JP3755250B2 - クローラ式車両のフレーム構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等のクローラ式車両におけるフレーム構造、特に下部走行体におけるトラックフレームの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クローラ式車両の一例として、図5に示した油圧ショベルがある。この油圧ショベルは、下部走行体1と、上部旋回体2とから構成され、上部旋回体2にはフロント作業機構3,運転室4及び機械室5等が設けられている。下部走行体1は、左右一対の走行ユニット1R,1Lを備えており、これら走行ユニット1R,1Lは、トラックフレーム6の両端に設けた駆動輪7,遊動輪8と、これら駆動輪7及び遊動輪8間に巻回して設けた履帯9とから構成される。
【0003】
図6にトラックフレーム6における遊動輪8の装着部の構成を示し、図7に図6の右側面を示す。これらの図から明らかなように、トラックフレーム6は略コ字状に曲成された板体からなり、その開口側を下方に向けた状態にして設けたフレーム本体10を有し、このフレーム本体10の端部近傍には、保形用の隔壁11が固着して設けられており、また端部は端板12に溶接手段により接合固着されている。端板12には、このフレーム本体10の軸線方向の延長線方向に向けて左右一対からなる取付ブラケット13,13が延在されている。ここで、左右の取付ブラケットは全く同じ構成のもので形成することができるが、図示したように、左右で多少形状が異なるように構成することもできる。ただし、形状が異なっているにしても、機能的には実質的に等しいものであるから、左右の取付ブラケットについては同じ符号13を用いている。
【0004】
取付ブラケット13は、上下の部位が外向きに所定角度曲成された本体板13aを有し、この本体板13aの内側には、略L字状に形成した挾持板体13b,13cがフレーム本体10の延長線方向に向けた平行な水平面を有する状態に突き当てられて、その接合ラインに沿って溶接手段で固着される。これによって、挾持板体13b,13c間に遊動輪8の左右に延在させた軸14の両端が支承される。そして、本体板13aと挾持板体13b及び挾持板体13cとで先端側が開口する2つのボックス構造部が形成され、これら2つのボックス構造部はフレーム本体10の延長線方向に突出している。また、軸14が設けられる上下のボックス構造部の間の位置には本体板13aのみが位置している。
【0005】
遊動輪8は挾持板体13b,13c間で前後方向に移動可能となっており、これによって履帯9の張力を調整できるようになる。この履帯9の張力調整を行うために、図8に示した履帯張力調整手段を備えている。即ち、遊動輪8の軸14はヨーク15に回転自在に連結されており、このヨーク15はピストン16に連設されて、このピストン16は内部にグリース等の粘性流体を封入したシリンダ17に挿嵌されている。シリンダ17にはばね受け18が設けられており、またシリンダ17にはロッド19が連結されている。このロッド19の他端にもばね受け20が装着されており、両ばね受け18,20間にはピストン16をシリンダ17から突出する方向に付勢するばね21が弾装されている。これによって、履帯9は適度な張りを持ち、かつ履帯9が障害物に衝突すると、ばね21を圧縮することにより緩衝作用を発揮する。このように構成される履帯張力調整手段は、フレーム本体10の内部から、隔壁11及び端板12を貫通して延び、ヨーク15は取付ブラケット13の挾持板体13b,13c間に挾持されて、これら挾持板体13b,13cに沿って前後方向に移動可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、油圧ショベル等は悪路を走行するものであり、しかも履帯9はかなり大きな寸法の幅を持ったものである。従って、車両の走行中に路面の凹凸により履帯9が頻繁に浮き上がったり、傾いたり、左右方向にずれたりすることになる。遊動輪8は履帯9に対して転動することから、この履帯9の傾きやずれにより遊動輪8には様々な方向の力、即ち、図6の矢印Fで示した方向や、図7にMで示した方向に力が作用する。遊動輪8はその左右に位置する取付ブラケット13に支承されているから、遊動輪8に矢印Fの方向に力が作用すると、取付ブラケット13を外向きに変形させる方向の荷重F1 が作用する。また、矢印M方向の力が作用すると、取付ブラケット13には一方側の挾持板体13bを押し上げ、他方側の挾持板体13cを押し下げる方向、即ち矢印M1 及びM2 方向の荷重が作用する。
【0007】
ここで、取付ブラケット13は本体板13aと上下の挾持板体13b,13cとで2つのボックス構造部が形成されており、このボックス構造部の強度は極めて高い。しかしながら、本体板13aにおける両挾持板体13b,13c間の部位は本体板13aからなる1枚の板体が位置するだけであり、かつ取付ブラケット13が連結固着されている端板12には履帯張力調整手段を挿通させる関係から、開口12aが形成されており、ボックス構造部はこの開口12aの近傍に位置している。従って、取付ブラケット13における上下のボックス構造部の間の部位と、取付ブラケット13が固着されている端板12の強度は、ボックス構造部よりかなり低いものとなる。
【0008】
以上のことから、図6の矢印F1 方向に荷重が作用すると、取付ブラケット13の端板12への固着部に作用して、その応力によって端板12がその開口12a側の端部が持ち上げられるように変形して、図9に仮想線で示したように、端板12が煽られる方向に曲げられることになる。一方、遊動輪8に図7のM方向のモーメントが働くと、取付ブラケット13には矢印M1 方向及び矢印M2 方向の荷重が作用する。従って、取付ブラケット13における本体板13aの挾持板体13b,13cとでボックス構造部の間における本体板13aのみが位置する部位が、図10に示したように、この部位が反る方向に変形する。ここで、端板12が煽られるというのは、端板12がそのフレーム本体10への溶接部から折り曲げるように変形することを意味し、また本体板13aが反るというのは、本体板13aのボックス構造部の間の部位が湾曲形状に変形することを言う。即ち、クローラ式走行体1による車両の走行時に、路面の状態により遊動輪8の装着部に作用する力で最も大きく変形する可能性があるのは、以上の部位である。
【0009】
しかも、端板12の煽り方向の変形や取付ブラケット13の反り方向への変形は、履帯9の幅が広くなればなる程大きくなる。例えば、軟弱地等で作業する油圧ショベル等にあっては、円滑な走行を可能にするために履帯9の幅を大きくするが、そうすると前述した変形させる力が極めて高くなる。この結果、端板12が反ることによって、取付ブラケット13と端板12との間の溶接部が損傷したり、端板12に開口12aの端部側から亀裂が入ったり、また取付ブラケット13における挾持板体13b,13c間の部位における反りの発生によって、挾持板体13b,13cの溶接部が損傷したり、本体板13aに亀裂が生じる等の不都合を生じる。
【0010】
ここで、端板12及び取付ブラケット13の本体板13aの強度を向上させれば、前述した応力が極端に集中するのを防止できるようになる。ただし、この強度向上を図るには、端板12の厚みを増したり、取付ブラケット13の本体板13a、特に挾持板体13b,13c間の部位における厚みを大きくする必要があり、しかも前述した方向の変形に耐えるだけの強度を持たせるには、肉厚を極めて大きくする必要がある。そうすると、フレームの重量が極めて大きくなる等といった問題点が生じることになる。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡単な構成により、フレームを格別重量化させることなく、その強度の向上を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、フレーム本体の一側に駆動輪が設けられ、他側の端部には端板が固着して設けられ、この端板から左右一対の取付ブラケットを延在させて遊動輪の軸部の両端を支承させるようになし、これら駆動輪と遊動輪との間に履帯を巻回して設けたクローラ式車両のフレーム構造であって、少なくとも前記取付ブラケットの前記遊動輪の支承部とは反対側の面に、この遊動輪の回転中に取付ブラケットを変形させようとする所定の方向の力が作用した時に、その変形を抑制する変形抑制手段を固着して設ける構成としたことをその特徴とするものである。
【0013】
既に説明したように、走行中において遊動輪から取付ブラケットに伝達される力に基づいて、端板への連結固着部分が煽られる方向に変形し、また取付ブラケットには反り方向に変形させることになる。従って、これらのうちの少なくともいずれか一方の変形を抑制すれば、フレームの強度が向上する。そこで、変形抑制手段としては、取付ブラケットの反り防止機能または端板の煽り防止機能の少なくとも一方の機能を持たせるようにする。
【0014】
取付ブラケットを、本体板と、この本体板の上下の部位にフレーム本体の延長線方向にボックス構造部を形成する挾持板体を固着して設ける構成とした場合において、変形抑制手段としては、本体板の反り防止機能を発揮するものとして構成することができる。具体的には、取付ブラケットの本体板における挾持板体の固着部にほぼ沿うように固着して設けた上下の板体と、これら上下の板体間に架設した1または複数枚の架橋板とから構成される。
【0015】
履帯の張力を調整するために、履帯張力調整手段が設けられるが、この張力調整手段を装着するために、フレーム本体に固着した端板には開口を形成して張力調整手段を挿通させる。また、フレーム本体にはこの端板から所定距離離間させた位置に隔壁を固着して設けるが、張力調整手段はこの隔壁をも貫通させるように構成する。このような構成において、変形抑制手段としては、端板が煽る方向に変形するのを抑制する機能を発揮させるようにすることができる。このためには、取付ブラケット側に設けた荷重伝達部材と、この荷重伝達部材に連結されて、この取付ブラケットによる端板の煽り方向の荷重を隔壁に対する板面とほぼ平行な方向への押動力に変換する荷重方向変換部材とから構成する。荷重方向変換部材としては、荷重伝達部材に固着される当接壁部と、この当接壁部から曲成させた傾斜面部とからなる弾性板体で構成し、傾斜面部はフレーム本体の側面と非接触状態で延在させて、この弾性板体の先端をこのフレーム本体における隔壁の固着部またはその近傍に接合固着する構成となし、また荷重伝達部材は取付ブラケットの上下方向のほぼ中間位置に固着して設けた伝達板体で構成し、前記荷重方向変換部材の当接壁部はこの伝達板体に固着する構成とすれば良い。
【0016】
変形抑制手段としては、取付ブラケットの反り防止機能と端板の煽り防止機能との双方の機能を発揮させる構成とするのが最も好ましい。このためには、フレーム本体の一側に駆動輪が設けられ、他側の端部近傍に隔壁を固着して設けると共に、その端部には端板が固着して設けられ、この端板に連結固着されて、本体板と、この本体板の上下の部位にフレーム本体の延長線方向にボックス構造部を形成する挾持板体を固着して設けた左右一対からなる取付ブラケットに遊動輪の軸部の両端を支承させるようになし、これら駆動輪と遊動輪との間に履帯を巻回して設けると共に、この履帯の張力を調整するために、前記端板及び隔壁を貫通して延在させた履帯張力調整手段を装着したものであって、前記取付ブラケットの本体板における前記挾持板体の固着部にほぼ沿うように固着して設けた上下の板体と、これら上下の板体間に架設した1または複数枚の架橋板とから構成した取付ブラケット反り抑制部と、この上下の板体の端部に固着された当接壁部と、この当接壁部から曲成されて、前記フレーム本体の側面と非接触状態で延在させて、先端がこのフレーム本体の前記隔壁の固着部の位置に接合固着した弾性板体からなる端板煽り抑制部とを備える構成とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、クローラ式車両の全体構成及びその下部走行体を構成する走行ユニットの基本構成については、前述した従来技術のものと格別の差異はないので、以下の説明においては、従来技術で説明したと同一または均等な部材については、それと同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0018】
而して、図1に変形抑制手段の外観を示し、図2及び図3にこの変形抑制手段を装着したフレーム本体10の遊動輪8への接続部分を、また図4には、図2の右側面をそれぞれ示す。
【0019】
まず、図1に示したように、変形抑制手段30は、取付ブラケット13の反りを抑制する取付ブラケット反り抑制部31と、端板12の煽りを抑制する端板煽り抑制部32とから構成される。そして、取付ブラケット反り抑制部31は、端板煽り抑制部32の伝達部材としても機能する。
【0020】
取付ブラケット反り抑制部31としては、上下に位置する鋼板等からなる板体であるリブ33,33と、両リブ33,33間を架橋するように設けられ、鋼板等で形成した架橋板としてのウエブ34とから構成される。このウエブ34の両端は上下のリブ33に溶接手段で固着されている。また、端板煽り抑制部32を構成する荷重方向変換部材は、弾性を有する金属板を曲成した補強用ブラケット35を備え、またリブ33が荷重伝達部材として機能する。
【0021】
取付ブラケット反り抑制部31におけるリブ33は、その一端側が端部に向かうに応じて連続的に細くなる傾斜部33aと均一な幅を有する本体部33bとから構成され、また本体部33bの端部には端板12を乗り越えるための切り欠き33cが形成されている。ウエブ34はリブ33の本体部33bとほぼ同じ幅を有するものであって、このウエブ34の上下のリブ33,33への溶接部は本体部33bの部位となっている。また、端板煽り抑制部32における補強用ブラケット35は、鉛直方向に立ち上がる当接壁部35aを有し、この当接壁部35aから曲成して斜め下方に延在させた傾斜面部35bとから構成される。
【0022】
上下のリブ33,33とその間に架設したウエブ34とからなる取付ブラケット反り抑制部31は、両取付ブラケット13の外面、即ち遊動輪8に対向する面とは反対側の面に溶接により固着されている。ここで、上下の挾持板体13b,13cの端部が本体板13aに溶接により固着されて、ヨーク15の上下の部位を挾持するようになっているが、リブ33は、取付ブラケット13の本体板13aに突き当てられて溶接により固着されており、しかもこの溶接ラインは本体板13aの挾持板体13b,13cの突き当て溶接部にほぼ対向するように配置される。ただし、リブ33はその全長にわたって溶接する必要はなく、傾斜部33aの途中位置まで溶接するのが好ましい。また、ウエブ34の本体板13aへの当接部も溶接により固着される。ここで、ウエブ34の位置は必ずしも限定されないが、取付ブラケット13への遊動輪8の支承位置より端板12側の位置が好ましい。
【0023】
このように、上下のリブ33,33とその間を架設するウエブ34とをフレーム本体10から前方に突出する状態に設けた両取付ブラケット13の外側面に立設して固着することによって、走行ユニット1R,1Lが凹凸のある走行条件の悪い路面を走行中に、遊動輪8に図7に示したM方向の力の作用により取付ブラケット13に矢印M1 方向及び矢印M2 方向の荷重に基づいて生じる取付ブラケット13の変形を抑制できる。即ち、取付ブラケット13には、その本体板13aの挾持板体13b,13cとで形成したボックス構造部の間における本体板13aのみが位置する部位が反る方向に変位しようとする。このように、本体板13aが反る方向に変形しようとすると、上下のリブ33,33の間隔が狭くなる方向に変位することになる。しかしながら、このリブ33,33間の間隔にはウエブ34が架設されているから、ウエブ34に対して板面と平行な方向に力が及んで、このウエブ34を圧縮させようとする。ウエブ34は、比較的肉厚を薄くしても、この方向には十分な強度を持っているから、本体板13aの反りが防止される。
【0024】
ところで、取付ブラケット13の本体板13aを反らそうとする力は遊動輪8の取付部に作用することから、遊動輪8の支承位置にウエブ34を位置させると、この反りはほぼ完全に抑制できる。ただし、そうすると取付ブラケット13の本体板13aの微小な変形をも抑制する剛構造となってしまうから、比較的薄い板体からなる本体板13aに繰り返し過大な荷重が作用して、かえって亀裂を生じるおそれがある。このために、ウエブ34を遊動輪8の支承位置から離すようになし、本体板13aの微小な動きを許容し、本体板13aが許容限度を越えて反るように変形しようとする場合に、その変形を抑制できる柔構造とする。これによって、取付ブラケット13はさらに強度が向上する。また、取付ブラケット13は基端側が端板12に溶接手段で固着され、かつ先端側が自由端となっているから、反りの規制が必要なのは基端側の方であり、従ってウエブ34の位置は遊動輪8の支承位置と端板12への連結位置との間としている。そこで、ウエブ34の位置をどの程度遊動輪8から離すかについては、取付ブラケット反り抑制手段31の強度や、取付ブラケット13の材質や強度、さらに挾持板体13b,13cの突き当て部間の間隔等に応じて適宜設定すれば良い。
【0025】
次に、端板煽り抑制部32における補強用ブラケット35は、その当接壁部35aがリブ33,33の端面に溶接されており、この溶接位置は端板12の配設位置近傍とする。そして、当接壁部35aから曲成された傾斜面部35bの端面がフレーム本体10の外面に溶接で固着されるが、この溶接位置はフレーム本体10における隔壁11を固着した部位にほぼ対向する位置とする。また、傾斜面部35bはこの溶接位置まではフレーム本体10とは非接触状態に保持されている。このように、取付ブラケット13の本体板13aに立設したリブ33の端部で曲成して、フレーム本体10とは非接触状態にしてその隔壁11の固着位置まで延在させているので、取付ブラケット13が左右に振れても、傾斜面部35bが曲がることによりある程度の振れまでは許容し、限度以上振れると、その力がフレーム本体10に伝達されるようになっている。
【0026】
走行中における路面の状態により履帯9が左右にずれようとした場合に、取付ブラケット13が振れることになる。この取付ブラケット13の振れ方向は遊動輪8から離間する方向、即ち外方であり、内向き方向の振れが生じることはない。ここで、取付ブラケット13には平行な2箇所のボックス構造部が形成されている関係から、直接取付ブラケット13に変形等が生じることはない。しかしながら、この取付ブラケット13は端板12に固着されており、この端板12は履帯張力調整手段を挿通させるための開口12aを備えている。従って、端板12を煽る方向に力が加わり、端板12がその開口12a側端が持ち上げられるように変形する。しかしながら、取付ブラケット13が振れようとすると、その力はリブ33を介して補強用ブラケット35に伝達される。補強用ブラケット35の先端はフレーム本体10に固着されているから、フレーム本体10に力が伝わることになる。この結果、フレーム本体10が押圧される方向に変形しようとするが、この部位には隔壁11が設けられているから、この隔壁11によりフレーム本体10の保形性が良好となっているからこの方向に変形することはない。要するに、補強用ブラケット35は、極めて高い強度を有する隔壁11の板面の方向に向けての力に変換して受承させるものであり、これにより取付ブラケット13の振れに起因して生じる端板12の煽りが抑制される。
【0027】
ところで、この端板12の煽りをできるだけ抑制するには、補強用ブラケット35のフレーム本体10への接合部の面積が大きい方が好ましい。しかしながら、取付ブラケット13の微小な振れまで防止するように剛構造とすると、かえってフレーム本体10の補強用ブラケット35の固着部に集中的な荷重が作用する結果、金属疲労を生じさせることになる。そこで、補強用ブラケット35の傾斜面部35bをある程度の変形を可能にすることにより端板煽り防止部32を柔構造となし、走行ユニット1R,1Lの走行中に繰り返し頻繁に生じる微小変形を許すようになり、端板12が許容限度を越える程度にまで大きく煽られようとした時に、補強用ブラケット35からフレーム本体10の隔壁11を設けた部位に力が作用して、この振れを抑制する。この結果、フレーム本体10に無理な力が作用して亀裂等が発生するおそれはない。
【0028】
以上のように、取付ブラケット13からフレーム本体10にかけて変形抑制手段30を装着することによって、端板12が煽られることに起因する取付ブラケット13と端板12との間の溶接部の損傷、端板12の亀裂の発生を有効に抑制できるようになる。また、取付ブラケット13における挾持板体13b,13c間の部位における反りに起因する挾持板体13b,13cの溶接部の損傷、本体板13aの亀裂の発生も抑制される。この結果、トラックフレーム6全体の強度が向上することになり、その長寿命化が図られる。また、このように取付ブラケット13の強度向上が図られることから、軟弱地等の走行に至便なように、履帯9の幅方向の寸法を大きくすることも可能になる。
【0029】
なお、端板12及び取付ブラケット13の本体板13aの強度等によっては、変形抑制手段としては、取付ブラケット反り抑制部31または端板煽り抑制部32のいずれか一方のみを備えておれば良い場合がある。取付ブラケット反り抑制部31のみを備えさせる場合には、補強ブラケット35を設ける必要はない。一方、端板煽り抑制部32だけを設ける場合には、補強用ブラケット35を設ける必要はあるが、この補強用ブラケット35のみでは端板12の煽りを抑制することはできない。従って、取付ブラケット13から補強用ブラケット35に力を伝達させるために、例えばリブ33に相当する板体やブロック等を本体板13aに沿うように設ける必要がある。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、遊動輪から取付ブラケットを変形させようとする方向の力が作用した時に、その変形を抑制する変形抑制手段を固着して設ける構成としたので、簡単な構成により、フレームを格別重量化させることなく、その強度の向上を図ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】変形抑制手段の外観図である。
【図2】変形抑制手段を装着したフレーム本体10の遊動輪8への接続部分の平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図2の右側面図である。
【図5】クローラ式車両の一例としての油圧ショベルの外観図である。
【図6】従来技術によるフレーム本体10の遊動輪8への接続部分の側面図である。
【図7】図6の右側面図である。
【図8】履帯張力調整手段の構成を示す断面図である。
【図9】遊動輪から取付ブラケットに伝達される力で端板が煽られるように変形した状態を示す説明図である。
【図10】遊動輪から取付ブラケットに伝達される力でこの取付ブラケットが反るように変形した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 1R,1L 走行ユニット
6 トラックフレーム 7 駆動輪
8 遊動輪 9 履帯
10 フレーム本体 11 隔壁
12 端板 13 取付ブラケット
13a 本体板 13b,13c 挾持板体
14 軸 15 ヨーク
16 ピストン 21 ばね
30 変形抑制手段 31 取付ブラケット反り抑制部
32 端板煽り抑制部 33 リブ
34 ウエブ 35 補強用ブラケット
35a 当接壁部 35b 傾斜面部

Claims (10)

  1. フレーム本体の一側に駆動輪が設けられ、他側の端部には端板が固着して設けられ、この端板から左右一対の取付ブラケットを延在させて遊動輪の軸部の両端を支承させるようになし、これら駆動輪と遊動輪との間に履帯を巻回して設けたクローラ式車両のフレーム構造において、少なくとも前記取付ブラケットの前記遊動輪の支承部とは反対側の面に、この遊動輪の回転中に取付ブラケットを変形させようとする所定の方向の力が作用した時に、その変形を抑制する変形抑制手段を固着して設ける構成としたことを特徴とするクローラ式車両のフレーム構造。
  2. 前記取付ブラケットは、本体板と、この本体板の上下の部位に前記フレーム本体の延長線方向にボックス構造部を形成する挾持板体を固着して設ける構成とし、これら両挾持板体間を前記遊動輪の支承部となし、前記変形抑制手段は、前記本体板におけるこれら両挾持板体で形成した上下のボックス構造部の間の部位が反るように変形するのを抑制するものであることを特徴とする請求項1記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  3. 前記変形抑制手段は、前記取付ブラケットの本体板における前記挾持板体の固着部にほぼ沿うように固着して設けた上下の板体と、これら上下の板体間に架設した1または複数枚の架橋板とから構成したことを特徴とする請求項2記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  4. 前記架橋板は、前記取付ブラケットの前記端板への連結部と、前記軸の装着位置との間に配置する構成としたことを特徴とする請求項3記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  5. 前記フレーム本体には前記端板への連結部から所定距離だけ離間させた位置に隔壁を固着して設け、前記遊動輪をこれら隔壁及び端板を貫通して延在させた履帯張力調整手段により前後方向に位置調整可能な構成となし、前記変形抑制手段は、前記取付ブラケットの前記端板への連結部に作用する力によりこの端板が煽られるように変形するのを抑制するものであることを特徴とする請求項1記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  6. 前記変形抑制手段は、前記取付ブラケット側に設けた荷重伝達部材と、この荷重伝達部材に連結されて、この取付ブラケットによる前記端板の煽り方向の荷重を前記隔壁の板面と略平行な方向への押動力に変換する荷重方向変換部材とから構成したことを特徴とする請求項5記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  7. 前記荷重方向変換部材は、前記荷重伝達部材に固着される当接壁部と、この当接壁部から曲成されて、前記フレーム本体の側面と非接触状態で延在させた傾斜面部とから構成され、この傾斜面部の先端がこのフレーム本体の前記隔壁の固着部またはその近傍に接合固着した弾性板体で構成したことを特徴とする請求項6記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  8. 前記荷重伝達部材は、前記取付ブラケットの上下方向の中間位置に固着して設けた伝達板体で構成し、前記荷重方向変換部材の当接壁部はこの伝達板体に固着する構成としたことを特徴とする請求項7記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  9. 前記荷重伝達部材と前記荷重方向変換部材との接合部は、ほぼ前記端板の連結位置であることを特徴とする請求項6記載のクローラ式車両のフレーム構造。
  10. フレーム本体の一側に駆動輪が設けられ、他側の端部近傍に隔壁を固着して設けると共に、その端部には端板が固着して設けられ、この端板に連結固着され、本体板と、この本体板の上下の部位にフレーム本体の延長線方向にボックス構造部を形成する挾持板体を固着して設けた左右一対からなる取付ブラケットに遊動輪の軸部の両端を支承させるようになし、これら遊動輪と駆動輪との間に履帯を巻回して設けると共に、この履帯の張力を調整するために、前記端板及び隔壁を貫通して延在させた履帯張力調整手段を装着したクローラ式車両のフレーム構造において、前記取付ブラケットの本体板における前記挾持板体の固着部にほぼ沿うように固着して設けた上下の板体と、これら上下の板体間に架設した少なくとも1枚の架橋板とから構成した取付ブラケット反り抑制部と、この上下の板体の端部に固着された当接壁部と、この当接壁部から曲成されて、前記フレーム本体の側面と非接触状態で延在させて、先端がこのフレーム本体の前記隔壁の固着部の位置に接合固着した弾性板体からなる端板煽り抑制部とを備える構成としたことを特徴とするクローラ式車両のフレーム構造。
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