JP3868536B2 - 乗員保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両の衝突事故時に乗員を保護するエアバッグ等が複数個備えられてなる乗員保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の乗員保護装置、例えば、前方からの衝突事故時に乗員を保護するための装置を例にとり、それを図5に基づいて説明する。
図5において昇圧回路3は、イグニッションスイッチ2を介して供給されるバッテリ1からの入力電圧を昇圧して抵抗4を介してバックアップコンデンサ5を充電する。その充電された電荷は、マイクロコンピュータ11が加速度センサ10から供給される加速度信号に基づいて重大衝突と判断したときにスイッチ回路7をオンすることによって放電用ダイオード6を介して雷管8、機械式加速度スイッチ9(このときはオン状態であるが、通常時はオフ状態)を直列に介して放電され、雷管8によって図示されない火薬が点火され、エアバッグが展開される。なお、この機械式加速度スイッチ9は、本出願人による特願平5−351470号公報に開示されている構造のものである。
【0003】
また、マイクロコンピュータ11は故障診断機能を有し、例えば前記バックアップコンデンサ5の静電容量の診断時にはスイッチングトランジスタ13を所定の時間の間オン、オフし、バックアップコンデンサ5に充電された電荷を抵抗12を介して放電し、その時のバックアップコンデンサ5の端子電圧の変化量をマイクロコンピュータ11が読み取り、バックアップコンデンサ5の静電容量が規定値の範囲内にあるか否かの診断を行い、異常(規定値の範囲から外れている)と判断した場合には、図示されないランプ等の警報装置を用いて乗員に知らせる。また、この故障診断機能によって雷管8、スイッチ回路7等の故障診断も行う。
【0004】
しかしながら、上記の乗員保護装置は、車両の前方方向からの衝突時に乗員を保護するために開発されたものであるが、最近ではこれを側方からの衝突時に乗員を保護する装置に転用することによって、左右方向からの衝突から乗員を保護しようとする試みがなされている。
【0005】
すなわち、例えば上記の図5に示す乗員保護装置を車両の前方からの衝突に対応できるようにセンターコンソール近傍に配置し、かつこの乗員保護装置と同様の乗員保護装置(当然ながら衝突を判断するためのアルゴリズムは異なる)を車両の左右方向からの衝突に対応できるようにドア近傍に配置することが考えられる。その場合、それぞれの乗員保護装置での故障診断結果を1つの乗員保護装置に集めて1つの警報装置を用いて表示させようとした場合には、そのための回路が新たに必要となり、かつ、故障診断結果のデータを伝達するための複数本の長いハーネスを車内に配策しなくてはならず、コストアップになる恐れがあった。また、複数本のハーネスを使用することによってそれに比例して高価なコネクタも使用しなくてはならず、コストアップの要因になる恐れがあった。
【0006】
そこで、通常コスト低減のために、互いの通信によって信号の伝送を行うこと、例えば集中制御方式LANシステムが常套手段として考えられるので、それによる構成を図6に示して以下に説明する。
【0007】
すなわち、図6において、符号14で示すユニットは主乗員保護装置で、これは車両前方からの衝突に対して乗員を保護するための機能を有すると共に、例えば第1及び第2副乗員保護装置15、15’の機能を診断するための機能も有し、その構成は図5に示した構成の他に次の機能が追加され、故障と判断したときには図示されない警報装置を作動させる。
【0008】
すなわち、マイクロコンピュータ11’は、第1通信回路17を介して後述の第1副乗員保護装置15と多重通信を行う機能、すなわち第1副乗員保護装置15に要求信号を伝送して、その第1副乗員保護装置15から診断信号を伝送してもらい、マイクロコンピュータ11’は、第1、第2副乗員保護装置15、15’の各回路部の故障診断を行い、故障があると判断したときには、前記図示されない警報装置を作動させる。なお、第1及び第2副乗員保護装置15、15’での故障診断データは雷管8’、機械式加速度スイッチ9’に関するもので、それぞれの端子電圧の大きさ及びその電位差の大きさを基準値と比較することによって得られる。
【0009】
また、符号15で示すユニット、すなわち第1副乗員保護装置15は、運転席側ドア、センターピラー基部近傍等に設けられて車両側方からの衝突に対して乗員を保護するためのもので、この第1副乗員保護装置15の電源は、符号16で示すハーネス等の電源ラインによって前記主乗員保護装置14のバックアップコンデンサ5(または昇圧回路3)から給電されるように接続されている。
【0010】
なお、この第1副乗員保護装置15の左右方向加速度センサ10’は、前後方向加速度センサ10と同一のものであるが、この前後方向加速度センサ10に対して、車両の左右方向からの加速度を検出できるように検出方向を換えて車両に取り付けられているものである。
【0011】
18は第2通信回路で、第1通信回路17と共に、主乗員保護装置14のマイクロコンピュータ11’と第1副乗員保護装置15のマイクロコンピュータ11’’との間に介在して、双方のマイクロコンピュータ11’と11’’の間の通信を行う。
【0012】
マイクロコンピュータ11’’は、車両左右方向に発生した加速度信号を検出する前記左右方向加速度センサ10’からの加速度信号に基づいて衝突判断を行い、重大衝突と判断した場合には、スイッチ回路7’(スイッチ回路7と同一のもの)にトリガ信号を供給してオン制御する。また、上記の如くこのマイクロコンピュータ11’’は故障診断機能を有し、第2通信回路18からの要求信号を受けて故障診断結果(応答信号)を第2通信回路18に出力する。
【0013】
なお、8’は前記雷管8と同等の雷管、9’は前記機械式加速度スイッチ9と同等の機械式加速度スイッチ、20は定電圧回路で、前記電源ライン16を介した前記昇圧回路3(またはバックアップコンデンサ5)からの出力を受けて第1副乗員保護装置15を構成する各回路に一定電圧を供給するものである。
【0014】
また、15’は第2副乗員保護装置で、助手席側の側方からの衝突に対して保護するもので、前記第1副乗員保護装置15と同一構成をしており、主乗員保護装置14の電源端子に第1副乗員保護装置15と並列的に接続されているので、その詳細説明は省略する。
【0015】
すなわち、上記の如く、第1及び第2副乗員保護装置15、15’は、主乗員保護装置14の昇圧回路3(またはバックアップコンデンサ5)から電源ライン16を介して昇圧電圧を受け、主乗員保護装置14は第1通信回路17を介して第1及び第2副乗員保護装置15、15’に対して交互に要求信号を供給し、それに対して第1及び第2副乗員保護装置15、15’のそれぞれは交互に主乗員保護装置14に対して応答信号を伝送する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如く、主乗員保護装置のマイクロコンピュータが複数の第1及び第2副乗員保護装置と交互に通信することになるので、マイクロコンピュータの信号処理速度が遅いと、次回までの通信に多くの時間を必要とすることになるので、主乗員保護装置のマイクロコンピュータが必要とする応答信号がすぐに得られず、信号処理がタイムリーでないという問題点があった。
【0017】
そこで、この発明は、上記問題点に着目してなされたもので、複数の副乗員保護装置の内の何れかの副乗員保護装置から重要な信号が供給された時には、主乗員保護装置は、他の副乗員保護装置との通信を中断してその重要な信号を伝送してきた副乗員保護装置のみと通信を行うようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この乗員保護装置に係る発明は、車両の側面側での衝突に伴う加速度を検出する複数の車両の側面側での衝突に伴う加速度を検出する複数の左右方向加速度センサと、該複数の左右方向加速度センサからの加速度信号に基づいて車両の側方からの衝突の大きさを判断する複数の副信号処理回路と、該複数の副信号処理回路のそれぞれに設けられて、かつそれぞれで処理された前記加速度信号に基づく衝突データ及び故障診断データを、要求信号の供給を受けた通信ラインに出力する複数の通信回路と、前記通信ラインを介して前記要求信号を出力することによって該要求信号に対応する前記副信号処理回路の内の何れかの副信号処理回路から所定値を超えた重大事故につながる可能性のある衝突信号が供給された時には、他の副信号処理回路との通信を中断してその衝突信号を伝送してきた副信号処理回路のみと通信を行う主信号処理回路とを備えた。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1に基づいて説明する。
まず、主乗員保護装置35について説明するが、これは図6に示したものに比べて通信ライン36が電源ラインを兼ねているもので、かつ全ての雷管28、28’、28’’が1つのマイクロコンピュータ25によって、制御されている点にある。
すなわち、21は昇圧回路で、イグニッションスイッチ2を介して供給されるバッテリ1からの入力電圧を昇圧して抵抗22を介してバックアップコンデンサ23を充電すると共に、電源ライン36に介挿されたスイッチ回路32、抵抗34を直列に介して第1副乗員保護装置(図3において右サテライトという)45及び第2副乗員保護装置(図3において左サテライトという)45’のそれぞれにその昇圧電圧を供給する。24は車両の前後方向に発生する加速度を検出する前後方向加速度センサで、検出信号である加速度信号を、後述のマイクロコンピュータ25に供給する。
【0020】
このマイクロコンピュータ(第3信号処理回路)25は、衝突判断機能を有し、前記前後方向加速度センサ24から供給される加速度信号に基づいて重大衝突と判断したときにスイッチ回路26をオン制御することによってバックアップコンデンサ23に充電された電荷を放電用ダイオード27を介して放電し、雷管28、機械式加速度スイッチ29に直列に点火電流を流す。なお、このとき機械式加速度スイッチ29がオンされていることは言うまでもないことである。
【0021】
26’は前記バックアップコンデンサ23に充電された電荷を雷管28’に供給するためのスイッチ回路で、マイクロコンピュータ25が第1副乗員保護装置45のマイクロコンピュータ25’から電源ライン36、第1通信回路33、信号ラインZを介して重大衝突を示す信号を応答信号として供給を受けたときに、マイクロコンピュータ25によって、スイッチ回路26’がオン制御されて点火電流が雷管28’にバックアップコンデンサ23から供給され、運転席シートに設けられたエアバッグを展開する。
【0022】
26’’は前記バックアップコンデンサ23に充電された電荷を雷管28’’に供給するためのスイッチ回路で、マイクロコンピュータ25が第2副乗員保護装置45’のマイクロコンピュータから前記と同様に電源ライン36、第1通信回路33、信号ラインZを介して重大衝突を示す信号を応答信号として供給を受けたときに、マイクロコンピュータ25によって、スイッチ回路26’’がオン制御されて点火電流が雷管28’’にバックアップコンデンサ23から供給され、助手席シートに設けられたエアバッグを展開する。
なお、スイッチ回路26と雷管28、スイッチ回路26’と雷管28’、スイッチ回路26’’と雷管28’’のそれぞれはハーネスによって、接続されている。
【0023】
また、前記マイクロコンピュータ25は前記バックアップコンデンサ23、雷管28等の故障診断機能を有し、そのうちバックアップコンデンサ23の容量診断においては、イグニッションスイッチ20のオン操作直後、すなわち、マイクロコンピュータ25に電力が供給された直後の所定時間の間、信号ラインYを介してスイッチ回路32をオフし、前記バックアップコンデンサ23の充電電荷が、第1及び第2副乗員保護装置45、45’の各回路の暗電流として放電されないように、すなわち後述の第1及び第2副乗員保護装置45、45’が前記バックアップコンデンサ23の負荷として作用する関係をなくした状態、(主乗員保護装置35と第1及び第2副乗員保護装置45、45’とを電気的に切り離した状態)にした後にスイッチングトランジスタ31をオンし、前記バックアップコンデンサ23に充電された電荷を抵抗30を介して放電し、その時のバックアップコンデンサ23の端子電圧の、所定時間の間における変化量をマイクロコンピュータ25が読み取り、そのバックアップコンデンサ23の静電容量を算出し、基準値と比較することによって容量診断を行い、異常と判断した場合には、図示されないランプ等の警報装置を用いて乗員に知らせる。
【0024】
なお、前記雷管28、28’、28’’の断線診断等は、それぞれの雷管28、28’、28’’の端子電圧及びその電圧差に基づいてマイクロコンピュータ25が判断し、短絡断線等と判断した場合には、上記と同様に図示されないランプ等の警報装置を用いて乗員に知らせる。また、前記マイクロコンピュータ25は電源ライン36、信号ラインZを介して第1及び第2副乗員保護装置45、45’から各種診断信号を応答信号として入力し、上記と同様の診断を行うが、当然ながらその時のマイクロコンピュータ25の動作は、信号ラインXを介して第1通信回路33から第1及び第2副乗員保護装置45、45’に対して交互に要求信号を送信した後に、各種診断信号を第1副乗員保護装置45のマイクロコンピュータ(第2信号処理回路)25’及び第2副乗員保護装置45’のマイクロコンピュータ(第2信号処理回路、図示せず)から交互に送信してくることは言うまでもないことである。
【0025】
また、図中符号34は抵抗で、スイッチ回路32の出力側に電源ライン36と直列に介挿されている。さらに、前記マイクロコンピュータ25は、図3に示すフローチャートに従って第1副乗員保護装置45と、第2副乗員保護装置45’と、主乗員保護装置35との故障診断等を交互に繰り返し、信号処理を行っている(図3参照のこと)。
すなわちステップ100において、マイクロコンピュータ25は、雷管28、28’、28’’、主乗員保護装置35を構成している各種回路部、例えばバックアップコンデンサ23、スイッチ回路26、26’、26’’等の故障診断を行い、異常があると判断した場合には、次にステップ110で図示されないランプ等を点灯して故障警報を発して、ステップ120に進む。
【0026】
ステップ120では、マイクロコンピュータ25が、前後方向加速度センサ24からの加速度信号に基づいて、衝突判断を行い、重大衝突と判断すると、スイッチ回路26をオン制御し、雷管28に点火電流を供給して運転席のエアバッグを展開する。このステップ120で、重大衝突と判断されなかった場合には、要求信号を第1副乗員保護装置45に伝送し、それに対する第1副乗員保護装置45からの応答信号である故障診断データを受け取り、それに基づいてマイクロコンピュータ25がステップ130で故障と判断すれば、ステップ110と同様に故障表示を行い、その後ステップ140に進む。
【0027】
ステップ140では、ステップ130で得た応答信号に含まれる第1副乗員保護装置45からの衝突データ(加速度の大きさ、加速度スイッチ40のオン信号)に基づいて、重大衝突とまでは至らなくても第1の所定値以上の加速度信号を受け取ったと判断するとステップ100に戻り、また、ステップ140で加速度信号の大きさが前記第1の所定値以下と判断されるとステップ140からステップ150に進む。また、ステップ140で応答信号の中に含まれる加速度スイッチ40がオン状態で衝突であることを示している信号が供給され、かつ、加速度信号の大きさが前記第1の所定値より大きな第2の所定値を越えるような大きさになった、すなわち重大衝突と判断すると、マイクロコンピュータ25はスイッチ回路26’をオンして雷管28’に点火電流をバックアップコンデンサ23から供給して、ステップ150に進む。
【0028】
また、ステップ140で加速度信号の大きさが前記第1の所定値より小さいと判断すると、ステップ150、160、170の順に実行する。なお、この各ステップ150、160、170のそれぞれは前記ステップ100、110、120と同様のことを再度繰り返すので、ここではその説明は省略する。
【0029】
次に、ステップ180では、マイクロコンピュータ25から第1通信回路33、電源ライン36を介して第2副乗員保護装置45’のマイクロコンピュータに出力される要求信号に対応して返送されてくる、第2副乗員保護装置45’からの故障診断結果の応答信号をマイクロコンピュータ25が入力し、そのデータから、第2副乗員保護装置45’の左右方向加速度センサ、加速度スイッチ等に故障と判断すればマイクロコンピュータ25が、図示されない表示装置に故障表示を行い、また故障ではないと判断すればステップ190に進む。
ステップ190では、ステップ180で得られた応答信号の中に含まれる第2副乗員保護装置45’からの衝突データ(加速度の大きさ、加速度スイッチのオン信号)を示す応答信号を受け取り、前記と同様に重大衝突とまでは至らなくても第1の所定値以上の加速度信号を受け取ったと判断するとステップ150に戻り、また、ステップ190で加速度信号の大きさが前記第1の所定値以下であるとステップ190からステップ100に進む。
【0030】
また、ステップ190で応答信号の中に含まれる加速度スイッチがオン状態で衝突であることを示している信号が供給され、かつ、加速度信号の大きさが前記第1の所定値より大きな第2の所定値を越えるような大きさになったと判断すると、マイクロコンピュータ25は重大衝突としてスイッチ回路26’’をオンして雷管28’’に点火電流をバックアップコンデンサ23から供給して、ステップ100に戻る。
また、ステップ190で加速度信号の大きさが前記第1の所定値より小さいと判断した場合もステップ100に戻る。
【0031】
次に、第1副乗員保護装置45について説明する。
24’は前記前後方向加速度センサ24と同一の加速度センサで、前後方向加速度センサ24と検出方向が異なり、車両の左右方向の加速度を検出するように取り付けられ、その検出出力である加速度信号をマイクロコンピュータ25’に供給する。マイクロコンピュータ25’は、前記マイクロコンピュータ25と同様に衝突判断機能を有し、前記左右方向加速度センサ24’から供給される加速度信号と、後述の加速度スイッチ40から供給されるスイッチ信号とに基づいて車両側方からの衝突の規模を判断し、重大衝突になると事前の判断をすると、主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25から第1通信回路33、電源ライン36を介して要求信号が供給されたときに、その要求信号に対する応答信号として第2通信回路(第1通信回路33と同一のもの)33’、スイッチングトランジスタ41’、電源ライン36を介して返送する。
【0032】
またマイクロコンピュータ25’は、マイクロコンピュータ25と同様に診断機能を有して、左右方向加速度センサ24’、加速度スイッチ40等の断線等の故障診断を行い、主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25から要求信号が供給される毎に、この診断結果を応答信号として第2通信回路33’、電源ライン36、信号ラインZを介して主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25に返送する。なお、加速度スイッチ40は、半導体加速度センサと、その検出出力を入力する比較回路とから構成され、半導体加速度センサからの出力がこの比較回路の基準値を越えたときに、スイッチ信号をマイクロコンピュータ25’に出力する。
【0033】
41’は電界効果型トランジスタ等のスイッチングトランジスタで、第2通信回路33’の出力信号によってオン、オフ制御され、衝突判断結果、各種診断結果等の応答信号を出力する。なお、42’は前記スイッチングトランジスタ41’と電源ライン36との間に介挿された抵抗で、前記抵抗34と直列接続されて、スイッチングトランジスタ41’がオンしたとき(または第1通信回路33の出力側に形成されたスイッチングトランジスタ41がオンしたとき)に、逆流防止用ダイオード43のアノード側の電圧が0レベルにならずに一定電圧V1に保持されて、常時後述の定電圧回路44に入力電圧を給電できるようにしている(図2参照のこと)。なお、この定電圧回路44は常時入力電圧を受け、かつ第1副乗員保護装置45を構成する各回路に電力を供給している。
【0034】
なお、電源ライン36は主乗員保護装置35と第1副乗員保護装置45(または後述の第2副乗員保護装置45’)との間で通信を行っているときは図2に示すような電圧波形になる。
すなわち、図2において、電圧V1はスイッチングトランジスタ41、またはスイッチングトランジスタ41’の何れかが共に、オンしたときの昇圧回路21の出力電圧V3を抵抗34及び42(または42’)で抵抗分割した値になり、電圧V2はスイッチングトランジスタ41及び41’が共にオフしたときの電圧で、抵抗34の値で決まる。
【0035】
45’は第2副乗員保護装置で、前記第1副乗員保護装置45と同一構成をなしている。またこの第2副乗員保護装置45’は第1副乗員保護装置45が運転席ドア等に設けられているのに対して、助手席側のドア等に設けられている。
【0036】
次に、上記構成の作用を説明する。
(1)診断機能が動作するとき
イグニッションスイチ2がオンされ、主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25が作動を開始し、容量診断を行うとき、マイクロコンピュータ25は信号ラインYを介してスイッチ回路32をオフして、上記の如くマイクロコンピュータ25はスイッチングトランジスタ31を所定時間の間にオン動作せしめ、十分に充電されたバックアップコンデンサ23を、抵抗30を介して放電し、そのときのバックアップコンデンサ23の端子電圧をマイクロコンピュータ25が読み取ることによって、マイクロコンピュータ25はバックアップコンデンサ23の端子電圧の電圧変化から静電容量が規定値の大きさか否かを判断し、また、マイクロコンピュータ25は主乗員保護装置35の各部、例えば雷管28の断線、短絡異常の診断を行い、異常の時は、警報装置を作動させて知らせる。
【0037】
その後、スイッチ回路32をオンせしめ、第1通信回路33、電源ライン36を介して第1副乗員保護装置45のマイクロコンピュータ25’に対して、診断要求信号を供給する。要求信号を受け取ったマイクロコンピュータ25’は第1副乗員保護装置45内の各部、例えば雷管28’の端子電圧を読み取り、第2通信回路33’の出力によって、スイッチングトランジスタ41’をオン、オフすることによって、すなわち多重通信によって電源ライン36を介して主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25に信号ラインZを介して応答信号を返送してマイクロコンピュータ25で診断を行う。
【0038】
(2)衝突判断機能が作動するとき
上記各種診断が終了した後(または行われていないとき)に、車両が追突等の前方衝突をしたとき、主乗員保護装置35の機械式加速度スイッチ29がオンし、さらにマイクロコンピュータ25が前後方向加速度センサ24からの加速度信号に基づいて重大衝突と判断すると、マイクロコンピュータ25はスイッチ回路26をオン制御してバックアップコンデンサ23に充電された電荷を放電用ダイオード27を介して雷管28に通電し、エアバッグ等を展開させ、乗員を前方衝突から保護する。しかしながら、この時加速度が車両の前後方向に作用するので、第1副乗員保護装置45の左右方向加速度センサ24’及び加速度スイッチ40からは信号は出力されず、バックアップコンデンサ23から雷管28’には点火電流は供給されない。
【0039】
また、例えば第1副乗員保護装置45の左右方向加速度センサ24’に、図4(A)に示されるように、車両の左右方向の加速度信号が発生しても、その加速度信号が、時刻T0までは第1及び第2副乗員保護装置45、45’の第1の所定値に達しないので、主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25は第1及び第2副乗員保護装置45、45’に対して要求信号を交互に出力している(図4(B),(C)の0〜T0参照)。
【0040】
しかしながら、時刻T0で、左右方向加速度センサ24’の検出出力が第1の所定値を越え、それを示す信号がマイクロコンピュータ25からの要求信号の供給に答えて、第1副乗員保護装置45のマイクロコンピュータ25’から主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25に供給され、マイクロコンピュータ25がその加速度信号から重大事故につながる可能性のある衝突信号であると判断すると、マイクロコンピュータ25は第2副乗員保護装置45’への診断要求信号の供給を停止して(図4(C)のT0以後)、第1副乗員保護装置45に対してのみ、診断要求信号を供給し(図4(B)のT0以後)、主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25による第1副乗員保護装置45の左右方向加速度センサ24’の検出出力のモニタが通電時の2倍の頻度で開始される(図4(D))。
【0041】
そして、時刻T1に第1の所定値より大きな第2の所定値を越えると、第1副乗員保護装置45のマイクロコンピュータ25’から主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25に図4(E)に示す展開要求信号が供給され、マイクロコンピュータ25は運転席の乗員を保護するためにスイッチ回路26’をオンせしめることによって雷管28’に点火電流を供給し(図4(F))、エアバッグを展開する。
【0042】
なお、加速度信号の大きさが第1の所定値を越えても、第2の所定値を越えなければ展開要求信号は出力されない。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば主信号処理回路のマイクロコンピュータの信号処理速度を速くしなくても何れかの副信号処理回路に重要信号が発生したときには、十分に対応できるという効果が発揮される。
例えば、主乗員保護装置以外に副乗員保護装置が2つ接続されているときは、同じ時間内に2倍の衝突データを処理でき、実質速度が2倍になったものと同一になるという効果が発揮される。また、これによって、演算速度の速いマイクロコンピュータを使用しなくても、演算速度の遅いマイクロコンピュータであっても、この種のものに使用可能になるという効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による乗員保護装置の実施の形態1の回路ブロック説明図である。
【図2】図1における電源ライン36の波形図である。
【図3】図1における主乗員保護装置35のマイクロコンピュータ25の作動説明図である。
【図4】図1の作用を説明するための動作説明図である。
【図5】本発明の従来例の回路説明図である。
【図6】本発明の従来例の回路説明図である。
【符号の説明】
24,24’ 加速度センサ
25,25’ マイクロコンピュータ
26,26’,26’’,32 スイッチ回路
28,28’,28’’ 雷管
33,33’ 通信回路
34,42,42’ 抵抗
31,41,41’ スイッチングトランジスタ
40 加速度スイッチ
Claims (1)
- 車両の側面側での衝突に伴う加速度を検出する複数の左右方向加速度センサ(10')と、
該複数の左右方向加速度センサ(10')からの加速度信号に基づいて車両の側方からの衝突の大きさを判断する複数の副信号処理回路(25')と、
該複数の副信号処理回路(25')のそれぞれに設けられて、かつそれぞれで処理された前記加速度信号に基づく衝突データ及び故障診断データを、要求信号の供給を受けた通信ラインに出力する複数の通信回路(33)、(33')と、
前記通信ラインを介して前記要求信号を出力することによって該要求信号に対応する前記副信号処理回路(25')の内の何れかの副信号処理回路から所定値を超えた重大事故につながる可能性のある衝突信号が供給された時には、他方の副信号処理回路との通信を中断してその衝突信号を伝送してきた副信号処理回路のみと通信を行う主信号処理回路(25)と
を備えた乗員保護装置。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
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