JPH11341762A - 車両用交流発電機 - Google Patents

車両用交流発電機

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JPH11341762A
JPH11341762A JP14253698A JP14253698A JPH11341762A JP H11341762 A JPH11341762 A JP H11341762A JP 14253698 A JP14253698 A JP 14253698A JP 14253698 A JP14253698 A JP 14253698A JP H11341762 A JPH11341762 A JP H11341762A
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JP
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claw
shaped magnetic
rotor
pole
noise
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Yoshito Asao
淑人 浅尾
Yoshihiro Ogawa
佳宏 小川
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不快な高周波騒音を抑制することができると
共に、爪振動音も低減され、また電磁音も低減できる車
両用交流発電機を得る。 【解決手段】 ポールコア体17,18における爪状磁
極19,20の最外径部面と隣の爪状磁極19,20と
の隙間を回転子6外径全周にわたり騒音抑制部材28で
覆うことにより、高周波騒音を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用交流発電
機の騒音抑制対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の車両用交流発電機を示す
側面断面図、図11は同じく回転子部分を示す斜視図で
ある。図において、この発電機は、アルミニウム製のフ
ロントブラケット31及びリヤブラケット32から構成
されたケース33と、このケース33内に設けられ、一
端部にプーリ34が固定されたシャフト35と、このシ
ャフト35に固定されたランドル型の回転子36と、回
転子36の両側面に固定されたファン37と、ケース3
3内の内壁面に固定されたステータ38と、シャフト3
5の他端部に固定され、回転子36に電流を供給するス
リップリング39と、スリップリング39に摺動する一
対のブラシ40と、このブラシ40を収納したブラシホ
ルダ41と、ステータ38に電気的に接続され、ステー
タ38で生じた交流を直流に整流する整流器42と、プ
ラシホルダ41に嵌着されたヒートシンク43と、この
ヒートシンク43に接着され、ステータ38で生じた交
流電圧の大きさを調整するレギュレータ44とを備えて
いる。
【0003】又、回転子36は、電流を流して磁束を発
生させる回転子コイル45と、この回転子コイル45を
覆って設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポ
ールコア46とを備えている。ポールコア46は一対の
交互に噛み合った第一のポールコア体47及び第二のポ
ールコア体48とから構成されている。第一のポールコ
ア体47及び第二のポールコア体48は鉄製で、かつ爪
形状の爪状磁極49,50をそれぞれ有している。隣り
合う各爪状磁極49,50は、両爪間で磁束が漏れない
よう、また、回転子コイル45を冷却するための冷却風
通路となるよう、ある一定の磁極間隙間51が設けら
れ、配設されている。ロータ内部を冷却するための冷却
風は、隣り合う爪状磁極との谷部52より流入し、磁極
間隙間51を通風しながら回転子コイル45を冷却し、
対極の爪状磁極谷部より流出している。回転子コイル4
5を十分に冷却することにより、回転子コイル45の温
度を下げ(コイル抵抗の上昇を抑え)、発電機の熱時状
態での、励磁電流の落ち込みを抑え、出力を維持してい
る。
【0004】また、爪状磁極49,50の肩部53,5
4は、回転時に発生する爪状磁極49,50による風騒
音(風切音)を抑制するため、アール形状やテーパ形状
となっている。出力が大きい時など、回転子36と固定
子38とのエアギャップに生じる磁気吸引力により、図
12に示すような爪振動による電磁音が発生する。これ
を抑制するために、図13に示すように冷却爪状磁極4
9,50の内側面(内径側面)に振動抑制リング55が
嵌着されている。ステータ38はステータコア56と、
このステータコア56に導線が巻回されることにより、
回転子36の回転に伴い、回転子コイル45からの磁束
の変化で交流が生じるステータコイル57とを備えてい
る。
【0005】次に動作について説明する。バッテリ(図
示せず)からブラシ40、スリップリング39を通じて
回転子コイル45に電流が供給されて磁束が発生し、第
1のポールコア体47の爪状磁極49にはN極が着磁さ
れ、第2のポールコア体48の爪状磁極50にはS極が
着磁される。一方、エンジンによってプーリ34は駆動
され、シャフト35によって回転子36が回転するた
め、ステータコイル57には回転磁界が与えられ、ステ
ータコイル57には起電力が生じる。この交流の起電力
は、整流器42を通って直流に整流されるとともに、レ
ギュレータ44によりその大きさが調整されて、バッテ
リに充電される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両用交流発電
機は以上のように構成されているので、オルタネータの
回転子36は、音源探査の結果、このステータコア56
の対向部面以外の爪状磁極49,50の最外径部面49
a,50aより、高次数成分の不快な風騒音が発生す
る。この風騒音の対策の従来例として、特許第2617
002号公報に開示されているように、ステータコア5
6端面対向部点を起点にテーパ形状にするなどしていた
が、音源であるステータコア56対向部面以外の隣り合
う爪状磁極の隙間58による凹凸形状のため、風騒音の
抑制は十分でなかった。また、出力が大きい時など、図
12で示したような爪状磁極49,50の振動により、
電磁音を発生する場合があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、不快な高周波風騒音を抑制する
ことができると共に、爪振動音も低減され、電磁音が低
減できる車両用交流発電機を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る車両用交流発電機は、爪状磁極を有し、交互に噛み合
った一対のポールコア体からなる回転子をシャフトに支
承し、この回転子の外周に固定子が配置されているもの
であって、この固定子内周面との対向部以外の爪状磁極
の最外径部面と、隣の爪状磁極との隙間を回転子外径全
周にわたり騒音抑制部材で覆ったものである。
【0009】この発明の請求項2に係る車両用交流発電
機は、騒音抑制部材を非磁性体金属リングで構成し、こ
の騒音抑制部材の内周面に対極するもう一方の爪状磁極
の先端部外周面を嵌着したものである。
【0010】この発明の請求項3に係る車両用交流発電
機は、爪状磁極を有し、交互に噛み合った一対のポール
コア体からなる回転子をシャフトに支承し、この回転子
の外周に固定子が配置されているものであって、爪状磁
極の隣同士の隙間及び対極する爪状磁極との隙間を騒音
抑制部材で埋め込んだものである。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
一実施形態を図について説明する。図1はこの発明の実
施の形態1による車両用交流発電機を示す側面断面図、
図2は同じく回転子部分を示す斜視図である。図におい
て、この発電機は、アルミニウム製のフロントブラケッ
ト1及びリヤブラケット2から構成されたケース3と、
このケース3内に設けられ、一端部にプーリ4が固定さ
れたシャフト5と、このシャフト5に固定されたランド
ル型の回転子6と、回転子6の両側面に固定されたファ
ン7と、ケース3内の内壁面に固定されたステータ8
と、シャフト5の他端部に固定され、回転子6に電流を
供給するスリップリング9と、スリップリング9に摺動
する一対のブラシ10と、このブラシ10を収納したブ
ラシホルダ11と、ステータ8に電気的に接続され、ス
テータ8で生じた交流を直流に整流する整流器12と、
ブラシホルダ11に嵌着されたヒートシンク13と、こ
のヒートシンク13に接着され、ステータ8で生じた交
流電圧の大きさを調整するレギュレータ14とを備えて
いる。
【0012】又、回転子6は、電流を流して磁束を発生
させる回転子コイル15と、この回転子コイル15を覆
って設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポー
ルコア16とを備えている。ポールコア16は一対の交
互に噛み合った第一のポールコア体17及び第二のポー
ルコア体18とから構成されている。第一のポールコア
体17及び第二のポールコア体18は鉄製で、かつ爪形
状の爪状磁極19,20をそれぞれ有している。隣り合
う各爪状磁極19,20は、両爪間で磁束が漏れないよ
う、また、回転子コイル15を冷却するための冷却風通
路となるよう、ある一定の磁極間隙間21が設けられ、
配設されている。ロータ内部を冷却するための冷却風
は、隣り合う爪状磁極との谷部22より流入し、磁極間
隙間21を通風しながら回転子コイル15を冷却し、対
極の爪状磁極谷部より流出している。回転子コイル15
を十分に冷却することにより、回転子コイル15の温度
を下げ(コイル抵抗の上昇を抑え)、発電機の熱時状態
での、励磁電流の落ち込みを抑え、出力を維持してい
る。
【0013】また、冷却爪状磁極19,20の内側面
(内径側面)には、図3に示したような爪振動による電
磁音を抑制するために、振動抑制リング25が嵌着され
ている。固定子8は、ステータコア26と、このステー
タコア26に導線が巻回されることにより、回転子6の
回転に伴い、回転子コイル15からの磁束の変化で交流
が生じるステータコイル27とを備えている。28は、
爪状磁極19,20のステータコア26対向部以外の部
分の最外径部面19a,20aと、隣の爪との隙間を回
転子6外径全周にわたり覆っている騒音抑制部材であ
る。図3に爪状磁極部分の側面断面図を示す。
【0014】本実施形態においては、爪状磁極19,2
0の最外径部面19a,20aと、隣の爪との隙間をロ
ータ外径全周にわたり、騒音抑制部材28にて覆ったた
め、この部位で発生する不快な高周波風騒音を抑制する
ことができる。図4にこの実施形態の騒音低減効果を示
した実測データを示す。一般的に車両において騒音問題
となる12000r/min回転以上の高速回転域で、
不快な高次数成分が約10dB減少するのが判る。ま
た、各次数成分を合算したオーバーオール値も約2dB
低減している。
【0015】この実施形態では、騒音抑制部材28は樹
脂で形成し、爪状磁極の最外径部面19a,20aに接
着されている。なお、爪状磁極の最外径部面19a,2
0aと、隣の爪との隙間だけを覆い、ロータ内部の冷却
風の出入口である谷部22は従来通り開放されているの
で、回転子コイル15を冷却するための冷却通風路は確
保されているため、コイルの温度上昇による抵抗の上昇
を抑えられ、発電機の熱時状態での励磁電流の落ち込み
は少なく、出力を維持できる。
【0016】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2による車両用交流発電機の回転子部分を示す斜視
図、図6は同じく側面断面図であり、図において、騒音
抑制部材28は非磁性体金属リングでできており、実施
の形態1の場合と同様に爪部最外径部面19a,20a
に嵌着されるとともに、対極位置するもう一方のポール
コアの爪状磁極先端19b,20bにも嵌着されてい
る。こうすることにより、実施の形態1と同様に風騒音
を低減できるとともに、騒音抑制部材28は金属部材で
充分に剛性があるため、図12に示されるような爪振動
音も低減され、電磁音が低減できる。
【0017】特に変位の大きな爪先端が嵌着されている
ので大きな効果が見られる。図7にこの実施形態の電磁
音実測データ(オルタネータ回転数12000〜200
00r/minのみ抜粋)を示す。従来の回転子の場
合、電磁音は爪状磁極の振動により、オーバーオール値
の17000r/minにて102dBの電磁音ピーク
が発生している。電磁音は風騒音とは騒音の回転次数成
分が異なっており、風音効果として図内に示されている
高次数成分データに低減効果は現れていないが、オーバ
ーオール値には大きくでており、本実施形態では電磁音
ピークが完全に消失しているのがわかる。なお本実施形
態では、従来爪振動を抑えるために用いられていた振動
抑制リング55を使う必要がない。
【0018】実施の形態3.図8はこの発明の実施の形
態3による車両用交流発電機の回転子部分を示す斜視図
である。図において、騒音抑制部材29を爪部最外径部
と同一外周上の隣の爪との隙間及び対極する爪間との隙
間部とを埋めるような形状とし、樹脂にて形成したもの
である。このような形状とすることで、対極する爪間と
の隙間により発生する風騒音も抑制されるので、さらに
風騒音が低減できる。図9はロータの組み立て工程を示
す側面図であり、一対のポールコア体17,18と回転
子コイル15をはさむと共に、騒音抑制部材29をもは
さみ込んで組み入れるものである。このようにして、騒
音抑制部材29をはさみ込むだけで、容易にロータの組
み立て製作を行なうことができる。
【0019】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る車両用交流発
電機によれば、爪状磁極を有し、交互に噛み合った一対
のポールコア体からなる回転子をシャフトに支承し、こ
の回転子の外周に固定子が配置されているものであっ
て、この固定子内周面との対向部以外の爪状磁極の最外
径部面と、隣の爪状磁極との隙間を回転子外径全周にわ
たり騒音抑制部材で覆ったので、これらの部位で発生す
る風騒音を抑制することができると共に、冷却風の通風
路を確保しているため、出力低下への影響を最小限に抑
えることができる。
【0020】この発明の請求項2に係る車両用交流発電
機によれば、騒音抑制部材を非磁性体金属リングで構成
し、この騒音抑制部材の内周面に対極するもう一方の爪
状磁極の先端部外周面を嵌着されているので、風騒音を
低減できると共に、爪状磁極の振動音も低減させること
ができる。
【0021】この発明の請求項3に係る車両用交流発電
機によれば、爪状磁極の隣同士の隙間及び対極する爪状
磁極との隙間を騒音抑制部材で埋め込んだので、騒音が
抑制されると共に、組立作業性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による車両用交流発
電機を示す側面断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における回転子部分
を示す斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における爪状磁極部
分を示す側面断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における風騒音実測
データを示すグラフである。
【図5】 この発明の実施の形態2における回転子部分
を示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態2における回転子部分
を示す側面断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2における電磁音実測
データを示すグラフである。
【図8】 この発明の実施の形態3における回転子部分
を示す斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態3における回転子部分
の組み立て工程を示す側面図である。
【図10】 従来の車両用交流発電機を示す側面断面図
である。
【図11】 従来の車両用交流発電機の回転子部分を示
す斜視図である。
【図12】 従来の爪状磁極部分を示す側面断面図であ
る。
【図13】 従来の回転子部分を示す側面断面図であ
る。
【符号の説明】
5 シャフト、6 回転子、8 固定子、17 第一の
ポールコア体、18第二のポールコア体、19,20
爪状磁極、28,29 騒音抑制部材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 爪状磁極を有し、交互に噛み合った一対
    のポールコア体からなる回転子をシャフトに支承し、こ
    の回転子の外周に固定子が配置されている車両用交流発
    電機において、上記固定子内周面との対向部以外の上記
    爪状磁極の最外径部面と、隣の爪状磁極との隙間を回転
    子外径全周にわたり騒音抑制部材で覆ったことを特徴と
    する車両用交流発電機。
  2. 【請求項2】 騒音抑制部材を非磁性体金属リングで構
    成し、この騒音抑制部材の内周面に対極するもう一方の
    爪状磁極の先端部外周面が嵌着されていることを特徴と
    する請求項1記載の車両用交流発電機。
  3. 【請求項3】 爪状磁極を有し、交互に噛み合った一対
    のポールコア体からなる回転子をシャフトに支承し、こ
    の回転子の外周に固定子が配置されている車両用交流発
    電機において、上記爪状磁極の隣同士の隙間及び対極す
    る爪状磁極との隙間を騒音抑制部材で埋め込んだことを
    特徴とする車両用交流発電機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002029960A1 (fr) * 2000-09-26 2002-04-11 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Generateur c.a. d'un vehicule
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