JPS6339147Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車用樹脂バンパに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来の鋼板バンパにおいて、衝突による衝撃を
吸収するためにバンパをダンパ装置を介して車体
に支持したものが提案されているが、これは構造
が複雑で、製作費が高く、かつ車体重量の増加を
来すのであまり普及をみていない。

これに対して、樹脂製バンパは軽量でありなが
ら、障害物との衝突に対してバンパ自体の弾性変
形により相当の衝撃吸収効果を発揮するばかりで
なく、相手材の擦傷をも軽減し得る効果がある。
しかし、第１図に示すような樹脂バンパ２の内面
に金属板からなる断面コ字形の補強部材３を結合
し、この補強部材３を車体側から突出されるバツ
クバー５の先端部にボルト４をもつて固定したも
のでは樹脂バンパとしての弾性変形が補強部材３
によつて損われ、十分な衝撃吸収効果を発揮でき
ない。

例えば、実開昭49−135937号、実開昭56−
42448号公報に開示されるように、樹脂バンパの
両端側を直接的にバツクバーに固定支持するよう
にしたものも提案されているが、この場合は樹脂
バンパの中央部に集中的に衝撃荷重が作用する
と、樹脂バンパが著しく折曲げられ、バツクバー
との固定支持部分で樹脂バンパが裂ける恐れがあ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案の目的は衝突荷重に対して衝撃吸収能力
を発揮し、過大な衝突荷重に対して樹脂バンパの
変形が抑えられて樹脂バンパの破壊が回避され、
衝撃荷重が車体側で効果的に受け止められる、自
動車用樹脂バンパを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案の構成は樹
脂製バンパ本体をこの内側で支持する左右１対の
鋼板製ステイフナを、車体から突出するバツクバ
ーに垂直軸により回動可能に支持し、左右１対の
ステイフナの間に樹脂製バンパ本体の長手方向に
延びる鋼板製補強部材を垂直軸により連結したも
のである。

〔作用〕

衝突による軽荷重に対しては、樹脂製バンパ本
体２がバツクバー５に対する垂直軸としての連結
ボルト４を中心として回動し、自由に変形して衝
撃を吸収する。この時、ステイフナ１５も連結ボ
ルト４を中心として回動し、樹脂製バンパ本体２
の変形を妨げない。一方、衝突による過大な荷重
に対しては、１対のステイフナ１５の間に連結さ
れた補強部材１３により樹脂製バンパ本体２の変
形が抑えられ、破損が防止される。

〔考案の実施例〕

本考案を実施例に基づいて説明すると、第２、
３図に示すように、樹脂バンパ２はこの内面に長
手方向に延びる上下１対の補強リブ６を一体に備
えている。この補強リブ６の両端側でかつ上下１
対の補強リブ６の間に、断面コ字形に折曲げられ
た鋼板からなるステイフナ１５がこの両端部をボ
ルト１７およびボルト１４によつて固定される。
そして、ステイフナ１５の中間部分にバツクバー
５の先端部が垂直方向のピン、具体的にはボルト
４をもつて相対回動可能に連結される。

左右１対のステイフナ１５の間に、樹脂バンパ
２とほぼ行に延びる補強部材１３の両端が前述し
たボルト１４をもつて相対回動可能に連結され
る。

第４図に示すように、断面コ字形をなすステイ
フナ１５は互いに平行をなす壁面にボルト穴１６
が設けられる一方、樹脂バンパ２は補強リブ６に
前記ボルト穴１６と合致する切欠２６が設けられ
る。図示の実施例では、ステイフナ１５の中間部
分に垂直ピン、具体的にはボルト４をもつてブラ
ケツト１９が連結され、このブラケツト１９がバ
ツクバー５の先端部に結合される。

補強部材１３も金属板を断面コ字形に折曲げて
構成され、この両端部で互いに平行をなす壁面に
ボルト１４を挿通する穴３６が設けられ、この穴
３６がステイフナ１５の穴１６および補強リブ６
の切欠２６と合致され、１本または上下２本のピ
ン、具体的にはボルト１４によつて連結される。
そして、好ましくは第２図に示すように、樹脂バ
ンパ２の垂直壁部２ａと補強部材１３との間に隙
間１８が設けられる。

本考案は上述のように、樹脂バンパ２とこの中
央部を補強する補強部材１３との間に隙間１８を
設けることによつて、樹脂バンパ２の中央部分に
衝突による衝撃荷重が作用した場合に、樹脂バン
パ２だけがまず変形し、衝撃荷重が小さいときに
はこの変形によつて衝撃荷重が吸収され、相手部
材の損傷を最小限に抑えることができる。このと
き、樹脂バンパ２は曲げ荷重を受け、樹脂バンパ
２の両端側が中央側へ引張られることとなるが、
このような荷重に対して樹脂バンパ２に固定され
たステイフナ１５がボルト１４を中心として回動
し、ボルト４を支点として樹脂バンパ２が引張方
向へ向き自由な変形を助ける。このようにして、
低速度での衝突による衝撃吸収は樹脂バンパ２の
変形とステイフナ１５による支持部の回動によつ
て有効に吸収されるので、前記支持部に無理な力
が作用しない。

樹脂バンパ２の中央部分に過大な衝撃荷重が作
用した場合には、樹脂バンパ２が変形して補強部
材１３に密接し隙間１８がなくなる。衝撃荷重は
補強部材１３に作用し、ステイフナ１５を経てバ
ツクバー５により受け止められる。このようにし
て、樹脂バンパ２の過大な変形による破壊が防止
される。

なお、上述の実施例では、補強部材１３に対し
てステイフナ１５が幾分傾いた状態でバツクバー
５に支持されているので、補強部材１３が衝撃荷
重によつて押し戻されると、左右のステイフナ１
５はそれぞれボルト４を中心としていずれか一方
に回動し、樹脂バンパ２の隙間１８よりも大きな
変形を許すことができる。隙間１８を設けない場
合には、ボルト１４との連結部において補強部材
１３が長手方向に幾分遊動し得るように穴３６を
長穴とすることが好ましい。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように、樹脂製バンパ本体をこ
の内側で支持する左右１対の鋼板製ステイフナ
を、車体から突出するバツクバーに垂直軸により
回動可能に支持し、左右１対のステイフナの間に
樹脂製バンパ本体の長手方向に延びる鋼板製補強
部材を垂直軸により連結したから、軽度の衝撃荷
重に対しては、１対のステイフナがバツクバーと
の垂直軸（連結ボルト）を中心として回動し、樹
脂製バンパ本体の変形を許すので、これにより衝
撃荷重が吸収される。一方、過大な衝撃荷重に対
しては、補強部材により樹脂製バンパ本体の過大
な変形が阻止され、破損を防止する。過大な衝撃
荷重により、補強部材およびステイフナが永久変
形した場合でも、樹脂製バンパ本体は復元可能の
範囲に抑えられ、再使用することができる。さら
に、補強部材は衝撃荷重を引張荷重として支える
ので、比較的軽量な構造でも十分機能を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車用樹脂バンパの平面図、
第２図は本考案に係る自動車用樹脂バンパの平面
図、第３図は同側面断面図、第４図は同自動車用
樹脂バンパを分解して示す斜視図である。 ２：樹脂バンパ、４：ボルト、５：バツクバ
ー、６：補強リブ、１３：補強部材、１４：ボル
ト、１５：ステイフナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樹脂製バンパ本体をこの内側で支持する左右１
   対の鋼板製ステイフナを、車体から突出するバツ
   クバーに垂直軸により回動可能に支持し、左右１
   対のステイフナの間に樹脂製バンパ本体の長手方
   向に延びる鋼板製補強部材を垂直軸により連結し
   たことを特徴とする自動車用樹脂バンパ。