JPH11347886A - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

工作機械の主軸装置

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JPH11347886A
JPH11347886A JP15572298A JP15572298A JPH11347886A JP H11347886 A JPH11347886 A JP H11347886A JP 15572298 A JP15572298 A JP 15572298A JP 15572298 A JP15572298 A JP 15572298A JP H11347886 A JPH11347886 A JP H11347886A
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Hiroshi Okumura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主軸の急停止時にも主軸の支持剛性の低下を
防止し、その後の主軸の急加速時に主軸に大きな振動が
発生するのを防止する。 【解決手段】 主軸10の前後複数箇所に固定ハウジング
15のハウジング部材15cに対して主軸10を回転支持する
ためのアンギュラ玉軸受11、12、13、14の内輪11a、12
a、13a、14aを固定する。一部の玉軸受13、14の外輪13
b、14bを固定ハウジング15のハウジング部材15c の内周
にボールブッシュ18を介して軸方向移動可能に取付けら
れた移動ハウジング19に固定する。移動ハウジング19に
冷却油循環用中空部26を形成する。移動ハウジング19と
固定ハウジング15のハウジング部材15c との温度差を検
出する温度センサ41、42と、この温度差に基いて冷却油
循環用中空部26への冷却油の供給を制御する冷却油供給
制御装置44とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械の主軸
装置に関する。
【0002】この明細書において、主軸の先端側、すな
わち図1、図3および図4の左側を前、これと反対側を
後ということにする。
【0003】
【従来の技術】工作機械とくに高速主軸を備えたマシニ
ングセンタなどにおいては、低速から高速までの広い範
囲で安定した加工が可能な主軸装置が望まれている。
【0004】工作機械の主軸装置として、主軸の前部お
よび後部が転がり軸受によりハウジングに対して回転支
持されているものが知られている。このような主軸装置
の軸受として、アンギュラ玉軸受などが使用され、軸受
内輪は主軸側に、軸受外輪はハウジング側に固定され
る。そして、軸受の転動体のすべり防止や主軸の剛性増
加のため、軸受に適切な予圧が付与されるように各軸受
間の内輪の軸方向相対位置と外輪の軸方向相対位置との
関係が決められている。
【0005】ところで、主軸が回転すると、軸受が発熱
し、主軸に温度上昇が生じる。また、近年、主軸駆動用
の電動モータを内蔵した主軸装置が増加しているが、そ
の場合、主軸側のモータのロータも発熱し、主軸の温度
上昇はさらに大きくなる。主軸の温度上昇の度合は回転
速度によって変化し、とくに高速回転時に、主軸の温度
上昇が大きく、主軸とハウジングとの間に大きな温度差
が生じ、ハウジングに対して主軸の軸方向の熱変形が大
きくなる。その結果、主軸側に固定されている軸受内輪
の軸受間の軸方向相対位置とハウジング側に固定されて
いる軸受外輪の軸受間の軸方向相対位置との関係が変化
し、予圧過小あるいは予圧過大になり、これが軸受損傷
の原因となる。
【0006】このような主軸の熱変形を吸収するため、
主軸の前後複数箇所に固定ハウジングに対して主軸を回
転支持するための転がり軸受の内輪が固定され、一部の
転がり軸受の外輪が固定ハウジングの内周にボールブッ
シュを介して軸方向移動可能に取付けられた移動ハウジ
ングに固定された主軸装置が知られている。
【0007】この主軸装置の場合、主軸に熱変形が生じ
ても、固定ハウジングに対して移動ハウジングが軸方向
に移動することにより、軸受の予圧の変化が防止され
る。しかし、次のような問題がある。
【0008】上記の主軸装置では、固定ハウジングの内
周と移動ハウジングの外周との隙間の大きさをボールブ
ッシュのボールの外径より若干小さくし、ボールに適切
な締め代を与えて、主軸の支持剛性を高めるようにして
いる。ところで、主軸回転中に、軸受や主軸に発熱が生
じると、これらに近い移動ハウジングの方が固定ハウジ
ングに比べて温度上昇が大きく、両者の間に温度差およ
びそれによる径方向の熱変形の差が生じる。移動ハウジ
ングと固定ハウジングの温度差は主軸の温度変化によっ
て変化し、温度差が変化することにより、両者の隙間が
変化して、上記締め代が変化する。このため、上記締め
代を温度差が小さい状態において適切になるように設定
すると、温度差が大きい状態では、締め代が大きくなっ
て、ボールブッシュのボールに作用する圧縮力が大きく
なり、これにより、ボールの転がり抵抗が大きくなっ
て、移動ハウジングの動きが悪くなる。逆に、上記締め
代を温度差が大きい状態において適切になるように設定
すると、温度差が小さい状態において、締め代が小さく
なり、主軸の支持剛性が不足して、加工精度などに悪影
響を及ぼす。いずれにしても、主軸の温度変化にかかわ
らずに、常に移動ハウジングの動きを円滑にして、主軸
の支持剛性を高くすることは不可能である。
【0009】移動ハウジングと固定ハウジングとの温度
差を小さくするために、移動ハウジングの内部に冷却油
を循環させるようした主軸装置が提案されている。その
ような主軸装置の1例が図3に示され、その後部が図4
に拡大して示されている。
【0010】図3において、中空状の主軸(10)の前部の
2箇所と後部の2箇所が転がり軸受(11)(12)(13)(14)に
より円筒状の固定ハウジング(15)に対して回転支持され
ている。この例の場合、軸受(11)〜(14)は全てアンギュ
ラ玉軸受である。固定ハウジング(15)は、前後方向に長
い円筒状の外側ハウジング部材(15a) と、外側ハウジン
グ部材(15a) の前部内側に同心状に固定された円筒状の
前部ハウジング部材(15b) と、外側ハウジング部材(15
a) の後部内側に同心状に固定された円筒状の後部ハウ
ジング部材(15c) とから構成されており、外側ハウジン
グ部材(15a) が主軸頭(16)などに固定されている。固定
ハウジング(15)内の前後のハウジング部材(15b)(15c)の
間の部分に、主軸(10)を駆動するための内蔵型電動モー
タ(17)が設けられている。モータ(17)は、主軸(10)の外
周に設けられたロータ(17a) と、その周囲の外側ハウジ
ング部材(15a) の内周に設けられたステータ(17b) とか
ら構成されている。
【0011】前側の2個の軸受(11)(12)は向きを揃えて
配置され、これらの内輪は主軸(10)の外周に、外輪は前
部ハウジング部材(15b) の内周にそれぞれ適切な間隔を
おいて固定されている。
【0012】図4に詳細に示すように、後側の2個の軸
受(13)(14)は前側の軸受(11)(12)と逆向きに向きを揃え
て配置され、これらの内輪(13a)(14a)が主軸(10)の外周
に適切な間隔をおいて固定されている。後部ハウジング
部材(15c) の内周にボールブッシュ(18)がはめられ、そ
の内周に円筒状の移動ハウジング(19)がはめられてい
る。ボールブッシュ(18)は薄肉円筒状の保持器に多数の
ボール(18a) が径方向の両側に突出するように保持され
たものであり、移動ハウジング(19)は、ハウジング部材
(15c) に対して回転はしないが、ボールブッシュ(18)の
ボール(18a) を介して軸方向に移動しうるようになって
いる。ハウジング部材(15c) より後方に出ている移動ハ
ウジング(19)の後端部に蓋(20)が固定され、移動ハウジ
ング(19)の内周に2個の軸受(13)(14)の外輪(13b)(14b)
が適切な間隔をおいて固定されている。ハウジング部材
(15c) の後端面に3つ以上のばね収容穴(21)が円周方向
に等間隔をおいて形成され、これらの穴(21)に対応し
て、蓋(20)の後端部に外方突出部(20a) が形成されてい
る。各穴(21)に、弾性部材である圧縮コイルばね(22)が
収容されている。ばね(22)は、穴(21)の底と蓋(20)の突
出部(20a) に圧接して、蓋(20)を後向きに付勢してい
る。これにより、移動ハウジング(19)が後向きに付勢さ
れ、その結果、軸受(13)(14)の外輪(13b)(14b)が後向き
に付勢されて、軸受(11)〜(14)に適切な予圧が付与され
ている。
【0013】ボールブッシュ(18)の内側にある移動ハウ
ジング(19)の外周面に、ブッシュ(23)が焼きばめにより
固定されている。移動ハウジング(19)の後端部外周面お
よびブッシュ(23)の前端部内周面に、それぞれ突出高さ
の等しい環状凸部(19a)(23a)が全周にわたって一体に形
成されている。移動ハウジング(19)の環状凸部(19a)の
外周面とブッシュ(23)の内周面との間、およびブッシュ
(23)の環状凸部(23a)の内周面と移動ハウジング(19)の
外周面との間がそれぞれシール(24)(25)により密閉され
ており、これにより移動ハウジング(19)とブッシュ(23)
との間に環状の冷却油循環用中空部(26)(冷却流体循環
用中空部)が形成されている。冷却油循環用中空部(26)
は、移動ハウジング(19)および蓋(20)に形成された連通
路(27)を介して蓋(20)の突出部(20a) に固定された冷却
油供給管接続用継手ブロック(28)に通じさせられてい
る。継手ブロック(28)に、油タンク、ポンプ等を備えた
冷却油供給装置(29)からの冷却油供給管(30)が接続され
ている。なお、図示は省略したが、冷却油循環用中空部
(26)は、連通路(27)とは異なった位置において移動ハウ
ジング(19)および蓋(20)に形成された連通路を介して蓋
(20)に固定された冷却油排出管接続用継手ブロックに通
じさせられており、この継手ブロックに、冷却油供給装
置(29)に伸びる冷却油排出管(30)が接続されている。
【0014】上記の主軸装置において、主軸(10)に熱変
形が生じても、固定ハウジング(15)の後部ハウジング部
材(15c) に対して移動ハウジング(19)が軸方向に移動す
ることにより、軸受(11)〜(14)の予圧の変化が防止され
る。たとえば、主軸(10)の熱変形が大きくなってその後
部が後側に移動すると、これに伴って後側の軸受(13)(1
4)の内輪(13a)(14a)も後側に移動し、軸受(11)〜(14)の
予圧が減少する。すると、軸受(13)(14)の外輪(13b)(14
b)に働いている予圧の分力とばね(22)の力とのつりあい
がくずれ、移動ハウジング(19)および外輪(13b)(14b)が
ばね(22)に押されて後側に移動し、両方の力がつりあう
位置で停止する。逆に、主軸(10)の熱変形が小さくなっ
てその後部が前側に移動すると、これに伴って軸受(13)
(14)の内輪(13a)(14a)も前側に移動し、軸受(11)〜(14)
の予圧が増加する。すると、軸受(13)(14)の外輪(13b)
(14b)に働いている予圧の分力とばね(22)の力とのつり
あいがくずれ、移動ハウジング(19)および外輪(13b)(14
b)がばね(22)を圧縮させて前側に移動し、両方の力がつ
りあう位置で停止する。
【0015】また、主軸(10)の高速回転時には、軸受(1
1)〜(14)の発熱により移動ハウジング(19)の温度がハウ
ジング部材(15c) の温度よりも高くなるが、冷却油が冷
却油供給装置(29)から冷却油循環用中空部(26)に供給さ
れてこの中空部(26)内を循環するので、移動ハウジング
(19)とハウジング部材(15c) との温度差が緩和され、両
者の隙間の大きさを調整して、ボールブッシュ(18)のボ
ール(18a) の締め代を適切な範囲に保つことができる。
したがって、主軸(10)の温度変化にかかわらず、常に、
移動ハウジング(19)の動きを円滑にして、軸受(11)〜(1
4)の予圧を適切な値に保つとともに、主軸(10)の支持剛
性を高く保つことができる。このため、低速回転から高
速回転まで安定した運転が可能であり、加工精度などの
性能も向上する。
【0016】しかしながら、上記主軸装置では、次のよ
うな問題がある。すなわち、高速回転していた主軸(10)
が急停止した場合、軸受(11)〜(14)の発熱により温度上
昇していた移動ハウジング(19)およびハウジング部材(1
5c) への熱伝達がなくなり、冷却油循環用中空部(26)内
に供給されている冷却油によって熱容量の小さい移動ハ
ウジング(19)が、ハウジング部材(15c) に比べて急速に
冷却される。このため、移動ハウジング(19)の収縮量が
ハウジング部材(15c) の収縮量に比べて大きくなり、ボ
ールブッシュ(18)のボール(18a) の締め代が過小にな
る。したがって、主軸(10)の支持剛性が低下し、その後
の主軸(10)の急加速時に主軸(10)に大きな振動が発生す
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記の問題を解決し、主軸の急停止時にも主軸の支持剛性
の低下を防止することが可能であり、その後の主軸の急
加速時に主軸に大きな振動が発生するのを防止すること
ができる工作機械の主軸装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】この発
明による装置は、主軸の前後複数箇所に固定ハウジング
に対して主軸を回転支持するための転がり軸受の内輪が
固定され、一部の転がり軸受の外輪が固定ハウジングの
内周にボールブッシュを介して軸方向移動可能に取付け
られた移動ハウジングに固定され、移動ハウジングに冷
却流体循環用中空部が形成されている工作機械の主軸装
置において、移動ハウジングと固定ハウジングとの温度
差を検出する手段と、この温度差に基いて冷却流体循環
用中空部への冷却流体の供給を制御する手段とを備えて
いることを特徴とするものである。
【0019】この発明の装置によれば、主軸の高速回転
時には、軸受の発熱により移動ハウジングの温度が固定
ハウジングの温度よりも高くなり、温度差検出手段によ
り検出された移動ハウジングと固定ハウジングとの温度
差が設定値を越えると、冷却流体供給制御手段は、冷却
流体を冷却流体循環用中空部内に供給し、移動ハウジン
グを冷却する。したがって、両ハウジングの温度差が緩
和され、両者の隙間の大きさを調整して、ボールブッシ
ュのボールの締め代を適切な範囲に保つことができる。
その結果、ボールブッシュのボールの締め代を常に適切
な範囲に保つことができる。このため、主軸の温度変化
にかかわらず、常に、移動ハウジングの動きを円滑にし
て、転がり軸受の予圧を適切な値に保つとともに、主軸
の支持剛性を高く保つことができる。したがって、低速
回転から高速回転まで安定した運転が可能であり、加工
精度などの性能も向上する。
【0020】高速回転していた主軸が急停止した場合、
軸受の発熱により温度上昇していた移動ハウジングおよ
び固定ハウジングへの熱伝達がなくなり、冷却流体循環
用中空部内に供給されていた冷却流体によって熱容量の
小さい移動ハウジングが急速に冷却される。このとき、
温度差検出手段により検出された移動ハウジングと固定
ハウジングとの温度差が設定値以下になると、冷却流体
供給制御手段は、冷却流体の冷却流体循環用中空部内へ
の供給を停止し、移動ハウジングの過冷却が防止され
る。したがって、両ハウジングのボールブッシュのボー
ルの締め代が過小になることを防止することができ、主
軸の支持剛性の低下を防止することができる。その結
果、その後の主軸急加速時に主軸に振動が発生すること
はない。
【0021】この発明の装置において、たとえば移動ハ
ウジングの外周面にブッシュが固定され、移動ハウジン
グの外周面とブッシュの内周面との間に環状の冷却流体
循環用中空部が形成されている。
【0022】このようにすれば、比較的簡単に移動ハウ
ジングに冷却流体循環用中空部を形成することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0024】図1はこの発明の実施形態を示す図4に相
当する主軸装置後部の縦断面図であり、図1において、
図4のものに対応する部分には同一の符号を付してい
る。
【0025】この実施形態の場合、移動ハウジング(19)
内および後部ハウジング部材(15c)内の適当箇所に、こ
れらの間の温度差を検出する手段としての温度センサ(4
1)(42)が設けられている。また、冷却油供給装置(29)か
ら冷却油循環用中空部(26)内に冷却油を供給する冷却油
供給管(30)の途中に単一のソレノイドを用いたばねオフ
セット形のソレノイドバルブ(43)が設けられている。各
温度センサ(41)(42)およびソレノイドバルブ(43)は、冷
却油供給制御装置(44)(冷却流体供給制御手段)に接続
されている。
【0026】ここで、図2のフローチャートを参照し
て、冷却油供給制御装置(44)による制御動作について説
明する。
【0027】制御装置(44)は、移動ハウジング(19)の温
度センサ(41)および後部ハウジング部材(15c) の温度セ
ンサ(42)の出力信号から両温度センサ(41)(42)により検
出された温度Ti 、To の温度差Ti −To を求め、こ
の温度差Ti −To と設定値THとを比較して温度差T
i −To が設定値TH以上であれば(ステップ1)、ソ
レノイドバルブ(43)の励磁を停止してこれを開にし、冷
却油供給装置(29)から冷却油循環用中空部(26)内に冷却
油を供給する(ステップ2)。ステップ2の後ステップ
1に戻る。ステップ1で上記温度差Ti −To が設定値
TH未満のであれば、上記温度差Ti −To と設定値T
Lとを比較し、温度差Ti −To が設定値TL以下であ
れば(ステップ3)、ソレノイドバルブ(43)を励磁して
これを閉にし、冷却油供給装置(29)から冷却油循環用中
空部(26)内への冷却油の供給を停止する(ステップ
4)。ステップ4の後にステップ1に戻る。ステップ3
において、温度差Ti −To が設定値TLよりも大きけ
れば、ステップ1に戻る。ここで、設定値TLは設定値
THよりも所定温度低い温度であり、ソレノイドバルブ
(43)が頻繁に開閉しないようになっている。
【0028】主軸装置の後部における他の部分の構成
は、図4のものと同様である。また、主軸装置全体の構
成は、たとえば図3のものと同様にすることができる。
【0029】上記の主軸装置において、運転の初期段階
においては、移動ハウジング(19)のと、固定ハウジング
(15)の後部ハウジング部材(15c) には温度差がほとんど
存在しないので、ソレノイドバルブ(43)は励磁されて閉
とされており、冷却油循環用中空部(26)内には冷却油は
供給されていない。
【0030】主軸(10)が回転することにより軸受(11)〜
(14)が発熱し、主軸(10)の温度が上昇して主軸(10)に熱
変形が生じても、固定ハウジング(15)の後部ハウジング
部材(15c) に対して移動ハウジング(19)が軸方向に移動
することにより、軸受(11)〜(14)の予圧の変化が防止さ
れる。たとえば、主軸(10)の熱変形が大きくなってその
後部が後側に移動すると、これに伴って後側の軸受(13)
(14)の内輪(13a)(14a)も後側に移動し、軸受(11)〜(14)
の予圧が減少する。すると、軸受(13)(14)の外輪(13b)
(14b)に働いている予圧の分力とばね(22)の力とのつり
あいがくずれ、移動ハウジング(19)および外輪(13b)(14
b)がばね(22)に押されて後側に移動し、両方の力がつり
あう位置で停止する。逆に、主軸(10)の熱変形が小さく
なってその後部が前側に移動すると、これに伴って軸受
(13)(14)の内輪(13a)(14a)も前側に移動し、軸受(11)〜
(14)の予圧が増加する。すると、軸受(13)(14)の外輪(1
3b)(14b)に働いている予圧の分力とばね(22)の力とのつ
りあいがくずれ、移動ハウジング(19)および外輪(13b)
(14b)がばね(22)を圧縮させて前側に移動し、両方の力
がつりあう位置で停止する。
【0031】また、主軸(10)の高速回転時に、軸受(11)
〜(14)の発熱により移動ハウジング(19)の温度が後部ハ
ウジング部材(15c) の温度よりも高くなるが、その温度
差が設定値TH以上になった場合、上記のように冷却油
供給制御装置(44)により冷却油循環用中空部(26)内に冷
却油が供給され、両者の温度差が緩和され、ボールブッ
シュ(18)のボール(18a) の締め代を適切な範囲に保つこ
とができる。その結果、主軸(10)の温度変化にかかわら
ず、常に、移動ハウジング(19)の動きを円滑にして、軸
受(11)〜(14)の予圧を適切な値に保つとともに、主軸(1
0)の支持剛性を高く保つことができる。このため、低速
回転から高速回転まで安定した運転が可能であり、加工
精度などの性能も向上する。
【0032】さらに、高速回転していた主軸(10)が急停
止した場合、冷却油循環用中空部(26)内を循環している
冷却油により熱容量の小さい移動ハウジング(19)が急速
に冷却されるが、移動ハウジング(19)と後部ハウジング
部材(15c) の温度差が設定値TL以下になった場合、上
記のように冷却油供給制御装置(44)により冷却油循環用
中空部(26)内への冷却油の供給が停止され、移動ハウジ
ング(19)の過冷却が防止される。したがって、両ハウジ
ングのボールブッシュのボールの締め代が過小になるこ
とを防止することができ、主軸(10)の支持剛性の低下を
防止することができる。その結果、その後の主軸(10)の
急加速時に主軸(10)に振動が発生することはない。
【0033】上記実施形態においては、移動ハウジング
(19)の外周面にブッシュ(23)が固定され、移動ハウジン
グ(19)の外周面とブッシュ(23)の内周面との間に冷却油
循環用中空部(26)が形成されているが、冷却油循環用中
空部(26)を形成するための構成は、上記実施形態のもの
に限らず、適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を示す主軸装置後部の縦断
面図である。
【図2】冷却油供給制御装置による制御動作の1例を示
すフローチャートである。
【図3】従来例を示す主軸装置の縦断面図である。
【図4】図3の後部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
(10):主軸 (11)(12)(13)(14):玉軸受(転がり軸受) (11a)(12a)(13a)(14a):内輪 (13b)(14b):外輪 (15):固定ハウジング (15c):ハウジング部材 (18):ボールブッシュ (18a):ボール (19):移動ハウジング (26):冷却油循環用中空部(冷却流体循環用中空部) (41)(42):温度センサ(温度差検出手段) (44):冷却油供給制御装置(冷却流体供給制御手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸の前後複数箇所に固定ハウジングに
    対して主軸を回転支持するための転がり軸受の内輪が固
    定され、一部の転がり軸受の外輪が固定ハウジングの内
    周にボールブッシュを介して軸方向移動可能に取付けら
    れた移動ハウジングに固定され、移動ハウジングに冷却
    流体循環用中空部が形成されている工作機械の主軸装置
    において、 移動ハウジングと固定ハウジングとの温度差を検出する
    手段と、この温度差に基いて冷却流体循環用中空部への
    冷却流体の供給を制御する手段とを備えていることを特
    徴とする工作機械の主軸装置。
  2. 【請求項2】 移動ハウジングの外周面にブッシュが固
    定され、移動ハウジングの外周面とブッシュの内周面と
    の間に環状の冷却流体循環用中空部が形成されている請
    求項1の工作機械の主軸装置。
JP15572298A 1998-06-04 1998-06-04 工作機械の主軸装置およびその運転方法 Expired - Fee Related JP3845757B2 (ja)

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