JPH11254819A - 電気凝固印刷用被記録体及び記録方法 - Google Patents

電気凝固印刷用被記録体及び記録方法

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JPH11254819A
JPH11254819A JP10061164A JP6116498A JPH11254819A JP H11254819 A JPH11254819 A JP H11254819A JP 10061164 A JP10061164 A JP 10061164A JP 6116498 A JP6116498 A JP 6116498A JP H11254819 A JPH11254819 A JP H11254819A
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JP10061164A
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Shinichi Eisaki
伸一 永崎
Noriko Hiraki
紀子 平木
Masayuki Kamei
正之 亀井
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気凝固印刷法に用いられる被記録体に関し、
特に高画質な画像を形成することのできる被記録体を提
供する。 【解決手段】 被記録体の記録表面のベック平滑(JI
S P 8119)が200秒以下であり、且つ算術平
均粗さRa(JIS B 0601)が4μm以下であ
る電気凝固印刷用被記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気凝固印刷法に
用いられる被記録体に関し、特に高画質な画像を形成す
ることのできる被記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】電気凝固印刷法(以下エルコグラフィと
も称する)は、その基本原理が米国特許第3,892,
645号、特表平4−504688号公報などに開示さ
れている。この印刷方式は、無製版印刷方式に属する方
式であり、また荷電状態でゲル化する特性を持つ水系の
インクを使用する。エルコグラフィの原理は、まず陽陰
極間に供給された前述の特殊な水系インクが画像信号に
応じて電極間に発生させた電位差により発生させた金属
イオンでゲル化し、その凝固したインクコロイドが陽極
である金属シリンダー表面上へ付着する。この着色凝固
コロイドの量、位置をコントロールすることで、任意の
画像をシリンダー上に再現し、この凝固インクを被記録
体に圧着転写して画像を得ることができるものである。
【0003】エルコグラフィ用印刷機の構成を図1に例
示する。ここでは単色印刷時の構成を示すが、多色印刷
の場合、例えばインクの色を変えて4色の同様の構成を
組み合わせればよい。陽極(電極)として用いられる金
属製シリンダー(1)は図に示したように、矢印方向に
回転し、まず最初の段階でクリーニング装置(2)によ
りクリーニングされ、次にコンディショニング装置
(3)で腐食防止剤が塗布される。さらにこの金属製シ
リンダー(1)と、電気的に絶縁されてそれぞれ独立し
た針状の陰極(対となる電極)が並べて埋め込まれてあ
るプリントヘッド(4)との間に、インク供給機(5)
からインクが供給される。陽極と、陰極との間で画像信
号に応じて断続的に金属イオンを生じさせる。両電極間
に満たされたインクはゲル化され、金属製シリンダー
(1)の表面上に付着する。凝固しなかった液状のイン
クはワイパー(6)で選択的に取り除かれる。最後に金
属製シリンダー(1)の表面にはプレスロール(7)が
圧接され、被記録体(8)に転写させる構造となってい
る。
【0004】この印刷法の特徴はいわゆる「無製版印
刷」であることである。無製版印刷の利点としては、製
版工程が不要であることと、画像データをそのつど読み
込んで印刷する方式であるので、たとえば顧客ごとに内
容の異なる印刷物を刷ることが容易になる点が挙げられ
る。このようにエルコグラフィは特に小ロット、多品種
の印刷において有利な印刷法である。また、画像の濃淡
を表すインクのゲル化量は電荷(パルス)の量に比例す
るため、細かい階調表現が可能であるなど優れた印刷方
式であるといえる。
【0005】エルコグラフィでは網点を使用せず、イン
キの膜厚で階調を表現できる。信号の通電時間に比例し
てインキの膜厚が決まるので、階調を正確に表現でき、
カラー画像記録に適している。しかし通常の印刷用紙は
印刷用油性インキの転写性に優れるものの、エルコグラ
フィにおける水性インキの転写性に劣っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにエルコグラ
フィは非常に優れた印刷方式であるが、被記録体として
通常の紙、印刷用紙等は使用が制限される。たとえば既
存の印刷用紙では、低濃度階調の部分と、高濃度階調の
部分の印刷品質がともに良好な被記録体はなかった。一
般のアート紙は凝固コロイドインクの少ない低濃度領域
印刷では印字濃度が高く、良好な印字物が得られるが、
凝固コロイドインクの多い部分ではインクの転写が悪
い。また、一般の新聞用紙やフォーム用紙は凝固コロイ
ドインクの多い高濃度領域の印刷は良好だが凝固コロイ
ドインクの少ない部分の印刷においては白抜けや印字濃
度の低下が生じるという問題があった。本発明は上記の
問題を解決し、低濃度領域から高濃度領域までインキ転
写性に優れ、鮮明な画像が得られる電気凝固印刷用被記
録体を提供する。特にカラー画像の表現にも優れた被記
録体を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記態様を含
む。 (1) 被記録体の記録表面のベック平滑(JIS P
8119)が200秒以下であり、且つ算術平均粗さ
Ra(JIS B 0601)が4μm以下である電気
凝固印刷用被記録体。 (2) 被記録体が紙シート、合成紙、不織布、フィル
ムシートより選ばれる(1)記載の電気凝固印刷用被記
録体。 (3) 被記録体が、支持体に顔料と接着剤を含有する
インク受容層を設けてなる(1)記載の電気凝固印刷用
被記録体。 (4) 被記録体の記録表面のベック平滑(JIS P
8119)が100秒以下であり、且つ算術平均粗さ
Ra(JIS B 0601)が3μm以下である
(1)、(2)、または(3)記載の電気凝固印刷用被
記録体。
【0008】本発明は、回転可能な金属製シリンダーの
電極と、対となる針状の電極間に、水性媒体、高分子樹
脂、着色剤を含むインキを供給し、両電極間に断続的に
電位差を生じさせることにより金属イオンを生じさせて
該当部分のインキを凝固させ、該当部分以外で凝固して
ないインキを取り除くことにより記録画像を形成し、上
記いずれかの電気凝固印刷用被記録材にこの金属製シリ
ンダー上の記録画像を転写する電気凝固印刷記録方法を
開示する。
【0009】
【発明の実施の形態】エルコグラフィにおいて記録媒体
に必要とされる特性は、インクの吸収が速やかに行われ
ること、及びインクを吸収するための空隙が存在するこ
と、である。本発明において、被記録体の構造と、記録
される表面の表面性がきわめて重要な要素であることを
見いだした。被記録体の構造は、空隙が多くなくてはな
らない。これは印刷時に凝固したインクが進入するの
で、進入するインクの容積分の空隙が必要となる。ま
た、空隙に存在する空気は、凝固したインクが進入する
ときに、速やかに排出されなければならない。この空気
の移動の速さを測定する方法として、透気度試験方法
(JIS P8117)が考えられるが、特にフィルム
シートを基材として用いた場合等に、印刷品質との相関
がほとんど見いだせなかった。
【0010】そこで、本発明者らは、空気の移動の速さ
を測定する方法を鋭意検討した結果、ベック試験器によ
る平滑度試験方法(JIS P 8119)を200秒
以下、好ましくは100秒以下に調整することにより、
高濃度領域の印刷適性に優れた被記録体が得られること
を見いだした。電極間でゲル化したインクには40〜6
0%の水分が含まれていると推測され、通常の印刷イン
クに比べて固く、転写しにくくなっているため、被記録
体がこの水分を吸収してインクの転写を助ける必要があ
ることも判明した。この要請から、前述のベック平滑度
が200秒以下、好ましくは100秒以下である被記録
体はインクの転写性が優れている。
【0011】被記録体の記録する面の算術平均粗さRa
(JIS B 0601)を、4μm以下、好ましくは
3μm以下に調整すると、低濃度領域の印刷品質に優れ
たものが得られることを見いだした。即ち、低濃度領域
では、被記録体表面に窪んだ部分が存在するとその部分
に該当する凝集インキはうまく転写されない。従って、
白抜けがない、印字濃度が高い、ドットが真円であると
いった良好な印字品位を得るためには、算術平均粗さR
aを4μm以下、好ましくは3μm以下とする。Raが
4μmを越える被記録体は、凝固コロイドインクの吸収
ムラがおこり、インクの少ない低濃度印刷領域において
ドットの真円性が悪く、白抜けや印字濃度の低下が生じ
る。
【0012】従来の一般印刷用の、光沢の高い印刷用紙
は、低濃度領域の印刷では印字濃度が良好だが中濃度か
ら高濃度領域の印刷では吸収容量が足りず、インクの転
写が行われない。これはベック平滑度が電気凝固印刷法
用には高すぎることが一因と考えられる。しかし、本発
明の被記録体の場合、高濃度領域から低濃度領域にわた
る印刷で、印刷品質は非常に良好である。
【0013】本発明の被記録体の厚さは特に限定しない
が、40μm〜300μmの範囲のシート状材料が用い
られる。本発明の被記録体、或いは被記録体の支持体の
材質としてはとくに限定はないが、一般に紙、合成紙、
不織布、およびフィルムシート等が好ましく用いられ
る。紙としては、従来公知の紙類が本発明の目的を逸脱
しない範囲で使用され、例えば酸性紙、中性抄紙、木材
紙、非木材紙などが使用される。
【0014】不織布としては、従来公知の不織布を用い
ることができる。例えば、パルプ、レーヨン、コットン
等の天然繊維、あるいはポリエステル、ポリオレフィ
ン、ポリアミド等の合成繊維を単独あるいは複数組み合
わせて、従来公知の湿式法、カード法、エアーレイ法等
によりウェブ化した後、サーマルボンド法、レジンボン
ド法、ニードルパンチ法、スパンレース法等従来公知の
方法により繊維間を結合あるいは交絡し、不織布とした
シートを用いることができる。また、ポリオレフィン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可
塑性樹脂をスパンボンド法、あるいはメルトブロー法、
フラッシュ紡糸法等により成形した不織布を用いること
もできる。さらに、これら従来公知の方法で製造した不
織布を単独で使用するばかりでなく、複数積層した不織
布を使用することもでき、ポリオレフィン系フィルム、
ポリプロピレン系フィルム、ポリエステル系フィルム等
のフィルムをラミネートした不織布を使用することもで
きる。
【0015】フィルムシートとしては、熱可塑性樹脂シ
ートが例示できる。熱可塑性樹脂としてポリオレフィン
樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体か
ら成るもの、またはこれらを主成分とするものが使用で
きる。他の熱可塑性樹脂としてポリスチレン、アクリル
酸エステル共重合体等を混合することができる。また、
この熱可塑性樹脂中に無機質微細粉末を混合してフィル
ムに形成し、これを2軸延伸処理した紙に近似した風合
いのシート、いわゆる合成紙などを用いることができ
る。これらのうちで、ベック平滑を200秒以下とし、
また算術平均粗さを4μm調整するためには紙シートの
場合、針葉樹パルプが好ましく、好ましくは全パルプ中
の20重量%以上、より好ましくは30重量%以上含有
させる。また、マシンカレンダー、スーパーカレンダー
等により調整することもできる。
【0016】上記のシート状材料の表面に顔料およびバ
インダーを主成分とするインク受容層を設けることもで
きる(塗工型被記録体)。インク受容層に使用される顔
料としては、本発明の目的を逸しない範囲で特に限定さ
れないが、具体的にはクレー、カオリン、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、無定形シリカ、サチンホワイ
ト、等の無機顔料、尿素―ホルマリン樹脂、PP、ポリ
スチレン、アクリル系樹脂等の有機顔料があげられる。
これらを一種または二種以上を用いることができる。特
にインクの疎水性部との相性がよい点から無定形シリカ
や炭酸カルシウムが好ましく用いられる。転写性を上げ
るためには前記各種の顔料のなかでも多孔質で吸水性の
高い多孔性顔料が好ましい。例えばBET比表面積40
〜1000m2 /gの顔料が挙げられる。顔料の平均粒
径は特に限定されず、例えば平均粒径0.01μm〜3
0μm、好ましくは0.01μm〜15μmである。粒
径が大きいとベック平滑は低下するが、算術平均粗さが
4μmを越えない範囲とする。
【0017】ベック平滑、算術平均粗さは、顔料の選択
と、顔料とバインダーの配合比率等により調整すること
ができる。具体的には、粒径の小さな顔料を塗工すると
ベック平滑は上昇し、算術平均粗さは低下する傾向にあ
り、粒径の大きな顔料を使用すると、その逆になる。ま
た顔料とバインダーの比率は、バインダー比を小さくす
ると、ベック平滑は低下し、算術平均粗さは上昇する傾
向があり、バインダー比が大きいと、その逆となる。ま
た顔料、バインダーの種類等により調整することもでき
る。更にスーパーカレンダー、マシンカレンダー、ウェ
ットキャスト、リウェットキャスト、ゲル化キャスト、
等の処理により調整することもできる。
【0018】また、バインダー(接着材)としては、具
体的にはポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニル
アルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール等のポ
リビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン、メチル
セルロース、デンプン、酸化デンプン、エステル化デン
プン、カゼイン、SBR、アクリル系樹脂等を例示する
ことができ、これらを一種または二種以上を用いること
ができる。特にSBRは好ましい。顔料とバインダーの
配合比率は顔料100重量部に対し、バインダー10重
量部〜700重量部程度、好ましくは10〜400重量
部、より好ましくは10重量部〜100重量部である。
【0019】またカチオン性物質を含有させることもで
きる。インキ中の着色材の種類によりインクを定着させ
ることにより印字後の画像の耐水性を得ることも可能で
ある。また、各種公知の技術を応用することは可能であ
る。
【0020】インク受容層の塗工量も特に限定しない
が、例えば1g/m2 〜30g/m2である。塗工法
は、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコ
ーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、
バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、
ダイコーター、等を例示できる。表面の層の光沢性を上
げるために、キャスト塗工法を利用することもできる。
またスーパーカレンダー、熱カレンダー等により平滑化
処理を行うこともできる。
【0021】電気凝固印刷では、その用途により被記録
材に各種グレードがあり、非塗工紙型のものと、塗工紙
型等各種のものが本発明に従って得られる。ただし、塗
工紙型被記録材の方が印字濃度に優れる。インク受容層
は2層以上で構成することもできる。特に記録側表面に
高光沢、高平滑で、透明性に優れる層を設けると、極め
て優れた記録画像が得られる。
【0022】インキは導電性を有し、通常水性等の媒
体、高分子樹脂(ポリマー)、着色顔料等の着色剤を含
む。高分子樹脂としては、電流凝集性を有するゼラチ
ン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアマイド等より選ば
れる少なくとも1種を含有する。これらの高分子樹脂は
金属イオンを吸着し架橋反応を起こして凝集し、沈殿す
る。電流によりシリンダー金属が腐食し、発生した金属
イオンがポリマーを固めるのが画像ができる原理であ
る。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、
これらに限定されるものではない。〔原紙の製造〕針葉
樹晒クラフトパルプ(NBKP)50重量部、広葉樹晒
クラフトパルプ(LBKP)50重量部を450ml
C.S.F.に叩解し、これに炭酸カルシウム10重量
部、紙力増強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川
化学工業(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名
「サイズパインS−300」、荒川化学工業(株)製)
0.3重量部、硫酸バンド2.0重量部を加えて調製し
た紙料を用いて長網抄紙機を使用して常法により坪量1
00g/m2 の原紙を製造した。
【0024】実施例1 上記原紙の表面に、水500重量部にシリカ(商品名
「ファインシールX−45」、トクヤマ製、平均粒径
3.9μm、比表面積340m2 /g)100重量部と
ポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA
−110」、クラレ(株)製)60重量部を分散した塗
工液を、乾燥塗工量5g/m2 となるように塗工し、キ
ャレンダー処理(線圧:20kg/cm)を施した。 実施例2 前記原紙表面上に、水300重量部にサチンホワイト
(白石工業製)100重量部とポリビニルアルコール
(商品名「クラレポバールPVA−110」、クラレ
(株)製)40重量部を分散した塗工液を、乾燥塗工量
5g/m2 となるように塗工し、キャスト処理(線圧:
50kg/cm)を施した。
【0025】実施例3 合成紙(商品名「ユポ:FPG−85」)の表面に、実
施例1で用いた塗工液を乾燥塗工量5g/m2 となるよ
うに塗工し、キャレンダー処理(線圧:20kg/c
m)を施した。 比較例1 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)20重量部、広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)80重量部を450m
lC.S.F.に叩解し、これに炭酸カルシウム10重
量部、紙力増強剤(商品名「ポリストロン191」、荒
川化学工業(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名
「サイズパインS−300」、荒川化学工業(株)製)
0.3重量部、硫酸バンド2.0重量部を加えて調製し
た紙料を用いて長網抄紙機を使用して常法により坪量1
00g/m2 の原紙を製造した。この原紙をそのまま使
用した。 比較例2 カオリンを主成分として含有する塗工層を設けた一般の
印刷用紙(商品名「SA金藤」、王子製紙製)を使用し
た。
【0026】以上の各実施例および比較例において得ら
れたサンプルの各種測定、評価を下記の方法で行った。 〔ベック平滑度の測定方法〕JIS P 8119の紙
及び板紙のベック試験器による平滑度試験方法に基づ
き、測定を行った。結果は表1に示す。 〔算術平均粗さ(Ra)〕JIS B 0601の表面
粗さ測定法に基づき、算術平均粗さRaの測定を行っ
た。結果は表1に示す。
【0027】〔印刷評価〕ELCORSY社製電気凝固
印刷機を使用して単色印刷を施したときの低濃度領域と
高濃度領域の転写状態を目視で評価した。インクとして
は水を媒体とし、高分子樹脂と着色顔料を含むものを使
用した。評価結果を表1に示す。高濃度領域転写性 良好:印字濃度が高く、転写性良好 不良:印字濃度が低く、転写性不良低濃度領域転写性 良好:白抜けがなく、印字濃度が高く、吸収ムラなし 不良:白抜けがあり、印字濃度が低く、吸収ムラも認め
られる
【0028】
【表1】
【0029】表1に示した結果から、下記のことが判
る。実施例1〜3から明らかなように、ベック平滑度が
200秒以下であり、かつRaの値が4μm以下であれ
ば、低濃度領域から高濃度領域まで良好な印刷品質を確
保できる。しかし、比較例1より明らかなようにベック
平滑度が200秒以下でも、Ra値が4μmを超える
と、特に低濃度領域の印刷品質が悪化する。また、比較
例2より明らかなようにRa値が4μm以下でも、ベッ
ク平滑度が200秒を超えると、特に高濃度領域の印刷
品質が悪化する。
【0030】
【発明の効果】本発明の被記録体は、荷電状態でゲル化
する特性を持つインクを用い、電極を構成する金属シリ
ンダー上でインクをゲル化させて画像を形成し、これを
被記録体に転写させる印刷方式に好適な被記録材であ
り、エルコグラフィ印刷機に用いて、高画質な画像を印
刷することのできる優れた被記録体であった。画像再現
性の良い記録を得るためには、まず被記録体のベック平
滑度が一定以下であることにより、凝固コロイドインク
が速やかに吸収される。また、被記録体の算術平均粗さ
が一定以下であることで良好な印刷品質を得る。これら
の被記録体は、たとえば高速印刷が求められる新聞、雑
誌をはじめ、小ロット印刷が必要なダイレクトメール、
オンデマンド広告などに適した印刷方式であるエルコグ
ラフィに適した被記録体であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気凝固印刷の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1:金属製シリンダー 2:クリーニング装置 3:コンディショニング装置 4:プリントヘッド 5:インキ供給機 6:ワイパー 7:プレスロール 8:被記録体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録体の記録表面のベック平滑(JI
    S P 8119)が200秒以下であり、且つ算術平
    均粗さRa(JIS B 0601)が4μm以下であ
    る電気凝固印刷用被記録体。
  2. 【請求項2】 被記録体が紙シート、合成紙、不織布、
    フィルムシートより選ばれる請求項1記載の電気凝固印
    刷用被記録体。
  3. 【請求項3】 被記録体が、支持体に顔料と接着剤を含
    有するインク受容層を設けてなる請求項1記載の電気凝
    固印刷用被記録体。
  4. 【請求項4】 被記録体の記録表面のベック平滑(JI
    S P 8119)が100秒以下であり、且つ算術平
    均粗さRa(JIS B 0601)が3μm以下であ
    る請求項1、2、または3記載の電気凝固印刷用被記録
    体。
  5. 【請求項5】 回転可能な金属製シリンダーの電極と、
    対となる針状の電極間に、媒体、高分子樹脂、着色剤を
    含むインキを供給し、両電極間に断続的に電位差を生じ
    させることにより金属イオンを生じさせて該当部分のイ
    ンキを凝固させ、該当部分以外で凝固してないインキを
    取り除くことにより記録画像を形成し、請求項1、2、
    3、または4記載の電気凝固印刷用被記録体にこの金属
    製シリンダー上の記録画像を転写する電気凝固印刷記録
    方法。
JP10061164A 1998-03-12 1998-03-12 電気凝固印刷用被記録体及び記録方法 Pending JPH11254819A (ja)

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