JPH11341758A - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JPH11341758A
JPH11341758A JP5728699A JP5728699A JPH11341758A JP H11341758 A JPH11341758 A JP H11341758A JP 5728699 A JP5728699 A JP 5728699A JP 5728699 A JP5728699 A JP 5728699A JP H11341758 A JPH11341758 A JP H11341758A
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cos
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coils
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Masaki Nakano
正樹 中野
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つのロータを備える場合に電流制御器の小
型化を図る。 【解決手段】 2つのロータ(3,4)と1つのステータ(2)
を三層構造かつ同一の軸上に構成するとともに、前記ス
テータ(2)に単一のコイル(6)を形成し、この単一のコイ
ル(6)に前記ロータの数と同数の回転磁場が発生するよ
うに複合電流を流すようにした回転電機において、前記
2つのロータ(3,4)の磁極数の比が3:1の組み合わせであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は回転電機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】同一定格トルクの同期モータを独立に2
つ設け、それぞれを同期回転させるようにしたものが提
案されている(特開平9−275673号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、構造をコン
パクトにするため、2つのロータと1つのステータを三層
構造かつ同一の軸上に構成することが考えられる(特開
平8−340663号公報参照)。
【0004】この場合、2つのロータを別々に同期回転
させるため、ステータには各ロータに専用のコイルを用
意するとともに、この各専用コイルに流す電流を制御す
るインバータ(電流制御器)を2つ備えさせなければな
らない。
【0005】しかしながら、それぞれのコイル、それぞ
れのインバータに電流を流すのでは、電流による損失
(銅損、スイッチングロス)をまぬがれない。
【0006】そこで、2つのロータと1つのステータを三
層構造かつ同一の軸上に構成するとともに、ステータに
単一のコイルを形成し、この単一のコイルに複数の回転
磁場が発生するように複合電流を流すことにより、電流
による損失を防止することが考えられる。
【0007】この場合、磁極数の多いほうのロータに対
して、このロータの1磁極当たり3個のコイルを配置する
とすれば、2つのロータの磁極数の比が大きくなるほど
コイルの総数が多くなり、これに流す電流を制御する電
流制御器が大型化してしまう。
【0008】たとえば、外側ロータ3と内側ロータ4の磁
極数の比が2:1の組み合わせ(図5、図6に示したよう
に、内側ロータ4の磁極数が2、外側ロータ3の磁極数が
これの2倍である4)では、外側ロータ(磁極数の多いほ
うのロータ)3に対して、このロータ3の1磁極当たり3個
のコイルを配置するとすれば、3×4=12個のコイルが必
要となり、このコイル総数と同数の相数(つまり12相)
を有する電流整流器が必要になる。
【0009】そこで本発明は、2つのロータの磁極数の
比を3:1の組み合わせとすることにより、電流制御器の
小型化を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、2つのロ
ータと1つのステータを三層構造かつ同一の軸上に構成
するとともに、前記ステータに単一のコイルを形成し、
この単一のコイルに前記ロータの数と同数の回転磁場が
発生するように電流整流器により複合電流を流すように
した回転電機において、前記2つのロータの磁極数の比
が3:1の組み合わせである。
【0011】第2の発明では、第1の発明において複合
電流のうち磁極数の少ない側のロータ駆動電流が9相の
交流である。
【0012】
【発明の効果】2つのロータの磁極数の比が3:1の組み
合わせである本発明と2つのロータの磁極数の比が2:1
の組み合わせである参照例とを比較する。簡単にするた
め、2つのロータの磁極数の比が2:1の組み合わせであ
る本発明の例として、一方のロータの磁極数が2、他方
のロータの磁極数が4であるものを、また、2つのロータ
の磁極数の比が3:1の組み合わせである参照例として、
一方のロータの磁極数が2、他方のロータの磁極数が6で
あるものを考える。
【0013】磁極数の多いほうのロータに対して、この
ロータの1磁極当たり3個のコイルを配置する場合である
と、2つのロータの磁極数の比が2:1の組み合わせの参
照例では、コイルの総数が3×4=12個となり、このコイ
ル総数と同数の相数(つまり12相)の電流整流器が必要
となる。2つのロータの磁極数の比が3:1の組み合わせ
である本発明では、コイルの総数が3×6=18個となり、
2つのロータの磁極数の比が2:1の組み合わせのものよ
り多くなる。
【0014】しかしながら、2つのロータの磁極数の比
が3:1の組み合わせである本発明に限って、コイル総数
と同数の相数(つまり18相)を有する電流整流器は必要
でなく、18相の1/2(つまり9相)の交流を発生させる電
流整流器であればよいことから、2つのロータの磁極数
の比が2:1の組み合わせの参照例より相数が減り、これ
によって、2つのロータの磁極数の比が2:1の組み合わ
せの参照例より電流整流器を小型化できる。
【0015】磁極数の少ない側のロータ駆動電流が3相
の交流であるときは、特定のコイルに電流が集中するの
であるが、第2の発明によれば、9相の交流であるの
で、特定のコイルに電流が集中することがなく、これに
よって銅損を抑えることができる。
【0016】また、理論解析によれば、磁極数の少ない
側のロータ駆動電流が3相の交流であるときと比較し
て、磁極数の少ない側のロータに同じ駆動トルクを発生
させるのに駆動電流が1/3で足りることから、電流整流
器をさらに小型化できる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は回転電機本体1の断面図で
ある。同図において、円筒状のステータ2の外側と内側
に所定のギャップをおいてロータ3、4が配置され(3層
構造)、外側と内側の各ロータ3、4は全体を被覆する外
枠5(図3参照)に対して回転可能にかつ同軸に設けら
れている。
【0018】内側ロータ4は半周をS極、もう半周をN極
とした一対の永久磁石で形成され、これに対して、外側
ロータ3は内側ロータ4の一極当たり3倍の極数を持つよ
うに永久磁石極が配置される。つまり、外側ロータ3のS
極、N極は各3個であり、60度毎にS極とN極が入れ替わる
ように構成されている。
【0019】このように外側ロータ3と内側ロータ4の磁
極数比(以下単に磁極数比という)が3:1の組み合わせ
である場合は、比較のため図5、図6に示す磁極数比が
2:1の組み合わせの場合と異なり、外側ロータ3の磁石
と内側ロータ4の磁石の間に影響が若干発生する。つま
り、内側ロータ4に対する回転磁場により外側ロータ3の
回転にトルク変動が生じることはないのであるが、内側
ロータ4のほうは、外側ロータ3に与える回転磁場の影響
を受けるため、内側ロータ4がトルク変動を生じながら
回転するのである。
【0020】しかしながら、この内側ロータ4の回転に
対する外側ロータ3の干渉、つまり、内側ロータ4に生じ
る一定のトルク変動は、後述する理論解析からわかるよ
うに、外側ロータ3と内側ロータ4の位相差(ω1−ω2)の
関数になることから、予めその一定トルク変動分を打ち
消すように、外側コイルに回転磁場を発生させるための
交流に対して、振幅変調を加えることで、内側ロータ4
を一定回転で運転させることができる。
【0021】ステータ2は、外側ロータ3の1磁極当たり3
個のコイル6で構成され、合計18個(=3×6)のコイル6
が同一の円周上に等分に配置されている。
【0022】なお、合計で18個のコイルは図示のように
番号で区別しており、この場合に6番目のコイルという
意味でコイル6が出てくる。構成要素としての上記コイ
ル6という表現と紛らわしいが、意味するところは異な
っている。
【0023】7はコイルが巻回されるコアで、コアの総
数を減らすめこのコア7に円周方向に3分割する位置にス
リット8が形成され、したがって、コイル6の総数(=18)
の1/3のコア7が円周上に等分に所定の間隔(ギャップ)
9をおいて配列されている。
【0024】これら18個のコイルには次のような複合電
流I1〜I18を流す。
【0025】 I1=Ia+Id I10Ia+Id(I1 ) I2Ic I11=Ic(=I2 ) I3=Ib I12Ib(=I3 ) I4Ia+If I13Ia+If(=I4 ) I5=Ic I14Ic(=I5 ) I6Ib I15=Ib(=I6 ) I7=Ia+Ie I16Ia+Ie(=I7 ) I8Ic I17=Ic(=I8 ) I9=Ib I18Ib(=I9 ) ただし、電流記号の下に付けたアンダーラインは逆向き
の電流であることを表している。
【0026】図10を参照してこの複合電流の設定をさ
らに説明すると、図10は、図1との比較のため、ステ
ータ2の内周側と外周側に各ロータに対して別々の回転
磁場を発生させる専用のコイルを配置したものである。
つまり、内周側コイルd、f、eの配列が内側ロータに対
する回転磁場を、また外周側コイルa、c、bの配列が外
側ロータに対する回転磁場を発生する。この場合に、2
つの専用コイルを共通化して、図1に示した単一のコイ
ルに再構成するには、内周側コイルのうち、コイルdに
流す電流をそのコイルdのそばにあるコイルaに負担さ
せ、同様にして、コイルfに流す電流をそのコイルfのそ
ばにあるコイルaに、コイルeに流す電流をそのコイルe
のそばにあるコイルaに、コイルdに流す電流をそのコイ
dのそばにあるコイルaに、コイルfに流す電流をその
コイルfのそばにあるコイルaに、コイルeに流す電流を
そのコイルeのそばにあるコイルaに負担させればよいわ
けである。上記複合電流I1〜I18の式はこのような考え
方を数式に表したものである。なお、電流設定の仕方は
これに限られるものでなく、後述するように、他の電流
設定方法でもかまわない。
【0027】ここで、上記複合電流I1〜I18の式をみる
と、I10〜I18がちょうどI1〜I9を順に反転させた形とな
っている。つまり、磁極数比が3:1の組み合わせの場合
に限り、半周で位相が反転しているため、18相の半分の
9相の交流で代表することができるわけである。つま
り、コイル1と10に同じ電流を流し、同様にしてコイル2
と11、…、コイル9と18に同じ電流を流すだけでよい。
【0028】上記Id、If、Ieの電流の設定は内側ロータ
の回転に同期して、またIa、Ic、Ibの電流設定は外側ロ
ータ3の回転に同期してそれぞれ行う。トルクの方向に
対して位相の進み遅れを設定するが、これは同期モータ
に対する場合と同じである。
【0029】このように複合電流の設定を行うと、単一
のコイルでありながら、内側ロータ4に対する回転磁場
と外側ロータ3に対する回転磁場との2つの磁場が発生す
る。
【0030】図3は上記回転電機を制御するためのブロ
ック図である。
【0031】上記複合電流I1〜I18をステータコイルに
供給するため、バッテリなどの電源11からの直流電流を
交流電流に変換するインバータ12を備える。瞬時電流の
全ての和は0になるためこのインバータ12は、図4に詳
細を示したように、通常の3相ブリッジ型インバータを9
相にしたものと同じで、18個のトランジスタTr1〜Tr18
とこのトランジスタと同数のダイオードから構成され
る。
【0032】コイル6の総数が18個であるときは、この
コイル総数と同数の相数を有するインバータ、つまり18
相の交流を流すインバータが基本的に必要になるのであ
るが、18相の交流は、180度毎に電流が反転するので、1
8相の半分である9相の交流を発生させるインバータであ
ればよい。つまり、18個のトランジスタとこのトランジ
スタと同数のダイオードからインバータを構成すればよ
く、これによって磁極数比が2:1の組み合わせの場合よ
りも、インバータを構成するトランジスタとダイオード
の数を減らすことができるのである。
【0033】インバータ12の各ゲート(トランジスタの
ベース)に与えるON、OFF信号はPWM信号であ
る。
【0034】各ロータ3、4を同期回転させるため、各ロ
ータ3、4の位相を検出する回転角センサ13、14が設けら
れ、これらセンサ13、14からの信号が入力される制御回
路15では、外側ロータ3、内側ロータ4に対する必要トル
ク(正負あり)のデータ(必要トルク指令)に基づいて
PWM信号を発生させる。
【0035】このように、本発明の実施の形態では、2
つのロータ3、4と1つのステータ2を三層構造かつ同一
の軸上に構成するとともに、ステータ2に単一のコイル6
を形成し、この単一のコイル6にロータの数と同数の回
転磁場が発生するように複合電流を流すようにしたこと
から、ロータの一方をモータとして、残りをジェネレー
タとして運転する場合に、モータ駆動電力と発電電力の
差の分の電流を単一のコイルに流すだけでよいので、効
率を大幅に向上させることができる。
【0036】また、2つのロータに対してインバータが1
つでよくなり、さらにロータの一方をモータとして、残
りをジェネレータとして運転する場合には、上記のよう
に、モータ駆動電力と発電電力の差の分の電流を単一の
コイルに流すだけでよくなることから、インバータの電
力スイッチングトランジスタのキャパシタンスを減らす
ことができ、これによってスイッチング効率が向上し、
より全体効率が向上する。
【0037】さらに、2つのロータの相対回転に伴う磁
場の不均一によって、内側ロータの回転にトルク変動が
生じるのであるが、予めその一定トルク変動分を打ち消
すように、複合電流のうち、外側コイルに対する回転磁
場を発生させるための交流分に対して振幅変調を加える
ので、内側ロータ4についても、一定回転で運転させる
ことができる。
【0038】また、コイル6の総数が18個である場合
に、このコイル総数と同数の相数(つまり18相)を有す
るインバータは必要でなく、18の1/2である9相の交流を
発生させるインバータであればよいことから、12相の交
流を流すインバータを必要とする磁極数比が2:1の組み
合わせの場合よりも、インバータを構成するトランジス
タとダイオードの数を減らすことができる。
【0039】図2は第2実施形態で、第1実施形態の図
1に対応する。
【0040】この実施形態は、ステータコイル6を巻回
するコア11を一体で形成したもので、これによって、図
1の場合よりも制作工数がさらに減少する。
【0041】なお、コイル6の3つおきに、幅広のスリ
ット12、13を入れることで、磁気抵抗が大きくなるよう
にしていることはいうまでもない。
【0042】さて、上記2つの実施形態では磁極数比が
3:1となる組み合わせのものにおいて、複合電流のう
ち、内側ロータにトルク変動を生じさせる回転磁場を発
生させる交流分に対して振幅変調を加えることにより、
トルク変動を補償する場合で説明したが、実は磁極数比
の組み合わせはこれに限られるものでなく、以下の理論
的解析によれば、磁極数比が2:1となる組み合わせを除
く任意の組み合わせの場合にも適用が可能であることが
判明している。つまり、磁極数比が2:1となる組み合わ
せを除いて、一方のロータ(あるいはこのロータを駆動
するために作る回転磁界)による影響を受けて他方のロ
ータの回転にトルク変動を生じる場合に、複合電流のう
ち、その一定トルク変動を生じさせる回転磁界を発生さ
せる交流分に対して振幅変調を加えることで、ロータ回
転に生じるトルク変動を打ち消すことができる。
【0043】また、複合電流のうち内側ロータ(磁極数
の少ない側のロータ)駆動電流を9相の交流としたとき、
内側ロータ駆動電流を3相の交流としたときと比較し
て、内側ロータに同じ駆動トルクを発生させるのに駆動
電流が1/3で足りることが判明している。
【0044】以下にこの理論的解析を項を分けて説明す
る。 〈1〉N(2p-2p)基本形 磁極数比が1:1の組み合わせの場合である。
【0045】ここで、N(2p-2p)の表記について説明して
おくと、左側の2pが外側磁石(外側ロータ)の磁極数、
右側の2pが内側磁石(内側ロータ)の磁極数を表す。ま
た、Nは正の整数であり、(2p-2p)を展開して整数倍し円
環にしたものでも同じであることを表している。
【0046】磁極数比が1:1の最もシンプルなものは、
外側磁石の磁極数が2、内側磁石の磁極数が2の場合で、
これを図8に示す。
【0047】〈1-1〉図8において、外側磁石m1、内側
磁石m2を等価コイルに置き換えると、各磁石に発生す
る磁束密度B1、B2は次のように表現することができる。
【0048】 B1=Bm1 sin(ω1t-θ)=μIm1 sin(ω1t-θ) …(1) B2=Bm2 sin(ω2t+α-θ)=μIm2 sin(ω2t+α-θ) …(2) ただし、Bm1、Bm2:振幅 μ:透磁率 Im1:外側磁石の等価直流電流 Im2:内側磁石の等価直流電流 ω1:外側磁石の回転角速度 ω2:内側磁石の回転角速度 α:2つの磁石の位相差(t=0のとき) ただし、図8では外側磁石とコイルの位相が合った時刻
を0として考える。
【0049】ステータコイルに流す電流を3相交流とす
れば、ステータコイルによる磁束密度Bcは Bc=μn (Ica(t)sin(θ)+Icb(t)sin(θ-2π/3) +Icc(t)sin(θ-4π/3)) …(3) ただし、n:コイル定数 の式により与えることができる。
【0050】(3)式において、Ica(t)、Icb(t)、Icc(t)
は120度ずつ位相のずれた電流である。
【0051】上記磁束密度B1、B2、Bcの変化を図9に示
すと、各磁束密度は正弦波で変化する。
【0052】角度θにおける全体の磁束密度Bは次のよ
うになる。
【0053】 B=B1+B2+Bc =μIm1 sin(ω1t-θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn(Ica(t)sin(θ)+Icb(t)sin(θ-2π/3) +Icc(t)sin(θ-4π/3)) …(4) ここで、外側磁石m1に作用するトルクをτ1とすると、
直径を中心として線対称的に発生トルクが等しい。した
がってf1を半周分の力とすると、全体の駆動力は2f1
なることから、 τ1=2f1×r1(r1は半径) である。
【0054】トルクτ1を考察するにはf1(つまり等価
直流電流Im1が磁場(磁束密度B)の影響を受けて生じる
駆動力)を考えておけばよい。半周には1つの等価直流
電流が流れるだけなので、f1は次のようになる。
【0055】 f1=Im1×B(θ=ω1t) =Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn(Ica(t)sin(ω1t)+Icb(t)sin(ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(ω1t-4π/3))) …(5) 同様にして、内側磁石m2に作用するトルクτ2も直径を
中心として線対称的に発生トルクが等しく、したがって
f2を半周分の力とすると、 τ2=2f2×r2(r2は半径) である。半周には1つの等価直流電流が流れるだけなの
で、f2は次のようになる。
【0056】 f2=Im2×B(θ=ω2t+α) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn(Ica(t)sin(ω2t+α)+Icb(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icc(t)sin(ω2t+α-4π/3))) …(6) 〈1-2〉外側回転磁界を与えた場合 コイルに外側磁石の位相に合わせてβの位相差電流を流
すため、(3)式の3相交流Ica(t)、Icb(t)、Icc(t)を Ica(t)=Ic cos(ω1t-β) …(7a) Icb(t)=Ic cos(ω1t-β-2π/3) …(7b) Icc(t)=Ic cos(ω1t-β-4π/3) …(7c) ただし、Ic:振幅 β:位相のズレ分 とする。
【0057】(7a)〜(7c)式を(5)、(6)式に代入して駆動
力f1、f2を計算する。
【0058】 ここで、cos(a+b)=1/2(sin(2a+b)-sin(b))の公式を用
いて f1=Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn Ic(1/2(sin(2ω1t-β)+sin(β)) +1/2(sin(2(ω1t-2π/3)-β)+sin(β)) +1/2(sin(2(ω1t-4π/3)-β)+sin(β)))) =Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +1/2μn Ic(3sin(β)+sin(2(ω1t-2π/3)-β) +sin(2(ω1t-4π/3)-β))) =Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +1/2μn Ic(3sin(β)+sin(2ω1t-4π/3-β) +sin(2ω1t-8π/3-β))) =Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +1/2μn Ic(3sin(β)+sin(2ω1t-β-2π/3) +sin(2ω1t-β-4π/3))) =-Im1(μIm2 sin((ω21)t-α)-3/2μn Ic sin(β)) …(8) (8)式によれば一定トルクの項(第2項)に内側磁石の磁場
の影響によるトルク変動(第1項)の項が加算された形と
なっている。
【0059】 f2=Im2×B(θ=ω2t+α) Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn Ic(cos(ω1t-β)sin(ω2t+α) +cos(ω1t-2π/3-β)sin(ω2t-2π/3+α) +cos(ω1t-4π/3-β)sin(ω2t-4π/3+α)) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a−b))の
公式を用いて f2=Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn Ic 1/2(sin(ω1t-β+ω2t+α)-sin(ω1t-β-ω2t-α) +sin(ω1t-2π/3-β+ω2t-2π/3+α) -sin(ω1t-2π/3-β-ω2t+2π/3-α) +sin(ω1t-4π/3-β+ω2t-4π/3+α) -sin(ω1t-4π/3-β-ω2t+4π/3-α)) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn Ic 1/2(sin((ω12)t+α-β)-sin((ω12)t-α-β) +sin((ω12)t-4π/3+α-β)-sin((ω12)t-α-β) +sin((ω12)t-8π/3+α-β)-sin((ω12)t-α-β) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) -3/2μn Ic sin((ω12)t-α-β) +μn Ic 1/2(sin((ω12)t+α-β) +sin((ω12)t+α-β-2π/3) +sin((ω12)t+α-β-4π/3)) =μIm2(Im1 sin((ω12)t-α)-3/2n Ic sin((ω12)t-α-β)) …(9) 〈1-3〉内側回転磁界を与えた場合 コイルに内側磁石の位相に合わせてγの位相差電流を流
すため、今度は上記の3相交流Ica(t)、Icb(t)、Icc(t)
を Ica(t)=Ic cos(ω2t-γ) …(10a) Icb(t)=Ic cos(ω2t-γ-2π/3) …(10b) Icc(t)=Ic cos(ω2t-γ-4π/3) …(10c) ただし、Ic:振幅 γ:位相のズレ分 とする。
【0060】(10a)〜(10c)式を(5)、(6)式に代入して外
側磁石と内側磁石の各駆動力f1、f2を計算する。
【0061】f1=Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t)+μn Ic
(cos(ω2t-γ)sin(ω1t)+cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω1t-
2π/3)+cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω1t-4π/3)) ここでも、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))の公
式を用いて f1=Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +1/2μn Ic(sin(ω2t-γ+ω1t) -sin(ω2t-γ-ω1t) +sin(ω2t-γ-2π/3+ω1t-2π/3) -sin(ω2t-γ-2π/3-ω1t+2π/3) +sin(ω2t-γ-4π/3+ω1t-4π/3) -sin(ω2t-γ-4π/3+ω1t+4π/3)) =Im1(μIm2 sin((ω2−ω1)t+α) +1/2μn Ic(sin((ω21)t-γ)-sin((ω21)t-γ) +sin((ω2+ω1)t-γ-4π/3)-sin((ω21)t-γ) +sin((ω2+ω1)t-γ-8π/3)-sin((ω21)t-γ))) =Im1(μIm2 sin((ω21)t+α)-3/2μn Ic sin((ω21)t-γ) +1/2μn Ic(sin((ω2+ω1)t-γ)+sin((ω21)t-γ-2π/3) +sin((ω21)t-γ-4π/3))) =-μIm1(Im2 sin((ω12)t-α)-3/2 n Ic sin((ω12)t+γ)) …(11) (11)式は外側磁石にトルク変動のみが発生することを示
している。
【0062】f2=Im2(μIm1 sin(ω2t-ω1t-α)+μn I
c(cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α)+cos(ω2t-γ-2π/3)sin
2t+α-2π/3)+cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π
/3))) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))を用い
て f2=Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α)-3/2μn Ic sin(-α-γ) +1/2μn Ic(sin(2ω2t+α-γ)+sin(2ω2t+α-γ-2π/3) +sin(2ω2t+α-γ-4π/3))) =μIm2(Im1 sin((ω12)t-α)+3/2 n Ic sin(α+γ)) …(12) (12)式によれば、一定トルクの項(第2項)に内側磁石の
磁場の影響によるトルク変動の項(第1項)が加算された
形をしている。
【0063】〈1-4〉外側回転磁界と内側回転磁界をと
もに与えた場合 コイルに外側磁石と内側磁石にそれぞれ同期する電流を
流すため、上記のIca(t)、Icb(t)、Icc(t)を Ica(t)=Ic cos(ω1t-β)+Ic2 cos(ω2t-γ) …(13a) Icb(t)=Ic cos(ω1t-β-2π/3)+Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3) …(13b) Icc(t)=Ic cos(ω1t-β-4π/3)+Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3) …(13c) とする。
【0064】 f1=Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn((Ic cos(ω1t-β) +Ic2 cos(ω2t-γ))sin(ω1t) +(Ic cos(ω1t-β-2π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3))sin(ω1t-2π/3) +(Ic cos(ω1t-β-4π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3))sin(ω1t-4π/3))) =Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn(Ic cos(ω1t-β)sin(ω1t) +Ic2 cos(ω2t-γ)sin(ω1t) +Ic cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +Ic cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω1t-4π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω1t-4π/3))) =Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn(Ic(cos(ω1t-β)sin(ω1t) +cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω1t-4π/3)) +Ic2(cos(ω2t-γ)sin(ω1t) +cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω1t-4π/3)))) =Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn(Ic(3/2sin(β))+Ic2(3/2sin((ω12)t+γ))))…(14) (14)式によれば外側磁石に対する回転位相差(β)に応じ
た一定トルクに回転変動が乗った形となる。
【0065】 f2=Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn((Ic cos(ω1t-β) +Ic2 cos(ω2t-γ))sin(ω2t+α) +(Ic cos(ω1t-β-2π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3))sin(ω2t+α-2π/3) +(Ic cos(ω1t-β-4π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3))sin(ω2t+α-4π/3))) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn(Ic cos(ω1t-β)sin(ω2t+α) +Ic2 cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +Ic cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +Ic cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3))) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn(Ic(cos(ω1t-β)sin(ω2t+α) +cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)) +Ic2(cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)))) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))を用い
て f2=Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn(Ic(1/2(sin(ω1t-β+ω2t+α) -sin(ω1t-β-ω2t-α)) +1/2(sin(ω1t-β-2π/3+ω2t+α-2π/3) -sin(ω1t-β-2π/3-ω2t-α+2π/3)) +1/2(sin(ω1t-β-4π/3+ω2t+α-4π/3) -sin(ω1t-β-4π/3-ω2t-α+4π/3))) +Ic2(1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-2π/3+ω2t+α-2π/3) -sin(ω2t-γ-2π/3-ω2t-α+2π/3)) +1/2(sin(ω2t-γ-4π/3+ω2t+α-4π/3) -sin(ω2t-γ-4π/3-ω2t-α+4π/3)))) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn(Ic(1/2(sin(ω1t-β+ω2t+α) -sin(ω1t-β-ω2t-α)) +1/2(sin(ω1t-β+ω2t+α-4π/3) -sin(ω1t-β-ω2t-α)) +1/2(sin(ω1t-β+ω2t+α-8π/3) -sin(ω1t-β-ω2t-α))) +Ic2(1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-4π/3) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-8π/3) -sin(ω2t-γ-ω2t-α))))) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +1/2μn Ic(sin(ω1t-β+ω2t+α)-sin(ω1t-β-ω2t-α) +sin(ω1t-β+ω2t+α-4π/3)-sin(ω1t-β-ω2t-α) +sin(ω1t-β+ω2t+α-8π/3)-sin(ω1t-β-ω2t-α)) +1/2μn Ic2(sin(ω2t-γ+ω2t+α)-sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +sin(ω2t-γ+ω2t+α-4π/3)-sin(ω2t-γ-ω2t-α) +sin(ω2t-γ+ω2t+α-8π/3)-sin(ω2t-γ-ω2t-α)) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +1/2μn Ic(-3sin((ω21)t-α-β) +1/2μn Ic2 (-3sin(-α-γ)) =Im2(μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) -3/2μn Ic sin((ω21)t-α-β) +3/2μn Ic2 3sin(α+γ)) …(15) (15)式も内側磁石に対する回転位相差(α+γ)に応じた
一定トルクに回転変動が乗った形となる。
【0066】〈1-5〉まとめ このようにして得られた上記(8)、(9)、(11)、(12)、(1
4)、(15)の式を次に並べる。
【0067】 外側回転磁界を与えた場合 f1=-μIm1(Im2 sin((ω21)t-α)-3/2n Ic sin(β)) …(8) f2=μIm2(Im1 sin((ω12)t-α)-3/2n Ic sin((ω12)t-α-β))…(9) 内側回転磁界を与えた場合 f1=-μIm1(Im2 sin((ω21)t-α)-3/2 n Ic sin((ω12)t+γ)) …(11) f2=μIm2(Im1 sin((ω12)t-α)+3/2 n Ic sin(α+γ)) …(12) 外側回転磁界と内側回転磁界をともに与えた場合 f1=Im1(μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn(Ic(3/2sin(β)) +Ic2(3/2 sin((ω12)t+γ)))) …(14) f2=μIm2(Im1 sin(ω1t-ω2t-α) +3/2n Ic sin((ω12)t-α-β) +3/2n Ic2 sin(α+γ)) …(15) これらの式のもつ意味は次の通りである。(8)式の右辺
第2項、(12)式の右辺第2項、(14)式の右辺第2項、(15)
式の右辺第3項だけが固定項(一定値)であり、固定項
が含まれるときだけ回転トルクが発生する。これに対し
て、固定項以外の項は三角関数であるため、駆動力fの
平均値がゼロとなり、したがって、固定項以外の項によ
っては回転トルクが発生しない。つまり、外側磁石に同
期させてステータコイルに電流を流したときは外側磁石
にのみ、内側磁石に同期させてステータコイルに電流を
流したときは内側磁石にのみ回転トルクが発生し、外側
磁石と内側磁石のそれぞれに同期させてステータコイル
に電流を流すと、両方の磁石にそれぞれ回転トルクが発
生する。
【0068】このことから、磁極数比が1:1の組み合わ
せであるとき、回転電機として働くことが可能であるこ
とが証明された。これより類推して磁極数が任意の組み
合わせであるときにも、回転電機として働くことが可能
である。
【0069】〈1-6〉トルク変動の抑制 一方、固定項を含む式において固定項の残りの項、つま
り(8)式の右辺第1項、(14)式の右辺第1項および第3項に
より2つの磁石の位相差(ω12)に応じた一定のトルク
変動が外側磁石の回転に、また(12)式の右辺第1項、(1
5)式の右辺第1項および第2項により同じく2つの磁石の
位相差(ω12)に応じた一定のトルク変動が内側磁石
の回転に生じる。
【0070】そこで、外側回転磁界と内側回転磁界をと
もに与えた場合にトルク変動を抑えることを考える。上
記の(14)式より f1=μIm1Im2 sin(ω2t+α-ω1t)+Icμn Im1 Ic(3/2sin
(β))+Ic2Im1 3/2 sin((ω12)t+γ) であるから、f1を次のようにおく。
【0071】 f1=A+IcC+Ic2V …(16) ただし、A=μIm1Im2 sin(ω2t+α-ω1t) V=Im1 3/2 sin((ω12)t+γ) C=μn Im1 Ic(3/2sin(β)) ここで、Ic=(C1-A-Ic2V)/Cという変調を加えればf
1=C1(定数)となり、外側磁石の回転からトルク変動が
解消される。
【0072】同様にして、上記の(15)式より f2=μIm2Im1 sin(ω1t-ω2t-α)+Ic 3/2μIm2 n sin
((ω12)t-α-β)+Ic2 3/2μIm2 n sin(α+γ) であるから、f2を次のようにおく。
【0073】 f2=-A+IcD+Ic2E …(17) ただし、D=3/2μIm2 n sin((ω12)t-α-β) E=3/2μIm2 n sin(α+γ) ここで、Ic2=(C2+A-IcD)/Eという変調を加えれ
ば、f2=C2(定数)となり、内側磁石の回転からトルク
変動が解消される。
【0074】したがって、両方の磁石とも一定回転にす
るには、次の連立2元方程式をIc、Ic2について解けば
よい。
【0075】 C1=A+IcC+Ic2V …(18) C2=-A+IcD+Ic2E …(19) このようにして、複合電流のうち、その一定トルク変動
を生じさせる回転磁界を発生させる交流分に対して振幅
変調を加えることで、ロータ回転に生じるトルク変動を
打ち消すことができる。 〈2〉N(2(2p)−2p)基本形 〈2-1〉図10を参照して磁極数比が2:1(図10では
外側磁石の磁極数が4、内側磁石の磁極数が2)であると
きを考える。
【0076】各磁石を等価コイルに置き換えると、外側
磁石に発生する磁束密度B1は B1=Bm1 sin(2ω1t-2θ)=μIm1 sin(2ω1t-2θ) …(21) となるのに対して、内側磁石に発生する磁束密度B2は上
記(2)式と同じ、つまり B2=Bm2 sin(ω2t+α-θ)=μIm2 sin(ω2t+α-θ) …(22) である。
【0077】ステータコイルの作る磁場は、外側回転磁
界用と内側回転磁界用に分けて計算するため、図10の
ようにコイルを配置し、外周側と内周側の各磁石用のス
テータコイルによる磁束密度Bc1、Bc2を、 Bc1=μn(Ica(t)sin(2θ)+Icb(t)sin(2θ-2π/3) +Icc(t)sin(2θ-4π/3)) …(23) Bc2=μn(Icd(t)sin(θ)+Ice(t)sin(θ-2π/3) +Icf(t)sin(θ-4π/3)) …(24) とする。
【0078】ただし、Ica(t)、Icb(t)、Icc(t)のほか、
Icd(t)、Ice(t)、Icf(t)も120度位相のずれた電流であ
る。
【0079】上記の磁束密度B1、B2、Bc1、Bc2の変化を
モデル的に図11に示す。
【0080】角度θでの磁束密度Bは上記4つの磁束密度
の和である。
【0081】 B=B1+B2+Bc1+Bc2 =μIm1 sin(2ω1t-2θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn(Ica(t)sin(2θ)+Icb(t)sin(2θ-2π/3) +Icc(t)sin(2θ-4π/3)) +μn(Icd(t)sin(θ)+Ice(t)sin(θ-2π/3) +Icf(t)sin(θ-4π/3)) …(25) 外側磁石m1に作用するトルクをτ1とすると、 τ1=f1×r1(r1は半径) である。図10では直径を中心として線対称的に発生ト
ルクが等しくならないので、一周の全てについて考え
る。一周に4つの等価直流電流が流れるので、これら4つ
の電流に働く力の和がf1となる。
【0082】 f1=Im1×B(θ=ω1t)+Im1×B(θ=ω1t+π) -Im1×B(θ=ω1t+π/2) -Im1×B(θ=ω1t+3π/2) =μIm1(Im1 sin(2ω1t-2ω1t)+Im1 sin(2ω1t-2ω1t-2π) -Im1 sin(2ω1t-2ω1t-π) -Im1 sin(2ω1t-2ω1t+3π) +Im2 sin(ω2t+α-ω1t)+Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π/2) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π/2) +n(Ica(t)sin(2ω1t)+Icb(t)sin(2ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-4π/3)) +n(Ica(t)sin(2ω1t+2π)+Icb(t)sin(2ω1t+2π-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t+2π-4π/3)) -n(Ica(t)sin(2ω1t+π)+Icb(t)sin(2ω1t+π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-π/3)) -n(Ica(t)sin(2ω1t+π)+Icb(t)sin(2ω1t+π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-π/3)) +n(Icd(t)sin(ω1t)+Ice(t)sin(ω1t-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t-4π/3)) +n(Icd(t)sin(ω1t+π)+Ice(t)sin(ω1t+π-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+π-4π/3)) -n(Icd(t)sin(ω1t+π/2)+Ice(t)sin(ω1t+π/2-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+π/2-4π/3)) -n(Icd(t)sin(ω1t+3π/2)+Ice(t)sin(ω1t+3π/2-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+3π/2-4π/3)) =4μIm1n(Ica(t)sin(2ω1t)+Icb(t)sin(2ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-4π/3)) …(26) (26)式によれば、コイルa、b、cの励磁電流によって外
側磁石に作用するトルクをコントロールできることを示
している。また、コイルd、e、fの励磁電流の影響を受
けないことも示している。
【0083】次に、内側磁石m2に作用するトルクをτ2
とすると、 τ2=f2×r2(r2は半径) である。一周に2つの等価直流電流が流れるので、これ
ら2つの電流に働く力の和がf2となる。
【0084】 f2=Im2×B(θ=ω2t+α)-Im2×B(θ=ω2t+π+α) =μIm2(Im1 sin(2ω1t-2ω2t-2α)-Im1 sin(2ω1t-2ω2t-2α-2π) +Im2 sin(2ω2t+2α-2ω2t-2α) -Im2 sin(2ω2t+2α-2ω2t-2α-2π) +n(Ica(t)sin(2ω2t+2α)+Icb(t)sin(2ω2t+2α-2π/3) +Icc(t)sin(2ω2t+2α-4π/3)) -n(Ica(t)sin(2ω2t+2π+2α)+Icb(t)sin(2ω2t+2π+2α-2π/3) +Icc(t)sin(2ω2t+2π+2α-4π/3)) +n(Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3)) -n(Icd(t)sin(ω2t+π+α)+Ice(t)sin(ω2t+π+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+π+α-4π/3))) =2μIm2n(Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3)) …(27) (27)式によれば、コイルd、e、fの励磁電流によって内
側磁石に作用するトルクをコントロールでき、また、コ
イルa、b、cの励磁電流の影響を受けないことを示して
いる。
【0085】〈2-2〉外側回転磁界を与えた場合 コイルa、b、cに外側磁石に合わせてβの位相差の電流
を流す。つまり、上記の3相交流Ica(t)、Icb(t)、Icc
(t)は Ica(t)=Ic cos(2ω1t-2β) …(28a) Icb(t)=Ic cos(2ω1t-2β-2π/3) …(28b) Icc(t)=Ic cos(2ω1t-2β-4π/3) …(28c) である。(28a)〜(28c)を(26)、(27)式に代入してf1
計算する。
【0086】f1=4μIm1 n Ic(cos(2ω1t-2β)sin(2ω
1t)+cos(2ω1t-2β-2π/3)sin(2ω1t-2π/3)+cos(2ω1t
-2β-4π/3)sin(2ω1t-4π/3)) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))の公式
を用いて f1=4μIm1 n Ic(1/2(sin(2ω1t-2β+2ω1t) -sin(2ω1t-2β-2ω1t)) +1/2(sin(2ω1t-2β-2π/3+2ω1t-2π/3) -sin(2ω1t-2β-2π/3-2ω1t+2π/3)) +1/2(sin(2ω1t-2β-4π/3+2ω1t-4π/3) -sin(2ω1t-2β-4π/3-2ω1t+4π/3))) =2μIm1 n Ic(sin(4ω1t-2β)+sin(2β) +sin(4ω1t-2β-4π/3)+sin(2β) +sin(4ω1t-2β-8π/3)+sin(2β)) =2μIm1 n Ic(sin(4ω1t-2β) +sin(4ω1t-2β-4π/3) +sin(4ω1t-2β-4π/3) +3sin(2β)) =6μIm1 n Ic sin(2β) …(29) (29)式によれば、位相差(β)に応じて外側磁石のトルク
が変化することを示している。したがって、外側磁石の
回転角度を計測し、それに対しβだけ位相をずらしてコ
イルa、b、cに励磁電流を供給すればよいことがわか
る。
【0087】〈2-3〉内側回転磁界を与えた場合 コイルd、e、fに内側磁石に合わせてγの位相差電流を
流すため、Icd(t)、Ice(t)、Icf(t)を Icd(t)=Ic cos(ω2t-γ) …(30a) Ice(t)=Ic cos(ω2t-γ-2π/3) …(30b) Icf(t)=Ic cos(ω2t-γ-4π/3) …(30c) とする。
【0088】これらを(27)式に代入してf2を計算す
る。
【0089】f2=2μIm2 n(Ic cos(ω2t-γ)sin(ω2t+
α)+Ic cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3)+Ic cos
2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))の公式
を用いて f2=2μIm2 n Ic(1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-2π/3+ω2t+α-2π/3) -sin(ω2t-γ-2π/3-ω2t-α+2π/3)) +1/2(sin(ω2t-γ-4π/3+ω2t+α-4π/3) -sin(ω2t-γ-4π/3-ω2t-α+4π/3)) =μIm2 n Ic(sin(2ω2t-γ+α)+sin(γ+α) +sin(2ω2t-γ-4π/3+α)+sin(γ+α) +sin(2ω2t-γ-8π/3+α)+sin(γ+α)) =μIm2 n Ic(sin(2ω2t-γ+α)+sin(2ω2t-γ-4π/3+α) +sin(2ω2t-γ-8π/3+α) +3sin(γ+α)) =3μIm2 n Ic sin(γ+α) …(31) (31)式によれば位相差(γ+α)により内側磁石のトルク
が変化することを示している。したがって、内側磁石の
回転角度を計測し、それに対し(γ+α)だけ位相をずら
してコイルd、e、fに励磁電流を供給すればよいことが
わかる。
【0090】〈2-4〉まとめ (29)式は外側磁石に同期させてステータコイルに電流を
流したときは外側磁石にのみ、また(31)式は内側磁石に
同期させてステータコイルに電流を流したときは内側磁
石にのみ回転トルクが発生する。それぞれの磁界はそれ
ぞれの相電流にしか対応しないため、計算はしなかった
が、外側磁石と内側磁石のそれぞれに同期させてステー
タコイルに電流を流すと、両方の磁石にそれぞれ回転ト
ルクが発生する。
【0091】このことから、磁極数比が2:1の組み合わ
せであるときにも、回転電機として働くことが可能であ
ることが証明された。
【0092】さらにこの場合には、固定項だけが残るた
め、外側ロータ(あるいは外側ロータを駆動するために
作る回転磁界)による影響を受けて内側ロータの回転に
トルク変動を生じたり、この逆に内側ロータ(あるいは
内側ロータを駆動するために作る回転磁界)による影響
を受けて外側ロータの回転にトルク変動を生じたりする
ことはない。つまり、磁極数比が2:1の組み合わせであ
る場合には、各ロータとも一定回転での運転が可能であ
ることから、前述した磁極数が1:1の組み合わせや後述
する磁極数が3:1の組み合わせの場合のように、わざわ
ざ振幅変調を加える必要はない。
【0093】〈2-5〉ステータコイルに流す電流の設定 図10では理論計算のため、外側回転磁場を発生させる
ための専用コイルと、内側回転磁場を発生させるための
専用コイルとを考えたが、いま図12に示したように、
コイルを共用させることを考える。図10において、コ
イルaとd、コイルbとf、コイルcとe、コイルaとd、コイ
ルbとf、コイルcとeをまとめることができる。そこで、
図10と図12のコイルを対照させると、図12のコイ
ル1〜12に流す複合電流I1〜I12は、 I1=Ia+Id I2Ic I3=Ib+If I4Ia I5=Ic+Ie I6Ib I7=Ia+Id I8Ic I9=Ib+If I10Ia I11=Ic+Ie I12Ib であればよいことがわかる。
【0094】この場合、I1、I3、I5、I7、I9、I11の各
電流を流すコイルの負担が、I2、I4、I6、I8、I10、I12
の各電流を流す残りのコイルよりも大きくなるため、残
りのコイルにも負担を分散させて内側回転磁界を形成さ
せることを考える。
【0095】たとえば、図2と図1を対照すると、図1
の1、12、2に対応する部分は、図2では外周側コイル
のa、ac、cと内周側コイルのd、dである。この場合
に、コイルd、dの位相を等価的にずらした状態を考え、
そのずらせたものを新たにコイルd´、とすると、こ
のうちコイルd´に流す電流Id´の半分ずつをコイルaと
cに、またコイルに流す電流Id´の半分ずつをコイル
acに割り振る。残りも同様である。
【0096】このようにすることで、別の電流設定とし
て I1=Ia+(1/2)Id´ I2=Ic+(1/2)Id´ I3=Ib+(1/2)If´ I4=Ia+(1/2)If´ I5=Ic+(1/2)Ie´ I6=Ib+(1/2)Ie´ I7=Ia+(1/2)Id´ I8=Ic+(1/2)Id´ I9=Ib+(1/2)If´ I10=Ia+(1/2)If´ I11=Ic+(1/2)Ie´ I12=Ib+(1/2)Ie´ が得られる。ただし、コイルe´、f´もコイルe、fを等
価的にずらしたものである。
【0097】さらに考えると、 I1=Ia+Ii I2Ic+Iii I3=Ib+Iiii I4Ia+Iiv I5=Ic+Iv I6Ib+Ivi I7=Ia+Ivii I8Ic+Iviii I9=Ib+Iix I10Ia+Ix I11=Ic+Ixi I12Ib+Ixii でもかまわない。つまり、これらI1〜I12の式の右辺第
2項の電流Ii〜Ixiiは図13に示したように12相交流と
なるわけで、この12相交流で内側回転磁界を形成するよ
うにすればよいのである。
【0098】〈2-6〉12相交流で内側回転磁界を与える
場合 〈2-6-1〉12相交流で内側回転磁界を作ることを考える
と、このときの磁束密度Bc2は次のようになる。
【0099】 Bc2=μn(Ici(t)sin(θ)+Icii(t)sin(θ-2π/12) +Iciii(t)sin(θ-4π/12) +Iciv(t)sin(θ-6π/12) +Icv(t)sin(θ-8π/12) +Icvi(t)sin(θ-10π/12) +Icvii(t)sin(θ-12π/12) +Icviii(t)sin(θ-14π/12) +Icix(t)sin(θ-16π/12) +Icx(t)sin(θ-18π/12) +Icxi(t)sin(θ-20π/12) +Icxii(t)sin(θ-22π/12)) …(32) このとき、全体の磁束密度Bは次のようになる。
【0100】 B=B1+B2+Bc1+Bc2 =μIm1 sin(2ω1t-2θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn(Ica(t)sin(2θ)+Icb(t)sin(2θ-2π/3) +Icc(t)sin(2θ-4π/3) +μn(Ici(t)sin(θ)+Icii(t)sin(θ-2π/12) +Iciii(t)sin(θ-4π/12) +Iciv(t)sin(θ-6π/12) +Icv(t)sin(θ-8π/12) +Icvi(t)sin(θ-10π/12) +Icvii(t)sin(θ-12π/12) +Icviii(t)sin(θ-14π/12) +Icix(t)sin(θ-16π/12) +Icx(t)sin(θ-18π/12) +Icxi(t)sin(θ-20π/12) +Icxii(t)sin(θ-22π/12)) …(33) このときのf1を計算してみると、 f1=Im1×B(θ=ω1t)+Im1×B(θ=ω1t+π) -Im1×B(θ=ω1t+π/2) -Im1×B(θ=ω1t+3π/2) =μIm1(Im1 sin(2ω1t-2ω1t)+Im1 sin(2ω1t-2ω1t-2π) -Im1 sin(2ω1t−2ω1t-π) -Im1 sin(2ω1t-2ω1t-3π) +Im2 sin(ω2t+α-ω1t) +Im2 sin(ω2t+α-ω1t-π) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t-π/2) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t-3π/2) +n(Ica(t)sin(2ω1t)+Icb(t)sin(2ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-4π/3)) +n(Ica(t)sin(2ω1t+2π)+Icb(t)sin(2ω1t+2π-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t+2π-4π/3)) -n(Ica(t)sin(2ω1t+π)+Icb(t)sin(2ω1t+π/3) +Icc(t)sin(2ω1t+2π-π/3)) -n(Ica(t)sin(2ω1t+π)+Icb(t)sin(2ω1t+π/3) +Icc(t)sin(2ω1t+2π-π/3)) +n(Ici(t)(sin(ω1t)+sin(ω1t+π) -sin(ω1t+π/2) -sin(ω1t+3π/2)) +Icii(t)(sin(ω1t-2π/12)+sin(ω1t-2π/12+π) -sin(ω1t-2π/12+π/2) -sin(ω1t-2π/12+3π/2)) +Iciii(t)(sin(ω1t-4π/12)+sin(ω1t-4π/12+π) -sin(ω1t-4π/12+π/2) -sin(ω1t-4π/12+3π/2)) +Iciv(t)(sin(ω1t-6π/12)+sin(ω1t-6π/12+π) -sin(ω1t-6π/12+π/2) -sin(ω1t-6π/12+3π/2)) +Icv(t)(sin(ω1t-8π/12)+sin(ω1t-8π/12+π) -sin(ω1t-8π/12+π/2) -sin(ω1t-8π/12+3π/2)) +Icvi(t)(sin(ω1t-10π/12)+sin(ω1t-10π/12+π) -sin(ω1t-10π/12+π/2) -sin(ω1t-10π/12+3π/2)) +Icvii(t)(sin(ω1t-12π/12)+sin(ω1t-12π/12+π) -sin(ω1t-12π/12+π/2) -sin(ω1t-12π/12+3π/2)) +Icviii(t)(sin(ω1t-14π/12)+sin(ω1t-14π/12+π) -sin(ω1t-14π/12+π/2) -sin(ω1t-14π/12+3π/2)) +Icix(t)(sin(ω1t-16π/12)+sin(ω1t-16π/12+π) -sin(ω1t-16π/12+π/2) -sin(ω1t-16π/12+3π/2)) +Icx(t)(sin(ω1t-18π/12)+sin(ω1t-18π/12+π) -sin(ω1t-18π/12+π/2) -sin(ω1t-18π/12+3π/2)) +Icxi(t)(sin(ω1t-20π/12)+sin(ω1t-20π/12+π) -sin(ω1t-20π/12+π/2) -sin(ω1t-20π/12+3π/2)) +Icxii(t)(sin(ω1t-22π/12)+sin(ω1t-22π/12+π) -sin(ω1t-22π/12+π/2) -sin(ω1t-22π/12+3π/2)))) =4μn Im1(Ica(t)sin(2ω1t)+Icb(t)sin(2ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-4π/3)) …(34) となり、3相交流で内側回転磁界を作ったときの(26)式
と変わりない。
【0101】一方、f2を計算してみると、次のようにな
る。
【0102】 f2=Im2×B(θ=ω2t+α)-Im2×B(θ=ω2t+π+α) =μIm2(Im1 sin(2ω1t-2ω2t-2α)-Im1 sin(2ω1t-2ω2t-2α-2π) +Im2 sin(2ω2t+2α-2ω2t-2α)-Im2 sin(2ω2t+2α-2ω2t-2α-2π) +n(Ica(t)sin(2ω2t+2α)+Icb(t)sin(2ω2t+2α-2π/3) +Icc(t)sin(2ω2t+2α-4π/3)) -n(Ica(t)sin(2ω2t+2π+2α)+Icb(t)sin(2ω2t+2π+2α-2π/3) +Icc(t)sin(2ω2t+2π+2α-4π/3)) +n(Ici(t)(sin(ω2t+α)-sin(ω2t+π+α)) +Icii(t)(sin(ω2t+α-2π/12)-sin(ω2t+π+α-2π/12)) +Iciii(t)(sin(ω2t+α-4π/12)-sin(ω2t+π+α-4π/12)) +Iciv(t)(sin(ω2t+α-6π/12)-sin(ω2t+π+α-6π/12)) +Icv(t)(sin(ω2t+α-8π/12)-sin(ω2t+π+α-8π/12)) +Icvi(t)(sin(ω2t+α-10π/12)-sin(ω2t+π+α-10π/12)) +Icvii(t)(sin(ω2t+α-12π/12)-sin(ω2t+π+α-12π/12)) +Icviii(t)(sin(ω2t+α-14π/12)-sin(ω2t+π+α-14π/12)) +Icix(t)(sin(ω2t+α-16π/12)-sin(ω2t+π+α-16π/12)) +Icx(t)(sin(ω2t+α-18π/12)-sin(ω2t+π+α-18π/12)) +Icxi(t)(sin(ω2t+α-20π/12)-sin(ω2t+π+α-20π/12)) +Icxii(t)(sin(ω2t+α-22π/12)-sin(ω2t+π+α-22π/12)))) =2μIm2 n (Ici(t)sin(ω2t+α) +Icii(t)sin(ω2t+α-2π/12) +Iciii(t)sin(ω2t+α-4π/12) +Iciv(t)sin(ω2t+α-6π/12) +Icv(t)sin(ω2t+α-8π/12) +Icvi(t)sin(ω2t+α-10π/12) +Icvii(t)sin(ω2t+α-12π/12) +Icviii(t)sin(ω2t+α-14π/12) +Icix(t)sin(ω2t+α-16π/12) +Icx(t)sin(ω2t+α-18π/12) +Icxi(t)sin(ω2t+α-20π/12) +Icxii(t)sin(ω2t+α-22π/12)) …(35) 〈2-6-2〉内側回転磁界を与える場合 上記の12相交流Ici(t)〜Icxii(t)を Ici(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ) …(36a) Icii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-2π/12) …(36b) Iciii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-4π/12) …(36c) Iciv(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-6π/12) …(36d) Icv(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-8π/12) …(36e) Icvi(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-10π/12) …(36f) Icvii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-12π/12) …(36g) Icviii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-14π/12) …(36h) Icix(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-16π/12) …(36i) Icx(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-18π/12) …(36j) Icxi(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-20π/12) …(36k) Icxii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-22π/12) …(36l) とおく。
【0103】(36a)式〜(36l)式を(35)式に代入して、f2
を計算する。
【0104】 f2=2μIm2 n Ic2(t)(cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +cos(ω2t-γ-2π/12)sin(ω2t+α-2π/12) +cos(ω2t-γ-4π/12)sin(ω2t+α-4π/12) +cos(ω2t-γ-6π/12)sin(ω2t+α-6π/12) +cos(ω2t-γ-8π/12)sin(ω2t+α-8π/12) +cos(ω2t-γ-10π/12)sin(ω2t+α-10π/12) +cos(ω2t-γ-12π/12)sin(ω2t+α-12π/12) +cos(ω2t-γ-14π/12)sin(ω2t+α-14π/12) +cos(ω2t-γ-16π/12)sin(ω2t+α-16π/12) +cos(ω2t-γ-18π/12)sin(ω2t+α-18π/12) +cos(ω2t-γ-20π/12)sin(ω2t+α-20π/12) +cos(ω2t-γ-22π/12)sin(ω2t+α-22π/12)) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))の公式
を用いて f2=2μIm2 n Ic2(t)(1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-2π/12+ω2t+α-2π/12) -sin(ω2t-γ-2π/12-ω2t-α+2π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-4π/12+ω2t+α-4π/12) -sin(ω2t-γ-4π/12-ω2t-α+4π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-6π/12+ω2t+α-6π/12) -sin(ω2t-γ-6π/12-ω2t-α+6π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-8π/12+ω2t+α-8π/12) -sin(ω2t-γ-8π/12-ω2t-α+8π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-10π/12+ω2t+α-10π/12) -sin(ω2t-γ-10π/12-ω2t-α+10π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-12π/12+ω2t+α-12π/12) -sin(ω2t-γ-12π/12-ω2t-α+12π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-14π/12+ω2t+α-14π/12) -sin(ω2t-γ-14π/12-ω2t-α+14π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-16π/12+ω2t+α-16π/12) -sin(ω2t-γ-16π/12-ω2t-α+16π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-18π/12+ω2t+α-18π/12) -sin(ω2t-γ-18π/12-ω2t-α+18π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-20π/12+ω2t+α-20π/12) -sin(ω2t-γ-20π/12-ω2t-α+20π/12)) +1/2(sin(ω2t-γ-22π/12+ω2t+α-22π/12) -sin(ω2t-γ-22π/12-ω2t-α+22π/12)) =2μIm2 n Ic2(t)(1/2(sin(2ω2t-γ+α)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-4π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-8π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-12π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-16π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-20π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-24π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-28π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-32π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-36π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-40π/12)+sin(γ+α)) +1/2(sin(2ω2t-γ+α-44π/12)+sin(γ+α)) =μIm2 n Ic2(t)(sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-4π/12) +sin(2ω2t-γ+α-8π/12) +sin(2ω2t-γ+α-12π/12) +sin(2ω2t-γ+α-16π/12) +sin(2ω2t-γ+α-20π/12) +sin(2ω2t-γ+α-24π/12) +sin(2ω2t-γ+α-28π/12) +sin(2ω2t-γ+α-32π/12) +sin(2ω2t-γ+α-36π/12) +sin(2ω2t-γ+α-40π/12) +sin(2ω2t-γ+α-44π/12) +12sin(γ+α)) =μIm2 n Ic2(t)(sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-π/3) +sin(2ω2t-γ+α-2π/3) -sin(2ω2t-γ+α) -sin(2ω2t-γ+α-π/3) -sin(2ω2t-γ+α-2π/3) +sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-π/3) +sin(2ω2t-γ+α-2π/3) -sin(2ω2t-γ+α) -sin(2ω2t-γ+α-π/3) -sin(2ω2t-γ+α-2π/3) +12sin(γ+α)) =12μIm2 n Ic2(t)sin(γ+α) …(37) 〈2-6-3〉まとめ 内側回転磁界を12相交流で与えた場合に得られるこの(3
7)式を、内側回転磁界を3相交流で与えた場合に得られ
る上記の(31)式と比較すると、(37)式のほうが(31)式よ
りも固定項(最後の項)が4倍となっている。つまり、
内側磁石の駆動電流を12相の交流(Ii〜Ixii)とすれ
ば、内側磁石の駆動電流を3相交流とする場合より4倍も
の駆動力が得られるわけである。このことは、逆にいえ
ば、内側磁石に同じ駆動力を発生させるのに、内側駆動
電流は3相時の1/4で済むことを意味している。 〈3〉N(3(2p)-2p)基本形 〈3-1〉図14を参照して磁極数比が3:1(たとえば外
側磁石の磁極数が6、内側磁石の磁極数が2)である場合
を考える。
【0105】この場合の外側と内側の各磁石に発生する
磁束密度B1、B2は次のようになる。
【0106】 B1=Bm1 sin(3ω1t-3θ)=μIm1 sin(3ω1t-3θ) …(41) B2=Bm2 sin(ω2t+α-θ)=μIm2 sin(ω2t+α-θ) …(42) ステータコイルの作る回転磁場も分けて計算するため、
外側と内側の各磁石用のステータコイルによる磁束密度
Bc1、Bc2を、 Bc1=μn(Ica(t)sin(3θ)+Icb(t)sin(3θ-2π/3) +Icc(t)sin(3θ-4π/3)) …(43) Bc2=μn(Icd(t)sin(θ)+Ice(t)sin(θ-2π/3) +Icf(t)sin(θ-4π/3)) …(44) とする。
【0107】上記の磁束密度B1、B 2、Bc1、Bc2の変化
を図15に示す。
【0108】全体の磁束密度Bは次のようになる。
【0109】 B=B1+B2+Bc1+Bc2 =μIm1 sin(3ω1t-3θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn(Ica(t)sin(3θ)+Icb(t)sin(3θ-2π/3) +Icc(t)sin(3θ-4π/3)) +μn(Icd(t)sin(θ)+Ice(t)sin(θ-2π/3) +Icf(t)sin(θ-4π/3)) …(45) 外側磁石m1に作用するトルクτ1は、直径を中心として
線対称で発生するから、f1を半周分の力とすると、 τ1=2f1×r1(r1は半径) である。半周に3つの等価直流電流が流れるので、これ
ら3つの電流に働く力の和がf1となる。
【0110】 f1=Im1×B(θ=ω1t)+Im1×B(θ=ω1t+2π/3) -Im1×B(θ=ω1t+π/3) =μIm1(Im1 sin(3ω1t-3ω1t)+Im1 sin(3ω1t-3ω1t-2π) -Im1 sin(3ω1t-3ω1t-π) +Im2 sin(ω2t+α-ω1t)+Im2 sin(ω2t+α-ω1t-2π/3) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t-π/3) +n(Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)) +n(Ica(t)sin(3ω1t+2π)+Icb(t)sin(3ω1t+2π-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t+2π-4π/3)) -n(Ica(t)sin(3ω1t+π)+Icb(t)sin(3ω1t+π-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t+π-4π/3)) +n(Icd(t)sin(ω1t)+Ice(t)sin(ω1t-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t-4π/3)) +n(Icd(t)sin(ω1t+2π/3)+Ice(t)sin(ω1t+2π/3-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+2π/3-4π/3)) -n(Icd(t)sin(ω1t+π/3)+Ice(t)sin(ω1t+π/3-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+π/3-4π/3)) =μIm1(n(Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)) +n(Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)) +n(Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)) +n(Icd(t)sin(ω1t)+Ice(t)sin(ω1t-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t-4π/3)) +n(Icd(t)sin(ω1t+2π/3)+Ice(t)sin(ω1t) +Icf(t)sin(ω1t-2π/3)) +n(Icd(t)sin(ω1t+4π/3)+Ice(t)sin(ω1t+2π/3) +Icf(t)sin(ω1t))) =μn Im1(3(Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)) +Icd(t)sin(ω1t)+Icd(t)sin(ω1t+2π/3) +Icd(t)sin(ω1t+4π/3) +Ice(t)sin(ω1t)+Ice(t)sin(ω1t+2π/3) +Ice(t)sin(ω1t+4π/3) +Icf(t)sin(ω1t)+Icf(t)sin(ω1t+2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+4π/3)) =3μIm1 n(Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)) …(46) (46)式によれば、外側磁石を正弦波で近似した場合、コ
イルa、b、cの励磁電流によって外側磁石に作用するト
ルクをコントロールできることを示している。また、コ
イルd、e、fの励磁電流の影響を受けないことも示して
いる。
【0111】次に、内側磁石m2に作用するトルクτ2
直径を中心として線対称で発生するから、f2を半周分の
力とすると、τ2=2f2×r2である。半周に1つの等価直
流電流が流れるので、この1つの等価直流電流に働く力
がf2となる。
【0112】 f2=Im2×B(θ=ω2t+α) =μIm2(Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α)+μIm2 sin(ω2t+α-ω2t-α) +n(Ica(t)sin(3ω2t+3α)+Icb(t)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Icc(t)sin(3ω2t+3α-4π/3)) +n(Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3))) =μIm2(Im1 sin(3(ω1−ω2)t-3α) +n(Ica(t)sin(3ω2t+3α)+Icb(t)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Icc(t)sin(3ω2t+3α-4π/3)) +n(Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3))) …(47) (47)式をみると、内側磁石の回転に対して、計算してい
る磁場以外の影響(相対位相角度で2π/3、4π/3)がある
ことがわかる。この影響をわかりやすくするためピーク
の時刻tのときの各外側磁石の位置をφ1=ω1t+π/6、
φ2=ω1t+5π/6、φ3=ω1t+9π/6とする。
【0113】それぞれの影響を考えて、回転角度θの磁
界は、 B1=Bm1 (cos(ω1t+π/6-θ)+cos(ω1t+5π/6-θ)+cos(ω1t+9π/6-θ)) =μIm1(cos(ω1t+π/6-θ)+cos(ω1t+5π/6-θ)+cos(ω1t+9π/6-θ)) =0 これは120度ごとの交差角度のある磁極は内側コイル上
では打ち消しあってしまうことを示している。つまり、
外側磁石の磁極数は内側磁石に影響を与えない。同様に
して外側コイルの作る磁場も合計で0となる。したがっ
て、このときの駆動力f2は次のようになる。
【0114】 f2=μIm2(n(Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3))) …(48) 〈3-2〉外側回転磁界と内側回転磁界をともに与える場
合 上記の3相交流Ica(t)、Icb(t)、Icc(t)と同じく3相交流
Icd(t)、Ice(t)、Icf(t)を Ica(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β) …(49a) Icb(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β-2π/3) …(49b) Icc(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β-4π/3) …(49c) Icd(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ) …(50a) Ice(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-2π/3) …(50b) Icf(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-4π/3) …(50c) とする。
【0115】ただし、(50a)式〜(50c)式では振幅変調を
可能とするため、時間の関数であるIc2(t)とおいてい
る。
【0116】(49a)式〜(49c)式を(46)式に、(49a)式〜
(49c)および式(50a)式〜(50c)式を(47)式に代入して、f
1、f2を計算する。
【0117】f1=3μIm1 n Ic1(cos(3ω1t-3β)sin(3ω
1t)+cos(3ω1t-3β-2π/3)sin(3ω1t-2π/3)+cos(3ω1
t-3β-4π/3)sin(3ω1t-4π/3)) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))の公式
を用いて f1=3μIm1 n Ic1(1/2(sin(3ω1t-3β+3ω1t)-sin(3ω1t-3β-3ω1t)) +1/2(sin(3ω1t-3β-2π/3+3ω1t-2π/3) -sin(3ω1t-3β-2π/3-3ω1t+2π/3)) +1/2(sin(3ω1t-3β-4π/3+3ω1t-4π/3) -sin(3ω1t-3β-4π/3-3ω1t+4π/3))) =3/2μIm1 n Ic1(sin(6ω1t-3β)+sin(3β) +sin(6ω1t-3β-4π/3)+sin(3β) +sin(6ω1t-3β-8π/3)+sin(3β)) =3/2μIm1 n Ic1(sin(6ω1t-3β)+sin(6ω1t-3β-4π/3) +sin(6ω1t-3β-8π/3) +3sin(3β)) =9/2μIm1 n Ic1 sin(3β) …(51) f2=μIm2(Im1 sin(3(ω12)t-3α) +n Ic1(cos(3ω1t-3β)sin(3ω2t+3α) +cos(3ω1t-3β-2π/3)sin(3ω2t+3α-2π/3) +cos(3ω1t-3β-4π/3)sin(3ω2t+3α-4π/3)) +n Ic2(t)(cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3))) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))の公式
を用いて f2=μIm2(Im1 sin(3(ω12)t-3α) +n Ic1(1/2(sin(3ω1t-3β+3ω2t+3α) -sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α)) +1/2(sin(3ω1t-3β-2π/3+3ω2t+3α-2π/3) -sin(3ω1t-3β-2π/3-3ω2t-3α+2π/3)) +1/2(sin(3ω1t-3β-4π/3+3ω2t+3α-4π/3) -sin(3ω1t-3β-4π/3-3ω2t-3α+4π/3))) +n Ic2(t)(1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-2π/3+ω2t+α-2π/3) -sin(ω2t-γ-2π/3-ω2t-α+2π/3)) +1/2(sin(ω2t-γ-4π/3+ω2t+α-4π/3) -sin(ω2t-γ-4π/3-ω2t-α+4π/3)))) =μIm2(Im1 sin(3(ω12)t-3α) +1/2 n Ic1(sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-4π/3) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-8π/3) -3sin(3ω1t-3β+3ω2t-3α)) +1/2 n Ic2(t)(sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-4π/3) +sin(2ω2t-γ+α-8π/3)+3sin(γ+α))) =μIm2(Im1 sin(3(ω12)t-3α) +1/2 n Ic1(sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-2π/3) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-4π/3) -3sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α)) +1/2 n Ic2(t)(sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-2π/3) +sin(2ω2t-γ+α-4π/3) +3sin(γ+α))) =μIm2(Im1 sin(3(ω12)t-3α) -3/2 n Ic1 sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α) +3/2 n Ic2(t)sin(γ+α)) …(52) ここで、f2については、(48)式のところでみたように、
外側磁石および外側コイルの作る磁界の影響がない場合
は、 f2=3/2( n Ic2(t)sin(γ+α)) …(53) となり、一定トルクで駆動できる。
【0118】これに対して、外側磁石や外側コイルの作
る磁界の影響が残る場合は、(52)式において、 Ic2(t)=((2/3)(C/μIm2)-Im1 sin(3(ω12)t-3α) +n Ic1 sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α))/(n sin(γ+α)) …(54) ただし、C:定数 とすると、f2=Cとなり一定トルクでの駆動が可能と
なる。つまり、磁極数比が3:1の場合、(52)式によれ
ば、内側磁石の回転に対して外側磁石の影響が若干発生
することを意味している。より正確には位相差(ω1-
ω2)に応じた一定のトルク変動が内側磁石の回転に生じ
る。その様子を図16に示す。矩形波モデルとしたと
き、顕著に外側磁石と内側磁石の磁力干渉の影響が表さ
れる。いま、状態Aを考えると、この状態よりも状態B
のほうが安定するため、Bの状態へ移そうとするトルク
が発生する。このトルクは断続トルクとなり、位相差
12)によって発生するわけである。さらに述べる
と、現実にはコイルの間の距離の影響を受けたり完全な
正弦波が実現できないため、完全に外側磁石の影響を打
ち消すことができない場合があり、その場合の最も極端
な場合がこの(52)式で表される。
【0119】しかしながら、(54)式により振幅変調を行
うことで、その一定トルク変動を打ち消すことが可能と
なり、磁極数比が3:1の場合であっても内側磁石を一定
トルクで駆動できるのである。
【0120】〈3-3〉まとめ (51)、(52)の各式によれば、外側磁石と内側磁石のそれ
ぞれに同期させてステータコイルに電流を流すとき、両
方の磁石にそれぞれ回転トルクが発生することがわか
る。計算はしなかったが、外側磁石に同期させてステー
タコイルに電流を流したときは外側磁石にのみ、また内
側磁石に同期させてステータコイルに電流を流したとき
は内側磁石にのみ回転トルクが発生することはいうまで
もない。このことから、磁極数比が3:1の組み合わせで
あるときにも、回転電機として働くことが可能であるこ
とが証明された。
【0121】〈3-4〉電流設定 図14に示した外周側と内周側のコイルとを図17に示
したように共用化することを考える。図14においてコ
イルaとd、コイルaf、コイルaとe、コイルad、コイ
ルaとf、コイルaeをまとめればよいから、図17と対
照させると、図17においてステータコイルに流す複合
電流を、 I1=Ia+Id I10I1 Ia+Id I2Ic I11I2 =Ic I3=Ib I12I3 Ib I4Ia+If I13I4 =Ia+If I5=Ic I14I5 Ic I6Ib I15I6 =Ib I7=Ia+Ie I16Ia+Ie I8Ic I17I8 =Ic I9=Ib I18I9 Ib とすればよいことがわかる。つまり、磁極数比が3:1の
組み合わせでは、9相の電流で代表することができる。
これは、磁極数比が2:1の組み合わせとの対比からいえ
ば、磁極数比が3:1の組み合わせでは18相の交流としな
ければならないのであるが、磁極数比が3:1の組み合わ
せの場合に限り、半周で位相が反転しているため、18相
の半分の9相の交流で代表することができるからであ
る。
【0122】ただし、コイル1、4、7、147のコイル
の負担が大きくなるため、残りのコイルも使用して内側
回転磁界を形成させることを考えると、 I1=Ia+Ii I10I1 Ia+Ii I2Ic+Ivi I11I2 =Ic+Ivi I3=Ib+Iii I12I3 Ib+Iii I4Ia+Ivii I13I4 =Ia+Ivii I5=Ic+Iiii I14I5 Ic+Iiii I6Ib+Iviii I15I6 =Ib+Iviii I7=Ia+Iiv I16I7 Ia+Iiv I8Ic+Iix I17I8 =Ic+Iix I9=Ib+Iv I18I9 Ib+Iv であればよい。
【0123】内側回転磁界を形成させるための電流Ii
IixIi Iix の位置関係を図18に示す。
【0124】〈3-5〉9相交流で内側回転磁界を与える場
合 〈3-5-1〉9相交流で内側回転磁界を作ることを考える
と、このときの磁束密度Bc2は次のようになる。
【0125】 Bc2=μn(Ici(t)sin(θ)+Icii(t)sin(θ-2π/9) +Iciii(t)sin(θ-4π/9) +Iciv(t)sin(θ-6π/9) +Icv(t)sin(θ-8π/9) +Icvi(t)sin(θ-10π/9) +Icvii(t)sin(θ-12π/9) +Icviii(t)sin(θ-14π/9) +Icix(t)sin(θ-16π/9)) …(55) したがって、全体の磁束密度Bは次のようになる。
【0126】 B=B1+B2+Bc1+Bc2 =μIm1 sin(3ω1t-3θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn(Ica(t)sin(3θ)+Icb(t)sin(3θ-2π/3) +Icc(t)sin(3θ-4π/3)) +μn(Ici(t)sin(θ)+Icii(t)sin(θ-2π/9) +Iciii(t)sin(θ-4π/9) +Iciv(t)sin(θ-6π/9) +Icv(t)sin(θ-8π/9) +Icvi(t)sin(θ-10π/9) +Icvii(t)sin(θ-12π/9) +Icviii(t)sin(θ-14π/9) +Icix(t)sin(θ-16π/9)) …(56) このときのf1を計算してみると、 f1=Im1×B(θ=ω1t)+Im1×B(θ=ω1t+2π/3)-Im1×B(θ=ω1t+π/3) =μIm1(Im1(sin(3ω1t-3ω1t)+sin(3ω1t−3ω1t+2π) -sin(3ω1t−3ω1t+π)) +Im2(sin(ω2t+α-ω1t)+sin(ω2t+α-ω1t-2π/3) -sin(ω2t+α-ω1t+π/3) +n(Ica(t)(sin(3ω1t)+sin(3ω1t+2π) -sin(3ω1t+π)) +Icb(t)(sin(3ω1t-2π/3)+sin(3ω1t+2π-2π/3) -sin(3ω1t+π-2π/3)) +Icc(t)(sin(3ω1t-4π/3)+sin(3ω1t+2π-4π/3) -sin(3ω1t+π-4π/3))) +n(Ici(t)(sin(ω1t)+sin(ω1t+2π/3) -sin(ω1t+π/3)) +Icii(t)(sin(ω1t-2π/9)+sin(ω1t-2π/9+2π/3) -sin(ω1t-2π/9+π/3)) +Iciii(t)(sin(ω1t-4π/9)+sin(ω1t-4π/9+2π/3) -sin(ω1t-4π/9+π/3)) +Iciv(t)(sin(ω1t-6π/9)+sin(ω1t-6π/9+2π/3) -sin(ω1t-6π/9+π/3)) +Icv(t)(sin(ω1t-8π/9)+sin(ω1t-8π/9+2π/3) -sin(ω1t-8π/9+π/3)) +Icvi(t)(sin(ω1t-10π/9)+sin(ω1t-10π/9+2π/3) -sin(ω1t-10π/9+π/3)) +Icvii(t)(sin(ω1t-12π/9)+sin(ω1t-12π/9+2π/3) -sin(ω1t-12π/9+π/3)) +Icviii(t)(sin(ω1t-14π/9)+sin(ω1t-14π/9+2π/3) -sin(ω1t-14π/9+π/3)) +Icix(t)(sin(ω1t-16π/9)+sin(ω1t-16π/9+2π/3) -sin(ω1t-16π/9+π/3)))) =μIm1( Im1(sin(3ω1t-3ω1t)+sin(3ω1t−3ω1t+2π)-sin(3ω1t−3ω1t+π)) (=0) +Im2(sin(ω2t+α-ω1t)+sin(ω2t+α-ω1t-2π/3)-sin(ω2t+α-ω1t+π/3) (=0) +n(Ica(t)(sin(3ω1t)+sin(3ω1t+2π)-sin(3ω1t+π)) +Icb(t)(sin(3ω1t-2π/3)+sin(3ω1t+2π-2π/3)-sin(3ω1t+π-2π/3)) +Icc(t)(sin(3ω1t-4π/3)+sin(3ω1t+2π-4π/3)-sin(3ω1t+π-4π/3))) +n(Ici(t) ・(sin(ω1t)+sin(ω1t+2π/3)+sin(ω1t+π/3)) (=0) +Icii(t) ・(sin(ω1t-2π/9)+sin(ω1t-2π/9+2π/3)-sin(ω1t-2π/9+π/3))(=0) +Iciii(t) ・(sin(ω1t-4π/9)+sin(ω1t-4π/9+2π/3)-sin(ω1t-4π/9+π/3))(=0) +Iciv(t) ・(sin(ω1t-6π/9)+sin(ω1t-6π/9+2π/3)-sin(ω1t-6π/9+π/3))(=0) +Icv(t) ・(sin(ω1t-8π/9)+sin(ω1t-8π/9+2π/3)-sin(ω1t-8π/9+π/3))(=0) +Icvi(t) ・(sin(ω1t-10π/9)+sin(ω1t-10π/9+2π/3)-sin(ω1t-10π/9+π/3)) (=0) +Icvii(t) ・(sin(ω1t-12π/9)+sin(ω1t-12π/9+2π/3)-sin(ω1t-12π/9+π/3)) (=0) +Icviii(t) ・(sin(ω1t-14π/9)+sin(ω1t-14π/9+2π/3)-sin(ω1t-14π/9+π/3)) (=0) +Icix(t) ・(sin(ω1t-16π/9)+sin(ω1t-16π/9+2π/3)-sin(ω1t-16π/9+π/3)))) (=0) =3μn Im1(Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)) …(57) となり、内側回転磁界を3相交流で与えた場合に得られ
る上記(46)式と変わりない。
【0127】一方、f2を計算してみると、次のようにな
る。
【0128】 f2=Im2×B(θ=ω2t+α) =μIm2(Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α)+Im2 sin(ω2t+α-ω2t-α) +n(Ica(t)sin(3ω2t+3α)+Icb(t)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Icc(t)sin(3ω2t+3α-4π/3)) +n(Ici(t)sin(ω2t+α) +Icii(t)sin(ω2t+α-2π/9) +Iciii(t)sin(ω2t+α-4π/9) +Iciv(t)sin(ω2t+α-6π/9) +Icv(t)sin(ω2t+α-8π/9) +Icvi(t)sin(ω2t+α-10π/9) +Icvii(t)sin(ω2t+α-12π/9) +Icviii(t)sin(ω2t+α-14π/9) +Icix(t)sin(ω2t+α-16π/9))) =μIm2(Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) +n(Ica(t)sin(3ω2t+3α)+Icb(t)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Icc(t)sin(3ω2t+3α-4π/3)) +n(Ici(t)sin(ω2t+α) +Icii(t)sin(ω2t+α-2π/9) +Iciii(t)sin(ω2t+α-4π/9) +Iciv(t)sin(ω2t+α-6π/9) +Icv(t)sin(ω2t+α-8π/9) +Icvi(t)sin(ω2t+α-10π/9) +Icvii(t)sin(ω2t+α-12π/9) +Icviii(t)sin(ω2t+α-14π/9) +Icix(t)sin(ω2t+α-16π/9))) …(58) 〈3-5-2〉外側回転磁界と内側回転磁界をともに与える
場合 上記の3相交流Ica(t)、Icb(t)、Icc(t)は Ica(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β) …(59a) Icb(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β-2π/3) …(59b) Icc(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β-4π/3) …(59c) であり、上記の9相交流Ici(t)〜Icix(t)を Ici(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ) …(60a) Icii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-2π/9) …(60b) Iciii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-4π/9) …(60c) Iciv(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-6π/9) …(60d) Icv(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-8π/9) …(60e) Icvi(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-10π/9) …(60f) Icvii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-12π/9) …(60g) Icviii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-14π/9) …(60h) Icix(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-16π/9) …(60i) とおく。
【0129】(59a)式〜(59c)および式(60a)式〜(60i)式
を(58)式に代入して、f2を計算する。
【0130】 f2=μIm2(Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) +n(Ic1 cos(3ω1t-3β)sin(3ω2t-3α) +Ic1 cos(3ω1t-3β-2π/3)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Ic1 cos(3ω1t-3β-4π/3)sin(3ω2t+3α-4π/3)) +n(Ic2(t) cos(ω2t-γ)sin(ω1t+α) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-2π/9)sin(ω1t+α-2π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-4π/9)sin(ω1t+α-4π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-6π/9)sin(ω1t+α-6π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-8π/9)sin(ω1t+α-8π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-10π/9)sin(ω1t+α-10π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-12π/9)sin(ω1t+α-12π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-14π/9)sin(ω1t+α-14π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-16π/9)sin(ω1t+α-16π/9))) ここで、cos(a)sin(b)=1/2(sin(a+b)-sin(a-b))の公式
を用いて f2=μIm2(Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) +n Ic1(1/2(sin(3ω1t-3β+3ω2t+3α) -sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α)) +1/2(sin(3ω1t-3β-2π/3+3ω2t+3α-2π/3) -sin(3ω1t-3β-2π/3-3ω2t-3α+2π/3)) +1/2(sin(3ω1t-3β-4π/3+3ω2t+3α-4π/3) -sin(3ω1t-3β-4π/3-3ω2t-3α+4π/3))) +n Ic2(t)(1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-2π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-2π/9-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-4π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-4π/9-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-8π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-6π/9-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-10π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-8π/9-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-12π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-10π/9-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-14π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-12π/9-ω2t-α)) +1/2(sin(ω2t-γ-16π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-14π/9-ω2t-α)))) =μIm2(Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) +1/2n Ic1(sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α) -sin(3ω1t-3ω2t-3α-3β) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-4π/3) -sin(3ω1t-3ω2t-3α-3β) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-2π/3) -sin(3ω1t-3ω2t-3α-3β)) +n Ic2(t)(1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α)+sin(γ+α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-4π/9)+sin(γ+α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-8π/9)+sin(γ+α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-12π/9)+sin(γ+α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-16π/9)+sin(γ+α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-2π/9)+sin(γ+α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-6π/9)+sin(γ+α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-10π/9)+sin(γ+α)) +1/2(sin(ω2t-γ+ω2t+α-14π/9)+sin(γ+α)))) =μIm2(Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) -3/2 n Ic1 sin(3ω1t+3ω2t-3α-3β) +9/2n Ic2(t)sin(γ+α)) …(61) 〈3-5-3〉まとめ (61)式右辺の第1項、第2項は、(48)式のところでみたよ
うに、他相の分を考慮すると打ち消されることになるの
は、3相交流の場合と同じである。
【0131】一方、内側回転磁界を9相交流で与えた場
合に得られるこの(61)式を、内側回転磁界を3相交流で
与えた場合に得られる上記の(52)式と比較すると、(61)
式のほうが(52)式よりも固定項(最後の項)が3倍とな
っている。つまり、内側磁石の駆動電流を9相の交流(I
i〜Iix)とすれば、内側磁石の駆動電流を3相交流とす
る場合より3倍もの電磁力(駆動トルク)が得られるわ
けである。このことは、逆にいえば、内側磁石に同じ駆
動トルクを発生させるのに、駆動電流は1/3でよいこと
を意味している。
【0132】これで、理論的な解析を終える。
【0133】実施形態では、外側磁石の磁極数が内側磁
石の磁極数より多い場合で説明したが、この場合に限ら
ず、外側磁石の磁極数が内側磁石の磁極数より少ない場
合でもかまわない。また、ロータは第1、第2の各実施
形態で説明した一周分を展開して複数個を連結し、円筒
状に構成しても、展開する前のものと同様に扱うことが
できる。また、ステータと2つのロータの並び方は基本
的にどんな並び方でもかまわない。
【0134】モータ駆動電流回路はPWM信号を用いる
場合に限らず、PAM信号その他の信号を用いる場合で
もかまわない。
【0135】実施形態では、電機の構造がラジアルギャ
ップ型(径方向にロータとステータの空隙がある)のも
のについて述べたが、アキシャルギャップ型(軸方向に
ロータとステータの空隙がある)のものについても本発
明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の回転電機本体の概略断面図。
【図2】第2実施形態の回転電機本体の概略断面図。
【図3】制御システム図。
【図4】インバータの回路図。
【図5】比較のため示す磁極数比が2:1の組み合わせの
場合の回転電機本体の概略断面図。
【図6】比較のため示す磁極数比が2:1の組み合わせの
場合の回転電機本体の概略断面図。
【図7】磁極数比が2:1の組み合わせの場合にステータ
2の内周側と外周側に専用コイルを配置した回転電機本
体の概略断面図。
【図8】N(2p-2p)基本形を考えるのに参照するモデル
図。
【図9】磁束密度の変化を示すモデル図。
【図10】N(2(2p)-2p)基本形を考えるのに参照するモ
デル図。
【図11】磁束密度の変化を示すモデル図。
【図12】N(2(2p)-2p)基本形を考えるのに参照するモ
デル図。
【図13】12相交流の分布を示す波形図。
【図14】N(3(2p)-2p)基本形を考えるのに参照するモ
デル図。
【図15】磁束密度の変化を示すモデル図。
【図16】外側磁石と内側磁石の磁力干渉の説明図。
【図17】N(3(2p)-2p)基本形を考えるのに参照するモ
デル図。
【図18】9相交流の分布を示す波形図。
【符号の説明】
2 ステータ 3 外側ロータ 4 内側ロータ 6 コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つのロータと1つのステータを三層構造か
    つ同一の軸上に構成するとともに、前記ステータに単一
    のコイルを形成し、この単一のコイルに前記ロータの数
    と同数の回転磁場が発生するように電流整流器により複
    合電流を流すようにした回転電機において、 前記2つのロータの磁極数の比が3:1の組み合わせであ
    ることを特徴とする回転電機。
  2. 【請求項2】複合電流のうち磁極数の少ない側のロータ
    駆動電流が9相の交流であることを特徴とする請求項1
    に記載の回転電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007060828A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Daikin Ind Ltd 界磁子、電動機及びその駆動方法
US7256524B2 (en) 2004-08-06 2007-08-14 Nissan Motor Co., Ltd. Axial gap electric motor
CN100466423C (zh) * 2002-04-15 2009-03-04 乐金电子(天津)电器有限公司 感应电机

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