JPH11347627A - 金属帯の巻取り方法および巻取り装置 - Google Patents

金属帯の巻取り方法および巻取り装置

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JPH11347627A
JPH11347627A JP15604898A JP15604898A JPH11347627A JP H11347627 A JPH11347627 A JP H11347627A JP 15604898 A JP15604898 A JP 15604898A JP 15604898 A JP15604898 A JP 15604898A JP H11347627 A JPH11347627 A JP H11347627A
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steel strip
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grip portion
tension
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純 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリップ部を有する従来のマンドレルにより
鋼帯の巻取りを行うと、先端部近傍にグリップマークが
発生し、鋼帯の歩留りや品質が低下する。 【解決手段】 鋼帯13の先端部を、その外周面の一部に
設けられたグリップ部5を有し、かつセグメント7にお
ける外周面の曲率半径が、マンドレル回転方向の反対方
向に関して、最小値からマンドレル半径まで漸次増加す
るように形成されたテンションリール16におけるグリッ
プ部5に噛み込ませた後、グリップ部5よりもマンドレ
ル回転方向側に押えロール17を15〜20N/mmの押し付け圧
力で押付けながらテンションリール16を回転させ、グリ
ップ部5が押えロール17を通過した後直ちに押えロール
17をテンションリール16から離し、鋼帯13に弛みを持た
せながらテンションリール16に巻付ける捨巻きを1.5 〜
2巻き行った後、鋼帯13に張力を付加しながらテンショ
ンリール16に巻き付ける巻取りを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯の巻取り方
法および巻取り装置に関し、より具体的には、金属帯の
先端部を噛み込ませるグリップ部を有するマンドレルに
より、金属帯の先端部近傍におけるグリップマークの発
生を軽減しながら、金属帯を巻取る方法および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】金属帯 (以降の説明では、「鋼帯」を例
にとる。) の先端部を噛み込ませるグリップ部を外周面
に有するマンドレルを用いて、鋼帯をコイルに巻取る
際、鋼帯の先端部をグリップ部に挿入して巻取りを開始
すると、グリップ部に挿入された先端部の直後の部分に
は、曲げ応力が集中するために、板凸形状が不可避的に
発生する。このため、この部分には、鋼帯の1巻目と2
巻目以降との間に、グリップマークと呼ばれる接触痕が
発生する。
【0003】鋼帯にこのグリップマークが深く形成され
ると、グリップマークが形成された部分を切り捨てなけ
ればならず、鋼帯の歩留り低下の一因となる。そのた
め、従来より、様々なグリップマークの防止策が、提案
されている。
【0004】例えば、特開昭59−1019号公報には、巻取
り初期の鋼帯先端部と次巻き目の鋼帯の重合位置に、ダ
ンボール等の緩衝材を鋼帯捲回面に挿入し、緩衝材にグ
リップマークの発生を吸収させる方法が提案されてい
る。
【0005】また、特開平6−246345号公報には、図6
に示すように、テンションリール軸1aおよび巻取用スリ
ーブ1bとからなるテンションリール1に鋼帯2を巻き取
るに際し、巻き取り初期に鋼帯2の板厚に応じて、印加
する張力を制御し、巻取用スリーブ1bに形成されたグリ
ップ部3への鋼帯先端部の沈み込み深さhを、板厚の0.
5 〜1.0 倍の範囲に調節することにより、グリップマー
クを軽減する方法が提案されている。
【0006】さらに、実開平2−118612号公報には、図
7と、図7のA部の拡大図である図8とにそれぞれ示す
ように、鋼帯4の先端が挿入されるグリップ部5が設け
られたマンドレル6において、グリップ部5に近接する
セグメント7の外周面の曲率半径を、グリップ部5の直
近を最小とし、周方向に複数の変曲点を経て漸次大きく
し、最終的にマンドレル6の半径に連続するように構成
することにより、鋼帯4に作用する曲げ応力を分散し、
グリップマークを軽減するマンドレルが提案されてい
る。なお、図中の符号8はグリップバーを、符号9はセ
グメントをそれぞれ示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭59−10
19号公報により提案された方法では、各巻毎に緩衝材を
挿入しなければならず、生産性が低下するとともにコス
トが上昇する。また、緩衝材としてダンボールを用いた
場合には、ダンボール自体に折れ等が発生し、板厚が1.
6mm 以下の薄鋼帯ではダンボール折部からグリップマー
クが発生してしまい、グリップマークを確実に抑制する
ことはできない。
【0008】また、特開平6−246345号公報により提案
された方法は、図6に示すように、ベルトラッパー方式
の巻き取り装置の場合に効果が発揮される方法である。
すなわち、この方法は、ベルトラッパー方式において印
加する初期張力を定常の巻き取り張力よりも増加させて
行うことにより、巻取り初期時に巻き取りスリーブに鋼
帯先端部を沈み込ませるものである。そのため、この方
法を、例えば図7および図8に示す、グリップ部5を有
するマンドレル6に適用しようとすると、初期張力を高
くすればする程、グリップバー8で鋼帯を押さえる力よ
りも引張る力の方が上回ってしまい、グリップ部5から
鋼帯4が抜けてしまう。また、1巻目は、セグメント7
の外周面に張り付いた状態となって表面7aの微妙な凹凸
を受けることになり、2巻目が巻き付いた時に凹凸の転
写を受けてしまう。同様に、1巻目がセグメント9の外
周面に張り付いた状態で2巻目が巻き付いた時に、セグ
メント7、9の間に隙間Bが発生することになりセグメ
ント9の先端部Cに折れマークが逆に発生してしまう。
したがって、この方法を、グリップ部5を有するマンド
レル6に適用しても、グリップマークを抑制することは
難しい。
【0009】さらに、実開平2−118612号公報により提
案された考案は、グリップ部5に近接するセグメント7
の外周面の形状を最適にすることにより、セグメント7
から鋼帯4に与えられる曲げ応力を分散しようとするも
のである。しかし、本発明者らの知見によれば、巻取り
時の初期張力条件等の巻取り条件によって、特開平6−
246345号公報記載のマンドレルと同様に、グリップ部5
からの鋼帯4の抜け出し、鋼帯4の表面へのセグメント
7の表面7aにおける凹凸の転写、さらにはセグメント9
の先端部Cにおける折れマークの発生等の不具合を生じ
てしまい、グリップマークを確実に抑制することができ
ない。
【0010】ここに、本発明の目的は、金属帯の先端部
を噛み込ませるグリップ部を有するマンドレルにより、
金属帯の先端部近傍におけるグリップマークの発生を、
目視では判定できない程度に実質上解消しながら、金属
帯を巻取ることができる金属帯の巻取り方法および巻取
り装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ね、実開平2−118612
号公報により提案された、グリップ部に近接するセグメ
ントの形状を変更することにより鋼帯に作用する曲げ応
力を分散してグリップマークを軽減することと、マン
ドレルの近傍に押えロールを配置して、この押えロール
により巻取り初期時におけるコイルを押圧することとを
組み合わせることにより、グリップマークの発生を、目
視では判定できない程度に実質上解消しながら、金属帯
を巻取ることが可能となることを知見し、本発明を完成
した。
【0012】ここに、本発明の要旨とするところは、金
属帯の先端部を、その外周面の一部に設けられたグリッ
プ部を有するとともに、グリップ部に隣接する小範囲に
おける外周面の曲率半径が、マンドレル回転方向の反対
方向に関して、最小値からマンドレル半径まで漸次増加
するように形成されたマンドレルにおけるグリップ部に
噛み込ませた後、グリップ部よりもマンドレル回転方向
側における外周面に押えロールを押付けながらマンドレ
ルを回転させ、グリップ部が押えロールを通過した後直
ちに押えロールをマンドレルから離し、金属帯に弛みを
持たせながらマンドレルに巻付ける捨巻きを1.5 〜2巻
き行った後、金属帯に張力を付加しながらマンドレルに
巻き付ける巻取りを行うことを特徴とする金属帯の巻取
り方法である。
【0013】上記の本発明にかかる金属帯の巻取り方法
では、(1) 押えロールを、マンドレルに15〜20N/mmの押
し付け圧力で押し付けること、(2) 巻取りは、張力を徐
々に増加させながら行うことが、ともに望ましい。
【0014】また、別の観点からは、本発明は、その外
周面の一部に金属帯の先端部を噛み込ませるグリップ部
を有するとともに、グリップ部に隣接する小範囲におけ
る外周面の曲率半径が、マンドレル回転方向の反対方向
に関して、最小値からマンドレル半径まで漸次増加する
ように形成されたマンドレルと、マンドレルに巻き取ら
れる金属帯への張力制御機構と、先端部を噛み込んだ際
のグリップ部の位置よりもマンドレル回転方向側の外周
面に当接自在に設置された押えロールとを備えることを
特徴とする金属帯の巻取り装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる金属帯の巻
取り方法および巻取り装置の実施形態を、添付図面を参
照しながら、詳細に説明する。なお、以降の実施形態の
説明では、金属帯が鋼帯である場合を例にとるが、本発
明はアルミニウム合金帯等の他の金属帯へも同様に適用
することができる。
【0016】図1は、本実施形態の巻取り装置11を適用
したスキンパスライン10を、模式的に示す説明図であ
る。同図において、スキンパスミル12により平坦修正を
行われた鋼帯13は、ブライドルロール群14を介して、デ
フレクタロール15に送られる。この後、鋼帯13は、マン
ドレルであるテンションリール16によりコイルに巻き取
られる。スキンパスミル12、テンションリール16それぞ
れの回転速度の間に差を設けることにより、ブライドル
ロール14とテンションリール16との間で、鋼帯13に対す
る張力が制御されて、所望の張力値に設定される。な
お、この張力制御機構に関しては、公知であるため、説
明を省略する。また、図1における符号19は、鋼帯13の
先端部をテンションリール16へ案内する案内テーブルで
ある。
【0017】図2は、本実施形態の巻取り装置11の主要
部を抽出して示す斜視図である。同図に示すように、本
実施形態の巻取り装置11は、テンションリール16と、テ
ンションリール16に当接自在に配置された押えロール17
と、前述したブライドルロール14とテンションリール16
との間における張力制御機構 (図示しない。) とを有す
る。以下、テンションリール16と押えロール17とについ
て、説明する。
【0018】[テンションリール16]本実施形態における
マンドレルであるテンションリール16は、略述すると、
図7および図8を参照しながら説明した実開平2−1186
12号公報により提案された、グリップ部5およびセグメ
ント7を有するマンドレル6と同じものである。
【0019】すなわち、本実施形態のテンションリール
16は、その外周面の一部に鋼帯13の先端部を噛み込ませ
るグリップ部5を有し、グリップ部5に隣接する小範囲
における外周面7aの曲率半径が、マンドレル回転方向の
反対方向 (図2における白抜き矢印方向) に関して、最
小値からマンドレル半径まで漸次増加するように形成さ
れている。
【0020】本実施形態のテンションリール16は、マン
ドレル6にセグメント7を装着してこのセグメント7の
形状を適宜設定することにより、上述したように曲率半
径を変化させているが、かかる形態に限定する必要があ
るものではない。このテンションリール16は、前述した
ように、実開平2−118612号公報により公知であるた
め、これ以上の説明は省略する。
【0021】[押えロール17]本実施形態では、押えロー
ル17が設けられる。この押えロール17は、図2や後述す
る図3(b) に示すように、鋼帯13の先端部13a を挿入さ
れた際のグリップ部5の位置よりもマンドレル回転方向
側の外周面に当接することができる位置に、テンション
リール16から離間して配置される。
【0022】押えロール17は、通常の平ロールでよく、
鋼帯13の全幅以上の長さのロール胴長を有する。本実施
形態では、押えロール17の外径は、200 〜300mm であ
る。
【0023】また、押えロール17は、適当な昇降機構18
によって昇降自在に軸支される。本実施形態では、押え
ロール17を軸支する支持枠18a と、この支持枠18a に一
端側が固定された連結アーム18b と、連結アーム18b の
他端側に固定された昇降モータ18c とにより、昇降機構
18が構成される。昇降モータ18c を駆動することによ
り、連結アーム18b が回動し、これにより、支持枠18a
に軸支された押えロール17が、両矢印方向へ円弧状に昇
降する。
【0024】昇降機構18により、押えロール17はテンシ
ョンリール16に対して、15〜20N/mmの押し付け圧力で、
押し付けられる。本実施形態の巻取り装置11は、以上の
ように構成される。次に、本実施形態の巻取り装置11の
動作、すなわち本実施形態の巻取り方法を説明する。
【0025】図3(a) 〜図3(f) は、本実施形態の巻取
り装置11の動作を、経時的に示す説明図である。また、
図4は、スキンパスライン10におけるスキンパスミル1
2、テンションリール16それぞれの起動タイミングおよ
び停止タイミングを示すタイムチャートの一例である。
なお、図4における符号(a) 〜(f) は、図3(a) 〜図3
(f) にそれぞれ対応する。以下、図3および図4を参照
しながら、説明する。
【0026】図3(a) において、スキンパスミル12が起
動されており、鋼帯13の先端13a は案内テーブル19に沿
って、テンションリール16のグリップ部5へ向けて誘導
される。この際、図4に示すように、テンションリール
16は停止している。また、スキンパスミル12は、鋼帯13
の先端13a がグリップ部5に到達する直前のタイミング
で、停止する。
【0027】図3(b) において、鋼帯13の先端13a がグ
リップ部5に噛み込む。この後、テンションリール16と
昇降機構18とスキンパスミル12とが同時に起動する。こ
れにより、図3(b) に示すように、押えロール17は、グ
リップ部5よりもマンドレル回転方向側における外周面
において、回転するテンションリール16に押し付けられ
る。そして、図3(c) に示すように、グリップ部5はテ
ンションリール16の回転に伴って、押えロール17を通過
する。
【0028】押えロール17をテンションリール16に押し
付けることにより、張力を用いずに、鋼帯13に、完全塑
性変形ではなくて塑性変形率が50%以内になるような低
い値の曲げ応力を与えることができる。このような観点
から、押し付け圧力は、15〜20N/mmであることが望まし
い。これにより、後続して行われる弛み取りをスムーズ
に行うことができるとともに、弛み取り時の初期張力値
を10%以下に抑制することができる。一方、押し付け圧
力が15〜20N/mmを外れると、鋼帯13に、上述したような
低い値の曲げ応力を上手く与えることができず、鋼帯13
がセグメント7の外周面に沿ってきれいに巻き付かなく
なり、グリップマークが解消されない。板厚が3.0mm を
超えるような厚鋼帯の場合には、特に顕著になる。
【0029】図3(d) において、グリップ部5が押えロ
ール17を通過した後、直ちに押えロール17を上昇させる
とともに、テンションリール16を一旦短時間停止させて
から再起動する。
【0030】押えロール17を上昇させるタイミングは、
グリップ部5が押えロール17を通過した後直ちに行えば
よく、例えば、セグメント7のマンドレル回転方向に関
する略中央位置が、押えロール17に到達した時に行うこ
とが、望ましい。押えロール17を上昇させるタイミング
が遅過ぎると、鋼帯13の表面に、逆に、セグメント7の
外周面における凹凸が転写されてしまい、グリップマー
クの発生を助長してしまう。
【0031】また、テンションリール16を一旦短時間停
止させるのは、スキンパスミル12のみを短時間駆動する
ことにより、鋼帯13に弛みを確実に発生させるためであ
り、鋼帯13に発生する弛みの程度によってはテンション
リール16を回転させたままでもよい。
【0032】図3(e) において、鋼帯13に弛みを持たせ
ながらテンションリール16に巻付ける捨巻きを行う。こ
の捨巻きは、スキンパスミル12、テンションリール16そ
れぞれを回転させ、鋼帯13をテンションリール16に1.5
〜2巻き巻き付けることにより、行われる。
【0033】この捨巻きは、テンションリール16に張力
を付与した時にグリップ部5から鋼板13が抜けることを
防止するために、行われる。すなわち、巻き数が1.5 巻
未満であると、巻取り時にグリップ部5から鋼帯13が抜
け、鋼帯13を曲げた部分がズレてしまい、グリップマー
ク低減効果が消失する。また、鋼帯13が抜けた部分は、
重度のカキ疵となり、鋼帯13の外観品質が極めて低下し
てしまう。一方、巻き数が2巻を超えると、グリップマ
ーク低減には効果があるものの、巻き数が増えることに
より弛み取り時に鋼帯13と鋼帯13とが擦れ合って、鋼帯
13の表面にスリ・カキ疵が多発し、却って鋼帯13の歩留
りを低下させる。
【0034】そして、鋼帯13に張力を付加しながらテン
ションリール16に巻き付ける巻取りを行うのであるが、
本実施形態では、図3(f) に示すように、スキンパスミ
ル12、テンションリール16をともに停止してからテンシ
ョンリール16を短時間だけ再起動することにより、ゆっ
くりと巻き締める弛み取りを行う。この時以降、テンシ
ョンリール16に対する制御は、回転速度制御から張力制
御に切替えられて、巻取りが行われる。ただし、この時
に設定される張力値は、定常値の約1/10である。これに
より、テンションリール16を回転させた際に、鋼帯13に
急激に張力が付与され、その際の衝撃力で鋼帯13にセグ
メント7の外周面の凹凸が転写されてグリップマークの
発生に繋がることが防止される。この弛み取りが終了し
た後、スキンパスミル12、テンションリール16を起動し
て張力を付加し、徐動および運転を経て、鋼帯13の巻取
りが行われる。
【0035】このようにして、本実施形態によれば、巻
取る鋼帯13に、テンションリール16のセグメント7から
作用する曲げ応力が効果的に分散され、鋼帯13をセグメ
ント7の外周面に沿って滑らかに曲げることができ、こ
れにより、グリップマークの発生を、目視では判定でき
ない程度に実質上解消しながら、鋼帯13を巻取ることが
できる。
【0036】
【実施例】さらに、本発明を実施例を参照しながら、よ
り詳細に説明する。図1〜図4に示す、本実施形態の巻
取り装置11を適用したスキンパスライン10により、鋼帯
13 (SPHC: 厚さ2.3mm 、幅1219mm) をコイルに巻き取っ
た。
【0037】すなわち、案内テーブル19に沿って鋼帯13
の先端部をテンションリール16のグリップ部5へ誘導
し、鋼帯13をグリップバー8で挟み込んでから、押えロ
ール17を下降させ、押し付け力15〜20N/mmでテンション
リール16に押し付けた。そして、押えロール17を押し付
けた状態で、テンションリール16をセグメント7の約半
分の位置まで回転させた時点で、押さえロール16を上昇
させた。
【0038】次に、鋼帯13に弛みを持たせながら、テン
ションリール16とブライドルロール14とを同時に正転運
転させ、テンションリール16に鋼帯13を1.5 〜2巻だ
け、巻き付けた。
【0039】そして、テンションリール16の制御を、回
転速度制御から張力制御に切り替えてテンションリール
16のみを回転させて、鋼帯13の弛み取りを行った。その
後、定常張力値に戻して、巻き取りを行った。
【0040】図5に、このような本発明例と、従来例
(押えロール13:未使用、捨巻き:無し、歪み取り:速
度制御) とのそれぞれについて、各巻取り位置における
グリップマーク曲率を測定した結果を、グラフで示す。
【0041】図5に示すグラフから、本発明例により、
巻き取り位置:5巻目でグリップマーク曲率を55%低減
でき、また、巻き取り位置:10巻目ではグリップマーク
曲率を57%低減できたことがわかる。また、1巻目から
ほとんどが目視判定不可能レベル以下に、グリップマー
クを抑制できたことがわかる。
【0042】また、上記の本発明例において、捨て巻き
における巻き数を、1.5 巻き未満、2巻き超にそれぞれ
変更して、捨て巻き数が、グリップマークおよび表面疵
のそれぞれに及ぼす影響を調査した。結果を表1にまと
めて示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から、捨て巻き数が2巻を超えると、
グリップマーク低減には効果があるものの、弛み取り時
に鋼帯13と鋼帯13とが擦り合ってスリ・カキ疵が発生し
てしまう。そのため、却って、鋼帯13の歩留りが低下し
た。
【0045】一方、1.5 巻未満の場合には、巻取り時に
グリップ部5から鋼帯13が抜け、鋼帯13を曲げた部分が
ズレてしまったために、鋼帯13にグリップマークが発生
した。また、鋼帯13が抜けた部分は、重度のカキ疵とな
り、鋼帯13の外観品質が極めて劣化した。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、金属帯の巻き付け時のグリップマークの発生を、目
視では判定できない程度に実質上解消しながら、金属帯
を巻取ることができる。このため、金属帯の製品欠陥が
低減され、金属帯の品質および歩留りをともに顕著に向
上することができる。かかる効果を有する本発明の意義
は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の巻取り装置を適用したスキンパスラ
インを、模式的に示す説明図である。
【図2】実施形態の巻取り装置の主要部を抽出して示す
斜視図である。
【図3】図3(a) 〜図3(f) は、実施形態の巻取り装置
の動作を、経時的に示す説明図である。
【図4】スキンパスラインにおけるスキンパスミル、テ
ンションリールそれぞれの起動タイミングおよび停止タ
イミングを示すタイムチャートの一例である。
【図5】実施例における結果を示すグラフである。
【図6】特開平6−246345号公報により提案された発明
を示す説明図である。
【図7】実開平2−118612号公報により提案された考案
を示す説明図である。
【図8】図7におけるA部の拡大図である。
【符号の説明】
5 グリップ部 7 セグメント 11 巻取り装置 12 スキンパスミル 13 鋼帯 14 ブライドルロール 15 デフレクタロール 16 テンションリール (マンドレル) 17 押えロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯の先端部を、その外周面の一部に
    設けられたグリップ部を有するとともに、当該グリップ
    部に隣接する小範囲における前記外周面の曲率半径が、
    マンドレル回転方向の反対方向に関して、最小値からマ
    ンドレル半径まで漸次増加するように形成されたマンド
    レルにおける前記グリップ部に噛み込ませた後、前記グ
    リップ部よりもマンドレル回転方向側における前記外周
    面に押えロールを押付けながら前記マンドレルを回転さ
    せ、前記グリップ部が前記押えロールを通過した後直ち
    に前記押えロールを前記マンドレルから離し、前記金属
    帯に弛みを持たせながら前記マンドレルに巻付ける捨巻
    きを1.5 〜2巻き行った後、前記金属帯に張力を付加し
    ながら前記マンドレルに巻き付ける巻取りを行うことを
    特徴とする金属帯の巻取り方法。
  2. 【請求項2】 前記押えロールを、前記マンドレルに15
    〜20N/mmの押し付け圧力で押し付ける請求項1記載の金
    属帯の巻取り方法。
  3. 【請求項3】 前記巻取りは、前記張力を徐々に増加さ
    せながら行う請求項1または請求項2記載の金属帯の巻
    取り方法。
  4. 【請求項4】 その外周面の一部に金属帯の先端部を噛
    み込ませるグリップ部を有するとともに、当該グリップ
    部に隣接する小範囲における前記外周面の曲率半径が、
    マンドレル回転方向の反対方向に関して、最小値からマ
    ンドレル半径まで漸次増加するように形成されたマンド
    レルと、当該マンドレルに巻き取られる金属帯への張力
    制御機構と、前記先端部を噛み込んだ際の前記グリップ
    部の位置よりもマンドレル回転方向側の前記外周面に当
    接自在に設置された押えロールとを備えることを特徴と
    する金属帯の巻取り装置。
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