JPH11348813A - 自動車のサイドフレーム補強構造 - Google Patents

自動車のサイドフレーム補強構造

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JPH11348813A
JPH11348813A JP16362698A JP16362698A JPH11348813A JP H11348813 A JPH11348813 A JP H11348813A JP 16362698 A JP16362698 A JP 16362698A JP 16362698 A JP16362698 A JP 16362698A JP H11348813 A JPH11348813 A JP H11348813A
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frame
bent portion
internal space
partition plates
constituting
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JP16362698A
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English (en)
Inventor
Tatsuhisa Yamane
達久 山根
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車の衝突時、その衝撃力でサイドフレー
ムが十分に塑性変形するようにして、このサイドフレー
ムにより、上記衝撃力に基づくエネルギーを十分に吸収
させ、もって、車室の変形をより効果的に抑制させるよ
うにする。 【解決手段】 前後方向に延びてその各部が閉断面をな
すサイドフレーム13が、その前部を構成する前部フレ
ーム29と、この前部フレーム29の後端から延びる傾
斜フレーム30と、この傾斜フレーム30の後端から延
びる後部フレーム31とを備える。上記前部フレーム2
9から傾斜フレーム30への遷移部を構成する前折り曲
げ部33の内部空間24に発泡樹脂36を充填すると共
に、上記傾斜フレーム30から後部フレーム31への遷
移部を構成する後折り曲げ部37の内部空間24に発泡
樹脂41を充填する。上記両発泡樹脂36,41で挟ま
れた上記傾斜フレーム30の長手方向の中途部の内部空
間24を空洞のままに保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車体フレ
ームにおけるサイドフレームを、これに発泡樹脂を充填
しおよび/もしくは仕切板を取り付けて補強するように
した自動車のサイドフレーム補強構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】上記自動車のサイドフレーム補強構造に
は、従来、特開平4‐334664号公報で示されるも
のがある。
【0003】上記公報のものによれば、自動車の車体フ
レームは、その各側部に前後方向に延びてその長手方向
の各部が閉断面をなすサイドフレームを備えている。ま
た、このサイドフレームは、その前部を構成して前後方
向にほぼ水平に延びる前部フレームと、この前部フレー
ムの後端から後下方に向って一体的に延びる傾斜フレー
ムと、この傾斜フレームの後端から後方に向ってほぼ水
平に一体的に延びる後部フレームとを備えている。
【0004】そして、上記したように、前部フレームは
後部フレームよりも高く位置させられたことにより、上
記前部フレームの下側に、前車輪や走行駆動用の内燃機
関を支持するサブフレームの配設が可能とされ、このよ
うに配設されたサブフレームが上記前部フレームと傾斜
フレームに支持されている。また、上記後部フレームが
低く位置させられたことにより、この後部フレームの上
側に車室の広い車体本体の配設が可能とされ、このよう
に配設された車体本体が上記後部フレームに支持される
こととなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
自動車が前進走行時に、その前方の何らかの物体に衝突
(以下、これを「前突」という)して、上記サイドフレ
ームの前端部から後方に向う大きな衝撃力が与えられた
とすると、上記サイドフレームは、上記前部フレームか
ら傾斜フレームへの遷移部と、この傾斜フレームから後
部フレームへの遷移部とにそれぞれ折り曲げ部を有して
いるため、これら折り曲げ部に上記衝撃力に基づく応力
が集中して、上記折り曲げ部が容易に屈曲させられるお
それを生じる。
【0006】そして、上記したように、衝撃力により折
り曲げ部が容易に屈曲させられると、このサイドフレー
ムの全体的な塑性変形量が少なくなり、その分、このサ
イドフレームによっての上記衝撃力に基づくエネルギー
の吸収が阻害され、もって、車室の変形の抑制が阻害さ
れるおそれを生じる。
【0007】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、自動車の衝突時、その衝撃力でサイドフ
レームが十分に塑性変形するようにして、このサイドフ
レームにより、上記衝撃力に基づくエネルギーを十分に
吸収させ、もって、車室の変形をより効果的に抑制させ
るようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の自動車のサイドフレーム補強構造は、次の如
くである。
【0009】請求項1の発明は、前後方向に延びてその
長手方向の各部が閉断面をなすサイドフレーム13を備
え、このサイドフレーム13が、その前部を構成して前
後方向にほぼ水平に延びる前部フレーム29と、この前
部フレーム29の後端から後下方に向って一体的に延び
る傾斜フレーム30と、この傾斜フレーム30の後端か
ら後方に向ってほぼ水平に一体的に延びる後部フレーム
31とを備えた自動車の車体フレームにおいて、
【0010】(1)上記前部フレーム29から傾斜フレ
ーム30への遷移部を構成する前折り曲げ部33の内部
空間24に発泡樹脂36を充填すると共に、上記傾斜フ
レーム30から後部フレーム31への遷移部を構成する
後折り曲げ部37の内部空間24に発泡樹脂41を充填
し、
【0011】(2)上記両発泡樹脂36,41で挟まれ
た上記傾斜フレーム30の長手方向の中途部の内部空間
24を空洞のままに保持させたものである。
【0012】請求項2の発明は、前後方向に延びてその
長手方向の各部が閉断面をなすサイドフレーム13を備
え、このサイドフレーム13が、その前部を構成して前
後方向にほぼ水平に延びる前部フレーム29と、この前
部フレーム29の後端から後下方に向って一体的に延び
る傾斜フレーム30と、この傾斜フレーム30の後端か
ら後方に向ってほぼ水平に一体的に延びる後部フレーム
31とを備えた自動車の車体フレームにおいて、
【0013】(1)上記前部フレーム29から傾斜フレ
ーム30への遷移部を構成する前折り曲げ部33の内部
空間24の前、後端にそれぞれ仕切板34を設けて上記
前折り曲げ部33に取り付け、上記傾斜フレーム30か
ら後部フレーム31への遷移部を構成する後折り曲げ部
37の内部空間24の前、後端にそれぞれ他の仕切板3
8を設けて上記後折り曲げ部37に取り付け、
【0014】(2)上記サイドフレーム13の内部空間
24の長手方向に沿った孔軸心43に対し、側面視で、
上記仕切板34,38のうちの少なくともいずれか一つ
を傾斜させたものである。
【0015】請求項3の発明は、前後方向に延びてその
長手方向の各部が閉断面をなすサイドフレーム13を備
え、このサイドフレーム13が、その前部を構成して前
後方向にほぼ水平に延びる前部フレーム29と、この前
部フレーム29の後端から後下方に向って一体的に延び
る傾斜フレーム30と、この傾斜フレーム30の後端か
ら後方に向ってほぼ水平に一体的に延びる後部フレーム
31とを備えた自動車の車体フレームにおいて、
【0016】(1)上記前部フレーム29から傾斜フレ
ーム30への遷移部を構成する前折り曲げ部33の内部
空間24の前、後端にそれぞれ仕切板34を設けて上記
前折り曲げ部33に取り付け、この前折り曲げ部33
と、前、後仕切板34,34とで囲まれた内部空間24
に発泡樹脂36を充填し、上記傾斜フレーム30から後
部フレーム31への遷移部を構成する後折り曲げ部37
の内部空間24の前、後端にそれぞれ他の仕切板38を
設けて上記後折り曲げ部37に取り付け、この後折り曲
げ部37と、前、後仕切板38,38とで囲まれた内部
空間24に発泡樹脂41を充填し、
【0017】(2)上記両仕切板34,34のうちの後
側の仕切板34と、上記他の両仕切板38,38のうち
の前側の仕切板38とで挟まれた上記傾斜フレーム30
の長手方向の中途部の内部空間24を空洞のままに保持
させ、
【0018】(3)上記サイドフレーム13の内部空間
24の長手方向に沿った孔軸心43に対し、側面視で、
上記仕切板34,38のうちの少なくともいずれか一つ
を傾斜させたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。
【0020】図において、符号1は自動車で、矢印Fr
はその車体2の前方を示している。
【0021】上記自動車1の車体2は板金製の車体フレ
ーム3と、この車体フレーム3の上方に位置してこの車
体フレーム3に支持される板金製の車体本体4とを備え
ている。また、上記車体フレーム3は主フレーム5と、
この主フレーム5の前部の下側に位置してこの主フレー
ム5に支持されるサブフレーム6とを有し、上記サブフ
レーム6に懸架された左右前車輪7と、上記主フレーム
5の後部に懸架された左右後車輪とで、上記車体2が走
行面9上に支持され、また、上記サブフレーム6には走
行駆動用の内燃機関が支持されている。
【0022】上記車体フレーム3の主フレーム5は、車
体2の車幅方向の車体中央12を挟んで前後方向に延び
上記車体フレーム3の左右各側部を構成する左右一対の
サイドフレーム13,13と、これらサイドフレーム1
3,13のそれぞれ外側方に位置し、それぞれ上記前車
輪7と後車輪との間に位置するサイドシル14と、車幅
方向に延びてこれら左右サイドフレーム13,13と左
右サイドシル14,14とを互いにスポット溶接(×印
部)Sにより結合させるクロスメンバ15,17,18
とを備え、上記車体2は上記車体中央12を基準として
ほぼ左右対称形とされている。
【0023】上記各サイドフレーム13は、前後方向に
長く延びる一枚の板金材をプレス成形したサイドフレー
ム本体19を備え、このサイドフレーム本体19はその
長手方向の各部断面でみて、少し離れて互いに対面する
一対の対向板20,20と、これら各対向板20,20
の長手方向の各部断面でみてこれらの一端縁同士を互い
に一体的に結合させる結合板21と、上記各対向板20
の他端縁から外方に向って一体的に延出する外向きフラ
ンジ22とを有し、その長手方向の各部断面が横向き、
もしくは正立のほぼU字形状をなしている。また、上記
サイドフレーム13は、上記サイドフレーム本体19の
長手方向の各部断面でみて、上記両外向きフランジ2
2,22に跨るように設けられてこれらにスポット溶接
Sされる閉じ板23を備え、つまり、この閉じ板23は
上記サイドフレーム本体19の開口を閉じている。この
ため、上記サイドフレーム13は、その長手方向の各部
断面が閉断面をなして、その内部の内部空間24は、上
記サイドフレーム13の長手方向に沿って連続的に延び
ている。
【0024】上記車体本体4の下部を構成するフロアパ
ネル26が上記サイドフレーム13の上面と、各クロス
メンバ17,18の上面に載置されてこれらにスポット
溶接Sにより強固に結合させられている。また、上記フ
ロアパネル26の左右各側端縁は上記サイドシル14に
結合させられている。また、上記車体本体4の前下部を
構成して上記フロアパネル26の前端側から前上方に向
って延びるダッシュパネル27が設けられている。この
ダッシュパネル27の下端部は、上記サイドフレーム1
3とクロスメンバ17の各上面に載置されてこれらにス
ポット溶接Sにより結合させられている。
【0025】上記の場合、各サイドフレーム13の閉じ
板23は、上記フロアパネル26やダッシュパネル27
の各一部分で構成されている。そして、上記フロアパネ
ル26の上方、かつ、ダッシュパネル27の後方で上記
車体本体4の内部が車室28とされている。
【0026】上記各サイドフレーム13をより具体的に
説明すると、その前部を構成して前後方向にほぼ水平に
延びる前部フレーム29と、この前部フレーム29の後
端から後下方に向って一体的に延びる傾斜フレーム30
と、この傾斜フレーム30の後端から後方に向ってほぼ
水平に一体的に延びる後部フレーム31とを備えてい
る。
【0027】上記サイドフレーム13の一部である上記
前部フレーム29から傾斜フレーム30への遷移部を構
成する前折り曲げ部33の内部空間24の前、後端に、
それぞれ板金製の仕切板34が設けられている。これら
各仕切板34は、その外縁部が上記サイドフレーム13
の前折り曲げ部33を構成しているサイドフレーム本体
19と、閉じ板23とにスポット溶接Sされて上記前折
り曲げ部33に取り付けられている。上記前折り曲げ部
33と、前、後仕切板34,34とで囲まれた内部空間
24のほぼ全体に、上記前折り曲げ部33の結合板21
に形成された注入口35を通して発泡樹脂36が充填さ
れて硬化させられている。
【0028】上記サイドフレーム13の一部である上記
傾斜フレーム30から後部フレーム31への遷移部を構
成する後折り曲げ部37の内部空間24の前、後端に、
それぞれ板金製の他の仕切板38が設けられている。こ
れら各仕切板38,38は、その外縁部が上記サイドフ
レーム13の後折り曲げ部37を構成しているサイドフ
レーム本体19と、閉じ板23(フロアパネル26、お
よびダッシュパネル27の各一部分)とにスポット溶接
Sされて上記後折り曲げ部37に取り付けられている。
上記後折り曲げ部37と、前、後仕切板38,38とで
囲まれた内部空間24のほぼ全体に、上記後折り曲げ部
37の対向板20に形成された注入口40を通して発泡
樹脂41が充填されて硬化させられている。
【0029】上記両発泡樹脂36,41で挟まれた上記
傾斜フレーム30の長手方向の中途部における内部空間
24は、上記発泡樹脂36,41が充填されない空洞の
ままに保持されている。これを換言すれば、上記両仕切
板34,34のうちの後側の仕切板34と、上記他の両
仕切板38,38のうちの前側の仕切板38とで挟まれ
た上記傾斜フレーム30の長手方向の中途部における内
部空間24は、上記発泡樹脂36,41が充填されない
空洞のままに保持されている。
【0030】上記サイドフレーム13の閉じ板23の長
手方向に沿った孔軸心43に対し、側面視(図1)で、
上記各仕切板34,38のうちの少なくともいずれか一
つが傾斜させられている。具体的には、両仕切板38,
38のうちの後側の仕切板38が上記孔軸心43に対し
傾斜させられ、これに伴って、この仕切板38の前面に
接する発泡樹脂41の後面も上記孔軸心43に対し傾斜
させられ、前下がりの方向に延びている。
【0031】図2において、上記後部フレーム31の後
部の内部空間24には、上記と同じ構成により、前後一
対の仕切板が設けられると共に、更に、他の発泡樹脂4
5が充填されているが、この発泡樹脂45はなくてもよ
い。
【0032】上記各発泡樹脂36,41,45はその内
部に無数の泡を有した高剛性のものであり、例えば、こ
れを、フェノール樹脂発泡対とすれば、特に、断熱性、
防音性が発揮されて、自動車1のサイドフレーム13の
補強材として好ましい。
【0033】上記構成によれば、前部フレーム29から
傾斜フレーム30への遷移部を構成する前折り曲げ部3
3の内部空間24に発泡樹脂36を充填すると共に、上
記傾斜フレーム30から後部フレーム31への遷移部を
構成する後折り曲げ部37の内部空間24に発泡樹脂4
1を充填してある。
【0034】ここで、自動車1の「前突」時に、上記サ
イドフレーム13の前端部から後方に向う大きな衝撃力
が与えられたとすると、上記前折り曲げ部33と後折り
曲げ部37とには応力が集中して、これら33,37が
容易に屈曲しようとする(図2中一点鎖線図示)。
【0035】そこで、前記したように、前折り曲げ部3
3と後折り曲げ部37の各内部空間24に上記発泡樹脂
36,41を充填したのであり、これにより、上記前折
り曲げ部33と後折り曲げ部37とがそれぞれ補強され
て、上記屈曲が防止される。
【0036】よって、上記サイドフレーム13は、上記
衝撃力により上記前部フレーム29の前部側や後部フレ
ーム31の後部側を含め、その長手方向に向って、全体
的に塑性変形させられることとなり、その分、上記衝撃
力に基づくエネルギーが十分に吸収されて、車室28の
変形が効果的に抑制される。
【0037】また、上記両発泡樹脂36,41で挟まれ
た上記傾斜フレーム30の長手方向の中途部の内部空間
24を空洞のままに保持させてある。
【0038】このため、上記傾斜フレーム30の長手方
向の中途部は、上記発泡樹脂36,41によっては補強
されないことから、この傾斜フレーム30の中途部は上
記衝撃力によるその長手方向への圧縮力で十分に塑性変
形することとなる。
【0039】よって、上記サイドフレーム13は、上記
衝撃力により、より全体的に塑性変形させられることと
なり、その分、上記衝撃力に基づくエネルギーがより十
分に吸収されて、車室28の変形が更に効果的に抑制さ
れる。
【0040】また、上記前部フレーム29から傾斜フレ
ーム30への遷移部を構成する前折り曲げ部33の内部
空間24の前、後端にそれぞれ仕切板34を設けて上記
前折り曲げ部33に取り付け、上記傾斜フレーム30か
ら後部フレーム31への遷移部を構成する後折り曲げ部
37の内部空間24の前、後端にそれぞれ他の仕切板3
8を設けて上記後折り曲げ部37に取り付けてある。
【0041】このため、自動車1の「前突」時に、その
ときの衝撃力で、上記前折り曲げ部33と後折り曲げ部
37とは屈曲しようとする傾向になるが、上記前折り曲
げ部33と後折り曲げ部37とを上記各仕切板34,3
8による補強で保形したことから、上記屈曲が防止され
る。
【0042】よって、上記サイドフレーム13は、上記
衝撃力により上記前部フレーム29の前部側や後部フレ
ーム31の後部側を含め、その長手方向に向って、全体
的に塑性変形させられることとなり、その分、上記衝撃
力に基づくエネルギーが十分に吸収されて、車室28の
変形が効果的に抑制される。
【0043】また、上記サイドフレーム13の内部空間
24の長手方向に沿った孔軸心43に対し、側面視で、
上記仕切板34,38の少なくともいずれか一つを傾斜
させてある。
【0044】ここで、仮に、上記仕切板34,38を上
記孔軸心43に直交するように設けて前折り曲げ部33
や後折り曲げ部37に取り付けると、これら前折り曲げ
部33と後折り曲げ部37において、上記仕切板34,
38を取り付けた部分だけが局部的に強固に補強される
こととなって、上記仕切板34,38を取り付けた部分
の近傍におけるサイドフレーム13の部分に上記衝撃力
による応力集中が生じて、上記衝撃力により、屈曲しや
すくなるおそれを生じる。
【0045】そこで、前記したように、仕切板34,3
8のいずれかを必要に応じて傾斜させるようにしたので
あり、これにより、上記仕切板34,38を取り付けた
部分の近傍におけるサイドフレーム13の部分では、断
面係数が徐々に変化することとなって、ここに応力集中
が生じることが防止されて、上記屈曲が防止される。
【0046】よって、上記衝撃力により、上記サイドフ
レーム13は、上記前部フレーム29の前部側や後部フ
レーム31の後部側を含めて、全体的に塑性変形させら
れることとなり、その分、上記衝撃力に基づくエネルギ
ーが十分に吸収されて、車室28の変形が効果的に抑制
される。
【0047】また、上記の場合、前折り曲げ部33や後
折り曲げ部37の各内部空間24への発泡樹脂36,4
1の充填は、予め各仕切板34,38の取り付けによ
り、その周囲が全体的に閉じられた内部空間24を形成
して、この内部空間24に充填することにしたため、必
要部位への発泡樹脂36,41の充填作業が容易にでき
ると共に、硬化後の発泡樹脂36,41の寸法精度が向
上する。
【0048】よって、エネルギーの吸収がより効果的と
なって、車室28の変形が、より効果的に防止される。
【0049】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0050】請求項1の発明は、前後方向に延びてその
長手方向の各部が閉断面をなすサイドフレームを備え、
このサイドフレームが、その前部を構成して前後方向に
ほぼ水平に延びる前部フレームと、この前部フレームの
後端から後下方に向って一体的に延びる傾斜フレーム
と、この傾斜フレームの後端から後方に向ってほぼ水平
に一体的に延びる後部フレームとを備えた自動車の車体
フレームにおいて、
【0051】(1)上記前部フレームから傾斜フレーム
への遷移部を構成する前折り曲げ部の内部空間に発泡樹
脂を充填すると共に、上記傾斜フレームから後部フレー
ムへの遷移部を構成する後折り曲げ部の内部空間に発泡
樹脂を充填してある。
【0052】ここで、自動車の「前突」時に、上記サイ
ドフレームの前端部から後方に向う大きな衝撃力が与え
られたとすると、上記前折り曲げ部と後折り曲げ部とに
は応力が集中して、これらが容易に屈曲しようとする。
【0053】そこで、前記したように、前折り曲げ部と
後折り曲げ部の各内部空間に上記発泡樹脂を充填したの
であり、これにより、上記前折り曲げ部と後折り曲げ部
とがそれぞれ補強されて、上記屈曲が防止される。
【0054】よって、上記サイドフレームは、上記衝撃
力により、その長手方向に向って、全体的に塑性変形さ
せられることとなり、その分、上記衝撃力に基づくエネ
ルギーが十分に吸収されて、車室の変形が効果的に抑制
される。
【0055】また、(2)上記両発泡樹脂で挟まれた上
記傾斜フレームの長手方向の中途部の内部空間を空洞の
ままに保持させてある。
【0056】このため、上記傾斜フレームの長手方向の
中途部は、上記発泡樹脂によっては補強されないことか
ら、この傾斜フレームの中途部は上記衝撃力によるその
長手方向への圧縮力で十分に塑性変形することとなる。
【0057】よって、上記サイドフレームは、上記衝撃
力により、より全体的に塑性変形させられることとな
り、その分、上記衝撃力に基づくエネルギーがより十分
に吸収されて、車室の変形が更に効果的に抑制される。
【0058】請求項2の発明は、前後方向に延びてその
長手方向の各部が閉断面をなすサイドフレームを備え、
このサイドフレームが、その前部を構成して前後方向に
ほぼ水平に延びる前部フレームと、この前部フレームの
後端から後下方に向って一体的に延びる傾斜フレーム
と、この傾斜フレームの後端から後方に向ってほぼ水平
に一体的に延びる後部フレームとを備えた自動車の車体
フレームにおいて、
【0059】(1)上記前部フレームから傾斜フレーム
への遷移部を構成する前折り曲げ部の内部空間の前、後
端にそれぞれ仕切板を設けて上記前折り曲げ部に取り付
け、上記傾斜フレームから後部フレームへの遷移部を構
成する後折り曲げ部の内部空間の前、後端にそれぞれ他
の仕切板を設けて上記後折り曲げ部に取り付けてある。
【0060】このため、自動車の「前突」時に、そのと
きの衝撃力で、上記前折り曲げ部と後折り曲げ部とは屈
曲しようとする傾向になるが、上記前折り曲げ部と後折
り曲げ部とを上記各仕切板による補強で保形したことか
ら、上記屈曲が防止される。
【0061】よって、上記サイドフレームは、上記衝撃
力により、その長手方向に向って、全体的に塑性変形さ
せられることとなり、その分、上記衝撃力に基づくエネ
ルギーが十分に吸収されて、車室の変形が効果的に抑制
される。
【0062】また、(2)上記サイドフレームの内部空
間の長手方向に沿った孔軸心に対し、側面視で、上記仕
切板の少なくともいずれか一つを傾斜させてある。
【0063】ここで、仮に、上記仕切板を上記孔軸心に
直交するように設けて前折り曲げ部や後折り曲げ部に取
り付けると、これら前折り曲げ部と後折り曲げ部におい
て、上記仕切板を取り付けた部分だけが局部的に強固に
補強されることとなって、上記仕切板を取り付けた部分
の近傍におけるサイドフレームの部分に上記衝撃力によ
る応力集中が生じて、上記衝撃力により、屈曲しやすく
なるおそれを生じる。
【0064】そこで、前記したように、仕切板のいずれ
かを必要に応じて傾斜させるようにしたのであり、これ
により、上記仕切板を取り付けた部分の近傍におけるサ
イドフレームの部分では、断面係数が徐々に変化するこ
ととなって、ここに応力集中が生じることが防止され
て、上記屈曲が防止される。
【0065】よって、上記衝撃力により、上記サイドフ
レームは、上記前部フレームの前部側や後部フレームの
後部側を含めて、全体的に塑性変形させられることとな
り、その分、上記衝撃力に基づくエネルギーが十分に吸
収されて、車室の変形が効果的に抑制される。
【0066】請求項3の発明は、前後方向に延びてその
長手方向の各部が閉断面をなすサイドフレームを備え、
このサイドフレームが、その前部を構成して前後方向に
ほぼ水平に延びる前部フレームと、この前部フレームの
後端から後下方に向って一体的に延びる傾斜フレーム
と、この傾斜フレームの後端から後方に向ってほぼ水平
に一体的に延びる後部フレームとを備えた自動車の車体
フレームにおいて、
【0067】(1)上記前部フレームから傾斜フレーム
への遷移部を構成する前折り曲げ部の内部空間の前、後
端にそれぞれ仕切板を設けて上記前折り曲げ部に取り付
け、この前折り曲げ部と、前、後仕切板とで囲まれた内
部空間に発泡樹脂を充填し、上記傾斜フレームから後部
フレームへの遷移部を構成する後折り曲げ部の内部空間
の前、後端にそれぞれ他の仕切板を設けて上記後折り曲
げ部に取り付け、この後折り曲げ部と、前、後仕切板と
で囲まれた内部空間に発泡樹脂を充填し、
【0068】(2)上記両仕切板のうちの後側の仕切板
と、上記他の両仕切板のうちの前側の仕切板とで挟まれ
た上記傾斜フレームの長手方向の中途部の内部空間を空
洞のままに保持させ、
【0069】(3)上記サイドフレームの内部空間の長
手方向に沿った孔軸心に対し、側面視で、上記仕切板の
うちの少なくともいずれか一つを傾斜させてある。
【0070】このため、上記請求項1と請求項2から生
じる各効果が得られることとなる。
【0071】また、上記の場合、前折り曲げ部や後折り
曲げ部の各内部空間への発泡樹脂の充填は、予め各仕切
板の取り付けにより、その周囲が全体的に閉じられた内
部空間を形成して、この内部空間に充填することにした
ため、必要部位への発泡樹脂の充填作業が容易にできる
と共に、硬化後の発泡樹脂の寸法精度が向上する。
【0072】よって、エネルギーの吸収がより効果的と
なって、車室の変形が、より効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の部分拡大断面図である。
【図2】車体前部の側面図である。
【図3】車体前部の大半分の平面図である。
【図4】図3の部分拡大断面図である。
【図5】図1の5−5線矢視断面図である。
【図6】図1の6−6線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 自動車 2 車体 3 車体フレーム 12 車体中央 13 サイドフレーム 19 サイドフレーム本体 23 閉じ板 24 内部空間 26 フロアパネル 27 ダッシュパネル 28 車室 29 前部フレーム 30 傾斜フレーム 31 後部フレーム 33 前折り曲げ部 34 仕切板 35 注入口 36 発泡樹脂 37 後折り曲げ部 38 仕切板 41 発泡樹脂 43 孔軸心

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向に延びてその長手方向の各部が
    閉断面をなすサイドフレームを備え、このサイドフレー
    ムが、その前部を構成して前後方向にほぼ水平に延びる
    前部フレームと、この前部フレームの後端から後下方に
    向って一体的に延びる傾斜フレームと、この傾斜フレー
    ムの後端から後方に向ってほぼ水平に一体的に延びる後
    部フレームとを備えた自動車の車体フレームにおいて、 (1)上記前部フレームから傾斜フレームへの遷移部を
    構成する前折り曲げ部の内部空間に発泡樹脂を充填する
    と共に、上記傾斜フレームから後部フレームへの遷移部
    を構成する後折り曲げ部の内部空間に発泡樹脂を充填
    し、 (2)上記両発泡樹脂で挟まれた上記傾斜フレームの長
    手方向の中途部の内部空間を空洞のままに保持させた自
    動車のサイドフレーム補強構造。
  2. 【請求項2】 前後方向に延びてその長手方向の各部が
    閉断面をなすサイドフレームを備え、このサイドフレー
    ムが、その前部を構成して前後方向にほぼ水平に延びる
    前部フレームと、この前部フレームの後端から後下方に
    向って一体的に延びる傾斜フレームと、この傾斜フレー
    ムの後端から後方に向ってほぼ水平に一体的に延びる後
    部フレームとを備えた自動車の車体フレームにおいて、 (1)上記前部フレームから傾斜フレームへの遷移部を
    構成する前折り曲げ部の内部空間の前、後端にそれぞれ
    仕切板を設けて上記前折り曲げ部に取り付け、上記傾斜
    フレームから後部フレームへの遷移部を構成する後折り
    曲げ部の内部空間の前、後端にそれぞれ他の仕切板を設
    けて上記後折り曲げ部に取り付け、 (2)上記サイドフレームの内部空間の長手方向に沿っ
    た孔軸心に対し、側面視で、上記仕切板の少なくともい
    ずれか一つを傾斜させた自動車のサイドフレーム補強構
    造。
  3. 【請求項3】 前後方向に延びてその長手方向の各部が
    閉断面をなすサイドフレームを備え、このサイドフレー
    ムが、その前部を構成して前後方向にほぼ水平に延びる
    前部フレームと、この前部フレームの後端から後下方に
    向って一体的に延びる傾斜フレームと、この傾斜フレー
    ムの後端から後方に向ってほぼ水平に一体的に延びる後
    部フレームとを備えた自動車の車体フレームにおいて、 (1)上記前部フレームから傾斜フレームへの遷移部を
    構成する前折り曲げ部の内部空間の前、後端にそれぞれ
    仕切板を設けて上記前折り曲げ部に取り付け、この前折
    り曲げ部と、前、後仕切板とで囲まれた内部空間に発泡
    樹脂を充填し、上記傾斜フレームから後部フレームへの
    遷移部を構成する後折り曲げ部の内部空間の前、後端に
    それぞれ他の仕切板を設けて上記後折り曲げ部に取り付
    け、この後折り曲げ部と、前、後仕切板とで囲まれた内
    部空間に発泡樹脂を充填し、 (2)上記両仕切板のうちの後側の仕切板と、上記他の
    両仕切板のうちの前側の仕切板とで挟まれた上記傾斜フ
    レームの長手方向の中途部の内部空間を空洞のままに保
    持させ、 (3)上記サイドフレームの内部空間の長手方向に沿っ
    た孔軸心に対し、側面視で、上記仕切板のうちの少なく
    ともいずれか一つを傾斜させた自動車のサイドフレーム
    補強構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007022258A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Jtekt Corp 車輪用転がり軸受装置
JP2009001238A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Nissan Motor Co Ltd エネルギ吸収構造およびエネルギ吸収方法
JP2010082655A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Mazda Motor Corp 溶接構造体及び溶接方法
US10112651B2 (en) 2015-10-05 2018-10-30 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle body front structure

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