肪肝は、
メバロチンなどの高脂血症治療薬では改善されにくいこ
とが知られている。さらに、脂肪肝の治療薬であるポリ
エンホスファチジルコリン投与でも軽減効果は弱く、長
期にわたる大量投与が必要であるうえに十分な治療効果
が得られないなどの問題があった。一方、本発明者らは
海藻類より得られるオリゴ糖を開発し、その新たな用途
について研究を進めてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に対処してなされたもので、オリゴ糖の新たな用途
を開発し、かつ脂肪肝の改善方法の上記問題点に対処し
て、肝細胞中の脂肪を低減する肝臓障害改善剤を提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、肝
臓障害改善剤処方中に肝細胞中の脂肪低減成分として下
記構造式(1)または(2)を有するガラクト硫酸オリ
ゴ糖,もしくは下記構造式(3)を有するネオアガロオ
リゴ糖を配合することを特徴とし、短期間に少ない用量
で肝臓障害すなわち脂肪肝の改善に効果がある製剤に関
するものである。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】以下に本発明の構成について詳細に説明す
る。本発明に用いられる上記構造式(1)または(2)
を有するガラクト硫酸オリゴ糖は、アマノリ属海藻に含
まれるポルフィランから加水分解して得られるオリゴ糖
であり、すでにそれ自体およびその製造方法について本
出願人により出願済みである(特開平9−301987
号)。
【0009】すなわち、上記ガラクト硫酸オリゴ糖(分
子式:C122114S,分子量421,6−硫酸エステ
ルガラクトピラノシル−α1,3−(α,β)ガラクト
ピラノースの構造)は、本発明者が開発したオリゴ糖で
あり、その製造方法は、アマノリ属海藻の多糖類である
ポルフィランに対して分解能を有する微生物、例えば、
アースロバクター(Arthrobacter)属に属するS−22
(生技研寄託P−15496号)を用いて、アマノリ属
海藻の藻体とくにポルフィランを加水分解し、タンパク
質などの夾雑物を除去することによって得られる。本発
明においてガラクト硫酸オリゴ糖の製造に用いられるア
ースロバクター属に属するS−22の菌株の性状を示
す。
【0010】(a)形態 (1)細胞の形および大きさ 桿菌,幅0.8μm,長さ0.6〜4μm (2)細胞の多形性の有無:培養時間の経過とともに長
さが短くなる。 (3)運動性の有無,鞭毛の着性状態:運動性なし,鞭
毛なし (4)胞子の有無:なし (5)グラム染色性:陽性 (6)抗酸性:なし
【0011】(b)各培地における生育状態 (1)肉汁寒天平板培養 大きさ:直径1−2.5mm 生育程度:中程度 隆起:丘状 形:円形 周辺の形状:正緑 表面の形状:なめらか 色:乳白色 光沢:あり 性質:粘性なし
【0012】(2)肉汁斜面培養 形状:糸状 生育の程度:中程度 隆起:丘状 臭気:なし 表面の形状:なめらか
【0013】(3)肉汁液体培養 表面発育の有無:なし 菌環の形成:なし 濁度:培養2日目でわずかに濁りあり ガス産生:なし 指示薬の色調変化:中性(BTBで緑青色) 臭気:なし
【0014】(4)肉汁ゼラチン穿刺培養 生育の状態:上部7mmに生育 ゼラチンの液化:なし
【0015】(5)リトマスミルク培地 反応:なし 凝固:あり
【0016】 (c)生理学的性質 (1)硝酸塩の還元:なし (2)脱窒反応:なし (3)MRテスト:陰性 (4)VPテスト:陰性 (5)インドールの生成:なし (6)硫化水素の生成:なし (7)デンプンの加水分解:なし (8)クエン酸の利用:あり (9)無機窒素源の利用(硝酸塩):あり (アンモニウム塩):あり (10)色素の生成:なし (11)ウレアーゼ:陽性 (12)オキシダーゼ:陰性 (13)カタラーゼ:陽性 (14)生育の範囲(pH):初発pH4.5−7.5で生育,pH4では生育 しない。 (温度):35℃以上で生育しない。 (15)酸素に対する態度:好気性 (16)0−Fテスト:分解しない。 (17)糖類からの酸およびガス生成の有無 (L−アラビノース):なし (D−キシロース):なし (D−グルコース):なし (D−マンノース):なし (D−フルクトース):なし (D−ガラクトース):なし (麦芽糖):なし (ショ糖):なし (乳糖):なし (トレハロース):なし (D−ソルビット):なし (イノシット):なし (グリセリン):なし (デンプン):なし
【0017】(d)新種の特徴を示す特徴 (1)糖類の分解生成物:ポルフィランからガラクト硫
酸オリゴ糖(6−硫酸エステルガラクトピラノシル−α
1,3−(α,β)ガラクトピラノース)を生成する。 (2)集落の周辺細胞の伸長:あり (3)気菌糸の存在:なし (4)細胞壁のジアミノ酸:A3α、L−Lys−L−
Ala−L−Thr−L−Ala (5)グリコル試験:陰性(アセチル型) (6)細胞壁のアラビノガラクタンポリマー:なし (7)キノン系:MK−9(H2 ) (8)菌体中のDNAのG+C含量:67mol%(高
速液体クロマトグラフ法)
【0018】次に上記の菌株を用いてガラクト硫酸オリ
ゴ糖を製造する方法について記す。アマノリ属海藻の粉
末もしくは熱水抽出物を含み、乳糖やガラクトースなど
の炭素源、ペプトンや硝酸ナトリウムなどの窒素源の
他、マグネシウム塩やカルシウム塩などの無機塩類など
を加えた液体培地に菌体を植菌し、培養温度20〜30
℃,培養pH4〜8,好気条件下で2〜5日培養後,培
養液を加熱殺菌した後、ろ過もしくは遠心分離して菌体
や懸濁物を除き、さらに有機溶剤沈殿,塩析,減圧濃
縮,イオン交換体や活性炭などのカラムによる吸着,脱
着などの処理を経てガラクト硫酸オリゴ糖の純化,精製
を行う。
【0019】次に構造式(3)を有するネオアガロオリ
ゴ糖について説明する。このネオアガロオリゴ糖もアマ
ノリ属海藻に含まれるポルフィランから加水分解して得
られるオリゴ糖であり、すでにそれ自体およびその製造
方法について本出願人により出願済みである(特開平7
−16092号)。
【0020】すなわち、上記ネオアガロオリゴ糖は、ポ
ルフィランを加水分解して得られる重合度4を主体とす
るオリゴ糖で、シュードモナス(Pseudomonas )属に属
するポルフィラン分解能を有する微生物、例えばシュー
ドモナスB−2411(生技研寄託P−13637号)
を培養し、その培養物からポルフィラン分解物を採集し
てポルフィラン分解酵素を採取し、この分解酵素を用い
てアマノリ属海藻に含まれるポルフィランを分解して得
られる。ここで、シュードモナスB−2411の性状を
示す。
【0021】(a) 形態 (1) 細胞の形および大きさ 捍菌、幅 0.5〜 0.8μm、長さ 0.8〜3μm (2) 細胞の多形性の有無 鞭毛が脱落しやすい (3) 運動性の有無、鞭毛の着性状態 運動性ほとんどなし、極鞭毛 (4) 胞子の有無 なし (5) グラム染色性 陰性 (6) 抗酸性 なし
【0022】(b) 各培地における生育状態 (1) 肉汁寒天平板培養 大きさ: 直径4〜4.5mm 生育程度: 中程度 隆起: 丘状 形: 円形または楕円 周辺の形状: 正縁 表面の形状: なめらか 色: 乳白色 光沢: あり 性質: 粘性 (2) 肉汁寒天斜面培養 形状: 糸状 生育の程度: 中程度 隆起: 丘状 臭気: なし 表面の形状: なめらか
【0023】(3) 肉汁液体培養 表面発育の有無: あり 菌環の形成: あり 濁度: 培養2日目から白濁 ガス産生: なし 指示薬の色調変化: 中性(BTBで緑青色) 臭気: なし (4) 肉汁ゼラチン穿刺培養 生育の状態: 上部5mmにのみ生育し、培地内は繊毛
状 ゼラチンの液化: なし (5) リトマス・ミルク培地 反応: なし(青紫色) 凝固: なし
【0024】 (c) 生理学的性質 (1) 硝酸塩の還元: なし (2) 脱窒反応: なし (3) MRテスト: 陰性 (4) VPテスト: 陰性 (5) インドールの生成: なし (6) 硫化水素の生成: なし (7) デンプンの加水分解: なし (8) クエン酸の利用: なし (9) 無機窒素源の利用(硝酸塩): あり (アンモニウム塩): あり (10)色素の生成: なし (11)ウレアーゼ: 陰性 (12)オキシダーゼ: 陰性 (13)カタラーゼ: 陽性 (14)生育の範囲(pH): 初発pH 4.5〜 7.5で生育、pH4で生育しない (温度): 35℃以上で生育しない (15)酸素に対する態度: 好気性 (16)O−Fテスト: 分解しない
【0025】(17)糖類からの酸およびガス生成の有無 L−アラビノース: なし D−キシロース: なし D−グルコース: なし D−マンノース: なし D−フラクトース: なし D−ガラクトース: なし 麦芽糖: なし ショ糖: なし 乳糖: なし トレハオース: なし D−ソルビット: なし イノシット: なし グリセリン: なし デンプン: なし
【0026】(d) 新種の特徴を示す諸性質 (1) 糖類の分解生成物: ポルフィランから2糖、4糖
を主とするオリゴ糖を生成する (2) アルギニンの分解: なし (3) 温度抵抗性: 85℃、10分もしくは80℃、3
0分で死滅 (4) 塩化ナトリウムの耐性: 0〜3%で生育(ペプト
ン水) (5) リパーゼ: Tween 80を分解(1%Tween 80−ペプ
トン水) (6) 菌体中のDNAのG+C含量: 62.7 mol%(高速
液体クロマトグラフ法)
【0027】上記菌株を使って酵素を製造するには、ま
ず菌株を培地に培養する。菌株を培養する培地は液状で
も固体状でもよい。通常は液体培地を使用する方が有利
である。工業的には通気攪拌培養がよい。培地中には上
記菌株の利用し得る炭素源、窒素源、その他菌株の生育
および酵素生成に必要な諸成分を含有させる必要があ
る。
【0028】炭素源としては、菌株の生育にデンプン、
デキストリン、ショ糖、乳糖、麦芽糖、グルコース、ガ
ラクトース、果糖、廃糖蜜等が利用できるが、酵素生成
にはポルフィランあるいはポルフィランを含有する粗原
料を添加しなければならない。窒素源としては、アンモ
ニウム塩類、硝酸塩類、コーン・スティープリカー、ペ
プトン、肉エキス、カザミノ酸、大豆粉、小麦フスマ、
尿素などの無機または有機の窒素含有物が用いられる。
その他、酵母エキス、乾燥酵母などは酵素生成量の増加
に有効である。無機塩類としては、マグネシウム塩、カ
ルシウム塩、ナトリウム塩、燐酸塩、鉄塩、マンガン
塩、亜鉛塩などが用いられ、特にマグネシウム塩は重要
である。また、ビタミン類、生長促進物質などの栄養素
を適宜添加してもよい。
【0029】好ましい培地組成の例として、例えば、ペ
プトン、酵母エキス、ガラクトース、ポルフィラン、燐
酸水素二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化カルシウムの組合わせを挙げることができる。
【0030】培養温度は約20〜30℃が好適であり、
培養pHは4〜8が好適である。好気条件下で2〜5日
間培養する。培養の結果、培地中に上記酵素が生産され
るので、培養液から濾過あるいは遠心分離で菌体を除去
し、酵素液を得る。酵素液をさらに有機溶剤沈殿、塩
析、減圧濃縮、イオン交換体による吸着・脱離、ゲル分
画などの酵素精製法の常法にしたがって処理すること
で、酵素の純化・精製をすることができる。
【0031】この酵素は、アマノリ属の海藻類の成分で
あるポルフィランに特異的に作用してこれを加水分解
し、ネオアガロオリゴ糖を生成する。上記酵素の諸性質
について表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】上記酵素を少量のトルエンを添加した粗ポ
ルフィラン溶液に加え、37℃,48時間作用させた
後、不溶物質や高分子物質を遠心分離およびエチルアル
コールを添加して除去して得られた上清を濃縮した。さ
らに水を溶離液としてSuperQ−Toyopearl 650Mイオン交
換カラムに通塔し、吸着画分を塩化ナトリウムで溶出さ
せ、sephadex G−10カラムで分画,脱塩することによっ
て、構造式(3)を約60%含む粗製ネオアガロオリゴ
糖が得られる。
【0034】粗製ネオアガロオリゴ糖を再度sephadex−
10カラムに通塔した精製ネオアガロオリゴ糖についてグ
リセロールをマトリクスとする質量分析計(SIMS-MS )
で分子量を調べたところ、分子量は727で与えられ
た。また、核磁気共鳴分析を13C−NMRについて行っ
た。メチル基に帰属する58.8ppmのケミカルシフ
トが見られないことから、シュードモナスアトランティ
カ(Pseudomonas atlantica )由来のアガラーゼをポル
フィランに作用させて得られるオリゴ糖のうち、6−0
−メチルガラクトースを有さないモノスルフェーティド
テトラサッカライド(Mono sulphated tetra saccharid
e )と同様のNMRスペクトルを示した(図1)。以上
のことから、本発明で用いるネオアガロオリゴ糖は下記
構造式が与えられる。
【0035】
【化5】
【0036】上記いずれのオリゴ糖も肝細胞中への脂肪
の蓄積を低減して肝臓障害改善効果を示す。本発明の肝
臓障害改善剤として上記のオリゴ糖を摂取する場合、3
mg/kg/日−10mg/kg/日の範囲が望まし
く、10mg/kg/日以上では、製剤加工適性が悪化
する欠点がある。また、いずれのオリゴ糖も肝臓障害改
善剤として使用する場合には、精製してもよいし、粗製
の状態でもよい。
【0037】得られたオリゴ糖は、そのままの状態で本
発明の肝臓障害改善剤に用いることができるが、錠剤,
カプセル剤,散剤等、任意の剤形に可能である。製剤化
に際しては、本発明のオリゴ糖の他に必要に応じて安定
剤,賦形剤,増量剤など任意の助剤を含有させることが
できる。以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例
に限定されるものではない。
【0038】
【発明の実施の形態】(実施例1)次の方法によって、
粗製ガラクト硫酸オリゴ糖(2糖類の含有率が約42
%)および精製ガラクト硫酸オリゴ糖(2糖類の含量が
約96%)を製造した。
【0039】ポルフィラン0.5%,ペプトン0.42
%,酵母エキス0.01%,塩化ナトリウム0.1%,
硫酸マグネシウム・7水和物0.25%および塩化カル
シウム・2水和物0.01%からなる培養液を初発pH
7に調整し、100ml容三角フラスコに20ml入
れ、121℃殺菌する。これに菌株S−22を1白金耳
植菌し、25℃にて4日間旋回振とう培養(200rp
m)した。
【0040】次に、のり粉末(乾のりを粉砕し、0.2
5mmのスクリーンを通過したもの)4%,ペプトン
0.1%,酵母エキス0.05%,塩化ナトリウム0.
01%,硫酸マグネシウム・7水和物0.25%および
塩化カルシウム・2水和物0.01%からなる培養液を
初発pH6に調整し、これを30L容ジャーファメンタ
ーに15L分注し、スチーム殺菌する。これに先の培養
液150mlを植菌し、28℃,400rpm,通気量
15L/分の条件下で10%塩酸で培養液をpH7.5
に調整しながら60時間培養した。培養液をろ過助剤
(セライト)を用いてろ過し、ついでザルトコンモジュ
ール膜(限界分子量10,000)で800mlに濃縮
したあと、硫安を用いて30−70%飽和画分を分取
し、セルロース透析膜で透析,濃縮したものを粗酵素剤
とした。
【0041】少量のトルエンを添加した10mM酢酸緩
衝液(pH5.5)500mlに、粗ポルフィラン15
gを加え、121℃で20分間加圧加熱して溶解する。
これを放冷後、この溶液に75単位の上記の粗酵素剤を
添加し、37℃,48時間反応させた。
【0042】反応終了後、不溶性物質を遠心分離(2
0,000×g,20分間)で除去,さらに最終濃度が
70%になるようにエタノールを加え、高分子物質を除
いた。上清300mlをエバポレーターで43mlに濃
縮後、凍結乾燥して本発明に用いる2.5gの粗製ガラ
クト硫酸オリゴ糖乾燥物を得た。
【0043】上記の粗製ガラクト硫酸オリゴ糖は、Shod
ex OHpak KB-804 とlonpak KS-802を連結したカラムを
用い、5mM塩化ナトリウムを溶離液として分析したと
ころ、保持時間19.931分にガラクト硫酸オリゴ糖
(56%),18.86分にネオアガロオリゴ糖(7.
9%)の組成であった。
【0044】さらに次の方法によって、粗製ガラクト硫
酸オリゴ糖を投与したことによる肝臓中の各種コレステ
ロール水準の改善効果について調べた。
【0045】コレステロールおよびコール酸を添加した
餌料で飼育した4週令のICR系雄性マウス(コレステ
ロールおよびコール酸を負荷したマウス)を使用し、1
群8匹として、ガラクト硫酸オリゴ糖0.2%投与区,
ガラクト硫酸オリゴ糖0.6%投与区,高脂血症治療薬
のメバロチン(三共株式会社)0.03%投与区,無投
与区(対照区)の4群と、別に標準餌料(オリエンタル
酵母MF)のみで飼育した区1群の合計5群に分け、2
8日間飼育後、絶食させてから摘出した肝臓を生理食塩
水にて灌流後、その部位を秤量採取し、酵素法により測
定した。その結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示すように本発明の粗製ガラクトー
ス硫酸オリゴ糖を投与した場合は、総コレステロール,
中性脂肪およびリン脂質のいずれも高脂肪食対照群に対
して低下しており、標準餌料群とほぼ同程度に改善され
ていた。一方、高脂血症の治療薬として用いられている
メバロチンでは、肝臓コレステロールの低減効果は見ら
れず、コレステロール対照群よりも高い値を示した。
【0048】(実施例2)1カプセル当り実施例1の粗
製ガラクト硫酸オリゴ糖200mgを含む肝臓障害改善
剤を製造した。これを血液検査でγ−GTPが高値を示
した45−65才の成人8人に1日3カプセル,90日
間投与したのち、採血し、酵素法でγ−GTP値を測定
した。なお、被験者に対して食事制限は行わず、抗コレ
ステロール剤等の投薬のみ制限した。結果を表3に示
す。
【0049】
【表3】
【0050】表3に示すように、投与後の測定値はいず
れの被験者においても低下しており、粗製ガラクト硫酸
オリゴ糖による肝臓の機能改善がなされていることがわ
かる。
【0051】(実施例3)次の方法によって、ネオアガ
ロオリゴ糖(4糖類の含有率が約70%)を製造した。
【0052】ポルフィラン0.5%,ペプトン0.42
%,酵母エキス0.01%,塩化ナトリウム0.1%,
硫酸マグネシウム・7水和物0.25%および塩化カル
シウム・2水和物0.01%からなる培養液を初発pH
7に調整し、100ml容三角フラスコに20ml入
れ、121℃殺菌する。これに菌株B−2411を1白
金耳植菌し、25℃にて4日間旋回振とう培養(200
rpm)した。
【0053】次に、のり粉末(乾のりを粉砕し、0.2
5mmのスクリーンを通過したもの)4%,ペプトン
0.1%,酵母エキス0.05%,塩化ナトリウム0.
01%,硫酸マグネシウム・7水和物0.25%および
塩化カルシウム・2水和物0.01%からなる培養液を
初発pH6に調整し、これを30L容ジャーファメンタ
ーに15L分注し、スチーム殺菌する。これに先の培養
液150mlを植菌し、28℃m,400rpm,通気
量15L/分の条件下で10%塩酸で培養液をpH7.
5に調整しながら60時間培養した。培養液をろ過助剤
(セライト)を用いてろ過し、ついでザルトコンモジュ
ール膜(限界分子量10,000)で650mlに濃縮
したあと、硫酸アンモニウムを用いて30−70%飽和
画分を分取し、セルロース透析膜で透析,濃縮したもの
を粗酵素剤とした。
【0054】少量のトルエンを添加した10mM酢酸緩
衝液(pH5.5)500mlに、粗ポルフィラン15
gを加え、121℃で20分間加圧加熱して溶解する。
これを放冷後、この溶液に90単位の上記の粗酵素剤を
添加し、37℃,48時間反応させた。
【0055】反応終了後、不溶性物を遠心分離(20,
000×g,20分間)で除去,さらに最終濃度が70
%になるようにエタノールを加え、高分子物質を除い
た。上清300mlをエバポレーターで35mlに濃縮
後、凍結乾燥して本発明に用いる1.5gの粗製ガラク
ト硫酸オリゴ糖乾燥物を得た。
【0056】上記の粗製ガラクト硫酸オリゴ糖は、Shod
ex OHpak KB-804 とlonpak KS-802を連結したカラムを
用い、5mM塩化ナトリウムを溶離液として分析したと
ころ、18.86分にネオアガロオリゴ糖(68%),
保持時間19.931分にガラクト硫酸オリゴ糖(21
%)の組成であった。
【0057】これを用いて、カプセル当りネオアガロオ
リゴ糖200mgを含む肝臓障害改善剤を製造した。こ
れを血液検査でγ−GTPが高値を示した42−63才
の成人8人に1日3カプセル,90日間投与したのち、
採血し、酵素法でγ−GTP値を測定した。なお、被験
者に対して食事制限は行わず、抗コレステロール剤等の
投薬のみ制限した。結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】表4に示すように、投与後の測定値はいず
れの被験者においても低下しており、ネオアガロオリゴ
糖による肝臓の機能改善がなされていることがわかる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の含有成分
であるガラクト硫酸オリゴ糖およびネオアガロオリゴ糖
は肝細胞中の脂肪低減効果があり、また、これらのオリ
ゴ糖の原料は、従来から食用としてきたアマノリ属海藻
であるので、副作用に対する懸念が少ないという利点が
あり、本発明により長期服用可能な肝臓障害改善剤を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】精製ネオアガロオリゴ糖の13C−NMRスペク
トルを示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹塚 忠 北海道北見市北上101番地1 北海道糖業 株式会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式のガラクト硫酸オリゴ糖を含
    有することを特徴とする肝臓障害改善剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記構造式のネオアガロオリゴ糖を含有
    することを特徴とする肝臓障害改善剤。 【化2】
  3. 【請求項3】 肝臓障害が脂肪肝である請求項1,2の
    いずれかに記載の肝臓障害改善剤。
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