JP2002054631A - 主軸装置及び該装置の予圧調整方法 - Google Patents

主軸装置及び該装置の予圧調整方法

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JP2002054631A
JP2002054631A JP2000239385A JP2000239385A JP2002054631A JP 2002054631 A JP2002054631 A JP 2002054631A JP 2000239385 A JP2000239385 A JP 2000239385A JP 2000239385 A JP2000239385 A JP 2000239385A JP 2002054631 A JP2002054631 A JP 2002054631A
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spacers
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JP2000239385A
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憲二 ▲濱▼中
Kenji Hamanaka
Hiroyuki Yamamura
洋之 山村
Hidefumi Shigekawa
英文 重川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、主軸の予圧を切替制御出来、
軸受の焼付を防止しつつ高精度な加工精度を得ることが
できる主軸装置及び該装置の予圧調整方法を提供する。 【解決手段】 互いに背面を向けて前後に配置された前
方軸受3a,3bによって主軸5を回転自在に支持して
なる主軸装置において、前記前方軸受3a,3bの外輪
間に2つに分割された外輪間座30a,30bを設け、
これら外輪間座30a,30bの分割面間に油室32を
形成し、該油室32に圧油を給,排する手段を設け、前
記油室32に圧油を供給することにより外輪間座30
a,30bを介して前方軸受3a,3bの外輪34a,
34bを移動させ前方軸受3a,3bに予圧を付与でき
るようにするとともに、一方の前方軸受3a又は3bの
外輪を前記外輪間座30a,30bの分割面方向に押圧
する油圧ピストン36を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マシニングセンタ
等工作機械の主軸装置及び該装置の予圧調整方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術および課題】主軸の支持剛性を広範囲な回
転数域に亙って良好に保つために、主軸を回転可能に支
持するアンギュラ軸受の予圧調整(切替)を主軸回転数
等主軸作動状況に応じて行う主軸装置は既に種々提案さ
れている。
【0003】この種従来の主軸装置では、予圧調整によ
り主軸が軸線方向に変位しないように、即ち、アンギュ
ラ軸受と主軸の軸線方向の相対位置がずれないよう、主
軸前後のアンギュラ軸受を背面合わせにし、予圧切換を
行う油圧シリンダ装置等の駆動手段を前後のアンギュラ
軸受の各々の外側に設け、前後のアンギュラ軸受で相対
位置ずれを相殺することが行われている。
【0004】例えば、図5に示すように、主軸100 と、
該主軸100 が収容されるケーシング101 と、該ケーシン
グ101 内部の前方側に配置され背面を後方に向けて主軸
100を支持する前後一対の第1アンギュラ軸受102 と、
同ケーシング101 内部の後方側に配置され背面を前方に
向けて主軸100 を支持する前後一対の第2アンギュラ軸
受103 と、前記第1及び第2アンギュラ軸受102 ,103
の内輪104 ,105 の間に配置され主軸100 の外周面に嵌
合する内スペーサ106 と、同第1及び第2アンギュラ軸
受102 ,103 の外輪107 ,108 の間に配置されケーシン
グ101 の内周面に嵌合する外スペーサ109 と、前記第1
アンギュラ軸受102 の外輪107 をその前方側から軸方向
に押す第1油圧ピストン110 と、前記第2アンギュラ軸
受103 の外輪108 をその後方側から軸方向に押す第2油
圧ピストン111 とを備え、前記内スペーサ106 と外スペ
ーサ107 との軸方向の寸法差によって第1及び第2アン
ギュラ軸受102 ,103 に予圧を付与する主軸装置が提案
されている。
【0005】そして、前記主軸装置では、前記外スペー
サ107 が、その外周面に周方向に形成された第1溝112
と、その内周面に周方向に形成され第1溝112 に隣接し
てその前方側に配置された第2溝113 と、その内周面に
周方向に形成され第1溝112に隣接してその後方側に配
置された第3溝114 とを備え、前記第1溝112 と前記ケ
ーシング101 の内周面との間に形成された油室に圧力を
作用させることによって、前記外スペーサ107 を軸方向
に弾性変形させて伸縮させるように構成され、前記油室
内の圧力と、前記第1及び第2油圧ピストン110 ,111
の駆動圧力とを、同時に調整することによって、第1及
び第2アンギュラ軸受102 ,103 の予圧条件を主軸100
の回転速度等に応じて細かく切り替えるようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の主軸装置にあっては、前記第1及び第2アンギュラ
軸受102 ,103 の各々に対し、第1及び第2油圧ピスト
ン110 ,111 等の駆動手段を組み込む必要があるため、
部品点数の増大と構造の複雑化によりコスト高を招来
し、また配置スペースも大きくとらなければならないと
いう問題点があった。
【0007】また、前記第1及び第2アンギュラ軸受10
2 ,103 や第1及び第2油圧ピストン110 ,111 等の駆
動手段が均等なものでないと、微妙な位置ずれが生じ、
振動や騒音が発生して、加工精度や作業環境に悪影響を
及ぼすという虞れもあった。
【0008】また、外スペーサ107 が弾性変形すること
から、特に、主軸100 の低速回転域の支持剛性が十分に
得られず、さらには、ケーシング101 の内周面と第1及
び第2アンギュラ軸受102 ,103 の外輪107 ,108 の外
周面との間にこじれが生じて外輪107 ,108 が軸方向に
動かなくなり、上述したと同様に、振動や騒音が発生し
て、加工精度や作業環境に悪影響を及ぼすという虞れも
あった。
【0009】また、前記主軸装置では、予圧を切り替え
た際に生じる主軸100 の軸方向の出入りについては何ら
考慮しておらず、これでは、加工点が一点に定まらない
ため、加工ワークに段差が発生してしまい、加工精度が
悪化するという問題点があった。
【0010】本発明は、前記従来の主軸装置に関わる諸
問題に鑑み提案されたもので、簡単な構造で予圧の切替
制御が出来、軸受の焼付を防止しつつ高精度な加工精度
を得ることができる主軸装置及び該装置の予圧調整方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1に係る発明の主軸装置は、互いに背面を向
けて前後に配置されたアンギュラ軸受によって主軸を回
転自在に支持してなる主軸装置において、前記前後の軸
受の外輪間に2つに分割された間座を設け、これら間座
の分割面間に油室を形成し、該油室に圧油を給,排する
手段を設け、前記油室に圧油を供給することにより間座
を介して前後の軸受の外輪を移動させ軸受に予圧を付与
できるようにするとともに、何れか一方の軸受の外輪を
前記間座の分割面方向に押圧する油圧駆動手段を設けた
ことを特徴とする。
【0012】また、請求項2に係る発明の主軸装置は、
前記主軸装置の作動状況に応じて、油室に対する圧油の
給,排と前記油圧駆動手段の作動を制御する制御手段を
設けたことを特徴とする。
【0013】また、請求項3に係る発明の主軸装置は、
前記軸受の外輪と該軸受外輪が嵌合してなるハウジング
との間に潤滑液を供給する手段を設けたことを特徴とす
る。
【0014】また、請求項4に係る発明の主軸装置は、
前記主軸装置の作動状況とは、主軸の回転数であること
を特徴とする。
【0015】また、請求項5に係る発明の主軸装置の予
圧調整方法は、互いに背面を向けて前後に配置されたア
ンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してなり、
前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を設
け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に圧
油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給する
ことにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ軸
受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、主
軸の低速回転域では、前記油室に圧油を供給し、互いに
離間する方向へ移動する間座で軸受外輪を押圧して予圧
を高めることを特徴とする。
【0016】また、請求項6に係る発明の主軸装置の予
圧調整方法は、互いに背面を向けて前後に配置されたア
ンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してなり、
前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を設
け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に圧
油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給する
ことにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ軸
受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、主
軸の高速回転域では、前記油室の圧油を排出すると共に
前記何れか一方の軸受の外輪を油圧駆動手段によって前
記間座の分割面方向に押圧して予圧を下げることを特徴
とする。
【0017】また、請求項7に係る発明の主軸装置の予
圧調整方法は、互いに背面を向けて前後に配置されたア
ンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してなり、
前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を設
け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に圧
油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給する
ことにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ軸
受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、主
軸の低速回転域から高速回転域までの全回転域で、前記
油室に供給する圧油と前記何れか一方の軸受の外輪を前
記間座の分割面方向に押圧する油圧駆動手段に供給する
圧油の油圧をバランスさせて、予圧を連続的に調整する
ことを特徴とする。
【0018】また、請求項8に係る発明の主軸装置の予
圧調整方法は、前記予圧調整時に、軸受の転動体中心位
置が変化することによって生じる主軸先端の軸方向変位
を補正することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により図面を用いて詳細に説明する。
【0020】[実施例]図1は本発明の一実施例にかか
る主軸装置の縦断面図、図2は同じく要部拡大断面図、
図3は同じく各制御パターンの主軸回転速度と予圧荷重
との関係を示すグラフ、図4は同じく各種センサーの設
置例を示す説明図である。
【0021】図1に示すように、ATC(自動工具交換
装置)を備えたマシニングセンタの図示しないアーム上
を図中左右方向へ移動可能な主軸ヘッド1にハウジング
2がその右半部を主軸ヘッド1内に収容した状態で固設
される。
【0022】前記ハウジング2内には、前後一対の前方
軸受3a,3bと後方軸受4とを介して主軸5が回転可
能に収容保持されている。この主軸5の先端部には、プ
ルスタッド6aを有した工具ホルダー6が、後述するド
ローバー9により主軸5と一体回転可能に引き込まれる
ようになっている。
【0023】詳述すると、前記主軸5の中心貫通孔8に
はドローバー9が挿通されており、該ドローバー9は前
記中心貫通孔8内を長手方向に摺動可能なナット10に
螺合させることによって、その中心軸線が主軸5の中心
軸線と一致するようにセンタリング保持されている。ま
た、ドローバー9の前部寄りにはホルダー11が長手方
向に摺動可能に嵌合すると共に、ナット10の後方には
ドローバー9と一体的に長手方向に移動するジョイント
12が嵌合される。
【0024】そして、前記ドローバー9は、その先端部
に組み付けたコレットチャック7で前記工具ホルダー6
のプルスタッド6aを引き込むことにより、図示しない
工具を保持した工具ホルダー6を前記コレットチャック
7を介して主軸5と一体的に固定(クランプ)するよう
になっている。
【0025】また、前記ドローバー9の外周には、ホル
ダー11とナット10との間に位置して、左巻きと右巻
きの前後一対の圧縮コイルばね14a,14bが3個の
筒状のスペーサー15a,15b,15cを介して巻装
され、ドローバー9を常時引き込み側に付勢している。
尚、前記圧縮コイルばね14a,14bに代えて普通の
皿ばねを多数用いても良い。
【0026】前記工具ホルダー6のクランプを解除(ア
ンクランプ)するには、主軸5の後方に設けられた油圧
シリンダ16が使用される。この油圧シリンダ16は、
ハウジング2の後部に中間部材13を介して一体的に組
み付けられたヘッド部17a,17b内をピストン18
が摺動自在に収装されてなる。
【0027】そして、前記ピストン18が、ポートP
1,P2に給,排される図示しない油圧供給源からの圧
油により、伸び側(主軸5の先端側)にストロークする
と、やがてピストン18の前端部がドローバー9のロッ
ドエンド(厳密にはジョイント12の後端面)に当接し
て当該ドローバー9を圧縮コイルばね14a,14bの
付勢力に抗して前進動(押出し)させ、これによりドロ
ーバー9先端に組み付けられたコレットチャック7が解
放動作して工具ホルダー6をアンクランプする。
【0028】一方、工具ホルダー6が主軸5先端に挿入
された状態で、ピストン18を縮み側(主軸5の後端
側)にストロークさせると、ドローバー9の後退動(引
込み)より前記コレットチャック7がプルスタッド6a
に対し係合動作して工具ホルダー6をクランプするよう
になっている。
【0029】また、前記主軸5を回転させるために、モ
ータを本主軸装置に組み込んでいる。つまり、ロータ2
3を主軸5の適宜位置外周に固定し、該ロータ23と対
向させてステータ24をハウジング2の内周に固定し、
所謂ビルトインモータが形成されている。
【0030】図2に示すように、本実施例では、前記前
方軸受3a,3bに背面合わせのアンギュラ軸受が用い
られ、主軸5の支持剛性の殆どを担っている。従って、
後方軸受4にはローラ軸受が用いられている(図1参
照)。
【0031】そして、前記前方軸受3a,3b間に軸線
方向へ摺動自在に介装された外輪間座30が前外輪間座
30aと後外輪間座30bとに軸線方向に2分割され、
これら前,後外輪間座30a,30bの分割面とハウジ
ング2の内周面と同じく前方軸受3a,3b間に軸線方
向へ移動不能に介装された内輪間座31a,31bの外
周面とで画成される油室32に対し、後外輪間座30b
とハウジング2の内部に形成した油通路33a,33b
を介して、図示しない油圧供給源からの圧油が油圧制御
装置により給,排されるようになっている。
【0032】つまり、前記油室32に圧油が供給される
ことで、前,後外輪間座30a,30bが互いに離間す
る方向へ移動し、前方軸受3a,3bの外輪34a,3
4bを押圧して予圧を付与することになるのである(後
述の作用説明参照)。尚、図2中35a,35bは前方
軸受3a,3bの内輪で、43a,43bは玉(転動
体)である。
【0033】また、前記前方軸受3a,3bの内、前側
前方軸受3aの前方には、油圧駆動手段としてのリング
状の油圧ピストン36がラビリンススペーサ40ととも
に配置され、ハウジング2の前端面に隣接するフロント
エンドキャップ37と油圧ピストン36の背面との間に
油室38が画成される。この油室38に対し、フロント
エンドキャップ37とハウジング2の内部に形成した油
通路39a,39bを介して、図示しない油圧供給源か
らの圧油が油圧制御装置により給,排されるようになっ
ている。
【0034】前記油圧ピストン36の先端面は、内径側
が突出した二段状の形状を備え、前記油室38に圧油が
供給されて油圧ピストン36が前進すると、当該油圧ピ
ストン36前面の内径側の段部によりラビリンススペー
サ40を介して前側前方軸受3aの外輪34aを後方側
に押圧し、前述した予圧の調整(切替)が可能になって
いる(後述の作用説明参照)。
【0035】また、前記前側前方軸受3aの外輪34a
の外周面とハウジング2の内周面との摺動面部には、ハ
ウジング2の内部に形成した油(液)通路41及び環状
溝42を介して図示しない潤滑油(液)供給源からの潤
滑油(液)が循環・供給されるようになっている。
【0036】そして、前述した油室32及び38に対す
る圧油の給,排は、前述した各油圧制御装置をコントロ
ールする図示しないコントローラ(制御手段)により、
主軸5の作動状況に応じて制御される。主軸5の作動状
況を検出する手段として、主軸5の回転速度を検出する
速度センサ(図示せず)の他に、図4に示すように、前
方軸受3a,3bに作用する荷重(予圧)を検出する圧
力センサ45、前方軸受3a,3bの温度を検出する熱
電対46や油圧ピストン36の位置を検出する接触式変
位計47等が適宜採用され、これらの検出信号が適宜前
記コントローラに入力されている。
【0037】このように構成されるため、主軸5の支持
剛性を担う前方軸受3a,3bの予圧調整(切替)を行
うにあたっては、図3に示すように、三つの制御パター
ンが実施可能となり、適宜選択される。
【0038】即ち、図3の(a)に示す第1の制御パタ
ーンは、主軸5の低速回転域では、前,後外輪間座30
a,30b間の油室32に圧油を供給すると、圧油によ
る力が前外輪間座30a、前側前方軸受3aの外輪34
aに流れ、外輪34aが前方に移動し前側前方軸受3a
の予圧が高まる。同時に、後側前方軸受3bについて
は、後外輪間座30b、外輪34bと力が経由して、外
輪34bがハウジング2の肩2aに当たりそのままの位
置にとどまり予圧は変化しないが、この際、前側前方軸
受3aと後側前方軸受3bは軸方向の力の釣合いを保つ
ために、前側前方軸受3aの増加した力が外輪34aか
ら玉43aを通り内輪35a、主軸5へと流れこの主軸
5を前方へ移動させる。すると、後側前方軸受3bの内
輪35bも前方へ移動するため、この内輪35bから玉
43b、外輪34bへと力が伝達されて予圧を高めるこ
とになる。
【0039】一方、主軸5の高速回転域では、前記油室
32の圧油を排出すると共に前側前方軸受3aの前方の
油室38に圧油を供給し、油圧ピストン36の前進動で
前側前方軸受3aの外輪34aを同方向(軸後方)へ押
圧して前側前方軸受3aの予圧を下げる。同時に、後側
前方軸受3bについては、その外輪34bが、前,後外
輪間座30a,30bの軸後方移動により、ハウジング
2の肩2aに当たりそのままの位置にとどまり予圧は変
化しないが、この際、前側前方軸受3aと後側前方軸受
3bは、前述したと同様に、軸方向の力の釣合いを保つ
ために、予圧力の大きい後側前方軸受3bの予圧が外輪
34bから玉43bを通り内輪35b、主軸5へと流れ
この主軸5を後方へ移動させる。すると、後側前方軸受
3bの内輪35bも後方へ移動し、予圧が下がることに
なる。
【0040】これらの結果、主軸5の低速回転域におけ
る前方軸受3a,3bの剛性確保と高速回転域における
前方軸受3a,3bの焼付き防止が図れる(図3中の焼
付限界曲線参照)。
【0041】次に、図3の(b)に示す第2の制御パタ
ーンは、主軸5の低速回転域と高速回転域は、前記と同
様に制御するが、これらの回転域の中間の中速回転域で
は、前記油室32と油室38の両方に圧油を供給し、こ
れらの油圧をバランスさせて任意の一定の予圧とするの
である。これによれば、第1の制御パターンと同様の効
果が得られる一方、回転域の過渡期における剛性の変化
を小さくできる利点が得られる。
【0042】最後に、図3の(c)に示す第3の制御パ
ターンは、主軸5の低速回転域から高速回転域までの全
回転域で、前記油室32と油室38の両方に圧油を供給
し、これらの油圧をバランスさせて予圧を焼付限界曲線
に沿って漸次下げていくのである。これによれば、第1
の制御パターンと同様の効果が得られる一方、予圧の連
続的調整により最適な予圧条件で切削加工が行えるとい
う利点がある。
【0043】このようにして、本実施例では、前方軸受
3a,3bの予圧調整にあたって、前側前方軸受3aに
のみ油圧ピストン36を組み込めばよいので、従来例と
比し、部品点数の削減と構造の簡素化により、コストダ
ウンが図れる。
【0044】また、油圧ピストン36は片側一つなの
で、従来例のように第1及び第2油圧ピストン110 ,11
1 (図5参照)等の駆動手段が均等である必要がなく、
前方軸受3a,3b(外輪34a,34b)の位置ずれ
は生じない。依って、振動や騒音の発生もなく、加工精
度や作業環境に悪影響を及ぼす虞れもない。
【0045】また、外輪間座30a,30bが剛性体で
あるので、弾性変形する従来例の外スペース109 (図5
参照)と異なり、主軸5の低速回転域の支持剛性が十分
に得られる。さらには、前方軸受3a,3bの外輪34
a,34bの外周面とハウジング2の内周面との摺動面
部には、潤滑油(液)が循環・供給されるので、従来例
のように、こじれが生じて外輪107 ,108 (図5参照)
が軸方向に動かなくなる虞もなく、装置の信頼性が高
い。
【0046】また、前記第1から第3の制御パターンに
おいて、前方軸受3a,3bに作用する力がそれぞれの
状態で異なってくるため、前方軸受3a,3bの玉中心
位置が軸方向に変化してしまい、すなわちその軸方向の
出入量が、そのまま主軸先端に現れることになるが、本
実施例では、その変化量が、予めNC(図示しない)な
どの制御装置に登録されており、予圧を切り替えた際に
容易に補正できるようになっている。
【0047】これにより、加工点(工具先端位置)が変
わらないので、加工ワークの段差が発生せず、高精度な
切削加工が行えるという利点がある。
【0048】尚、本発明は上記実施例に限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であるこ
とはいうまでもない。例えば、本発明の主軸装置は、A
TCやビルトインモータを有しない工作機械の主軸装置
にも適用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように請求項1の
発明の主軸装置によれば、互いに背面を向けて前後に配
置されたアンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持
してなる主軸装置において、前記前後の軸受の外輪間に
2つに分割された間座を設け、これら間座の分割面間に
油室を形成し、該油室に圧油を給,排する手段を設け、
前記油室に圧油を供給することにより間座を介して前後
の軸受の外輪を移動させ軸受に予圧を付与できるように
するとともに、何れか一方の軸受の外輪を前記間座の分
割面方向に押圧する油圧駆動手段を設けたことを特徴と
するので、前,後アンギュラ軸受の予圧を、簡単な構造
で、切替制御することが出来、軸受の焼付を防止しつつ
高精度な加工精度を得ることができる。
【0050】また、請求項2の発明の主軸装置によれ
ば、前記主軸装置の作動状況に応じて、油室に対する圧
油の給,排と前記油圧駆動手段の作動を制御する制御手
段を設けたことを特徴とするので、前,後アンギュラ軸
受の予圧を主軸装置の作動状況に応じて自動的に制御す
ることができる。
【0051】また、請求項3の発明の主軸装置によれ
ば、前記軸受の外輪と該軸受外輪が嵌合してなるハウジ
ングとの間に潤滑液を供給する手段を設けたことを特徴
とするので、前,後アンギュラ軸受の予圧を調整する際
に、前側アンギュラ軸受の外輪をこじれを生じることな
く、確実に軸方向へ移動させられ、装置の信頼性を高め
られる。
【0052】また、請求項4の発明の主軸装置によれ
ば、前記主軸装置の作動状況とは、主軸の回転数である
ことを特徴とするので、前,後アンギュラ軸受の予圧を
主軸の回転数に応じて自動的に制御することができる。
【0053】また、請求項5の発明の主軸装置の予圧調
整方法によれば、互いに背面を向けて前後に配置された
アンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してな
り、前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を
設け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に
圧油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給す
ることにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ
軸受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、
主軸の低速回転域では、前記油室に圧油を供給し、互い
に離間する方向へ移動する間座で軸受外輪を押圧して予
圧を高めることを特徴とするので、簡単な構造で主軸の
低速回転域における軸受の剛性確保が図れ、高精度な加
工精度を得ることができる。
【0054】また、請求項6の発明の主軸装置の予圧調
整方法によれば、互いに背面を向けて前後に配置された
アンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してな
り、前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を
設け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に
圧油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給す
ることにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ
軸受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、
主軸の高速回転域では、前記油室の圧油を排出すると共
に前記何れか一方の軸受の外輪を油圧駆動手段によって
前記間座の分割面方向に押圧して予圧を下げることを特
徴とするので、簡単な構造で主軸の高速回転域における
軸受の焼付を防止でき、高精度な加工精度を長期間に亙
って得ることができる。
【0055】また、請求項7の発明の主軸装置の予圧調
整方法によれば、互いに背面を向けて前後に配置された
アンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してな
り、前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を
設け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に
圧油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給す
ることにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ
軸受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、
主軸の低速回転域から高速回転域までの全回転域で、前
記油室に供給する圧油と前記何れか一方の軸受の外輪を
前記間座の分割面方向に押圧する油圧駆動手段に供給す
る圧油の油圧をバランスさせて、予圧を連続的に調整す
ることを特徴とするので、簡単な構造で、予圧の連続的
調整が可能となり、主軸の回転数に応じた最適な予圧条
件で切削加工が行える。
【0056】また、請求項8の発明の主軸装置の予圧調
整方法によれば、前記予圧調整時に、軸受の転動体中心
位置が変化することによって生じる主軸先端の軸方向変
位を補正することを特徴とするので、加工点(工具先端
位置)が変わらないので、加工ワークの段差が発生せ
ず、高精度な切削加工が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる主軸装置の縦断面図
である。
【図2】同じく要部拡大断面図である。
【図3】同じく各制御パターンの主軸回転速度と予圧荷
重との関係を示すグラフである。
【図4】同じく各種センサーの設置例を示す説明図であ
る。
【図5】従来の主軸装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1 主軸ヘッド 2 ハウジング 3a,3b 前方軸受 4 後方軸受 5 主軸 6 工具ホルダー 7 コレットチャック 8 中心貫通孔 9 ドローバー 10 ナット 11 ホルダー 12 ジョイント 13 中間部材 14a,14b 圧縮コイルばね 15a,15b,15c スペーサー 16 油圧シリンダ 17a,17b ヘッド部 18 ピストン 23 ロータ 24 ステータ 30 外輪間座 30a 前外輪間座 30b 後外輪間座 31a 前内輪間座 31b 後内輪間座 32 油室 33a,33b 油通路 34a,34b 外輪 35a,35b 内輪 36 油圧ピストン 37 フロントエンドキャップ 38 油室 39a,39b 油通路 40 ラビリンススペーサ 41 油(液)通路 42 環状溝 43 玉 P1,P2 ポート C 初期間隙
フロントページの続き (72)発明者 重川 英文 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 3C048 CC04 DD11 EE07 3J012 AB04 BB01 BB03 CB02 FB10 HB02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに背面を向けて前後に配置されたア
    ンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してなる主
    軸装置において、前記前後の軸受の外輪間に2つに分割
    された間座を設け、これら間座の分割面間に油室を形成
    し、該油室に圧油を給,排する手段を設け、前記油室に
    圧油を供給することにより間座を介して前後の軸受の外
    輪を移動させ軸受に予圧を付与できるようにするととも
    に、何れか一方の軸受の外輪を前記間座の分割面方向に
    押圧する油圧駆動手段を設けたことを特徴とする主軸装
    置。
  2. 【請求項2】 前記主軸装置の作動状況に応じて、油室
    に対する圧油の給,排と前記油圧駆動手段の作動を制御
    する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    主軸装置。
  3. 【請求項3】 前記軸受の外輪と該軸受外輪が嵌合して
    なるハウジングとの間に潤滑液を供給する手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の主軸装置。
  4. 【請求項4】 前記主軸装置の作動状況とは、主軸の回
    転数であることを特徴とする請求項2記載の主軸装置。
  5. 【請求項5】 互いに背面を向けて前後に配置されたア
    ンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してなり、
    前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を設
    け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に圧
    油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給する
    ことにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ軸
    受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、主
    軸の低速回転域では、前記油室に圧油を供給し、互いに
    離間する方向へ移動する間座で軸受外輪を押圧して予圧
    を高めることを特徴とする主軸装置の予圧調整方法。
  6. 【請求項6】 互いに背面を向けて前後に配置されたア
    ンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してなり、
    前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を設
    け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に圧
    油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給する
    ことにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ軸
    受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、主
    軸の高速回転域では、前記油室の圧油を排出すると共に
    前記何れか一方の軸受の外輪を油圧駆動手段によって前
    記間座の分割面方向に押圧して予圧を下げることを特徴
    とする主軸装置の予圧調整方法。
  7. 【請求項7】 互いに背面を向けて前後に配置されたア
    ンギュラ軸受によって主軸を回転自在に支持してなり、
    前記前後の軸受の外輪間に2つに分割された間座を設
    け、これら間座の分割面間に油室を形成し、該油室に圧
    油を給,排する手段を設け、前記油室に圧油を供給する
    ことにより間座を介して前後の軸受の外輪を移動させ軸
    受に予圧を付与できるようにした主軸装置において、主
    軸の低速回転域から高速回転域までの全回転域で、前記
    油室に供給する圧油と前記何れか一方の軸受の外輪を前
    記間座の分割面方向に押圧する油圧駆動手段に供給する
    圧油の油圧をバランスさせて、予圧を連続的に調整する
    ことを特徴とする主軸装置の予圧調整方法。
  8. 【請求項8】 前記予圧調整時に、軸受の転動体中心位
    置が変化することによって生じる主軸先端の軸方向変位
    を補正することを特徴とする請求項5,6又は7記載の
    主軸装置の予圧調整方法。
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