JPH11342821A - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

車両用乗員保護装置

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JPH11342821A
JPH11342821A JP10154010A JP15401098A JPH11342821A JP H11342821 A JPH11342821 A JP H11342821A JP 10154010 A JP10154010 A JP 10154010A JP 15401098 A JP15401098 A JP 15401098A JP H11342821 A JPH11342821 A JP H11342821A
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Haruhisa Kore
治久 是
Naoki Okano
直樹 岡野
Hiroki Kamimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乗員の状態を検出する手段を設け、この乗員状
態検出手段で検出された乗員状態に対応して後突予測時
または後突時に展開されるエアバッグの展開状態を変更
すべく構成することで、乗員の状態に応じたエアバッグ
展開状態を確保することができ、乗員の頸椎への負担発
生を充分かつ未然に防止することができる車両用乗員保
護装置の提供を目的とする。 【解決手段】後突を予測または検出するセンサと、上記
センサの後突予測時または後突検出時に乗員Aの頸部付
近にエアバッグ12を展開させる制御手段とを備えた車
両用乗員保護装置であって、乗員Aの状態を検出する乗
員状態検出手段14を設け、上記乗員状態検出手段14
で検出された乗員状態に対応して上記エアバッグ12の
展開状態を変更するエアバッグ展開状態変更手段を備え
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、後突(追突)を
予測または検出するセンサと、このセンサの後突予測時
または後突検出時に乗員の頸部付近にエアバッグを展開
あるいはヘッドレストを前方移動させる制御手段とを備
えて、乗員を保護するような車両用乗員保護装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例の車両用乗員保護装置とし
ては、例えば特開平7−137592号公報、特開平1
0−6907号公報、特開平10−973号公報、特開
平10−6832号公報に記載の装置がある。上述の特
開平7−137592号公報に記載の装置は、シートバ
ックに設けられたヘッドレストの内部にエアバッグ装置
ユニットを内設し、加速度センサ(いわゆるGセンサ)
で後突を検出した時、インフレータを介して上記エアバ
ッグ装置ユニットの袋体としてのエアバッグを真っ直ぐ
に前方へ向けて展開し、乗員の頭部および頸部を衝撃力
から保護すべく構成したものである。また上述の特開平
10−6907号公報に記載の装置は、ヘッドレストに
設けられたエアバッグケース内にインフレータおよび袋
体としてのエアバッグを内設し、後突時に上述のインフ
レータを作動させてエアバッグを乗員の後頭部方向に向
けて真っ直ぐに前方へ向けて展開し、この時、上述のエ
アバッグケース前面の上カバーおよび下カバーがヒンジ
部を支点として上下に開放し、展開したエアバッグにて
乗員の頭部と頸部に加わる衝撃を効果的に吸収すべく構
成したものである。さらに上述の特開平10−973号
公報に記載の装置は、シートバック内に設けられた側面
視L字状のヘッドレストサポートの上端部にヘッドレス
トを取付ける一方、上述のヘッドレストサポートをシー
トバックフレームの上端部に対して揺動可能に配設し、
さらにヘッドレストサポートのベルトガイド部とシート
バックフレームの下端部との間には受圧ベルトを張架
し、後突時において乗員の後方向きの慣性力による衝撃
力で、受圧ベルトが後方に移動することにより、ベルト
ガイド部が後方に移動させられ、これに伴ってヘッドレ
ストサポートを介してヘッドレストを前方に移動すべく
構成し、乗員を保護するように成したものである。さら
にまた、上述の特開平10−6832号公報に記載の装
置は、シートバックの内部に上体荷重受けフレームを配
設し、このフレームに対してリンク機構を取付け、この
リンク機構の上端部にヘッドレストを取付けて、後突時
においてシートに着座した乗員の後方向きの慣性力によ
る衝撃力で、上体荷重受けフレームが車両後方へ移動
し、リンク機構を介して上述のヘッドレストを車両前方
の斜め上方に向けてスライドし、乗員頭部を保護すべく
構成したものである。しかし、これらの各従来装置にあ
っては乗員の状態を検出する技術手段を備えておらず、
乗員状態に対応してエアバッグの展開状態またはヘッド
レストの移動状態を変更するものではない以上、エアバ
ッグまたはヘッドレストの乗員状態に対応した良好なス
マート制御が困難で、後突時における乗員頸部への負担
発生を充分に防止することができない問題点があった。
ここで、上述の頸部への負担は次のようなメカニズムで
発生するものと推考される。つまり、後突時において乗
員の頭部は慣性で止ろうとする一方、乗員の胸椎はシー
トバック上部で押されて前進しながら直線化し、また乗
員の体幹はシートバックに沿ってずり上がるので、乗員
の頸部に負担が発生するものと推考される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、乗員の状態を検出する手段を設け、この乗
員状態検出手段で検出された乗員状態に対応して後突予
測時または後突時に展開されるエアバッグの展開状態を
変更すべく構成することで、乗員の状態に応じたエアバ
ッグ展開状態を確保することができ、乗員の頸椎への負
担発生を充分かつ未然に防止することができる車両用乗
員保護装置の提供を目的とする。
【0004】この発明の請求項2記載の発明は、乗員の
状態を検出する手段を設け、この乗員状態検出手段で検
出された乗員状態に対応して後突予測時または後突時に
前方移動されるヘッドレストの移動状態を変更すべく構
成することで、乗員の状態に応じたヘッドレスト移動状
態を確保することができ、乗員の頸椎への負担発生を充
分かつ未然に防止することができる車両用乗員保護装置
の提供を目的とする。
【0005】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の目的と併せて、上述の乗員
状態検出手段で乗員の身長を検出することで、乗員の身
長の高低に対応したエアバッグ展開状態またはヘッドレ
スト移動状態を確保することができる車両用乗員保護装
置の提供を目的とする。
【0006】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項3記載の発明の目的と併せて、上述の乗員状態検出
手段で車両のルーフ面と乗員との離間距離を検出するこ
とで、該乗員状態検出手段による身長検出性の向上を図
ることができる車両用乗員保護装置の提供を目的とす
る。
【0007】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項3記載の発明の目的と併せて、上述の乗員状態検出
手段でルーフ面と乗員の身長の最高点までの離間距離を
検出することで、乗員の座高を容易に求めることがで
き、また身長の最高点から所定距離下方にエアバッグを
展開または所定距離下方の頸部付近にヘッドレストを移
動させることで、これらエアバッグまたはヘッドレスト
を乗員頸部位置に応じてさらに良好に作動させることが
できる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0008】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項3記載の発明の目的と併せて、上述の乗員状態検出
手段で検出された乗員の身長を均等割して、頸部位置を
検出することで、乗員の頸部位置検出(割り出し)が極
めて容易となり、また検出された頸部位置付近にエアバ
ッグを展開またはヘッドレストを移動させることで、乗
員の頸椎への負担発生をより一層良好に未然防止するこ
とができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項7記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の目的と併せて、上述のヘッ
ドレストの高さを常時乗員の頭部の高さに符合させるこ
とで、後突時および通常時において乗員の頭部支持を適
切に行なうことができる車両用乗員保護装置の提供を目
的とする。
【0010】この発明の請求項8記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の目的と併せて、上述のエア
バッグ展開状態の変更またはヘッドレスト移動状態の変
更制御を、後突時が予測または検出されてから開始する
ことで、通常時(非衝突時)には上述の変更制御を規制
して制御の簡素化を達成すると共に、乗員に対して違和
感を与えることもない車両用乗員保護装置の提供を目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、後突を予測または検出するセンサと、上記セ
ンサの後突予測時または後突検出時に乗員の頸部付近に
エアバッグを展開させる制御手段とを備えた車両用乗員
保護装置であって、乗員の状態を検出する乗員状態検出
手段を設け、上記乗員状態検出手段で検出された乗員状
態に対応して上記エアバッグの展開状態を変更するエア
バッグ展開状態変更手段を備えた車両用乗員保護装置で
あることを特徴とする。
【0012】この発明の請求項2記載の発明は、後突を
予測または検出するセンサと、上記センサの後突予測時
または後突検出時に乗員の頸部付近にヘッドレストを前
方移動させる制御手段とを備えた車両用乗員保護装置で
あって、乗員の状態を検出する乗員状態検出手段を設
け、上記乗員状態検出手段で検出された乗員状態に対応
して上記ヘッドレストの移動状態を変更するヘッドレス
ト移動状態変更手段を備えた車両用乗員保護装置である
ことを特徴とする。
【0013】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の構成と併せて、上記乗員状
態検出手段は乗員の身長を検出する車両用乗員保護装置
であることを特徴とする。
【0014】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項3記載の発明の構成と併せて、上記乗員状態検出手
段はルーフ面と乗員との離間距離を検出する車両用乗員
保護装置であることを特徴とする。
【0015】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項3記載の発明の構成と併せて、上記乗員状態検出手
段はルーフ面と乗員の身長の最高点までの離間距離を検
出し、上記身長の最高点から所定距離下方にエアバッグ
を展開または所定距離下方の頸部付近にヘッドレストを
移動させる車両用乗員保護装置であることを特徴とす
る。
【0016】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項3記載の発明の構成と併せて、上記乗員状態検出手
段で検出された乗員の身長を均等割りして、頸部位置を
検出し、検出された頸部位置付近にエアバッグを展開ま
たはヘッドレストを移動させる車両用乗員保護装置であ
ることを特徴とする。
【0017】この発明の請求項7記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の構成と併せて、上記ヘッド
レストの高さを常時乗員の頭部の高さに符合させるヘッ
ドレスト高さ調整手段が設けられた車両用乗員保護装置
であることを特徴とする。
【0018】この発明の請求項8記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の構成と併せて、上記エアバ
ッグ展開状態変更手段または上記ヘッド移動状態変更手
段による変更制御は、後突を予測または検出してから開
始される車両用乗員保護装置であることを特徴とする。
【0019】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、上述のセンサ(予測センサまたはGセンサ)は
後突を予測または検出し、上述の制御手段はセンサの後
突予測時または後突検出時に乗員の頸部付近にエアバッ
グを展開させるが、上述のエアバッグ展開状態変更手段
は乗員状態検出手段で検出された乗員状態に対応して上
述のエアバッグの展開状態を変更する。この結果、乗員
の状態に応じたエアバッグの展開状態を確保することが
できて、乗員の頸椎への負担発生を充分かつ未然に防止
することができる効果がある。
【0020】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上述のセンサ(予測センサまたはGセンサまたはGセン
サ)は後突を予測または検出し、上述の制御手段はセン
サの後突予測時または後突検出時に乗員の頸部付近にヘ
ッドレストを前方移動させるが、上述のヘッドレスト移
動状態変更手段は乗員状態検出手段で検出された乗員状
態に対応して上述のヘッドレストの移動状態を変更す
る。この結果、乗員の状態に応じたヘッドレスト移動状
態を確保することができて、乗員の頸椎への負担発生を
充分かつ未然に防止することができる効果がある。
【0021】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項1または2記載の発明の効果と併せて、上述
の乗員状態検出手段は乗員の身長を検出するので、乗員
の身長との高低に応じたエアバッグ展開状態またはヘッ
ドレスト移動状態を確保することができる効果がある。
【0022】この発明の請求項4記載の発明によれば、
上記請求項3記載の発明の効果と併せて、上述の乗員状
態検出手段で車両のルーフ面と乗員との離間距離を検出
するので、この検出手段による身長検出性の向上を図る
ことができ、身長を測定しやすい効果がある。
【0023】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項3記載の発明の効果と併せて、上述の乗員状
態検出手段でルーフ面と乗員の身長を最高点までの離間
距離を検出するので、乗員の座高を容易に求めることが
でき、また身長の最高点から所定距離下方にエアバッグ
を展開または所定距離下方の頸部付近にヘッドレストを
移動させるので、これらエアバッグまたはヘッドレスト
を乗員頸部位置に応じてさらに良好に作動させることが
できる効果がある。
【0024】この発明の請求項6記載の発明によれば、
上記請求項3記載の発明の効果と併せて、上述の乗員状
態検出手段で検出された乗員の身長を均等割りして、頸
部位置を検出するので、乗員の頸部位置検出(割り出し)
が極めて容易となり、また検出された頸部位置付近にエ
アバッグを展開またはヘッドレストを移動させるので、
乗員の頸椎への負担発生をより一層良好に未然防止する
ことができる効果がある。
【0025】この発明の請求項7記載の発明によれば、
上記請求項1または2記載の発明の効果と併せて、上述
のヘッドレスト高さ調整手段がヘッドレストの高さを常
時乗員の頭部の高さに符合させるので、後突時および通
常時において乗員の頭部支持を適切に行なうことができ
る効果がある。
【0026】この発明の請求項8記載の発明によれば、
上記請求項1または2記載の発明の効果と併せて、上述
のエアバッグ展開状態変更手段またはヘッドレスト移動
状態変更手段による変更制御は、後突を予測または検出
してから開始されるので、通常時(非衝突時)には上述の
変更制御を規制して制御の簡素化を達成することができ
ると共に、乗員に対して違和感を与えることもない効果
がある。
【0027】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は車両用乗員保護装置を示し、図1におい
てシートクッション1と、シートバック2と、ヘッドレ
スト3とを備えたシート4を設け、このシート4に着座
した乗員Aを、タング5をバックル6に係入させた時、
ショルダベルト7およびラップベルト8から成る3点式
シートベルト装置にて拘束すべく構成している。
【0028】上述のショルダベルト7、ラップベルト8
(以下、単にこれら両者をシートベルトと略記する)の一
方または双方は車体に内設されたプリテンショナ(図示
せず)に連結され、必要時にシートベルト7,8に張力
を付与すべく構成している。
【0029】また上述のシートバック2はシートバック
角度駆動モータ(図示せず)によりシートクッション1に
対して傾動可能に構成されており、リクライニング支点
9を中心として起伏する。
【0030】さらに上述のシートバック2内の上方前部
にはエアバッグ装置10を内蔵し、インフレータ11の
作動時にはシートバック2の表皮縫目部を介してエアバ
ッグ12を図1に仮想線で示すように乗員Aの頸部から
後頭部にかけて展開して、乗員Aの頸部乃至後頭部を保
護すべく構成している。
【0031】上述のエアバッグ12はその展開時におい
て乗員Aの頸部に当接する第1の当接部12aと、乗員
の後頭部に当接する第2の当接部12bとを有し、シー
トバック2から上方に向けて展開(つまり頸椎を延ばす
方向に展開)され、これらの両当接部12a,12bに
て乗員Aの頸部および後頭部を一体的に保護するように
構成されている。
【0032】一方、車両の天井を構成するルーフにおけ
る車室側の面13(以下単にルーフ面と略記する)には乗
員の状態を検出する乗員状態検出手段の一例として超音
波センサより成るルーフセンサ14を取付け、このルー
フセンサ14でルーフ面13と乗員Aの身長の最高点ま
での離間距離L1を検出すべく構成している。
【0033】ここで、上述のルーフ面13とシート4に
おけるシートクッション1の着座面1aとの間を距離L
3は予め認識されているので、この既知数としての距離
L3から検出値としての距離L1を減算すると、乗員A
の座高(L3−L1)を求めることができる。
【0034】さらに、上述のヘッドレスト3には、この
ヘッドレスト3の前面と乗員の後頭部までの水平離間距
離を検出する第1センサS1と、ヘッドレスト3の上面
とルーフ面13までの垂直離間距離または乗員頭部検出
用の第2センサS2とを取付けている。これら第1およ
び第2の各センサS1,S2は超音波センサにより構成
することができる。
【0035】ところで、上述のヘッドレスト3は、シー
トバック2に内蔵された機構により上下方向および前後
方向に移動可能に構成されているので、図2および図3
を参照して該機構の具体的構成について説明する。
【0036】シートバック2のフレーム(図示せず)に固
定された左右一対のレール15,15にガイド部材1
6,16を介して前後方向に移動可能なスライドベース
17を設ける一方、上述のレール15,15の上方対応
位置に固定された左右一対のガイドフレーム18,18
にはワイヤ19,19にて牽引駆動されるスライダ2
0,20を設けている。
【0037】上述のスライダ20,20とその下方のス
ライドベース17との間には軸受を介して合計2本のス
クリュ21,21を立設し、左右のスクリュ21,21
間にはヘッドレストベースフレーム22を張架してい
る。すなわち、このヘッドレストベースフレーム22は
その左右にガイド筒23,23を有し、これらの各ガイ
ド筒23,23の内部に形成されたネジ孔を上述のスク
リュ21,21に螺合させ、スクリュ21,21の回転
時にヘッドレストベースフレーム22を昇降移動すべく
構成している。
【0038】また上述のヘッドレストフレーム22には
ヘッドレストポール24を介してヘッドレスト3を取付
けている。
【0039】さらに上述のスライドベース17に取付け
た両軸タイプの昇降モータ25を設け、このモータ25
の回転軸には原動ベベルギヤ26,26を嵌合する一
方、合計2本のスクリュ21,21の対応位置には従動
ベベルギヤ27,27を嵌合して、これら原動ベベルギ
ヤ26と従動ベベルギヤ27とを常時噛合させ、昇降モ
ータ25の駆動時に各要素26,27,21,23,2
2,24を介してヘッドレスト3を上下方向に移動すべ
く構成している。つまり、これらの各要素25,26,
27,21,23,22にてヘッドレスト3の上下方向
移動機構28(図4参照)を構成している。
【0040】一方、上述のスライドベース17にはモー
タ取付けブラケット29を立設し、このブラケット29
には移動モータ30を取付けている。この移動モータ3
0はその回転軸にワイヤ19巻回用のプーリ(図示せず)
を有し、このプーリを前後に案内部材31a,31bを
もったプーリカバー31で離間囲繞している。
【0041】前述のガイドフレーム18側にはその前後
にプーリ32,33を軸架し、これら各プーリ32,3
3に巻回され、かつ各プーリ32,33に張架されたワ
イヤ19をスライダ20の係止部20aに係止させると
共に、前部のプーリ32から導出されたワイヤ19を前
側の案内部材31aからプーリカバー31内に導入して
移動モータ30で駆動させるプーリ(図示せず)に巻回
し、このプーリに巻回されたワイヤ19をプーリカバー
31から後側の案内部材31bを介して導出し、ガイド
フレーム18側の後部のプーリ33から導出されたワイ
ヤ19と一体連結している。
【0042】而して、移動モータ30の駆動時にワイヤ
19を牽引し、スライダ20および各要素21,23,
22,24を介してヘッドレスト3を前後方向に移動す
べく構成している。つまり上述の各要素30,19,2
0にてヘッドレスト3の前後方向移動機構34(図4参
照)を構成している。
【0043】ここで、上述のヘッドレスト3の前後方向
移動時にはガイド部材16およびスライドベース17よ
りも上方の各要素20〜31が下側のレール15と上側
のガイドフレーム18とで案内されつつ、一体的に前後
動する。
【0044】さらに上述のガイドフレーム18の対向面
間にはエアバッグ装置10を支持する支持フレーム35
が張架され、この支持フレーム35にエアバッグ装置1
0が取付けられている。なお、図1において36はステ
アリングホイールである。
【0045】図4は車両用乗員保護装置の制御回路を示
し、CPU40は予測センサ37、ルーフセンサ14、
第1センサS1、第2センサS2からの信号入力に基づ
いて、ROM38に格納されたプログラムに従って、前
後方向移動機構34の移動モータ30、上下方向移動機
構28の昇降モータ25、インフレータドライバ39を
駆動制御し、またRAM41は乗員Aの身長が低くすぎ
る場合にF=1となるフラグ(図9参照)、前述の既知数
L3に相当するデータやその他の必要なデータおよびマ
ップを記憶する。
【0046】ここで、上述の予測センサ37は超音波を
用いて自車両と後突の可能性がある他車両との間の相対
距離や相対速度を計測して、後突を予測するが、この予
測センサ37を用いて後突を予測する構成に代えて、加
速度センサ(いわゆるGセンサ)を用いて後突を検出すべ
く構成してもよい。
【0047】また上述のCPU40は予測センサ37の
予測時に乗員Aの頸部付近にエアバッグ12を展開また
は乗員Aの頸部付近にヘッドレスト3を前方移動させる
制御手段である。しかも、上述のCPU40は乗員状態
検出手段としてのルーフセンサ14で検出された乗員状
態に対応して上述のエアバッグ12の展開状態を変更す
るエアバッグ12の展開状態を変更するエアバッグ展開
状態変更手段(図9に示すフローチャートの第5ステッ
プP5参照)と、ルーフセンサ14および第1センサS
1で検出された乗員状態に対応して上述のヘッドレスト
3の移動状態を変更するヘッドレスト移動状態変更手段
(図9に示すフローチャートの第5ステップP5参照、
この実施例では該第5ステップP5がヘッドレスト移動
状態変更手段と、上述のエアバッグ展開状態変更手段と
を兼ねる)と、ルーフセンサ14からの出力に基づいて
乗員Aの身長(座高=L3−L1)を検出する身長検出手
段(図10に示すサブルーチンの第1ステップQ1参照)
と、検出された身長(座高)を均等割りして、所定比率の
高さを頸部位置に設定し、この位置をエアバッグ12の
展開部位またはヘッドレスト3の移動部位に設定する設
定手段(図10に示すサブルーチンの第2ステップQ2
参照)と、を兼ねる。
【0048】このように構成した車両用乗員保護装置の
作用を以下に詳述する。なお、この実施例においては乗
員Aがシート4に着座したことを、シートクッション1
に内蔵した体重センサ(感圧センサ)で検出した時、予め
ヘッドレスト3の高さを乗員Aの頭部に符合させるの
で、エアバッグ12の展開制御およびヘッドレスト3の
前方移動制御の説明に先立って、まずヘッドレスト3の
高さ制御について述べる上述の体重センサ(図示せず)の
乗員着座信号がCPU40に入力されると、CPU40
はルーフセンサ14を駆動して、ルーフ面13と乗員A
の身長の最高点との間の距離L1を検出すると共に、第
2センサS2を駆動して、ルーフ面13とヘッドレスト
3の頂面との間の距離L2を検出し、これらの各距離L
1,L2が等しくなるように上下方向移動機構28の昇
降モータ25を正逆駆動して、ヘッドレスト3の高さを
乗員Aの頭部高さに符合させる。
【0049】ヘッドレスト3の高さを乗員Aの頭部高さ
に符合させる方法は、上記の方法に代えて、図5〜図8
に示すような方法であってもよい。すなわち超音波セン
サより成る第2センサS2を用いて、図5に示す如く所
定距離内に乗員Aの頭部を検出した時には、昇降モータ
25および上下方向移動機構28を介してヘッドレスト
3を上下移動させ、図6に示すように所定距離内で第2
センサS2が乗員Aの頭部を検出しなくなった時点で、
ヘッドレスト3の上方移動を停止する。
【0050】また図7に示すように所定距離内で第2セ
ンサS2が乗員Aの頭部を検出できない時には、昇降モ
ータ25および上下方向移動機構28を介してヘッドレ
スト3を下方移動させ、図8に示す如く所定距離内で第
2センサS2が乗員Aの頭部を検出した時点にて、ヘッ
ドレスト3の下方移動を停止する。このような方法であ
っても図1で示したヘッドレスト高さ自動調整方法と同
様にして、ヘッドレスト3の高さを乗員Aの頭部高さに
符合させることができる。
【0051】次に図9に示すフローチャート(メインル
ーチン)と図10に示すフローチャート(サブルーチン)
とを参照して、エアバッグ12の展開制御およびヘッド
レスト3の前方移動制御について詳述する。
【0052】まず、図9に示すフローチャートを参照し
て、エアバッグ12およびヘッドレスト3の作動制御処
理について述べる。第1ステップP1で、CPU40は
予測センサ37による検出を実行し、次の第2ステップ
P2で、CPU40は予測センサ37の出力に基づいて
衝突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否か
を判定し、NO判定時には第3ステップP3に移行する
一方、YES判定時には第4ステップP4に移行する。
【0053】上述の第3ステップP3で、CPU40は
各種機器(例えばシートバック2、シートベルト7,8
等)が作動されていれば、これらを違和感のないように
ゆっくりと元に戻す。
【0054】一方、上述の第4ステップP4で、CPU
40は後突の予測に対応してルーフセンサ14を駆動し
て、乗員状態を検出する。つまり、この場合はルーフ面
13とシート4に着座した乗員Aの身長の最高点との間
の距離L1を検出する。
【0055】次に第5ステップP5で、CPU40はエ
アバッグ12の展開態様(展開方向、展開強度など)およ
びヘッドレスト3の前方移動態様(移動量など)を算出す
るが、この第5ステップP5の具体的処理内容について
は図10に示すサブルーチンを参照して後述する。
【0056】次に第6ステップP6で、CPU40はフ
ラグがF=1か否かを判定する。このフラグFは図10
に示すサブルーチンの第3ステップQ3において乗員の
身長が低くすぎる時(乗員が着座していない場合を含む)
にF=1となり、それ以外の時にF=0となる判定用フ
ラグである。
【0057】而して上述の第6ステップP6でF=1に
対応してYES判定されると第8ステップP8に移行す
る一方、F=0に対応してNO判定されると次の第7ス
テップP7に移行する。
【0058】この第7ステップP7で、CPU40は第
5ステップP5で算出された展開態様に応じてエアバッ
グ12を、シートバック2から上方に向けて展開すると
共に、前方移動態様に応じてヘッドレスト3を前方移動
させる。一方、上述の第8ステップP8では、乗員Aの
身長が低くすぎること、またはシート4上に乗員Aが存
在しないことに対応して、CPU40はエアバッグ12
の展開を禁止する。
【0059】次に図10に示すフローチャート(サブル
ーチン)を参照して乗員の頸部位置設定処理について述
べる。第1ステップQ1で、CPU40はルーフ面13
とシートクッション1の着座面1aとの間の距離L3
(既知数)からルーフセンサ14による検出距離L1を減
算(L3−L1)して、乗員Aの身長(座高)を検出(演算)
する。
【0060】次に第2ステップQ2で、CPU40は上
述の座高(L3−L1)を均等割りして、所定比率の高さ
を乗員Aの頸部位置に設定し、この設定された頸部位置
をエアバッグ展開部位またはヘッドレスト移動部位とす
る。この場合、第1センサS1でヘッドレスト3の前面
と乗員Aの後頭部との間に距離を計測して、この距離を
ヘッドレスト前方移動量と成してもよい。
【0061】次に第3ステップQ3で、CPU40は検
出された乗員Aの身長(座高)と、予めRAM41に記憶
させておいた判定値とを比較して、身長が低くすぎる時
(乗員が着座していない場合を含む)にはフラグをF=1
とし、それ以外の時にはフラグをF=0とする。この図
10に示すサブルーチンでの処理内容が図9に示すメイ
ンルーチンに反映される。
【0062】このように図1〜図10に示す実指例(請
求項1,2,3,4,5,6,8に相当する実施例)に
よれば、上述のセンサ(予測センサ37参照)は後突を予
測し、上述の制御手段(CPU40参照)は予測センサ3
7の後突予測時に乗員Aの頸部付近にエアバッグ12を
展開させるが、上述のエアバッグ展開状態変更手段(第
5ステップP5参照)は乗員状態検出手段(ルーフセンサ
14参照)で検出された乗員状態に対応して上述のエア
バッグ12の展開状態を変更する。この結果、乗員の状
態に応じたエアバッグの展開状態を確保することができ
て、乗員Aの頸椎への負担発生を充分かつ未然に防止す
ることができる効果がある。
【0063】また、上述のセンサ(予測センサ37参照)
は後突を予測し、上述の制御手段(CPU40参照)は予
測センサ37の後突予測時に乗員Aの頸部付近にヘッド
レスト3を前方移動させるが、上述のヘッドレスト移動
状態変更手段(第5ステップP5参照)は乗員状態検出手
段(ルーフセンサ14または第1センサS1参照)で検出
された乗員状態に対応して上述のヘッドレスト3の移動
状態を変更する。
【0064】この結果、乗員Aの状態に応じたヘッドレ
スト移動状態を確保することができて、乗員Aの頸椎へ
の負担発生を充分かつ未然に防止することができる効果
がある。
【0065】しかも、上述の乗員状態検出手段(ルーフ
センサ14参照)は乗員Aの身長を検出するので、乗員
Aの身長の高低に応じたエアバッグ展開状態またはヘッ
ドレスト移動状態を確保することができる効果がある。
【0066】また、上述の乗員状態検出手段(ルーフセ
ンサ14参照)で車両のルーフ面13と乗員Aとの離間
距離を検出するので、この検出手段(ルーフセンサ14
参照)による身長検出性の向上を図ることができ、身長
を測定しやすい効果がある。
【0067】さらに、上述の乗員状態検出手段(ルーフ
センサ14参照)でルーフ面13と乗員Aの身長を最高
点までの離間距離L1を検出するので、乗員Aの座高を
容易に求めることができ、また身長の最高点から所定距
離下方にエアバッグ12を展開または所定距離下方の頸
部付近にヘッドレスト3を移動させるので、これらエア
バッグ12またはヘッドレスト3を乗員頸部位置に応じ
てさらに良好に作動させることができる効果がある。
【0068】加えて、上述の乗員状態検出手段(ルーフ
センサ14参照)で検出された乗員Aの身長を均等割り
して、頸部位置を検出するので、乗員Aの頸部位置検出
(割り出し)が極めて容易となり、また検出された頸部位
置付近にエアバッグ12を展開またはヘッドレスト3を
移動させるので、乗員Aの頸椎への負担発生をより一層
良好に未然防止することができる効果がある。
【0069】さらには、上述のエアバッグ展開状態変更
手段(第5ステップP5参照)またはヘッドレスト移動状
態変更手段(第5ステップP5参照)による変更制御は、
後突を予測してから開始(図9に示すフローチャートに
おいて第2ステップP2のYES判定後に開始)される
ので、通常時(非衝突時)には上述の変更制御を規制して
制御の簡素化を達成することができると共に、乗員Aに
対して違和感を与えることもない効果がある。
【0070】また実施例で示したように、上述のエアバ
ッグ12を図1に仮想線で示すようにその展開時におい
て乗員Aの頸部および後頭部にともに当接すべく構成す
ると、エアバッグ展開時において乗員Aの頸部と後頭部
とを同時かつ一体的に保護することができる効果があ
り、加えて、上述のエアバッグ12をシートバック2か
ら上方に向けて乗員Aの頸部付近に展開すべく構成する
と、このエアバッグ12の展開方向をより一層的確に設
定することができて、乗員Aの頸椎に生ずる負担をさら
に良好に未然防止することができる効果がある。
【0071】図11は車両用乗員保護装置の他の実施例
を示し、この実施例においても図1〜図4で示した回路
装置を用いるが、この図11に示すこの実施例の場合に
は、上述のCPU40は、予測センサ37の予測時に乗
員Aの頸部付近にエアバッグ12を展開またはヘッドレ
スト3を前方移動させる制御手段(CPU40それ自体
参照)と、乗員状態検出手段としてのルーフセンサ14
で検出された乗員状態に対応してエアバッグ12の展開
状態を変更するエアバッグ展開状態変更手段(図11に
示すフローチャートの第10ステップC10参照)と、
ルーフセンサ14または第1センサS1で検出された乗
員状態に対応してヘッドレスト3の移動状態を変更する
ヘッドレスト移動状態変更手段(図11に示すフローチ
ャートの第10ステップC10参照、この実施例では該
第10ステップC10がヘッドレスト移動状態変更手段
と先のエアバッグ展開状態変更手段との双方を兼ねる)
と、ルーフセンサ14からの出力に基づいて乗員Aの身
長(座高=L3−L1)を検出する身長(座高)検出手段
(図11に示すフローチャートの第2ステップC2参照)
と、検出された身長(座高)を均等割りして、所定比率の
高さを頸部位置に設定し、この位置をエアバッグ12の
展開部位またはヘッドレスト3の移動部位に設定する設
定手段(図11に示すフローチャートの第3ステップC
3参照)と、エアバッグ12の展開方向を変位させると
共に、ヘッドレスト3の高さを常時乗員Aの頭部の高さ
に符合するように変位させるヘッドレスト高さ調整手段
(図11に示すフローチャートの第5ステップC5参照)
と、第1センサS1からの出力に基づいて乗員Aの頭部
とヘッドレスト3との間の距離を算出する距離演算手段
(図11に示すフローチャートの第9ステップC9参照)
と、を兼ねる。
【0072】なお、上述のエアバッグ12の展開強度を
可変する場合にはインフレータ11を仕切部を介して複
数に分割すると共に、インフレータドライバ39を例え
ば低圧用と高圧用とに分割すればよい。
【0073】このように構成した車両用乗員保護装置
(請求項1〜7に相当する実施例)の作用を、図11に示
すフローチャートを参照して以下に詳述する。
【0074】第1ステップC1で、CPU40はルーフ
センサ14を駆動して、乗員状態を検出する。つまり、
この場合はルーフ面13とシート4に着座した乗員Aの
身長の最高点との間の距離L1を検出する。
【0075】次に第2ステップC2で、CPU40はル
ーフ面13とシートクッション1の着座面1aとの間の
距離L3(既知数)からルーフセンサ14による検出距離
L1を減算(L3−L1)して、乗員Aの身長(座高)を検
出(演算)する。
【0076】次に第3ステップC3で、CPU40は上
述の座高を均等割りして、所定比率の高さを乗員Aの頸
部位置に設定し、この設定された頸部位置をエアバッグ
12の展開部位またはヘッドレスト3の移動部位とす
る。次に第4ステップC4で、CPU40は検出された
乗員の身長(座高)と、予めRAM41に記憶させてお
いた判定値とを比較して、身長が低くすぎる時(乗員が
着座していない場合を含む)にはフラグをF=1とし、
それ以外の時にはフラグをF=0とする。
【0077】次に第5ステップC5で、CPU40はエ
アバッグ12の展開方向が設定した頸部位置方向に向く
ように変位制御すると共に、ヘッドレスト3の高さを乗
員Aの頭部に合わせるように調整する。このヘッドレス
ト3の高さ調整については図1または図5〜図8を参照
して既述した通りである。
【0078】次に第6ステップC6で、CPU40は予
測センサ37による検出を実行し、次の第7ステップC
7で、CPU40は予測センサ37の出力に基づいて衝
突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを
判定し、NO判定時には第8ステップC8に移行する一
方、YES判定時には第9ステップC9に移行する。
【0079】上述の第8ステップC8で、CPU40は
各種機器(例えばシートバック2、シートベルト7,8
等)が作動されていれば、これらを違和感のないように
ゆっくりと元に戻す。
【0080】一方、上述の第9ステップC9では、後突
予測に対応して、CPU40は第1センサS1を駆動し
て、乗員Aの頭部とヘッドレスト3との間の水平距離を
算出する。
【0081】次に第10ステップC10で、CPU40
は上述の演算距離に基づいてエアバッグ12の展開強度
を算出すると共に、ヘッドレスト3の移動距離を算出す
る。なお、この展開強度を演算により求める構成に代え
て、マップからの読込み処理を実行すべく構成してもよ
いことは勿論である。
【0082】次に第11ステップC11で、CPU40
はフラグがF=1か否かを判定し、F=0に相当するN
O判定時には第12ステップC12に移行する一方、F
=1に相当するYES判定時には別の第13ステップC
13に移行する。
【0083】上述の第12ステップC12で、CPU4
0はエアバッグ12を展開すると共に、ヘッドレスト3
を前方移動させるが、これらの作動態様は第5ステップ
C5で設定された展開方向と、第10ステップC10で
求められた展開強度および移動距離を反映しつつ、エア
バッグ12にあってはシートバック2から上方に向け
て、乗員Aの頸部および後頭部に当接するように展開処
理され、ヘッドレスト3にあっては乗員Aの頸部に近接
すべく前方移動される。
【0084】一方、上述の第13ステップC13では、
CPU40はF=1に対応してエアバッグ12の展開を
禁止する。このように構成すると、上述のヘッドレスト
高さ調整手段(第5ステップC5参照)がヘッドレスト3
の高さを常時乗員Aの頭部の高さに符合させるので、後
突時および通常時(非衝突時)において乗員Aの頭部支持
を適切に行なうことができる効果がある。なお、その他
の点については先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏
するので、その詳しい説明を省略するが、この実施例に
あっても先の実施例と同様に予測センサ37を用いて後
突を予測する構成に代えて、加速度センサ(いわゆるG
センサ)を用いて後突を検出すべく構成してもよいこと
は勿論である。
【0085】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の制御手段は、実施例のCPU40
に対応し、以下同様に、乗員状態検出手段は、ルーフ面
13に取付けられたルーフセンサ14と第1センサS1
に対応し、エアバッグ展開状態変更手段およびヘッドレ
スト移動状態変更手段は、各ステップP5,C10に対
応し、ヘッドレスト高さ調整手段は、第5ステップC5
に対応し、後突を予測または検出するセンサは、予測セ
ンサ37に対応するも、この発明は、上記実施例の構成
のみに限定されるものではない。
【0086】例えば、上記実施例においては本発明の乗
員保護装置を運転席側に適用したものを例示したが、こ
れは助手席側およびリヤ席側に適用してもよいことは云
うまでもない。
【0087】また乗員状態検出手段は図示実施例のルー
フセンサ14に代えて、乗員Aの前方から乗員の体格、
身長を検出する既設のセンサまたはCCDカメラおよび
画像処理装置を用いてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両用乗員保護装置を示す側面図。
【図2】 シートバックの内部構造を示す正面図。
【図3】 図2のB−B線矢視断面図。
【図4】 制御回路ブロック図。
【図5】 ヘッドレスト高さの調整時の説明図。
【図6】 ヘッドレスト高さの調整時の説明図。
【図7】 ヘッドレスト高さの調整時の説明図。
【図8】 ヘッドレスト高さの調整時の説明図。
【図9】 エアバッグおよびヘッドレストの作動制御処
理を示すフローチャート。
【図10】 乗員頸部位置の割出し処理を示すフローチ
ャート。
【図11】 本発明の車両用乗員保護装置の他の実施例
を示すフローチャート。
【符号の説明】
3…ヘッドレスト 12…エアバッグ 13…ルーフ面 14…ルーフセンサ(乗員状態検出手段) 37…予測センサ(センサ) 40…CPU(制御手段) S1…第1センサ(乗員状態検出手段) P5,C10…エアバッグ展開状態変更手段(ヘッドレ
スト移動状態変更手段) C5…ヘッドレスト高さ調整手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後突を予測または検出するセンサと、上記
    センサの後突予測時または後突検出時に乗員の頸部付近
    にエアバッグを展開させる制御手段とを備えた車両用乗
    員保護装置であって、乗員の状態を検出する乗員状態検
    出手段を設け、上記乗員状態検出手段で検出された乗員
    状態に対応して上記エアバッグの展開状態を変更するエ
    アバッグ展開状態変更手段を備えた車両用乗員保護装
    置。
  2. 【請求項2】後突を予測または検出するセンサと、上記
    センサの後突予測時または後突検出時に乗員の頸部付近
    にヘッドレストを前方移動させる制御手段とを備えた車
    両用乗員保護装置であって、乗員の状態を検出する乗員
    状態検出手段を設け、上記乗員状態検出手段で検出され
    た乗員状態に対応して上記ヘッドレストの移動状態を変
    更するヘッドレスト移動状態変更手段を備えた車両用乗
    員保護装置。
  3. 【請求項3】上記乗員状態検出手段は乗員の身長を検出
    する請求項1または2記載の車両用乗員保護装置。
  4. 【請求項4】上記乗員状態検出手段はルーフ面と乗員と
    の離間距離を検出する請求項3記載の車両用乗員保護装
    置。
  5. 【請求項5】上記乗員状態検出手段はルーフ面と乗員の
    身長の最高点までの離間距離を検出し、上記身長の最高
    点から所定距離下方にエアバッグを展開または所定距離
    下方の頸部付近にヘッドレストを移動させる請求項3記
    載の車両用乗員保護装置。
  6. 【請求項6】上記乗員状態検出手段で検出された乗員の
    身長を均等割りして、頸部位置を検出し、検出された頸
    部位置付近にエアバッグを展開またはヘッドレストを移
    動させる請求項3記載の車両用乗員保護装置。
  7. 【請求項7】上記ヘッドレストの高さを常時乗員の頭部
    の高さに符合させるヘッドレスト高さ調節手段が設けら
    れた請求項1または2記載の車両用乗員保護装置。
  8. 【請求項8】上記エアバッグ展開状態変更手段または上
    記ヘッドレスト移動状態変更手段による変更制御は、後
    突を予測または検出してから開始される請求項1または
    2記載の車両用乗員保護装置。
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