JPH1134939A - クローラ式車両のフレーム構造 - Google Patents

クローラ式車両のフレーム構造

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JPH1134939A
JPH1134939A JP20551197A JP20551197A JPH1134939A JP H1134939 A JPH1134939 A JP H1134939A JP 20551197 A JP20551197 A JP 20551197A JP 20551197 A JP20551197 A JP 20551197A JP H1134939 A JPH1134939 A JP H1134939A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により、フレームを格別重量化さ
せることなく、その強度の向上を図る。 【構成】 変形抑制手段30は、取付ブラケット13の
本体板13aへの挾持板体13b,13cの固着部にほ
ぼ沿うようにして立設した上下一対のリブ33とその間
のウエブ34とからなる取付ブラケット反り抑制部31
と、このリブ33を荷重伝達部材とし、弾性を有する金
属板を曲成し、端板12の煽りを抑制するために、リブ
33に連結固着された当接壁部35aとこの当接壁部3
5aを曲成して端面がフレーム本体10の外面の隔壁1
1を固着した位置に固着した補強用ブラケット35を備
えた端板煽り抑制部32とを備え、これらにより取付ブ
ラケット13の挾持板体13b,13cを固着した部位
の中間が反るのを抑制し、かつ取付ブラケット13を固
着した端板12の反りが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベル等の
クローラ式車両におけるフレーム構造、特に下部走行体
におけるトラックフレームの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クローラ式車両の一例として、図5に示
した油圧ショベルがある。この油圧ショベルは、下部走
行体1と、上部旋回体2とから構成され、上部旋回体2
にはフロント作業機構3,運転室4及び機械室5等が設
けられている。下部走行体1は、左右一対の走行ユニッ
ト1R,1Lを備えており、これら走行ユニット1R,
1Lは、トラックフレーム6の両端に設けた駆動輪7,
遊動輪8と、これら駆動輪7及び遊動輪8間に巻回して
設けた履帯9とから構成される。
【0003】図6にトラックフレーム6における遊動輪
8の装着部の構成を示し、図7に図6の右側面を示す。
これらの図から明らかなように、トラックフレーム6は
略コ字状に曲成された板体からなり、その開口側を下方
に向けた状態にして設けたフレーム本体10を有し、こ
のフレーム本体10の端部近傍には、保形用の隔壁11
が固着して設けられており、また端部は端板12に溶接
手段により接合固着されている。端板12には、このフ
レーム本体10の軸線方向の延長線方向に向けて左右一
対からなる取付ブラケット13,13が延在されてい
る。ここで、左右の取付ブラケットは全く同じ構成のも
ので形成することができるが、図示したように、左右で
多少形状が異なるように構成することもできる。ただ
し、形状が異なっているにしても、機能的には実質的に
等しいものであるから、左右の取付ブラケットについて
は同じ符号13を用いている。
【0004】取付ブラケット13は、上下の部位が外向
きに所定角度曲成された本体板13aを有し、この本体
板13aの内側には、略L字状に形成した挾持板体13
b,13cがフレーム本体10の延長線方向に向けた平
行な水平面を有する状態に突き当てられて、その接合ラ
インに沿って溶接手段で固着される。これによって、挾
持板体13b,13c間に遊動輪8の左右に延在させた
軸14の両端が支承される。そして、本体板13aと挾
持板体13b及び挾持板体13cとで先端側が開口する
2つのボックス構造部が形成され、これら2つのボック
ス構造部はフレーム本体10の延長線方向に突出してい
る。また、軸14が設けられる上下のボックス構造部の
間の位置には本体板13aのみが位置している。
【0005】遊動輪8は挾持板体13b,13c間で前
後方向に移動可能となっており、これによって履帯9の
張力を調整できるようになる。この履帯9の張力調整を
行うために、図8に示した履帯張力調整手段を備えてい
る。即ち、遊動輪8の軸14はヨーク15に回転自在に
連結されており、このヨーク15はピストン16に連設
されて、このピストン16は内部にグリース等の粘性流
体を封入したシリンダ17に挿嵌されている。シリンダ
17にはばね受け18が設けられており、またシリンダ
17にはロッド19が連結されている。このロッド19
の他端にもばね受け20が装着されており、両ばね受け
18,20間にはピストン16をシリンダ17から突出
する方向に付勢するばね21が弾装されている。これに
よって、履帯9は適度な張りを持ち、かつ履帯9が障害
物に衝突すると、ばね21を圧縮することにより緩衝作
用を発揮する。このように構成される履帯張力調整手段
は、フレーム本体10の内部から、隔壁11及び端板1
2を貫通して延び、ヨーク15は取付ブラケット13の
挾持板体13b,13c間に挾持されて、これら挾持板
体13b,13cに沿って前後方向に移動可能となって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油圧ショベ
ル等は悪路を走行するものであり、しかも履帯9はかな
り大きな寸法の幅を持ったものである。従って、車両の
走行中に路面の凹凸により履帯9が頻繁に浮き上がった
り、傾いたり、左右方向にずれたりすることになる。遊
動輪8は履帯9に対して転動することから、この履帯9
の傾きやずれにより遊動輪8には様々な方向の力、即
ち、図6の矢印Fで示した方向や、図7にMで示した方
向に力が作用する。遊動輪8はその左右に位置する取付
ブラケット13に支承されているから、遊動輪8に矢印
Fの方向に力が作用すると、取付ブラケット13を外向
きに変形させる方向の荷重F1 が作用する。また、矢印
M方向の力が作用すると、取付ブラケット13には一方
側の挾持板体13bを押し上げ、他方側の挾持板体13
cを押し下げる方向、即ち矢印M1 及びM2 方向の荷重
が作用する。
【0007】ここで、取付ブラケット13は本体板13
aと上下の挾持板体13b,13cとで2つのボックス
構造部が形成されており、このボックス構造部の強度は
極めて高い。しかしながら、本体板13aにおける両挾
持板体13b,13c間の部位は本体板13aからなる
1枚の板体が位置するだけであり、かつ取付ブラケット
13が連結固着されている端板12には履帯張力調整手
段を挿通させる関係から、開口12aが形成されてお
り、ボックス構造部はこの開口12aの近傍に位置して
いる。従って、取付ブラケット13における上下のボッ
クス構造部の間の部位と、取付ブラケット13が固着さ
れている端板12の強度は、ボックス構造部よりかなり
低いものとなる。
【0008】以上のことから、前述した矢印F1 方向に
荷重が作用すると、取付ブラケット13の端板12への
固着部に作用して、その応力によって端板12がその開
口12a側の端部が持ち上げられるように変形して、図
9に仮想線で示したように、端板12が煽られる方向に
曲げられることになる。一方、遊動輪8にM方向のモー
メントが働くと、取付ブラケット13には矢印M1 方向
及び矢印M2 方向の荷重が作用する。従って、取付ブラ
ケット13における本体板13aの挾持板体13b,1
3cとでボックス構造部の間における本体板13aのみ
が位置する部位が、図10に示したように、この部位が
反る方向に変形する。ここで、端板12が煽られるとい
うのは、端板12がそのフレーム本体10への溶接部か
ら折り曲げるように変形することを意味し、また本体板
13aが反るというのは、本体板13aのボックス構造
部の間の部位が湾曲形状に変形することを言う。即ち、
クローラ式走行体1による車両の走行時に、路面の状態
により遊動輪8の装着部に作用する力で最も大きく変形
する可能性があるのは、以上の部位である。
【0009】しかも、端板12の煽り方向の変形や取付
ブラケット13の反り方向への変形は、履帯9の幅が広
くなればなる程大きくなる。例えば、軟弱地等で作業す
る油圧ショベル等にあっては、円滑な走行を可能にする
ために履帯9の幅を大きくするが、そうすると前述した
変形させる力が極めて高くなる。この結果、端板12が
反ることによって、取付ブラケット13と端板12との
間の溶接部が損傷したり、端板12に開口12aの端部
側から亀裂が入ったり、また取付ブラケット13におけ
る挾持板体13b,13c間の部位における反りの発生
によって、挾持板体13b,13cの溶接部が損傷した
り、本体板13aに亀裂が生じる等の不都合を生じる。
【0010】ここで、端板12及び取付ブラケット13
の本体板13aの強度を向上させれば、前述した応力が
極端に集中するのを防止できるようになる。ただし、こ
の強度向上を図るには、端板12の厚みを増したり、取
付ブラケット13の本体板13a、特に挾持板体13
b,13c間の部位における厚みを大きくする必要があ
り、しかも前述した方向の変形に耐えるだけの強度を持
たせるには、肉厚を極めて大きくする必要がある。そう
すると、フレームの重量が極めて大きくなる等といった
問題点が生じることになる。
【0011】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、簡単な構成により、
フレームを格別重量化させることなく、その強度の向上
を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、フレーム本体の一側に駆動輪が設け
られ、他側の端部には端板が固着して設けられ、この端
板から左右一対の取付ブラケットを延在させて遊動輪の
軸部の両端を支承させるようになし、これら駆動輪と遊
動輪との間に履帯を巻回して設けたクローラ式車両のフ
レーム構造であって、少なくとも前記取付ブラケットの
前記遊動輪の支承部とは反対側の面に、この遊動輪の回
転中に取付ブラケットを変形させようとする所定の方向
の力が作用した時に、その変形を抑制する変形抑制手段
を固着して設ける構成としたことをその特徴とするもの
である。
【0013】既に説明したように、走行中において遊動
輪から取付ブラケットに伝達される力に基づいて、端板
への連結固着部分が煽られる方向に変形し、また取付ブ
ラケットには反り方向に変形させることになる。従っ
て、これらのうちの少なくともいずれか一方の変形を抑
制すれば、フレームの強度が向上する。そこで、変形抑
制手段としては、取付ブラケットの反り防止機能または
端板の煽り防止機能の少なくとも一方の機能を持たせる
ようにする。
【0014】取付ブラケットを、本体板と、この本体板
の上下の部位にフレーム本体の延長線方向にボックス構
造部を形成する挾持板体を固着して設ける構成とした場
合において、変形抑制手段としては、本体板の反り防止
機能を発揮するものとして構成することができる。具体
的には、取付ブラケットの本体板における挾持板体の固
着部にほぼ沿うように固着して設けた上下の板体と、こ
れら上下の板体間に架設した1または複数枚の架橋板と
から構成される。
【0015】履帯の張力を調整するために、履帯張力調
整手段が設けられるが、この張力調整手段を装着するた
めに、フレーム本体に固着した端板には開口を形成して
張力調整手段を挿通させる。また、フレーム本体にはこ
の端板から所定距離離間させた位置に隔壁を固着して設
けるが、張力調整手段はこの隔壁をも貫通させるように
構成する。このような構成において、変形抑制手段とし
ては、端板が煽る方向に変形するのを抑制する機能を発
揮させるようにすることができる。このためには、取付
ブラケット側に設けた荷重伝達部材と、この荷重伝達部
材に連結されて、この取付ブラケットによる端板の煽り
方向の荷重を隔壁に対する板面とほぼ平行な方向への押
動力に変換する荷重方向変換部材とから構成する。荷重
方向変換部材としては、荷重伝達部材に固着される当接
壁部と、この当接壁部から曲成させた傾斜面部とからな
る弾性板体で構成し、傾斜面部はフレーム本体の側面と
非接触状態で延在させて、この弾性板体の先端をこのフ
レーム本体における隔壁の固着部またはその近傍に接合
固着する構成となし、また荷重伝達部材は取付ブラケッ
トの上下方向のほぼ中間位置に固着して設けた伝達板体
で構成し、前記荷重方向変換部材の当接壁部はこの伝達
板体に固着する構成とすれば良い。
【0016】変形抑制手段としては、取付ブラケットの
反り防止機能と端板の煽り防止機能との双方の機能を発
揮させる構成とするのが最も好ましい。このためには、
フレーム本体の一側に駆動輪が設けられ、他側の端部近
傍に隔壁を固着して設けると共に、その端部には端板が
固着して設けられ、この端板に連結固着されて、本体板
と、この本体板の上下の部位にフレーム本体の延長線方
向にボックス構造部を形成する挾持板体を固着して設け
た左右一対からなる取付ブラケットに遊動輪の軸部の両
端を支承させるようになし、これら駆動輪と遊動輪との
間に履帯を巻回して設けると共に、この履帯の張力を調
整するために、前記端板及び隔壁を貫通して延在させた
履帯張力調整手段を装着したものであって、前記取付ブ
ラケットの本体板における前記挾持板体の固着部にほぼ
沿うように固着して設けた上下の板体と、これら上下の
板体間に架設した1または複数枚の架橋板とから構成し
た取付ブラケット反り抑制部と、この上下の板体の端部
に固着された当接壁部と、この当接壁部から曲成され
て、前記フレーム本体の側面と非接触状態で延在させ
て、先端がこのフレーム本体の前記隔壁の固着部の位置
に接合固着した弾性板体からなる端板煽り抑制部とを備
える構成とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態について説明する。なお、クローラ式車両の
全体構成及びその下部走行体を構成する走行ユニットの
基本構成については、前述した従来技術のものと格別の
差異はないので、以下の説明においては、従来技術で説
明したと同一または均等な部材については、それと同じ
符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0018】而して、図1に変形抑制手段の外観を示
し、図2及び図3にこの変形抑制手段を装着したフレー
ム本体10の遊動輪8への接続部分を、また図4には、
図2の右側面をそれぞれ示す。
【0019】まず、図1に示したように、変形抑制手段
30は、取付ブラケット13の反りを抑制する取付ブラ
ケット反り抑制部31と、端板12の煽りを抑制する端
板煽り抑制部32とから構成される。そして、取付ブラ
ケット反り抑制部31は、端板煽り抑制部32の伝達部
材としても機能する。
【0020】取付ブラケット反り抑制部31としては、
上下に位置する鋼板等からなる板体であるリブ33,3
3と、両リブ33,33間を架橋するように設けられ、
鋼板等で形成した架橋板としてのウエブ34とから構成
される。このウエブ34の両端は上下のリブ33に溶接
手段で固着されている。また、端板煽り抑制部32を構
成する荷重方向変換部材は、弾性を有する金属板を曲成
した補強用ブラケット35を備え、またリブ33が荷重
伝達部材として機能する。
【0021】取付ブラケット反り抑制部31におけるリ
ブ33は、その一端側が端部に向かうに応じて連続的に
細くなる傾斜部33aと均一な幅を有する本体部33b
とから構成され、また本体部33bの端部には端板12
を乗り越えるための切り欠き33cが形成されている。
ウエブ34はリブ33の本体部33bとほぼ同じ幅を有
するものであって、このウエブ34の上下のリブ33,
33への溶接部は本体部33bの部位となっている。ま
た、端板煽り抑制部32における補強用ブラケット35
は、鉛直方向に立ち上がる当接壁部35aを有し、この
当接壁部35aから曲成して斜め下方に延在させた傾斜
面部35bとから構成される。
【0022】上下のリブ33,33とその間に架設した
ウエブ34とからなる取付ブラケット反り抑制部31
は、両取付ブラケット13の外面、即ち遊動輪8に対向
する面とは反対側の面に溶接により固着されている。こ
こで、上下の挾持板体13b,13cの端部が本体板1
3aに溶接により固着されて、ヨーク15の上下の部位
を挾持するようになっているが、リブ33は、取付ブラ
ケット13の本体板13aに突き当てられて溶接により
固着されており、しかもこの溶接ラインは本体板13a
の挾持板体13b,13cの突き当て溶接部にほぼ対向
するように配置される。ただし、リブ33はその全長に
わたって溶接する必要はなく、傾斜部33aの途中位置
まで溶接するのが好ましい。また、ウエブ34の本体板
13aへの当接部も溶接により固着される。ここで、ウ
エブ34の位置は必ずしも限定されないが、取付ブラケ
ット13への遊動輪8の支承位置より端板12側の位置
が好ましい。
【0023】このように、上下のリブ33,33とその
間を架設するウエブ34とをフレーム本体10から前方
に突出する状態に設けた両取付ブラケット13の外側面
に立設して固着することによって、走行ユニット1R,
1Lが凹凸のある走行条件の悪い路面を走行中に、遊動
輪8にM方向の力により取付ブラケット13に図9の矢
印M1 方向及び矢印M2 方向の荷重に基づいて生じる取
付ブラケット13の変形を抑制できる。即ち、取付ブラ
ケット13には、その本体板13aの挾持板体13b,
13cとで形成したボックス構造部の間における本体板
13aのみが位置する部位が反る方向に変位しようとす
る。このように、本体板13aが反る方向に変形しよう
とすると、上下のリブ33,33の間隔が狭くなる方向
に変位することになる。しかしながら、このリブ33,
33間の間隔にはウエブ34が架設されているから、ウ
エブ34に対して板面と平行な方向に力が及んで、この
ウエブ34を圧縮させようとする。ウエブ34は、比較
的肉厚を薄くしても、この方向には十分な強度を持って
いるから、本体板13aの反りが防止される。
【0024】ところで、取付ブラケット13の本体板1
3aを反らそうとする力は遊動輪8の取付部に作用する
ことから、遊動輪8の支承位置にウエブ34を位置させ
ると、この反りはほぼ完全に抑制できる。ただし、そう
すると取付ブラケット13の本体板13aの微小な変形
をも抑制する剛構造となってしまうから、比較的薄い板
体からなる本体板13aに繰り返し過大な荷重が作用し
て、かえって亀裂を生じるおそれがある。このために、
ウエブ34を遊動輪8の支承位置から離すようになし、
本体板13aの微小な動きを許容し、本体板13aが許
容限度を越えて反るように変形しようとする場合に、そ
の変形を抑制できる柔構造とする。これによって、取付
ブラケット13はさらに強度が向上する。また、取付ブ
ラケット13は基端側が端板12に溶接手段で固着さ
れ、かつ先端側が自由端となっているから、反りの規制
が必要なのは基端側の方であり、従ってウエブ34の位
置は遊動輪8の支承位置と端板12への連結位置との間
としている。そこで、ウエブ34の位置をどの程度遊動
輪8から離すかについては、取付ブラケット反り抑制手
段31の強度や、取付ブラケット13の材質や強度、さ
らに挾持板体13b,13cの突き当て部間の間隔等に
応じて適宜設定すれば良い。
【0025】次に、端板煽り抑制部32における補強用
ブラケット35は、その当接壁部35aがリブ33,3
3の端面に溶接されており、この溶接位置は端板12の
配設位置近傍とする。そして、当接壁部35aから曲成
された傾斜面部35bの端面がフレーム本体10の外面
に溶接で固着されるが、この溶接位置はフレーム本体1
0における隔壁11を固着した部位にほぼ対向する位置
とする。また、傾斜面部35bはこの溶接位置まではフ
レーム本体10とは非接触状態に保持されている。この
ように、取付ブラケット13の本体板13aに立設した
リブ33の端部で曲成して、フレーム本体10とは非接
触状態にしてその隔壁11の固着位置まで延在させてい
るので、取付ブラケット13が左右に振れても、傾斜面
部35bが曲がることによりある程度の振れまでは許容
し、限度以上振れると、その力がフレーム本体10に伝
達されるようになっている。
【0026】走行中における路面の状態により履帯9が
左右にずれようとした場合に、取付ブラケット13が振
れることになる。この取付ブラケット13の振れ方向は
遊動輪8から離間する方向、即ち外方であり、内向き方
向の振れが生じることはない。ここで、取付ブラケット
13には平行な2箇所のボックス構造部が形成されてい
る関係から、直接取付ブラケット13に変形等が生じる
ことはない。しかしながら、この取付ブラケット13は
端板12に固着されており、この端板12は履帯張力調
整手段を挿通させるための開口12aを備えている。従
って、端板12を煽る方向に力が加わり、端板12がそ
の開口12a側端が持ち上げられるように変形する。し
かしながら、取付ブラケット13が振れようとすると、
その力はリブ33を介して補強用ブラケット35に伝達
される。補強用ブラケット35の先端はフレーム本体1
0に固着されているから、フレーム本体10に力が伝わ
ることになる。この結果、フレーム本体10が押圧され
る方向に変形しようとするが、この部位には隔壁11が
設けられているから、この隔壁11によりフレーム本体
10の保形性が良好となっているからこの方向に変形す
ることはない。要するに、補強用ブラケット35は、極
めて高い強度を有する隔壁11の板面の方向に向けての
力に変換して受承させるものであり、これにより取付ブ
ラケット13の振れに起因して生じる端板12の煽りが
抑制される。
【0027】ところで、この端板12の煽りをできるだ
け抑制するには、補強用ブラケット35のフレーム本体
10への接合部の面積が大きい方が好ましい。しかしな
がら、取付ブラケット13の微小な振れまで防止するよ
うに剛構造とすると、かえってフレーム本体10の補強
用ブラケット35の固着部に集中的な荷重が作用する結
果、金属疲労を生じさせることになる。そこで、補強用
ブラケット35の傾斜面部35bをある程度の変形を可
能にすることにより端板煽り防止部32を柔構造とな
し、走行ユニット1R,1Lの走行中に繰り返し頻繁に
生じる微小変形を許すようになり、端板12が許容限度
を越える程度にまで大きく煽られようとした時に、補強
用ブラケット35からフレーム本体10の隔壁11を設
けた部位に力が作用して、この振れを抑制する。この結
果、フレーム本体10に無理な力が作用して亀裂等が発
生するおそれはない。
【0028】以上のように、取付ブラケット13からフ
レーム本体10にかけて変形抑制手段30を装着するこ
とによって、端板12が煽られることに起因する取付ブ
ラケット13と端板12との間の溶接部の損傷、端板1
2の亀裂の発生を有効に抑制できるようになる。また、
取付ブラケット13における挾持板体13b,13c間
の部位における反りに起因する挾持板体13b,13c
の溶接部の損傷、本体板13aの亀裂の発生も抑制され
る。この結果、トラックフレーム6全体の強度が向上す
ることになり、その長寿命化が図られる。また、このよ
うに取付ブラケット13の強度向上が図られることか
ら、軟弱地等の走行に至便なように、履帯9の幅方向の
寸法を大きくすることも可能になる。
【0029】なお、端板12及び取付ブラケット13の
本体板13aの強度等によっては、変形抑制手段として
は、取付ブラケット反り抑制部31または端板煽り抑制
部32のいずれか一方のみを備えておれば良い場合があ
る。取付ブラケット反り抑制部31のみを備えさせる場
合には、補強ブラケット35を設ける必要はない。一
方、端板煽り抑制部32だけを設ける場合には、補強用
ブラケット35を設ける必要はあるが、この補強用ブラ
ケット35のみでは端板12の煽りを抑制することはで
きない。従って、取付ブラケット13から補強用ブラケ
ット35に力を伝達させるために、例えばリブ33に相
当する板体やブロック等を本体板13aに沿うように設
ける必要がある。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、遊動輪
から取付ブラケットを変形させようとする方向の力が作
用した時に、その変形を抑制する変形抑制手段を固着し
て設ける構成としたので、簡単な構成により、フレーム
を格別重量化させることなく、その強度の向上を図るこ
とができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】変形抑制手段の外観図である。
【図2】変形抑制手段を装着したフレーム本体10の遊
動輪8への接続部分の平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図2の右側面図である。
【図5】クローラ式車両の一例としての油圧ショベルの
外観図である。
【図6】従来技術によるフレーム本体10の遊動輪8へ
の接続部分の側面図である。
【図7】図6の右側面図である。
【図8】履帯張力調整手段の構成を示す断面図である。
【図9】遊動輪から取付ブラケットに伝達される力で端
板が煽られるように変形した状態を示す説明図である。
【図10】遊動輪から取付ブラケットに伝達される力で
この取付ブラケットが反るように変形した状態を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 1R,1L
走行ユニット 6 トラックフレーム 7 駆動輪 8 遊動輪 9 履帯 10 フレーム本体 11 隔壁 12 端板 13 取付ブ
ラケット 13a 本体板 13b,13
c 挾持板体 14 軸 15 ヨーク 16 ピストン 21 ばね 30 変形抑制手段 31 取付ブ
ラケット反り抑制部 32 端板煽り抑制部 33 リブ 34 ウエブ 35 補強用
ブラケット 35a 当接壁部 35b 傾斜
面部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム本体の一側に駆動輪が設けら
    れ、他側の端部には端板が固着して設けられ、この端板
    から左右一対の取付ブラケットを延在させて遊動輪の軸
    部の両端を支承させるようになし、これら駆動輪と遊動
    輪との間に履帯を巻回して設けたクローラ式車両のフレ
    ーム構造において、少なくとも前記取付ブラケットの前
    記遊動輪の支承部とは反対側の面に、この遊動輪の回転
    中に取付ブラケットを変形させようとする所定の方向の
    力が作用した時に、その変形を抑制する変形抑制手段を
    固着して設ける構成としたことを特徴とするクローラ式
    車両のフレーム構造。
  2. 【請求項2】 前記取付ブラケットは、本体板と、この
    本体板の上下の部位に前記フレーム本体の延長線方向に
    ボックス構造部を形成する挾持板体を固着して設ける構
    成とし、これら両挾持板体間を前記遊動輪の支承部とな
    し、前記変形抑制手段は、前記本体板におけるこれら両
    挾持板体で形成した上下のボックス構造部の間の部位が
    反るように変形するのを抑制するものであることを特徴
    とする請求項1記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  3. 【請求項3】 前記変形抑制手段は、前記取付ブラケッ
    トの本体板における前記挾持板体の固着部にほぼ沿うよ
    うに固着して設けた上下の板体と、これら上下の板体間
    に架設した1または複数枚の架橋板とから構成したこと
    を特徴とする請求項2記載のクローラ式車両のフレーム
    構造。
  4. 【請求項4】 前記架橋板は、前記取付ブラケットの前
    記端板への連結部と、前記軸の装着位置との間に配置す
    る構成としたことを特徴とする請求項3記載のクローラ
    式車両のフレーム構造。
  5. 【請求項5】 前記フレーム本体には前記端板への連結
    部から所定距離だけ離間させた位置に隔壁を固着して設
    け、前記遊動輪をこれら隔壁及び端板を貫通して延在さ
    せた履帯張力調整手段により前後方向に位置調整可能な
    構成となし、前記変形抑制手段は、前記取付ブラケット
    の前記端板への連結部に作用する力によりこの端板が煽
    られるように変形するのを抑制するものであることを特
    徴とする請求項1記載のクローラ式車両のフレーム構
    造。
  6. 【請求項6】 前記変形抑制手段は、前記取付ブラケッ
    ト側に設けた荷重伝達部材と、この荷重伝達部材に連結
    されて、この取付ブラケットによる前記端板の煽り方向
    の荷重を前記隔壁の板面と略平行な方向への押動力に変
    換する荷重方向変換部材とから構成したことを特徴とす
    る請求項5記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  7. 【請求項7】 前記荷重方向変換部材は、前記荷重伝達
    部材に固着される当接壁部と、この当接壁部から曲成さ
    れて、前記フレーム本体の側面と非接触状態で延在させ
    た傾斜面部とから構成され、この傾斜面部の先端がこの
    フレーム本体の前記隔壁の固着部またはその近傍に接合
    固着した弾性板体で構成したことを特徴とする請求項6
    記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  8. 【請求項8】 前記荷重伝達部材は、前記取付ブラケッ
    トの上下方向の中間位置に固着して設けた伝達板体で構
    成し、前記荷重方向変換部材の当接壁部はこの伝達板体
    に固着する構成としたことを特徴とする請求項7記載の
    クローラ式車両のフレーム構造。
  9. 【請求項9】 前記荷重伝達部材と前記荷重方向変換部
    材との接合部は、ほぼ前記端板の連結位置であることを
    特徴とする請求項6記載のクローラ式車両のフレーム構
    造。
  10. 【請求項10】 フレーム本体の一側に駆動輪が設けら
    れ、他側の端部近傍に隔壁を固着して設けると共に、そ
    の端部には端板が固着して設けられ、この端板に連結固
    着され、本体板と、この本体板の上下の部位にフレーム
    本体の延長線方向にボックス構造部を形成する挾持板体
    を固着して設けた左右一対からなる取付ブラケットに遊
    動輪の軸部の両端を支承させるようになし、これら遊動
    輪と駆動輪との間に履帯を巻回して設けると共に、この
    履帯の張力を調整するために、前記端板及び隔壁を貫通
    して延在させた履帯張力調整手段を装着したクローラ式
    車両のフレーム構造において、前記取付ブラケットの本
    体板における前記挾持板体の固着部にほぼ沿うように固
    着して設けた上下の板体と、これら上下の板体間に架設
    した少なくとも1枚の架橋板とから構成した取付ブラケ
    ット反り抑制部と、この上下の板体の端部に固着された
    当接壁部と、この当接壁部から曲成されて、前記フレー
    ム本体の側面と非接触状態で延在させて、先端がこのフ
    レーム本体の前記隔壁の固着部の位置に接合固着した弾
    性板体からなる端板煽り抑制部とを備える構成としたこ
    とを特徴とするクローラ式車両のフレーム構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010036698A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Kobelco Contstruction Machinery Ltd クローラフレーム、これを備えた建設機械及びクローラフレームの製造方法
JP2010215168A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Hitachi Constr Mach Co Ltd クローラ式車両の遊動輪支持構造

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