JPH11345614A - 非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池

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JPH11345614A
JPH11345614A JP10150480A JP15048098A JPH11345614A JP H11345614 A JPH11345614 A JP H11345614A JP 10150480 A JP10150480 A JP 10150480A JP 15048098 A JP15048098 A JP 15048098A JP H11345614 A JPH11345614 A JP H11345614A
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battery
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徳雄 稲益
Kazuya Okabe
一弥 岡部
Toshiaki Kojima
敏明 小島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性に優れたエネルギー密度の大きい長寿
命非水電解質電池を提供することを目的とする。 【構成】 正極活物質が、初期充放電効率が90%以上
のリチウム含有遷移金属複合酸化物(a)と初期充放電
効率が50%以下のリチウム含有遷移金属複合酸化物
(b)の少なくとも2種類以上の化合物からなる混合物
を用いる非水電解質電池とすることで、上記目的を達成
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解質電池に関
するもので、さらに詳しくはその正極活物質に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、高エネルギー密度化のために作動
電圧が4V前後を示す活物質や長寿命化のために負極に
炭素材料を用いる電池などが注目を集めている。長寿命
化のため負極に炭素材料を用いる場合であっても、正極
の作動電圧が高いものでなければ高エネルギー密度電池
が得られにくいということからLiCoO2 やLiNi
2 のような、α−NaFeO2 構造を有する活物質、
またはLiMn2 4 等のスピネル構造を有する化合物
が提案され、すでに一部実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような正極活物
質を用いて電池を構成していく場合、正極と負極の容量
バランスがサイクル特性に大きく影響することが分かっ
た。この容量バランスが崩れると、正極及び負極で過充
電や過放電状態を生じ、活物質の性能が著しく劣化す
る。すなわち、この容量バランスを最適化することでサ
イクル特性の向上が期待される。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、安全性に優れたエ
ネルギー密度の大きい長寿命非水電解質電池を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題について鋭意検
討した結果、本発明に係る非水電解質電池の正極活物質
は、初期充放電効率が90%以上のリチウム含有遷移金
属複合酸化物(a)と初期充放電効率が50%以下のリ
チウム含有遷移金属複合酸化物(b)の少なくとも2種
類以上の化合物からなる混合物を用いることを特徴とす
る。ここで、リチウム含有遷移金属複合酸化物(a)と
しては、LiMn2 4 に代表されるスピネル構造を有
する活物質が適しており、リチウム含有遷移金属複合酸
化物(b)としてはLiCrO2 、LiCo1-x Crx
2 等の層状構造を有する酸化物が好ましい。
【0006】長寿命非水電解質電池を開発する上で、正
極と負極の容量バランスを最適化することが重要な課題
の1つである。この容量バランスを算出する場合、1サ
イクル目の正極の充放電効率が重要なファクターとなっ
てくる。すなわち、1サイクル目の充電に対する放電量
が充放電効率であるが、特に正極における1サイクル目
の充放電効率は、その不可逆量がその電池における放電
リザーブとして働き、サイクル特性に寄与することが分
かった。
【0007】例えば、スピネル構造を有するLiMn2
4 の場合、その1サイクル目における充放電効率は9
0%を越えている。この様な材料を用いて、電池の容量
バランスを設計すると、ほとんど放電リザーブは得られ
ない。つまり、充電時に電解質や負極上で不可逆反応が
生じると、そのまま放電容量に影響し、容量低下とな
る。即ち、この様な正極活物質に充放電効率が50%以
下の副活物質を添加することにより、この放電リザーブ
を確保しサイクル特性が向上することを見い出した。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明中のリチウム含有遷移金属
酸化物(a)としては、安全性が優れ高エネルギー密度
の点からスピネル構造を有する活物質であることが望ま
しい。スピネル構造を有する活物質としてはLiMn2
4 、Liy [Mn2-x x ]O4 (Mは例えは、L
i,Ca,Cr,Ni,Fe,Co,In,Tb,Mg
の1種類以上の元素であり、異種元素置換量を示すx値
については置換できる最大量まで有効であるが、好まし
くは放電容量の点から0≦x≦1である。また、リチウ
ム量を示すy値についてはリチウムを可逆的に利用しう
る最大量が有効であるが、好ましくは放電容量の点から
0≦y≦2である。)、Li4/3 Ti5/3 4 等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
酸化物の中でマンガンを含有するリチウム含有遷移金属
酸化物に関して、その効果が顕著であったため最も好ま
しい。
【0009】本発明中の初期充放電効率が50%以下の
リチウム含有遷移金属酸化物(b)としては、高エネル
ギー密度の点からα−NaFeO2 構造を有する活物質
が好ましい。α−NaFeO2 構造を有する活物質とし
て、Liy CrO2 、LiyCo1-x CrO2 、Liy
Ni1-x x 2 (Mは例えは、Ca,Cr,Ni,F
e,Coの1種類以上の元素であり、異種元素置換量を
示すx値については置換できる最大量まで有効である
が、好ましくは放電容量の点から0≦x≦1である。ま
た、リチウム量を示すy値についてはリチウムを可逆的
に利用しうる最大量が有効であるが、好ましくは放電容
量の点から0≦y≦1である。)等が挙げられる。これ
らの中でも、高エネルギー密度の観点から初期充放電効
率は30%以下が好ましく、最も好ましくは10%以下
である。また、これらの活物質の初期充電容量も高エネ
ルギー密度の観点から高容量であることが好ましい。こ
れらの活物質の初期充電容量として単位重量あたりの放
電容量が50mAh/g以上であることが好ましく、最
も好ましくは100mAh/g以上であることが好まし
い。
【0010】本発明の正極活物質の初期充放電効率が9
0%以上のリチウム含有遷移金属複合酸化物(a)と初
期充放電効率が50%以下のリチウム含有遷移金属複合
酸化物(b)の少なくとも2種類以上の化合物からなる
混合物を用いる場合、その混合比はエネルギー密度の観
点から、リチウム含有複合酸化物(b)の割合が50重
量%以下が好ましい。さらに好ましくはリチウム含有複
合酸化物(b)の割合が20重量%以下であり、最も好
ましくは10重量%以下である。
【0011】これらの混合方法は、物理的な混合であ
り、その理想とするところは均一混合である。そのた
め、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、
遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、ある
いは湿式で混合することが可能である。これら混合する
2種類以上の粉体は、均一混合を行う目的として平均粒
径、嵩密度、タップ密度、真比重等の粉体物性が似通っ
た活物質が好ましい。
【0012】本発明に用いる負極材料としては、リチウ
ムを吸蔵、放出できるもので有ればよい。但し、炭素を
負極に用いる電池の場合その効果は顕著である。炭素材
料としては、特にX線回折法による面間隔(d002)
が3. 354〜3. 369Åで、C軸方向の結晶の大き
さ(Lc)が200Å以上のものが、高容量が得られる
ため好ましい。
【0013】本発明に用いる正極、負極材料は、平均粒
子サイズ100μm以下であることが望ましい。所定の
形状を得る上で、粉体を得るためには粉砕機や分級機が
用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振
動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウン
タージェットミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用
いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶
剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方
法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが乾
式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
【0014】本発明に併せて用いることができる負極材
料としては、リチウム金属、リチウム合金などや、カル
コゲン化合物、メチルリチウム等のリチウムを含有する
有機化合物等が挙げられる。また、リチウム金属やリチ
ウム合金、リチウムを含有する有機化合物を併用するこ
とによって、本発明に用いる炭素材料にあらかじめリチ
ウムを挿入することも可能である。
【0015】正極、負極の電極合剤として導電剤や結着
剤やフィラー等を添加することができる。導電剤として
は、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であ
れば何でも良い。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛など)、人造黒鉛、カーボンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイ
スカー、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アルミニウ
ム、銀、金など)粉、金属繊維、導電性セラミックス材
料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含
ませることができる。これらの中で、アセチレンブラッ
クとケッチェンブラックの併用が望ましい。その添加量
は1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好
ましい。
【0016】また、正極及び負極活物質粉体の少なくと
も表面層部分を電子伝導性やイオン伝導性の良いもの、
あるいは疎水基を有する化合物で修飾することも可能で
ある。例えば、金、銀、カーボン、ニッケル、銅等の電
子伝導性のよい物質や、炭酸リチウム、ホウ素ガラス、
固体電解質等のイオン伝導性のよい物質、あるいはシリ
コーンオイル等の疎水基を有する物質をメッキ、焼結、
メカノフュージョン、蒸着、焼き付け等の技術を応用し
てコートすることが挙げられる。
【0017】結着剤としては、通常、テトラフルオロエ
チレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレンジエンターポリマー
(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエ
ンゴム(SBR)、フッ素ゴム、カルボキシメチルセル
ロース等といった熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリ
マー、多糖類等を1種または2種以上の混合物として用
いることができる。また、多糖類の様にリチウムと反応
する官能基を有する結着剤は、例えばメチル化するなど
してその官能基を失活させておくことが望ましい。その
添加量としては、1〜50重量%が好ましく、特に2〜
30重量%が好ましい。
【0018】フィラーとしては、電池性能に悪影響を及
ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、アエロジ
ル、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラ
ーの添加量は0〜30重量%が好ましい。
【0019】電極活物質の集電体としては、構成された
電池において悪影響を及ぼさない電子伝導体であれば何
でもよい。例えば、正極用集電体としては、アルミニウ
ム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電
性高分子、導電性ガラス等の他に、接着性、導電性、耐
酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅等の表面をカー
ボン、ニッケル、チタンや銀等で処理したものを用いる
ことができる。負極用集電体としては、銅、ステンレス
鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、導電
性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接
着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等の表面をカ
ーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理したものを用い
ることができる。これらの材料については表面を酸化処
理することも可能である。これらの形状については、フ
ォイル状の他、フィルム状、シート状、ネット状、パン
チ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発
泡体、繊維群の形成体等が用いられる。厚みは特に限定
はないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0020】セパレータとしては、イオンの透過度が優
れ、機械的強度のある絶縁性薄膜を用いることができ
る。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレンやポリエ
チレンといったオレフィン系のポリマー、ガラス繊維、
ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド等から
つくられたシート、微孔膜、不織布、布が用いられる。
セパレータの孔径は、一般に電池に用いられる範囲のも
のであり、例えば0.01〜10μmである。また、そ
の厚みについても同様で、一般に電池に用いられる範囲
のものであり、例えば5〜300μmである。
【0021】また、電解質としては、例えば有機電解
液、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用
いることができ、この中でも有機電解液を用いることが
好ましい。この有機電解液の有機溶媒として、プロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等
のエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン、ジオキソ
ラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキ
シエタン、メトキシエトキシエタン等のエーテル類、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、
アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル、N−メチル
ピロリドン、ジメチルフォルムアミド等が挙げられ、こ
れらを単独又は混合溶媒として用いることができる。
【0022】また、支持電解質塩としては、LiP
6 、LiBF4 、LiClO4 、LiAsF6 の様な
無機塩や一般式(1) (R1 SO2 )(R2 SO2 )NLi ・・・ 一般式(1) で示される有機塩が望ましい。例えば、LiN(CF3
SO2 2 ,LiN(CF2 ClSO2 2 ,LiN
(CF2 BrSO2 2 ,LiN(CF2 IS
22 ,LiN(C2 5 SO2 2 ,LiN(C3
7 SO2 2 ,LiN(C4 9 SO2 2 ,LiN
(CF3 SO2 )(C2 5 SO2 ),LiN(CF3
SO2 )(C3 7 SO2 ),LiN(CF3 SO2
(C4 9 SO2 ),LiN(C2 5 SO2 )(C3
7 SO2 ),LiN(C2 5 SO2 )(C4 9
2 ),LiN(C3 7 SO2 )(C4 9
2 ),LiN(CF2 HSO2 2 ,LiN(CFH
2 SO2 2 ,LiN(CH3 SO2 2 ,LiN(C
2 4 HSO2 2 ,LiN(C2 3 2
2 2 ,LiN(C22 3 SO2 3 ,LiN
(C2 FH4 SO2 2 ,LiN(C2 5 SO2)2
LiN(C2 2 SO2 2 等の有機リチウム塩が挙げ
られる。さらに、一般式(1)中のR1 、R2 がCn
2n+1で表され、nは1から4までの数であり、R1 =R
2 又はR1 ≠R2 である有機含フッ素リチウム塩が好ま
しい。これらの中でも耐電位性とイオン伝導度から、R
1 、R2 がR1 =R2 =C2 5 あるいはR1 、R2 が
R1 =C4 9 、R2 =CF3 で示される有機含フッ素
リチウム塩が好ましい。また、これらの塩を混合して用
いることも可能である。
【0023】一方、高分子固体電解質として用いる場合
は、上記のような支持電解質塩をポリエチレンオキシド
やその架橋体、ポリフォスファゼンやその架橋体等とい
ったポリマーの中に溶かし込んだものを用いることがで
きる。さらに、Li3 N,LiI等の無機固体電解質も
使用可能である。つまり、リチウムイオン導伝性の非水
電解質であればよい。
【0024】
【作用】正極活物質が、初期充放電効率が90%以上の
リチウム含有遷移金属複合酸化物(a)と初期充放電効
率が50%以下のリチウム含有遷移金属複合酸化物
(b)の少なくとも2種類以上の化合物からなる混合物
を用いることで、正極から負極に電池容量以上のリチウ
ムを供給することが可能となる。そのため電解質や負極
における副反応で消費されるリチウムを補うことがで
き、単位重量及び単位体積当りの容量の低下が起こらず
サイクル寿命が長くなると考えられる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0026】(実施例1)スピネル構造を有するマンガ
ン酸リチウムの調製にあたっては、CH3 COOLiと
Mn(CH3 COO)2 を用い、Li:Mnのモル比が
1.03:2.00となるように秤量、混合し、400
℃で4時間仮焼成後粉砕し、さらに850℃で20時間
焼成した。焼成後粉砕した粉末のX線回折パターンよ
り、スピネル構造を有するマンガン酸リチウムが単一相
で得られていることが分かった。この正極活物質を活物
質Aとする。
【0027】この活物質Aを用いて次のようにしてコイ
ン型非水電解質電池を試作した。活物質Aとアセチレン
ブラック及びポリテトラフルオロエチレン粉末とを重量
比70:25:5で混合し、トルエンを加えて十分混練
した。これをローラープレスにより厚み0.8mmのシ
ート状に成形した。次にこれを直径16mmの円形に打
ち抜き減圧下150℃で15時間熱処理し正極1を得
た。正極1は正極集電体6の付いた正極缶4に圧着して
用いた。負極は負極活物質に400μmのリチウム箔を
用いた。このリチウム箔を16mmの円形に打ち抜き負
極集電体7の付いた負極缶5に圧着して用いた。次にエ
チレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比
1:1の混合溶剤にLiPF6 を1mol/l溶解した
電解液を調製し、ポリプロピレン製微多孔膜であるセパ
レータ3を配した正極1上に適量注液し、この正極及び
負極をかしめあわせることにより直径20mm厚さ1.
6mmのコイン型非水電解質電池を作製した。この電池
をテストセル1とする。
【0028】このようにして作製したテストセル1を用
いて充放電試験を行った。試験条件は、試験温度20℃
において、充電電流3mA、充電終止電圧4.2V、放
電電流3mA、放電終止電圧3.0Vとした。このテス
トセル1における初期充放電効率は95%であり、初期
充放電効率が90%以上のリチウム含有遷移金属複合酸
化物(a)となりうることが分かった。
【0029】(実施例2)α−NaFeO2 構造を有す
るコバルト一部置換クロム酸リチウムの調製にあたって
は、LiOH・H2 OとCr2 3 を用い、Li:Cr
のモル比が1.03:1.00となるように秤量、混合
し、ドライエアー中600℃で16時間焼成した。次
に、この焼成粉とLiCoO2 (市販品:平均粒径6μ
m)をCrとCoのモル比が8:2となるように秤量、
混合し、アルゴン中950℃で16時間焼成した。焼成
後粉砕したもののX線回折パターンより、α−NaFe
2 構造を有するコバルト一部置換クロム酸リチウムが
単一相で得られていることが分かった。この正極活物質
を活物質Bとする。活物質Aの代わりにこの活物質Bを
用いること以外は実施例1と同様にテストセルを作製し
た。この電池をテストセル2とする。
【0030】このテストセルについても実施例1と同様
の充放電試験を行った。このテストセル2の初期充放電
効率は20%であり初期充放電効率が50%以下のリチ
ウム含有遷移金属複合酸化物(b)となりうることが分
かった。
【0031】(実施例3)実施例1及び2で得られた活
物質を用いて本発明の正極活物質を作製した。実施例1
で得られた初期充放電効率が90%以上の活物質Aと実
施例2で得られた初期充放電効率が50%以下の活物質
Bを重量比で9:1に混合し正極活物質とした。この正
極活物質とアセチレンブラック及びポリテトラフルオロ
エチレン粉末とを重量比70:25:5で混合し、トル
エンを加えて十分混練した。これをローラープレスによ
り厚み0.8mmのシート状に成形した。次にこれを直
径16mmの円形に打ち抜き減圧下150℃で15時間
熱処理し正極1を得た。正極1は正極集電体6の付いた
正極缶4に圧着して用いた。負極は負極活物質に人造黒
鉛(平均粒径6μm)を用いた。負極活物質とポリテト
ラフルオロエチレン粉末とを重量比95:5で混合し、
トルエンを加えて十分混練した。これをローラープレス
により厚み0.8mmのシート状に成形した。次にこれ
を直径16mmの円形に打ち抜き減圧下200℃で15
時間熱処理し負極2を得た。負極2は負極集電体7の付
いた負極缶5に圧着して用いた。次にエチレンカーボネ
ートとジエチルカーボネートとの体積比1:1の混合溶
剤にLiPF6 を1mol/l溶解した電解液を調製
し、ポリプロピレン製微多孔膜であるセパレータ3を配
した正極1上に適量注液し、この正極及び負極をかしめ
あわせることにより直径20mm厚さ1.6mmのコイ
ン型非水電解質電池を作製した。この電池を本発明電池
とする (比較例)正極活物質として実施例1で得られた初期充
放電効率が90%以上の活物質Aのみを用いる以外は実
施例3と同様にして電池を作製した。この電池を比較電
池とする。
【0032】このようにして作製した本発明電池および
比較電池を用いて充放電サイクル試験を行った。試験条
件は、試験温度20℃において、充電電流3mA、充電
終止電圧4.1V、放電電流3mA、放電終止電圧3.
0Vとした。また、初期の容量の70%になった時点を
サイクル寿命として測定した。
【0033】これら作製した電池の充放電試験の結果を
表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から分かるように本発明による本発明
電池は比較電池に比べて初期充放電容量、及び初期効率
が低くなっているが、サイクル寿命が良いことが分か
る。
【0036】このような初期充放電効率が異なる正極活
物質を混合して用いることにより、サイクル寿命が向上
する理由として以下のように考えられる。電池のサイク
ル劣化原因の一つとして電解質や負極で起こる副反応に
より負極に充電されたリチウムが活性を失うことが挙げ
られる。即ち、一度活性を失ったリチウムは電池内部に
おいて再び活性を取り戻すことが出来ず、その結果サイ
クル劣化につながることが考えられる。つまり、充電に
よりリチウムを放出するものの、可逆性の悪い材料は、
その活性なリチウムを過剰に作る働きがあり、活性なリ
チウムが不足することによる容量低下を防ぐことが考え
られる。しかしながら、このような材料のみで電池を構
成するとエネルギー密度の点で不利になるため、初期充
放電効率の良い活物質と、初期充放電効率が低い活物質
を混合し用いることにより、エネルギー密度の大きな優
れたサイクルの安定性を示す非水電解質電池が実現でき
ると考えられる。
【0037】なお、本発明は上記実施例に記載された活
物質の出発原料、製造方法、正極、負極、電解質、セパ
レータ及び電池形状などに限定されるものではない。ま
た、負極に炭素材料を用いるものや、電解質、セパレー
タの代わりに固体電解質を用いるものなどにも適用可能
である。
【0038】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、エネルギー密度の大きい安全性に優れた長寿命の非
水電解質電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜3及び比較例に係るコイン
型非水電解質電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 正極缶 5 負極缶 6 正極集電体 7 負極集電体 8 絶縁パッキング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質が、初期充放電効率が90%
    以上のリチウム含有遷移金属複合酸化物(a)と初期充
    放電効率が50%以下のリチウム含有遷移金属複合酸化
    物(b)の少なくとも2種類以上の化合物からなる混合
    物を用いることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 【請求項2】 前記リチウム含有遷移金属酸化物(a)
    が、スピネル構造を有する請求項1記載の非水電解質電
    池。
  3. 【請求項3】 前記リチウム含有遷移金属酸化物(b)
    が、α−NaFeO2構造を有する請求項1記載の非水
    電解質電池。
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