JPH11343833A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JPH11343833A
JPH11343833A JP10153339A JP15333998A JPH11343833A JP H11343833 A JPH11343833 A JP H11343833A JP 10153339 A JP10153339 A JP 10153339A JP 15333998 A JP15333998 A JP 15333998A JP H11343833 A JPH11343833 A JP H11343833A
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exhaust gas
storage reduction
air
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信也 広田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸蔵還元型NOx触媒からNOxが放出される
頻度を少なくし、NOx浄化率の向上を図る。 【解決手段】 吸蔵還元型NOx触媒17の触媒温度が
NOx吸収容量が最大となる触媒温度に接近する方向に
変化しているときには、吸蔵還元型NOx触媒17のN
Ox吸収容量も増大する方向に変化する。そこで、吸蔵
還元型NOx触媒17に吸収されているNOx量が排気ガ
ス温に基づいて算出されたNOx吸収容量を越えたとき
に、触媒温度がNOx吸収容量が最大となる触媒温度に
接近する方向に変化しているか否かを判別し、YESの
場合には吸蔵還元型NOx触媒17によるNOxの吸収を
継続し、即ちリーン混合気の燃焼を継続し、NOの場合
には吸蔵還元型NOx触媒17からNOxを放出し、即ち
リッチ混合気の燃焼を行うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空燃比リーンの状
態で燃焼させる内燃機関の排気浄化装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】流入排気ガスの空燃比がリーンの時にN
Oxを吸収し流入排気ガスの酸素濃度が低下した時に吸
収したNOxを放出する吸蔵還元型NOx触媒は、NOx
浄化率が高いことから、近年、空燃比リーンの状態で燃
焼させる内燃機関から排出される排気ガスのNOx浄化
に多用されている。
【0003】この吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収能力
には限界があり、吸収されたNOx量が所定の許容量に
達すると飽和して吸収不能になってしまう。そのため、
吸蔵還元型NOx触媒を用いた排気浄化装置では、吸蔵
還元型NOx触媒に吸収されたNOxを適当なタイミング
で放出・還元させる必要がある。
【0004】国際公開パンフレット WO 93/258
06号には、流入排気ガスの空燃比がリーンの時に吸蔵
還元型NOx触媒に吸収されたNOx量を推定し、この推
定吸収NOx量が許容量を越えた時に、予め定められた
期間、流入排気ガスの空燃比をリッチにし、吸蔵還元型
NOx触媒に吸収されているNOxを放出還元する技術が
開示されている。また、前記パンフレットには、吸蔵還
元型NOx触媒のNOx吸収容量(許容量)は触媒温度あ
るいは排気ガス温によって異なるので、流入排気ガスの
空燃比をリーンからリッチに変える判定基準であるNO
x吸収容量を、触媒温度あるいは排気ガス温度に応じて
変える点が開示されている。つまり、従来は、現時点で
の触媒温度あるいは排気ガス温に基づいてNOx吸収容
量を算出し、これよりも前記推定吸収NOx量が越えた
時に、流入排気ガスの空燃比をリッチにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、排気ガス温
は内燃機関の負荷等によって常に変化し、触媒温度は、
触媒が熱容量を有しているため、排気ガス温の変化に遅
れて変化する。したがって、例えば排気ガス温度が、N
Ox吸収容量が増大する方向に温度変化している場合に
は、前記推定吸収NOx量が現時点での排気ガス温に対
応するNOx吸収容量に達しているとしても、吸蔵還元
型NOx触媒はまだNOxを吸収し続けることができるは
ずである。
【0006】しかしながら、前記従来の技術では、排気
ガス温の変化方向が考慮されていないので、NOx吸収
容量が増大する方向に排気ガス温が変化している場合に
も、前記推定吸収NOx量が現時点での排気ガス温度に
対応するNOx吸収容量を越えた時点で流入排気ガスの
空燃比がリッチに切り替えられてしまい、燃費の悪化を
招いていた。
【0007】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする
課題は、吸蔵還元型NOx触媒の触媒温度の変化方向に
応じて、吸蔵還元型NOx触媒から吸収されたNOxを放
出還元するタイミングを補正することにより、NOx吸
収時間を長くし、NOx放出頻度を減少し、NOx浄化率
の向上を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、
流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにNOxを吸
収し流入する排気ガスの酸素濃度が低下すると吸収した
NOxを放出する吸蔵還元型NOx触媒を機関排気通路内
に配置し、該吸蔵還元型NOx触媒に吸収されたNOx量
が許容量を越えたときに吸蔵還元型NOx触媒に流入す
る排気ガスの空燃比をリッチにして吸蔵還元型NOx触
媒からNOxを放出し還元する放出手段を備えた内燃機
関の排気浄化装置において、前記吸蔵還元型NOx触媒
の触媒温度が、NOx吸収容量が最大となる触媒温度に
接近する方向に変化しているか否かを判定する触媒温度
変化方向判定手段と、この触媒温度変化方向判定手段に
よって吸蔵還元型NOx触媒の触媒温度がNOx吸収容量
が最大となる触媒温度に接近する方向に変化していると
判定されたときに前記放出手段による排気ガスの空燃比
をリッチにする時期を遅らせるように補正する放出時期
補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収容量は触
媒温度に応じて変化し、NOx吸収容量が最大となる触
媒温度が存在する。したがって、吸蔵還元型NOx触媒
の触媒温度が、NOx吸収容量が最大となる触媒温度に
接近する方向に変化しているときには、吸蔵還元型NO
x触媒のNOx吸収容量も増大する方向に変化する。
【0010】そこで、前記触媒温度変化方向判定手段に
よって吸蔵還元型NOx触媒の触媒温度がNOx吸収容量
が最大となる触媒温度に接近する方向に変化していると
判定されたときには、前記放出時期補正手段によって前
記放出手段による排気ガスの空燃比をリッチにする時期
を遅らせて、吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気ガス
の空燃比をリーンに維持することにより、吸蔵還元型N
Ox触媒のNOx吸収時間を引き延ばし、吸蔵還元型NO
x触媒からNOxを放出する頻度を少なくする。これによ
り排気浄化装置のNOx浄化率が向上する。
【0011】内燃機関としては、ディーゼルエンジンや
リーンバーンガソリンエンジンを例示することができ
る。吸蔵還元型NOx触媒の触媒温度の変化方向を判定
するには、直接、触媒温度を検出しこれから触媒温度の
変化方向を判定してもよいし、触媒温度の代わりに排気
ガス温を検出し排気ガス温の変化方向を触媒温度の変化
方向としてもよい。また、排気ガス温は機関の運転状態
から推定することができるので、推定された排気ガス温
の変化方向を触媒温度の変化方向としてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る排気浄化装置
の一実施の形態を図1から図14の図面に基いて説明す
る。
【0013】図1は本発明をガソリンエンジンに適用し
た場合の概略構成を示す図である。この図において、符
号1は機関本体、符号2はピストン、符号3は燃焼室、
符号4は点火栓、符号5は吸気弁、符号6は吸気ポー
ト、符号7は排気弁、符号8は排気ポートを夫々示す。
吸気ポート6は対応する枝管9を介してサージタンク1
0に連結され、各枝管9には夫々吸気ポート6内に向け
て燃料を噴射する燃料噴射弁11が取り付けられる。サ
ージタンク10は吸気ダクト12を介してエアクリーナ
13に連結され、吸気ダクト12内にはスロットル弁1
4が配置される。一方、排気ポート8は排気マニホルド
15および排気管16を介して吸蔵還元型NOx触媒1
7を内蔵したケーシング18に接続される。
【0014】エンジンコントロール用の電子制御ユニッ
ト(ECU)30はデジタルコンピュータからなり、双
方向バス31によって相互に接続されたROM(リード
オンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)33、CPU(セントラルプロセッサユニット)3
4、入力ポート35、出力ポート36を具備する。サー
ジタンク10内にはサージタンク10内の絶対圧に比例
した出力電圧を発生する圧力センサ19が取り付けら
れ、この圧力センサ19の出力電圧がAD変換器37を
介して入力ポート35に入力される。また、スロットル
弁14にはスロットル弁14がアイドリング開度である
ことを検出するアイドルスイッチ20が取り付けられ、
このアイドルスイッチ20の出力信号が入力ポート35
に入力される。
【0015】一方、ケーシング18の上流の排気管16
内には排気ガス温に比例した出力電圧を発生する温度セ
ンサ25が取り付けられ、この温度センサ25の出力電
圧がAD変換器38を介して入力ポート35に入力され
る。また、入力ポート35には機関回転数を表す出力パ
ルスを発生する回転数センサ26が接続される。出力ポ
ート36は対応する駆動回路39を介して夫々点火栓4
および燃料噴射弁11に接続される。
【0016】このガソリンエンジンでは、例えば次式に
基づいて燃料噴射時間TAUが算出される。 TAU=TP・K ここで、TPは基本燃料噴射時間を示しており、Kは補
正係数を示している。基本燃料噴射時間TPは機関シリ
ンダ内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とする
のに必要な燃料噴射時間を示している。この基本燃料噴
射時間TPは予め実験により求められ、サージタンク1
0内の絶対圧PMおよび機関回転数Nの関数として図2
に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶され
ている。補正係数Kは機関シリンダ内に供給される混合
気の空燃比を制御するための係数であって、K=1.0
であれば機関シリンダ内に供給される混合気は理論空燃
比となる。これに対してK<1.0になれば機関シリン
ダ内に供給される混合気の空燃比は理論空燃比よりも大
きくなり、即ちリーンとなり、K>1.0になれば機関
シリンダ内に供給される混合気の空燃比は理論空燃比よ
りも小さくなり、即ちリッチとなる。
【0017】この補正係数Kの値はサージタンク10内
の絶対圧PMおよび機関回転数Nに対して予め定められ
ており、図3はこの補正係数Kの値の一例を示してい
る。この例では、サージタンク10内の絶対圧PMが比
較的低い領域、即ち機関低中負荷運転領域では補正係数
Kの値が1.0よりも小さい値とされ、したがってこの
ときには機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比が
リーンとされる。一方、サージタンク10内の絶対圧P
Mが比較的高い領域、即ち機関高負荷運転領域では補正
係数Kの値が1.0とされ、したがってこのときには機
関シリンダ内に供給される混合気の空燃比が理論空燃比
とされる。また、サージタンク10内の絶対圧PMが最
も高くなる領域、即ち機関全負荷運転領域では補正係数
Kの値は1.0よりも大きな値とされ、したがってこの
ときには機関シリンダ内に供給される混合気の空燃比が
リッチとされる。内燃機関では通常、低中負荷運転され
る頻度が最も高く、したがって運転期間中の大部分にお
いてリーン混合気が燃料せしめられることになる。
【0018】図4は燃焼室3から排出される排気ガス中
の代表的な成分の濃度を概略的に示している。この図か
らわかるように、燃焼室3から排出される排気ガス中の
未燃HC,COの濃度は燃焼室3内に供給される混合気
の空燃比がリッチになるほど増大し、燃焼室3から排出
される排気ガス中の酸素O2の濃度は燃焼室3内に供給
される混合気の空燃比がリーンになるほど増大する。
【0019】ケーシング18内に収容されている吸蔵還
元型NOx触媒17は、例えばアルミナを担体とし、こ
の担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウ
ムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウム
Ba、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタン
La、イットリウムYのような希土類から選ばれた少な
くとも一つと、白金Ptのような貴金属とが担持されて
いる。機関吸気通路および吸蔵還元型NOx触媒17上
流の排気通路内に供給された空気および燃料(炭化水
素)の比を吸蔵還元型NOx触媒17への流入排気ガス
の空燃比と称する(以下、排気空燃比と略称する)と、
この吸蔵還元型NOx触媒17は、排気空燃比がリーン
のときにはNOxを吸収し、流入排気ガス中の酸素濃度
が低下すると吸収したNOxを放出するNOxの吸放出作
用を行う。
【0020】なお、吸蔵還元型NOx触媒17上流の排
気通路内に燃料(炭化水素)あるいは空気が供給されな
い場合には、排気空燃比は燃焼室3内に供給される混合
気の空燃比に一致し、したがってこの場合には、吸蔵還
元型NOx触媒17は燃焼室3内に供給される混合気の
空燃比がリーンのときにはNOxを吸収し、燃焼室3内
に供給される混合気中の酸素濃度が低下すると吸収した
NOxを放出することになる。
【0021】上述の吸蔵還元型NOx触媒17を機関排
気通路内に配置すればこの吸蔵還元型NOx触媒17は
実際にNOxの吸放出作用を行うが、この吸放出作用の
詳細なメカニズムについては明かでない部分もある。し
かしながら、この吸放出作用は図5に示すようなメカニ
ズムで行われているものと考えられる。次に、このメカ
ニズムについて担体上に白金PtおよびバリウムBaを
担持させた場合を例にとって説明するが、他の貴金属,
アルカリ金属,アルカリ土類,希土類を用いても同様な
メカニズムとなる。
【0022】即ち、流入排気ガスがかなりリーンになる
と流入排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、図5
(A)に示されるように酸素O2 がO2 -又はO2-の形で
白金Ptの表面に付着する。一方、流入排気ガスに含ま
れるNOは、白金Ptの表面上でO2 -又はO2-と反応
し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。
【0023】次いで、生成されたNO2の一部は、白金
Pt上で酸化されつつ吸蔵還元型NOx触媒17内に吸
収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、図5
(A)に示されるように硝酸イオンNO3 -の形で吸蔵還
元型NOx触媒17内に拡散する。このようにしてNOx
が吸蔵還元型NOx触媒17内に吸収される。
【0024】流入排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金
Ptの表面でNO2が生成され、吸蔵還元型NOx触媒1
7のNOx 吸収能力が飽和しない限り、NO2が吸蔵還
元型NOx触媒17内に吸収されて硝酸イオンNO3 -
生成される。
【0025】これに対して、流入排気ガス中の酸素濃度
が低下してNO2の生成量が低下すると反応が逆方向
(NO3 -→NO2)に進み、吸蔵還元型NOx触媒17内
の硝酸イオンNO3 -がNO2の形で吸蔵還元型NOx触媒
17から放出される。即ち、流入排気ガス中の酸素濃度
が低下すると、吸蔵還元型NOx触媒17からNOxが放
出されることになる。図4に示されるように、流入排気
ガスのリーンの度合いが低くなれば流入排気ガス中の酸
素濃度が低下し、したがって流入排気ガスのリーンの度
合いを低くすればたとえ排気空燃比がリーンであっても
吸蔵還元型NOx触媒17からNOxが放出されることと
なる。
【0026】一方、このとき、燃焼室3内に供給される
混合気がリッチにされて排気空燃比がリッチになると、
図4に示されるように機関からは多量の未燃HC,CO
が排出され、これら未燃HC,COは、白金Pt上の酸
素O2 -又はO2-と反応して酸化せしめられる。
【0027】また、排気空燃比がリッチになると流入排
気ガス中の酸素濃度が極度に低下するために吸蔵還元型
NOx触媒17からNO2が放出され、このNO2は、図
5(B)に示されるように未燃HC、COと反応して還
元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にN
2が存在しなくなると、吸蔵還元型NOx触媒17から
次から次へとNO2が放出される。したがって、排気空
燃比をリッチにすると短時間の内に吸蔵還元型NOx触
媒17からNOxが放出されることになる。
【0028】即ち、排気空燃比をリッチにするとまず初
めに未燃HC,COが白金Pt上のO2 -又はO2-とただ
ちに反応して酸化せしめられ、次いで白金Pt上のO2 -
又はO2-が消費されてもまだ未燃HC,COが残ってい
ればこの未燃HC,COによって吸蔵還元型NOx触媒
17から放出されたNOxおよび機関から排出されたN
Oxが還元せしめられる。
【0029】したがって、排気空燃比をリッチにすれば
短時間のうちに吸蔵還元型NOx触媒17に吸収されて
いるNOxが放出され、しかもこの放出されたNOxが還
元されるために大気中にNOxが排出されるのを阻止す
ることができることになる。また、吸蔵還元型NOx触
媒17は還元触媒の機能を有しているので、排気空燃比
を理論空燃比にしても吸蔵還元型NOx触媒17から放
出されたNOxが還元せしめられる。しかしながら、排
気空燃比を理論空燃比にした場合には、吸蔵還元型NO
x触媒17からNOxが徐々にしか放出されないために吸
蔵還元型NOx触媒17に吸収されている全NOxを放出
させるには若干長い時間を要する。
【0030】ところで、前述したように排気空燃比のリ
ーンの度合を低くすればたとえ排気空燃比がリーンであ
っても吸蔵還元型NOx触媒17からNOxが放出され
る。したがって、吸蔵還元型NOx触媒17からNOxを
放出させるには流入排気ガス中の酸素濃度を低下させれ
ばよいことになる。ただし、吸蔵還元型NOx触媒17
からNOxが放出されても排気空燃比がリーンであると
吸蔵還元型NOx触媒17においてNOxが還元されず、
したがってこの場合には吸蔵還元型NOx触媒17の下
流にNOxを還元し得る触媒を設けるか、あるいは吸蔵
還元型NOx触媒17の下流に還元剤を供給する必要が
ある。むろんこのように吸蔵還元型NOx触媒17の下
流においてNOxを還元することは可能であるが、それ
よりもむしろ吸蔵還元型NOx触媒17においてNOxを
還元する方が好ましい。そこで、この実施の形態では吸
蔵還元型NOx触媒17からNOxを放出すべきときには
排気空燃比がリッチにされ、それによって吸蔵還元型N
Ox触媒17から放出されたNOxを吸蔵還元型NOx触
媒17において還元するようにしている。
【0031】ところで、本発明による実施の形態では上
述したように全負荷運転時には燃焼室3内に供給される
混合気がリッチとされ、また高負荷運転時には混合気が
理論空燃比とされるので、全負荷運転時及び高負荷運転
時に吸蔵還元型NOx触媒17からNOxが放出されるこ
とになる。しかしながら、全負荷運転あるいは高負荷運
転が行われる頻度が少なければ全負荷運転時および高負
荷運転時にのみ吸蔵還元型NOx触媒17からNOxが放
出されたとしても、リーン混合気が燃焼せしめられてい
る間に吸蔵還元型NOx触媒17によるNOxの吸収能力
が飽和してしまい、かくして吸蔵還元型NOx触媒17
によりNOxを吸収できなくなってしまう。そこで、こ
の実施の形態では、リーン混合気が継続して燃焼せしめ
られているときには周期的に燃焼室3内に供給される混
合気がリッチとされ、この間に吸蔵還元型NOx触媒1
7からNOxを放出させるようにしている。
【0032】このようにする場合、燃焼室3内に供給さ
れる混合気がリッチにされる周期が長いと、リーン混合
気の燃焼が行われている間に吸蔵還元型NOx触媒17
のNOx吸収能力が飽和してしまい、かくしてNOxを吸
蔵還元型NOx触媒17に吸収し得なくなるためにNOx
が大気に放出されてしまうという問題が生じる。これに
対して機関から排出されるNOx量が多い機関運転状態
が継続した場合であっても吸蔵還元型NOx触媒17の
NOx吸収能力が飽和する前に吸蔵還元型NOx触媒17
からNOxを放出し得るように混合気がリッチにされる
周期を短くすると、今度は燃料消費量が増大してしまう
という問題が生じる。
【0033】そこで本発明では、吸蔵還元型NOx触媒
17に吸収されているNOx量を求め、吸蔵還元型NOx
触媒17に吸収されているNOx量が予め定められた許
容量を越えたときに混合気をリッチにするようにしてい
る。このように吸蔵還元型NOx触媒17に吸収されて
いるNOx量が予め定められた許容量を越えたときに混
合気をリッチにすると吸蔵還元型NOx触媒17のNOx
吸収能力が飽和することがないのでNOxが大気に放出
されることがなくなり、また混合気をリッチにする頻度
も少なくすることができるので燃料消費量が増大するの
を抑制することができることになる。
【0034】ところで、吸蔵還元型NOx触媒17に吸
収されているNOx量を求める場合において、吸蔵還元
型NOx触媒17に吸収されているNOx量を直接求める
ことは困難である。そこで、本発明では機関から排出さ
れた排気ガス中のNOx量から吸蔵還元型NOx触媒17
内に吸収されたNOx量を推定するようにしている。即
ち、機関回転数Nが高くなるほど機関から単位時間当り
に排出される排気ガス量が増大するので、機関回転数N
が高くなるにつれて機関から単位時間当りに排出される
NOx量は増大する。また、機関負荷が高くなるほど、
即ちサージタンク10内の絶対圧PMが高くなるほど各
燃焼室3から排出される排気ガス量が増大し、しかも燃
焼温度が高くなるので、機関負荷が高くなるほど、即ち
サージタンク10内の絶対圧PMが高くなるほど機関か
ら単位時間当りに排出されるNOx量が増大する。
【0035】図6(A)は実験により求められた単位時
間当りに機関から排出されるNOx量と、サージタンク
10内の絶対圧PM、機関回転数Nとの関係を示してお
り、図6(A)において各曲線は同一NOx量を示して
いる。図6(A)に示されるように単位時間当りに機関
から排出されるNOx量はサージタンク10内の絶対圧
PMが高くなるほど多くなり、機関回転数Nが高くなる
ほど多くなる。なお、図6(A)に示されるNOx量は
図6(B)に示すようなマップの形で予めROM32内
に記憶されている。
【0036】一方、図7は吸蔵還元型NOx触媒17が
吸収し得るNOxの吸収容量NOxCAPと、吸蔵還元型
NOx触媒17の温度を代表する排気ガス温Tとの関係
を示している。吸蔵還元型NOx触媒17の温度が低く
なると、即ち排気ガス温Tが低くなるとNOxの酸化作
用(2NO+O2 →2NO2)が弱まるためにNOx吸収
容量NOxCAPが低下し、また吸蔵還元型NOx触媒1
7の温度が高くなると、即ち排気ガス温Tが高くなると
吸蔵還元型NOx触媒17に吸収されていたNOxが分解
して自然放出するためにNOx吸収容量NOxCAPは小
さくなる。したがって、吸蔵還元型NOx触媒17は所
定の排気ガス温Ta(この例では約390゜C)におい
て最大NOx吸収容量NOxCAPmaxとなる。
【0037】吸蔵還元型NOx触媒17が吸収し得るN
Oxの吸収容量NOxCAPと、吸蔵還元型NOx触媒1
7の温度、即ち排気ガス温Tとの間にはこのような関係
があるので、排気ガス温Tが前記所定の排気ガス温Ta
に接近する方向に変化しているときには、吸蔵還元型N
Ox触媒17のNOx吸収容量NOxCAPも増大する方
向に変化することとなる。したがって、吸蔵還元型NO
x触媒17に吸収されているNOx量の推定値が排気ガス
温Tに基づいて算出されたNOx吸収容量NOxCAPに
達したとしても、排気ガス温Tが前記所定の排気ガス温
aに接近する方向に変化しているときには、吸蔵還元
型NOx触媒17はさらにNOxを吸収することができる
状態にあることになる。そこで、この実施の形態では、
吸蔵還元型NOx触媒17に吸収されているNOx量の推
定値が排気ガス温Tに基づいて算出されたNOx吸収容
量NOxCAPを越えたときに、排気ガス温Tが前記所
定の排気ガス温Taに接近する方向に変化しているか否
かを判別し、YESの場合には吸蔵還元型NOx触媒1
7によるNOxの吸収を継続し、即ちリーン混合気の燃
焼を継続し、NOの場合には吸蔵還元型NOx触媒17
からNOxを放出し、即ちリッチ混合気の燃焼を行うよ
うにしている。
【0038】一方、図8は吸蔵還元型NOx触媒17に
流入する排気ガスの空燃比をリーンからリッチに切り換
えたときに吸蔵還元型NOx触媒17から放出されるN
Ox量の実験結果を示している。なお、図8において実
線は吸蔵還元型NOx触媒17の温度、即ち排気ガス温
Tが高いときを示しており、破線は吸蔵還元型NOx触
媒17の温度、即ち排気ガス温Tが低いときを示してい
る。吸蔵還元型NOx触媒17内におけるNOxの分解速
度は吸蔵還元型NOx触媒17の温度が高くなるほど速
くなる。したがって図8の実線で示されるように吸蔵還
元型NOx触媒17の温度が高いときには、即ち排気ガ
ス温Tが高いときには多量のNOxが短時間のうちに吸
蔵還元型NOx触媒17から放出され、吸蔵還元型NOx
触媒17の温度、即ち排気ガス温Tが低いときには図8
において破線で示されるように少量のNOxが長期間に
亙って吸蔵還元型NOx触媒17から放出され続ける。
即ち、排気ガス温Tが高くなるほど単位時間当りに吸蔵
還元型NOx触媒17から放出されるNOx量が増大し、
NOxの放出時間が短くなることがわかる。
【0039】ところで、機関から排出される未燃HC,
COの量が吸蔵還元型NOx触媒17から放出された全
NOxを還元し得る量よりも少ないときには一部のNOx
は還元されることなく大気中に放出され、これに対して
機関から排出される未燃HC,COの量が吸蔵還元型N
Ox触媒17から放出された全NOxを還元し得る量より
も多いときには余剰の未燃HC,COが大気中に放出さ
れる。したがって、NOxおよび未燃HC,COが大気
中に放出されるのを阻止するためには、吸蔵還元型NO
x触媒17から放出されたNOxを還元するのに丁度必要
な量の未燃HC,COを機関から排出させることが必要
となり、そのためには図8に示す曲線に対応して未燃H
C,COの量を増大させることが必要となる。
【0040】ところで、前述したように機関から排出さ
れる未燃HC,COの量は燃焼室3内に供給される混合
気のリッチの度合に比例している。したがって、この実
施の形態では図9に示されるように基本燃料噴射時間T
Pに対する補正係数kの値、即ち混合気のリッチの度合
を図8に示すNOx濃度の変化パターンにできるだけ近
いパターンでもって変化させるようにしている。なお、
ここで補正係数kは前述した補正係数Kとの間にK=1
+kなる関係があり、したがってk=0のときには混合
気が理論空燃比となり、k>0のときには混合気がリッ
チとなる。
【0041】図9において実線で示されるように吸蔵還
元型NOx触媒17からNOxを放出すべきときには時間
CがC1に達するまでは補正係数kが単位時間毎にαず
つ上昇せしめられ、次いで時間CがC1とC2の間では補
正係数kが一定に保持され、次いで時間CがC2を越え
ると補正係数kが単位時間毎にβずつ下降せしめられ
る。これらα,β,C1,C2の値は補正係数kの変化パ
ターンが図8において実線で示されるNOx濃度の変化
パターンにできるだけ近くなるように定められている。
【0042】一方、吸蔵還元型NOx触媒17の温度、
即ち排気ガス温Tが低いときの補正係数kの変化パター
ンも図8において破線で示される排気ガス温Tが低いと
きのNOx濃度の変化パターンにできるだけ近くなるよ
うに定められている。この場合、図9において補正係数
kの変化パターンを破線のようにするためには実線で示
す変化パターンに比べてα,βを共に小さくし、且つC
1,C2を共に大きくすればよいことがわかる。即ち、補
正係数kの変化パターンを図8に示すNOx濃度の変化
パターンに近づけるには図10に示されるように排気ガ
ス温Tが高くなるにつれてα,βを大きくし、C1,C2
を小さくすればよいことになる。なお、図10に示すC
1,C2,α,βと排気ガス温Tとの関係は予めROM3
2内に記憶されている。
【0043】なお、本発明による実施の形態では排気ガ
ス温Tを検出するための温度センサ25が設けられてお
り、したがってこの温度センサ25により検出された排
気ガス温Tに基づいて図7に示されるNOx吸収容量N
OxCAPおよび図10に示されるα,β,C1,C2
決定される。しかしながら、排気ガス温Tはサージタン
ク10内の絶対圧PMおよび機関回転数Nから推定する
ことができる。したがって、温度センサ25を設ける代
わりに排気ガス温Tを図11に示すようなマップの形で
予めROM32内に記憶しておき、このマップから得ら
れた排気ガス温Tに基づいてNOx吸収容量NOxCAP
およびα,β,C1,C2を決定することもできる。
【0044】次に、図12から図14を参照しつつNO
x放出制御について説明する。図12および図13は一
定時間毎の割り込みによって実行される時間割り込みル
ーチンを示している。
【0045】図12および図13を参照すると、まず初
めにステップ100において、吸蔵還元型NOx触媒1
7からNOxを放出すべきであることを示すNOx放出フ
ラグがセットされているか否かが判別される。NOx放
出フラグがセットされていないときにはステップ101
に進んで補正係数Kが1.0よりも小さいか否か、即ち
混合気をリーンにすべき運転状態であるか否かが判別さ
れる。K<1.0のとき、即ち混合気をリーンにすべき
運転状態のときにはステップ102に進んでカウント値
Dが零とされ、次いでステップ103に進む。
【0046】ステップ103では、圧力センサ19によ
り検出されたサージタンク10内の絶対圧PMおよび機
関回転数Nに基づいて図6(B)に示すマップから単位
時間当たりに機関から排出されるNOx量Nijが算出
される。次いでステップ104では、NOx量Nijに
割り込み時間間隔△tを乗算し、これらの積Nij・△
tがΣNOxに加算される。積Nij・△tは割り込み
時間間隔△tの間に機関から排出されたNOx量を表し
ており、このとき機関から排出されたNOxは吸蔵還元
型NOx触媒17に吸収されるので、ΣNOxは吸蔵還元
型NOx触媒17に吸収されているNOx量の推定値を表
していることになる。
【0047】次いでステップ105では、温度センサ2
5により検出された排気ガス温Tに基づいて図7に示す
関係からNOx吸収容量NOxCAPが算出される。次い
でステップ106では、吸蔵還元型NOx触媒17に吸
収されているNOx量の推定値ΣNOxがNOx吸収容量
NOxCAPを越えたか否かが判別される。ΣNOx≦N
OxCAPのときには処理サイクルを完了する。このと
きにはリーン混合気の燃焼が行われており、機関から排
出されるNOxが吸蔵還元型NOx触媒17に吸収され
る。
【0048】一方、ステップ106においてΣNOx>
NOxCAPであると判断されると、ステップ107に
進んで、現在の排気ガス温度Tが、最大NOx吸収容量
NOxCAPmaxに対応する排気ガス温度Ta以下か否か
が判別される。尚、このステップ107における現在の
排気ガス温度Tは、温度センサ25で検出された値をな
ました値が採用される。
【0049】ステップ107でT≦Taであると判別さ
れたときにはステップ108に進んで、今回本ルーチン
を実行する際の排気ガス温度Tiから前回本ルーチンを
実行した際の排気ガス温度Ti-1を引いた差が正か否か
が判別される。Ti−Ti-1>0のときには排気ガス温度
Tは排気ガス温度Taに接近する方向に変化しているこ
ととなるので、処理サイクルを完了する。このときには
リーン混合気の燃焼が続行されることとなり、機関から
排出されるNOxが吸蔵還元型NOx触媒17に吸収され
る。一方、ステップ108においてTi−Ti-1≦0であ
ると判定されると、吸蔵還元型NOx触媒17のNOx吸
収能力が飽和したものとして、ステップ109に進んで
NOx放出フラグがセットされる。
【0050】また、ステップ107でT>Taであると
判別されたときにはステップ110に進んで、今回本ル
ーチンを実行する際の排気ガス温度Tiから前回本ルー
チンを実行した際の排気ガス温度Ti-1を引いた差が負
か否かが判別される。Ti−T i-1<0のときには排気ガ
ス温度Tは排気ガス温度Taに接近する方向に変化して
いることとなるので、処理サイクルを完了する。このと
きにはリーン混合気の燃焼が続行されることとなり、機
関から排出されるNOxが吸蔵還元型NOx触媒17に吸
収される。一方、ステップ110においてTi−Ti-1
0であると判定されると、吸蔵還元型NOx触媒17の
NOx吸収能力が飽和したものとして、ステップ109
に進んでNOx放出フラグがセットされる。
【0051】そして、ステップ109からステップ11
1に進み、排気ガス温Tに基づいて図10に示す関係か
らC1,C2,α,βが算出され、処理サイクルを完了す
る。NOx放出フラグがセットされると次の処理サイク
ルではステップ100からステップ112に進み、カウ
ント値Cが1だけインクリメントされる。次いでステッ
プ113ではカウント値CがC1よりも小さいか否かが
判別される。C<C1のときにはステップ114に進ん
で補正係数kにαが加算される。次いで処理サイクルを
完了する。補正係数kに対するαの加算作用はC≧C1
となるまで継続して行われ、したがって図9に示される
ようにこの間補正係数kの値は増大し続ける。
【0052】一方、ステップ113においてC≧C1
なったと判断されるとステップ115に進んでカウント
値CがC2よりも小さくなったか否かが判別され、C<
2のときには処理サイクルを完了する。したがって図
9に示されるようにC≧C2となるまで補正係数kが一
定に保持されることになる。
【0053】次いでステップ115においてC≧C2
なったと判断されたときにはステップ116に進んで補
正係数kからβが減算される。次いでステップ117で
は補正係数kが零または負になったか否かが判別され、
k>0のときには処理サイクルを完了する。したがって
図9に示されるようにk≦0となるまで補正係数kが減
少せしめられる。なお、後述するようにk>0になると
この間燃焼室3内に供給される混合気がリッチとされ、
この間リッチの度合が図9に示すパターンでもって変化
せしめられる。
【0054】一方、ステップ117においてk≦0にな
ったと判断されるとステップ118に進んでNOx放出
フラグがリセットされる。次いでステップ119ではΣ
NOxが零とされる。即ち、このとき吸蔵還元型NOx触
媒17に吸収されていた全NOxが放出されたと考えら
れるので、吸蔵還元型NOx触媒17に吸収されている
NOxの推定量ΣNOxが零とされる。次いでステップ1
20においてカウント値Cおよび補正係数kが零とさ
れ、処理サイクルを完了する。
【0055】一方、ステップ101においてK≧1.0
であると判別されたとき、即ち混合気をリッチまたは理
論空燃比にすべき機関運転状態のときにはステップ12
1に進んでカウント値Dが1だけインクリメントされ
る。次いでステップ122ではカウント値Dが一定値D
0よりも大きくなったか否かが判別される。D>D0にな
ったときにはステップ123に進んでΣNOxが零とさ
れる。即ち、リッチ混合気あるいは理論空燃比の混合気
の燃焼が一定時間継続したときには吸蔵還元型NOx触
媒17から全NOxが放出されたと考えられるので、こ
のときには吸蔵還元型NOx触媒17に吸収されている
NOx量の推定値ΣNOxが零とされる。
【0056】図14は燃料噴射時間TAUの算出ルーチ
ンを示しており、このルーチンは繰返し実行される。図
14を参照すると、まず初めにステップ150において
図2に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出され
る。次いでステップ151では機関の運転状態に応じて
定まる図3に示す補正係数Kが算出される。次いでステ
ップ152ではNOx放出フラグがセットされているか
否かが判別され、NOx放出フラグがセットされていな
いときにはステップ153に進んで補正係数KがKiと
される。次いでステップ155では基本燃料噴射時間T
PにKiを乗算することによって燃料噴射時間TAUが
算出される。したがって、このとき燃焼室3内に供給さ
れる混合気は図3に示されるように機関の運転状態に応
じてリーン、理論空燃比、またはリッチとされる。
【0057】一方、ステップ152においてNOx放出
フラグがセットされていると判別されたときにはステッ
プ154に進んでKiが図12および図13に示すルー
チンにより算出されている補正係数kと1との和(k+
1)とされ、次いでステップ155に進む。したがっ
て、このときには燃焼室3内に供給される混合気がリッ
チとされ、このときリッチの度合は図9に示すパターン
でもって変化せしめられる。
【0058】この実施の形態においては、ECU30と
このECU30による一連の信号処理のうちステップ1
07、ステップ108、ステップ110を実行する部分
により触媒温度変化方向判定手段、および放出時期補正
手段が構成されている。なお、上述した実施の形態では
本発明をガソリンエンジンに適用した例で説明したが、
本発明をディーゼルエンジンに適用することができるこ
とは勿論である。ディーゼルエンジンの場合は、ストイ
キ(理論空燃比、A/F=13〜14)よりもはるかに
リーン域で燃焼が行われるので、通常の機関運転状態で
は吸蔵還元型NOx触媒17に流入する排気ガスの空燃
比は非常にリーンであり、排気ガス中のNOxは吸蔵還
元型NOx触媒17に吸収され、触媒から放出されるN
Ox量は極めて少ない。
【0059】また、ガソリンエンジンの場合には、前述
したように燃焼室3に供給する混合気をリッチにするこ
とにより排気空燃比をリッチにし、排気ガス中の酸素濃
度を低下させて、吸蔵還元型NOx触媒17に吸収され
ているNOxを放出させ再生することができるが、ディ
ーゼルエンジンの場合には、燃焼室に供給する混合気を
リッチにすると燃焼の際に煤が発生するなどの問題があ
り採用することはできない。したがって、本発明をディ
ーゼルエンジンに適用する場合には、燃焼用の混合気と
は別に還元剤(例えば燃料である軽油)を直接、吸蔵還
元型NOx触媒17に供給し、吸蔵還元型NOx触媒17
からNOxを放出させ還元するようにする。
【0060】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置に
よれば、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときにN
Oxを吸収し流入する排気ガスの酸素濃度が低下すると
吸収したNOxを放出する吸蔵還元型NOx触媒を機関排
気通路内に配置し、該吸蔵還元型NOx触媒に吸収され
たNOx量が許容量を越えたときに吸蔵還元型NOx触媒
に流入する排気ガスの空燃比をリッチにして吸蔵還元型
NOx触媒からNOxを放出し還元する放出手段を備と、
前記吸蔵還元型NOx触媒の触媒温度が、NOx吸収容量
が最大となる触媒温度に接近する方向に変化しているか
否かを判定する触媒温度変化方向判定手段と、この触媒
温度変化方向判定手段によって吸蔵還元型NOx触媒の
触媒温度がNOx吸収容量が最大となる触媒温度に接近
する方向に変化していると判定されたときに前記放出手
段による排気ガスの空燃比をリッチにする時期を遅らせ
るように補正する放出時期補正手段と、を備えたことに
より、吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収時間を引き延ば
すことができ、吸蔵還元型NOx触媒からNOxを放出す
る頻度を少なくすることができる。これにより排気浄化
装置のNOx浄化率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるガソリンエンジンの概略
構成図である。
【図2】 基本燃料噴射時間のマップの一例を示す図で
ある。
【図3】 補正係数の一例を示す図である。
【図4】 機関から排出される排気ガス中の未燃HC,
COおよび酸素の濃度を概略的に示す線図である。
【図5】 吸蔵還元型NOx触媒のNOx放出作用を説明
するための図である。
【図6】 機関から排出されるNOx量の一例を示す図
である。
【図7】 吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収容量の一例
を示す線図である。
【図8】 吸蔵還元型NOx触媒のNOx放出特性の一例
を示す図である。
【図9】 本発明に係る排気浄化装置の一実施の形態に
おける補正係数kの変化を示す図である。
【図10】 本発明に係る排気浄化装置の一実施の形態
において、排気ガス温とC1,C2,α,βとの関係を示
す線図である。
【図11】 排気ガス温Tのマップの一例を示す図であ
る。
【図12】 本発明に係る排気浄化装置の一実施の形態
におけるNOx放出制御手順を示すフローチャート(そ
の1)である。
【図13】 本発明に係る排気浄化装置の一実施の形態
におけるNOx放出制御手順を示すフローチャート(そ
の2)である。
【図14】 本発明に係る排気浄化装置の一実施の形態
における燃料噴射時間TAUの算出手順を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 ガソリンエンジン(内燃機関) 3 燃焼室 25 温度センサ 16 排気管(機関排気通路) 17 吸蔵還元型NOx触媒 30 ECU(触媒温度変化方向判定手段、放出時期補
正手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/04 305 F02D 41/04 305Z 45/00 ZAB 45/00 ZAB 312 312R

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流入する排気ガスの空燃比がリーンのと
    きにNOxを吸収し流入する排気ガスの酸素濃度が低下
    すると吸収したNOxを放出する吸蔵還元型NOx触媒を
    機関排気通路内に配置し、該吸蔵還元型NOx触媒に吸
    収されたNOx量が許容量を越えたときに吸蔵還元型N
    Ox触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにして吸
    蔵還元型NOx触媒からNOxを放出し還元する放出手段
    を備えた内燃機関の排気浄化装置において、 前記吸蔵還元型NOx触媒の触媒温度が、NOx吸収容量
    が最大となる触媒温度に接近する方向に変化しているか
    否かを判定する触媒温度変化方向判定手段と、 この触媒温度変化方向判定手段によって吸蔵還元型NO
    x触媒の触媒温度がNOx吸収容量が最大となる触媒温度
    に接近する方向に変化していると判定されたときに前記
    放出手段による排気ガスの空燃比をリッチにする時期を
    遅らせるように補正する放出時期補正手段と、を備えた
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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