JPH11349438A - 化粧品用乳化剤 - Google Patents

化粧品用乳化剤

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JPH11349438A
JPH11349438A JP10161572A JP16157298A JPH11349438A JP H11349438 A JPH11349438 A JP H11349438A JP 10161572 A JP10161572 A JP 10161572A JP 16157298 A JP16157298 A JP 16157298A JP H11349438 A JPH11349438 A JP H11349438A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーム、乳液、ファンデーション等の化粧
品用乳化剤において、長期にわたって安定なエマルジョ
ンを形成し、かつ比較的融点が低いため取り扱い易く、
乳化時の作業性に優れた化粧品用乳化剤を提供するこ
と。 【解決手段】 下記の式(I)で示されるアルキレンオ
キシド誘導体からなる化粧品用乳化剤。 RO[(C24O)m(AO)n]H (I) (式中、Rは炭素数20〜24の直鎖の炭化水素基、A
Oは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、mおよびnは
それぞれオキシエチレン基、炭素数3〜4のオキシアル
キレン基の平均付加モル数で、3≦m≦20、0<n≦
5であり、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシア
ルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に
付加していてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーム、乳液、
ファンデーション等の化粧品用乳化剤に関し、さらに詳
しくは、長期にわたって安定なエマルジョンを形成し、
融点が低いため取り扱いやすく、乳化時の作業性に優れ
る化粧品用乳化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クリーム、乳液、ファンデーション等の
化粧品は通常、油脂、香料などの非水溶性物質を系中に
均一に存在させるために乳化剤を使用している。既存の
乳化剤は酸性、アルカリ性のいずれの場合においても乳
化物の安定度を高くするために非イオン性界面活性剤が
一般に広く使用されており、そのうち代表的なものとし
ては、ソルビタンモノオレート、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレート、特開昭61−42328号公報
ではポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイソアル
キルエーテルなどが挙げられる。しかし、単独では乳化
能は十分満足できるものではなかった。
【0003】また、特開平1−266844号公報では
低級アルコールと安定なエマルジョンを得るために、特
開昭58−180226号公報では油中水型乳化物にお
いて炭素数20前後の高級アルコールにエチレンオキシ
ドを付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテルが
乳化剤として開示されている。しかしこれらの乳化剤
は、融点が比較的高いために、使用に際しては加熱溶解
しなければならず、取り扱いが難しいものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クリーム、
乳液、ファンデーション等の化粧品用乳化剤において、
長期にわたって安定なエマルジョンを形成し、かつ比較
的融点が低いため取り扱い易く、乳化時の作業性に優れ
た化粧品用乳化剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、式
(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体からなる化
粧品用乳化剤である。 RO[(C24O)m(AO)n]H (I) (式中、Rは炭素数20〜24の直鎖の炭化水素基、A
Oは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、mおよびnは
それぞれオキシエチレン基、炭素数3〜4のオキシアル
キレン基の平均付加モル数で、3≦m≦20、0<n≦
5であり、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシア
ルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に
付加していてもよい。)
【0006】
【発明の実施の形態】一般式(I)で示されるアルキレ
ンオキシド誘導体において、Rは炭素数20〜24の直
鎖の炭化水素基であり、例として、イコシル基、ヘンイ
コシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基
などの飽和炭化水素基、イコセニル基、ヘンイコセニル
基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基
などの不飽和炭化水素基およびこれらの混合炭化水素基
などが挙げられる。好ましくはドコシル基およびテトラ
コシル基が挙げられる。炭素数19以下では親油性が低
いため安定なエマルジョンが得られず、炭素数25以上
では物質の融点が高いため乳化時の作業性が悪くなる。
【0007】AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基
であり、例としてオキシプロピレン基、オキシブチレン
基、オキシイソブチレン基、トリメチレン基、テトラメ
チレン基などが挙げられ、好ましくはオキシプロピレン
基およびオキシブチレン基であり、より好ましくはオキ
シプロピレン基である。mはオキシエチレン基の平均付
加モル数であり、3≦m≦20、好ましくは8≦m≦1
6である。mが3未満または20を越えると十分な乳化
能が得られない。nは炭素数3〜4のオキシアルキレン
基の平均付加モル数であり、0<n≦5、好ましくは1
≦n≦3.5である。nが0であると物質の融点が高く
なって乳化時の作業性が悪くなり、5を越えると十分な
乳化能が得られない。エチレンオキシドおよび炭素数3
〜4のアルキレンオキシドの付加する順序は特に指定は
ない。またオキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシア
ルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に
付加していてもよい。本発明の化粧品用乳化剤は公知の
方法で製造することができる。通常は、炭素数20〜2
4のアルコールにエチレンオキシドおよび炭素数3〜4
のアルキレンオキシドを付加重合することによって得ら
れる。
【0008】本発明の乳化剤の使用に際しては、特別の
方法に限定されずに乳化物を得ることができる。例え
ば、被乳化物に対して最適のHLBになる当該乳化剤を
選択し、その乳化剤を被乳化物中に均一に混合した後、
水を添加する方法がある。また本発明の乳化剤は、条件
によっては可溶化剤としても使用できる。また、通常用
いられている乳化剤、例えば、脂肪酸せっけん、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族エーテル、ソ
ルビタンモノオレート、脂肪酸モノグリセリン、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノオレートなどと併用することがで
きる。
【0009】
【発明の効果】本発明の乳化剤は比較的融点が低いため
に取り扱い易く、乳化時の作業性に優れている。また本
発明の乳化剤を使用することにより、クリーム、乳液、
ファンデーション等の乳化物において、長期にわたって
安定なエマルジョンを得ることができる。
【0010】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明を説
明する。 実施例1〜4 ポリオキシエチレン(m)ポリオキシプ
ロピレン(n)ドコシルエーテル(ブロックポリマー)
の合成 ドコシルアルコール1モルと触媒として水酸化カリウム
0.3重量%をオートクレーブ中に仕込み、オートクレ
ーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら1
40℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりプ
ロピレンオキシドを表1のnモル滴下させ、2時間撹拌
した。ひきづつき滴下装置によりエチレンオキシドを表
1のmモル滴下させ、2時間撹拌した。オートクレーブ
より反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH6〜
7とし、含有する水分を除去するため50mmHgに減
圧し、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成し
た塩を除去するため濾過を行い、ポリオキシエチレン基
とポリオキシプロピレン基の付加モル数を変えた実施例
1〜4の乳化剤を得た。得られた乳化剤について融点を
測定した。結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】 注.EO:エチレンオキシド PO:プロピレンオキシド
【0013】実施例5〜8 ポリオキシエチレン(m)
ポリオキシプロピレン(n)ドコシルエーテル(ランダ
ムポリマー)の合成 ドコシルアルコール1モルと触媒として水酸化カリウム
0.3重量%をオートクレーブ中に仕込み、オートクレ
ーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら1
40℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエ
チレンオキシドを表2のmモルとプロピレンオキシドを
表2のnモルの混合物を滴下させ、2時間撹拌した。オ
ートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和
してpH6〜7とした。含有する水分を除去するため5
0mmHgに減圧し、100℃で1時間処理した。さら
に処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリオ
キシエチレン基とポリオキシプロピレン基の付加モル数
を変えた実施例5〜8の乳化剤を得た。得られた乳化剤
について融点を測定した。結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】比較例1〜4 ポリオキシエチレン(m)
ドコシルエーテルの合成 ドコシルアルコール1モルと触媒として水酸化カリウム
0.3重量%をオートクレーブ中に仕込み、オートクレ
ーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら1
40℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエ
チレンオキシドを表3のmモル滴下させ、2時間撹拌し
た。オートクレーブより反応組成物を取り出し、リン酸
で中和してpH6〜7とした。含有する水分を除去する
ため50mmHgに減圧し、100℃で1時間処理し
た。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行
い、ポリオキシエチレン基の付加モル数を変えた乳化剤
を得た。得られた乳化剤について融点を測定した。結果
を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】融点について実施例1〜8と比較例1〜4
を比較すると、ブロックポリマー、ランダムポリマーと
もに比較例よりも融点が低く、溶解も短時間で済むこと
から、本発明の化粧品用乳化剤は乳化時の作業性に優れ
ることが分る。
【0018】比較例5および6 ポリオキシエチレン
(m)ポリオキシプロピレン(n)ヘキサコシルエーテ
ル(ブロックポリマー)の合成 ヘキサコシルアルコール1モルと触媒として水酸化カリ
ウム0.3重量%をオートクレーブ中に仕込み、オート
クレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しなが
ら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によ
りプロピレンオキシドを表4のnモル滴下させ、2時間
撹拌した。ひきづつき滴下装置によりエチレンオキシド
を表4のmモル滴下させ、2時間撹拌した。オートクレ
ーブより反応組成物を取り出し、リン酸で中和してpH
6〜7とした。含有する水分を除去するため50mmH
gに減圧し、100℃で1時間処理した。さらに処理後
生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリオキシエチ
レン基とポリオキシプロピレン基の付加モル数を変えた
比較例5および6の乳化剤を得た。得られた乳化剤につ
いて融点を測定した。結果を表4に示す。
【0019】
【表4】
【0020】融点について実施例1〜4と比較例5およ
び6を比較すると、融点が低く、溶解も短時間で済むこ
とから、本発明の化粧品用乳化剤は乳化時の作業性に優
れていることが分る。
【0021】実施例9 本発明の化粧品用乳化剤を使用してクレンジングクリー
ムを作製した。以下の組成からなる基剤のうち乳化剤を
含む油相部を60℃に加温し均一に溶解した後、撹拌し
ながら水相部を同温度で添加した。%は重量%を示す。 油相部: セタノール 2.0% ビースワックス 6.0% ワセリン 5.0% スクワラン 34.0% イソプロピルミリステート 5.0% グリセリンモノステアレート 2.0% ステアリン酸 0.5% ポリオキシエチレン(18モル)ポリオキシプロピレン(1モル)ドコシルエー テル (ブロックポリマー) 1.5% 香料 適量 防腐剤 適量 水相部: プロピレングリコール 2.0% 精製水 残部 作製した乳化剤組成物を乳化直後および40℃で一ヶ月
保管後の乳化状態を下記の基準により、目視で測定を行
った。結果を表5に示す。 ○:安定な状態 △:やや不均一な状態 ×:クリーミングまたは分離している状態 実施例10〜12および比較例7〜11についても同様
の評価を行った。
【0022】実施例10 本発明の化粧品用乳化剤を使用してクレンジングローシ
ョンを作製した。以下の組成からなる基剤のうち乳化剤
を含む油相部を60℃に加温し均一に溶解した後、撹拌
しながら水相部を同温度で添加した。%は重量%を示
す。 油相部: セタノール 1.0% 流動パラフィン 10.0% ワセリン 2.0% グリセリンモノステアレート 2.0% ステアリン酸 0.5% ポリオキシエチレン(18モル)ポリオキシプロピレン(3モル)イコシルエー テル(ランダムポリマー) 1.5% 香料 適量 防腐剤 適量 水相部: プロピレングリコール 5.0% トリエタノールアミン 0.5% 精製水 残部
【0023】実施例11 本発明の化粧品用乳化剤を使用して整髪料を作製した。
以下の組成からなる基剤のうち乳化剤を含む油相部を6
0℃に加温し均一に溶解した後、撹拌しながら水相部を
同温度で添加した。%は重量%を示す。 油相部: スクワラン 5.0% 大豆レシチン 1.0% カルボキシビニルポリマー 0.2% エタノール 5.0% オクタデシルアルコール 0.2% 3−メチル−1,3−ブタンジオール 3.0% ポリオキシエチレン(18モル)ポリオキシプロピレン(3モル)テトラコシル エーテル(ブロックポリマー) 2.5% 香料 適量 防腐剤 適量 水相部: 精製水 残部
【0024】実施例12 本発明の化粧品用乳化剤を使用して日焼け止めを作製し
た。以下の組成からなる基剤のうち乳化剤を含む油相部
を60℃に加温し均一に溶解した後、撹拌しながら水相
部を同温度で添加した。%は重量%を示す。 油相部: パラアミノ安息香酸エチル 2.0% ジメチルポリシロキサン 0.5% 2−エチルヘキサン酸セチル 7.0% 1,3−ブチレングリコール 2.0% エタノール 20.0% ポリオキシエチレン(12モル)ポリオキシプロピレン(2モル)ドコシルエー テル(ブロックポリマー) 2.0% 香料 適量 防腐剤 適量 水相部: 精製水 残部
【0025】比較例7 下記の乳化剤を使用してクレンジングクリームを作製し
た。以下の組成からなる基剤のうち乳化剤を含む油相部
を60℃に加温し均一に溶解した後、撹拌しながら水相
部を同温度で添加した。%は重量%を示す。
【0026】比較例8 下記の乳化剤を使用してクレンジングローションを作製
した。以下の組成からなる基剤のうち乳化剤を含む油相
部を60℃に加温し均一に溶解した後、撹拌しながら水
相部を同温度で添加した。
【0027】比較例9 下記の乳化剤を使用して整髪料を作製した。以下の組成
からなる基剤のうち乳化剤を含む油相部を60℃に加温
し均一に溶解した後、撹拌しながら水相部を同温度で添
加した。 油相部: スクワラン 5.0% 大豆レシチン 1.0% カルボキシビニルポリマー 0.2% エタノール 5.0% オクタデシルアルコール 0.2% 3−メチル−1,3−ブタンジオール 3.0% ポリオキシエチレン(10モル)グリセリンモノラウレート 2.5% 香料 適量 防腐剤 適量 水相部: 精製水 残部
【0028】比較例10 下記の乳化剤を使用して日焼け止めを作製した。以下の
組成からなる基剤のうち乳化剤を含む油相部を60℃に
加温し均一に溶解した後、撹拌しながら水相部を同温度
で添加した。 油相部: パラアミノ安息香酸エチル 2.0% ジメチルポリシロキサン 0.5% 2−エチルヘキサン酸セチル 7.0% 1,3−ブチレングリコール 2.0% エタノール 20.0% ポリオキシエチレン(10モル)ソルビタンモノオレート 2.0% 香料 適量 防腐剤 適量 水相部: 精製水 残部
【0029】比較例11 実施例9の処方のうち、ポリオキシエチレン(18モ
ル)ポリオキシプロピレン(3モル)イコシルエーテル
を、ポリオキシエチレン(18モル)ポリオキシプロピ
レン(7モル)イコシルエーテル(ブロックポリマー)
に変更した組成液を作成した。
【0030】
【表5】
【0031】実施例9〜12および比較例7〜11のい
ずれも、乳化直後の形態に差は見られないが、比較例7
〜11の40℃、1ヶ月保管後の状態は、やや均一また
は分離しており、本発明の化粧品用乳化剤は保存安定性
が優れていることが分る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 7/42 A61K 7/42

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式(I)で示されるアルキレンオキ
    シド誘導体からなる化粧品用乳化剤。 RO[(C24O)m(AO)n]H (I) (式中、Rは炭素数20〜24の直鎖の炭化水素基、A
    Oは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、mおよびnは
    それぞれオキシエチレン基、炭素数3〜4のオキシアル
    キレン基の平均付加モル数で、3≦m≦20、0<n≦
    5であり、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシア
    ルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に
    付加していてもよい。)
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