JP2004076699A - エンジン用シリンダヘッドガスケット素材 - Google Patents

エンジン用シリンダヘッドガスケット素材 Download PDF

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Abstract

【課題】ステンレス鋼等の金属とゴムとの複合体よりなるエンジン用シリンダヘッドガスケット素材を形成させるに際し、有害な塗布型クロメート処理などを金属に施さずとも、耐水接着性にすぐれたエンジン用シリンダヘッドガスケット素材を提供する。
【解決手段】ステンレス鋼板上に有機チタン化合物および平均粒径40nm以下の超微粒子金属酸化物を含有するシラン系下塗り剤、樹脂系上塗り接着剤およびゴムを順次積層したエンジン用シリンダヘッドガスケット素材。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン用シリンダヘッドガスケット素材に関する。更に詳しくは、エンジン冷却用の不凍液に対してすぐれた耐性を示すシリンダヘッドガスケット素材に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐LLC(ロングライフクーラント)性が必要とされるエンジン用シリンダヘッドガスケット素材の金属材料としては、主にステンレス鋼が用いられているが、ステンレス鋼に直接加硫接着剤を適用し、ゴムと接着させても耐液接着性が悪く、このゴム金属積層板についてLLC浸せき試験を実施すると、接着剥離を生ずるようになる。
【0003】
このための対策として、加硫接着剤を塗布する前処理として、ステンレス鋼上に塗布型クロメート処理が施され、LLCに対する耐性を向上させることが行われている。しかしながら、塗布型クロメート処理では、Crイオンが含まれるため、環境対策上からみて好ましくない。
【0004】
本出願人は先に、ゴム金属積層ガスケット素材を製造するに際し、金属とゴムとの接着剤としてアルコキシシランをベースとする種々の加硫接着剤組成物を提案しており(特開平7−34054号公報、同7−216309号公報、同8−209102号公報、同9−3432号公報、同9−40916号公報、同9−132758号公報、同10−7990号公報、同10−8021号公報、同11−1672号公報、特開2001−226642号公報)、これらの加硫接着剤組成物は、予め化学的または物理的表面処理している金属表面との接着に特に適しているが、無処理の金属表面に適用した場合には、例えば塗布型クロメート処理を施したステンレス鋼の場合程の密着性を得ることはできない。
【0005】
また、本出願人は、ゴム金属積層ガスケット素材として、複合型クロメート処理金属板上にフェノール樹脂含有接着剤を介してニトリルゴムまたは水素化ニトリルゴムを積層させたゴム金属積層ガスケット素材を提案している(特開平11−58597号公報、特開2000−6308号公報、同2000−141537号公報)。これらの発明で使用されているフェノール樹脂含有接着剤においても、無処理のステンレス鋼板に適用した場合には、例えば塗布型クロメート処理を施したステンレス鋼の場合程の密着性を得ることはできず、十分な耐液性が示されない。
【0006】
さらに、フェノール系樹脂をベースとする各種加硫接着剤用下塗り剤も市販されているが、ステンレス鋼との接着においては、十分なる接着性、耐水性を示さない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ステンレス鋼等の金属とゴムとの複合体よりなるエンジン用シリンダヘッドガスケット素材を形成させるに際し、有害な塗布型クロメート処理などを金属に施さずとも、耐水接着性にすぐれたエンジン用シリンダヘッドガスケット素材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、ステンレス鋼板上に有機チタン化合物および平均粒径40nm以下の超微粒子金属酸化物を含有するシラン系下塗り剤、樹脂系上塗り接着剤およびゴムを順次積層したエンジン用シリンダヘッドガスケット素材によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
ステンレス鋼板としては、SUS304、SUS301、SUS430等が用いられる。その板厚は、ガスケット用途であるので、一般に約0.1〜2mm程度のものが用いられる。
【0010】
これらのステンレス鋼板上には、まずシラン系下塗り剤が塗布される。シラン系下塗り剤としては、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物が用いられる。ここで、オルガノアルコキシシランは一般式R′Si(OR)で表わされ、Rはメチル基、エチル基等の低級アルキル基であり、R′はメチル基、エチル基、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−フェニル−3−アミノプロピル基、ビニル基、3−メタクリロキシプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基等である。
【0011】
オルガノアルコキシシランの加水分解縮合反応は、加水分解用の水を存在させながら、ギ酸等の酸触媒の存在下に約40〜80℃程度に加熱することによって行われる。また、かかる加水分解縮合物として、アミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーが好んで用いられる。共重合オリゴマーの一方の成分であるアミノ基含有アルコキシシランとしては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が用いられる。他の成分であるビニル基含有アルコキシシランとしては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が用いられる。
【0012】
オリゴマー化反応に際しては、アミノ基含有アルコキシシラン100重量部に対して、ビニル基含有アルコキシシラン50〜150重量部、好ましくは80〜120重量部および加水分解用の水20〜150重量部が用いられる。ビニル基含有アルコキシシランをこれより多い割合で用いると、上塗り剤またはゴムとの相溶性が悪くなって接着性が低下するようになり、一方これよりも少ない割合で用いると、耐水性が低下するようになる。
【0013】
オリゴマー化反応は、これらを蒸留装置および攪拌機を有する反応器内に仕込み、約60℃で約1時間攪拌する。その後、酸、例えばギ酸や酢酸をアミノ基含有アルコキシシラン1モルに対し約1〜2モルを1時間以内に添加する。この際の温度は約65℃に保たれる。さらに1〜5時間攪拌し、反応を進行させると同時に、加水分解によって生成したアルコールを減圧下で蒸留する。蒸留水が水しか存在しなくなった時点で蒸留を終了させ、その後シラン濃度が30〜80重量%になるように希釈して調節することにより、目的とする共重合オリゴマーが得られる。この共重合オリゴマーは、メタノール、エタノール等のアルコール系有機溶媒に可溶な程度のオリゴマーである。また、すでに共重合オリゴマーとして市販されているものをそのまま用いることもできる。
【0014】
なお、アミノ/ビニル基含有アルコキシシラン共重合オリゴマーをステンレス鋼等の金属とフッ素ゴムとの接合に用いることは、本出願人によって提案されているが(WO 02/24826)、そこでは共重合オリゴマーが加硫接着剤として用いられており、一方本発明では加硫接着用プライマーとして用いられ、別に加硫接着剤を必要としている。
【0015】
これらのシラン系下塗り剤中には、オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物100重量部当り約10〜50重量部、好ましくは約20〜40重量部の有機チタン化合物および約10〜100重量部、好ましくは約20〜40重量部の超微粒子金属酸化物が添加して用いられる。有機チタン化合物および超微粒子金属酸化物が、これよりも少ない割合で用いられると耐LLC性を改善することができず、一方これよりも多い割合で用いられると、有機チタン化合物にあっては樹脂系上塗り剤との相溶性が悪くなり、超微粒子金属酸化物にあってはステンレス鋼板上に均一な皮膜形成ができなくなる。この超微粒子金属酸化物にあっては、その平均粒径(BET法)が40nm以下でなければならず、これ以上の平均粒径のものを用いると凝集が発生し、均一な皮膜形成ができなくなる。
【0016】
有機チタン化合物としては、一般式
Figure 2004076699
R:CH,C,OCH,OC など
n:0〜4の整数
で表されたものが用いられ、具体的には例えばテトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート等が用いられる。
【0017】
また、超微粒子金属酸化物としては、例えば酸化けい素、酸化チタン、酸化アルミニウム等が用いられる。
【0018】
以上の各成分を必須成分とするシラン系下塗り剤は、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶媒またはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒と水との混合溶剤の約0.2〜3重量%濃度の溶液として調製され、用いられる。有機溶媒と水とは、前者が約100〜80重量%、また後者が約0〜20重量%となるような割合で混合して用いられる。水を併用した場合には、加水分解縮合物のさらなる高分子量が進み、強じんな被膜を形成させることができる。
【0019】
シラン系下塗り剤は、アルカリ脱脂処理したステンレス鋼板上に浸せき、噴霧、はけ刷り、ロールコートなどの方法によって約0.1〜10μmの膜厚で塗布され、室温下で乾燥した後、約100〜250℃で約1〜20分間程度焼付処理される。
【0020】
ステンレス鋼板上に塗布されたシラン系下塗り剤上には、ニトリルゴムでガスケットを作製する場合には、一般に市販品のフェノール樹脂系接着剤が加硫接着剤として塗布される。市販品としては、東洋化学研究所製品メタロックN31、ロームアンドハース社製品シクソン715、ロードファーイースト社製品ケムロックTS1677−13等が挙げられる。これらの上塗り剤についても、下塗り剤の場合と同様の塗布方法、塗布温度、塗布時間が適用され、膜厚約1〜15μmの上塗り剤層を形成させる。
【0021】
フッ素ゴムでガスケットを作製する場合には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および第3アミン化合物を含有する加硫接着剤組成物が樹脂系上塗り剤として塗布される。エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が用いられる。また、フェノール樹脂としては、一般にフェノール、クレゾール、アルキルフェノール等のフェノール化合物とホルムアルデヒドとを縮重合して得られるノボラック型フェノール樹脂が用いられる。これらの各成分の硬化剤として作用する第3アミン化合物としては、例えば2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が用いられる。
【0022】
これらの各成分は、エポキシ樹脂100重量部に対しフェノール樹脂が約20〜60重量部、好ましくは約30〜50重量部の割合で、また第3アミン化合物が約0.2〜1重量部の割合でそれぞれ用いられる。以上の各成分からなる樹脂系上塗り剤は、その合計量が約3〜10重量%になるように、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒またはメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶媒の溶液として調製され、下塗り剤の場合と同様の塗布方法、塗布温度、塗布時間が適用され、膜厚約1〜15μmの上塗り剤層を形成させる。
【0023】
このようにして形成された接着剤層上には、未加硫のニトリルゴムコンパウンドまたはフッ素ゴムコンパウンドが約5〜120μm程度の厚さの片面加硫物層を形成せしめるように、ニトリルゴムコンパウンドまたはフッ素ゴムコンパウンドの有機溶媒溶液として塗布される。塗布されたゴム層は、室温乃至約100℃の温度で約1〜15分間程度乾燥し、有機溶媒として用いられたメタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンまたはこれらの混合溶媒などを揮発させた後、約150〜230℃で約0.5〜30分間加熱加硫し、必要に応じて加圧して加硫することも行われる。加硫されたニトリルゴム層またはフッ素ゴム層は、ガスケットとしての用途上、硬度(デュロメーターA)が80以上で、圧縮永久歪(100℃、22時間)が50%以下であることが望ましく、粘着防止が必要な場合には、その表面に粘着防止剤を塗布することもできる。
【0024】
NBRまたは水素化NBRが用いられるニトリルゴムとしては、イオウ、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のイオウ系加硫剤を用いたコンパウンドとして使用することもできるが、好ましくは有機過酸化物を架橋剤として使用した未加硫ニトリルゴムコンパンドとして用いられる。かかるパーオキサイド架橋系の未加硫ニトリルゴムコンパウンドとしては、例えば次のような配合例が示される。
【0025】
(配合例I)
NBR(中高ニトリル;JSR製品N237)           100重量部
HAFカーボンブラック                 10 〃
SRFカーボンブラック                 40 〃
粉末状セルロース                  10 〃
酸化亜鉛                      10 〃
ステアリン酸                     1 〃
マイクロクリスタリンワックス             2 〃
老化防止剤(大内新興化学製品ODA−NS)          4 〃
可塑剤(バイエル社製品ブカノールOT)          5 〃
有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ25B)       6 〃
N,N−m−フェニレンジマレイミド             1 〃
(配合例II)
NBR(JSR製品N235S)                 100重量部
SRFカーボンブラック                 80 〃
炭酸カルシウム                   80 〃
粉末状シリカ                    20 〃
酸化亜鉛                       5 〃
老化防止剤(大内新興化学製品ノクラック224)      2 〃
トリアリルイソシアヌレート              2 〃
1,3−ビス(第3ブチルパーオキシ)イソプロピルベンゼン 2.5 〃
可塑剤(バイエル社製品ブカノールOT)          5 〃
【0026】
フッ素ゴムとしては、ポリオール加硫性およびパーオキサイド加硫性のいずれも使用することができ、未加硫のフッ素ゴムコンパウンドとしては、例えば次のような配合例が示される。
【0027】
(配合例III)
フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンE60C)       100重量部
加硫剤(デュポン社製品ダイアックNo.3)         3 〃
酸化マグネシウム(協和化学製品マグネシア#30)     10 〃
MTカーボンブラック                  30 〃
(配合例IV)
フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンE45)        100重量部
メタけい酸カルシウム                 40 〃
MTカーボンブラック                  2 〃
酸化マグネシウム(協和化学製品マグネシア#150)     6 〃
水酸化カルシウム                   3 〃
加硫剤(デュポン社製品キュラティブ#30)         2 〃
加硫促進剤(同社製品キュラティブ#20)          1 〃
(配合例V)
フッ素ゴム(ダイキン製品ダイエルG901)        100重量部
メタけい酸カルシウム                 20 〃
MTカーボンブラック                  20 〃
酸化マグネシウム(マグネシア#150)           6 〃
水酸化カルシウム                   3 〃
トリアリルイソシアヌレート             1.8 〃
有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ25B)       0.8 〃
【0028】
ポリオール加硫性フッ素ゴムとしては、一般にフッ化ビニリデンと他の含フッ素オレフィン、例えばヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)等の少なくとも一種との共重合体が挙げられ、これらのフッ素ゴムは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン、ヒドロキノン等のポリヒドロキシ芳香族化合物によってポリオール加硫される。
【0029】
また、パーオキサイド加硫性フッ素ゴムとしては、例えば分子中にヨウ素および/または臭素を有するフッ素ゴムが挙げられ、これらのフッ素ゴムは一般にパーオキサイド加硫に用いられている有機過酸化物によって加硫(架橋)される。この場合には、有機過酸化物と共に、トリアリルイソシアヌレートによって代表される多官能性不飽和化合物を併用することが好ましい。
【0030】
【発明の効果】
本発明にかかるエンジン用シリンダヘッドガスケット素材は、ステンレス鋼板、有機チタン化合物および超微粒子金属酸化物を含有するシラン系下塗り剤、樹脂系上塗り剤およびニトリルゴムパウンドまたはフッ素ゴムコンパウンドよりなる積層構造を有し、シラン系下塗り剤、好ましくはオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物、さらに好ましくはアミノ/ビニル基含有アルコキシシラン共重合オリゴマーを用いることにより、エンジンを冷却して加熱されたLLC液に対して120℃、1000時間という条件下でもすぐれた耐久耐液性を示す。また、このガスケット素材は、メタルガスケット素材としても用いられる。
【0031】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0032】
参考例
攪拌機、加熱ジャケットおよび滴下ロートを備えた三口フラスコに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン40部(重量、以下同じ)および水20部を仕込み、pHが4〜5になるように酢酸を加えて調製し、数分間攪拌した。さらに攪拌を続けながら、ビニルトリエトキシシラン40部を滴下ロートを使って徐々に滴下した。滴下終了後、約60℃の温度で5時間加熱還流を行い、室温迄冷却して共重合オリゴマーを得た。
【0033】
実施例1
表面ダル仕上げSUS301鋼板(厚さ0.2mm)の表面をアルカリ脱脂した後、
上記共重合オリゴマー                   100部
テトライソプロポキシチタン                12部
超微粒子酸化けい素(関東化学製品NanoTek37484−89;      20部
平均粒径26nm)
メタノール                       2950部
水                            80部
よりなるシラン系下塗り剤を塗布し、室温で乾燥させた後、220℃で5分間の焼付処理を行った。
【0034】
冷却後、
フェノール樹脂系上塗り接着剤               12部
(東洋化学研究所製品メタロックN−31)
ヘキサメチレンテトラミン含有硬化剤(同社製品ヘキサーB)  0.4部
メチルエチルケトン                   77.6部
メタノール                         10部
よりなる上塗り接着剤を塗布し、室温で乾燥させた後、210℃で5分間の焼付処理を行った。
【0035】
この接着剤層に、
ニトリルゴムコンパウンド(前記配合例I)           25部
メチルエチルケトン                    7.5部
トルエン                        67.5部
よりなるゴム溶液(固形分濃度25重量%)を塗布し、60℃で15分間の乾燥を行い、片面厚さ20μmの未加硫ゴム層を形成させた後、180℃、60kgf/cm、10分間の条件下で加圧加硫を行って、ゴム金属積層ガスケット素材を得た。
【0036】
実施例2
実施例1のシラン系下塗り剤において、超微粒子酸化けい素の代りに同量の超微粒子酸化チタン(関東化学製品NanoTek40983−84;平均粒径30nm)が用いられた。
【0037】
実施例3
実施例1の上塗り接着剤の代りに
市販上塗り剤                       12部
(ロームアンドハース社製品シクソン715−A)
ヘキサメチレンテトラミン含有硬化剤            0.4部
(同社製品シクソン715−B)
メチルエチルケトン                   77.6部
メタノール                        10部
よりなる上塗り接着剤が用いられた。
【0038】
比較例1
実施例1において、シラン系下塗り剤が用いられなかった。
【0039】
比較例2
実施例1において、上塗り接着剤が用いられなかった。
【0040】
比較例3
実施例1のシラン系下塗り剤において、超微粒子酸化けい素が用いられなかった。
【0041】
比較例4
実施例1のシラン系下塗り剤において、テトライソプロポキシチタンが用いられなかった。
【0042】
比較例5
実施例1のシラン系下塗り剤の代りに
市販シラン系下塗り剤                  20部
(ロードファーイースト社製品ケムロックAP−133)
メタノール                       70部
水                           10部
よりなる下塗り剤が用いられた。
【0043】
比較例6
実施例1の下塗り接着剤において、超微粒子酸化けい素の代りに、平均粒径9μmの酸化けい素(日本シリカ製品Nipsil LP)を同量用いた。
【0044】
以上の各実施例および比較例で得られたガスケット素材について、初期および120℃のLLC(制研化学製品L004NA)50重量%水溶液中に70時間、140時間、280時間、500時間および1000時間浸せき後のゴバン目テープ試験(JIS K−5400 8.5.2項の方法による)を行い、次の表1に示されるような結果を得た。
Figure 2004076699
【0045】
実施例4
実施例1において、樹脂系上塗り剤として、
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂      24.4部
(ジャパンエポキシレジン製品エピコート180S65)
ノボラック型フェノール樹脂            9.7部
(大日本インキ化学製品フェノライトKA−1174)
2−エチル−4−メチルイミダゾール          0.1部
メチルエチルケトン               65.8部
よりなる上塗り接着剤を用い、また
フッ素ゴムコンパウンド(前記配合例III)      25部
メチルイソブチルケトン             60部
メタノール                   15部
よりなるゴム溶液(固形分濃度25重量%)が用いられた。
【0046】
実施例5
実施例4の下塗り剤において、超微粒子酸化けい素の代りに同量の超微粒子酸化チタン(NanoTek40983−84)が用いられた。
【0047】
実施例6
実施例4の樹脂系上塗り剤において、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の代りに同量のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製品エピコート154)が用いられた。
【0048】
比較例7
実施例4において、シラン系下塗り剤が用いられなかった。
【0049】
比較例8
実施例4において、樹脂系上塗り接着剤が用いられなかった。
【0050】
比較例9
実施例4のシラン系下塗り剤において、超微粒子酸化けい素が用いられなかった。
【0051】
比較例10
実施例4のシラン系下塗り剤において、テトライソプロポキシチタンが用いられなかった。
【0052】
比較例11
実施例4のシラン系下塗り剤の代りに、
市販シラン系下塗り剤(ケムロックAP−133)       20部
メタノール                     70部
水                         10部
よりなる下塗り剤が用いられた。
【0053】
比較例12
実施例4の樹脂系上塗り接着剤において、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の代りに同量のビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭チバ製品アラルダイトAER6071)が用いられ、ゴム溶液の塗布が行われなかった。
【0054】
比較例13
実施例4の樹脂系上塗り接着剤の代りに、
市販上塗り接着剤(横浜高分子研究所製品モニカスVT−100)   25部
メチルエチルケトン                    75部
よりなる上塗り接着剤が用いられた。
【0055】
比較例14
実施例4の下塗り接着剤において、超微粒子酸化けい素の代りに、平均粒径9μmの酸化けい素(Nipsil LP)を同量用いた。
【0056】
以上の実施例4〜6および比較例6〜12で得られた結果は、次の表2に示される。
Figure 2004076699

Claims (6)

  1. ステンレス鋼板上に、有機チタン化合物および平均粒径40nm以下の超微粒子金属酸化物を含有するシラン系下塗り剤、樹脂系上塗り剤およびゴムを順次積層してなるエンジン用シリンダヘッドガスケット素材。
  2. シラン系下塗り剤がオルガノアルコキシシランの加水分解縮合物である請求項1記載のエンジン用シリンダヘッドガスケット素材。
  3. オルガノアルコキシシランの加水分解縮合物がアミノ基含有アルコキシシランとビニル基含有アルコキシシランとの共重合オリゴマーである請求項2記載のエンジン用シリンダヘッドガスケット素材。
  4. 樹脂系上塗り剤がフェノール樹脂系接着剤であり、ゴムがニトリルゴムである請求項1、2または3記載のエンジン用シリンダヘッドガスケット素材。
  5. 樹脂系上塗り剤がエポキシ樹脂、フェノール樹脂および第3アミン化合物を含有する加硫接着剤組成物であり、ゴムがフッ素ゴムである請求項1、2または3記載のエンジン用シリンダヘッドガスケット素材。
  6. エンジン冷却用の不凍液に接触する用途に用いられる請求項1記載のエンジン用シリンダヘッドガスケット素材。
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