JPH11343987A

JPH11343987A - 自吸式ポンプ

Info

Publication number: JPH11343987A
Application number: JP10148668A
Authority: JP
Inventors: Soichi Fukuzawa; 宗一福沢; Yosuke Nagano; 洋介永野; Gichu Ota; 義注太田
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1998-05-29
Filing date: 1998-05-29
Publication date: 1999-12-14

Abstract

(57)【要約】【課題】吸い込み管内の空気を抜いて揚水を可能にする
自吸作用時に低騒音で、かつ、短い自吸所要時間を短く
できる自吸式ポンプを得る。【解決手段】最初は吸い込み管中の空気を排除する真空
ポンプとして働き、同吸い込み管中の空気を排除した後
は揚水ポンプとして作動する自吸式ポンプにおいて、図
１に示すように、呼び水をポンプ内に充満してポンプを
起動した後、所定時間経過後自吸作動を一時停止した状
態で１回あるいは間欠的に複数回給水して呼び水を補給
するか、または呼び水をポンプ内に充満してポンプを起
動した後、所定時間経過後自吸作動中に複数回間欠的に
給水して呼び水を補給する。本発明によれば、吐出室内
の水位の低下による空気の巻き込みを防止することが可
能になり、空気巻き込みに起因する騒音の発生や自吸所
要時間の長時間化を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば洗濯機に搭
載する風呂水揚水用の自吸式ポンプに係り、自吸時（吸
い込み管内の空気を排除する）の騒音が低く、かつ、自
吸所要時間を短くできる自吸式ポンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種技術は、一般に、ポンプ内
への呼び水の給水とポンプ運転との関係を図３のように
設定しており、呼び水を給水してポンプ内を満水状態に
した後給水を停止し、その後にポンプを起動して自吸運
転を実行する。そして自吸作動中は呼び水補給のための
給水は一切行わない。

【０００３】自吸式ポンプはその性質上、羽根車内は勿
論、吐出室、吸い込み室等すべてに呼び水を充満させる
構成となっており、このため最初にポンプを起動すると
瞬間的に吸い込み室内の一部の水は羽根車に吸引されて
洗濯槽等に排出される。その結果、吸い込み室内には吸
い込み管から空気が流入するが、間もなく排出されて吐
出室内の呼び水の一部は羽根車やマウスリング部を経て
吸い込み室内に逆流する。

【０００４】そして自吸が進行すると水は逆止弁の上流
側にも入り込むようになり、吐出室内の水位は更に低下
する。この時、吸込側の負圧も大きく増加しているか
ら、圧力差によって羽根車などへの水の巻き込み量は増
大する。この状態での水位低下の影響は大きく、水位の
低下で水面上の空気の巻き込み量が顕著になる。このた
め、騒音が増大したり、自吸性能が低下するようにな
る。

【０００５】通常、洗濯機に自吸式ポンプを搭載する場
合、その収納場所の寸法に大きな制約を受けるから、特
に高さ方向の寸法を十分に確保することが困難となる。
このため、羽根車と吐出室内の呼び水水面との距離は必
要最小限の状態に設定せざるを得なくなっている。自吸
運転中、回転する羽根車は吸い込み室内に流入する空気
と水を混合して吐出室内に排出し、吐出室内で気水分離
後、水だけを羽根車の全面シュラウドと仕切り板で形成
される戻し通路を経てマウスリング部から吸い込み室に
戻し、順次吸い込み管中の空気を排除する作用を行って
いる。作用中、羽根車の羽根内の流れは複雑で、羽根後
面側の低圧部に吐出室内の水を巻き込みながら自吸運転
を実行している。このため、自吸が進行して吸込側の負
圧が増加した状態で水位があるレベル以下に低下すると
水面上の空気も水とともにその羽根内に巻き込まれるよ
うになってくる。更に上記した戻し通路からも羽根車上
流側の低圧部に空気が巻き込まれるようになる。

【０００６】前述したように洗濯機に搭載するこの種の
ポンプは、収納場所の寸法上の制約から羽根車と水面ま
での距離を十分に確保することが困難となっており、ぎ
りぎりのかなり厳しい状態に設定されているのが現状で
ある。このため、特に自吸がある程度進行して吸込側の
負圧が増加したとき水位が僅かでも低下するとその影響
は大きく、水面上の空気を巻き込んで騒音を発生した
り、大気と羽根車の上流側が連通して自吸所要時間が長
くなったりする。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
点を解決し、吸い込み管内の空気を抜いて揚水を可能に
する自吸作用時に低騒音で、かつ、自吸所要時間を短く
できる自吸式ポンプの提供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】既述のごとく、自吸時の
騒音増大と自吸性能の低下が自吸がある程度進行したと
きの吐出室内の水位低下による空気の巻き込みにあると
ころから、常時水面を可能な限り高く維持させておく必
要がある。

【０００９】これに対し、本発明は、図１に示すよう
に、呼び水をポンプ内に充満してポンプを起動した後、
所定時間経過後自吸作動を一時停止した状態で１回ある
いは間欠的に複数回給水して呼び水を補給するか、また
は図２に示すように、呼び水をポンプ内に充満してポン
プを起動した後、所定時間経過後自吸作動中に複数回間
欠的に給水して呼び水を補給する。

【００１０】本発明によれば、吸込側の負圧が大きくな
って水の巻き込み量が増加したとき吐出室内の水位の低
下による空気の巻き込みを防止することが可能になり、
空気巻き込みに起因する騒音の発生や自吸所要時間の長
時間化を防ぐことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面にし
たがって説明する。

【００１２】図４の１は洗濯機に搭載した自吸式のポン
プで、風呂の残り湯を汲み上げて洗濯槽１９に供給す
る。２はポンプ１の吸い込み管で、その他端は図示して
いない浴槽内に至る。３はポンプ１を駆動するモータ２
９の配線で、洗濯機全体を制御するマイクロコンピュー
タの制御用の配線に接続する。４は自吸が終了して揚水
運転に移行した際、風呂水を吐出する吐出口で、吐出し
た風呂水は吐出管５を経て部屋（Ａ）７に入り、出口６
より外槽１７および洗濯槽１９内に流入する。８は呼び
水の給水管で、その一端はポンプ室内に開口する給水口
に接続し、他端は半割部９となって部屋（Ｂ）１１内に
開口する。半割部９は壁面部分が電磁給水弁１２の流出
口１４に対向するように設置される。１０は部屋（Ｂ）
１１の底面に設けた水出口で、電磁給水弁１２からの給
水と、揚水時、ポンプ１から給水管８を経て流出する風
呂水の一部が同出口１０から洗濯槽１９内に流下する。
１３は電磁給水弁１２のホース接続部で、他端を水道栓
に連結したホースに接続する。１５は電磁給水弁１２の
電源線で、マイクロコンピュータによって制御される制
御用配線の一部に接続する。１６は洗濯機の外装、１８
は脱水時、洗濯槽１９の回転を円滑に維持するバランス
リングである。２０は脱水時、洗濯槽１９が高速回転し
て洗濯物に含まれた水分を外槽１７内に排出する脱水用
の孔、２１は洗濯機本体を支承する脚部である。

【００１３】次にポンプ１の詳細図を図５に示す。

【００１４】図中の２２は吸い込み側ハウジングで、吸
い込み管２の接続口２４、吸水部２５、吸い込み室２７
を有し、かつ、吸水部２５の端部には逆止弁２６を設け
る。２３はモータ側ハウジングで、モータ２９、ターミ
ナル３０、キャップ３１を有し、モータ２９の軸３２に
は、カップリング３３を介して羽根車軸３４が接続され
る。更に羽根車軸３４にはシール部３５を介して羽根車
３６を固着する。４は前述したようにモータ側ハウジン
グ２３内に開口する吐出口であり、３７は吐出口４と同
様ハウジング２３内に開口する呼び水の給水口である。
この給水口３７には図４のように給水管８が接続され
る。４０は吸い込み用孔４１を有し、かつ、羽根車３６
の吐出側と吸い込み側を仕切る仕切り板である。モータ
側ハウジング２３と吸い込み側ハウジング２２はパッキ
ング４２を介してフランジで接合され、部屋（Ｃ）２８
と部屋（Ｄ）３９で吐出室３８を形成する。４３は羽根
車より流出する水をガイドする案内羽根、４４は自吸時
吐出室２８内で気水分離した水が吸い込み室２７内に戻
る戻り通路、４５はマウスリング部である。

【００１５】以上の構成において、まず電磁給水弁１２
の接続部１３にホースを接続して水道管と連結し、通電
して同弁１２を開くと、水道水は流出口１４から部屋
（Ｂ）１１内に噴出し、給水管８の一端に設けた半割部
９の壁面に衝突する。大半の水は水出口１０から洗濯槽
１９内に入るが、一部の水は半割部９から給水管８を通
って給水口３７より部屋（Ｃ）２８、部屋（Ｄ）３９で
形成される吐出室３８内に呼び水となって流入する。水
は更に案内羽根４３、羽根車３６を経て吸い込み孔４１
から吸い込み室２７内にも入り、やがて吐出口４の下端
まで水位が上昇して満水状態となる。その後給水弁１２
を閉じてモータ２９を起動し、羽根車３６を回転すると
起動の瞬間に吸い込み室２７内の水の一部は羽根車３６
に吸引され、瞬時に吐出口４、吐出管５を経て洗濯槽１
９内に流入し、吸い込み室２７は吸い込み管２内の一部
の空気と入れ替わる。その後間もなく、同空気は排出さ
れ、吐出室３８内の水の一部は羽根車等を逆流して吸い
込み室２７内に戻り、吐出室３８内の水位は低下する。
しかし、この自吸初期の段階では吸込側の負圧はまだ殆
ど大きくなってはおらず、羽根車内への水の巻き込み量
も小さいため、水位低下の影響は小さい。その後自吸が
進行して吸い込み管２内の空気が連れ出されるにしたが
って同管２内の負圧が上昇し、図６のＨのように逆止弁
２６の上流側にある吸水部２５内にも水が移動するよう
になる。これは自吸作用時に逆止弁２６が短時間の開閉
を繰り返えして吸い込み管２内の空気を吸い込み室２７
に導入してためで、弁が「開」の時に吸い込み管２内の
大きな負圧によって吸い込み室２７の水が同部に漏れて
行くことによる。このため、吐出室３８内の水位はＥか
らＦに低下する。前述したように自吸作動中の羽根車３
６の羽根内の流動は複雑で、吐出室３８内の水は絶えず
羽根後面側の低圧部に巻き込まれており、特に吸込側が
低圧になると吐出室３８との圧力差の増大によって巻き
込み量が大幅に増加する。このため、水位低下の影響は
大きく、水面上の空気は渦Ｇとなって水とともに巻き込
まれるようになってくる。また、羽根車の前面シュラウ
ドと仕切り板４０で形成される戻し通路４４からも空気
が巻き込まれてマウスリング部４５より羽根車３６の入
り口部に流入するようになる。この空気の巻き込みによ
って大きな騒音を発生したり、吐出室３８内の大気と羽
根車３６の上流側の低圧部との連通によって自吸時間が
長くなったりする。

【００１６】これに対し、本実施例では、洗濯機のマイ
クロコンピュータと連携する電磁給水弁１２が自動開閉
を行い、図１に示すように、呼び水をポンプ内に充満し
てポンプを起動した後、所定時間経過後（１０秒以上）
自吸作動を一時停止した状態で１回あるいは間欠的に複
数回（１回当り数秒）給水して呼び水を補給するか、ま
たは図２に示すように、呼び水をポンプ内に充満してポ
ンプを起動した後、所定時間経過後（１０秒以上）自吸
作動中に複数回間欠的に呼び水を補給して巻き込み水量
の大きくなった運転状態で水位を高いレベルＥに維持す
るから、上記した空気の巻き込みを防止することができ
る。なお、吸込側の負圧がある程度大きくなると、ポン
プを再起動しても吸い込み室２７内の水が外部に排出さ
れることは殆どない。

【００１７】なお、特開平１０−５７６８６号公報に
は、呼び水をポンプ内に充満してポンプを起動した
後、ポンプ起動状態のまま引き続き一定時間、呼び水の
補給を続行する技術が開示されている。

【００１８】また、特開平１０−５７６８６号公報に
は、呼び水をポンプ内に充満してポンプを起動した時
点で一度呼び水給水弁を閉じる一方、ポンプは引き続き
運転を続行し、ポンプの回転が十分上がった時点で再
度、予め所定の時間呼び水給水弁を開く技術が開示され
ている。

【００１９】さらに、特開平１０−５７６８６号公報に
は、ポンプの運転中、呼び水補給が続行され続けても
よい旨記載されている。

【００２０】しかし、上記の場合、呼び水補給続行中
大半の水道水は洗濯槽内に流れ込み、風呂水を洗濯水と
して利用する節水（経済的）効果が損なわれることにな
らざるを得ない。また、自吸初期の状態であるため、吸
込側の圧力が十分に低下していないから、羽根内への水
の巻き込み量も少なく、空気の巻き込みもないから、呼
び水補給の効果は少ない。

【００２１】また、上記の場合、の場合に比べて節
水効果はあるものの、ポンプ内で水が廻っている状態で
１回だけ呼び水補給を行うものであるため、ポンプ内の
水の激しい動きで十分な量の補給ができない上、の場
合と同様自吸初期の段階であり、呼び水補給効果はそれ
ほど上がらないことが懸念される。

【００２２】さらに、上記の場合は、の節水効果が
大幅に損なわれることになる。

【００２３】これに対し、図１に示すように、呼び水を
ポンプ内に充満してポンプを起動した後、所定時間経過
後自吸作動を一時停止した状態で１回あるいは間欠的に
複数回給水して呼び水を補給する場合、ポンプの自吸作
動を一時停止した状態、つまりポンプ内が落ち着いた状
態で呼び水が補給されるため、必要十分な量の給水が行
われ、かつ、吸込側の負圧がある程度大きくなった状態
で補給するから呼び水補給効果を実効あるものとするこ
とができる。

【００２４】また、図２に示すように、呼び水をポンプ
内に充満してポンプを起動した後、自吸作動中に複数回
間欠的に給水して呼び水を補給する場合、呼び水補給は
間欠的に行われるため、風呂水を洗濯水として利用する
節水効果が大幅に損なわれることはない。他方、呼び水
補給は複数回行われるため、自吸が進行する過程でその
都度水位が高い位置に修正されるから、呼び水補給効果
の点でも実効あるものとすることができる。

【００２５】

【発明の効果】自吸式ポンプでは自吸が進行して吸込側
の負圧が増加すると水の一部が羽根車の上流側に移動し
たりして、吐出室内の水位を低下させるから大きな圧力
差によって増加した巻き込み水が水面上の空気を羽根車
が巻き込んで大きな騒音を発生したり、自吸時間を長く
したりする。

【００２６】本発明では、呼び水をポンプ内に充満して
ポンプを起動した後、所定時間経過後自吸作動を一時停
止した状態で１回あるいは間欠的に複数回給水して呼び
水を補給するか、または呼び水をポンプ内に充満してポ
ンプを起動した後、所定時間経過後自吸作動中に複数回
間欠的に給水して呼び水を補給することにより、空気の
巻き込み量が顕著となるときに水位を高いレベルに維持
して空気の巻き込みを防止することが可能となる。

【００２７】これを要するに、本発明によれば、吐出室
内の水位の低下による空気の巻き込みを防止することが
可能になり、空気巻き込みに起因する騒音の発生や自吸
所要時間の長時間化を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明ポンプの一実施例を示す運転特性図であ
る。

【図２】本発明ポンプの他の実施例を示す運転特性図で
ある。

【図３】従来一般型自吸式ポンプの運転特性図である。

【図４】本発明ポンプを組み込んだ洗濯機の一部縦断面
図である。

【図５】図４に符号１で示す自吸式ポンプの縦断面図で
ある。

【図６】本発明の効果を説明する自吸式ポンプ１の一部
縦断面図である。

【符号の説明】

１…自吸式ポンプ、２…吸い込み管、４…吐出口、５…
吐出管、６…出口、７…部屋（Ａ）、８…給水管、９…
半割部、１２…給水弁、１３…接続部、１４…流出口、
１７…外槽、１９…洗濯槽、２２…吸い込み側ハウジン
グ、２３…モータ側ハウジング、２４…吸い込み管接続
口、２５…吸水部、２６…逆止弁、２７…吸い込み室、
２８…部屋（Ｃ）、２９…モータ、３６…羽根車、３７
…給水口、３８…吐出室、３９…部屋（Ｄ）、４０…仕
切り板、４４…戻し通路、４５…マウスリング部。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】最初は吸い込み管中の空気を排除する真
空ポンプとして働き、同吸い込み管中の空気を排除した
後は揚水ポンプとして作動する自吸式ポンプにおいて、
呼び水をポンプ内に充満してポンプを起動した後、所定
時間経過後自吸作動を一時停止した状態で１回あるいは
間欠的に複数回給水して呼び水を補給するようにしたこ
とを特徴とする自吸式ポンプ。
【請求項２】最初は吸い込み管中の空気を排除する真
空ポンプとして働き、同吸い込み管中の空気を排除した
後は揚水ポンプとして作動する自吸式ポンプにおいて、
呼び水をポンプ内に充満してポンプを起動した後、所定
時間経過後自吸作動中に複数回間欠的に給水して呼び水
を補給するようにしたことを特徴とする自吸式ポンプ。
【請求項３】請求項１または２において、呼び水給水
口の上流側に給水弁を設け、同給水弁の開閉を制御して
呼び水給水を行うことを特徴とする自吸式ポンプ。
【請求項４】請求項３において、洗濯機に搭載し洗濯
機制御用のマイクロコンピュータにより給水弁開閉の制
御を行うようにしたことを特徴とする自吸式ポンプ。
【請求項５】請求項１〜４のいずれか１項に記載の自
吸式ポンプを備えた洗濯機。