JP2010247257A - 工作機械用の主軸駆動装置における回転抵抗付与装置 - Google Patents

工作機械用の主軸駆動装置における回転抵抗付与装置 Download PDF

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Abstract

【課題】摩擦力により回転抵抗を与える押圧部材および被押圧部材の摩耗を抑制し、主軸に付与する回転抵抗の大きさを長い時間維持できるようにする。
【解決手段】押圧部材としてのクランプピストン45が有する第1の面45aと、被押圧部材としての摺動ディスク43が有する第2の面43aとの間に中空ローラ46aを設け、クランプピストン45に付与される押圧力を、当該クランプピストン45の変位によって第1の面45aおよび第2の面43aに押接する中空ローラ46aを介して摺動ディスク43に作用させる。これにより、押圧力により弾性変形した中空ローラ46aの転がり抵抗により、回転を許容する範囲内で主軸4aに対して回転抵抗が付与されるようにして、主軸4aの回転状態に脈動が発生するのを防ぐとともに、クランプピストン45に押圧力が加えられた状態でも中空ローラ46aが転がってクランプピストン45や摺動ディスク43の摩耗を抑制できるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、工作機械用の主軸駆動装置における回転抵抗付与装置に関し、特に、工作機械のフレームに対し回転可能に支持された主軸またはこれと一体的に回転する部材に対して回転抵抗を与える装置に用いて好適なものである。
従来、工作機械に用いられる主軸駆動装置として、ワーク(被加工物)が載置される円テーブルを主軸に固定し、当該主軸を回転駆動することによって円テーブルを回転させる回転割出テーブル装置が知られている。この回転割出テーブル装置は、主軸を回転駆動することによって円テーブルの角度位置を割り出し、その割り出した角度位置でワークを加工するために用いられる。この種の回転割出テーブル装置は、割り出した角度位置(割出位置)で円テーブルを保持するために、クランプ装置を備えている。
クランプ装置は、割出位置において主軸(円テーブル)を回転阻止状態とするためのものであり、カップリング式、ディスク式、スリーブ式の3タイプがある。カップリング式は、噛み合い継手等の手段によって主軸の回転を停止させるものである。ディスク式は、円テーブルに平行なブレーキ板(クランプディスク)を主軸の端面に当接させ、クランプディスクを押圧することによって摩擦により主軸の回転を停止させるものである。スリーブ式は、主軸の外周面にクランプスリーブを当接して摩擦により主軸の回転を停止させるものである。
クランプ装置を備えた回転割出テーブル装置に関する従来技術の1つとして、特許文献1に記載されたものが存在する。この特許文献1に記載の回転割出テーブル装置は、円テーブルの駆動手段として、ウォームギア等の駆動伝達手段を介さずに主軸を回転駆動する直接駆動型(Direct Drive)のモータ(以下、DDモータという)を用いている。すなわち、特許文献1では、DDモータによって回転駆動される主軸に固定された円テーブルにブレーキ板を当接させ、摩擦により円テーブルを回転阻止状態としている。
ところで、通常はクランプ装置をクランプ状態にして円テーブルの回転を停止させ、ワークの加工を行う。しかし、クランプ装置をアンクランプ状態にして、連続的にワークを回転させながら仕上げ加工を行うこともある。その場合、主軸駆動装置は、ワークを加工するカッタから負荷を受ける。この負荷は、一定の加工条件の下でも常に変動している。そのため、主軸駆動装置による円テーブルの回転状態は、カッタから受ける負荷の変動の影響を受ける。
特許文献1のように主軸の駆動手段としてDDモータを用いる場合、この負荷の変動の影響を打ち消すようにDDモータの制御が行われる。具体的には、主軸駆動装置の回転検出器からフィードバックされる主軸の回転角度(回転量)に基づいて、カッタから受ける負荷の変動により生じた主軸の回転角度の偏差を補正しながらDDモータの回転駆動が制御される。しかしながら、回転角度の偏差の変動に対してDDモータの制御が追従できないことがある。この場合は、DDモータの回転が必ずしも一定にならず、脈動を伴うことになる。
一方、主軸の駆動手段として、ウォームギア等の駆動伝達手段を用いる場合にも、主軸の回転に脈動を生じることがある。通常、ウォームギアにはバックラッシュがある。バックラッシュとは、ウォーム(歯車)などの互いに嵌り合って運動する機械要素において、運動方向に意図して設けられた隙間のことである。この隙間があることによって、歯車は自由に動くことが可能となる。しかし、バックラッシュは脈動を発生させる原因にもなる。すなわち、カッタから受ける負荷変動の影響を受けて、噛み合っているギアの駆動側の回転速度が変化すると、従動側(主軸側)のギアが慣性によりバックラッシュの範囲内で駆動側と無関係に揺動してしまい、主軸の回転状態に脈動を生じてしまう。
主軸の回転状態に脈動が生じると、主軸に固定された円テーブルの回転状態にも脈動を伴う。その結果、円テーブルを回転しながら仕上げ加工されるワークの仕上加工面の面粗度が劣化してしまう。このような問題を解決するために、脈動の発生を抑制できるようにした主軸駆動装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
この特許文献2の主軸駆動装置は、主軸を停止または回転させた状態で、刃物台に装着された回転工具によりワークの端面ないし周面に孔加工や溝加工を行うことを可能にした旋盤に関するものである。そして、主軸を低速回転させてワークの加工を行うときに、スティックスリップ現象(脈動)が生じてワークの加工形状や加工面精度が低下してしまう不都合を防止することを課題としている。
この課題を解決するために、特許文献2に記載の旋盤は、主軸の回転を一様にするためのブレーキ装置を備える。このブレーキ装置は、主軸に固定されたブレーキディスクやスリーブなどの回転部材に押接されるブレーキシューと、ブレーキシューの摺接面に装着された摺動面材と、摺動面材の摺接面へ潤滑油を供給する手段とを備える。そして、摺動面材の摺接面へ潤滑油を供給しながら、ブレーキシューを回転部材に押接して主軸を低速回転することにより、静摩擦係数と動摩擦係数との差が小さくなるようにして、主軸のスティックスリップ現象を回避できるようにしている。
特開2006−95668号公報 特開2000−218404号公報
しかしながら、特許文献2に記載の従来技術は、摺動面材が装着されたブレーキシューを主軸の回転部材に押接することにより、押圧部材としての摺動面材と被押圧部材としての回転部材との摩擦力により主軸に対して回転抵抗(制動力)を与えるものである。したがって、この従来技術では、押圧した状態で摺動する回転部材や摺動面材の摩耗が避けられない。回転部材や摺動面材が摩耗すると、回転抵抗の大きさが変化して、十分な回転抵抗を得ることができなくなってしまう。その結果、主軸の回転状態に脈動が起こり、ワークの仕上加工面の面粗度が劣化してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、押圧部材および被押圧部材の摩耗を抑制し、主軸に付与する回転抵抗の大きさを長い時間維持できるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、少なくとも一部を主軸側へ変位可能に成されたフレーム側の押圧部材が有する面であって被押圧部材に押圧力を作用させる第1の面と、被押圧部材が有する面であって第1の面に対向する第2の面との間に弾性変形可能な転動体を設けている。ここで、被押圧部材は、主軸またはこれと一体的に回転する部材(主軸に固定された円テーブル等の回転駆動対象部材を含む)である。
上記のように構成した本発明によれば、押圧力付与装置によって押圧部材の少なくとも一部を被押圧部材側へ変位させると、押圧部材と被押圧部材との間に介装された転動体が第1の面と第2の面との間で挟持され、押圧部材から受ける押圧力により変形する。被押圧部材と転動体とは当接状態であるため、被押圧部材の回転に伴って転動体は転がるが、上記変形によって被押圧部材は転動体を変形させながら転がす状態となるため、その転動体の転がり抵抗により主軸に対し回転抵抗(制動力)が付与される。これにより、主軸の回転状態に脈動が発生する不都合が抑制される。しかも、押圧力を作用させる押圧部材の第1の面と回転抵抗を受ける被押圧部材の第2の面との間に転動体が介装されており、転動体は両面間で転がるため、第2の面に回転抵抗が付与された状態でも、従来のように静止した第1の面を回転する第2の面に押接させる場合と比べ、各面に押接される面(転動体の周面)との間の摺動量は小さく、第1の面および第2の面の摩耗が抑制される。したがって、摩耗による回転抵抗の変化が抑制されるので、主軸に付与する回転抵抗の大きさを長い時間維持することができる。
本発明による回転抵抗付与装置を備えた工作機械用の主軸駆動装置の構成例を示す図である。 本発明による回転抵抗付与装置の構成例を示す図である。 本発明による回転抵抗付与装置の一部拡大図である。 本発明による中空ローラの配置例を示す図である。 本発明による中空ローラの配置例を示す図である。 本発明による回転抵抗付与装置の他の構成例を示す図である。 本発明による回転抵抗付与装置の他の構成例を示す図である。 本発明による回転抵抗付与装置を備えた工作機械用の主軸駆動装置の他の構成例を示す図である。 本発明による回転抵抗付与装置の他の構成例を示す図である。 本発明による中空ローラの他の配置例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る回転抵抗付与装置を備えた工作機械用の主軸駆動装置の構成例を示す図である。図1は、主軸駆動装置の一例として、回転割出テーブル装置の構成例を示している。この場合の回転駆動対象部材は、加工対象のワークが載置される円テーブルである。さらに、図1の例では、主軸の駆動手段として、ギア等の駆動伝達手段を介さずに主軸を回転駆動するDDモータを用いている。
図2は、本発明に係る回転抵抗付与装置の構成例を示す図である。図3は、図2の一部拡大図である。図2および図3に示す回転抵抗付与装置は、主軸に取り付けられている円盤状の摺動ディスクに対し、クランプピストンによって押圧力を作用させるディスク式のクランプ装置に関するものである。また、本実施形態による回転抵抗付与装置は、後ほど詳細に説明するように、弾性変形可能な転動体として3個の中空ローラを備える。中空ローラは、フレーム側の押圧部材としてのクランプピストンと、主軸側の被押圧部材としての摺動ディスクとの間に配置される。すなわち、本実施形態では、ディスク式のクランプ装置を本発明でいう回転抵抗付与装置として兼用している。
まず、図1を参照して、回転割出テーブル装置1の構成について説明する。なお、以下の説明において、「軸線方向」とは、回転駆動対象部材としての円テーブル5を支持する主軸4aの軸線の方向を指し、「半径方向」とは、同心的に配置された主軸4aおよび円テーブル5の半径方向を指すものとする。
図1において、回転割出テーブル装置1は、フレーム2と、フレーム2に対し回転可能に支持された主軸4aと、主軸4aを回転駆動するための駆動装置6と、主軸4aの割り出された回転角度を保持するクランプ装置10とを含んで構成される。
フレーム2は、工作機械に対する設置面となる部分が平坦な面として形成されている。このフレーム2は、ケーシング体28a,28bとベース部材29とを別体に形成し、両者を複数の取付ボルト27によって組み合わせることにより構成されている。ベース部材29は、主軸4aを囲繞する筒状のベース部11を有している。なお、筒状のベース部11は、それ単独の部材として別に形成し、ボルト等によって取り付けられる構成としてもよい。
主軸4aは、フレーム2内において筒状のベース部11の内部に挿入され、軸受3によってフレーム2に対し回転可能に支持されている。主軸4aの一端にはフランジ4bが取り付けられ、フランジ4bには円テーブル5が取り付けられている。また、主軸4aの他端は、円盤状の突出部材16の孔16aに挿入され、更にこの孔16aから突出している。なお、突出部材16は、ベース部材29の内周側に複数の取付ボルト31によって取り付けられている。
円テーブル5は、中心孔13aの部分でフランジ4bの円テーブル5側の端面(図1の上面)に嵌め込まれ、嵌め合いによってフランジ4bに対し位置決めされた状態で、複数の取付ボルト12によってフランジ4bの端面に対し取り付けられる。
フランジ4bは、中心孔13bの部分で主軸4aの一端に嵌め込まれ、嵌め合いによって位置決めされた状態で、複数の取付ボルト30により主軸4aの端面に対し取り付けられている。このフランジ4bには、円テーブル5から主軸4aの軸線方向へ延びる筒状の保持部23が一体的に形成されており、この保持部23がベース部11を囲繞するかたちとなっている。なお、保持部23およびフランジ4bは、円テーブル5と別体に形成されて円テーブル5に固定されているが、保持部23およびフランジ4bが円テーブル5と一体に形成されていてもよい。また、保持部23は、主軸4aと一体に形成されたものであってもよい。
主軸4aは、主軸4aの外周面とベース部11の内周面との間に設けられた軸受3により支持されている。図1の例では、主軸4aを支持するために3個の軸受3が組み合わせて設けられている。そして、これらの軸受3の内輪側は、主軸4aの外周面に形成された段部とフランジ4bの中心孔13bの周囲の部分とにより挟み込まれた状態で、主軸4aに対し固定されている。また、軸受3の外輪側は、ベース部11の内周面に形成された段部とベース部11の端面に取り付けボルト15によって取り付けられた環状の軸受け押さえ14とにより挟み込まれた状態で、ベース部11に対し固定されている。
また、主軸4aには、クランプ装置10による押接力を受ける摺動ディスク43が取り付けられている。この摺動ディスク43は、円盤状の薄板からなる弾性変形可能な部材であって、その内周側の部分において取付ボルト19によって主軸4aに固定されている。
さらに、主軸4aには、突出部材16の孔16aから突出している他端に、回転検出器20の一部を成す被検出リング21が取り付けられている。この回転検出器20は、主軸4aの回転角度(回転量)を検出するためのものであって、主軸4aに取り付けられた被検出リング21と、フレーム2側の突出部材16に取り付けられた検出センサ22とで構成されている。この回転検出器20が設けられる主軸4aの他端側における主軸4aの外周の空間は、カバー部材18によって塞がれている。なお、カバー部材18は、取付ボルト17によってベース部材29に取り付けられている。
以上の構成より成る主軸4aは、駆動装置6によって回転駆動される。駆動装置6としては、ギア等の駆動伝達手段を介さずに主軸4aを回転駆動するDDモータ9を採用している。このDDモータ9は、主軸4aの軸線に関し主軸4aと同心的に配置されており、モータロータ7およびモータステータ8を含んで構成される。すなわち、DDモータ9は所謂インナーロータ形である。なお、DDモータ9は、図示しない工作機械の制御装置に接続されており、その制御装置によって駆動が制御される。
モータロータ7は、フランジ4bの保持部23の外周面に嵌め込まれた状態で、フランジ4b側から挿入された取付ボルト24により、フランジ4bに対し相対回転不能に取り付けられている。したがって、モータロータ7は、円テーブル5が固定された主軸4aに対し相対回転不能な状態となっている。
モータステータ8は、モータロータ7の外周面を囲繞するように配置されている。すなわち、モータステータ8は、その内周面がモータロータ7の外周囲に対向し、モータロータ7の外周面との間に僅かな隙間を形成した状態でフレーム2に取り付けられている。また、モータステータ8は、ステータスリーブ25の内周面に相対回転不能に嵌め込まれている。ステータスリーブ25は、フレーム2におけるケーシング体28aの内周面に嵌め込まれた状態で、フレーム2のベース部材29側から挿入した取付ボルト26によってフレーム2に取り付けられている。したがって、モータステータ8は、フレーム2内において、フレーム2に対し相対回転不能に設けられた状態となっている。
クランプ装置10は、押圧部材としての環状のクランプピストン45と、弾性変形可能な転動体としての中空ローラ46a,46bと、押圧力付与装置48とを含んで構成される。押圧力付与装置48は、作動流体供給機構42と、バネ部材47と、第1および第2の圧力室49a,49bとを備えている。
中空ローラ46aは、フレーム2側の押圧部材としてのクランプピストン45と主軸4a側の被押圧部材としての摺動ディスク43との間に配置されている。本実施形態におけるクランプ装置10は、押圧力付与装置48によりクランプピストン45に付与される押圧力を、中空ローラ46aを介して、または直接的に摺動ディスク43に作用させることによって、摺動ディスク43に対し2種類の回転抵抗を付与する。
なお、図1ではクランプ装置10の一部を成す作動流体供給機構42について詳細を説明する。クランプ装置10のその他の構成については、図2および図3を用いて詳細を後述する。作動流体供給機構42は、フレーム2のケーシング体28aの外側面に向けて開口して形成された第1および第2のポート40a,40bと、ケーシング体28aに形成された第1および第2の連通路39a,39bと、フレーム2のベース部材29に形成された第1および第2の流路(図1には第1の流路38aのみ図示)と、作動流体(例えば、圧油)を供給するための作動流体供給源101と、作動流体のタンク100と、作動流体供給源101に接続された流体供給装置41とを備えて構成されている。
第1の流路38aおよびこれに接続された第1の連通路39aは、第1の圧力室49aと第1のポート40aとの間を連通している。第1のポート40aは、フレーム2と別体に設けられた流体供給装置41に接続されている。また、第2の流路(図示せず)およびこれに接続された第2の連通路39bは、第2の圧力室49bと第2のポート40bとの間を連通している。第2のポート40bは流体供給装置41に接続されている。
流体供給装置41は、工作機械の制御装置により制御される図示しない切替弁を含む。この切替弁は、一方で作動流体供給源101およびタンク100と流路で接続されており、他方で第1および第2のポート40a,40bと流路で接続されている。流体供給装置41は、共通の作動流体供給源101から供給される所定の圧力の作動流体を、切替弁により第1および第2のポート40a,40bに選択的に切り替えて供給し、第1および第2の圧力室49a,49bの少なくとも一方に選択的に所定の圧力の作動流体を供給するものである。
詳しくは図2および図3を用いて後述するが、主軸4aを半クランプ状態とする場合は、流体供給装置41は、第1および第2のポート40a,40bの何れにも作動流体は供給しない。この場合、バネ部材47の付勢力によりクランプピストン45に対して付与される摺動ディスク43側への第1の押圧力が、中空ローラ46aを介して摺動ディスク43に作用した状態となり、それに伴って中空ローラ46aが変形し、変形した状態での中空ローラ46aの転がり抵抗により主軸4aに対して半クランプ用の回転抵抗(制動力)が付与される。なお、半クランプ状態とは、クランプ装置10が主軸4aに対しその回転を許容する範囲で回転抵抗を付与する押圧力を作用させる状態である。
また、主軸4aを完全クランプ状態とする場合は、流体供給装置41は、第1のポート40aに所定の圧力の作動流体を供給する。この場合、押圧力付与装置48によりクランプピストン45に対して付与される摺動ディスク43側への第2の押圧力(流体供給装置41から第1の圧力室49aに供給される作動流体による摺動ディスク43側への押圧力とバネ部材47による摺動ディスク43側への押圧力との合計)が直接的に摺動ディスク43に作用し、摺動ディスク43に対し完全クランプ用の回転抵抗を付与する。なお、完全クランプ状態とは、クランプ装置10が主軸4aに対しその回転を許容しない回転抵抗を付与する押圧力を作用させる状態である。
また、主軸4aをアンクランプ状態とする場合は、流体供給装置41は、第2のポート40bに所定の圧力の作動流体を供給する。この場合、アンクランプ用に機能する第2の圧力室49bに作動流体の所定の圧力が作用することによって、押圧力付与装置48によりバネ部材47の付勢力に抗した押圧力であって付勢力よりも大きなアンクランプ用の押圧力がクランプピストン45に作用し、クランプピストン45の端部に配置された中空ローラ46aが摺動ディスク43から離れてアンクランプ状態となる。
次に、図2および図3を参照して、本実施形態による回転抵抗付与装置(クランプ装置10)の構成を詳細に説明する。押圧部材としてのクランプピストン45は、フレーム2の突出部材16に形成されている環状の案内溝51に対し軸線方向に移動可能な状態で納められている。案内溝51は、フレーム2の突出部材16における摺動ディスク43と対向する部分において、摺動ディスク43側に開口するように形成されている。したがって、案内溝51に収容されるクランプピストン45は、その円テーブル5側の端面(=摺動ディスク43側の端面)が摺動ディスク43と対向している。
クランプピストン45には、摺動ディスク43側の端面における外周側の部分を切り欠いた環状の切欠部52が形成されている。この切欠部52の底面45aが本発明でいう第1の面に相当する。また、クランプピストン45の摺動ディスク43側の端面における切欠部52以外の面45bが本発明でいう第3の面に相当する。一方、摺動ディスク43におけるクランプピストン45側の面のうち、第1の面45aに対向する部分43aが本発明でいう第2の面に相当し、第3の面45bに対向する部分43bが本発明でいう第4の面に相当する。すなわち、本実施形態では、第2の面43aと第4の面43bとは同一平面上に存在している。
切欠部52には保持器56aが配置され、その保持器56aによって中空ローラ46aが保持される。切欠部52は、その軸線方向における寸法、すなわち、軸線方向における第1の面45aと第3の面45bとの距離が、半クランプ用の第1の押圧力により弾性変形した中空ローラ46aの押圧方向における直径寸法よりも小さく、かつ、第1の押圧力より大きい完全クランプ用の第2の押圧力により弾性変形した中空ローラ46aの押圧方向における直径寸法と同じかそれよりも大きく形成されている。
第3の面45bは、中空ローラ46aに第1の押圧力を作用させた状態(クランプピストン45に対し流体供給装置41からの作動流体の圧力が作用していない状態)では、摺動ディスク43の第4の面43bに接触していない。一方、第3の面45bは、中空ローラ46aに第2の押圧力を作用させたとき(第1の圧力室49aに対し流体供給装置41から所定の圧力の作動流体を作用させたとき)には、摺動ディスク43の第4の面43bに押接される。つまり、第3の面45bは、中空ローラ46aに第1の押圧力を作用させた状態から第2の押圧力を作用させる状態に変化させたときに起こる中空ローラ46aの径変化量よりも短い距離で、摺動ディスク43の第4の面43bと対向している。
クランプピストン45は、その内周部の下端に形成されて内周側へ向けて突出する環状の突出部53を有している。そして、この突出部53と摺動ディスク43との間の位置で環状のフランジ部材54が、取付ボルト32によりフレーム2の突出部材16の摺動ディスク43側の端面に取り付けられている(図1参照)。このフランジ部材54の外周面は、クランプピストン45の内周面とシール55を介在させて密着している。
さらに、本実施形態では、摺動ディスク43のクランプピストン45側に設けた中空ローラ46aに加え、摺動ディスク43の円テーブル5側にも別の3個の中空ローラ46bを設けている。
フレーム2の一部を成すベース部材29のベース部11には、その内周面から半径方向内側へ突出する段部61が形成され、その段部61の下面が摺動ディスク43の円テーブル5側の面と対向する。さらに、段部61の下面のうち、摺動ディスク43における円テーブル5側の面の外周部と対向する位置に、溝62が形成されている。
そして、本実施形態では、摺動ディスク43よりも円テーブル5側に設けられる中空ローラ46bが、この溝62の底面(第5の面)11aとそれに対向する摺動ディスク43の円テーブル5側の面(第6の面)43cとの間に配置されている。この中空ローラ46bは、保持器56bによって保持される。また、段部61の下面における溝62よりも内周側の面(第7の面)11bが、中空ローラ46bに第1の押圧力に応じた力を作用させた状態から第2の押圧力に応じた力を作用させた状態に変化させたときに起こる中空ローラ46bの径変化量よりも短い距離で、摺動ディスク43の円テーブル5側の面(第8の面)43dと対向している。
次に、クランプ装置10の中空ローラ46a,46bを保持するための保持器56a,56bについて説明する。図4および図5は、摺動ディスク43よりもクランプピストン45側に設けられる中空ローラ46aを保持するための保持器56aにおける中空ローラ46aの配置例を示す図であり、図4は保持器56aを上方から見た上面図、図5は保持器56aを正面(図2および図3と同じ方向)から見て一部を断面で示した一部断面正面図である。なお、本実施形態では、保持器56a,56bは同様の構造であり、ここでは保持器56aについて説明する。
図4および図5に示すように、本実施形態では、環状の保持器56a上に中空ローラ46aを等間隔に3個設けている。保持器56aは、その板厚が、第2の押圧力によって中空ローラ46aが弾性変形した後の軸線方向の直径よりも薄い略ドーナツ形の円盤である。保持器56aは、外周面から円盤の中心方向へ向けて内周面に貫通しないポケット63を、外周面に等角度間隔で3つ備えている。
これらのポケット63は、中空ローラ46aの直径よりも大きなエンドミルで保持器56aの外周面から加工された穴である。したがって、ポケット63の直径は保持器56aの板厚よりも大きく、ポケット63は保持器56aの板厚方向における両側面に開放した開放部64を有している。開放部64は、保持器56aの両側面における円周方向の幅を中空ローラ46aの直径よりも小さい寸法に形成されている。これらの3つのポケット63に中空ローラ46aが装填されており、中空ローラ46aはその外周面をポケット63の開放部64から外側へ突出させている(図5参照)。保持器56aは、ポケット63に装填された中空ローラ46aによって上下方向を支持されている。
保持器56aの3つのポケット63に装填された各中空ローラ46aは、クランプピストン45の切欠部52の底面である第1の面45aと摺動ディスク43における第2の面43aとの間の位置で、保持器56aにより、その軸線を主軸4aの軸芯に向けて互いの間隔を維持した状態で保持されている。これらの各中空ローラ46bは、フレーム2のベース部11に設けた溝62の底面である第5の面11aと摺動ディスク43における第6の面43cとの間の位置で、保持器56bにより、その軸線を主軸4aの軸芯に向けて互いの間隔を維持した状態で保持されている。
なお、摺動ディスク43の円テーブル5側に設けた3個の中空ローラ46bは、摺動ディスク43のクランプピストン45側に設けた3個の中空ローラ46aに対応する位置にあってもよいし、円テーブル5の半径方向および回転方向において互いにずれた位置にあってもよい。
上述したように、押圧力付与装置48は、クランプピストン45に対し半クランプ用の第1の押圧力を作用させるバネ部材47と、第1の押圧力に加えて完全クランプ用の第2の押圧力となる押圧力をクランプピストン45に対し作用させる作動流体を供給するための作動流体供給源101、流体供給装置41および第1の圧力室49aとを備える。さらに、押圧力付与装置48は、アンクランプ用の押圧力をクランプピストン45に対し作用させる作動流体を供給するための第2の圧力室49bを備える。
クランプピストン45の下端面45c(摺動ディスク43とは反対側の端面)と案内溝51とで囲まれた空間が、第1の圧力室49aとなる。第1の圧力室49aには、前述の第1の押圧力をクランプピストン45に作用させるバネ部材47が設けられている。このバネ部材47は、圧縮バネであって、案内溝51の底面51aに開口する溝51bとクランプピストン45の下端面45cとの間の位置に複数個設けられている。
クランプピストン45の下端面は、バネ部材47によるバネ力に加えて、第1の圧力室49aに供給した作動流体による所定の圧力をクランプピストン45に作用させたときに、中空ローラ46aがさらに弾性変形して第3の面45bと第4の面43bとが直接押接し、その押接力によって主軸4aを完全クランプ状態とすることが可能な面積に形成されている。
また、クランプピストン45の内周面と、クランプピストン45の突出部53における摺動ディスク43側の面と、フランジ部材54と、案内溝51の内周面51cとで囲まれた空間が第2の圧力室49bとなる。クランプピストン45の突出部53における摺動ディスク43側の面は、第2の圧力室49bに供給した作動流体による所定の圧力をクランプピストン45に作用させたときに、クランプピストン45がバネ部材47に対しその付勢力よりも大きな押圧力を作用させる面積に形成されている。そして、第1の流路38aが、クランプピストン45の下端面45cと対向する位置において、第1の圧力室49aに連通している。また、第2の流路(図示せず)が、案内溝51の内周面51cのフランジ部材54とクランプピストン45の突出部53との間の位置において、第2の圧力室49bに連通している。
第1の圧力室49aは、上述したように、第1の流路38aおよび第1の連通路39aを介して、ケーシング体28aの外側面に向けて開口して形成された第1のポート40aに連通し、第1のポート40aはフレーム2と別体に設けられた流体供給装置41に接続されている。また、第2の流路(図示せず)および第2の圧力室49bは、第2の連通路39bを介して、ケーシング体28aの外側面に向けて開口して形成された第2のポート40bに連通し、第2のポート40bは流体供給装置41に接続されている。
以上の構成により、押圧力付与装置48は、主軸4aを半クランプ状態とする第1の押圧力をバネ部材47により発生する。また、押圧力付与装置48は、第1の押圧力と作動流体の所定の圧力が第1の圧力室49aに作用して発生する押圧力とにより、主軸4aを完全クランプ状態とする第2の押圧力を発生する。さらに、押圧力付与装置48は、作動流体の所定の圧力が第2の圧力室49bに作用することにより、バネ部材47の付勢力に抗するアンクランプ用の押圧力を発生する。
次に、以上のように構成した本実施形態によるクランプ装置10の動作を説明する。主軸4aの角度位置を割り出す場合には、工作機械の制御装置(図示せず)は、流体供給装置41における図示しない切替弁を制御し、作動流体を第2のポート40b側のみへ供給する。これにより、バネ部材47の付勢力に抗してクランプピストン45を摺動ディスク43と反対側へ移動させて、第2の面43aおよび第5の面11aと中空ローラ46a,46bとを離間させることによりクランプ装置10をアンクランプ状態とする。そして、DDモータ9の駆動によって主軸4aの角度位置を割り出す。
その後、割り出した角度位置に主軸4aを保持した状態、すなわち、主軸4aを完全クランプ状態としてワークの加工を行う場合には、まず、工作機械の制御装置は、流体供給装置41における図示しない切替弁を制御して、第2のポート40b側の流路をタンク100と通じさせて第2の圧力室49bの内圧を低下させる。次いで、工作機械の制御装置は、流体供給装置41における図示しない切替弁を制御して、作動流体を第1のポート40a側のみへ供給する。
これにより、作動流体の圧力が第1の圧力室49aに作用する。その結果、クランプピストン45は、その底面にあるバネ部材47のバネ力と作動流体の圧力との作用を受けて摺動ディスク43側へ変位し、中空ローラ46aを介して摺動ディスク43に対し第2の押圧力を作用させる。その際、第1の面45aと第2の面43aとの間で中空ローラ46aが押圧されて弾性変形するとともに、第3の面45bは第4の面43bに押接する。これにより、摺動ディスク43の外周部が撓んで円テーブル5側に変形する。
摺動ディスク43が円テーブル5側に撓むことにより、第5の面11aと第6の面43cとの間でも中空ローラ46bが押圧されて弾性変形するとともに、摺動ディスク43が撓んで変形したときに、第7の面11bが第8の面43dに押接する。
このとき、第3の面45bと第4の面43bとの間、および第7の面11bと第8の面43dとの間で生じる摩擦抵抗は、主軸4aの回転を許容しないものとなる。これにより、クランプ装置10は主軸4aを完全クランプ状態として、その角度位置を保持する。
一方、円テーブル5を回転させながらワークを仕上加工する場合には、工作機械の制御装置は、流体供給装置41における切替弁を制御して、第1のポート40a側の流路をタンク100と通じさせる。これにより、作動流体の圧力が第1の圧力室49aに作用しなくなり、第1の圧力室49aの内圧が低下する。その結果、クランプピストン45の底面には、第1の圧力室49aによる作動流体の圧力が作用しなくなる。この場合にクランプピストン45は、バネ部材47の付勢のみによる第1の押圧力を摺動ディスク43に作用させる。
その結果、第3の面45bと第4の面43bとが離間するとともに、第2の押圧力で撓んでいた摺動ディスク43が第1の押圧力が作用した状態まで復元する。これに伴い、第7の面11bと第8の面43dとが離間し、完全クランプ状態が解除される。そして、第1の面45aと第2の面43aとの間で中空ローラ46aが第1の押圧力で押圧されるとともに、第5の面11aと第6の面43cとの間でも中空ローラ46bが第1の押圧力に応じた力で押圧される。このとき、第1の押圧力により弾性変形した中空ローラ46a、および第1の押圧力に応じた力により弾性変形した中空ローラ46bの転がり抵抗により、クランプ装置10は主軸4aを半クランプ状態とする。なお、回転割出テーブル装置1において円テーブル5を回転させながらワークを仕上加工する場合には、回転割出テーブル装置1はクランプ装置10を半クランプ状態としたまま円テーブル5を回転させる。
以上詳しく説明したように、本実施形態では、主軸4a側に備えられた摺動ディスク43の方向へと変位可能に成されたクランプピストン45が有する面であって摺動ディスク43側に押圧力を作用させる第1の面45aと、摺動ディスク43が有する面であって第1の面45aに対向する第2の面43aとの間に弾性変形可能な中空ローラ46aを設けている。そして、クランプピストン45に付与される押圧力を、当該クランプピストン45の変位によって第1の面45aおよび第2の面43aに押接する中空ローラ46aを介して摺動ディスク43に作用させるようにしている。
このように構成した本実施形態によれば、押圧力付与装置48によってクランプピストン45を摺動ディスク43側へ変位させると、クランプピストン45の第1の面45aが中空ローラ46aを介して摺動ディスク43の第2の面43aを押圧する。このとき、中空ローラ46aが押圧により変形した状態となり、変形した状態での中空ローラ46aの転がり抵抗により、摺動ディスク43(主軸4a)に対してその回転を許容する範囲内で回転抵抗(制動力)が付与される。これにより、主軸4aの回転状態に脈動が発生する不都合を抑制することができる。
また、本実施形態では、摺動ディスク43よりもクランプピストン45側の中空ローラ46aに加えて、摺動ディスク43よりも円テーブル5側にも、フレーム2のベース部11が有する第5の面11aと摺動ディスク43が有する第6の面43cとの間に弾性変形可能な中空ローラ46bを設けている。このように構成することにより、第1の押圧力によって弾性変形した中空ローラ46a、および第1の押圧力に応じた力により弾性変形した中空ローラ46bの転がり抵抗により、摺動ディスク43の両面から回転抵抗(制動力)を付与することができ、脈動の発生を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、回転抵抗を付与するためにクランプピストン45に押圧力が加えられた状態でも、中空ローラ46aが転がってクランプピストン45の第1の面45aや摺動ディスク43の第2の面43aの摩耗が抑制される。さらには、中空ローラ46bが転がってベース部11の第5の面11aや摺動ディスク43の第6の面43cの摩耗も抑制される。したがって、これら各面の摩耗による回転抵抗の変化を抑制でき、主軸4aに付与する回転抵抗の大きさを長い時間維持することができる。
また、本実施形態では、環状の保持器56aにおいて円周方向に複数(例では3個)の中空ローラ46aを備えている。これにより、第1の面45aが中空ローラ46aを介して第2の面43aを押圧する際のクランプピストン45の傾きを抑制することができる。
また、本実施形態では、回転割出テーブル装置1において、摺動ディスク43を挟んで完全クランプ用の第3の面45bおよび第7の面11bを備えるクランプ装置10が、第3の面45bおよび第7の面11bよりも摺動ディスク43から離間して形成された半クランプ用の第1の面45aおよび第5の面11aを備え、第1の面45aおよび第5の面11aと摺動ディスク43との間に中空ローラ46a,46bを配置して回転抵抗付与装置としての機能も有している。すなわち、割り出された主軸4aの角度位置を保持するためのクランプ装置10に、半クランプ用の押圧力を被押圧部材に作用させる回転抵抗付与装置の機能を持たせ、クランプ装置10を回転抵抗付与装置としても兼用している。これにより、装置の小型化や製造コストを抑えることができる。
なお、上記実施形態では、摺動ディスク43の円テーブル5側および円テーブル5と反対側の両方に中空ローラ46a,46bを設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、円テーブル5と反対側(クランプピストン45側)のみに中空ローラ46aを設けるようにしてもよい。また、クランプピストン45および中空ローラ46aを摺動ディスク43の円テーブル5側に配置してもよい。
また、上記実施形態では、クランプピストン45は一体の部材として構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、クランプピストン45を第1のピストン部材45−1と第2のピストン部材45−2との2体で構成してもよい。
また、上記実施形態では、押圧力付与装置48は、クランプピストン45に対し第1の押圧力を作用させるバネ部材47と、第1の押圧力に加えて第2の押圧力となる押圧力を作用させる第1の圧力室49aと、アンクランプ用の押圧力を作用させる第2の圧力室49bとを備えているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、バネ部材47を廃して、第1の押圧力を作用させる第1の圧力室49aと、第2の押圧力を作用させる第2の圧力室49bとを備え、流体供給装置41の図示しない切替弁によって第1のポート40aおよび第2のポート40bへの作動流体の流路を切り替える構成としてもよい。
図7のようにクランプ装置10を構成する場合、リターンディスク65が、クランプピストン45と突出部16の摺動ディスク43側の面との間の位置に設けられる。リターンディスク65は、平面上に複数の図示しない取り付け穴が設けられた略ドーナツ形の薄板からなる弾性変形可能な部材であって、取り付けボルト66により、隣接する該取り付け穴を交互にクランプピストン45と突出部16とに取り付けられる。したがって、リターンディスク65は、クランプピストン45と突出部16とを相対回転不能に連結するとともに、隣接する該取り付け穴同士の間の部分の弾性力によりクランプピストン45を後退位置に維持する。
また、上記実施形態では、第2の面43aと中空ローラ46aとの間および第5の面11aと中空ローラ46bとの間がアンクランプ状態で離間する構成としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、中空ローラ46a,46bが常に転がるように、かつ、その転がり抵抗がアンクランプ状態で許容できる程度の軽い負荷となるようにしてもよい。この場合は、クランプピストン45の最後退位置における第1の面45aと第2の面43aとの距離および第5の面11aと第6の面43cとの距離を、中空ローラ46a,46bの直径と同じかそれよりも若干小さい距離に構成する。
また、上記実施形態では、保持器56a,56bは、ポケット63に装填された中空ローラ46a,46bによって上下方向を支持され、かつ、開口部64から中空ローラ46a,46bが抜け出ないようになっているが、この構成に限らない。保持器56a,56bは、中空ローラ46a,46bの直径よりも薄く、フレーム2に対して回転可能な状態で中空ローラ46a,46b同士の間隔を維持できるものであれば、ポケット63を構成する面が平面であってもよいし、中空ローラ46a,46bに支持されずにクランプピストン45、フレーム2あるいは摺動ディスク43に支持されてもよい。
また、上記実施形態では、摺動ディスク43の第2の面43aと第4の面43bとが同一平面上に存在するとともに、摺動ディスク43の第6の面43cと第8の面43dとが同一平面上に存在しているが、この構成に限らない。例えば、第2の面43aと第4の面43bとがそれぞれ異なる平面上に存在してもよいし、第6の面43cと第8の面43dとがそれぞれ異なる平面上に存在してもよい。
次に、本発明による別の実施形態を図面に基づいて説明する。図8は、本発明による回転抵抗付与装置を備えた工作機械用の主軸駆動装置1’の他の構成例を示す図である。なお、この図8において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。また、図9は、本発明による回転抵抗付与装置の他の構成例を示す図である。なお、この図9において、図2および図3に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。また、図10は、本発明による中空ローラ46の他の配置例を示す図であり、図10(a)は保持器56を上方から見た上面図、図10(b)は保持器56を正面(図9と同じ方向)から見て一部を断面で示した一部断面正面図である。
本発明による別実施形態の回転抵抗付与装置は、フレーム2側に設けられた押圧部材としてのクランプスリーブにより主軸4a(フランジ4b)に回転抵抗を付与するスリーブ式のクランプ装置10’に関するものである。図8に示すように、主軸駆動装置としての回転割出テーブル装置1’の構成は、図1に示す構成と基本的には同じである。ただし、クランプ装置10’の形式が異なることに伴い、摺動ディスクは設けられていない。また、押圧部材を配置するためにフランジ4bの保持部23とベース部材29のベース部11との間の空間が、図1のものよりも大きく形成されている。
以下、図8〜図10を用いて、回転割出テーブル装置1’およびクランプ装置10’について詳しく説明する。クランプ装置10’は、押圧部材としてのクランプスリーブ71と、弾性変形可能な転動体としての中空ローラ46と、押圧力付与装置48’とを含んで構成される。押圧力付与装置48’は、作動流体供給機構42’と圧力室49とを備えている。中空ローラ46は、フレーム2側のクランプスリーブ71のクランプ部71aと主軸4a側のフランジ4bにおける保持部23との間に設けられている。
クランプスリーブ71は、フレーム2のベース部11と主軸4a側のフランジ4bにおける保持部23との間に配置される筒状のクランプ部71aと、クランプ部71aに続いて半径方向に延びるフランジ部71bとを有している。そして、クランプ部71aがベース部11の外側に嵌装されるとともに、フランジ部71bがフレーム2のベース部材29に対し取付ボルト72によって取付けられている。クランプ部71aは、その外周面が保持部23の内周面に対向して非接触の状態で配置され、内周面がベース部11の外周面に対し2つのシール73を介して密着している。
クランプスリーブ71は、クランプ部71aの内周面に溝が形成され、溝に対応する部分が肉厚の薄い薄肉部71cとなっている。そして、溝の内面とベース部11の外周面とで囲まれた空間は、作動流体が供給される圧力室49になる。図8では、流体供給装置41’からポート40、連通路39および流路38を通して圧力室49に作動流体を供給することにより、溝に対応する薄肉部71cを半径方向における外側へ撓ませて径を拡大させる。これにより、主軸4a側の被押圧部材としての保持部23に対し、押圧力を作用させる。
保持部23の内周面には、クランプスリーブ71の薄肉部71cに対応する中央の位置およびその位置から保持部23の上下方向に所定長さの部分を外周側へ切り欠いた環状の切欠部75が形成されている。そして、この切欠部75の内周面とクランプスリーブ71のクランプ部71aの外周面との間の空間に、保持器56によって中空ローラ46が配設されている。
したがって、本実施形態では、クランプスリーブ71の外周面のうちの切欠部75内の中空ローラ46に対向する部分74aが本発明でいう第1の面に相当し、切欠部75の内周面のうちの中空ローラ46に対向する部分74bが第2の面に相当する。
押圧力付与装置48’は、先の実施形態と同様に、圧力室49に対し作動流体を供給することにより、クランプスリーブ71の薄肉部71cに対し半クランプ用の第1の押圧力および完全クランプ用の第2の押圧力を作用させる。
保持部23の切欠部75を除く部分の内周面とクランプスリーブ71におけるクランプ部71aの外周面との間の間隙は、薄肉部71cに対し作動流体による第1の押圧力が作用した状態において、それに伴う薄肉部71cの撓みにより薄肉部71cの外周面が保持部23の上記部分の内周面と接触しない距離に設定される。また、上記間隙は、薄肉部71cに対し作動流体による第2の押圧力が作用した状態において、それに伴う薄肉部71cの撓みにより薄肉部71cの外周面が保持部23の上記部分の内周面に押接される距離に設定されている。
したがって、クランプスリーブ71における薄肉部71cの外周面のうち、保持部23の切欠部75を除く部分に対向する部分74cが本発明でいう第3の面に相当し、保持部23の切欠部75を除く部分の内周面のうち、第3の面74cに対向する部分74dが本発明でいう第4の面に相当する。
なお、切欠部75について、その半径方向における深さ寸法、すなわち、半径方向における第2の面74bと第4の面74dとの距離は、非変形状態(押圧力が作用していない状態)における中空ローラ46の外径よりも小さい距離で、かつ、第2の押圧力に応じた力により弾性変形した中空ローラ46の押圧方向における直径よりも大きい距離に設定されている。また、第2の面74bと第4の面74dとの距離と、第3の面74cと第4の面74dとの間の間隙との和は、非変形状態の中空ローラ46の外径よりも大きく、かつ、薄肉部71cに対し第1の押圧力が作用したときに中空ローラ46が第1の面74aで押圧されて第2の面74bとの間で弾性変形する距離である。
したがって、中空ローラ46は、非変形状態において切欠部75よりもクランプスリーブ71側へ突出し、かつ、クランプ部71aおよび保持部23の少なくとも一方と離間している。そして、薄肉部71cに対し第1の押圧力が作用すると、第3の面74cと第4の面74dとが接触しない範囲で薄肉部71cが外側へ撓み、第1の面74aが中空ローラ46に押圧力を作用させ、第2の面74bとの間で挟持して中空ローラ46を変形させる。これにより、主軸4aの回転に伴うフランジ4b(保持部23)の回転時に、中空ローラ46の転がり抵抗が回転抵抗として保持部23に作用し、半クランプ用の回転抵抗が主軸4aに付与される。また、薄肉部71cに対し第2の押圧力が作用すると、第3の面74cが第4の面74dに押接され、フランジ4b(保持部23)を介して主軸4aに完全クランプ用の回転抵抗が付与される。
本実施形態では、図10に示すように、中空ローラ46は3個設けられている。各中空ローラ46は、クランプスリーブ71の外周面である第1の面74aと、第1の面74aに対応する保持部23における切欠部75の底面である第2の面74bとの間の位置で、保持器56により、中空ローラ46の軸線を主軸4aの軸線と平行な方向に向けて互いの間隔を維持した状態で保持されている。
保持器56は、その肉厚が第2の押圧力によって中空ローラ46が弾性変形した後の直径よりも薄い円筒である。この円筒の一方の端面(図10の例では円テーブル5側の端面)には、円周方向に等間隔で3つのポケット63が備えられている。これらのポケット63は、保持器56の一方の端面から保持器56の軸線方向と平行な方向へ向けて、中空ローラ46の直径よりも大きなエンドミルで加工された穴である。したがって、ポケット63の直径は保持器46の肉厚よりも大きく、ポケット63は保持器56の内周面および外周面に開放した開放部64を有している。開放部64は、保持器56の内周面および外周面における半径方向と軸線方向とに直交する方向の幅が、中空ローラ46の直径よりも小さい寸法となるように形成されている。
このように形成した3つのポケット63に中空ローラ46がそれぞれ装填されており、中空ローラ46はその外周面をポケット63の開放部64から外側へ突出させている。なお、保持器56の下端面には、環状の抜け止め76が取付ボルト77によって取り付けられている。これにより保持器56は、その下端面が抜け止め76の円テーブル5側の面に載置された状態で配置されている。
押圧力付与装置48’は、作動流体供給機構42’と圧力室49とを備えている。作動流体供給機構42’は、フレーム2のケーシング体28aに形成されたポート40と、ケーシング体28aに形成された連通路39と、フレーム2のベース部材29に形成された流路38と、クランプスリーブ71に対し押圧力を作用させる作動流体を供給するための作動流体供給源101と、作動流体のタンク100と、作動流体供給源101に接続された流体供給装置41’とを備えて構成されている。
圧力室49は、フレーム2のベース部材29に形成されている流路38と、ケーシング体28aに形成されている連通路39およびポート40とを介して流体供給装置41’に接続されている。流体供給装置41’は、作動流体供給源101から供給される作動流体の圧力を調整する図示しない低圧供給部と高圧供給部とを備えている。低圧供給部と高圧供給部とは、それぞれ図示しない圧力調整弁を備えている。
低圧供給部は、圧力調整弁により、作動流体供給源101から供給される作動流体の圧力を、その圧力によってクランプスリーブ71(薄肉部71c)に作用する押圧力が、第3の面74cと第4の面74dとが接触しない範囲で薄肉部71cを撓ませて中空ローラ46を変形させる第1の押圧力となる圧力に調整する。また、高圧供給部は、圧力調整弁により、作動流体供給源101から供給される作動流体の圧力を、その圧力によってクランプスリーブ71に作用する押圧力が、その押圧力による薄肉部71cの撓みによって第3の面71cが第4の面71dに押接されて主軸4aの回転を許容しない回転抵抗(摩擦抵抗)を保持部23に作用させる第2の押圧力となる圧力に調整する。
さらに、流体供給装置41’は、ポート40への流路を低圧供給部および高圧供給部とタンク100との何れかへ通じる流路に切り替える図示しない切替弁を備えている。以上の構成により、押圧力付与装置48’は、流体供給装置41’の切替弁でポート40への流路を低圧供給部、高圧供給部またはタンク100と通じる流路の何れかに切り替えることにより、選択的に、第1の押圧力または第2の押圧力を発生する状態や、押圧力の作用しない状態とする。
以上の構成により、本実施形態ではスリーブ式のクランプ装置を、主軸4a側の被押圧部材としての保持部23に対し中空ローラ46を介して押圧力を作用させて回転抵抗を付与する回転抵抗付与装置としても兼用して使用することができ、装置の小型化や製造コストを抑えることができる。
次に、以上のように構成したクランプ装置10’の動作を説明する。主軸4aの角度位置を割り出した状態において(すなわち、主軸4aを完全クランプ状態として)円テーブル5上のワークを加工する場合には、工作機械の制御装置(図示せず)は、流体供給装置41’における図示しない切替弁を制御し、高圧供給部から高圧にて作動流体をポート40へ供給する。これにより、高圧供給部からの作動流体による圧力が圧力室49に作用する。
作動流体の圧力(高圧)が圧力室49に作用すると、クランプスリーブ71の薄肉部71cは、第2の押圧力の作用を受けて径が拡大する方向へ変形する。それに伴い、薄肉部71cの外周面のうち中空ローラ46に対応する部分以外の部分に相当する第3の面74cが、それに対向する第4の面74dに押接され、保持部23に対し第2の押圧力に応じた力を作用させる。このときに第3の面74cと第4の面74dとの間で生じる摩擦抵抗は、主軸4aの回転を許容しないものとなる。これにより、クランプ装置10’は回転割出テーブル装置1’の主軸4aを完全クランプ状態とし、その角度位置を保持する。
一方、主軸4aの角度位置を割り出す場合には、工作機械の制御装置は、流体供給装置41’における切替弁を制御して、ポート40の流路をタンク100と通じさせる。ポート40への流路がタンク100と通じると、作動流体による圧力が圧力室49に作用しなくなる。それに伴い、径が拡大する方向へ弾性変形していたクランプスリーブ71の薄肉部71cが復元し、第3の面74cが第4の面74dから離間する。これにより、クランプスリーブ71による押圧力が保持部23に対して作用しなくなり、回転割出テーブル装置1’はアンクランプ状態となる。
また、円テーブル5を回転させながらワークを仕上加工する場合には、工作機械の制御装置は、流体供給装置41’における切替弁を制御して、低圧供給部から低圧にて作動流体をポート40ヘ供給する。これにより、低圧供給部からの作動流体による圧力が圧力室49に作用する。作動流体の圧力(低圧)が圧力室49に作用すると、クランプスリーブ71の薄肉部71cは、第1の押圧力の作用を受けて径が拡大する方向へ変形する。それに伴い、薄肉部71cの外周面のうち中空ローラ46に対応する部分に相当する第1の面74aが、第1の押圧力に応じた力により中空ローラ46を押圧する。その結果、中空ローラ46が第1の面74aと第2の面74bとの間で圧縮されて弾性変形する。
薄肉部71cが第1の押圧力の作用を受けた状態では、中空ローラ46に対応する部分以外の第3の面74cと第4の面74dとは、離間状態となっている。何故なら、第3の面74cと第4の面74dとの間の間隙は、薄肉部71cに対し作動流体による第1の押圧力が作用した状態での薄肉部71cの撓みにより、第3の面74cと第4の面74dとが接触しない距離に設定されているからである。よって、保持部23は、中空ローラ46に対応した部分(第2の面74b)のみで、第1の面74aから中空ローラ46を介して第1の押圧力に応じた力の作用を受ける。
このため、第1の面74aと第2の面74bとの間で圧縮されて弾性変形した中空ローラ46の転がり抵抗が、保持部23に対してその回転を許容する回転抵抗として作用し、当該保持部23を備えたフランジ4bに固定された主軸4aは、半クランプ状態となる。したがって、ワークの仕上げ加工のために円テーブル5を回転させながら加工を行う場合において、主軸4aの脈動が防止される。しかも、回転抵抗を付与するためにクランプスリーブ71に押圧力が加えられた状態でも、中空ローラ46が転がってクランプスリーブ71の第1の面74aや保持部23の第2の面74bの摩耗が抑制される。したがって、これら各面の摩耗による回転抵抗の変化を抑制でき、主軸4aに付与する回転抵抗の大きさを長い時間維持することができる。
なお、薄肉部71cは、作動流体の圧力の作用を受けて半径方向へ撓む際、円周方向における中空ローラ46と対応する部分とそれ以外の部分とで撓み量が異なる。すなわち、中空ローラ46と対応する部分では、中空ローラ46を押圧して弾性変形させているために中空ローラ46の弾性変形に伴う反力の作用を受けており、その反力の作用を受けない他の部分よりも撓み量が小さくなる。中空ローラは第1の面74a(第3の面74c)上を転動しながら移動するので、それに伴って第1の面74a(第3の面74c)の拡径寸法も部分的に変化する。しかし、中空ローラ46に対応する部分以外の第3の面74cのうち薄肉部71cの最も撓み量が大きな部分に対応する部分が第4の面74dと当接することはなく、第3の面74cと第4の面74dとは離間状態となっている。
また、上記別の実施形態では、アンクランプ状態で第1の面74aおよび第2の面74bは中空ローラ46と離間する構成としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、中空ローラ46が常に転がるように、アンクランプ状態でも第1の面74aおよび第2の面74bと中空ローラ46とが当接する構成としてもよい。ただし、この場合は、中空ローラ46の転がり抵抗がアンクランプ状態で許容できる程度の軽い負荷となるようにする。
さらに、上記各実施形態では、DDモータ9を駆動装置とする回転割出テーブル装置1,1’について説明したが、必ずしもDDモータ9を用いるものに限定する必要はない。例えば、駆動装置は、ギアによる減速装置とモータとを含むものであってもよい。
また、上記各実施形態では、回転抵抗付与装置(クランプ装置)を適用する工作機械の主軸駆動装置として回転割出テーブル装置1,1’を例示して説明したが、これ以外の主軸駆動装置であってもよい。例えば、工作機械のミーリングヘッド(ユニバーサルヘッドあるいはスピンドルヘッド)や複合加工工作機械のワーク主軸装置であってもよい。
また、上記各実施形態では、クランプ装置に、半クランプ用の押圧力を被押圧部材に作用させる回転抵抗付与装置の機能を持たせ、クランプ装置を回転抵抗付与装置としても兼用する構成について説明したが、半クランプ状態を実現する回転抵抗付与装置と、完全クランプ状態を実現するクランプ装置とを独立した装置として併設するかたちとしてもよい。また、完全クランプ状態を実現するクランプ装置を設けずに、半クランプ状態を実現する回転抵抗付与装置を単独で設けてもよい。
また、上記各実施形態では、弾性変形可能な転動体を中空ローラとしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、転動体は弾性変形可能なボールであってもよいし、弾性変形可能な円筒コロであってもよい。
また、上記各実施形態では、中空ローラを1つの保持器に3個備える例について説明したが、3個には限定されない。例えば、3個より少ない数(1個または2個)であってもよいし、4個以上であってもよい。ただし、第1の面が中空ローラを介して第2の面を押圧する際の押圧部材(図1のクランプピストン45または図8のクランプスリーブ71)の傾きを抑制するという点からすれば、中空ローラは2個以上であることが好ましく、3個以上であることが更に好ましい。また、押圧部材の傾きを抑制するという点では中空ローラの数は多ければ多いほどよいが、多すぎると、複数の中空ローラを弾性変形させるのにより大きな圧力が必要となる。よって、中空ローラは3個〜5個程度であることが好ましい。
また、上記各実施形態では、主軸4aと一体的に回転する部材(図1の摺動ディスク43または図8のフランジ4bにおける保持部23)を被押圧部材とする構造の主軸駆動装置に回転抵抗付与装置を適用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、主軸4a自身を被押圧部材とする構造の主軸駆動装置に回転抵抗付与装置を適用するようにしてもよい。
その他、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1,1’ 回転割出テーブル装置(主軸駆動装置)
4a 主軸
4b フランジ
10,10’ 回転抵抗付与装置(クランプ装置)
23 フランジの保持部(被押圧部材)
43 摺動ディスク(被押圧部材)
45 クランプピストン(押圧部材)
46,46a,46b 中空ローラ(転動体)
48,48’ 押圧力付与装置
71 クランプスリーブ(押圧部材)

Claims (3)

  1. フレームに対し回転可能に支持された主軸を回転駆動する工作機械用の主軸駆動装置における回転抵抗付与装置であって、
    上記フレーム側に設けられ、少なくとも一部を上記主軸側へ変位可能に成された押圧部材と、
    上記押圧部材に押圧力を付与して上記押圧部材の少なくとも一部を上記主軸側へ変位させることによって、被押圧部材としての上記主軸または上記主軸と一体的に回転する部材に対して上記押圧力を作用させる押圧力付与装置と、
    上記押圧部材が有する面であって上記被押圧部材に上記押圧力を作用させる第1の面と、上記被押圧部材が有する面であって上記第1の面に対向する第2の面との間に設けた弾性変形可能な転動体とを備えたことを特徴とする工作機械用の主軸駆動装置における回転抵抗付与装置。
  2. 上記押圧部材は、上記第1の面と同じ向きで設けられた面であって、上記被押圧部材が上記第2の面と同じ向きで有する第4の面に対向する第3の面を更に備え、
    上記押圧力付与装置は、上記第3の面と上記第4の面とが押接しない範囲内で上記転動体を上記第2の面に押接させて弾性変形させる第1の押圧力と、上記第3の面と上記第4の面とが押接する範囲内で上記転動体を上記第2の面に押接させて弾性変形させる押圧力であって上記第1の押圧力より大きい第2の押圧力との何れかを切り替えて上記押圧部材に作用させることを特徴とする請求項1に記載の工作機械用の主軸駆動装置における回転抵抗付与装置。
  3. 上記転動体を複数備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の工作機械用の主軸駆動装置における回転抵抗付与装置。
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