JPH11348214A - 複合化ポリエステルフィルム - Google Patents

複合化ポリエステルフィルム

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JPH11348214A
JPH11348214A JP15582298A JP15582298A JPH11348214A JP H11348214 A JPH11348214 A JP H11348214A JP 15582298 A JP15582298 A JP 15582298A JP 15582298 A JP15582298 A JP 15582298A JP H11348214 A JPH11348214 A JP H11348214A
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film
polyester film
polyester
oxide particles
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JP15582298A
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English (en)
Inventor
Masashi Inagaki
昌司 稲垣
Yoshihide Ozaki
慶英 尾崎
Kimihiro Izaki
公裕 井崎
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
Original Assignee
Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性が良く、フィルムを通して像を見た時
の鮮明性が確保され、熱線カット性に優れ、自動車の
窓、電車の窓、飛行機の窓等の乗物の窓、建築物の窓等
へ貼付されて使用された時、省エネルギー、ガラスの飛
散防止等に優れるフィルムを提供する。 【解決手段】 染料または顔料により着色されたポリエ
ステルフィルムの少なくとも一方の面にポリエステルフ
ィルムが積層された積層フィルムの一方の面に、金属添
加酸化金属粒子または酸化金属粒子を含有する樹脂層が
積層されていることを特徴とする複合化ポリエステルフ
ィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色された複合化
ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、熱線カット性
の優れた複合化ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可視領域の光に対して透過性があ
り、赤外領域の光に対して反射性あるいは吸収性のある
膜として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に酸化インジウム・酸化錫の被膜をスパッタリング
により設け、選択光透過性積層体を形成することが記載
されている(特開昭57−67441号公報等)。一
方、特開平9−310031号公報、特開平9−316
115号公報、特開平9−316363号公報等には、
アンチモンドープ酸化錫やインジウムドープ酸化錫、酸
化バナジウム等の金属酸化物に加えて有機系赤外線吸収
剤を配合した組成物またはコーティングフィルムが記載
されている。
【0003】しかしながら、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に酸化インジウム・酸化錫の被膜をスパッ
タリングにより設けた選択光透過性積層体については、
高真空や精度の高い雰囲気の制御が必要な装置を使用し
なければならないため、生産コストが高くなるばかり
か、作成できる膜の大きさに制限がある。一方、アンチ
モンドープ酸化錫やインジウムドープ酸化錫、酸化バナ
ジウム等の金属酸化物に加えて有機系赤外線吸収剤を配
合した組成物によるコーティングフィルムは、可視光領
域の透過性が低く、フィルムを着色した場合に、着色さ
れたフィルムの本来の色が出難い。また、有機系赤外線
吸収剤が赤外線を吸収するため、有機系赤外線吸収剤の
劣化が起こりやすく、長期間一定の赤外線吸収能力を維
持することが難しい状況である。
【0004】また、高圧染色法等により着色されたフィ
ルムは、太陽光線が照射された場合に光線を吸収し着色
フィルムが劣化しやすい状況にある。したがって、着色
されたフィルムがその本来の色を長期間維持し、太陽光
線による褪色やフィルムの劣化を抑えることは限界があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みなされたものであって、その解決課題は、透明性が良
く、フィルムを通して像を見た時の鮮明性が確保され、
熱線カット性に優れ、自動車の窓、電車の窓、飛行機の
窓等の乗物の窓、建築物の窓等へ貼付されて使用された
時、省エネルギー、ガラスの飛散防止等に優れるフィル
ムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の構成を採用するこ
とにより、上記課題が容易に解決できることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要
旨は、染料または顔料により着色されたポリエステルフ
ィルムの少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが
積層された積層フィルムの一方の面に、金属添加酸化金
属粒子または酸化金属粒子を含有する樹脂層が積層され
ていることを特徴とする複合化ポリエステルフィルムに
存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明にいうポリエステルフィルムとしては、例
えば押出口金から溶融押し出される、いわゆる押出法に
より押し出され成形されたポリエステルフィルムであっ
て、後に縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフ
ィルムを挙げることができる。
【0008】本発明で用いるポリエステルとは、芳香族
ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得ら
れる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪
族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等
が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示
される。また、用いるポリエステルは、ホモポリエステ
ルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重
合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を
含有した共重合体であることが好ましい。かかる共重合
ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル
酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、および、オキシカ
ルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種ま
たは二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジ
メタノ−ル、ネオペンチルグリコール等の一種または二
種以上が挙げられる。
【0009】本発明において、着色されたポリエステル
には、染料または顔料が配合されいることが必要であ
る。染料としては、天然染料と合成染料に分類すること
ができ、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表さ
れる。合成染料としては、アゾ染料、アントラキノン染
料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン
染料、ピラゾロン染料、スチルベン染料、ジフェニルメ
タン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジ
ン染料、キノンイミン染料(例えば、アジン染料、オキ
サジン染料、チアジン染料)、チアゾール染料、メチン
染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、シアニン色素などが
挙げられる。
【0010】また顔料としては、有機顔料と無機顔料と
に分類することができ、有機顔料としては、フタロシア
ニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系などの顔料
で代表的なものとして、キナクリドン、ウォッチアング
レッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。ま
た無機顔料としては、チタン白、亜鉛華、鉛白、カ−ボ
ンブラック、ベンガラ、朱、カドミウム赤、黄鉛、群
青、コバルト青、コバルト紫、ジンククロメート等が挙
げられる。
【0011】これらの染料および顔料は、1種または2
種以上併用して使用することができ、着色されたポリエ
ステルフィルム中の含有量は、通常0.01〜10重量
%、好ましくは0.05〜7.5重量%、さらに好まし
くは0.1〜5重量%の範囲である。この含有量が0.
01重量%未満では、着色の度合いが少なく、10重量
%を超えて配合しても、もはや着色の度合いが飽和す
る。なお、染料または顔料が添加される層には、染料お
よび顔料以外の添加剤、例えば粒子等を配合しても構わ
ない。
【0012】本発明において、ポリエステルに染料また
は顔料を含有させて着色されたポリエステルフィルムを
作成する方法としては、特に限定されるものではなく、
公知の方法を採用し得る。すなわち、混練押出機を用い
て、染料または顔料とポリエステル原料とをドライブレ
ンドして押し出す方法等が挙げられる。本発明におい
て、着色されたポリエステルフィルムの少なくとも片面
に積層するポリエステルフィルムは、粒子を含有するこ
とが好ましい。粒子の平均粒径としては、特に限定され
るものではないが、通常0.02〜3μm、好ましくは
0.02〜2.5μm、さらに好ましくは0.02〜2
μmの範囲である。粒径が0.02μm未満の場合に
は、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程におけ
る巻き特性が劣る傾向があり、粒径が3μmを超える場
合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりす
ぎてヘージーとなる傾向がある。
【0013】本発明において用いる粒子としては、酸化
ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チ
タンおよび特公昭59−5216号公報に記載されてい
るような架橋高分子微粉体等を挙げることができる。こ
れらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用し
てもよい。そしてその含有量は、通常1重量%以下、好
ましくは0.02〜1重量%、さらに好ましくは0.0
3〜0.5重量%の範囲である。粒子の含有量が少ない
場合には、フィルム表面が平坦化し、フィルム製造工程
における巻き特性が劣る傾向があり、粒子の含有量が1
重量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合
いが大きくなりすぎてヘージーとなる傾向がある。
【0014】本発明において、ポリエステルに粒子を配
合する方法としては、特に限定されるものではなく、公
知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造す
る任意の段階において添加することができるが、好まし
くはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了
後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分
散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めても
よい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレング
リコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポ
リエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押
出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブ
レンドする方法などによって行われる。
【0015】本発明のフィルムを構成する積層フィルム
は、フィルムとして製膜できる厚さであれば良く、例え
ば3〜200μm、好ましくは5〜100μm、さらに
好ましくは8〜50μm厚みのフィルムとした場合、優
れた効果を発揮することができる。また、着色されたポ
リエステルフィルムの厚みの割合としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、全体の厚みの1〜99
%、好ましくは5〜95%、さらに好ましくは10〜9
0%となるように積層されれば良い。
【0016】本発明において着色されたポリエステルフ
ィルムにポリエステルフィルムを積層することが、着色
されたポリエステルフィルムの褪色防止の点で必要であ
る。次に本発明の中の複合化ポリエステルフィルムの製
造方法について具体的に説明するが、本発明のフィルム
は以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわ
ち、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押
出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィード
ブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口
金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロ−ルで冷却
固化して積層未延伸シートを得る方法が好ましい。この
場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転
冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印
加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用
される。
【0017】次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方
向に延伸して二軸配向される。すなわち、まず前記の未
延伸シートを一方向にロールまたは、テンター方式の延
伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120
℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通
常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次い
で、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延
伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜11
5℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましく
は3.5〜6倍である。そして、引き続き、130℃〜
250℃の範囲の温度で30%以内の弛緩下で熱処理を
行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0018】上記延伸工程中にフィルム表面を処理す
る、いわゆるインラインコーティングを施すことができ
る。それは、以下に限定するものではないが、例えば、
1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止
性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良等の目的
で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリ−等の該コ
ーティング処理を施すことができる。
【0019】上記の延伸においては、一方向の延伸を2
段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、
最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるよ
うに行うことが好ましい。また、前記の未延伸シートを
面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行
うことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行
う前または後に再度縦および/または横方向に延伸して
もよい。
【0020】本発明において、積層フィルムの少なくと
も片面に積層される樹脂層に含有される金属添加酸化金
属粒子および酸化金属粒子としては、錫添加酸化インジ
ウム粒子(ITO)、酸化錫添加酸化インジウム粒子、
アンチモン添加酸化錫粒子(ATO)、アンチモン添加
酸化亜鉛粒子(AZO)、カドミウム添加酸化錫粒子
(CTO)、マグネシウム添加酸化インジウム粒子(M
gIn24 )、カドミウム添加酸化ガリウム粒子(C
dGa24 )、亜鉛添加酸化ガリウム粒子(ZnGa
24 )、インジウム添加酸化錫粒子(In4 Sn3
12)、酸化インジウム添加酸化錫、ガリウム添加酸化イ
ンジウム粒子(GaInO3 )、亜鉛添加酸化インジウ
ム粒子(ZnIn24 )、酸化錫、酸化インジウム、
酸化亜鉛等が挙げられ、これらの中でも、錫添加酸化イ
ンジウム粒子(ITO)、アンチモン添加酸化錫粒子
(ATO)、酸化錫粒子が好ましく、錫添加酸化インジ
ウム粒子(ITO)は透明性、熱線カット性の点で特に
好ましい。また、これらの粒子は焼成されていても、焼
成されていなくてもよい。焼成されている場合は、その
焼成の雰囲気が非酸素状態(例えば、無酸素状態や還元
状態)であっても、有酸素状態であってもよいが、熱線
カット性能の点から、非酸素状態で焼成したものが好ま
しい。
【0021】これらの粒子の形状は塊状、球状、楕円体
状、針状等、何でもよい。金属添加酸化金属粒子に添加
されている金属は、酸化物であっても構わないし、複数
であっても構わない。これらの粒子は単独で含有して
も、2種類以上同時に含有しても構わない。本発明で用
いる金属添加酸化金属粒子等の平均粒径は通常0.2μ
m以下、好ましくは0.1μm以下である。平均粒径が
0.2μmを超える場合には、可視光線に対する透明性
が低下する傾向がある。
【0022】本発明において、積層フィルムの少なくと
も片面に積層される金属添加酸化金属粒子または酸化金
属粒子を含有する樹脂層に用いられる樹脂は、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、
水溶性アルキド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ
ブチルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リビニルアセタール樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル−
スチレン樹脂等の樹脂から1種または2種類以上を組み
合わせて使用することができる。
【0023】金属添加酸化金属粒子および酸化金属粒子
を樹脂中に配合する方法としては、特に限定されるもの
ではないが、樹脂を重合する任意の段階で粒子を添加し
含有させる方法、溶融させた樹脂に直接添加し含有させ
る方法、樹脂と粒子をドライブレンドし押出機により押
し出し溶融混練する方法、溶剤等により溶解または分散
させた樹脂に添加し含有させる方法等が挙げられる。
【0024】本発明において、積層フィルムの一方の面
に金属添加酸化金属粒子または酸化金属粒子を含有する
樹脂層を積層する方法としては、特に限定されるもので
はないが、複数の押出機を用いて、ポリエステルと金属
添加酸化金属粒子を含有する樹脂とを同時に押し出し、
フィードブロック内あるいは口金内で合流させ押し出し
積層させる、いわゆる共押出法、金属添加酸化金属粒子
および/または酸化金属粒子を含有する樹脂を押出機で
溶融し、ポリエステルフィルム上に直接積層させる、い
わゆる押し出しラミネート法、ポリエステルフィルムの
製膜ラインのキャスティング後あるいは一軸延伸後に水
および/またはアルコール系溶媒に溶解した樹脂に金属
添加酸化金属粒子および/または酸化金属粒子を加えた
スラリーをポリエステルフィルム上に塗布する、いわゆ
るインラインコーティング(ILC)法、ポリエステル
フィルム上に有機溶剤に溶解した樹脂に金属添加酸化金
属粒子および/または酸化金属粒子を加えた塗料を塗布
する、いわゆるオフラインコーティング(OLC)法等
が挙げられる。
【0025】次に本発明の中の共押出法により着色され
たポリエステルフィルムにオフラインコーティング法に
より金属添加酸化金属粒子含有樹脂を積層する複合化ポ
リエステルフィルムの製造方法について具体的に説明す
るが、本発明の複合化ポリエステルフィルムは以下の製
造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述
べたポリエステル原料および着色ポリエステル原料を使
用し、それぞれの押出機により押し出し、フィードブロ
ックまたは口金で合流させた溶融シートを押出し、冷却
ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この時、シ
ートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラ
ムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法
および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0026】静電印加密着法とは、通常、シートの上面
側にシートの流れと直行する方向に線状電極を張架し、
該電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することによ
り、シートに静電荷を付与してシートとドラムとの密着
性を向上させる方法である。また、液体塗布密着法と
は、回転冷却ドラム表面の全体または一部(例えばシー
ト両端部と接触する部分のみ)に液体を均一に塗布する
ことにより、ドラムとシートとの密着性を向上させる方
法である。本発明においては必要に応じ両者を併用して
もよい。
【0027】次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方
向に延伸して二軸配向される。すなわち、まず前記の未
延伸シートを一方向にロールまたは、テンター方式の延
伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120
℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通
常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次い
で、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延
伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜11
5℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましく
は3.5〜6倍である。そして、引き続き、170〜2
50℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処
理を行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0028】上記の延伸においては、一方向の延伸を2
段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、
最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるよ
うに行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面
積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行う
ことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う
前または後に再度縦および/または横方向に延伸しても
よい。
【0029】本発明においては、得られるフィルムの透
明性および易滑性をさらに向上させる目的で、熱処理を
した後に一旦120℃以下に冷却し、さらに再び200
℃以上で熱処理する、いわゆる二段熱固定を採用するこ
とも好ましい方法である。上記延伸工程中にフィルムを
処理する、いわゆるインラインコーティングを施すこと
ができる。それは以下に限定するものではないが、特に
1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止
性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良等の目的
で、水溶性、水系エマルジョン、水系スラリー等のコー
ティング処理を施すことができる。
【0030】このようにして得られた着色ポリエステル
フィルムの少なくとも一方の面に金属添加酸化金属粒子
および/または酸化金属粒子を含有する樹脂を積層す
る。すなわち、有機溶剤に溶解させた樹脂に金属添加酸
化金属粒子を分散させた塗料を作成し、常法の塗布方法
により着色されたポリエステルフィルム上に当該塗料を
塗布し、乾燥、固化させて複合化ポリエステルフィルム
を得ることができる。なお、塗料には、慣用的に分散
剤、カップリング剤等の添加剤を添加してもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。なお、実施例および比較例
中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で
用いた測定法は次のとおりである。
【0032】(1)平均粒径(d50) (株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA
−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法
によって粒子の大きさを測定した。 (2)熱線カット性 試料フィルム(300mm×300mm)から50mm
隔てた所に100Wの白熱電球を点灯させ、点灯直後と
30分後において、試料フィルムから白熱電球と反対側
に50mm隔てた所に手の甲をかざして、熱線カット性
を下記ランクで評価した。
【0033】
【表1】 ランクA:熱線を殆ど感じない(実用上問題のないレベル) ランクB:熱線をやや感じる(実用上問題のないレベル) ランクC:熱線を強く感じる(実用上問題のあるレベル)
【0034】(3)色変化度 複合化ポリエステルフィルムをスガ試験機(株)社製ロ
ングライフタイプ耐光試験機を用いて、金属添加酸化金
属粒子および/または酸化金属粒子を含有する樹脂層面
側から1000時間光を照射し、試験前後色差を目視測
定し、次のようにランクをつけた。
【0035】
【表2】 ランクA:差が殆どない(実用上問題のないレベル) ランクB:差が若干ある(実用上問題のないレベル) ランクC:差がある(実用上問題のあるレベル)
【0036】(4)鮮明性 (株)GE企画センター製レーザードットカラーチャー
ト内のグラデーションカラースケール〔1〕上に10c
m隔てて試料フィルムを平行に置き、試料フィルム側か
ら鮮明性を目視判定し以下のランクに分けた。
【0037】
【表3】 ランクA:原画と比べ殆ど差がない ランクB:アミ点濃度5%位置が若干見にくい ランクC:アミ点濃度10%位置まで見にくい ランクD:アミ点濃度20%位置まで見にくい ここで、ランクAおよびBは実用上問題のないレベルで
ある。
【0038】〈ポリエステルの製造〉 製造例1(ポリエステルA) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いで、平均粒径(d50)1.54μmのシリカ粒
子を0.1部含有するエチレングリコールスラリーを反
応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート
0.04部、酸化ゲルマニウム0.01部を添加した後
100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せ
しめ以後も徐々に圧力を減じ最終的に0.3mmHgと
した。4時間後、系内を常圧に戻しポリエステルAを得
た。ポリエステルAのシリカ粒子の含有量は0.1重量
%であった。
【0039】製造例2(ポリエステルB) 製造例1において、平均粒径(d50)1.54μmのシ
リカ粒子を0.1部含有するエチレングリコールスラリ
ーを反応系に添加しない以外は、製造例1と同様にし
て、ポリエステルBを得た。
【0040】製造例3(ポリエステルC) 製造例2において、製造したポリエステルBを乾燥し、
該ポリエステル100部に対して、三菱化学社製ダイア
レジンイエローFを0.4部、同ダイアレジンレッドH
Sを0.7部、同ダイアレジンブルーH3Gを0.8部
混ぜ二軸押出機で混練押出し、着色ポリエステルCを得
た。
【0041】製造例4(ポリエステルD) 製造例2において、製造したポリエステルBを乾燥し、
該ポリエステル100部に対して、三菱化学社製ダイア
レジンイエローFを0.8部、同ダイアレジンレッドH
Sを1.4部、同ダイアレジンブルーH3Gを1.6部
混ぜ二軸押出機で混練押出し、着色ポリエステルDを得
た。
【0042】製造例5(ITO粉末の製造) 硝酸インジウムと硫酸錫(モル比=9対1)の混合水溶
液に界面活性剤(キシダ化学社製ツイン20)を該混合
水溶液に対して1重量%添加後、アンモニアを添加し、
水酸化インジウムと水酸化錫を共沈させた後、該共沈物
を酸化雰囲気中500℃で加熱し、得られた粉末をさら
に窒素ガス雰囲気のロータリーキルン反応器で250
℃、60分加熱処理し、一部脱酸素処理を行ないITO
粉末を得た。
【0043】製造例6(塗布液A) 製造例5において得られたITO粉末にアクリル樹脂、
溶剤(キシレン/MEK=80/20)、界面活性剤を
調合しサンドミルで24時間分散させ平均粒径0.05
μmのITO粒子が65重量%含有した塗布液Aを得
た。 製造例7(塗布液B) 製造例6において、ITO粉末を含有しない以外は製造
例6と同様にして塗布液Bを得た。 製造例8(塗布液C) 製造例6において、ITO粉末の替わりに平均粒径0.
27μmの酸化チタン粒子を含有する以外は製造例6と
同様にして塗布液Cを得た。
【0044】実施例1 ポリエステルA、Cの各チップをそれぞれ180℃で4
時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、別個の溶融押出機に
より290℃で溶融押出し、これらのポリマーをフィー
ドブロック内でA/C/Aの3層となる様合流させて、
静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷
却ロール上で冷却固化して積層未延伸シートを得た。得
られたシートを85℃で3.2倍縦方向に延伸した。次
いで、フィルムをテンターに導き100℃で3.2倍横
方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、層構成
がA/C/Aであり、各層の厚さが10/5/10(μ
m)である25μmの積層フィルムを得た。つづいて、
該積層フィルムの片面に塗布液Aを乾燥後の膜厚が1.
8μmとなるようにメイヤーバーによりコートし、10
0℃で乾燥して、複合化ポリエステルフィルムを得た。
【0045】実施例2 実施例1において、乾燥後の膜厚が0.8μmとなるよ
うに塗布液Aをコートした以外は実施例1と同様にして
複合化ポリエステルフィルムを得た。 実施例3 実施例1において、乾燥後の膜厚が2.7μmとなるよ
うに塗布液Aをコートした以外は実施例1と同様にして
複合化ポリエステルフィルムを得た。
【0046】実施例4 実施例1において、ポリエステルCをポリエステルDに
変更する以外は、実施例1と同様にして複合化ポリエス
テルフィルムを得た。 比較例1 実施例1において、塗布液Aの代わりに塗布液Bを使用
した以外は実施例1と同様にして複合化ポリエステルフ
ィルムを得た。
【0047】比較例2 実施例4において、塗布液Aの代わりに塗布液Bを使用
した以外は実施例4と同様にして複合化ポリエステルフ
ィルムを得た。 比較例3 実施例1において、塗布液Aの代わりに塗布液Cを使用
した以外は実施例1と同様にして複合化ポリエステルフ
ィルムを得た。以上、得られた結果をまとめて、下記表
1に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】以上説明した本発明による複合化ポリエ
ステルフィルムは、透明性が良く、フィルムを通して像
を見た時の鮮明性が確保され、かつ、熱線カット性に優
れ、自動車の窓、電車の窓、飛行機の窓等の乗物の窓、
建築物の窓等へ貼付されて使用された時、省エネルギ
ー、ガラスの飛散防止等に優れた効果を発揮するので極
めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料または顔料により着色されたポリエ
    ステルフィルムの少なくとも一方の面にポリエステルフ
    ィルムが積層された積層フィルムの一方の面に、金属添
    加酸化金属粒子または酸化金属粒子を含有する樹脂層が
    積層されていることを特徴とする複合化ポリエステルフ
    ィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004268574A (ja) * 2003-02-20 2004-09-30 Toray Ind Inc 金属板貼合せ用ポリエステルフィルム
JP2011148187A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Mitsubishi Plastics Inc 積層ポリエステルフィルム

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