JPH11342671A - 電気凝固印刷用の記録シート - Google Patents

電気凝固印刷用の記録シート

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JPH11342671A
JPH11342671A JP10356029A JP35602998A JPH11342671A JP H11342671 A JPH11342671 A JP H11342671A JP 10356029 A JP10356029 A JP 10356029A JP 35602998 A JP35602998 A JP 35602998A JP H11342671 A JPH11342671 A JP H11342671A
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JP
Japan
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recording sheet
printing
support
smoothness
weight
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Application number
JP10356029A
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English (en)
Inventor
Toyohisa Mori
豊寿 毛利
Masaya Shibatani
正也 柴谷
Yutaka Hattori
豊 服部
Shunji Hayashi
俊次 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気凝固印刷において、階調表現に優れ、か
つ画像が高光沢な高級印刷、例えば画集、写真などの印
刷に適する記録シートを提供する。 【課題手段】 支持体上に、アルミナゾル、ベーマイ
ト、擬ベーマイトからなる群より選択された少なくとも
1種類の填料、並びに非アニオン性バインダーからなる
コーティング層を設けてなる電気凝固印刷用の記録シー
トにおいて、正反射型平滑度計で40kg/cm2の圧
力をかけ波長0.5μmの光線で測定したときの接触率
が40%以上、かつ動的走査吸液計による純水の吸液曲
線から求められる濡れ時間が15ミリ秒以下、吸収計数
が10ml/m2-1/2以上であり、更にJIS P−
8119による塗工層表面のベック平滑度を250秒以
上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気チャージによ
り凝固するインクを用いて、電極を形成するシリンダー
上に所望の文字、画等からなるイメージを表すインク層
を形成し、このインク層を圧力によって記録シートに転
写させる印刷方式、すなわち電気凝固印刷法に用いられ
る記録シートに関し、特に画像のドット再現性、階調表
現性に優れ、かつ高光沢な画像の形成ができる記録シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気凝固印刷用に関しては、米国特許第
3、892、645号、同第4、555、320号、同
第4、764、264号、特表平4−504688号公
報などに開示されており、これに使用されるインクは水
系のインクであることが特徴であり、その組成は水、電
解的に凝固性の高分子、可溶性電解質及び着色剤よりな
っている。電解的に凝固性の高分子とは、たとえば、ア
ルブミン、ゼラチン、カゼイン、カンテン、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、PVAなどであり、可溶性
電解質とは、たとえば塩化リチウム、塩化ナトリウム、
塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化ニッケル、塩化
銅、硫酸マグネシウムなどである。
【0003】電気凝固法の基本的な仕組みは以下の通り
である。上記の組成のインク層が、陽陰極間にはさまれ
た状態で電極間に電位差を発生させると、コロイドの凝
固とその凝固コロイドの陽極への付着が起こる。この凝
固は、インク中の着色剤を含んだ状態で起こる着色凝固
であり、この着色凝固コロイドを適宜配置することで、
任意の画像を再現でき、再現した画像を何らかの方法で
記録シートに転写することによって、任意の画像の記録
シートへの記録を行うことができる。
【0004】電気凝固法を利用した印刷機の構成は、前
掲の特表平4−504688号公報に詳しく記載されて
いるが、添付の図1を参照して簡単に説明する。図1
は、1色の画像を形成し、記録シートに転写する印刷機
の構成を概略的に示したもので、多色印刷の場合には、
同様の装置を複数基連ねることにより、1機の印刷機を
構成する。図1において、符号1は陽電極として働く金
属の円筒であり、たとえばステンレスなどの電気的に不
活性な金属で作られる。この陽極1と絶縁され、それぞ
れ独立した陰極が円筒状ボックス2上に配置されてお
り、インク噴射機3から噴射されるインクが両電極間を
満たす。陽極1は図の時計方向に連続的に回転し、陰極
2との間に断続的に電位差を生じさせることによって、
両電極間を満たすインクに凝固コロイド部と非凝固イン
ク部を作る。凝固コロイドは陽極1に付着しており、符
号4で示されるワイパー等で非凝固インクのみが選択的
に陽極上から除去される。
【0005】陽極1上には、プレスロール5が圧接され
ており、その両者間に記録シート6が給送される。した
がってプレスロール5の周面上に支持された凝固コロイ
ド部は、陽極1の回転に伴ってプレスロール5の位置に
達し、記録シート6上に接触転写される。この時のプレ
スロール5と陽極1間のニップ圧は、30〜50kg/
cmである。なお転写後の陽極1は、さらに回転を続け
てクリーニング装置7でクリーニングされ、さらに腐食
防止剤塗布装置8で腐食防止剤が塗布され1サイクルが
完了する。
【0006】この印刷法を、従来の印刷方式たとえばオ
フセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、グラビア印
刷などと比較すると、大きな相違点は、電気凝固印刷法
がいわゆる「版無し印刷」の範疇に入ることが挙げられ
る。版無し印刷の利点は多いが、従来の印刷方式におい
ては版をおこす工程が必要不可欠であり、印刷物1枚あ
たりの原価に占める製版費用の割合が著しく大きいのに
対して、「版無し印刷」は製版工程を必要としないの
で、製版費用がかからないこと、及び従来の「版有り印
刷」の場合、同一の印刷物をする間は高速であるが、異
なる印刷部に替える(版を交換する)ための準備に時間
がかかるのに対して、「版無し印刷」では、コンピュー
タから送られるデータを毎回読み込んで印刷する方式で
あるから、異なる印刷物を刷るための準備時間が極めて
短いことが挙げられる。以上の結果、電気凝固印刷法
は、特に小ロットの印刷においては、従来法に比べて圧
倒的に有利な印刷法といえる。
【0007】また、異なる印刷物を刷るための準備時間
がほとんどかからないことは、たとえばダイレクトメー
ルの共通の本文を印刷すると同時に、それぞれ別個の宛
名まで印刷してしまうような、従来の印刷法では不可能
であったいわゆるページバリアブルまでを可能とする。
【0008】さらに電気凝固法を用いた印刷機は、頑丈
な部品の比較的簡単な組み合わせで構成される印刷機で
あり、高速化には容易に対応できる。印刷スピードは、
印刷機本体よりもコンピュータからの情報伝達スピード
により上限が決まることになる。現在のコンピュータの
レベルでも数百m/分のスピードは十分可能な数字であ
り、インクジェット方式等の近年急速に進歩している他
の「版無し印刷」に比してかなり高速で、生産性が高
い。
【0009】電気凝固法に使われる着色剤は、従来の印
刷法のインクに使われる着色剤と同じものが使用可能で
あり、凝集コロイドの形状、大きさは、陰極(ワイヤー
の先端)の形状、大きさとほぼ同じであり、記録シート
上でのドットゲインも考えられない。従って微細でシャ
ープなドットによるクリアな画像再現が可能である。
【0010】以上の様に、電気凝固印刷法は従来の印刷
法並の高生産性と高画質を、また従来法には不可能な小
ロット対応、ページバリアブル性をも併せ持つ優れた印
刷法式であると言える。
【0011】本発明者らは、上述の電気凝固印刷に適す
る記録シートを先願として特願平8−319038号
(特開平10−131091号公報)を提案した。特
に、モノクロの精細画像の電気凝固印刷用記録シートに
要求される特性は、動的走査吸液計による純水の吸収曲
線から求められる濡れ時間が15ミリ秒以下、吸収計数
が5ml/m2-1/2以上であること、一方、フルカラ
ーの電気凝固印刷用記録シートに要求される特性は、正
反射型平滑度計で40kg/cm2の圧力をかけ波長
0.5μmの光線で測定したときの接触率が40%以
上、かつ動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求め
られる濡れ時間が15ミリ秒以下、吸収計数が10ml
/m2-1/2以上であることが開示してある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、電
気凝固方式は非常に優れた方式であり、本発明者らが先
に提案した記録シートを用いると極めて良質な画像再現
性が得られる。しかし一方、画集や写真などの高級印刷
に適するような、モノクロにもカラーにも対応できる、
更にドット再現性、階調表現性に優れ、高光沢の画像を
示す記録シートが求められていた。本発明の目的は、ド
ット再現性に優れ、また階調表現性に優れ、かつ画像が
高光沢である高級印刷に適する電気凝固印刷用の記録シ
ートを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意検討した結果、記録シートと凝固
コロイドが陽極とプレスロール間でニップされている極
めて短い時間内に、凝固コロイド中から記録シートへの
水分の移動があることが、凝固コロイドの転写率を向上
させるための必要条件であること、及びアルミナゾル、
ベーマイト、擬ベーマイトからなる群から選択された少
なくとも1種類の填料を主成分とするコーティング層を
有する記録シートの画像光沢が特に優れること、さら
に、高いベック平滑度を有する記録シートがドット再現
性、階調表現性、画像光沢に優れることを見い出し本発
明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明者らによれば、支持体上に
アルミナゾル、ベーマイト、擬ベーマイトからなる群よ
り選択された少なくとも1種類の填料、並びに非アニオ
ン性バインダーからなるコーティング層を設けてなる記
録シートにおいて、正反射型平滑度計で40kg/cm
2の圧力をかけ波長0.5μmの光線で測定したときの
接触率が40%以上であり、動的走査吸液計による純水
の吸液曲線から求められる濡れ時間が15ミリ秒以下、
吸収計数が10ml/m2-1/2以上であり、更にJI
S P 8119による塗工層表面のベック平滑度が2
50秒以上、好ましくは300秒以上である電気凝固印
刷用の記録シートが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の支持体としては、平滑性
の高いフィルム、合成紙、コート紙やクッション性の高
い紙、不織布などが適する。
【0016】本発明の支持体に使用される紙とは、公知
の叩解機で適度に叩解した木材繊維や非木材繊維、填
料、各種薬品を水に混合した原料を、長網抄紙機や円網
抄紙機、傾斜式抄紙機、ツインワイヤー抄紙機など公知
の抄紙機を用いて抄いたシート状物である。
【0017】また、フィルムとは、ビスコース、アセテ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ナイロン、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの有機樹
脂を、必要に応じてその他の填料や薬品を添加して、溶
融押し出し法、カレンダ法、延伸法、溶融流延法などの
公知の方式で薄層化したシート状材料であり、いわゆる
合成紙もこの範疇に入る。
【0018】さらに、不織布とは、木材繊維、コット
ン、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、アクリ
ル、アセテート、ナイロン、ポリプロピレンなどの繊維
を原料とし、スパンボンド法、抄紙法、カード機やガー
ネット機を用いた乾式法などの公知の方式によってシー
ト状にしたものである。
【0019】これらの支持体は、単一層からなってもよ
いが、シート表面に公知の填料及びバインダーからなる
塗工層を設けたいわゆるコート紙のような構造であって
もよい。
【0020】本発明においては、動的走査吸液計による
純水の吸水曲線から求められる濡れ時間及び吸収計数が
極めて重要な要素である。濡れ時間が15ミリ秒を超え
ると、または吸収計数が10ml/m2-1/2未満であ
ると、凝固コロイドと記録シートが接触している時間内
で凝固コロイドから記録シートへの水分移動が起こらな
いために凝固コロイドの記録シートへの転写率は低い。
【0021】また、上記濡れ時間や吸収計数が条件を満
たした場合でも、陽極とプレスロール間でニップされた
ときの凝固コロイドと記録シートの接触面積率が小さけ
れば、凝固コロイドから記録シートへの水分移動にムラ
ができて転写率は低くなる。ただし、前記ニップ時には
30〜50kg/cm2の圧力がかかっており、圧力が
かかっていない状態のときの平滑性と凝固コロイドの転
写率の間にかならずしも相関があるとはいえない。例え
ば、クッション性の非常に高い新聞用紙を支持体として
使用した場合、圧力がかからない状態での平滑性は高く
ないにも関わらず、凝固コロイドの転写率は平滑性の高
い上質紙を支持体とした場合より高い。
【0022】本発明者らは、正反射型平滑度計を用いて
40kg/cm2の圧力をかけ波長0.5μmの光線で
測定したときの接触率と凝固コロイドの転写率に高い相
関があることをつかみ、前記接触率が40%未満では、
凝固コロイドの転写率が低いことを見い出した。加圧さ
れた状態での平滑度が高い方が凝固コロイドとの接触面
積が大きくなる。つまり、接触面積が大きい方が、吸水
能力が高いことはもちろん、凝固コロイドとの接着力も
大きくなる。
【0023】濡れ時間及び吸収計数の条件を満たすため
には、支持体上に親水性で吸水量の大きい填料を主成分
とする塗工層を設ければよい。親水性で吸水量の大きな
填料としては、合成非晶質シリカ、シリカゾル、コロイ
ダルシリカ等のシリカ類と、アルミナゾル、ベーマイ
ト、擬ベーマイト等のアルミナ類がある。
【0024】また、ドット再現性や階調表現性、印刷後
の画像光沢も画像品質を決める重要な因子のひとつであ
るが、このような画像を得るためには、記録シートの平
滑性が重要であることがわかった。この場合の平滑性と
は、加圧していない状態での平滑性でありJIS P
9119によるベック平滑度で表される。正反射型平滑
度計から求められる接触率は加圧条件での平滑性を反映
しているため、この値が大きいほど凝固コロイドからな
るインキの転写率が良好となるが、一方、圧力がかかっ
ていない状態のベック平滑度が大きいほどドット再現
性、階調表現性に優れることがわかった。
【0025】平滑性を上げるためには、記録シートに平
滑化処理を施せば良い。この際、温度40〜100℃、
線圧100kg/cm以上、好ましくは150kg/c
m以上で3〜4段以上のスーパーカレンダー処理を施し
てもよいし、またいわゆるソフトニップカレンダー処理
を施しても良い。このようにして得られた記録シートの
JIS P 8119によるベック平滑度が250秒以
上、好ましくは300秒以上であれば、ドット再現性、
階調表現性、画像光沢は、画像品質として十分満足でき
るレベルである。
【0026】本発明者らは、印刷発色濃度が同程度の場
合、シリカ類よりもアルミナ類のコーティング層の方が
画像光沢が高いことを見い出した。これは、シリカ類の
形状が不定形や球形であるのに対して、アルミナ類は板
状、針状、房状など異方性があるためにシート上で配向
していることによると考えられる。よって、アルミナ類
をコーティング層の填料として使用した場合、水の吸収
性を阻害しない程度の軽い平滑化処理で高い画像光沢を
発する記録シートが得られる。つまり、本発明の記録シ
ートのコーティング層には、アルミナゾル、ベーマイ
ト、擬ベーマイトが適する。ただし、当然のことなが
ら、本発明による記録シートに平滑化処理が必須要件と
なるわけではない。アルミナ類を主成分とするコーティ
ング層は、平滑化処理無しでも適度な平滑性と画像光沢
を有する。
【0027】高い画像光沢を得る方法としては、平滑性
の高い支持体を使用するのも有効である。支持体のベッ
ク平滑度が200秒以上であれば、カレンダーによる平
滑化処理無しでも高い画像光沢が得られる。この場合、
カレンダー処理による濡れ性の低下が無いので、非常に
高い画像品質を有する記録シートができる。一方、カレ
ンダー処理をすることによって、より画像光沢を高くす
ることもできる。
【0028】本発明において、支持体上にコーティング
層を設ける手段としてブレードコーター、ロールコータ
ー、エアナイフコーター、ロッドコーター等の公知の塗
工装置を使用できる。その中でも、ブレードコーターを
使用すると特に高い平滑性の記録シートが得られるので
有効である。
【0029】コーティング層を構成する要素としては、
前記填料以外にバインダーが必要であるが、アルミナ類
がカチオン性であるために、バインダーがアニオン性の
場合にはアルミナ類と反応して凝集物を作り、支持体上
への塗工が困難となる。よって、バインダーは非アニオ
ン性でなければならない。
【0030】この種のバインダーとしては、ポリビニル
アルコール及びその変性物、デンプン及びその変性物、
カゼイン、NR、SBR、NBR、アクリル系樹脂、ウ
レタン系樹脂、ポリビニルピロリデン等を単独または混
合または共重合体として用いることができる。また、こ
れ以外のバインダーも非アニオン性であれば、使用して
かまわない。
【0031】塗工層内のバインダーの比率は填料100
重量部に対して3〜60重量部、填料のBET法による
比表面積が10m2/g以上、吸油量が40ml/10
0g以上であることが好ましい。
【0032】塗工層内のバインダー量が総填料量100
重量部に対して3重量部未満では、塗工層の強度が十分
でなく接触転写時の塗工層破壊等のトラブルを引き起こ
す。一方、60重量部を越えると、カラー画像の2色目
以降の転写率に劣り、またモノクロ、カラー画像の階調
表現性に劣る。
【0033】塗工層内の総填料の平均比表面積がBET
法で10m2/g未満または総填料の平均吸油量が40
ml/100g未満では、カラー画像の2色目以降の転
写率に劣り、またモノクロ、カラー画像の階調表現性に
劣る。
【0034】コーティング層には、前記性能を阻害しな
い範囲で、消泡剤、抑泡剤、増粘剤、防腐剤、防黴剤等
の一般的に塗工に使用される助剤を配合できる。
【0035】本発明において、支持体上にコーティング
層を設ける場合、塗工量2g/m2以上が好ましい。塗
工量が2g/m2未満であると、ドット再現性や階調表
現性に劣る。
【0036】以下に本発明の実施例を示す。
【0037】
【実施例】[支持体Aの製造]広葉樹晒クラフトパルプ
100重量部を500mlC.S.Fに叩解し、これに
白土10重量部、サイズ剤(商品名「サイズパイン
E」、荒川化学工業(株)製)0.3重量部、硫酸バン
ド2.0重量部を加えて調製した紙料を用いて長網抄紙
機を使用して常法により坪量105g/m2、密度0.
55g/cm3のクッション性の高い支持体Aを得た。
ベック平滑度40秒。
【0038】[支持体Bの製造]針葉樹晒クラフトパル
プ40重量部、広葉樹晒クラフトパルプ60重量部を3
50mlC.S.Fに叩解し、これに白土10重量部、
サイズ剤(商品名「サイズパインE」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、硫酸バンド2.0重量部を加
えて調製した紙料を用いて長網抄紙機を使用して常法に
より坪量105g/m2、密度0.75g/cm3のクッ
ション性の低い支持体Bを得た。ベック平滑度45秒。
【0039】[支持体Cの製造]支持体Bに、水80重
量部に対してカオリン(商品名「UW−90」、エンゲ
ルハード社製)80重量部、重質炭酸カルシウム(商品
名「FMT90」、ファイマテック社製)20重量部、
リン酸エステル化澱粉(商品名「MS−4600」、日
本食品化工(株)製)5重量部、スチレンブタジエンラ
テックス(商品名「ポリラック750」、三井化学
(株)製)13重量部を加え調製した塗工液を、片面1
5g/m2になるように、エアナイフコーターを使用し
て塗工して支持体Cを得た。ベック平滑度100秒。
【0040】[支持体Dの製造]支持体Cに、線圧20
0kg/cm、金属ロール温度60℃、速度200m/
minで4段のスーパーカレンダー処理を施してベック
平滑度を220秒とし、支持体Dを得た。
【0041】[実施例1]支持体Aに、水880重量部
に対してアルミナゾル(商品名「アルミナゾル−10
0」、日産化学工業(株)製)100重量部とポリビニ
ルアルコール(商品名「PVA−110」、クラレ
(株)製)20重量部を調液した塗工液を、エアナイフ
コーターで塗工量5g/m2となるように塗工してシー
トを得た。これに、線圧150kg/cm、金属ロール
温度40℃、速度150m/minで4段のスーパーカ
レンダー処理を施し、電気凝固印刷用の記録シートを得
た。
【0042】[実施例2]支持体Aに、水880重量部
に対してベーマイト(商品名「アルミナゾル−52
0」、日産化学工業(株)製)100重量部とポリビニ
ルアルコール(同上)20重量部を調液した塗工液を、
エアナイフコーターで塗工量5g/m2となるように塗
工してシートを得た。これに、線圧150kg/cm、
金属ロール温度40℃、速度150m/minで4段の
スーパーカレンダー処理を施し、電気凝固印刷用の記録
シートを得た。
【0043】[実施例3]支持体Aに、水880重量部
に対して擬ベーマイト(商品名「アルミナゾル−10
0」、日産化学工業(株)製を加熱処理して調成した)
100重量部とポリビニルアルコール(同上)20重量
部を調液した塗工液を、エアナイフコーターで塗工量5
g/m2となるように塗工してシートを得た。これに、
線圧150kg/cm、金属ロール温度40℃、速度1
50m/minで4段のスーパーカレンダー処理を施
し、電気凝固印刷用の記録シートを得た。
【0044】[実施例4]実施例3のスーパーカレンダ
ーの条件を線圧200kg/cm、金属ロール温度60
℃、速度150m/minで6段として電気凝固印刷用
の記録シートを得た。
【0045】[実施例5]支持体Dに、水880重量部
に対して擬ベーマイト(商品名「アルミナゾル−10
0」、日産化学工業(株)製を加熱処理して調成した)
100重量部とポリビニルアルコール(同上)20重量
部を調液した塗工液を、エアナイフコーターで塗工量5
g/m2となるように塗工して電気凝固印刷用の記録シ
ートを得た。
【0046】[実施例6]実施例5で得られた記録シー
トへ、線圧200kg/cm、金属ロール温度60℃、
速度150m/minで6段のスーパーカレンダー処理
を施し、電気凝固印刷用の記録シートを得た。
【0047】[実施例7]支持体Dに、水500重量部
に対して擬ベーマイト(商品名「アルミナゾル−10
0」、日産化学工業(株)製を加熱処理して調成した)
100重量部とポリビニルアルコール(同上)20重量
部を調液した塗工液を、ブレードコーターで塗工量5g
/m2となるように塗工して電気凝固印刷用の記録シー
トを得た。
【0048】[比較例1]実施例1のスーパーカレンダ
ー処理を施さない以外は実施例1と同様にして記録シー
トを得た。
【0049】[比較例2]実施例2のスーパーカレンダ
ー処理を施さない以外は実施例2と同様にして記録シー
トを得た。
【0050】[比較例3]実施例3のスーパーカレンダ
ー処理を施さない以外は実施例3と同様にして記録シー
トを得た。
【0051】[比較例4]支持体Aに、水880重量部
に対してアルミナゾル(商品名「アルミナゾル−10
0」、日産化学工業(株)製)100重量部とポリビニ
ルアルコール(商品名「PVA−110」、クラレ
(株)製)100重量部を調液した塗工液を、エアナイ
フコーターで塗工量5g/m2となるように塗工して記
録シートを得た。
【0052】[比較例5]支持体Bに、水880重量部
に対してアルミナゾル(商品名「アルミナゾル−10
0」、日産化学工業(株)製)100重量部とポリビニ
ルアルコール(商品名「PVA−110」、クラレ
(株)製)20重量部を調液した塗工液を、エアナイフ
コーターで塗工量5g/m2となるように塗工して記録
シートを得た。
【0053】[比較例6]支持体Aをそのまま使用し
た。
【0054】以上の実施例1〜7及び比較例1〜6につ
いて次の項目について評価を行った。 (1)動的走査吸液計(協和精工(株)製「KM350
−D1」)による純水の吸液曲線から求められる濡れ時
間(ミリ秒) (2)動的走査吸液計(同上)による純水の吸液曲線か
ら求められる吸収計数(ml/m2-1/2) (3)正反射型平滑度計((株)東洋精機製作所製)で
40kg/cm2の圧力をかけ波長0.5μmの光線で
測定したときの接触率(%) (4)JIS P 8119の規定に従って測定された
ベック平滑度(秒) (5)ドット再現性:電気凝固印刷機(エルコーシー社
製)で印刷を行ったときの記録シートを実体顕微鏡で観
察し次のように採点した。
【0055】 (ア)100%のドットが記録シート上に転移していれば 2点 100%未満75%以上のドットが転移していれば 1点 転移しているドットが75%未満であれば 0点 (イ)一部切り欠け部分を有するドットがなければ 2点 欠けたドットが0%を越え25%以下であれば 1点 欠けたドットが25%を越えていれば 0点 (ウ)ドットが均一で全部等しければ 2点 均一なドットが100%未満75%以上であれば 1点 均一なドットが75%未満であれば 0点 印刷は黒インクで行い、ドット面積率20%、40%、
60%の時の1cm2の記録シート見本を計測し、上記
の評価基準に基づいて点数を合計し次のように評価を行
った。 ◎:合計が17点以上 ○:合計が15点〜16点 △:合計が10点〜14点 ×:合計が9点以下 ◎、○を高級印刷として合格とした。 (6)3色重ね濃度:電気凝固印刷機で行ったイエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色重ね(黒色を呈する)の記
録シート上の画像部の発色濃度をマクベス社製カラーチ
ェッカーで測定した。 (7)JIS Z 8741に準拠、記録シート表面の
60度鏡面光沢度を光沢度計(東京電色(株)製、MO
DEL TC−108DP/A)を用いて測定した。 (8)階調表現:本電気凝固印刷機によれば印刷物の2
56階調の表現が可能である。ベタ印刷部の最大発色濃
度をDmaxとすれば、Dmaxが高ければ高いほど、発色濃
度0〜Dma xの階調表現に優れる。本発明による記録シ
ートを用いると、より高いDmaxが得られるので、階調
表現に優れることがわかる。
【0056】
【表1】
【0057】表1の結果より、正反射型平滑度計で40
kg/cm2の圧力をかけ波長0.5μmの光線で測定
したときの接触率が40%以上であり、かつ動的走査吸
液計による純水の吸液曲線から求められる濡れ時間が1
5ミリ秒以下、吸収計数が10ml/m2-1/2以上で
あって、なおかつJIS P 8119による塗工層表
面のベック平滑度が250秒以上であると、画像のドッ
ト再現性、発色濃度、光沢に優れることがわかった。
【発明の効果】以上説明したように本発明の記録シート
は、電気凝固印刷法を利用した印刷機を用いて、高発色
濃度及び高光沢な画像を再現するのに好適な印刷用紙で
あり、階調表現に優れ、かつ画像が高光沢な高級印刷、
例えば画集、写真などの印刷に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録シートが使用される電気凝固印刷
機の要部の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 正の電極 2 負の電極 3 コロイド噴射機 4 ワイパー 5 プレスロール 6 記録シート 7 クリーニング装置 8 腐食防止剤塗布装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 俊次 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体及び支持体上に設けられたアルミナ
    ゾル、ベーマイト、擬ベーマイトよりなる群から選ばれ
    る少なくとも1種類の填料、並びに非アニオン性バイン
    ダーからなる塗工層よりなる電気凝固印刷用記録シート
    において、該記録シートが次の特性を有していることを
    特徴とする電気凝固印刷用の記録シート: 1)正反射型平滑度計で40kg/cm2の圧力をかけ
    波長0.5μmの光線で測定したときの接触率が40%
    以上であり、 2)動的走査吸液計による純水の吸液曲線から求められ
    る濡れ時間が15ミリ秒以下、吸収計数が10ml/m
    2-1/2以上であり、更に、 3)JIS P 8119の規定に従って測定された塗
    工層表面のベック平滑度が250秒以上である。
  2. 【請求項2】上記電気凝固印刷用の記録シートが線圧1
    50kg/cm以上でスーパーカレンダー処理された平
    滑面を有することを特徴とする請求項1に記載の電気凝
    固印刷用の記録シート。
  3. 【請求項3】JIS P 8119の規定に従って測定
    された前記支持体のベック平滑度が200秒以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気凝固印刷用の記
    録シート。
  4. 【請求項4】前記ベック平滑度が300秒以上である請
    求項1に記載の電気凝固印刷用の記録シート。
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