JPH1134794A - 乗員保護装置 - Google Patents

乗員保護装置

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JPH1134794A
JPH1134794A JP9197224A JP19722497A JPH1134794A JP H1134794 A JPH1134794 A JP H1134794A JP 9197224 A JP9197224 A JP 9197224A JP 19722497 A JP19722497 A JP 19722497A JP H1134794 A JPH1134794 A JP H1134794A
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JP
Japan
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squib
self
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occupant protection
current
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JP9197224A
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English (en)
Inventor
Yasushi Uenaka
裕史 植中
Shinji Matsubara
伸次 松原
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 自己診断を小規模回路で効率良く行うことが
できる乗員保護装置を提供すること。 【解決手段】 乗員保護手段の各スクイブに対して選択
的に電流を供給するスクイブ作動回路を含むと共に電子
制御ユニットの制御に基づいてスクイブ作動回路がスク
イブに電流を供給する乗員保護装置において、電子制御
ユニットは、スクイブ作動回路中に設けられたスイッチ
を制御して2種以上の自己診断用電流を選択的に流す自
己診断電流制御手段と、乗員保護手段の各スクイブのい
ずれか一つを選択する電圧検出手段と、スクイブ端子間
電圧値および所定箇所の電圧値をデジタル値に変換する
A/D変換手段と自己診断用電流の供給および電圧検出
手段の切替スイッチによるスクイブの選択を制御して、
A/D変換手段のデジタル電圧値からスクイブおよびス
クイブ作動回路の異常を判定する手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車輌に搭載され
る乗員保護装置に関するものであり、特に、自己診断機
能を備えた乗員保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗員保護装置は、衝突時に乗員保護手段
を起動させて、乗員が車体の室内装備にぶつかることに
よる傷害を緩和する装置であり、乗員保護手段としてエ
アバッグやシートベルトプリテンショナがある。エアバ
ッグは、衝突時に乗員と室内装備との間にバッグを膨ら
ませて乗員の室内装備との接触傷害を緩和しようとする
ものであり、シートベルトプリテンショナは、衝突時に
シートベルトを緊急に引き締めて乗員と室内装備との接
触障害を緩和しようとするものである。
【0003】このような乗員保護装置は、車輌の衝突と
いう非常に稀に発生する事態に対して確実に作動するこ
とが必要であるため、車輌の始動時や走行中において常
に自己診断を行い、異常の早期発見に努めることが望ま
しい。
【0004】自己診断機能を備えた乗員保護装置とし
て、たとえば、特開平7−156743号公報に記載さ
れたものがある。ここには、自己診断用のスイッチ手段
(トランジスタ)をスクイブ作動回路中に設け、このス
イッチ手段を導通させたときのスクイブ作動回路の各所
の電圧値を監視することにより、異常の判断を行う技術
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の乗員
保護装置においては、一車輌に搭載されるエアバッグや
シートベルトプリテンショナの数が増大する傾向にあ
る。すなわち、当初は運転席前方に前突用エアバッグが
設けられていただけであったが、最近では、助手席前方
に前突用エアバッグを設けたり、側突用エアバッグを運
転席および助手席にさらに付加的に設けたりするように
なってきた。
【0006】エアバッグやシートベルトプリテンショナ
の数の増大は、当然に自己診断箇所の増大を招くことに
なる。一方、自己診断処理はできるだけ短時間に行うこ
とが望ましく、特に、車輌の始動時に行われるプライマ
リチェックでは、乗員保護装置にとって必要な自己診断
をすべての項目について一通り行う必要があるため、一
つ一つの自己診断項目を順に行う場合には、自己診断箇
所の増大は自己診断処理時間の増大に大きな影響を与え
る。
【0007】これに対して各自己診断を同時に並列処理
して自己診断時間の短縮化を図ることも考えられるが、
その場合には処理回路の規模の増大が予想される。
【0008】そこで、自己診断に必要な構成要素をでき
るだけ小さくしつつ、その処理時間を可能な限り短くす
ることが求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の乗員保護装置の
起動装置は、このような問題を解決するために為された
ものであり、通電により発熱するスクイブを有しこのス
クイブの発熱により乗員を拘束するように作動する1ま
たは2以上の乗員保護手段と、この乗員保護手段の各ス
クイブに対して選択的に電流を供給するスクイブ作動回
路を含むと共にこのスクイブ作動回路のスクイブに対す
る電流供給を制御する電子制御ユニットとを備え、車輌
衝突時に電子制御ユニットの制御に基づいてスクイブ作
動回路がスクイブに電流を供給することにより乗員保護
手段を起動させて乗員を保護する乗員保護装置におい
て、電子制御ユニットは、スクイブ作動回路中に設けら
れたスイッチを制御してこのスクイブ作動回路に2種以
上の自己診断用電流を選択的に流す自己診断電流制御手
段と、乗員保護手段の各スクイブのいずれか一つを切替
スイッチにより選択しその両端の電圧を検出する電圧検
出手段と、この電圧検出手段から出力されるスクイブ端
子間電圧値およびスクイブ作動回路の所定箇所の電圧値
を取り込んでそれらの電圧値をデジタル値に変換するA
/D変換手段と、自己診断用電流制御手段による自己診
断用電流の供給および電圧検出手段の切替スイッチによ
るスクイブの選択を制御して、A/D変換手段のデジタ
ル電圧値からスクイブおよびスクイブ作動回路の異常を
判定する判定手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】電圧検出手段内に切替スイッチが設けられ
これを切り替えることにより、すべてのスクイブに対す
る端子間電圧の検出できる。スクイブ毎に別々の電圧検
出手段を対応させた場合と比較して、回路規模を小さく
することができ、コストおよび配置スペースの点で有効
である。
【0011】また、判定手段が、自己診断用電流制御手
段による自己診断用電流の供給および電圧検出手段の切
替スイッチによるスクイブの選択を共に制御するので、
自己診断用電流の供給およびスクイブの選択に関して、
最も効率の良い組み合わせおよび順序等を選ぶことがで
きる。たとえば、切替スイッチにより一つのスクイブを
選択している間に、複数種類の自己診断電流を順に供給
し、診断電流毎に複数箇所の電圧値を読みとることによ
り、当該スクイブおよびそのスクイブ作動回路について
の複数の診断項目の診断を実行でき、自己診断時間の短
縮化を図ることができる。
【0012】判定手段は、自己診断用電流制御手段に1
種類の自己診断用電流の供給を実行させつつスクイブお
よびスクイブ作動回路中の2カ所以上の電圧値をデジタ
ル値に変換し、その2以上のデジタル値から2以上の診
断項目についての判定を行うこともできる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
乗員保護装置の各構成要素の配置を示す図である。本実
施形態の乗員保護装置は、乗員保護手段であるエアバッ
グ1〜4およびシートベルトプリテンショナ5、6と、
電子制御ユニット11と、加速度検出ユニット7、8
と、フロントサテライト加速度センサ9、10とで構成
されており、それぞれが図示のように車体12の所定の
場所に配置されている。
【0014】エアバッグのうち、前突用エアバッグ1お
よび2は運転席および助手席の前方に配置されており、
側突用エアバッグ3および4は、運転席および助手席の
シート内あるいはBピラー部に配置されている。これら
のエアバッグはスクイブと呼ばれる点火装置を備えてお
り、衝突時には電子制御ユニット11がスクイブ内部の
フィラメントを発熱させてガス発生剤を燃焼させ、これ
によりエアバッグが開くようになっている。
【0015】また、シートベルトプリテンショナ5およ
び6は、運転席および助手席のシートベルト取付部に配
置されており、それぞれにスクイブが設けられている。
衝突時には、エアバッグの場合と同様に、電子制御ユニ
ット11がスクイブ内部のフィラメントを発熱させてガ
ス発生剤を燃焼させるが、プリテンショナの場合は、こ
のガスの圧力を利用して、シートベルトの強制引き込み
を行う。
【0016】加速度検出ユニット7および8は、それぞ
れが配置された側の側突に伴う加速度変化を検出するユ
ニットであり、加速度関連値、たとえば、横加速度の所
定期間における積分値が所定のしきい値を越えたとき
に、対応するエアバッグまたはシートベルトプリテンシ
ョナを起動させるための起動要求信号を電子制御ユニッ
ト11に送信する。
【0017】電子制御ユニット11は、加速度検出ユニ
ット7または8から起動要求信号を受信すると、対応す
るエアバッグまたはシートベルトプリテンショナのスク
イブにスクイブ作動回路を介して点火電流を流し、各エ
アバッグまたはシートベルトプリテンショナを作動させ
る。また、前突時の加速度変化を検出する加速度センサ
を備えており、その加速度関連値である前後加速度の所
定期間における積分値が所定のしきい値を越えたとき
に、対応するエアバッグまたはシートベルトプリテンシ
ョナのスクイブにスクイブ作動回路を介して点火電流を
流し、これらを作動させる。
【0018】また、電子制御ユニット11は、各エアバ
ッグまたはシートベルトプリテンショナに設けられたス
クイブおよびこれらに点火電流を与えるスクイブ作動回
路の自己診断を行うものでもある。
【0019】フロントサテライト加速度センサ9、10
は、正面からのオフセット衝突を検出するセンサであ
り、たとえば、車体12の正面左半分において衝突があ
った場合には、加速度センサ10で検出される加速度が
加速度センサ9で検出される加速度よりも大きい。この
場合には加速度センサ10がオンとなり、加速度センサ
9はオフのままである。このとき、電子制御ユニット1
1では、オフセット衝突が起こったと判断し、前突用エ
アバッグ1、2またはシートベルトプリテンショナ5、
6の作動基準である前突用加速度関連値のしきい値を下
げる。これにより、前突でのオフセット衝突の場合に
は、電子制御ユニット21内の加速度センサでは検知し
難い衝撃でも前突用エアバッグ1、2またはシートベル
トプリテンショナ5、6が作動する。車体12の右半分
でのオフセット衝突の場合も同様に、オフセット衝突と
判断されると、前突用加速度関連値のしきい値が下げら
れる。
【0020】つぎに、図2を用いて、各構成要素の内部
構成および具体的な接続関係を説明する。なお、図2で
は、それぞれ左右一対で配置されている加速度検出ユニ
ット、エアバッグ、シートベルトプリテンショナ、フロ
ント加速度センサについては、左右で同じ構成であるた
め、簡単のために、車体12の右側、すなわち、運転席
側の加速度検出ユニット7、エアバッグ1、3、シート
ベルトプリテンショナ5、およびフロントサテライト加
速度センサ9を代表して描いてある。また、これに対応
して、各乗員保護手段に対する電子制御ユニット11内
の点火電流供給回路すなわちスクイブ作動回路も運転席
側用のみが描かれており、助手席側の点火電流供給回路
は省略してある。
【0021】電子制御ユニット11は、DC−DC昇圧
制御回路22、サテライト電源制御回路23、5V電源
レギュレータ24、スクイブ点火制御回路25、スクイ
ブダイアグ回路26および通信インターフェース回路2
7を搭載した統合化集積回路21を備えている。
【0022】DC−DC昇圧制御回路22は車載バッテ
リ15の12Vの電圧をバックアップコンデンサ44を
充電するために必要な電圧たとえば15V程度に昇圧す
る回路である。サテライト電源制御回路23は、加速度
検出ユニット7が動作するために必要な電力の供給を調
整する電源制御トランジスタ28を制御する回路であ
る。5V電源レギュレータ24は、統合化集積回路21
内部の各種回路やその周辺回路に対して5Vの電源電圧
を供給する回路である。
【0023】スクイブ点火制御回路25は、エアバッグ
1、3およびシートベルトプリテンショナ5に設けられ
た各スクイブ1a、3a、5aに供給される点火電流の
オンオフ切り替えを行うハイサイドトランジスタ32〜
34およびローサイドトランジスタ36〜38を制御す
る回路である。各ハイサイドトランジスタ32〜34お
よびローサイドトランジスタ36〜38のそれぞれに
は、抵抗81〜86が並列接続されており、自己診断の
際にトランジスタをオフさせたときでも各トランジスタ
をバイパスして僅かな電流が流れるようになっている。
【0024】点火は、前突用加速度センサ29により得
られる加速度および通信インターフェース回路27を介
して与えられる加速度検出ユニット7からの起動要求信
号に基づいて、マイコン30が起動すべきか否かを判断
し、起動信号を出力する。すなわち、マイコン30が互
いに直列に接続されているハイサイドトランジスタとロ
ーサイドトランジスタを同時に導通させることにより、
これらと直列接続されているスクイブに点火電流を供給
する。なお、このとき、セーフィングセンサ31または
53が閉じていることが必要である。
【0025】モニタトランジスタ72、73、74は、
自己診断処理を行うときに、マイクロコンピュータ30
の制御のもとで必要に応じてオン状態となり、スクイブ
1a、3a、5aに自己診断用電流を供給するスイッチ
手段である。各トランジスタ72、73、74には、直
列に抵抗75、76、77が接続されており、自己診断
用電流が必要以上に大きくなってスクイブ点火状態に至
ることのないようになっている。
【0026】スクイブダイアグ回路26は、後述するマ
イクロコンピュータ30の制御のもとで各スクイブ1
a、3a、5aに対して点火に至らない微弱な電流が流
れているときのスクイブ両端の電圧値を測定し、各スク
イブが正常であるか否かを自己診断する回路である。な
お、内部構成について図3と共に後述する。
【0027】通信用インターフェース回路27は、電子
制御ユニット11が加速度検出ユニット7および8とデ
ジタル通信を行うためのインターフェース回路である。
また、フロントサテライト加速度センサ9および10か
らの加速度信号の受信も併せて行う。
【0028】前突用加速度センサ29は電子式の加速度
センサであり、検出された加速度に応じた電気信号、す
なわち加速度信号を常時出力する。ここでは、前突用加
速度センサ29として、減速度に対してリニアな出力特
性が得られる圧電式の加速度センサが採用されている。
【0029】マイクロコンピュータ30は、前突用加速
度センサ29が出力する加速度信号を入力し、その加速
度の所定期間における積分値を連続的に算出する。この
積分値をここでは加速度関連値と呼び、マイクロコンピ
ュータ30は、この加速度関連値を予め設定された前突
用しきい値と比較し、しきい値を越えると起動要求信号
をスクイブ点火制御回路25に向けて出力する。なお、
この前突用しきい値の値は、通信用インターフェース回
路27を介して入力されるフロントサテライト加速度セ
ンサ9または10の出力信号のいずれかが一方がオンし
たときに低くなる。
【0030】また、マイクロコンピュータ30は、ハイ
サイドトランジスタ32〜34、ローサイドトランジス
タ36〜38、モニタトランジスタ72〜74のオンオ
フ制御およびスクイブダイアグ回路26の制御を行うこ
とにより、自己診断を行う。
【0031】さらに、マイクロコンピュータ30は、入
力されたアナログの電圧値をデジタル値に変換するA/
D変換機能も持っている。
【0032】スクイブ1a、3a,5aに点火電流を供
給するスクイブ作動回路は、車載バッテリ15、電源制
御Tr28、前突用セーフィングセンサ31、整流素子
であるダイオード42、43、ローサイドトランジスタ
群32〜34、ハイサイドトランジスタ群36〜38、
加速度検出ユニット7内の側突用セーフィングセンサ5
3とで構成されている。
【0033】前突用セーフィングセンサ31および側突
用セーフィングセンサ53は、所定値を越える加速度が
加わったときにスイッチがオンする機械式の衝突感知器
であり、ハイサイドトランジスタ32〜34、ローサイ
ドトランジスタ36〜38の誤動作に対する安全スイッ
チとして機能する。これらのセーフィングセンサ31お
よび53には、自己診断の際にオープン状態でも自己診
断用電流が流れるように、抵抗87、88が並列接続さ
れている。
【0034】バックアップコンデンサ44は、異常時に
各スクイブに点火電流を供給するためのバックアップ電
源である。たとえば、衝突時に車載電源から電子制御ユ
ニットへ電源を供給しているワイヤーハーネスが断線等
した場合のように点火電流を供給できない状態に陥った
ときに、車載バッテリ15に代わって点火電流をスクイ
ブに供給する。
【0035】加速度検出ユニット7は、5V電源レギュ
レータ50と、側突用加速度センサ51と、加速度の積
分演算および電子制御ユニット11との通信を行うマイ
クロコンピュータ52と、上述した側突用セーフィング
センサ53とを備えている。5V電源レギュレータ50
は、電子制御ユニット11内の電源制御トランジスタ2
8から電力供給を受けて、側突用加速度センサ51およ
びマイクロコンピュータ52に対する5V電圧電源とし
て機能する。側突用加速度センサ51は、前突用加速度
センサ29と同じく電子式の加速度センサであり、ダイ
アフラム式の加速度センサが採用されている。
【0036】マイクロコンピュータ52は側突用加速度
センサ51からの加速度信号を入力して、その加速度の
所定期間における積分値(加速度関連値)を連続的に算
出する。この加速度関連値は常時監視されており、所定
のしきい値と比較され、所定しきい値以上となったとき
に電子制御ユニット11に対応する側突用のエアバッグ
またはシートベルトプリテンショナを起動させるための
起動要求信号を送信する。
【0037】また、マイクロコンピュータ52は、加速
度検出ユニット7内の自己診断、たとえば、側突用加速
度センサ51が正常かどうか、といったような診断を定
期的に行い、その結果を電子制御ユニット11にダイア
グ信号として一定周期で送出する。
【0038】図3はスクイブダイアグ回路26の内部構
成およびこれとスクイブおよびマイクロコンピュータ3
0との接続関係を示す回路図である。スクイブダイアグ
回路26は、マイクロコンピュータ30の指令に基づい
て接続切替を行うマルチプレクサ93と、マルチプレク
サ93の出力端子に接続される差動増幅器90と、分圧
抵抗を介してマルチプレクサ93の出力端子に接続され
るバッファ91、92とを備えている。
【0039】差動増幅器90、バッファ91、92の各
出力端子は、マイクロコンピュータ30のA/D変換用
入力端子に接続されている。また、マルチプレクサ93
の入力端子側には、各エアバッグやプリテンショナに設
けられた各スクイブの両端が接続されている。なお、こ
の図では、スクイブおよびそのスクイブ作動回路とし
て、前突用スクイブ1a用とプリテンショナ用スクイブ
5a用の2つを代表して表示している。また、スクイブ
作動回路中の上流側のハイサイドトランジスタ32、3
3およびセーフィングセンサ31についてはその記載を
省略してある。
【0040】つぎに、このように構成された本実施形態
の乗員保護装置の車輌始動時の自己診断処理について説
明する。
【0041】自己診断処理はマイクロコンピュータ30
が、スクイブダイアグ回路26の制御と、ローサイドト
ランジスタ、ハイサイドトランジスタおよびモニタトラ
ンジスタのオンオフ制御とにより実行される。
【0042】6つのスクイブおよびスクイブ作動回路、
すなわち、左右の前突用スクイブ、左右のシートベルト
プリテンショナ用スクイブ、左右の側突用スクイブの各
スクイブおよびスクイブ作動回路毎に診断項目が5種類
ある。
【0043】第1の診断項目は、ハイサイドトランジス
タのオフ故障である。これは、ハイサイドトランジスタ
をオンさせてもオフ状態のときのように電流が流れない
という故障のことである。
【0044】第2の項目は、ローサイドトランジスタの
オフ故障である。これは、ローサイドトランジスタをオ
ンさせてもオフ状態のときのときに電流が流れないとい
う故障のことである。
【0045】第3の項目は、モニタトランジスタに直列
接続された抵抗のショート故障である。これは、モニタ
トランジスタに直列接続された電流制限用の抵抗の抵抗
値が下がってしまう故障のことである。
【0046】第4の項目は、スクイブのオープン故障で
ある。これは、スクイブの抵抗値が劣化等の理由により
大きく増大してしまう故障である。
【0047】第5の項目は、スクイブのショート故障で
ある。これは、スクイブの抵抗値が劣化等の理由により
大きく減少してしまう故障である。
【0048】つぎに、運転席の前突用スクイブおよびそ
のスクイブ作動回路を例に挙げて、各診断項目の診断方
法を説明する。
【0049】マイクロコンピュータ30は、スクイブダ
イアグ回路26内のマルチプレクサ93に対して、スク
イブ1aの両端が差動増幅器90の2つの入力端子に接
続するように指令を出し、マルチプレクサ93がこの指
令に応じた切り替えを行った後に、この状態を保持した
まま診断項目に応じて以下のようにトランジスタのオン
オフ制御を行う。
【0050】第1の診断項目では、ハイサイドトランジ
スタ36をオンしたときのスクイブの下流側端子の電圧
V−を測定する。ハイサイドトランジスタ36をオンす
ると、セーフィングセンサ31およびローサイドトラン
ジスタ32にそれぞれ並列接続された抵抗87および8
1、スクイブ1aおよびハイサイドトランジスタ36を
経由する電流路が形成されるが、ハイサイドトランジス
タ36の導通が不十分であると電圧V−の値が大きくな
る。そこで、この値が所定値以上であれば、ハイサイド
トランジスタ36のオンのときの導通が不十分であり、
故障していることになる。なお、電圧V−の値は、スク
イブダイアグ回路26のバッファ92の出力から得られ
る。
【0051】第2の診断項目では、ローサイドトランジ
スタ32をオンしたときのこのトランジスタの両端電位
差を測定する。すなわち、セーフィングセンサ31の下
流側電圧Vsafと、スクイブ1aの上流側電圧V+と
を検出し、その差を測定する。ローサイドトランジスタ
32をオンさせたときには、抵抗87、ローサイドトラ
ンジスタ32、スクイブ1a、抵抗84を通る電流路が
形成されるが、ローサイドトランジスタ32の導通が不
十分であると、その両端の電位差が大きくなる。したが
って、両端電位差が所定値以上のときには導通不良の故
障と判断できる。なお、Vsafの電圧もスクイブダイ
アグ回路26を介してマイコン30に取り込まれるが、
図3ではこの回路の記載を省略している。
【0052】第3の診断項目では、モニタトランジスタ
72をオンしたときのV+と、オフしたときのV+の差
を求める。モニタトランジスタ72のオンによって、モ
ニタトランジスタ72、抵抗75、スクイブ1a、抵抗
84を経由する電流路が形成され、そこに自己診断用の
電流が流れる。抵抗75の抵抗値が設定値より低いと、
大きな自己診断電流が流れてしまうため、モニタトラン
ジスタをオンしたときのV+からオフしたときのV+を
引いた値が所定値を越えてしまう。その場合にはモニタ
トランジスタの抵抗がショート故障していると判断す
る。
【0053】第4の診断項目では、モニタトランジスタ
72をオンしたときのスクイブ1aの端子間電圧Vdi
fとオフしたときのVdifを測定し、その差を求め
る。スクイブ1aの抵抗値が劣化により大きくなってい
ると、モニタトランジスタ72のオン・オフ時のVdi
fの差が大きくなるため、所定値を越えたときにはスク
イブのオープン故障と判断する。
【0054】第5の診断項目では、モニタトランジスタ
72とハイサイドトランジスタ36を同時にオンしたと
きのVdifと、ハイサイドトランジスタ36のみをオ
ンしたときのVdifとの差を求める。すなわち、ハイ
サイドトランジスタ36をオンさせておいて、モニタト
ランジスタ72をオンしたときのVdifとオフしたと
きのVdifの差を求める。スクイブ1aの抵抗値が劣
化により低くなっていると、このVdifの差が小さく
なるので、所定値以下であるときにはスクイブのショー
ト故障と判定できる。
【0055】以上の5つの診断が終了すると、マイクロ
コンピュータ30は、スクイブダイアグ回路26内のマ
ルチプレクサ93に対して、つぎのスクイブ、たとえ
ば、助手席前突用エアバッグのスクイブの両端が差動増
幅器90の2つの入力端子に接続するように指令を出
し、上述したような5つの自己診断を行い、以後他の4
つのスクイブに対しても同様の自己診断を行うことによ
り、乗員保護装置の車輌始動時の自己診断、すなわちプ
ライマリチェックが完了する。
【0056】なお、乗員保護装置の自己診断は、走行中
にも衝突判定を含む最速の割り込み処理によりたとえば
0.35ms毎に周期的に行われるが、上述したプライ
マリチェックは、その割り込み処理をむしろ停止させた
状態で行う。プライマリチェックをこの最速の割り込み
処理を利用して行うことも可能であるが、この割り込み
処理の場合は、1回の割り込み処理時間内にマイコン3
0に取り込める電圧値は1回だけなので、むしろ非効率
的である。
【0057】図4は本実施形態の乗員保護装置のプライ
マリチェック時の各トランジスタのオンオフ制御の一例
を示すタイミングチャートである。この例では、上述し
た5つの自己診断項目のうち、第1と第5自己診断を同
時に行い、第3と第4自己診断を同時に行って、トータ
ル時間の短縮化を図っている。
【0058】たとえば、区間Tは、運転席の前突用スク
イブおよびそのスクイブ作動回路の自己診断を行う場合
の各トランジスタのオンオフ状態を示している。期間t
1ではモニタトランジスタ72をオンさせて、それ以前
の状態との比較により、第3および第4自己診断を同時
に達成する。期間t2ではローサイドトランジスタ32
をオンにして第2自己診断を行う。期間t3では、モニ
タトランジスタ72とハイサイドトランジスタ36とを
図示のようにオンオフ制御して、第1および第5自己診
断を同時に達成する。
【0059】以下同様に、他のスクイブに対しても同様
の自己診断処理を行えば、全体としての自己診断処理時
間を短縮できる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の乗員保護
装置によれば、電圧検出手段内の切替スイッチを切り替
えることにより、小規模の回路ですべてのスクイブに対
する端子間電圧の検出できるので、コストおよび配置ス
ペースの点で有効である。
【0061】また、判定手段が、自己診断用電流供給回
路による自己診断用電流の供給および電圧検出手段の切
替スイッチによるスクイブの選択を共に制御するので、
自己診断用電流の供給およびスクイブの選択に関して、
最も効率の良い組み合わせおよび順序等を選ぶことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である乗員保護装置の各構
成要素の配置を示す平面図。
【図2】電子制御ユニット11と加速度検出ユニット7
の内部構成を明らかにしたブロック図。
【図3】スクイブダイアグ回路26の内部構成およびこ
れらとスクイブおよびマイクロコンピュータ30との接
続関係を示す回路。
【図4】本実施形態の乗員保護装置のプライマリチェッ
ク時の各トランジスタのオンオフ制御の一例を示すタイ
ミングチャート。
【符号の説明】
1、2…前突用エアバッグ、3、4…側突用エアバッ
グ、5、6…シートベルトプリテンショナ、7、8…側
突用の加速度検出ユニット、9、10…フロントサテラ
イト加速度センサ、11…電子制御ユニット、25…ス
クイブ点火制御回路、26…スクイブダイアグ回路、2
9…前突用加速度センサ、30、52…マイクロコンピ
ュータ、32〜34…ローサイドトランジスタ、36〜
38…ハイサイドトランジスタ、51…側突用加速度セ
ンサ、1a、3a、5a…スクイブ、72〜74…モニ
タトランジスタ、90…差動増幅器、91、92…バッ
ファ、93…マルチプレクサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電により発熱するスクイブを有しこの
    スクイブの発熱により乗員を拘束するように作動する1
    または2以上の乗員保護手段と、この乗員保護手段の各
    スクイブに対して選択的に電流を供給するスクイブ作動
    回路を含むと共にこのスクイブ作動回路の前記スクイブ
    に対する電流供給を制御する電子制御ユニットとを備
    え、車輌衝突時に前記スクイブ作動回路が前記スクイブ
    に電流を供給することにより前記乗員保護手段を起動さ
    せて乗員を保護する乗員保護装置において、 前記電子制御ユニットは、 前記スクイブ作動回路中に設けられたスイッチを制御し
    てこのスクイブ作動回路に2種以上の自己診断用電流を
    選択的に流す自己診断電流制御手段と、 前記乗員保護手段の各スクイブのいずれか一つを切替ス
    イッチにより選択しその両端の電圧を検出する電圧検出
    手段と、 この電圧検出手段から出力されるスクイブ端子間電圧値
    および前記スクイブ作動回路の所定箇所の電圧値を取り
    込んでそれらの電圧値をデジタル値に変換するA/D変
    換手段と、 前記自己診断用電流制御手段による自己診断用電流の供
    給および前記電圧検出手段の前記切替スイッチによるス
    クイブの選択を制御して、前記A/D変換手段のデジタ
    ル電圧値から前記スクイブおよび前記スクイブ作動回路
    の異常を判定する判定手段とを備えていることを特徴と
    する乗員保護装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、前記自己診断用電流制
    御手段に1種類の自己診断用電流の供給を実行させつつ
    前記スクイブおよびスクイブ作動回路の中の2カ所以上
    の電圧値をデジタル値に変換し、その2以上のデジタル
    値から2以上の診断項目についての判定を行うことを特
    徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
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