JPH11343024A - 物品供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】多数の物品を、所定の位置、間隔、姿勢に揃え
て供給する作業が安定して行える物品供給装置を提供す
る。 【解決手段】搬送路上に配列した支持ローラを搬送方向
に回転して、支持ローラに形成した螺旋状の突起により
果菜物をセンタリングしながら搬送する。重合又は集合
した状態のまま搬送される果菜物を前後に分散し、果菜
物を１列に整列して搬送するので、仕分け用コンベアを
構成する受けローラの中央部載置面に対して果菜物を正
確且つ確実に移載することができ、多数の果菜物を、所
定の位置、間隔、姿勢に揃えて供給する作業が安定して
行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、蜜柑、
林檎、トマト、西瓜、梨、柿、桃、馬鈴薯のような果菜
物、或いは、テニス、サッカー、野球、卓球のような球
技用ボール等の略球形状を有する物品を供給する作業に
用いられる物品供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような果菜物を供給する
装置としては、例えば、図１２に示すように、Ｖ字型に
架設した分散ベルト３０，３０間に果菜物Ａ…を移載
し、分散ベルト３０，３０により果菜物Ａ…を前後に分
散しながら整列して整列ベルト３１に移載し、整列ベル
ト３１から仕分け用コンベア３３に果菜物Ａ…を移載す
る装置がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した果菜
物Ａの外周面に艶出し用のワックスが塗布されている場
合、果菜物Ａと分散ベルト３０の接触抵抗が大きく、果
菜物Ａを前後に分散したり、その載置位置を修正したり
することが困難である。分散ベルト３０又は整列ベルト
３１上に多数の果菜物Ａ…が停滞することがあり、その
供給間隔が不規則となるので、果菜物Ａの供給量を一定
に保つことができない。

【０００４】且つ、果菜物Ａをガイド板３２でセンタリ
ング（幅寄せ）すると、整列ベルト３１との接触抵抗に
より、果菜物Ａが傾斜したり、起立したりするので、そ
の位置及び姿勢を修正することが困難である。仕分け用
コンベア３３の載置面に対して偏心した状態又は起立し
た状態に載置されるため、果菜物Ａの表裏両面を、例え
ば、撮像用カメラ又はその他の検査手段により検査（撮
像）することが難しく、仕分け作業が正確に行えないと
いう問題点を有している。

【０００５】他の供給方法として、図１３に示すよう
に、搬送路下部に配設した振動発生機３４により分散コ
ンベア３５を振動させ、分散コンベア３５に載置された
果菜物Ａ…を前後に分散しながら整列コンベア３６に移
載し、整列コンベア３６から仕分け用コンベア３３に移
載する装置を用いた場合、果菜物Ａの大きさ、形状、種
類によって分散コンベア３５との接触面積が異なるた
め、接触面積が大きいと送り速度が速く、接触面積が小
さいと送り速度が遅くなり、果菜物Ａの供給量を一定に
保つことが困難であるという問題点を有している。

【０００６】この発明は上記問題に鑑み、搬送路上に配
列した支持ローラを回転して、該支持ローラに形成した
螺旋状の突起により物品を搬送路中央部に移動させなが
ら搬送するので、多数の果菜物を確実に整列及びセンタ
リングすることができ、所定の位置、間隔、姿勢に揃え
て供給する作業が安定して行える物品供給装置の提供を
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
物品を搬送する搬送路上に、該物品が搬送方向に対して
移送される方向に回転する支持ローラを配列し、上記支
持ローラの周面に、搬送路中央部に向けて物品が移送さ
れる方向に螺旋状の突起を形成した物品供給装置である
ことを特徴とする。

【０００８】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記支持ローラを、搬送方向に対して
逆ハ字形となる角度に配列した上記搬送路に配列した物
品供給装置であることを特徴とする。

【０００９】請求項３記載の発明は、上記請求項１又は
２記載の構成と併せて、上記搬送路の始端側に配列した
支持ローラに、鋭角に傾斜する突起を形成した物品供給
装置であることを特徴とする。

【００１０】請求項４記載の発明は、上記請求項１，２
又は３記載の構成と併せて、上記搬送路に配列した支持
ローラを、搬送方向に対して突起の傾斜が徐々に鈍角と
なるように配列した物品供給装置であることを特徴とす
る。

【００１１】請求項５記載の発明は、上記請求項１〜３
又は４記載の構成と併せて、上記支持ローラの突起を、
該支持ローラの内端側から外端側に向けてピッチが徐々
に大きくなるように形成した物品供給装置であることを
特徴とする。

【００１２】請求項６記載の発明は、上記請求項１〜４
又は５記載の構成と併せて、上記支持ローラの突起を、
該支持ローラの内端側から外端側に向けて外径が徐々に
大きくなるように形成した物品供給装置であることを特
徴とする。

【００１３】

【作用】請求項１記載の物品供給装置は、搬送路上に配
列した支持ローラを搬送方向に回転して、支持ローラに
形成した螺旋状の突起により物品を搬送路中央部に移動
（センタリング）させながら搬送して、物品を整列及び
センタリングするので、例えば、仕分け用コンベアの中
央部載置面に対して物品を１個ずつ正確且つ確実に移載
することができる。

【００１４】請求項２記載の物品供給装置は、上記請求
項１記載の作用と併せて、逆ハ字形に配列した支持ロー
ラと、そのローラに形成した突起の相乗作用により、物
品を振動及び揺動させながら搬送して、重合又は集合し
た状態のまま搬送される物品を前後に分散するので、物
品を確実に整列及びセンタリングすることができる。

【００１５】請求項３記載の物品供給装置は、上記請求
項１又は２記載の作用と併せて、鋭角に傾斜した突起を
始端側の支持ローラに形成することで、その支持ローラ
の回転力と、そのローラに形成した突起の相乗作用によ
り、搬送路中央部に向けて物品が積極的に移動される。

【００１６】請求項４記載の物品供給装置は、上記請求
項１，２又は３記載の作用と併せて、搬送路上の支持ロ
ーラを、搬送方向に対して突起の傾斜が徐々に鈍角とな
るように配列しているので、搬送方向の移送力が徐々に
増大し、幅方向の移送力が減衰するため、物品の横揺れ
が少なくなり、物品の位置及び姿勢が安定する。

【００１７】請求項５記載の物品供給装置は、上記請求
項１〜３又は４記載の作用と併せて、支持ローラの外端
側に形成した突起のピッチ（例えば送り間隔、送り角
度）が大きく、搬送路中央部に向けて移送力が積極的に
付与される。内端側に形成した突起のピッチが小さく、
センタリング方向に対して移送力が常時付与されるの
で、物品を整列及びセンタリングした状態に保持するこ
とができる。

【００１８】請求項６記載の物品供給装置は、上記請求
項１〜４又は５記載の作用と併せて、支持ローラの外端
側に形成した突起の外径が大きく、搬送路中央部に向け
て物品が積極的に移動される。外端側から内端側に向け
て突起の外周が傾斜しているので、物品の位置及び姿勢
が変位するのを防止することができる。

【００１９】

【発明の効果】この発明によれば、支持ローラに形成し
た螺旋状の突起により物品を搬送路中央部に移動させな
がら搬送するので、支持ローラの回転力と、そのローラ
に形成した突起の相乗作用により、重合又は集合した状
態のまま搬送される物品を前後に分散することができ、
物品を確実に整列及びセンタリングすることができる。
例えば、仕分け用コンベアの中央部載置面に対して物品
を１個ずつ正確且つ確実に移載することができ、多数の
物品を、所定の位置、間隔、姿勢に揃えて供給する作業
が安定して行える。

【００２０】しかも、従来例のベルトよりも支持ローラ
の方が接触抵抗が小さく、物品の位置及び姿勢を修正し
たり、センタリングしたりする作業が容易に行え、仕分
け用コンベアに対して偏心した状態又は重合した状態に
載置されたりするのを確実に防止することができ、物品
の供給作業が安定して行える。且つ、略楕円形状を有す
る物品が起立姿勢に載置されても、支持ローラの回転に
より横長姿勢に向き修正されるので、例えば、作業者の
目、撮像用カメラ等の検査手段により物品の表裏両面を
正確且つ確実に検査することができる。

【００２１】さらに、鋭角に傾斜した突起を始端側の支
持ローラに形成することで、搬送路中央部に向けて物品
が積極的に移動され、従来例のようにガイド板等との接
触により物品の搬送が妨げられたり、物品の位置及び姿
勢が変位したりするのを確実に防止することができ、物
品を確実に整列及びセンタリングすることができる。

【００２２】さらにまた、搬送路上の支持ローラを、搬
送方向に対して突起の傾斜が徐々に鈍角となるように配
列することで、搬送方向の移送力が徐々に増大し、幅方
向の移送力が減衰するため、物品の横揺れが少なくな
り、物品の位置及び姿勢を安定させることができる。

【００２３】さらにまた、突起のピッチ及び外径を内端
側から外端側に向けて大きくすることで、搬送路中央部
に向けて移送力が積極的に付与され、内端側に形成した
突起のピッチ及び外径が小さく、センタリング方向に対
して移送力が常時付与されるため、物品の位置及び姿勢
が変位するのを防止することができ、物品を整列及びセ
ンタリングした状態に保持することができる。

【００２４】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は物品の一例として、多数の果菜物を１個
ずつ整列して供給する作業に用いられる物品供給装置を
示し、図１に於いて、この物品供給装置１は、搬送路前
段に配設した荷受け用コンベア２と、搬送路後段に配設
した仕分け用コンベア３の間に配設され、荷受け用コン
ベア２から供給される多数の果菜物Ａを前後に分散させ
ながら搬送路中央部に整列（例えば１列にセンタリン
グ）して、仕分け用コンベア３を構成する受けローラ３
ａ…の中央部載置面に対して１個ずつ移載するものであ
る。

【００２５】上述した物品供給装置１は、図２、図３、
図４にも示すように、搬送路上に設定した領域ａ，ｂ，
ｃに、任意サイズ（例えば大、中、小）の果菜物Ａが載
置される前後間隔に隔てて支持ローラ６を搬送方向に対
して多数配列している。

【００２６】領域ａ，ｂ，ｃに配列した支持ローラ６
は、例えば合成樹脂、金属、木等の材質により中空又は
中実に形成され、搬送路中央部を中心として、ローラ周
面を内端側から外端側に向けて同一外径となる形状（例
えば円筒形状、円柱形状又はその他の類似する形状等）
に形成している。また、ローラ周面を内端側から外端側
に向けて大径となる形状（例えば円錐形）に形成しても
よい。

【００２７】支持ローラ６は、ローラ中心部に固定した
支軸７の基端部を、取付け枠５に固定した軸受部８によ
り回転可能に軸受し、支軸７の基端部に固定したプーリ
９と、搬送路の下部両側に軸架した回転軸１０の間に駆
動ベルト１１（例えば丸形ベルト、平ベルト等）を張架
（例えば８字形に交差して張架）している。

【００２８】始端側下部に配設した減速機付き駆動モー
タ１２は、スプロケット１３，１４及び駆動チェーン１
５を介して回転軸１０を同期回転すると共に、駆動ベル
ト１１を介して支軸７に回転力を伝達し、搬送路両側部
に配列した支持ローラ６を搬送方向に回転する。

【００２９】領域ａに配列した支持ローラ６は、図２に
示すように、回転軸１０の始端側軸周面に形成した大径
の軸部１０ａに駆動ベルト１１を張架して、搬送路中央
部に向けて果菜物Ａが移動（センタリング）される方向
に速く回転する。

【００３０】領域ｂ，ｃ及び領域ｃ始端部に配列した支
持ローラ６は、回転軸１０の中間部軸周面に形成した小
径の軸部１０ｂに駆動ベルト１１を張架して、後述する
ベルトコンベア４よりも若干速く又は同一速度で回転す
る。

【００３１】且つ、ローラ自体の回転力よりも大きな抵
抗が付与されたときスリップ可能に設けられており、例
えば、支持ローラ６と支軸７又は回転軸１０と駆動ベル
ト１１をスリップさせ、果菜物Ａの搬送速度を減速又は
搬送停止して、搬送路上に果菜物Ａを一時ストックす
る。

【００３２】領域ｃ終端部に配列した支持ローラ６は、
回転軸１０の終端側軸周面に形成した最大外径の軸部１
０ｃに駆動ベルト１１を張架して、終端部直前に配列し
た支持ローラ６の回転速度よりも速く回転する。支持ロ
ーラ６上に乗り移らせるとき、果菜物Ａを搬送方向に向
けて加速搬送し、搬送路中央部に整列された果菜物Ａを
前後等間隔に離間して仕分け用コンベア３の受けローラ
３ａ…間に１個ずつ移載する。

【００３３】なお、実施例では、回転軸１０に形成した
軸部１０ａ，１０ｂ，１０ｃの外径差により、支持ロー
ラ６の回転速度を可変調節するが、例えば、支持ローラ
６の支軸７に固定されるプーリ９の外径寸法を変更し
て、支持ローラ６の回転速度を可変設定してもよい。且
つ、領域ａ，ｃの支持ローラ６を同一速度で回転して
も、果菜物Ａをセンタリングする作用が得られる。

【００３４】他の回転方法として、搬送路の全長又は一
部に配列した支持ローラ６を、例えばスプロケット及び
チェーン、ギャを介したり、内蔵又は直結したモータ等
の回転手段により独立又は連動して回転駆動するもよ
く、また、支持ローラ６の下部周面に、例えばベルト、
ゴムローラ等の部材を圧接して回転してもよい。

【００３５】領域ａ，ｂ，ｃに配列した支持ローラ６…
は、搬送方向に対して逆ハ字形（例えば、搬送方向に対
して支持ローラ６の内端側を遅らせ、外端側を先行した
状態）となるように配列している。実施例では、長尺寸
法の支持ローラ６を搬送路一側部に配列し、短尺寸法の
支持ローラ６を搬送路他側部に配列しているが、同一寸
法の支持ローラ６を搬送路両側部に配列してもよい。

【００３６】且つ、領域ａ，ｂ，ｃの支持ローラ６を、
図５、図６に示すように、搬送方向に対して徐々に水平
角度（領域ａ，ｂ，ｃの順に緩やかとなる角度）が小さ
くなるように配列し、支持ローラ６上に載置された果菜
物Ａを搬送路中央部に向けて移動（センタリング）す
る。

【００３７】例えば、領域ａの支持ローラ６を、大きい
角度θ1 （例えば約１３度）に設定し、領域ｂの支持ロ
ーラ６を、角度θ1 よりも小さく、角度θ3 よりも大き
い角度θ2 （例えば約８度）に設定し、領域ｃの支持ロ
ーラ６を、上述した角度θ1よりも小さい角度θ3 （例
えば約３度）に設定している。なお、領域ａ，ｂ，ｃの
支持ローラ６を、任意の角度に変更してもよい。

【００３８】且つ、領域ａ，ｃ及び後述する領域ｂの支
持ローラ６は、搬送路中央部から搬送路両側部に向けて
徐々に高くなる傾斜角度θ4 （例えば約３度）に斜設
（図３参照）され、支持ローラ６上に載置された果菜物
Ａを搬送路中央部に向けて移動（センタリング）する。
なお、両側部の支持ローラ６を任意の傾斜角度θ4 に変
更してもよく、搬送方向に対して鋭角から鈍角となる角
度に設定してもよい。

【００３９】支持ローラ６の周面全長には、搬送路中央
部に向けて果菜物Ａが移送される方向及び角度に螺旋状
の突起６ａ（例えば１条）を連続して形成又は刻設して
いる。また、突起６ａを、ローラ周面に対して所定間隔
に隔てて部分的に形成してもよい。 領域ａ，ｂ，ｃ
に配列した支持ローラ６は、そのローラ周面に形成した
突起６ａの傾斜角度（軸方向に対する角度）が搬送方向
に対して鋭角から鈍角となる順に配列している。また、
領域ａ，ｂ，ｃに配列した支持ローラ６を、そのローラ
周面に形成した突起６ａの間隔が搬送方向に対して徐々
に狭くなる順に配列してもよい。 領域ａに配列した
支持ローラ６には、領域ｂ，ｃよりも鋭角となる突起６
ａを形成し、領域ｂに配列した支持ローラ６には、領域
ａよりも鈍角で、領域ｃよりも鋭角となる突起６ａを形
成し、領域ｃに配列した支持ローラ６には、領域ｂより
も鈍角となる突起６ａを形成している。なお、領域ａ，
ｂ，ｃに配列した支持ローラ６の突起６ａを、任意の角
度及び条数に変更してもよい。

【００４０】また、支持ローラ６の外周面に、例えば、
ローレット、凹凸等の接触抵抗を付与する部分を形成又
は付設したり、軟質樹脂、合成ゴム等の接触抵抗の大き
な部材でローラ周面を形成又は被覆してもよい。

【００４１】上述した支持ローラ６の他の例として、例
えば、図７に示すように、支持ローラ６の内端側から外
端側に向けて、突起６ａの間隔（ピッチ）が徐々に大き
くなるように形成してもよく、外端側に形成した突起６
ａの間隔が広く、内端側に向かうほど突起６ａの間隔が
狭くなるので、搬送路中央部（内端側）に向けて果菜物
Ａが積極的に移動され、センタリング方向に対して移送
力が常時付与されるため、果菜物Ａがセンタリング状態
（位置及び姿勢）に保持され、実施例と同等の作用効果
を奏することができる。

【００４２】また、図８に示すように、支持ローラ６の
内端側から外端側に向けて、突起６ａの外径を徐々に大
きくなるように形成（例えば円錐形状又はその他のテー
パ形状）してもよく、支持ローラ６の外端側から内端側
に向けて突起６ａが傾斜しているので、支持ローラ６の
回転力と、突起６ａの移送力に加えて、突起６ａの傾斜
により果菜物Ａが搬送路中央部に向けて積極的に移動さ
れる。突起６ａの小径側から大径側に向けて果菜物Ａが
移動しにくく、果菜物Ａがセンタリング状態に保持され
るので、上述例と同等の作用効果を奏することができ
る。

【００４３】さらに、図９に示すように、支持ローラ６
の内端側から外端側に向けて、突起６ａを鈍角から鋭角
となるように形成してもよく、外端側に形成した突起６
ａの角度が鋭角であり、内端側に向かうほど突起６ａの
角度が鈍角となるので、搬送路中央部に向けて果菜物Ａ
が積極的に移動され、果菜物Ａがセンタリング状態に保
持されるため、上述例と同等の作用効果を奏することが
できる。

【００４４】一方、図４に示すように、領域ｃ終端部に
配列した支持ローラ６に近接して、例えば菱形、球形、
楕円型等の任意形状に形成したガイドローラ１６…を幅
方向に複数個配列し、搬送方向に向けて徐々に低くなる
ように複数列配設している。

【００４５】ガイドローラ１６は、ローラ中心部に挿通
した支軸１７を、終端側両側部に架設した支持枠１８に
軸架し、搬送路中央部から搬送路両側部に向けて徐々に
高くなるように配列している。且つ、前後に配列したガ
イドローラ１６…を、仕分け用コンベア３を構成する受
けローラ３ａ…に対して果菜物Ａが移載ガイドされる角
度に斜設して、搬送路中央部に整列された果菜物Ａを、
受けローラ３ａ…の中央部に向けて移載ガイドする。

【００４６】搬送路の両側上部には、搬送路中央部に向
けて果菜物Ａが幅寄せガイドされる間隔及び角度に傾斜
して搬送ガイド１９を架設している。なお、搬送路の始
端側両側部のみに搬送ガイド１９を架設してもよく、ま
た、搬送ガイド１９を取り除いても、果菜物Ａをセンタ
リングすることができる。

【００４７】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下、物品供給装置１により多数の果菜物Ａ…を１
列に整列して供給する動作を説明する。先ず、図１、図
２に示すように、荷受け用コンベア２に放出された多数
の果菜物Ａを前後及び左右に分散しながら搬送し、物品
供給装置１を構成する支持ローラ６…に順次移載する。

【００４８】続いて、図３、図５にも示すように、領域
ａに配列した角度θ1 の大きい支持ローラ６の回転力
と、そのローラ周面に形成した螺旋状の突起６ａにより
果菜物Ａを搬送路中央部に向けて積極的に移動（センタ
リング）させ、果菜物Ａを振動及び揺動させながら搬送
し、重合又は集合した状態のまま搬送される果菜物Ａ…
を前後に分散する。

【００４９】領域ｂ，ｃに配列した支持ローラ６の回転
力と、そのローラ周面に形成した突起６ａにより果菜物
Ａを搬送路中央部に移動（センタリング）させながら搬
送し、左右の支持ローラ６…に載置された果菜物Ａを、
支持ローラ６…の周面に沿って搬送路中央部に向けて移
動する。

【００５０】領域ａ，ｂ，ｃに配列した支持ローラ６を
所定の角度θ4 に傾斜しているので、何れか一方の支持
ローラ６…に果菜物Ａが載置されたとき、そのローラ周
面に沿って果菜物Ａが搬送路中央部に移動され、支持ロ
ーラ６の回転及び傾斜と、そのローラ周面に形成した突
起６ａの相乗作用とにより果菜物Ａを確実にセンタリン
グすることができる。

【００５１】且つ、領域ａ，ｂ，ｃに配列した支持ロー
ラ６…を、領域ａ，ｂ，ｃの順に角度が鈍角となるよう
に配列しているので、搬送方向の移送力が徐々に増大
し、幅方向の移送力が減衰するため、果菜物Ａの横揺れ
が少なくなり、果菜物Ａの位置及び姿勢が安定する。

【００５２】領域ｂの支持ローラ６…に果菜物Ａが載置
されたとき、果菜物Ａとの接触抵抗により支持ローラ６
がスリップし、搬送路上に果菜物Ａが一時ストックされ
る。一時ストックされた果菜物Ａに、後続の果菜物Ａを
順次当接して、その当接時に付与される移送力により前
後の果菜物Ａ…を当接した状態のまま整列搬送し、供給
間隔が不規則になったり、供給量が変動したりするのを
防止する。

【００５３】次に、領域ｃの支持ローラ６…に載置され
た果菜物Ａ…を、仕分け用コンベア３の受けローラ３ａ
…に乗り移らせるとき、図４、図６にも示すように、領
域ｃ終端部に配列した支持ローラ６…により果菜物Ａを
加速搬送し、１列に整列した果菜物Ａ…を所定間隔に離
間する。

【００５４】且つ、終端部に配列したガイドローラ１６
…に沿って果菜物Ａをセンタリングした状態のまま移載
ガイドし、仕分け用コンベア３を構成する受けローラ３
ａ…の中央部に対して果菜物Ａを１個ずつ正確に移載す
るので、果菜物Ａの外周面にワックスが塗布されていて
も、ガイドローラ１６の接触抵抗が小さく、果菜物Ａが
停滞したり、移載が妨げられたりするのを確実に防止す
ることができ、果菜物Ａの移載作業が円滑に行える。

【００５５】受けローラ３ａ…の中央部載置面に果菜物
Ａを移載するので、果菜物Ａの表裏両面を、例えば、撮
像用カメラで撮像したり、作業者の目視検査する等の検
査手段により正確且つ確実に検査することができ、果菜
物Ａを等階級別に仕分けする作業が適確に行える。

【００５６】領域ｃ終端部に配列した支持ローラ６…
と、仕分け用コンベア３の始端側に周回移動される受け
ローラ３ａ…の間に姿勢保持ベルト２０（図２の仮想線
で示す）を張架して、果菜物Ａの上部周面に、姿勢保持
ベルト２０の弛ませた部分を押付けながら移載すること
で、移載時に於いて、果菜物Ａの位置、姿勢、間隔が変
位するのを確実に防止することができる。

【００５７】以上のように、支持ローラ６に形成した螺
旋状の突起６ａにより果菜物Ａを搬送路中央部に向けて
移動させながら搬送するので、支持ローラ６の回転力
と、そのローラに形成した突起６ａの相乗作用により、
重合又は集合した状態のまま搬送される果菜物Ａ…を前
後に分散することができ、果菜物Ａを確実に整列及びセ
ンタリングすることができる。

【００５８】且つ、領域ａ，ｂ，ｃに配列した支持ロー
ラ６を所定の角度θ4 に傾斜しているので、そのローラ
周面に沿って果菜物Ａが搬送路中央部に移動され、支持
ローラ６の回転及び傾斜と、そのローラに形成した突起
６ａの相乗作用により果菜物Ａを確実にセンタリングす
ることができる。仕分け用コンベア３を構成する受けロ
ーラ３ａ…の中央部載置面に対して果菜物Ａが１個ずつ
正確且つ確実に移載され、多数の果菜物Ａを、所定の位
置、間隔、姿勢に揃えて供給する作業が安定して行え
る。

【００５９】しかも、従来例のようなベルト３０，３１
よりも支持ローラ６の方が接触抵抗が小さく、果菜物Ａ
の位置及び姿勢を修正したり、センタリングしたりする
作業が容易に行え、仕分け用コンベア３の受けローラ３
ａ…に対して偏心した状態に果菜物Ａが載置されたり、
果菜物Ａが重合した状態のまま搬送されたりするのを確
実に防止することができ、果菜物Ａの供給作業が安定し
て行える。

【００６０】且つ、略楕円形状の果菜物Ａが起立姿勢に
載置されても、支持ローラ６の回転により横長姿勢に向
き修正されるので、例えば、作業者の目、撮像用カメラ
等の検査手段により果菜物Ａの表裏両面を正確且つ確実
に検査することができる。

【００６１】さらに、始端側の支持ローラ６及びそのロ
ーラに形成した突起６ａの角度を大きく、その部分の支
持ローラ６を速く回転することで、搬送路中央部に向け
て果菜物Ａが積極的に移動され、従来例のようにガイド
板等との接触により果菜物Ａの搬送が妨げられたり、果
菜物Ａの位置及び姿勢が変位したりするのを確実に防止
することができ、果菜物Ａを整列する作業及び分散する
作業が能率的に行え、供給能力の向上を図ることができ
る。

【００６２】さらにまた、領域ａ，ｂ，ｃに配列した支
持ローラ６の角度及びそのローラに形成した突起６ａの
傾斜が搬送方向に対して徐々に鈍角となるので、搬送方
向の移送力が徐々に増大し、幅方向の移送力が減衰する
ため、果菜物Ａの横揺れが少なくなり、仕分け用コンベ
ア３の受けローラ３ａ…に移載される果菜物Ａの位置及
び姿勢が安定する。

【００６３】上述した実施例では、搬送路両側部に配列
した支持ローラ６に突起６ａを形成しているが、例え
ば、図１０に示すように、水平に軸支した１本の支持ロ
ーラ６に、そのローラの中間部を中心として、螺旋状の
突起６ａを左右対称に形成してもよく、支持ローラ６の
回転力と、そのローラ周面に形成した突起６ａにより、
搬送路中央部と対応する支持ローラ６の中間部に向けて
果菜物Ａを積極的に移動するので、実施例のような角度
θ4 を付ける必要がなく、上述した実施例と同等の作用
効果を奏することができる。

【００６４】また、図１１に示すように、水平且つ平行
に軸支した一対の支持ローラ６に突起６ａを形成しても
よく、支持ローラ６の回転力と、そのローラ周面に形成
した突起６ａにより果菜物Ａを搬送路中央部に向けて移
動するので、実施例のような回転及び傾斜による相乗作
用が期待できなくても、螺旋状の突起６ａを形成するだ
けで、果菜物Ａを確実にセンタリングすることができ、
実施例と同等の作用効果を奏することができる。

【００６５】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の物品は、実施例の果菜物Ａに対応
するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定さ
れるものではない。

【００６６】上述した実施例では、同一外径に形成した
支持ローラ６を配列しているが、例えば、任意の外径
（例えば大、中、小）に形成した支持ローラ６を、搬送
方向に対して外径が小さくなる順に配列又は交互に配列
してもよく、上述した実施例と同等の作用効果を奏する
ことができる。

【００６７】また、搬送路の全長又は一部に配列した支
持ローラ６の角度θ1 〜θ4 を、任意の角度に変更して
もよい。

【００６８】さらにまた、仕分け用コンベア３を構成す
る受けローラ３ａ…に代えて、例えば、例えば、鍵盤状
に配列した受け板或いはバケット、カップ、トレー等の
載置部に移載してもよく、実施例のような用途のみに限
定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 物品供給装置による果菜物の供給動作を示す
平面図。

【図２】 物品供給装置による果菜物の供給動作を示す
側面図。

【図３】 支持ローラの取付け状態を示す正面図。

【図４】 支持ローラ及び受けローラの配置状態を示す
正面図。

【図５】 始端側に配列した支持ローラの取付け状態を
示す平面図。

【図６】 終端側に配列した支持ローラの取付け状態を
示す平面図。

【図７】 突起の間隔を変更した他の例を示す正面図。

【図８】 突起の外径を変更したその他の例を示す正面
図。

【図９】 突起の傾斜を変更したその他の例を示す正面
図。

【図１０】 １本の支持ローラに突起を形成したその他
の例を示す正面図。

【図１１】 一対の支持ローラを水平に配設したその他
の例を示す正面図。

【図１２】 第１従来例の供給装置による供給動作を示
す平面図。

【図１３】 第２従来例の供給装置による供給動作を示
す側面図。

【符号の説明】

Ａ…果菜物 １…物品供給装置 ２…荷受け用コンベア ３…仕分け用コンベア ３ａ…受けローラ ６…支持ローラ ６ａ…突起 ７…支軸 ９…プーリ １０…回転軸 １１…駆動ベルト １２…駆動モータ １３，１４…スプロケット １５…駆動チェーン １６…ガイドローラ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】物品を搬送する搬送路上に、該物品が搬送
   方向に対して移送される方向に回転する支持ローラを配
   列し、上記支持ローラの周面に、搬送路中央部に向けて
   物品が移送される方向に螺旋状の突起を形成した物品供
   給装置。
2. 【請求項２】上記搬送路に配列した支持ローラを、搬送
   方向に対して逆ハ字形となる角度に配列した請求項１記
   載の物品供給装置。
3. 【請求項３】上記搬送路の始端側に配列した支持ローラ
   に、鋭角に傾斜する突起を形成した請求項１又は２記載
   の物品供給装置。
4. 【請求項４】上記搬送路に配列した支持ローラを、搬送
   方向に対して突起の傾斜が徐々に鈍角となるように配列
   した請求項１，２又は３記載の物品供給装置。
5. 【請求項５】上記支持ローラの突起を、該支持ローラの
   内端側から外端側に向けてピッチが大きくなるように形
   成した請求項１〜３又は４記載の物品供給装置。
6. 【請求項６】上記支持ローラの突起を、該支持ローラの
   内端側から外端側に向けて外径が大きくなるように形成
   した請求項１〜４又は５記載の物品供給装置。