JPH1134912A - ブラケット構造 - Google Patents

ブラケット構造

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JPH1134912A
JPH1134912A JP19272897A JP19272897A JPH1134912A JP H1134912 A JPH1134912 A JP H1134912A JP 19272897 A JP19272897 A JP 19272897A JP 19272897 A JP19272897 A JP 19272897A JP H1134912 A JPH1134912 A JP H1134912A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化と低コスト化とを図ったブラケット構
造を提供する。 【解決手段】 板状の素材4を折り畳むことにより、素
材4の重合部14を2個対向させて単一部15を介して
接続すると共に、2面が開放された略ボックス状に成形
してなる。本発明によれば、板状の素材4を折り畳んで
ブラケット2としているので、1種類のみの素材4から
製造でき低コスト化を推進できるのみならず、従来のよ
うに各部品の溶接時に生じる精度の悪化は生じない。更
に、全体の概形を2面が開放された略ボックス状とした
ので、従来必要だった内側補強部材がなくとも、必要な
剛性を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量化と低コスト
化とを図ったブラケット構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のシャシーフレームにリーフバネ
を取り付けるためのブラケットとして、図11および図
12に示すものが知られている。図示するようにこのブ
ラケットaは、断面コ字状に成形された本体bと、その
内側に取り付けられた内側補強材cと、外側に取り付け
られた外側補強材dとから構成されている。かかるブラ
ケットaは、本体bおよび外側補強材dがシャシーフレ
ームのサイドメンバーeに溶接され、本体bの取付孔f
に図示しないリーフバネの端部が取り付けられる。
【0003】上記本体bは、その取付孔fにリーフバネ
の端部が比較的強い締付力で固定されるため、その部分
のローカルな強度を保つ必要があり、厚い板厚の素材を
用いて成形されている。外側補強材dは、上述のように
板厚の厚い本体bをサイドメンバーeに溶接すると、メ
ンバーeとの板厚差に起因して溶接部gに応力集中が生
じるため、これを緩和すべく本体bより板厚の薄い素材
から成形されている。内側補強材cは、本体bだけでは
リーフバネの取付孔fからの入力による剛性を確保でき
ない場合、補強部材としての役割を果たす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ブラケ
ットaは、本体bと内側補強材cと外側補強材dとを溶
接して構成されているため、各部品(本体b、内側補強
材c、外側補強材d)ごとに成形金型を用意する必要が
あり、製造コストが嵩む。また、各部品は板厚が異なる
ため、それぞれ板厚の異なった素材を手配する必要があ
り、在庫管理が大変である。また、各部品を溶接する
際、精度が悪化しやすく、重量もアップしてしまう。
【0005】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、軽量化と低コスト化とを図ったブラケット構造
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係るブラケット構造は、板状の素材を折り畳むこ
とにより、素材の重合部を2個対向させて単一部を介し
て接続すると共に、2面が開放された略ボックス状に成
形してなるものである。本発明によれば、板状の素材を
折り畳んでブラケット構造としているので、1種類のみ
の素材から製造でき低コスト化を推進できるのみなら
ず、従来のように各部品の溶接時に生じる精度の悪化は
生じない。更に、全体の概形を2面が開放された略ボッ
クス状としたので、従来必要だった内側補強部材がなく
とも、必要な剛性を確保できる。
【0007】また、上記重合部を部品の取付部とすると
共に、上記開放された2面の少なくとも一方を本体への
取付部としてもよい。このように重合部を部品の取付部
とすることにより、強度が必要な部位が素材2枚重ねと
なると共にその他の部位が素材1枚となり、要求強度に
応じた適正な板厚分布となる。よって、素材の板厚を薄
くでき、軽量化と低コスト化とを達成できる。そして、
開放された2面の少なくとも一方を本体への取付部とす
ることにより、本体に取り付けられたブラケットがボッ
クス構造となるため、その剛性が向上する。この結果、
素材の板厚をより薄くでき、軽量化と低コスト化とをさ
らに推進できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基いて説明する。
【0009】図1は、本実施形態に係るブラケット1の
展開図であり、図2および図3はそれを折り畳んで製造
されたブラケット1の斜視図である。このブラケット1
は、図4および図5に示すように、自動車のシャシーフ
レームのサイドメンバー2に溶接され、図6に示すよう
にリーフバネ3の端部が取り付けられる。
【0010】図1に示すように、このブラケット1は、
均一な厚さの板状の素材4からなっている。素材4は、
一般的な鋼板を打ち抜いて得られる。なお、素材4は、
その概形が平面視略三角形状なので、鋼板から打ち抜く
ときに上下を逆にして隣接させるようにすれば、無駄な
打抜屑が少なくなる。
【0011】素材4は、図1に示すように、大長方形部
5と小長方形部6と左右の小三角形部7,8と左右の大
三角形部9,10と変形六角形部11とが、それぞれ山
折り線X(破線)および谷折り線Y(一点鎖線)を介し
て一体的に接続されて構成されている。そして、これら
山折り線Xと谷折り線Yとに沿って素材4を折り畳む
と、図2および図3に示すブラケット1が製造されるよ
うになっている。
【0012】詳しくは、大長方形部5には、谷折り線Y
1を介して小長方形部6が接続されており、大長方形部
5の左右には、山折り線X1,X1を介して小三角形部
7,8がそれぞれ接続されている。小三角形部7,8と
小長方形部6とには、それぞれ谷折り線Y2、Y3を介
して大三角形部9,10が接続されている。そして、大
三角形部9には、谷折り線Y4を介して変形六角形部1
1が接続されている。
【0013】小三角形部7,8の外縁7a,8aと大三
角形部9,10の外縁9a,10aとは、谷折り線Y
2,Y2に対して対称に成形されており、素材4を谷折
り線Y2,Y2で折り畳んだときにぴったり重なるよう
になっている。また、小三角形部7、8と大三角形部
9、10とには、前述した図6に示す部品(リーフバネ
3の端部)が取り付けられる取付孔12、13が形成さ
れており、これら孔12、13も、谷折り線Y2に対し
て対称に配置され、素材4を谷折り線Y2で折り畳んだ
ときにぴったり重なるようになっている。
【0014】これら小三角形部7、8と大三角形部9、
10との重なった部分が、図2および図3に示すように
重合部14となる。これら重合部14は、左右対向にな
るように2個平行に配置され、左右の各孔12、13も
同軸に配置される。そして、これら重合部14、14の
間を接続する大長方形部5が、図2および図3に示すよ
うに単一部15となる。また、大三角形部9、10の小
三角形部7、8と重ならない部分16、16、小長方形
部6、大長方形部5および変形六角形部11が、図2お
よび図3に示すように2面が開放された略ボックス体2
7に成形される。
【0015】図1に示すように、上記変形六角形部11
には、山折り線X2と谷折り線Y5とから三角形を底辺
同士で隣接させた形状に区画された部分17が設けられ
ている。この部分17は、各線X2,Y5で折り曲げら
れると、図2および図3に示すようにデフレクション1
8となる。デフレクション18は、図4および図5に示
すようにブラケット1をサイドメンバー2に溶接したと
き、踏ん張り効果を発揮してその取付剛性を高める。
【0016】また、図1に示すように、大三角形部10
にも、同様に、山折り線X3と谷折り線Y6とから三角
形を底辺同士で接続した形状の部分19が設けられてお
り、この部分19が図2および図3に示すようにデフレ
クション20を構成する。また、山折り線X4と谷折り
線Y7との間が、図2および図3に示すように棚部21
となり、谷折り線Y7と縁部22との間が、位置決め部
用のフランジ部23となる。また、小長方形6の山折り
線X4と縁部24との間が、図2および図3に示すよう
に棚部25となる。
【0017】以上の構成からなる本実施形態の作用を述
べる。
【0018】図1に示す素材4をそれぞれ山折り線X
(破線)および谷折り線Y(一点鎖線)で折り畳んで図
2および図3に示すブラケット1を製造する。なお、折
り曲げ後のスプリングバックを防止するために折曲部2
6などに隅肉溶接を施してもよい。詳しくは、谷折り線
Y2は180度折り曲げられ、谷折り線Y1、Y3は9
0度折り曲げられ、山折り線X1は90度折り曲げら
れ、その他の谷折り線Yおよび山折り線Xはそれぞれ所
定角度折り曲げられる。
【0019】このように、板状の素材4を折り畳んでブ
ラケット1としているので、1種類のみの板厚の素材4
からブラケット1を製造でき低コスト化を推進できる。
また、図11および図12に示す従来タイプのように各
部品の溶接時に生じる精度の悪化は一切生じない。更
に、全体の概形を2面が開放された略ボックス体27と
したので、従来必要だった図11に示す内側補強部材c
がなくとも、必要な剛性を確保できる。すなわち、本実
施形態の小長方形部6および大長方形部5が図11に示
す従来例の内側補強部材cに相当し、変形六角形部11
およびデフレクション18が図11に示す従来例の外側
補強部材dに相当する。
【0020】また、図5および図6に示すように、上記
重合部14,14をリーフバネ3の端部(特許請求の範
囲の部品に相当する)の取付部としているので、強度が
必要な部位が素材2枚重ねとなると共にその他の部位が
素材1枚となり、ブラケット1全体の各部の板厚がそれ
ぞれ要求強度に応じた適正な板厚分布となる。よって、
素材4の板厚を薄くでき、軽量化と低コスト化とを達成
できる。
【0021】また、上記ボックス体27の開放された2
面の一方の面(デフレクション18、20の間の面)を
サイドメンバー2(特許請求の範囲の本体に相当)への
取付部としているので、サイドメンバー2に取り付けら
れたブラケット1が図4および図5に示すように略ボッ
クス構造となり、その剛性が大きく向上する。すなわ
ち、このブラケット1は、サイドメンバー2に取り付け
られると、そのメンバー2の外面と大長方形部5と小長
方形部6と大三形部9、10とで、小長方形部6の対向
面のみが開放されたボックス構造となるため、剛性が大
きく向上する。この結果、素材4の板厚をより薄くで
き、軽量化と低コスト化とをさらに推進できる。
【0022】次に、本発明の変形例を図7乃至図9に示
す。
【0023】図7は、本実施形態に係るブラケットの展
開図であり、図8はそれを折り畳んで製造されたブラケ
ット30の斜視図である。このブラケット30は、図9
に示すように、自動車のアクスルケース31に溶接さ
れ、サスペンションを構成するロッド32が取り付けら
れる。
【0024】図7に示すように、このブラケット30
は、前実施形態と同様に一般的な鋼板を打ち抜いて得ら
れる板状の素材33からなっている。なお、素材33
は、その概形が平面視略四角形状なので、鋼板から打ち
抜くときに隣接させるようにすれば、無駄な打抜屑が少
なくなる。
【0025】素材33は、図7に示すように、大長方形
部34と小長方形部35と左右の三角形部36、36と
左右の台形部37、37とが、それぞれ山折り線X(破
線)および谷折り線Y(一点鎖線)を介して一体的に接
続されて構成されている。そして、これら山折り線Xと
谷折り線Yとに沿って素材4を折り畳むと、図8に示す
ブラケット30が製造されるようになっている。
【0026】詳しくは、三角形部36の外縁38と台形
部37の外縁39とは、谷折り線Y1に対して対称に成
形されており、素材33を谷折り線Y1で折り畳んだと
きにぴったり重なるようになっている。また、三角形部
36と台形部37とには、図9に示すロッド32が取り
付けられる取付孔40,41が形成されており、これら
孔40,41も、谷折り線Y1に対して対称に配置さ
れ、素材33を谷折り線Y1で折り畳んだときにぴった
り重なるようになっている。
【0027】これら三角形部36と台形部37との重な
った部分が、図8に示すように重合部42となる。これ
ら重合部42,42は、対向するように2個平行に配置
され、各孔40,41も同軸に配置される。そして、こ
れら重合部42,42の間を接続する小長方形部35
が、単一部43となる。また、台形部37の三角形部3
6と重ならない部分44と大長方形部34と小長方形部
35とにより、図8に示すように2面が開放された略ボ
ックス体46が成形される。
【0028】また、台形部37の外縁には、アクスルケ
ース31の外形に合せて円弧状の成形された取付部45
が設けられている。
【0029】以上の構成からなる本実施形態の作用を述
べる。
【0030】図7に示す素材33をそれぞれ山折り線X
(破線)および谷折り線Y(一点鎖線)で折り畳んで図
8に示すブラケット30を製造する。なお、折り曲げ後
のスプリングバックを防止するために折曲部47に隅肉
溶接を施してもよい。詳しくは、谷折り線Y1は180
度折り曲げられ、谷折り線Y2は90度折り曲げられ、
山折り線Xは90度折り曲げられる。
【0031】このように、板状の素材33を折り畳んで
ブラケット30としているので、1種類のみの板厚の素
材33からブラケット30を製造でき低コスト化を推進
できる。また、一体物なので各部品の溶接時に生じる精
度の悪化は一切生じない。更に、全体の概形を2面が開
放された略ボックス体46としたので、図10に示すよ
うに従来必要だった内側補強部材hがなくとも、必要な
剛性を確保できる。すなわち、本実施形態の小長方形部
35が図10に示す従来例の内側補強部材hに相当す
る。なお、図10に示す従来のブラケットiは、断面コ
字状の本体jに内側補強部材hを溶接して構成されてい
た。
【0032】また、図9に示すように、上記重合部4
2,42をサスペンションロッド32の取付部としてい
るので、強度が必要な部位が素材2枚重ねとなると共に
その他の部位が素材1枚となり、ブラケット30全体の
各部の板厚がそれぞれ要求強度に応じた適正な板厚分布
となる。よって、素材33の板厚を薄くでき、軽量化と
低コスト化とを達成できる。
【0033】また、上記ボックス体46の開放された2
面の一方の面(取付部45、45の面)をアクスルケー
ス31への取付部としているので、アクスルケース31
に取り付けられたブラケット30が図9に示すように略
ボックス構造となり、その剛性が向上する。すなわち、
このブラケット30は、アクスルケース31に取り付け
られると、そのケース31の外面と大長方形部34と小
長方形部35と台形部37とで、大長方形部34の対向
面のみが開放されたボックス構造となるため、剛性が向
上する。この結果、素材33の板厚をより薄くでき、軽
量化と低コスト化とをさらに推進できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るブラケ
ット構造によれば、次のような効果を発揮できる。
【0035】(1) ブラケットを構成する素材の板厚を薄
くできるので、軽量化と低コスト化とを推進できる。
【0036】(2) 従来別部品として必要であった補強部
材が不要となるので、低コスト化のみならず各部材を溶
接することによる精度の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブラケット構造の素
材の展開図である。
【図2】上記素材を折り畳んで製造されたブラケット構
造の斜視図である。
【図3】上記ブラケット構造を反対側から見た斜視図で
ある。
【図4】上記ブラケット構造をサイドメンバーに取り付
けた様子を示す斜視図である。
【図5】図4の V-V線断面図である。
【図6】上記サイドメンバーの全体を示す側面図であ
る。
【図7】本発明の別の実施形態を示すブラケット構造の
素材の展開図である。
【図8】上記素材を折り畳んで製造されたブラケット構
造の斜視図である。
【図9】上記ブラケット構造をアクスルケースに取り付
けた様子を示す斜視図である。
【図10】従来のブラケット構造を示す斜視図である。
【図11】別の従来のブラケット構造を示す斜視図であ
る。
【図12】上記ブラケット構造をサイドメンバ−に取り
付けた様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ブラケット 2 本体としてのサイドメンバー 3 部品としてのリーフバネ 4 素材 14 重合部 15 単一部 27 ボックス体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の素材を折り畳むことにより、素材
    の重合部を2個対向させて単一部を介して接続すると共
    に、2面が開放された略ボックス状に成形してなること
    を特徴とするブラケット構造。
  2. 【請求項2】 上記重合部を部品の取付部とすると共
    に、上記開放された2面の少なくとも一方を本体への取
    付部とした請求項1記載のブラケット構造。
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