JPH1134226A - フッ素ゴムコート金属板 - Google Patents

フッ素ゴムコート金属板

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JPH1134226A
JPH1134226A JP9209862A JP20986297A JPH1134226A JP H1134226 A JPH1134226 A JP H1134226A JP 9209862 A JP9209862 A JP 9209862A JP 20986297 A JP20986297 A JP 20986297A JP H1134226 A JPH1134226 A JP H1134226A
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metal plate
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polyol
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Toshihiro Tora
敏弘 東良
Takema Toyoda
武馬 豊田
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温の不凍液中に長時間浸漬した場合、ゴム
層に剥れを生ぜず、ガスケット材料等として好適に使用
し得るフッ素ゴムコート金属板を提供する。 【解決手段】 化学的表面処理が施された金属板表面
に、ノボラック型フェノール樹脂含有プライマーを介し
て、フッ素ゴム、ポリオール-4級オニウム塩系加硫剤お
よび塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシ
・カーボネート・ハイドレート受酸剤を含有するフッ素ゴ
ムコンパウンドから形成されたコーティング層を設けた
フッ素ゴムコート金属板。ノボラック型フェノール樹脂
含有プライマー中には、更にフッ素ゴム、ポリオール-4
級オニウム塩系加硫剤および塩基性マグネシウム・アル
ミニウム・ハイドロオキシ・カーボネート・ハイドレート
受酸剤を含有するフッ素ゴムコンパウンドを含有せしめ
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素ゴムコート
金属板に関する。更に詳しくは、ガスケット材料等とし
て好適に用いられるフッ素ゴムコート金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は先に、フッ素ゴム、ポリオー
ル-第4アンモニウム塩または-第4ホスホニウム塩系加硫
剤(ポリオール-4級オニウム塩系加硫剤)およびアミン系
加硫剤ならびに酸化マグネシウム受酸剤を含有するフッ
素ゴムコンパウンドのケトン-アルコール混合溶媒溶液
よりなるフッ素ゴムコーティング液を、プライマー塗布
金属板に塗布することにより、金属板上に耐熱性フッ素
ゴムコートを与えることができ、またそこで用いられた
フッ素ゴムコーティング液が経時的安定性にもすぐれて
いることを見出している(特開平2-248,453号公報)。
【0003】しかしながら、このようにして得られたフ
ッ素ゴムコート金属板を高温の不凍液中に長時間浸漬す
ると、ゴム層に剥れやふくれが生ずる場合のあることが
見出された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
の不凍液中に長時間浸漬した場合にあっても、ゴム層に
剥れやふくれを生ぜず、従ってガスケット材料等として
好適に使用し得るフッ素ゴムコート金属板を提供するこ
とにある。また、フッ素ゴムコートに用いられるコーテ
ィング液の経時的安定性を更に改善し、生産性の向上を
図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
化学的表面処理が施された金属板表面に、ノボラック型
フェノール樹脂含有プライマーを介して、フッ素ゴム、
ポリオール-4級オニウム塩系加硫剤および塩基性マグネ
シウム・アルミニウム・ハイドロオキシ・カーボネート・ハ
イドレート受酸剤を含有するフッ素ゴムコンパウンドか
ら形成されたコーティング層を設けたフッ素ゴムコート
金属板によって達成される。ノボラック型フェノール樹
脂含有プライマー中には、更にフッ素ゴム、ポリオール
-4級オニウム塩系加硫剤および塩基性マグネシウム・ア
ルミニウム・ハイドロオキシ・カーボネート・ハイドレー
ト受酸剤を含有するフッ素ゴムコンパウンドを含有せし
めることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】金属板としては、軟鋼、ステンレ
ス鋼、アルミニウム、アルミニウムダイキャスト、黄
銅、亜鉛等の板状体であって、その厚さが約0.1〜1.6mm
程度のものが一般に用いられる。これらの金属板の少く
とも一方の面には、ショットブラスト、スコッチブラス
ト、ヘアーライン、ダル仕上げ、バフ研磨等の方法で表
面を粗面化し、次いでアルカリ脱脂した後、複合型クロ
メート処理、リン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理等の化学的
表面処理が施される。
【0007】金属板として最も一般的に用いられるステ
ンレス鋼板の場合には、シリカ、リン酸化合物およびク
ロム酸を含む複合型クロメート処理剤が約20〜100mg/
m2、好ましくは約40〜80mg/m2の目付量で用いられる。
これより少ない目付量では、不凍液浸漬後のゴム層の接
着性が低下し、一方これより多い割合で用いられると、
屈曲時にみられる複合クロメート処理層のクラックによ
り接着性が低下するようになる。
【0008】複合クロメート処理層上には、ノボラック
型フェノール樹脂含有プライマー層が形成される。ノボ
ラック型エポキシ樹脂は、次のような一般式で表わされ
るものであり、 それはp-非置換フェノールから導かれたノボラック樹脂
にエピクロルヒドリンによって代表されるエピハロヒド
リンを反応させ、フェノ-ル性水酸基をグリシジルエ-テ
ル化することによって製造される。
【0009】ノボラック型フェノール樹脂含有プライマ
ー中には、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂硬
化剤(融点100〜150℃のもの)および以下に示されるよう
なイミダゾール化合物が添加されて用いられる。
【0010】硬化触媒として用いられるイミダゾール化
合物としては、次のようなものが用いられる。 2-メチルイミダゾール 2-エチル-4-メチルイミダゾール 2-ウンデシルイミダゾール 2-ヘプタデシルイミダゾール 2-フェニルイミダゾール 1-ベンジルイミダゾール 1-ベンジル-2-メチルイミダゾール 2,4-ジアミノ-6-[2-メチルイミダゾリン-(1)]-エチル s
-トリアジン
【0011】これらの各成分は、ノボラック型エポキシ
樹脂100重量部に対してビスフェノールノボラック型フ
ェノール樹脂が約30〜60重量部の割合で、またノボラッ
ク型エポキシ樹脂100重量部に対してそれの硬化触媒が
約0.1〜5重量部の割合でそれぞれ用いられる。硬化触媒
の配合割合がこれより少ないと、樹脂の硬化が遅く、ま
た耐熱性が劣り、接着性も低下する。逆に硬化触媒がこ
れより多い割合で用いられると、かえって有機溶剤溶液
の経時的安定性が低下するようになる。
【0012】ノボラック型フェノール樹脂含有プライマ
ー中には、更にフッ素ゴムコンパウンドを配合して用い
ることが好ましい。フッ素ゴムコンパウンドを配合しな
いプライマーにあっては、それを化学的表面処理を施し
た金属板に塗布した後の乾燥および焼付温度を180℃以
上にした場合、プライマー層が硬化してゴムコート層と
の接着性が低下する。このため、プライマーの乾燥およ
び焼付温度を低くしなければならないが、フッ素ゴムコ
ンパウンドを配合した場合には、プライマーの乾燥およ
び焼付温度に左右されることなく、ゴムコート層との良
好な接着性が確保されるようになる。
【0013】フッ素ゴムコンパウンドは、フッ素ゴム、
ポリオール-4級オニウム塩系加硫剤および塩基性マグネ
シウム・アルミニウム・ハイドロオキシ・カーボネート・ハ
イドレート受酸剤を含有してなり、好ましくはカーボン
ブラックおよびけい酸カルシウム、含水けい酸または炭
酸カルシウムが充填剤として併用される。
【0014】フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン-
ヘキサフルオロプロペン共重合体、フッ化ビニリデン-
ヘキサフルオロプロペン-テトラフルオロエチレン3元共
重合体などのフッ化ビニリデン共重合体であって、溶液
化するために低粘度のものが好んで用いられる。
【0015】ポリオール-第4アンモニウム塩または-第4
ホスホニウム塩系(4級オニウム塩系)加硫剤のポリオー
ルとしては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
[ビスフェノールA]、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
パーフルオロプロパン[ビスフェノールAF]、ヒドロキノ
ン、カテコール、レゾルシン、4,4´-ジヒドロキシジフ
ェニル、4,4´-ジヒドロキシフェニルメタン、4,4´-ジ
ヒドロキシフェニルスルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ
フェニル)ブタンなどが用いられ、好ましくはビスフェ
ノールA、ビスフェノールAF、ヒドロキノンなどが用い
られる。これらはまた、アルカリ金属塩あるいはアルカ
リ土類金属塩の形であってもよい。
【0016】これらのポリオールと組合されて用いられ
る4級オニウム塩としては、次の一般式で表わされる第
4アンモニウム塩または第4ホスホニウム塩の少なくとも
一種が用いられる。 R1〜R4:炭素数1〜25のアルキル基、アルコキシ基、ア
リール基、アルキルアリール基、アラルキル基またはポ
リオキシアルキレン基であり、あるいはこれらの内の2
〜3個がPまたはNと共に複素環構造を形成することもで
きる X~:Cl~、Br~、I~、HSO4~、H2PO4~、RCOO~、ROSO2~、RS
O~、ROPO2H~、CO3~~等のアニオン
【0017】具体的には、例えばテトラエチルアンモニ
ウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチ
ルアンモニウムアイオダイド、n-ドデシルトリメチルア
ンモニウムブロマイド、セチルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライド、メチルセチルジベンジルアンモニウ
ムブロマイド、セチルジメチルエチルアンモニウムブロ
マイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウ
ムブロマイド、セチルピリジニウムアイオダイド、セチ
ルピリジニウムサルフェート、1-ベンジルピリジニウム
クロライド、1-ベンジル-3,5-ジメチルピリジニウムク
ロライド、1-ベンジル-4-フェニルピリジニウムクロラ
イド、1,4-ジベンジルピリジニウムクロライド、1-ベン
ジル-4-(ピロリジニル)ピリジニウムクロライド、1-ベ
ンジル-4-ピリジノピリジニウムクロライド、テトラエ
チルアンモニウムアセテート、トリメチルベンジルアン
モニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウ
ム-p-トルエンスルホネート、トリメチルベンジルアン
モニウムボレート、8-ベンジル-1,8-ジアザビシクロ[5,
4,0]-ウンデク-7-エニウムクロライド、1,8-ジアザビシ
クロ[5,4,0]-ウンデセン-7-メチルアンモニウムメトサ
ルフェート、5-ベンジル-1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5
-ノネニウムクロライド、5-ベンジル-1,5-ジアザビシク
ロ[4,3,0]-5-ノネニウムブロマイド、5-ベンジル-1,5-
ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノネニウムテトラフルオロボ
レート、5-ベンジル-1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノ
ネニウムヘキサフルオロホスフェートなどの4級アンモ
ニウム塩、あるいは例えばテトラフェニルホスホニウム
クロライド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロラ
イド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイド、
トリフェニルメトキシメチルホスホニウムクロライド、
トリフェニルメチルカルボニルメチルホスホニウムクロ
ライド、トリフェニルエトキシカルボニルメチルホスホ
ニウムクロライド、トリオクチルベンジルホスホニウム
クロライド、トリオクチルメチルホスホニウムブロマイ
ド、トリオクチルエチルホスホニウムアセテート、トリ
オクチルエチルホスホニウムジメチルホスフェート、テ
トラオクチルホスホニウムクロライド、セチルジメチル
ベンジルホスホニウムクロライドなどの4級ホスホニウ
ム塩が挙げられる。
【0018】受酸剤としては、塩基性マグネシウム・ア
ルミニウム・ハイドロオキシ・カーボネート・ハイドレー
トが用いられ、好ましくは酸化マグネシウム等が併用さ
れる。塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキ
シ・カーボネート・ハイドレートは、式Mg4.5Al2(OH)13CO
3・3.5H2Oで表わされ、ただしMgとAlのモル比は一定の範
囲内で自由にとり得る。この化合物は、例えばMgCl2とA
lCl3との混合物水溶液に水酸化ナトリウム水溶液および
炭酸ナトリウム水溶液を攪拌条件下に添加し、pHを10前
後にすることにより白色の沈殿物として得られる。
【0019】フッ素ゴムコンパウンドは、フッ素ゴム10
0重量部に対し、ポリオール-4級オニウム塩系加硫剤を
形成するポリオールが約2〜10重量部、好ましくは約3〜
8重量部、また4級オニウム塩が約2〜10重量部、好まし
くは約3〜8重量部の割合で用いられ、また受酸剤は塩基
性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシ・カーボ
ネート・ハイドレートが約0.5〜20重量部、好ましくは約
2〜5重量部の割合で用いられ、酸化マグネシウムが併用
される場合には、約2〜10重量部程度用いられる。
【0020】充填剤としては、フッ素ゴム100重量部に
対し、カーボンブラックが約10〜50重量部、好ましくは
約15〜40重量部用いられるものの、けい酸カルシウム、
含水けい酸または炭酸カルシウムを約10〜50重量部、好
ましくは約10〜30重量部併用することが好ましい。これ
ら3種類の内の少くとも1種類の充填剤の併用は、高温の
不凍液浸漬時におけるゴム層の剥れ防止をなお一層有効
なものとする。
【0021】プライマー中へのフッ素ゴムコンパウンド
の配合割合をあまり多くすると、ゴムコート層との初期
接着性は良好となるものの、高温の不凍液浸漬で剥れな
どを生ずるようになるので、一般にノボラック型フェノ
ール樹脂100重量部に対して約10〜40重量部、好ましく
は約10〜35重量部の割合で用いられる。
【0022】以上の各成分よりなるプライマーは、ノボ
ラック型フェノール樹脂(およびフッ素ゴムコンパウン
ド)の固形分濃度が約3〜20重量%、好ましくは約5〜15重
量%となるように、後記の如きケトン-アルコール混合溶
媒溶液として調製され、塗布されて、金属板上に片面厚
さが約2〜10μm程度のプライマー層を形成させる。
【0023】その後、プライマー層形成に用いられた如
きフッ素ゴムコンパウンドを用いて、フッ素ゴムコート
層の形成が行われる。ここで用いられるフッ素ゴムコン
パウンドは、ナイフコート、ロールコータ方式では、固
形分濃度約10〜40重量%、好ましくは約10〜30重量%のケ
トン-アルコール混合溶媒の溶液(粘度約200〜500cps)と
して用いられることが好ましい。ケトンとしてはメチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンが、またアルコ
ールとしてはメタノールが好んで用いられる。両者の混
合溶媒において、ケトンの割合が多いとゲル化が早めら
れ、またアルコールの割合が増すと経時安定性は改善さ
れるものの溶解性が低下するようになるので、その混合
割合の範囲としては重量比でケトン約90〜50%に対しア
ルコールが約10〜50%の割合で用いられる。
【0024】また、スクリーン印刷法やフローコータ方
式では、一般に高沸点のケトン−アルコール混合溶媒の
溶液として用いられる。ケトンとしては、ジ-n-プロピ
ルケトン、ジイソブチルケトン、ホロン、イソホロン、
シクロヘキサノン等が用いられ、またアルコールとして
は、n-ブタノール、アミルアルコール、ヘプタノール等
が用いられ、その混合割合の範囲は重量比で、ケトン約
90〜60%に対しアルコールが約10〜40%である。
【0025】このようにして調製されたフッ素ゴムコン
パウンドの有機溶媒溶液は、ナイフコータ、フローコー
タ、ロールコータ等を用いあるいはスクリーン印刷法に
よって、金属板面上のプライマー層上に任意の塗布厚で
コーティングされ、必要に応じて複数回のコーティング
を行ない、それを乾燥させた後、加圧加硫の場合には、
約160〜230℃、約20〜100Kgf/cm2、約0.5〜30分間の条
件下で、また加熱空気による場合には、常圧下で約160
〜230℃、約5〜30分間の条件下で熱処理し、加硫させ
る。
【0026】加硫ゴム層上には、グラファイト、カーボ
ンブラック、パラフィンワックスなどを主成分とし、こ
れにバインダーとしてセルロース樹脂、アクリル樹脂、
ポリブタジエン樹脂などを添加して、トルエンなどの溶
剤中に分散させた分散液が塗布され、厚さ約2〜10μmの
非粘着層を形成させることにより、焼付防止および付着
防止が図られる。
【0027】
【発明の効果】本発明に係るフッ素ゴムコート金属板
は、耐熱性および耐不凍液性にすぐれており、ガスケッ
ト材料などとして有効に用いることができる。これをエ
ンジン周りガスケット材料として用いた場合には、ビー
ド頂点部の熱劣化によるゴム層の剥れを防止し、また長
期加熱老化や高温不凍液浸漬の際にも、ゴム層の剥れの
有効な防止が達成される。
【0028】また、フッ素ゴムコートに用いられるフッ
素ゴムコンパウンド溶液の経時的安定性も良好である。
【0029】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0030】実施例1 厚さ0.2mmのSUS301鋼板の表面を、アルカリ脱脂処理し
た後、スコッチブライト研磨処理して粗面化した。そこ
に、シリカ、リン酸化合物およびクロム酸を含む複合塗
布型クロメート処理剤を50mg/m2の塗布量で塗布した
後、エポキシフェノール樹脂(クレゾールノボラック変
性エポキシ樹脂のメチルエチルケトン溶液を主剤とし、
これにビスフェノールノボラックフェノール樹脂硬化剤
および2-エチル-4-メチルイミダゾール硬化触媒を添加
したもの)7重量%、下記組成のプライマー用フッ素ゴム
コンパウンド3重量%およびメチルエチルケトン90重量%
よりなるプライマーを、鋼板の両面に浸漬塗布し、150
℃のオーブン中で5分間程度加熱処理して、片面厚さ2.5
μmのプライマー層を両面に形成させた。 (プライマー用フッ素ゴムコンパウンド) フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンA-100) 100重量部 MTカーボンブラック 35 〃 含水けい酸 20 〃 酸化マグネシウム 8 〃 塩基性Mg・Al・ハイドロオキシ・カーボネート・ハイドレート 2 〃 ビスフェノールAF 4 〃 トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド 4 〃 ステアリン酸ナトリウム 0.5 〃
【0031】形成された両面プライマー層上には、プラ
イマー形成に用いられたと同じフッ素ゴムコンパウンド
25重量%およびメチルエチルケトン-メタノール(8:2)混
合溶媒75重量%よりなるコーティング液を、ロールコー
タを用い、片面厚さ20μmで塗布し、60℃で10分間乾燥
させた後、180℃、60Kgf/cm2、10分間の加圧加硫を行っ
た。
【0032】その後、加硫ゴム表面の粘着防止を目的と
して、ポリブタジエン樹脂バインダーを添加したポリエ
チレンワックスのトルエン分散液を塗布し、200℃、3分
間の加熱処理により、厚さ5μmの粘着防止層を形成させ
た。
【0033】実施例2 実施例1において、ゴムの加硫が220℃、常圧下、10分間
の条件下で行われた。
【0034】実施例3 実施例1のプライマーとフッ素ゴムコートの両方に用い
られたフッ素ゴムコンパウンドにおいて、含水けい酸の
代りに、同量のけい酸カルシウムが用いられた。
【0035】実施例4実施例1のプライマーとフッ素ゴ
ムコートの両方に用いられたフッ素ゴムコンパウンドに
おいて、含水けい酸の代りに、同量の炭酸カルシウムが
用いられた。
【0036】比較例1 実施例1のプライマーとフッ素ゴムコートの両方に用い
られたフッ素ゴムコンパウンドにおいて、塩基性Mg・Al・
ハイドロオキシ・カーボネート・ハイドレートが用いられ
なかった。
【0037】比較例2 実施例1のプライマーとフッ素ゴムコートの両方に用い
られたフッ素ゴムコンパウンドにおいて、次のような配
合組成を有するフッ素ゴムコンパウンドが用いられた。 フッ素ゴム(バイトンA-100) 100重量部 MTカーボンブラック 60 〃 酸化マグネシウム 10 〃 ビスフェノールAF 2 〃 トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド 2 〃
【0038】比較例3 比較例2のプライマーとフッ素ゴムコートの両方に用い
られたフッ素ゴムコンパウンドにおいて、フッ素ゴムコ
ンパウンド中の酸化マグネシウムの代りに、4重量部の
水酸化カルシウムが用いられた。
【0039】比較例4 実施例1のプライマーとフッ素ゴムコートの両方に用い
られたフッ素ゴムコンパウンドにおいて、次のような配
合組成を有するフッ素ゴムコンパウンドが用いられた。 フッ素ゴム(バイトンA-100) 100重量部 MTカーボンブラック 20 〃 けい酸カルシウム 10 〃 含水けい酸 20 〃 酸化マグネシウム 10 〃 ビスフェノールAF 2 〃 トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド 2 〃 N,N′-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン 3 〃
【0040】比較例5 実施例1において、SUS301鋼板の表面処理が行われなか
った。
【0041】以上の各実施例および比較例について、次
の各項目の測定が行われた。 フッ素ゴムコンパウンドの加硫速度tc(90):JIS K-6300
に従って、90%加硫される迄の時間を80℃で測定 ゴムコーティング液(ゴム糊)の経時的安定性:フッ素ゴ
ムコンパウンド25重量%およびメチルエチルケトン-メタ
ノール(8:2)混合溶媒75重量%よりなるコーティング液
を、温度25℃、湿度50%RHでガラスびんに密封したとき
のゲル化の有無を経時的に目視で観察 不凍液浸漬後の接着性:フッ素ゴムコートSUS301鋼板
を、トヨタ純正不凍液の50%水溶液中に圧力容器密閉条
件下で浸漬し、150℃に500時間保持した後、描画試験に
よってゴム層の剥れの有無を判定
【0042】得られた結果は、次の表に示される。 表 tc(90)(分) ゴム糊の経時的安定性 不凍液浸漬後の接着性 実施例1 4 20日間異常なし ゴム層の剥れなし 〃 2 〃 〃 〃 〃 3 〃 〃 〃 〃 4 〃 〃 〃 比較例1 4.5 4日でゲル化 ゴム層の剥れあり 〃 2 10 15日でゲル化 〃 〃 3 4 1日でゲル化 〃 〃 4 6.5 12日でゲル化 〃 〃 5 4 15日間異常なし 〃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 127/12 C09D 127/12 161/06 161/06 163/04 163/04 C09K 3/10 C09K 3/10 R M

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学的表面処理が施された金属板表面
    に、ノボラック型フェノール樹脂含有プライマーを介し
    て、フッ素ゴム、ポリオール-4級オニウム塩系加硫剤お
    よび塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシ
    ・カーボネート・ハイドレート受酸剤を含有するフッ素ゴ
    ムコンパウンドから形成されたコーティング層を設けて
    なるフッ素ゴムコート金属板。
  2. 【請求項2】 フッ素ゴム、ポリオール-4級オニウム塩
    系加硫剤および塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイ
    ドロオキシ・カーボネート・ハイドレート受酸剤を含有す
    るフッ素ゴムコンパウンドが更に配合されたノボラック
    型フェノール樹脂含有プライマーが用いられた請求項1
    記載のフッ素ゴムコート金属板。
  3. 【請求項3】 充填剤としてカーボンブラックおよびけ
    い酸カルシウム、含水けい酸または炭酸カルシウムが配
    合されたフッ素ゴムコンパウンドが用いられた請求項1
    または2記載のフッ素ゴムコート金属板。
  4. 【請求項4】 ガスケット材料として用いられる請求項
    1、2または3記載のフッ素ゴムコート金属板。
  5. 【請求項5】 フッ素ゴム、ポリオール-4級オニウム塩
    系加硫剤および塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイ
    ドロオキシ・カーボネート・ハイドレート受酸剤を含有す
    るフッ素ゴムコンパウンドのケトン-アルコール混合溶
    媒溶液よりなるフッ素ゴムコーティング剤。
  6. 【請求項6】 充填剤としてカーボンブラックおよびけ
    い酸カルシウム、含水けい酸または炭酸カルシウムが配
    合されたフッ素ゴムコンパウンドが用いられた請求項5
    記載のフッ素ゴムコーティング剤。
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