JPS6339150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車用樹脂製バンパの取付け構造に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、衝突による衝撃を吸収するために、鋼板
製バンパの場合にはこれを車体に対してダンパを
介して支持したものが提案されている。しかし、
このような衝撃吸収バンパは製作費が高く、かつ
車体重量の増加にも影響するのであまり普及をみ
ていない。

これに対して、樹脂製バンパは軽量でありなが
ら障害物との衝突に対してバンパ自体の弾性変形
によるかなりの衝撃吸収能を有するばかりでな
く、相手材の擦傷をも軽減し得る効果がある。し
かし、第１図に示すような樹脂製バンパ３に鋼板
からなる補強部材４が設けられ、この補強部材４
がバツクバー１５を介して車体に固定される場合
には、十分な衝撃吸収能を発揮できない。

そこで、補強板をなくし樹脂製バンパを直接車
体から突出するバツクバーに固定するようにした
ものも提案されている。しかし、この場合は樹脂
製バンパの中央部などに局部的な衝撃荷重が作用
すると樹脂製バンパが曲げられ、バツクバーとの
固定支持部分で樹脂製バンパの取付リブが裂け、
あるいは樹脂製バンパが外れてしまう恐れがあ
る。

このようなバツクバーとの取付部分に対する過
大な荷重を緩和するために、例えば実開昭56−
25641号公報に示されるように、バツクバーから
斜め方向に延出するサブステーを樹脂製バンパの
裏面に当接させたものが提案されているが、この
場合は局部的荷重に対する樹脂製バンパの補強効
果、すなわち樹脂製バンパの支持点間のスパンを
短縮することによつて衝撃荷重に対する樹脂製バ
ンパの曲げ剛性を高めることができる半面、樹脂
製バンパの変形による衝撃吸収能が損われること
となる。

また、第３図に示すように、Ｙ字形のバツクバ
ーに樹脂製バンパ３を支持したものも提案されて
いるが、これも衝撃荷重に対する衝撃吸収能は前
述の例と同様であり、仮にバツクバー１５の板厚
を薄くすればバツクバー１５が衝撃荷重に対して
変形することとなり、このような場合はバツクバ
ー１５を交換しなければならず、使用者の経済的
負担を強いることになる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで、本考案の目的は衝撃荷重に対する吸収
能を損うことなく、車体側との支持点に加わるせ
ん断荷重を軽減し得る自動車用樹脂製バンパの取
付け構造を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の構成は樹
脂製バンパの内面に設けた上下１対の補強リブの
間に断面コ字形をなす鋼板製のステイフナを挾ん
で両端部を補強リブにボルトにより結合し、前記
ステイフナの中間部を車体から前後方向に突出す
るバツクバーに回動可能に軸支持したものであ
る。

〔作用〕

樹脂製バンパ１３に対する衝撃荷重は樹脂製バ
ンパ１３の曲げ変形を伴つて吸収され、ピン１２
を介してバツクバー１５で受け止められる。樹脂
製バンパ１３がピン１２によりバツクバー１５に
支持される部分は、ステイフナ１０により補強さ
れるので、樹脂製バンパ１３がピン１２の周りに
亀裂などの損傷を受けることがない。

〔考案の実施例〕

本考案を実施例に基づいて説明すると、第３、
４図に示すように、樹脂製バンパはこの内面に長
手方向に延びる上下１対の補強リブ１６を一体に
備えており、この補強リブ１６の間に断面コ字形
に折り曲げられた鋼板からなる左右１対のステイ
フナ１０を挾み、各ステイフナ１０の両端部をそ
れぞれボルト１４をもつて固定する。そして、ス
テイフナ１０の中央部に鋼板を断面コ字形に折り
曲げてなるバツクバー１５を挾み、かつステイフ
ナ１０に対してバツクバー１５を回動可能にピン
１２をもつて連結し、このバツクバー１５を車
体、具体的にはサイドメンバに固定するようにし
たものである。

ステイフナ１０は第５図に示すように、上下１
対のフランジ１７がそれぞれ補強リブ１０の相対
向する面に重合され、両端部をボルト１４および
ナツトをもつて固定される。そして、各フランジ
１７の中央部に互いに接近する方向に窪み１８が
設けられ、この窪み１８の間に断面コ字形をなす
バツクバー１５の上下１対のフランジが重合さ
れ、ピン１２、具体的にはボルトを挿通して回動
可能に支持される。窪み１８と補強リブ１６との
間の空部へピン１２が抜けるのを防止する頭部お
よび抜止めピンまたはナツトが収容される。

本考案は上述のように構成したので、樹脂製バ
ンパ１３の中央部に局部的な衝撃荷重が作用した
場合に樹脂製バンパ１３が曲げ荷重を受けるが、
バツクバー１５との支持部においては樹脂製バン
パ１３が曲げ方向に回動するので引張荷重を受
け、この引張荷重はピン１２を介してバツクバー
１５に支持される。しかも、ピン１２の支持部は
ステイフナ１０によつて補強されているので、こ
の支持部では樹脂製バンパ１３に割れが生じるの
を抑えることができる。

このようにして、樹脂製バンパ１３に加わる衝
撃荷重は樹脂製バンパ１３の撓みによつて吸収さ
れる。樹脂製バンパの両端部に衝撃荷重が生じた
場合にも状況はほぼ同様である。

これに対して、従来のように樹脂製バンパがバ
ツクバーに固定支持されている場合には、樹脂製
バンパの中央部または両端部に加わる衝撃荷重は
２点支持梁または片持ち梁の条件となり、樹脂製
バンパの変形量が抑えられ、かつバツクバーとの
固定支持部に生じる荷重が大きくなり、バツクバ
ーとの結合部分が破損する恐れがあつたのであ
る。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように、樹脂製バンパの内面に
設けた上下１対の補強リブの間に断面コ字形をな
す鋼板製のステイフナを挾んで両端部を補強リブ
にボルトにより結合し、前記ステイフナの中間部
を車体から前後方向に突出するバツクバーに回動
可能に軸支持したものであり、樹脂製バンパをバ
ツクバーに対して回動可能に軸支持したことによ
り、衝撃に対する樹脂製バンパの変形量が大きい
ので、衝撃エネルギを十分吸収することができ
る。ステイフナの構成および取付けが簡単である
から、安価に提供できるとともに、車体の軽量化
に役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の樹脂製バンパの取付け構造を分
解して示す斜視図、第２図は従来の他の樹脂製バ
ンパの取付け構造の平面断面図、第３図は本考案
に係る自動車用樹脂製バンパの取付け構造の平面
図、第４図は同側面断面図、第５図は正面断面図
である。 １０：ステイフナ、１２：ピン、１３：樹脂製
バンパ、１４：ボルト、１５：バツクバー、１
６：補強リブ、１７：フランジ、１８：窪み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樹脂製バンパの内面に設けた上下１対の補強リ
   ブの間に断面コ字形をなす鋼板製のステイフナを
   挾んで両端部を補強リブにボルトにより結合し、
   前記ステイフナの中間部を車体から前後方向に突
   出するバツクバーに回動可能に軸支持したことを
   特徴とする自動車用樹脂製バンパの取付け構造。