JP3498612B2 - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JP3498612B2
JP3498612B2 JP01049099A JP1049099A JP3498612B2 JP 3498612 B2 JP3498612 B2 JP 3498612B2 JP 01049099 A JP01049099 A JP 01049099A JP 1049099 A JP1049099 A JP 1049099A JP 3498612 B2 JP3498612 B2 JP 3498612B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は回転電機に関し、
特に同一の軸上に1つのステータと2つのロータを設け
た構造の回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】同一の軸上に複数のロータを有する従来
技術としては、例えば、同軸上に複数の同期モータを配
置し、それらを独立に回転制御するものがある(特開平
9−2.75673号公報参照)。また、構造をコンパ
クトにするため、2つのロータと1つのステータを三層
構造で、かつ同一の軸上に配置したものも開示されてい
る(特開平8−340663号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例の場合に
は、2つのロータを別々に同期回転させるため、各ロー
タ毎に専用のコイルを用意すると共に、この各コイルに
流す電流を制御する電流制御器をそれぞれのコイルごと
に設けている。しかし、それぞれのコイルと電流制御器
(例えばインバータ)に電流を流すのでは、電流による
損失(銅損、スイッチングロス)が大きくなる。上記の
問題を解決するため、本出願人は、2つのロータと1つ
のステータを三層構造で、かつ同一の軸上に構成すると
共に、前記2つのロータ用の磁束を発生する共通のコイ
ルをステータに設け、このコイルに前記ロータの数と同
数の回転磁場が発生するように複合電流を流す新規な構
成の回転電機を既に出願(特願平10−77449号
未公開)している。これによれば、2つのロータに共通
のコイルを用いることが出来るので、電流損失を減少す
ることが出来、特に一方のロータをモータとし、他方の
ロータを発電機として用いる場合には、モータ駆動力と
発電電力との差の電流をコイルに流すだけでよいので、
効率を大幅に向上させることが出来る。
【0004】本発明は、本出願人の上記先行発明をさら
に改良し、電流制御系回路の構成素子数を減少させるこ
とが出来る回転電機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するように
構成している。すなわち、請求項1に記載の発明は、2
つのロータに対して、コイルに流す電流を3相交流相当
として与え、かつ、外側のロータと内側のロータとの磁
極数の比である磁極数比を3:1にした場合に、ステー
タに設けるコイルを同じ位相の電流が流れるコイル毎に
5種類に区分けし、同種のコイルを接続することによ
り、5相分の複合電流(各ロータに対応する電流を加え
合わせた電流)で駆動するように構成したものである。
なお、磁極数比が3:1とは、磁極数が3個:1個、6
個:2個、9個:3個、…、のように外側ロータと内側
ロータの磁極数の比が3:1であればよい。前記本出願
人の先行出願によれば、磁極数比が3:1の場合にはコ
イルの種類が9種であり、それに対応して電流制御系回
路も9相分の素子が必要であった。しかし、磁極数比が
3:1の場合には、同じ位相の電流が流れるコイルを種
類分けすると5種のコイルに区分けすることが出来る。
そして同種のコイルを接続することにより、同じ位相の
電流が流れるコイルには1相分の電流制御系回路を設け
ればよいので、5種類のコイルであれば電流制御系回路
(インバータやコンパレータ部等)の構成素子も5相分
で済むことになる。なお、同種のコイルの接続方法につ
いては、結果的に同じ電流を流せばよいのであるから、
直列、並列、直並列の何れの接続方法でも可能である。
【0006】同様に、請求項2においては、磁極数比を
奇数:1(3:1を除く)にした場合に、コイルの種類
を6種類に区分けしたものである。なお、奇数:1と
は、例えば5:1、7:1、…、等であり、請求項1の
3:1は除くものとする。前記本出願人の先行出願によ
れば、磁極数比が5:1の場合にはコイルの種類が15
種であり、7:1の場合には42種であったが、請求項
2においては、同じ位相の電流が流れるコイルを種類分
けすることにより、コイルの種類は6種で済み、したが
って電流制御系回路の構成素子も6相分で済むことにな
る。
【0007】同様に、請求項3においては、磁極数比を
奇数:奇数(3:1および奇数:1を除く)にした場合
に、コイルの種類を8種類に区分けしたものである。な
お、奇数:奇数とは、例えば5:3、7:3、…、等で
あり、請求項1の3:1と請求項2の奇数:1は除くも
のとする。前記本出願人の先行出願によれば、磁極数比
が5:3の場合にはコイルの種類が21種であり、7:
3の場合には27種であったが、請求項3においては、
同じ位相の電流が流れるコイルを種類分けすることによ
り、コイルの種類は8種で済み、したがって電流制御系
回路の構成素子も8相分で済むことになる。
【0008】同様に、請求項4においては、磁極数比を
偶数:1にした場合に、コイルの種類を9種類にしたも
のである。磁極数比が偶数:1とは、磁極数が2:1、
4:1、6:1、…、等である。なお、磁極数2:1と
は、2個:1個、4個:2個、6個:3個、…、のよう
に外側ロータと内側ロータの磁極数の比が2:1であれ
ばよい。前記本出願人の先行出願によれば、磁極数比が
2:1の場合にはコイルの種類が12種、4:1の場合
は24種、6:1の場合は36種であったが、請求項4
においては、同じ位相の電流が流れるコイルを種類分け
することにより、コイルの種類は9種で済み、したがっ
て電流制御系回路の構成素子も9相分で済むことにな
る。
【0009】また、請求項5においては、前記2つのロ
ータを永久磁石で構成したものである。このように構成
すれば、回転体は永久磁石だけであるため、スリップリ
ングが不要になる。
【0010】また、請求項6においては、円筒状のステ
ータの外側と内側に所定の間隔をおいてそれぞれ1つず
つのロータを配置したものである。このように構成すれ
ば、2つのロータともステータからの距離が最短になる
ので、同じ電流をステータコイルに流した場合に、一方
のロータがステータから遠くなる配置の場合(例えば2
つのロータが共にステータの外側に2重にある場合、或
いは共に内側に2重にある場合)と比べて駆動トルクが
大きくなる。
【0011】
【発明の効果】請求項1〜請求項4に記載の発明におい
ては、同じ位相の電流が流れるコイル毎に種類分けし、
同種のコイルを接続することにより、同じ位相の電流が
流れるコイルには1相分の電流制御系回路を設ければよ
いので、電流制御系回路の構成素子数が減少し、それに
よって電流損失を減少させることが出来ると共に、回路
素子数が減少するのでコストを低下させることが出来
る、という効果が得られる。なお、最もコイルの種類を
少なくできる組み合わせは、請求項1に記載の磁極数比
3:1の場合である。
【0012】請求項5の発明によれば、回転体は永久磁
石だけであるため、スリップリングが不要になり、構造
が簡略になる。請求項6の発明によれば、2つのロータ
ともステータからの距離が最短になるので、同じ電流を
ステータコイルに流した場合に、一方のロータがステー
タより遠くなる配置の場合と比べて駆動トルクが大きく
なる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態を
示す図であり、(a)は回転電機全体の概略断面図、
(b)はロータとステータ部分の断面図〔(a)のA−
A’断面図、ただし軸や外枠部分は除き、ロータとステ
ータのみを示す〕である。なお、図1は外側ロータの磁
極数が4、内側ロータの磁極数が2で、その比である磁
極数比が2:1の場合を示している。
【0014】図1において、中空円筒状のステータ2の
外側と内側に所定のギャップをおいて中空円筒状の外側
ロータ3と内側ロータ4が配置され、3層構造になって
いる。また、内側ロータ軸9と外側ロータ軸10とは同
一の軸上に並ぶように設けられ、内側ロータ4と外側ロ
ータ3は同軸上でそれぞれ独立に回転出来るようになっ
ている。なお、軸受等は図示を省略している。
【0015】内側ロータ4は半周をS極、もう半周をN
極とした一対の永久磁石で形成され、これに対して、外
側ロータ3は内側ロータ4の一極当たり2倍の極数を持
つように永久磁石が配置される。つまり、外側ロータ3
のS極、N極は各2個であり、90度毎にS極とN極が
入れ替わるように構成されている。
【0016】このように各ロータ3、4の磁極を配置す
ると、内側ロータ4の磁石は外側ロータ3の磁石により
回転力を与えられることがなく、この逆に外側ロータ3
の磁石が内側ロータ4の磁石により回転力を与えられる
こともない。
【0017】たとえば、内側ロータ4の磁石が外側ロー
タ3に及ぼす影響を考えてみる。簡単のため内側ロータ
4は固定して考える。まず、内側ロータ4のS極とこれ
に対峙する外側ロータ3の上側磁石SNとの関係におい
て、図示の状態で仮に内側ロータ4のS極が出す磁力を
受けて、外側ロータの上側磁石SNが時計方向に回転し
ようとしたとすると、内側ロータ4のN極とこれに対峙
する外側ロータ3の下側磁石SNとの関係においては、
内側ロータ4のN極により外側ロータ3の下側磁石SN
が反時計方向に回転しようとする。つまり、内側ロータ
4のS極が外側ロータ3の上側磁石に及ぼす磁力と内側
ロータ4のN極が外側ロータ3の下側磁石に及ぼす磁力
とがちょうど相殺することになり、外側ロータ3は内側
ロータ4と関係なく、ステータ2との関係だけで制御可
能となるわけである。このことは、後述するようにステ
ータコイルに発生する回転磁場とロータとの間でも同じ
である。
【0018】ステータ2のコイルは、外側ロータ3の1
磁極当たり3個のコイル6で構成され、合計12個(=
3×4)のコイル6が同一の円周上に等分に配置されて
いる。丸で囲んだ数字はそれぞれコイルの巻線を示し、
例えば1ととが1つのコイルを形成し、それぞれ電流
の方向が逆なことを示している。すなわち、1は紙面方
向へ電流の流れる巻線であり、はその逆方向に電流の
流れる巻線である。この場合の巻線方法は集中巻であ
る。
【0019】また、7はコイルが巻回されるコアで、コ
イル6と同数のコア7が円周上に等分に所定の間隔(ギ
ャップ)8をおいて配列されている。
【0020】なお、後述するように、12個のコイルは
番号で区別しており、この場合に6番目のコイルという
意味でコイル6が出てくる。上記のコイル6という表現
と紛らわしいが、意味するところは異なっている。
【0021】これら12個のコイルには次のような複合
電流I1〜I12を流す。まず内側ロータ4に対する回転
磁場を発生させる電流(三相交流)を流すため、[1,
2]=[]、[]=[9,10]、[5,
6]=[1112]の3組のコイルに120度ずつ位
相のずれた電流Id、If、Ieを設定する。ここで、
番号の下に付けたアンダーラインは反対方向に電流を流
すことを意味させている。たとえば、1組のコイル
[1,2]=[]に電流Idを流すとは、コイル
1からコイルに向けてIdの半分の電流を、かつコイ
ル2からコイルに向けてIdのもう半分の電流を流す
ことに相当する。1と2、が円周上でそれぞれ近
い位置にあるので、この電流供給により、内側ロータ4
の磁極と同数(2極)の回転磁場を生じさせることが可
能となる。
【0022】次に、外側ロータ3に対する回転磁場を発
生させる電流(三相交流)を流すため、[1]=[
=[7]=[10]、[2]=[5]=[]=[1
1]、[3]=[]=[9]=[12]の3組のコイ
ルに120度ずつ位相がずれた電流Ia、Ic、Ibを
設定する。たとえば、1組のコイル[1]=[]=
[7]=[10]に電流Iaを流すとは、コイル1から
コイルにIaの電流をかつコイル7からコイル10
向けてもIaの電流を流すことに相当する。コイル1と
7、コイル10がそれぞれ円周上の180度ずつ離
れた位置にあるため、この電流供給により、外側ロータ
3の磁極と同数(4極)の回転磁場を生じさせることが
できる。
【0023】この結果、12個のコイルには次の各複合
電流I1〜I12を流せばよいことになる。 I1=(1/2)Id+Ia I2=(1/2)Id+Ic I3=(1/2)If+Ib I4=(1/2)IfIa I5=(1/2)Ie+Ic I6=(1/2)Ie+Ib I7=(1/2)Id+Ia I8=(1/2)IdIc I9=(1/2)If+Ib I10=(1/2)If+Ia I11=(1/2)IeIc I12=(1/2)Ie+Ib ただし、電流記号の下につけたアンダーラインは逆向き
の電流であることを表している。
【0024】さらに図2を参照して複合電流の設定を説
明すると、図2は、図1との比較のため、ステータ2の
内周側と外周側に各ロータに対して別々の回転磁場を発
生させる専用のコイルを配置したものである。つまり、
内周側コイルd、f、eの配列が内側ロータに対する回
転磁場を、また外周側コイルa、c、bの配列が外側ロ
ータに対する回転磁場を発生する。この場合に、2つの
専用コイルを共通化して、図1に示した共通のコイルに
再構成するには、内周側コイルのうち、コイルdに流す
電流の半分ずつをコイルdの近くにあるコイルaとcに
負担させ、同様にして、コイルfに流す電流の半分ずつ
をコイルfの近くにあるコイルbとaに、またコイルe
に流す電流の半分ずつをコイルeの近くにあるコイルc
とbに負担させればよいわけである。上記複合電流I1
〜I12の式はこのような考え方を数式に表したものあ
る。なお、電流設定の方法はこれに限られるものでな
く、後述するように、他の電流設定方法でもかまわな
い。
【0025】このように電流設定を行うと、共通のコイ
ルでありながら、内側ロータ4に対する回転磁場と外側
ロータ3に対する回転磁場との2つの磁場が同時に発生
するが、内側ロータ4の磁石は外側ロータ3に対する回
転磁場により回転力を与えられることがなく、また外側
ロータ3の磁石が内側ロータ4に対する回転磁場により
回転力を与えられることもない。この点は、後述するよ
うに、理論解析で証明されている。
【0026】上記Id、If、Ieの電流設定は内側ロ
ータ4の回転に同期して、また上記Ia、Ic、Ibの
電流設定は外側ロータ3の回転に同期してそれぞれ行
う。トルクの方向に対して位相の進み遅れを設定する
が、これは同期モータに対する場合と同じである。
【0027】図3は上記回転電機を制御するための回路
のブロック図である。上記複合電流I1〜I12をステー
タコイルに供給するため、バッテリなどの電源11から
の直流電流を交流電流に変換するインバータ12を備え
る。瞬時電流の全ての和は0になるためこのインバータ
12は、図4に詳細を示したように、通常の3相ブリッ
ジ型インバータを12相にしたものと同じで、24(=
12×2)個のトランジスタTr1〜Tr24とこのト
ランジスタと同数のダイオードから構成される。インバ
ータ12の各ゲート(トランジスタのベース)に与える
ON、OFF信号はPWM信号である。
【0028】各ロータ3、4を同期回転させるため、各
ロータ3、4の位相を検出する回転角センサ13、14
が設けられ、これらセンサ13、14からの信号が入力
される制御回路15では、外側ロータ3、内側ロータ4
に対する必要トルク(正負あり)のデータ(必要トルク
指令)に基づいてPWM信号を発生させる。
【0029】このように、本発明の実施の形態では、2
つのロータ3、4と1つのステータ2を三層構造かつ同
一の軸上に構成すると共に、ステータ2に共通のコイル
6を形成し、この共通のコイル6にロータの数と同数の
回転磁場が発生するように複合電流を流すようにしたこ
とから、ロータの一方をモータとして、残りをジェネレ
ータとして運転する場合に、モータ駆動電力と発電電力
の差の分の電流を共通のコイルに流すだけでよいので、
効率を大幅に向上させることができる。
【0030】また、2つのロータに対してインバータが
1つでよくなり、さらにロータの一方をモータとして、
残りをジェネレータとして運転する場合には、上記のよ
うに、モータ駆動電力と発電電力の差の分の電流を共通
のコイルに流すだけでよくなることから、インバータの
電力スイッチングトランジスタのキャパシタンスを減ら
すことができ、これによってスイッチング効率が向上
し、より全体効率が向上する。
【0031】図5は第2の実施の形態を示す断面図であ
り、第1の実施の形態における図1(b)に相当する。
図1ではコイルを巻回するコア7がコイル6の総数と同
数の12個あったのに対して、第2の実施の形態におい
ては、2つのコイル当たり1個のコア21としたもので
ある。ただし、2つのコイル6に発生する磁束どうしの
干渉を避けるため、コア21の円周方向中央にスリット
22を設けている。第2の実施の形態では、コア21の
総数が第1の実施の形態の場合の半分の6個となること
から、制作工数が減少する。
【0032】上記図1〜図5の構成は、前記本出願人の
先行出願(特願平10−77449号)と同様である。
本発明においては、上記12相に対応する12種のコイ
ルを、同じ位相の電流が流れるコイル毎に種類分けする
ことにより、9種のコイルに分類し、同じ位相の電流が
流れるコイルには1相分の電流制御器を設ければよいの
で、9相分の電流制御器で駆動するように構成したもの
である。したがって図4のインバータ回路は、18(=
9×2)個のトランジスタと同数のダイオードで構成す
ることが出来る。なお、詳細については、後記の第3、
第4の実施の形態の後で説明する。
【0033】図6は、第3の実施の形態を示す断面図で
あり、第2の実施の形態における図5に対応する。本実
施の形態は、外側ロータ3の磁極数が6で内側ロータ4
の磁極数が2で磁極数比(以下単に磁極数比という)が
3:1の組み合わせとしたものである。磁極数比が3:
1の組み合わせでは、磁極数比が2:1の組み合わせの
場合と異なり、外側ロータ3の磁石と内側ロータ4の磁
石の間に影響が若干発生する。つまり、外側ロータ3の
磁石が内側ロータ4に対する回転磁場により回転力を与
えられることがないのであるが、内側ロータ4の磁石の
ほうは、外側ロータ3に与える回転磁場の影響を受ける
ため、内側ロータ4がトルク変動を生じながら回転する
のである。
【0034】しかしながら、この内側ロータ4の回転に
対する外側ロータ3の干渉、つまり、内側ロータ4に生
じる一定のトルク変動は、後述する理論解析からわかる
ように、外側ロータ3と内側ロータ4の位相差(ω1
ω2)の関数になることから、予めその一定トルク変動
分を打ち消すように、振幅変調を、外側コイルに対する
回転磁場を発生させるための交流に対してかけること
で、内側ロータ4に生じるトルク変動を打ち消すことが
できる。したがって、この磁極数比が3:1の組み合わ
せでも、基本的に磁極数比が2:1の組み合わせと同様
の作用効果を奏する。
【0035】一方、外側ロータ3の1磁極当たり3個の
コイルを設ける点は図5の場合と同じであるため、ステ
ータコイル6の総数が18個(=3×6)になる。した
がって、ステータコイル6に18相の交流を流すインバ
ータが必要になる。しかし、18相の交流は、180度
毎に電流が反転するので、18相の半分である9相の交
流を発生させるインバータであればよい。つまり、前記
図4では、12相で、インバータが24(=12×2)
個のトランジスタと同数のダイオードから構成されてい
たが、本実施の形態では、9相で、インバータは18
(=9×2)個のトランジスタと同数のダイオードから
構成すればよく、第1、第2の各実施の形態よりもイン
バータを構成するトランジスタとダイオードの数を減ら
すことができるのである。なお、インバータの基本回路
は図4と同様である。
【0036】また、3つのコイル当たり1個のコア25
とし、このコア25を円周方向に3分割する位置にスリ
ット26を形成することで、第1、第2の各実施形態と
同様に、コアの総数を減らしている。
【0037】図7は第4の実施の形態を示す断面図であ
り、第3の実施の形態の図6に対応する。この実施の形
態は、ステータコイル6を巻回するコア31を一体で形
成したもので、これによって、図6の場合よりも制作工
数がさらに減少する。なお、コイル6の3つおきに、幅
広のスリット32、33を入れることで、磁気抵抗が大
きくなるようにしていることはいうまでもない。
【0038】上記図6、図7の構成は、前記本出願人の
先行出願(特願平10−77449号)と同様である。
しかし、磁極数比が3:1の場合には、同じ位相の電流
が流れるコイルを種類分けすると5種のコイルに区分け
することが出来る。そして同じ位相の電流が流れるコイ
ルには1相分の電流制御系回路を設ければよい。そのた
め本発明においては、上記9相に対応する9種のコイル
を、同じ位相の電流が流れる5種のコイルに区分けし、
同種のコイルを接続することにより、電流制御系回路
(インバータやコンパレータ部等)の構成素子を5相分
に減少させたものである。例えば、図4のインバータ回
路においては、10(5×2)個のトランジスタと同数
のダイオードで構成することが出来る。
【0039】以下、詳細に説明する。図8は、電流制御
系回路の一実施の形態を示すブロック図であり、図9は
コンパレータ部の1回路分を示す回路ブロック図であ
る。図8において、50、51は電流演算器、52、5
3は電流制御器、54、55は位相調整器、56はコン
パレータ部、57は主駆動回路(前記図4の部分に相
当)、58はモータである。そして50、52、54は
外側ロータ3の駆動電流を制御し、51、53、55は
内側ロータ4の駆動電流を制御する部分である。
【0040】電流演算器50と電流制御器52は、モー
タの駆動力を設定するコントローラ(図示省略)から与
えられた外側ロータ3の目標トルクτ1*と実回転数ω
*とに応じて外側ロータ3を駆動する電流を演算し、
また、電流演算器51と電流制御器53は、内側ロータ
4の目標トルクτ2*と実回転数ω2*とに応じて内側ロ
ータ4を駆動する電流を演算する。このように、外側ロ
ータと内側ロータとは独立に制御を行ない、3相交流相
当の電圧を算出する。次に、位相調整器54、55によ
ってコイル数に合わせて位相とゲインを調整する。そし
てコンパレータ部56(図9参照)において外側の電圧
V1と内側の電圧(V2)とを加算し、複合電流に相当
する電圧を作る。そしてその電圧と三角波発生器59の
出力とを比較器60で比較することにより、パルス状の
電圧信号を作り、それによって主駆動回路57を制御す
ることにより、モータ58を複合電流で駆動する。
【0041】図10は、磁極数比が3:1の場合におけ
る外側ロータ3、ステータ2、内側ロータ4の断面図で
ある。図10(a)において、A、B、C、
は外側ロータに対する電流(方向および大きさ)を示
し、D、E、F、は内側ロータに対する電流
(方向および大きさ)を示す。そして実装コイルにおい
ては、図10(b)に示すように、i〜ix、ix
のコイルに上記の電流に相当する複合電流を流すことに
よって上記外側ロータと内側ロータの両方に回転磁界を
与える。Aと等は逆方向の電流を示す。なお、図10
においては、コイルは9相であり、コイルNoはθ=0
の点から順にi、ii、iii、…、ixと定義する。
図10(b)において、複合電流は、例えばコイルiに
は外側ロータの駆動電流Aと内側ロータの駆動電流Dを
同時に流すものである。なお、上記のコイルNoは、前
記図6の1、、2、、〜、9、とは符号の付け方
が異なっているが、内容的には同じことを示す。
【0042】図11は、図10(b)の構成を、回転θ
方向に展開した場合における外側と内側のロータを駆動
する電流の種類を示した展開図である。なお、黒太線で
示した曲線は電流波形を正弦波で示したものである。
【0043】図11に示した展開図によれば、θ=π以
降の半周期は、逆位相なので、本来は磁極数比が3:1
であれば18相必要であるところを、半分の9相で済
む。また、9相の内容を検証すると、複合電流のA+
D、A+F、A+Eと単相電流のB、Cとの合計5種類
であり、BとCが3つずつ重複していることが判る。す
なわち、同じ位相の電流が流れるコイル毎に区分けする
と、5種類のコイルになる。このように同じ位相の電流
が流れるコイルには1相分の電流制御系回路を設ければ
よいので、同種のコイルを接続する、すなわち同じ電流
が流れる3つのB、3つのCに相当するコイル(Bはコ
イルiiiとixとvi、Cはコイルvとiivii
)をそれぞれ接続すれば、5相の複合電流で駆動する
ことが出来る。なお、同種のコイルの接続方法について
は、結果的に同じ電流を流せばよいのであるから、直
列、並列、直並列の何れの接続方法でも可能である。ま
た、Bとのように逆方向の電流を流す場合には、コイ
ルの巻き方が同じであれば一方のコイルの巻き始めと他
方のコイルの巻き終りとを結線すればよい。
【0044】上記のように5種類のコイルであれば電流
制御系回路の構成素子も5相分で済むことになる。例え
ば図9に示したコンパレータ部の回路も5回路分で済
み、また、主駆動回路57の構成素子も5相分(図4の
構成でトランジスタ10個にダイオード10個)で済む
ことになる。したがって電流損失を減少させることが出
来ると共に、構成が簡略になるのでコスト低減すること
が出来る。
【0045】図12は、種々の磁極数比における最小相
数とコイル種類の一覧を示す図である。図12におい
て、「m:n」は磁極数比、「Out」は外側ロータの
電流、「In」は内側ロータの電流、「全相」は本発明
によるコイル種類の区分けを行なわない場合(前記本出
願人の先行出願の場合)の相数、最小相数は本発明によ
るコイル種類の区分けを行なった場合の相数、「A、
B、C、、」は前記図10と同様に外側ロー
タに流れる電流を示し、「D、E、F、」は
内側ロータに流れる電流を示す。
【0046】図12において、まず磁極数比2:1の場
合(請求項4に相当)には、全相では12相であるが、
電流の種類(従ってコイルの種類に相当)はA−D、
、B−、C−E、、A−、B−F、C−
の9種に区分けすることが出来、が2つずつ
重複している。したがって同じ電流が流れる
に相当するコイルを接続すれば、9相の複
合電流で駆動することが出来る。同様に、4:1、6:
1のように、磁極数比が偶数:1の場合には、2:1の
場合と同様に、9相の複合電流で駆動することが出来
る。さらに磁極数が4個:2個(2:1の整数倍)の場
合も同様である。
【0047】次に、磁極数比3:1の場合(請求項1に
相当)は、前記のように5相の複合電流で駆動すること
が出来る。また、3:1の整数倍である6:2の場合も
同様である。なお、図12から判るように、磁極数比
3:1の場合が最も少ない5相で済む。また、磁極数比
が奇数:1(3:1を除く。請求項2に相当)の場合、
例えば5:1、7:1の場合には、6相の複合電流で駆
動することが出来る。また、磁極数比が奇数:奇数
(3:1および奇数:1を除く。請求項3に相当)の場
合、例えば5:3、7:3の場合には、8相の複合電流
で駆動することが出来る。上記のように、同じ位相の電
流が流れるコイル毎に区分けし、同種のコイルを接続す
ることにより、電流制御系回路の構成素子を大幅に減少
させることが出来る。そのため電流損失を減少させるこ
とが出来ると共に、構成が簡略になるのでコストを低減
することが出来る。
【0048】次に、これまでの説明(第1〜第4の実施
の形態)においては、磁極数比が2:1の組み合わせ
と、磁極数比が3:1の組み合わせの場合について、複
合電流による回転電機の駆動が実現可能であることを説
明した。しかし、磁極数比の組み合わせはこれに限られ
るものでなく、以下の理論的解析によればどんな組み合
わせでも回転電機として働かせることが可能であること
が判明している。以下にこの理論的解析を項を分けて説
明する。
【0049】なお、以下の説明は前記本出願人の先行出
願(特願平10−77449号 未公開)の内容と同じ
であり、種々の磁極数比の組み合わせにおいて複合電流
による回転電機の駆動が実現可能であることを説明する
ものである。
【0050】〈1〉N(2p−2p)基本形 磁極数比が1:1の組み合わせの場合である。ここで、
N(2p−2p)の表記について説明しておくと、左側
の2pが外側磁石(外側ロータ)の磁極数、右側の2p
が内側磁石(内側ロータ)の磁極数を表す。また、Nは
正の整数であり、(2p−2p)を展開して整数倍し円
環にしたものでも同じであることを表している。磁極数
比が1:1の最もシンプルなものは、外側磁石の磁極数
が2、内側磁石の磁極数が2の場合で、これを図13に
示す。
【0051】〈1−1〉図13において、外側磁石m
1、内側磁石m2を等価コイルに置き換えると、各磁石
に発生する磁束密度B1、B2は次のように表現するこ
とができる。 B1=Bm1 sin(ω1t-θ)=μIm1 sin(ω1t-θ) …(1) B2=Bm2 sin(ω2t+α-θ)=μIm2 sin(ω2t+α-θ) …(2) ただし、 Bm1、Bm2:振幅 μ:透磁率 Im1:外側磁石の等価直流電流 Im2:内側磁石の等価直流電流 ω1:外側磁石の回転角速度 ω2:内側磁石の回転角速度 α:2つの磁石の位相差(t=0のとき) ただし、図13では外側磁石とコイルの位相が合った時
刻を0として考える。ステータコイルに流す電流を3相
交流とすれば、ステータコイルによる磁束密度Bcは Bc=μn{Ica(t)sin(θ)+Icb(t)sin(θ-2π/3)+Icc(t)sin(θ-4π/3)} …(3) ただし、n:コイル定数の式により与えることができ
る。(3)式において、Ica(t)、Icb(t)、I
cc(t)は120度ずつ位相のずれた電流である。
【0052】上記磁束密度B1、B2、Bcの変化を図1
4に示すと、各磁束密度は正弦波で変化する。
【0053】角度θにおける全体の磁束密度Bは次のよ
うになる。 B=B1+B2+Bc =μIm1 sin(ω1t-θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn{Ica(t)sin(θ)+Icb(t)sin(θ-2π/3)+Icc(t)sin(θ-4π/3)} …(4) ここで、外側磁石m1に作用するトルクをτ1とすると、
直径を中心として線対称的に発生トルクが等しい。した
がってf1を半周分の力とすると、全体の駆動力は2f1
となることから、 τ1=2f1×r1 (ただしr1は半径) である。
【0054】トルクτ1を考察するにはf1(つまり等価
直流電流Im1が磁場(磁束密度B)の影響を受けて生
じる駆動力)を考えておけばよい。半周には1つの等価
直流電流が流れるだけなので、f1は次のようになる。 f1=Im1×B(θ=ω1t) =Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn{Ica(t)sin(ω1t)+Icb(t)sin(ω1t-2π/3)+Icc(t)sin(ω1t-4π/3)}〕 …(5) 同様にして、内側磁石m2に作用するトルクτ2も直径を
中心として線対称的に発生トルクが等しく、したがって
2を半周分の力とすると、 τ2=2f2×r2 (ただしr2は半径) である。半周には1つの等価直流電流が流れるだけなの
で、f2は次のようになる。
【0055】 f2=Im2×B(θ=ω2t+α) =Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn{ Ica(t)sin(ω2t+α)+Icb(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icc(t)sin(ω2t+α-4π/3)}〕 …(6) 〈1−2〉外側回転磁界を与えた場合 コイルに外側磁石の位相に合わせてβの位相差電流を流
すため、(3)式の3相交流Ica(t)、Icb
(t)、Icc(t)を Ica(t)=Ic cos(ω1t-β) …(7a) Icb(t)=Ic cos(ω1t-β-2π/3) …(7b) Icc(t)=Ic cos(ω1t-β-4π/3) …(7c) ただし、Ic:振幅 β:位相のズレ分 とする。
【0056】(7a)〜(7c)式を(5)、(6)式
に代入して駆動力f1、f2を計算する。 f1=Im1×B(θ=ω1t) =Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn Ic{ cos(ω1t-β)sin(ω1t) +cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω1t-4π/3)}〕 ここで、cos(a+b)=(1/2){sin(2a+b)-sin(b)}の公式を用いて f1=Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn Ic(1/2){sin(2ω1t-β)+sin(β)} +(1/2){sin(2(ω1t-2π/3)-β)+sin(β)} +(1/2){sin(2(ω1t-4π/3)-β)+sin(β)}〕 =Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +(1/2)μn Ic{3sin(β)+sin(2(ω1t-2π/3)-β) +sin(2(ω1t-4π/3)-β)}〕 =Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +(1/2)μn Ic{3sin(β)+sin(2(ω1t-4π/3)-β) +sin(2(ω1t-8π/3)-β)}〕 =Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +(1/2)μn Ic{3sin(β)+sin(2ω1t-β-2π/3)+sin(2ω1t-β-4π/3)}〕 =-Im1{μIm2 sin((ω21)t-α)-(3/2)μn Ic sin(β)} …(8) (8)式によれば一定トルクの項(第2項)に内側磁石
の磁場の影響によるトルク変動(第1項)の項が加算さ
れた形となっている。
【0057】 f2=Im2×B(θ=ω2t+α) =Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn Ic{ cos(ω1t-β)sin(ω2t+α) +cos(ω1t-2π/3-β)sin(ω2t-2π/3+α) +cos(ω1t-4π/3-β)sin(ω2t-4π/3+α)}〕 ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a−b)}の公式を用いて f2=Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn Ic (1/2){ sin(ω1t-β+ω2t+α) -sin(ω1t-β-ω2t-α) +sin(ω1t-2π/3-β+ω2t-2π/3+α) -sin(ω1t-2π/3-β-ω2t+2π/3-α) +sin(ω1t-4π/3-β+ω2t-4π/3+α) -sin(ω1t-4π/3-β-ω2t+4π/3-α)}〕 =Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn Ic (1/2){ sin((ω12)t+α-β) -sin((ω12)t-α-β) +sin((ω12)t-4π/3+α-β) -sin((ω12)t-α-β) +sin((ω12)t-8π/3+α-β) -sin((ω12)t-α-β)}〕 =Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) -(3/2)μn Ic sin((ω12)t-α-β) +μn Ic (1/2){ sin((ω12)t+α-β) +sin((ω12)t+α-β-2π/3) +sin((ω12)t+α-β-4π/3)}〕 =μIm2{Im1 sin((ω12)t-α)-(3/2)n Ic sin((ω12)t-α-β)}…(9) 〈1−3〉内側回転磁界を与えた場合 コイルに内側磁石の位相に合わせてγの位相差電流を流
すため、今度は上記の3相交流Ica(t)、Icb
(t)、Icc(t)を Ica(t)=Ic cos(ω2t-γ) …(10a) Icb(t)=Ic cos(ω2t-γ-2π/3) …(10b) Icc(t)=Ic cos(ω2t-γ-4π/3) …(10c) ただし、Ic:振幅 γ:位相のズレ分 とする。
【0058】(10a)〜(10c)式を(5)、
(6)式に代入して外側磁石と内側磁石の各駆動力
1、f2を計算する。 f1=Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn Ic{ cos(ω2t-γ)sin(ω1t) +cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω1t-4π/3)}〕 ここでも、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}の公式を用いて f1=Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +(1/2)μn Ic{ sin(ω2t-γ+ω1t) -sin(ω2t-γ-ω1t) +sin(ω2t-γ-2π/3+ω1t-2π/3) -sin(ω2t-γ-2π/3-ω1t+2π/3) +sin(ω2t-γ-4π/3+ω1t-4π/3) -sin(ω2t-γ-4π/3+ω1t+4π/3)}〕 =Im1〔μIm2 sin((ω21)t+α) +(1/2)μn Ic{ sin((ω21)t-γ)-sin((ω21)t-γ) +sin((ω2+ω1)t-γ-4π/3)-sin((ω21)t-γ) +sin((ω2+ω1)t-γ-8π/3)-sin((ω21)t-γ)}〕 =Im1〔μIm2 sin((ω21)t+α)-(3/2)μn Ic sin((ω21)t-γ) +(1/2)μn Ic{ sin((ω2+ω1)t-γ) +sin((ω21)t-γ-2π/3) +sin((ω21)t-γ-4π/3)}〕 =-μIm1{Im2 sin((ω21)t-α)-(3/2)n Ic sin((ω12)t+γ)}…(11) (11)式は外側磁石にトルク変動のみが発生すること
を示している。
【0059】 f2=Im2〔μIm1 sin(ω2t-ω1t-α) +μn Ic{ cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)}〕 ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}を用いて f2=Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α)-(3/2)μn Ic sin(-α-γ) +(1/2)μn Ic{ sin(2ω2t+α-γ)+sin(2ω2t+α-γ-2π/3) +sin(2ω2t+α-γ-4π/3)}〕 =μIm2{Im1 sin((ω12)t-α)+(3/2)n Ic sin(α+γ)} …(12) (12)式によれば、一定トルクの項(第2項)に内側
磁石の磁場の影響によるトルク変動の項(第1項)が加
算された形をしている。
【0060】〈1−4〉外側回転磁界と内側回転磁界を
共に与えた場合 コイルに外側磁石と内側磁石にそれぞれ同期する電流を
流すため、上記のIca(t)、Icb(t)、Icc
(t)を Ica(t)=Ic cos(ω1t-β)+Ic2 cos(ω2t-γ) …(13a) Icb(t)=Ic cos(ω1t-β-2π/3)+Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3) …(13b) Icc(t)=Ic cos(ω1t-β-4π/3)+Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3) …(13c) とする。
【0061】 f1=Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn{Ic cos(ω1t-β)+Ic2 cos(ω2t-γ)}sin(ω1t) +{Ic cos(ω1t-β-2π/3)+Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3)}sin(ω1t-2π/3) +{Ic cos(ω1t-β-4π/3)+Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3)}sin(ω1t-4π/3)〕 =Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn{ Ic cos(ω1t-β)sin(ω1t) +Ic2 cos(ω2t-γ)sin(ω1t) +Ic cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +Ic cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω1t-4π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω1t-4π/3)}〕 =Im1〈μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn〔Ic{ cos(ω1t-β)sin(ω1t) +cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω1t-4π/3)} +Ic2{ cos(ω2t-γ)sin(ω1t) +cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω1t-2π/3) +cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω1t-4π/3)}〕〉 =Im1〈μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn〔Ic{(3/2)sin(β)}+Ic2{(3/2)sin((ω12)t+γ)}〕〉 …(14) (14)式によれば外側磁石に対する回転位相差(β)
に応じた一定トルクに回転変動が乗った形となる。
【0062】 f2=Im2〈μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn〔{Ic cos(ω1t-β)+Ic2 cos(ω2t-γ)}sin(ω2t+α) +{Ic cos(ω1t-β-2π/3)+Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3)}sin(ω2t+α-2π/3) +{Ic cos(ω1t-β-4π/3)+Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3)}sin(ω2t+α-4π/3)〕〉 =Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn{ Ic cos(ω1t-β)sin(ω2t+α) +Ic2 cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +Ic cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +Ic cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3) +Ic2 cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)}〕 =Im2〈μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn〔Ic{ cos(ω1t-β)sin(ω2t+α) +cos(ω1t-β-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +cos(ω1t-β-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)} +Ic2{ cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)}〕〉 ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}を用いて f2=Im2〈μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn〔Ic{ (1/2)sin(ω1t-β+ω2t+α)-sin(ω1t-β-ω2t-α) +(1/2)sin(ω1t-β-2π/3+ω2t+α-2π/3) -sin(ω1t-β-2π/3-ω2t-α+2π/3) +(1/2)sin(ω1t-β-4π/3+ω2t+α-4π/3) -sin(ω1t-β-4π/3-ω2t-α+4π/3)} +Ic2{ (1/2)sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α) +(1/2)sin(ω2t-γ-2π/3+ω2t+α-2π/3) -sin(ω2t-γ-2π/3-ω2t-α+2π/3) +(1/2)sin(ω2t-γ-4π/3+ω2t+α-4π/3) -sin(ω2t-γ-4π/3-ω2t-α+4π/3)}〕〉 =Im2〈μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +μn〔Ic{ (1/2)sin(ω1t-β+ω2t+α)-sin(ω1t-β-ω2t-α) +(1/2)sin(ω1t-β+ω2t+α-4π/3)-sin(ω1t-β-ω2t-α) +(1/2)sin(ω1t-β+ω2t+α-8π/3)-sin(ω1t-β-ω2t-α)} +Ic2{ (1/2)sin(ω2t-γ+ω2t+α)-sin(ω2t-γ-ω2t-α) +(1/2)sin(ω2t-γ+ω2t+α-4π/3)-sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +(1/2)sin(ω2t-γ+ω2t+α-8π/3)-sin(ω2t-γ-ω2t-α)}〕〉 =Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +(1/2)μn Ic{ sin(ω1t-β+ω2t+α)-sin(ω1t-β-ω2t-α) +sin(ω1t-β+ω2t+α-4π/3)-sin(ω1t-β-ω2t-α) +sin(ω1t-β+ω2t+α-8π/3)-sin(ω1t-β-ω2t-α)} +(1/2)μn Ic2{sin(ω2t-γ+ω2t+α)-sin(ω2t-γ-ω2t-α)) +sin(ω2t-γ+ω2t+α-4π/3)-sin(ω2t-γ-ω2t-α) +sin(ω2t-γ+ω2t+α-8π/3)-sin(ω2t-γ-ω2t-α)}〕 =Im2〔μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) +(1/2)μn Ic{-3sin((ω21)t-α-β)} +(1/2)μn Ic2{-3sin(-α-γ)}〕 =Im2{μIm1 sin(ω1t-ω2t-α) -(3/2)μn Ic sin((ω21)t-α-β)+(3/2)μn Ic2 sin(α+γ)}…(15) (15)式も内側磁石に対する回転位相差(α+γ)に
応じた一定トルクに回転変動が乗った形となる。
【0063】〈1−5〉まとめ このようにして得られた上記(8)、(9)、(1
1)、(12)、(14)、(15)の式を次に並べ
る。外側回転磁界を与えた場合 f1=-μIm1{Im2 sin((ω21)t-α)-(3/2)n Ic sin(β)} …(8) f2=μIm2{Im1 sin((ω12)t-α)-(3/2)n Ic sin((ω12)t-α-β)}…(9) 内側回転磁界を与えた場合 f1=-μIm1{Im2 sin((ω21)t-α)-(3/2)n Ic sin((ω12)t+γ)} …(11) f2=μIm2{Im1 sin((ω12)t-α)+(3/2)n Ic sin(α+γ)} …(12) 外側回転磁界と内側回転磁界を共に与えた場合 f1=Im1〔μIm2 sin(ω2t+α-ω1t) +μn{Ic(3/2)sin(β)+Ic2(3/2)sin((ω12)t+γ)}〕 …(14) f2=μIm2{Im1 sin(ω1t-ω2t-α) +(3/2)n Ic sin((ω12)t-α-β)+(3/2)n Ic2 sin(α+γ)}…(15) これらの式のもつ意味は次の通りである。(8)式の右
辺第2項、(12)式の右辺第2項、(14)式の右辺
第2項、(15)式の右辺第3項だけが固定項(一定
値)であり、固定項が含まれるときだけ回転トルクが発
生する。これに対して、固定項以外の項は三角関数であ
るため、駆動力fの平均値がゼロとなり、したがって、
固定項以外の項によっては回転トルクが発生しない。つ
まり、外側磁石に同期させてステータコイルに電流を流
したときは外側磁石にのみ、内側磁石に同期させてステ
ータコイルに電流を流したときは内側磁石にのみ回転ト
ルクが発生し、外側磁石と内側磁石のそれぞれに同期さ
せてステータコイルに電流を流すと、両方の磁石にそれ
ぞれ回転トルクが発生する。このことから、磁極数比が
1:1の組み合わせであるとき、回転電機として働くこ
とが可能であることが証明された。これより類推して磁
極数が任意の組み合わせであるときにも、回転電機とし
て働くことが可能である。
【0064】〈1−6〉トルク変動の抑制 一方、固定項を含む式において固定項の残りの項、つま
り(8)式の右辺第1項、(14)式の右辺第1項およ
び第3項により2つの磁石の位相差(ω1−ω2)に応じ
た一定のトルク変動が外側磁石の回転に、また(12)
式の右辺第1項、(15)式の右辺第1項および第2項
により同じく2つの磁石の位相差(ω1−ω2)に応じ
た一定のトルク変動が内側磁石の回転に生じる。そこ
で、外側回転磁界と内側回転磁界を共に与えた場合にト
ルク変動を抑えることを考える。上記の(14)式より f1=μIm1Im2 sin(ω2t+α-ω1t)+Icμn Im1 Ic(3/2)si
n(β)+Ic2Im1(3/2)sin((ω12)t+γ) であるから、f1を次のようにおく。 f1=A+IcC+Ic2V …(16) ただし、A=μIm1Im2 sin(ω2t+α-ω1t) V=Im1(3/2)sin((ω12)t+γ) C=μn Im1 Ic(3/2)sin(β) ここで、Ic=(C1−A−Ic2V)/Cという変調を
加えればf1=C1(定数)となり、外側磁石の回転から
トルク変動が解消される。
【0065】同様にして、上記の(15)式より f2=μIm2Im1 sin(ω1t-ω2t-α)+Ic(3/2)μIm2 n sin
((ω12)t-α-β)+Ic2(3/2)μIm2 n sin(α+γ) であるから、f2を次のようにおく。 f2=-A+IcD+Ic2E …(17) ただし、D=(3/2)μIm2 n sin((ω12)t-α-β) E=(3/2)μIm2 n sin(α+γ) ここで、Ic2=(C2+A−IcD)/Eという変調を
加えれば、f2=C2(定数)となり、内側磁石の回転か
らトルク変動が解消される。したがって、両方の磁石と
も一定回転にするには、次の連立2元方程式をIc、I
2について解けばよい。
【0066】 C1=A+IcC+Ic2V …(18) C2=-A+IcD+Ic2E …(19) 〈2〉N{2(2p)−2p}基本形 〈2−1〉図15を参照して磁極数比が2:1(図15
では外側磁石の磁極数が4、内側磁石の磁極数が2)で
あるときを考える。各磁石を等価コイルに置き換える
と、外側磁石に発生する磁束密度B1は B1=Bm1 sin(2ω1t-2θ)=μIm1 sin(2ω1t-2θ) …(21) となるのに対して、内側磁石に発生する磁束密度B2
上記(2)式と同じ、つまり B2=Bm2 sin(ω2t+α-θ)=μIm2 sin(ω2t+α-θ) …(22) である。ステータコイルの作る磁場は、外側回転磁界用
と内側回転磁界用に分けて計算するため、図15のよう
にコイルを配置し、外周側と内周側の各磁石用のステー
タコイルによる磁束密度Bc1、Bc2を、 Bc1=μn{Ica(t)sin(2θ)+Icb(t)sin(2θ-2π/3)+Icc(t)sin(2θ-4π/3)} …(23) Bc2=μn{Icd(t)sin(θ)+Ice(t)sin(θ-2π/3)+Icf(t)sin(θ-4π/3)} …(24) とする。ただし、Ica(t)、Icb(t)、Icc
(t)のほか、Icd(t)、Ice(t)、Icf(t)
も120度位相のずれた電流である。
【0067】上記の磁束密度B1、B2、Bc1、Bc2
変化をモデル的に図16に示す。角度θでの磁束密度B
は上記4つの磁束密度の和である。 B=B1+B2+Bc1+Bc2 =μIm1 sin(2ω1t-2θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn{Ica(t)sin(2θ)+Icb(t)sin(2θ-2π/3)+Icc(t)sin(2θ-4π/3)} +μn{Icd(t)sin(θ)+Ice(t)sin(θ-2π/3)+Icf(t)sin(θ-4π/3)} …(2
5) 外側磁石mに作用するトルクをτ1とすると、 τ1=f1×r1(r1は半径) である。図20では直径を中心として線対称的に発生ト
ルクが等しくならないので、一周の全てについて考え
る。一周に4つの等価直流電流が流れるので、これら4
つの電流に働く力の和がf1となる。
【0068】 f1=Im1×B(θ=ω1t)+Im1×B(θ=ω1t+π) -Im1×B(θ=ω1t+π/2) -Im1×B(θ=ω1t+3π/2) =μIm1〔Im1 sin(2ω1t-2ω1t)+Im1 sin(2ω1t-2ω1t-2π) -Im1 sin(2ω1t-2ω1t-π) -Im1 sin(2ω1t-2ω1t+3π) +Im2 sin(ω2t+α-ω1t)+Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π/2) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π/2) +n{ Ica(t)sin(2ω1t)+Icb(t)sin(2ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-4π/3)} +n{ Ica(t)sin(2ω1t+2π)+Icb(t)sin(2ω1t+2π-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t+2π-4π/3)} -n{ Ica(t)sin(2ω1t+π)+Icb(t)sin(2ω1t+π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-π/3)} -n{ Ica(t)sin(2ω1t+π)+Icb(t)sin(2ω1t+π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-π/3)} +n{ Icd(t)sin(ω1t)+Ice(t)sin(ω1t-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t-4π/3)} +n{ Icd(t)sin(ω1t+π)+Ice(t)sin(ω1t+π-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+π-4π/3)} -n{ Icd(t)sin(ω1t+π/2)+Ice(t)sin(ω1t+π/2-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+π/2-4π/3)} -n{ Icd(t)sin(ω1t+3π/2)+Ice(t)sin(ω1t+3π/2-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+3π/2-4π/3)}〕 =4μIm1n{ Ica(t)sin(2ω1t)+Icb(t)sin(2ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-4π/3)} …(26) (26)式によれば、コイルa、b、cの励磁電流によ
って外側磁石に作用するトルクをコントロールできるこ
とを示している。また、コイルd、e、fの励磁電流の
影響を受けないことも示している。
【0069】次に、内側磁石m2に作用するトルクをτ2
とすると、 τ12=f2×r2(ただしr2は半径) である。一周に2つの等価直流電流が流れるので、これ
ら2つの電流に働く力の和がf2となる。 f2=Im2×B(θ=ω2t+α)-Im2×B(θ=ω2t+π+α) =μIm2〔Im1 sin(2ω1t-2ω2t-2α)-Im1 sin(2ω1t-2ω2t-2α-2π) +Im2 sin(2ω2t+2α-2ω2t-2α) -Im2 sin(2ω2t+2α-2ω2t-2α-2π) +n{ Ica(t)sin(2ω2t+2α)+Icb(t)sin(2ω2t+2α-2π/3) +Icc(t)sin(2ω2t+2α-4π/3)} -n{ Ica(t)sin(2ω2t+2π+2α)+Icb(t)sin(2ω2t+2π+2α-2π/3) +Icc(t)sin(2ω2t+2π+2α-4π/3)} +n{ Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3)} -n{ Icd(t)sin(ω2t+π+α)+Ice(t)sin(ω2t+π+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+π+α-4π/3)}〕 =2μIm2n{Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3)} …(27) (27)式によれば、コイルd、e、fの励磁電流によ
って内側磁石に作用するトルクをコントロールでき、ま
た、コイルa、b、cの励磁電流の影響を受けないこと
を示している。
【0070】〈2−2〉外側回転磁界を与えた場合コイ
ルa、b、cに外側磁石に合わせてβの位相差の電流を
流す。つまり、上記の3相交流Ica(t)、Icb
(t)、Icc(t)は Ica(t)=Ic cos(2ω1t-2β) …(28a) Icb(t)=Ic cos(2ω1t-2β-2π/3) …(28b) Icc(t)=Ic cos(2ω1t-2β-4π/3) …(28c) である。(28a)〜(28c)を(26)、(27)
式に代入してf1を計算する。 f1=4μIm1 n Ic{ cos(2ω1t-2β)sin(2ω1t) +cos(2ω1t-2β-2π/3)sin(2ω1t-2π/3) +cos(2ω1t-2β-4π/3)sin(2ω1t-4π/3)} ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}の公式を用いて f1=4μIm1 n Ic〔(1/2){ sin(2ω1t-2β+2ω1t) -sin(2ω1t-2β-2ω1t)} +(1/2){ sin(2ω1t-2β-2π/3+2ω1t-2π/3) -sin(2ω1t-2β-2π/3-2ω1t+2π/3)} +(1/2){ sin(2ω1t-2β-4π/3+2ω1t-4π/3) -sin(2ω1t-2β-4π/3-2ω1t+4π/3)}〕 =2μIm1 n Ic{ sin(4ω1t-2β)+sin(2β) +sin(4ω1t-2β-4π/3)+sin(2β) +sin(4ω1t-2β-8π/3)+sin(2β)} =2μIm1 n Ic{ sin(4ω1t-2β) +sin(4ω1t-2β-4π/3) +sin(4ω1t-2β-4π/3) +3sin(2β)} =6μIm1 n Ic sin(2β) …(29) (29)式によれば、位相差(β)に応じて外側磁石の
トルクが変化することを示している。したがって、外側
磁石の回転角度を計測し、それに対しβだけ位相をずら
してコイルa、b、cに励磁電流を供給すればよいこと
がわかる。
【0071】〈2−3〉内側回転磁界を与えた場合 コイルd、e、fに外側磁石に合わせてγの位相差電流
を流すため、Icd(t)、Ice(t)、Icf(t)
を Icd(t)=Ic cos(ω2t-γ) …(30a) Ice(t)=Ic cos(ω2t-γ-2π/3) …(30b) Icf(t)=Ic cos(ω2t-γ-4π/3) …(30c) とする。
【0072】これらを(27)式に代入してf2を計算
する。 f2=2μIm2 n{ Ic cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +Ic cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +Ic cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)} ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}の公式を用いて f2=2μIm2 n Ic〔 (1/2){ sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-2π/3+ω2t+α-2π/3) -sin(ω2t-γ-2π/3-ω2t-α+2π/3)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-4π/3+ω2t+α-4π/3) -sin(ω2t-γ-4π/3-ω2t-α+4π/3)}〕 =μIm2 n Ic{ sin(2ω2t-γ+α)+sin(γ+α) +sin(2ω2t-γ-4π/3+α)+sin(γ+α) +sin(2ω2t-γ-8π/3+α)+sin(γ+α)} =μIm2 n Ic{ sin(2ω2t-γ+α)+sin(2ω2t-γ-4π/3+α) +sin(2ω2t-γ-8π/3+α)+3sin(γ+α)} =3μIm2 n Ic sin(γ+α) …(31) (31)式によれば位相差(γ+α)により内側磁石の
トルクが変化することを示している。したがって、内側
磁石の回転角度を計測し、それに対し(γ+α)だけ位
相をずらしてコイルd、e、fに励磁電流を供給すれば
よいことがわかる。
【0073】〈2−4〉まとめ (29)式は外側磁石に同期させてステータコイルに電
流を流したときは外側磁石にのみ、また(31)式は内
側磁石に同期させてステータコイルに電流を流したとき
は内側磁石にのみ回転トルクが発生する。それぞれの磁
界はそれぞれの相電流にしか対応しないため、計算はし
なかったが、外側磁石と内側磁石のそれぞれに同期させ
てステータコイルに電流を流すと、両方の磁石にそれぞ
れ回転トルクが発生する。このことから、磁極数比が
2:1の組み合わせであるときにも、回転電機として働
くことが可能であることが証明された。
【0074】〈2−5〉ステータコイルに流す電流の設
定 図15では理論計算のため、外側回転磁場を発生させる
ための専用コイルと、内側回転磁場を発生させるための
専用コイルとを考えたが、いま図17に示したように、
コイルを共用させることを考える。図15において、コ
イルaとd、コイルbと、コイルcとe、コイルaと
、コイルbとf、コイルcとをまとめることができ
る。そこで、図15と図17のコイルを対照させると、
図17のコイル1〜12に流す複合電流I1〜I12は、 I1=Ia+Id I2Ic I3=Ib+If I4Ia I5=Ic+Ie I6Ib I7=Ia+Id I8Ic I9=Ib+If I10Ia I11=Ic+Ie I12=Ib であればよいことがわかる。この場合、I1、I3
5、I7、I9、I11の各電流を流すコイルの負担が、
2、I4、I6、I8、I10、I12の各電流を流す残りの
コイルよりも大きくなるため、残りのコイルにも負担を
分散させて内側回転磁界を形成させることを考える。
【0075】たとえば、図2と図1を対照すると、図1
の1、、2に対応する部分は、図2では外周側コ
イルのa、、cと内周側コイルのd、である。
この場合に、コイルd、の位相を等価的にずらした状
態を考え、そのずらせたものを新たにコイルd´、d´
とすると、このうちコイルd´に流す電流Id´の半分
ずつをコイルとcに、またコイルd´に流す電流Id
´の半分ずつをコイルaとcに割り振る。残りも同様で
ある。このようにすることで、別の電流設定として I1=Ia+(1/2)Id´ I2=Ic+(1/2)Id´ I3=Ib+(1/2)If´ I4=Ia+(1/2)If´ I5=Ic+(1/2)Ie´ I6=Ib+(1/2)Ie´ I7=Ia+(1/2)Id´ I8=Ic+(1/2)Id´ I9=Ib+(1/2)If´ I10=Ia+(1/2)If´ I11=Ic+(1/2)Ie´ I12=Ib+(1/2)Ie´ が得られる。ただし、コイルe´、f´もコイルe、f
を等価的にずらしたものである。
【0076】さらに考えると、 I1=Ia+Ii I2Ic+Iii I3=Ib+Iiii I4Ia+Iiv I5=Ic+Iv I6Ib+Ivi I7=Ia+Ivii I8Ic+Iviii I9=Ib+Iix I10Ia+Ix I11=Ic+Ixi I12Ib+Ixii でもかまわない。つまり、これらI1〜I12の式の右辺
第2項の電流Ii〜Ixiiは図18に示したように12相
交流となるわけで、この12相交流で内側回転磁界を形
成するようにすればよいのである。
【0077】〈2−6〉12相交流で内側回転磁界を与
える場合 〈2−6−1〉12相交流で内側回転磁界を作ることを
考えると、このときの磁束密度Bc2は次のようにな
る。 Bc2=μn{Ici(t)sin(θ)+Icii(t)sin(θ-2π/12) +Iciii(t)sin(θ-4π/12) +Iciv(t)sin(θ-6π/12) +Icv(t)sin(θ-8π/12) +Icvi(t)sin(θ-10π/12) +Icvii(t)sin(θ-12π/12) +Icviii(t)sin(θ-14π/12) +Icix(t)sin(θ-16π/12) +Icx(t)sin(θ-18π/12) +Icxi(t)sin(θ-20π/12) +Icxii(t)sin(θ-22π/12)} …(32) このとき、全体の磁束密度Bは次のようになる。
【0078】 B=B1+B2+Bc1+Bc2 =μIm1 sin(3ω1t-3θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn{Ica(t)sin(3θ)+Icb(t)sin(3θ-2π/3) +Icc(t)sin(3θ-4π/3)} +μn{Ici(t)sin(θ)+Icii(t)sin(θ-2π/12) +Iciii(t)sin(θ-4π/12) +Iciv(t)sin(θ-6π/12) +Icv(t)sin(θ-8π/12) +Icvi(t)sin(θ-10π/12) +Icvii(t)sin(θ-12π/12) +Icviii(t)sin(θ-14π/12) +Icix(t)sin(θ-16π/12) +Icx(t)sin(θ-18π/12) +Icxi(t)sin(θ-20π/12) +Icxii(t)sin(θ-22π/12)} …(33) このときのf1を計算してみると、 f1=Im1×B(θ=ω1t)+Im1×B(θ=ω1t+π) -Im1×B(θ=ω1t+π/2) -Im1×B(θ=ω1t+3π/2) =μIm1〔Im1 sin(2ω1t-2ω1t)+Im1 sin(2ω1t-2ω1t-2π) -Im1 sin(2ω1t−2ω1t-π) -Im1 sin(2ω1t-2ω1t+3π) +Im2 sin(ω2t+α-ω1t) +Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π/2) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t+π/2) +n{Ica(t)sin(2ω1t)+Icb(t)sin(2ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-4π/3)} +n{Ica(t)sin(2ω1t+2π)+Icb(t)sin(2ω1t+2π-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t+2π-4π/3)} -n{Ica(t)sin(2ω1t+π)+Icb(t)sin(2ω1t+π/3) +Icc(t)sin(2ω1t+2π-π/3)} -n{Ica(t)sin(2ω1t+π)+Icb(t)sin(2ω1t+π/3) +Icc(t)sin(2ω1t+2π-π/3)} +n〔 Ici(t){sin(ω1t)+sin(ω1t+π) -sin(ω1t+π/2) -sin(ω1t+3π/2)} +Icii(t){sin(ω1t-2π/12)+sin(ω1t-2π/12+π) -sin(ω1t-2π/12+π/2) -sin(ω1t-2π/12+3π/2)} +Iciii(t){sin(ω1t-4π/12)+sin(ω1t-4π/12+π) -sin(ω1t-4π/12+π/2) -sin(ω1t-4π/12+3π/2)} +Iciv(t){sin(ω1t-6π/12)+sin(ω1t-6π/12+π) -sin(ω1t-6π/12+π/2) -sin(ω1t-6π/12+3π/2)} +Icv(t){sin(ω1t-8π/12)+sin(ω1t-8π/12+π) -sin(ω1t-8π/12+π/2) -sin(ω1t-8π/12+3π/2)} +Icvi(t){sin(ω1t-10π/12)+sin(ω1t-10π/12+π) -sin(ω1t-10π/12+π/2) -sin(ω1t-10π/12+3π/2)} +Icvii(t){sin(ω1t-12π/12)+sin(ω1t-12π/12+π) -sin(ω1t-12π/12+π/2) -sin(ω1t-12π/12+3π/2)} +Icviii(t){sin(ω1t-14π/12)+sin(ω1t-14π/12+π) -sin(ω1t-14π/12+π/2) -sin(ω1t-14π/12+3π/2)} +Icix(t){sin(ω1t-16π/12)+sin(ω1t-16π/12+π) -sin(ω1t-16π/12+π/2) -sin(ω1t-16π/12+3π/2)} +Icx(t){sin(ω1t-18π/12)+sin(ω1t-18π/12+π) -sin(ω1t-18π/12+π/2) -sin(ω1t-18π/12+3π/2)} +Icxi(t){sin(ω1t-20π/12)+sin(ω1t-20π/12+π) -sin(ω1t-20π/12+π/2) -sin(ω1t-20π/12+3π/2)} +Icxii(t){sin(ω1t-22π/12)+sin(ω1t-22π/12+π) -sin(ω1t-22π/12+π/2) -sin(ω1t-22π/12+3π/2)}〕 =4μn Im1{Ica(t)sin(2ω1t)+Icb(t)sin(2ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(2ω1t-4π/3)} …(34) となり、3相交流で内側回転磁界を作ったときの(2
6)式と変わりない。
【0079】一方、f2を計算してみると、次のように
なる。 f2=Im2×B(θ=ω2t+α)-Im2×B(θ=ω2t+π+α) =μIm2〈Im1 sin(2ω1t-2ω2t-2α)-Im1 sin(2ω1t-2ω2t-2α-2π) +Im2 sin(2ω2t+2α-2ω2t-2α)-Im2 sin(2ω2t+2α-2ω2t-2α-2π) +n{Ica(t)sin(2ω2t+2α)+Icb(t)sin(2ω2t+2α-2π/3) +Icc(t)sin(2ω2t+2α-4π/3)} -n{Ica(t)sin(2ω2t+2π+2α)+Icb(t)sin(2ω2t+2π+2α-2π/3) +Icc(t)sin(2ω2t+2π+2α-4π/3)} +n〔 Ici(t){sin(ω2t+α)-sin(ω2t+π+α)} +Icii(t){sin(ω2t+α-2π/12)-sin(ω2t+π+α-2π/12)} +Iciii(t){sin(ω2t+α-4π/12)-sin(ω2t+π+α-4π/12)} +Iciv(t){sin(ω2t+α-6π/12)-sin(ω2t+π+α-6π/12)} +Icv(t){sin(ω2t+α-8π/12)-sin(ω2t+π+α-8π/12)} +Icvi(t){sin(ω2t+α-10π/12)-sin(ω2t+π+α-10π/12)} +Icvii(t){sin(ω2t+α-12π/12)-sin(ω2t+π+α-12π/12)} +Icviii(t){sin(ω2t+α-14π/12)-sin(ω2t+π+α-14π/12)} +Icix(t){sin(ω2t+α-16π/12)-sin(ω2t+π+α-16π/12)} +Icx(t){sin(ω2t+α-18π/12)-sin(ω2t+π+α-18π/12)} +Icxi(t){sin(ω2t+α-20π/12)-sin(ω2t+π+α-20π/12)} +Icxii(t){sin(ω2t+α-22π/12)-sin(ω2t+π+α-22π/12)}〕〉 =2μIm2 n { Ici(t)sin(ω2t+α) +Icii(t)sin(ω2t+α-2π/12) +Iciii(t)sin(ω2t+α-4π/12) +Iciv(t)sin(ω2t+α-6π/12) +Icv(t)sin(ω2t+α-8π/12) +Icvi(t)sin(ω2t+α-10π/12) +Icvii(t)sin(ω2t+α-12π/12) +Icviii(t)sin(ω2t+α-14π/12) +Icix(t)sin(ω2t+α-16π/12) +Icx(t)sin(ω2t+α-18π/12) +Icxi(t)sin(ω2t+α-20π/12) +Icxii(t)sin(ω2t+α-22π/12)} …(35)。
【0080】〈2−6−2〉内側回転磁界を与える場合 上記の12相交流Ici(t)〜Icxii(t)を Ici(t)=Ic2(t) cos(ω2-γ) …(36a) Icii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-2π/12) …(36b) Iciii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-4π/12) …(36c) Iciv(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-6π/12) …(36d) Icv(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-8π/12) …(36e) Icvi(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-10π/12) …(36f) Icvii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-12π/12) …(36g) Icviii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-14π/12) …(36h) Icix(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-16π/12) …(36i) Icx(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-18π/12) …(36j) Icxi(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-20π/12) …(36k) Icxii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-22π/12) …(36l) とおく。
【0081】(36a)式〜(36l)式を(35)式
に代入して、f2を計算する。 f2=2μIm2 n Ic2(t){ cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +cos(ω2t-γ-2π/12)sin(ω2t+α-2π/12) +cos(ω2t-γ-4π/12)sin(ω2t+α-4π/12) +cos(ω2t-γ-6π/12)sin(ω2t+α-6π/12) +cos(ω2t-γ-8π/12)sin(ω2t+α-8π/12) +cos(ω2t-γ-10π/12)sin(ω2t+α-10π/12) +cos(ω2t-γ-12π/12)sin(ω2t+α-12π/12) +cos(ω2t-γ-14π/12)sin(ω2t+α-14π/12) +cos(ω2t-γ-16π/12)sin(ω2t+α-16π/12) +cos(ω2t-γ-18π/12)sin(ω2t+α-18π/12) +cos(ω2t-γ-20π/12)sin(ω2t+α-20π/12) +cos(ω2t-γ-22π/12)sin(ω2t+α-22π/12)} ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}の公式を用いて f2=2μIm2 n Ic2(t)〔(1/2){ sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-2π/12+ω2t+α-2π/12) -sin(ω2t-γ-2π/12-ω2t-α+2π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-4π/12+ω2t+α-4π/12) -sin(ω2t-γ-4π/12-ω2t-α+4π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-6π/12+ω2t+α-6π/12) -sin(ω2t-γ-6π/12-ω2t-α+6π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-8π/12+ω2t+α-8π/12) -sin(ω2t-γ-8π/12-ω2t-α+8π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-10π/12+ω2t+α-10π/12) -sin(ω2t-γ-10π/12-ω2t-α+10π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-12π/12+ω2t+α-12π/12) -sin(ω2t-γ-12π/12-ω2t-α+12π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-14π/12+ω2t+α-14π/12) -sin(ω2t-γ-14π/12-ω2t-α+14π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-16π/12+ω2t+α-16π/12) -sin(ω2t-γ-16π/12-ω2t-α+16π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-18π/12+ω2t+α-18π/12) -sin(ω2t-γ-18π/12-ω2t-α+18π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-20π/122t+α-20π/12) -sin(ω2t-γ-20π/12-ω2t-α+20π/12)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-22π/12+ω2t+α-22π/12) -sin(ω2t-γ-22π/12-ω2t-α+22π/12)}〕 =2μIm2 n Ic2(t)〔(1/2){sin(2ω2t-γ+α)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-4π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-8π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-12π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-16π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-20π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-24π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-28π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-32π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-36π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-40π/12)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(2ω2t-γ+α-44π/12)+sin(γ+α)}〕 =μIm2 n Ic2(t){ sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-4π/12) +sin(2ω2t-γ+α-8π/12) +sin(2ω2t-γ+α-12π/12) +sin(2ω2t-γ+α-16π/12) +sin(2ω2t-γ+α-20π/12) +sin(2ω2t-γ+α-24π/12) +sin(2ω2t-γ+α-28π/12) +sin(2ω2t-γ+α-32π/12) +sin(2ω2t-γ+α-36π/12) +sin(2ω2t-γ+α-40π/12) +sin(2ω2t-γ+α-44π/12) +12sin(γ+α)} =μIm2 n Ic2(t){ sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-π/3) +sin(2ω2t-γ+α-2π/3) -sin(2ω2t-γ+α) -sin(2ω2t-γ+α-π/3) -sin(2ω2t-γ+α-2π/3) +sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-π/3) +sin(2ω2t-γ+α-2π/3) -sin(2ω2t-γ+α) -sin(2ω2t-γ+α-π/3) -sin(2ω2t-γ+α-2π/3) +12sin(γ+α)} =12μIm2 n Ic2(t)sin(γ+α) …(37)。
【0082】〈2−6−3〉まとめ 内側回転磁界を12相交流で与えた場合に得られる、こ
の(37)式を、内側回転磁界を3相交流で与えた場合
に得られる上記の(31)式と比較すると、(37)式
のほうが(31)式よりも固定項(最後の項)が4倍と
なっている。つまり、内側磁石の駆動電流を12相の交
流(Ii〜Ixii)とすれば、内側磁石の駆動電流を3相
交流とする場合より4倍もの駆動力が得られるわけであ
る。このことは、逆にいえば、内側磁石に同じ駆動力を
発生させるのに、内側駆動電流は3相時の1/4で済む
ことを意味している。
【0083】〈3〉N{3(2p)−2p}基本形 〈3−1〉図19を参照して磁極数比が3:1(たとえ
ば外側磁石の磁極数が6、内側磁石の磁極数が2)であ
る場合を考える。この場合の外側と内側の各磁石に発生
する磁束密度B1、B2は次のようになる。
【0084】 B1=Bm1 sin(3ω1t-3θ)=μIm1 sin(3ω1t-3θ) …(41) B2=Bm2 sin(ω2t+α-θ)=μIm2 sin(ω2t+α-θ) …(42) ステータコイルの作る回転磁場も分けて計算するため、
外側と内側の各磁石用のステータコイルによる磁束密度
Bc1、Bc2を、 Bc1=μn{Ica(t)sin(3θ)+Icb(t)sin(3θ-2π/3)+Icc(t)sin(3θ-4π/3)} …(43) Bc2=μn{Icd(t)sin(θ)+Ice(t)sin(θ-2π/3)+Icf(t)sin(θ-4π/3)} …(44) とする。
【0085】上記の磁束密度B1、B2、Bc1、Bc2
変化を図20に示す。全体の磁束密度Bは次のようにな
る。 B=B1+B2+Bc1+Bc2 =μIm1 sin(3ω1t-3θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn{Ica(t)sin(3θ)+Icb(t)sin(3θ-2π/3)+Icc(t)sin(3θ-4π/3)} +μn{Icd(t)sin(θ)+Ice(t)sin(θ-2π/3)+Icf(t)sin(θ-4π/3)} …(45) 外側磁石m1に作用するトルクτ1は、直径を中心として
線対称で発生するから、f1を半周分の力とすると、 τ1=2f1×r1 (ただしr1は半径) である。半周に3つの等価直流電流が流れるので、これ
ら3つの電流に働く力の和がf1となる。 f1=Im1×B(θ=ω1t)+Im1×B(θ=ω1t+3π/2) -Im1×B(θ=ω1t+π/3) =μIm1〔Im1 sin(3ω1t-3ω1t)+Im1 sin(3ω1t-3ω1t-2π) -Im1 sin(3ω1t-3ω1t-π) +Im2 sin(ω2t+α-ω1t)+Im2 sin(ω2t+α-ω1t-2π/3) -Im2 sin(ω2t+α-ω1t-π/3) +n{Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)} +n{Ica(t)sin(3ω1t+2π)+Icb(t)sin(3ω1t+2π-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t+2π-4π/3)} -n{Ica(t)sin(3ω1t+π)+Icb(t)sin(3ω1t+π-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t+π-4π/3)} +n{Icd(t)sin(ω1t)+Ice(t)sin(ω1t-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t-4π/3)} +n{Icd(t)sin(ω1t+2π/3)+Ice(t)sin(ω1t+2π/3-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+2π/3-4π/3)} -n{Icd(t)sin(ω1t+π/3)+Ice(t)sin(ω1t+π/3-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+π/3-4π/3)}〕 =μIm1〔n{Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)} +n{Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)} +n{Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)} +n{Icd(t)sin(ω1t)+Ice(t)sin(ω1t-2π/3) +Icf(t)sin(ω1t-4π/3)} +n{Icd(t)sin(ω1t+2π/3)+Ice(t)sin(ω1t) +Icf(t)sin(ω1t-2π/3)} +n{Icd(t)sin(ω1t+4π/3)+Ice(t)sin(ω1t+2π/3) +Icf(t)sin(ω1t)}〕 =μn Im1〔3{Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)} +Icd(t)sin(ω1t)+Icd(t)sin(ω1t+2π/3) +Icd(t)sin(ω1t+4π/3) +Ice(t)sin(ω1t)+Ice(t)sin(ω1t+2π/3) +Ice(t)sin(ω1t+4π/3) +Icf(t)sin(ω1t)+Icf(t)sin(ω1t+2π/3) +Icf(t)sin(ω1t+4π/3)〕 =3μIm1 n{Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)} …(46) (46)式によれば、外側磁石を正弦波で近似した場合、コ
イルa、b、cの励磁電流によって外側磁石に作用するト
ルクをコントロールできることを示している。また、コ
イルd、e、fの励磁電流の影響を受けないことも示して
いる。
【0086】次に、内側磁石m2に作用するトルクτ2
直径を中心として線対称で発生するから、f2を半周分の
力とすると、τ2=2f2×r2である。半周に1つの等価直
流電流が流れるので、この1つの等価直流電流に働く力
がf2となる。 f2=Im2×B(θ=ω2t+α) =μIm2〔Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α)+μIm2 sin(ω2t+α-ω2t-α) +n{Ica(t)sin(3ω2t+3α)+Icb(t)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Icc(t)sin(3ω2t+3α-4π/3)} +n{Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3)}〕 =μIm2〔Im1 sin(3(ω1−ω2)t-3α) +n{Ica(t)sin(3ω2t+3α)+Icb(t)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Icc(t)sin(3ω2t+3α-4π/3)} +n{Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3)}〕 …(47) (47)式をみると、内側磁石の回転に対して、計算し
ている磁場以外の影響(相対位相角度で2π/3、4π
/3)があることがわかる。この影響をわかりやすくす
るためピークの時刻tのときの各外側磁石の位置をφ1
=ωt+π/6、φ2=ωt+5π/6、φ3=ωt+9
π/6とする。
【0087】それぞれの影響を考えて、回転角度θの磁
界は、 B1=Bm1{cos(ω1t+π/6-θ)+cos(ω1t+5π/6-θ)+cos(ω1t+9π/6-θ)} =μIm1{cos(ω1t+π/6-θ)+cos(ω1t+5π/6-θ)+cos(ω1t+9π/6-θ)} =0 これは120度ごとの交差角度のある磁極は内側コイル
上では打ち消しあってしまうことを示している。つま
り、外側磁石の磁極数は内側磁石に影響を与えない。同
様にして外側コイルの作る磁場も合計で0となる。した
がって、このときの駆動力f2は次のようになる。 f2=μIm2 n {Icd(t)sin(ω2t+α)+Ice(t)sin(ω2t+α-2π/3) +Icf(t)sin(ω2t+α-4π/3)} …(48)。
【0088】〈3−2〉外側回転磁界と内側回転磁界を
ともに与える場合 上記の3相交流Ica(t)、Icb(t)、Icc
(t)と同じく3相交流Icd(t)、Ice(t)、I
cf(t)を Ica(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β) …(49a) Icb(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β-2π/3) …(49b) Icc(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β-4π/3) …(49c) Icd(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ) …(50a) Ice(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-2π/3) …(50b) Icf(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-4π/3) …(50c) とする。ただし、(50a)式〜(50c)式では振幅
変調を可能とするため、時間の関数であるIc2(t)と
おいている。
【0089】(49a)式〜(49c)式を(46)式
に、(49a)式〜(49c)式および(50a)式〜
(50c)式を(47)式に代入して、f1、f2を計算
する。 f1=3μIm1 n Ic1{ cos(3ω1t-3β)sin(3ω1t) +cos(3ω1t-3β-2π/3)sin(3ω1t-2π/3) +cos(3ω1t-3β-4π/3)sin(3ω1t-4π/3)} ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}の公式を用いて f1=3μIm1 n Ic1〔(1/2){ sin(3ω1t-3β+3ω1t)-sin(3ω1t-3β-3ω1t)} +(1/2){ sin(3ω1t-3β-2π/3+3ω1t-2π/3) -sin(3ω1t-3β-2π/3-3ω1t+2π/3)} +(1/2){ sin(3ω1t-3β-4π/3+3ω1t-4π/3) -sin(3ω1t-3β-4π/3-3ω1t+4π/3)}〕 =(3/2)μIm1 n Ic1{ sin(6ω1t-3β)+sin(3β) +sin(6ω1t-3β-4π/3)+sin(3β) +sin(6ω1t-3β-8π/3)+sin(3β)} =(3/2)μIm1 n Ic1{ sin(6ω1t-3β)+sin(6ω1t-3β-4π/3) +sin(6ω1t-3β-8π/3) +3sin(3β)} =(9/2)μIm1 n Ic1 sin(3β) …(51) f2=μIm2〔Im1 sin3(ω12)t-3α) +n Ic1{ cos(3ω1t-3β)sin(3ω2t+3α) +cos(3ω1t-3β-2π/3)sin(3ω2t+3α-2π/3) +cos(3ω1t-3β-4π/3)sin(3ω2t+3α-4π/3)} +n Ic2(t){ cos(ω2t-γ)sin(ω2t+α) +cos(ω2t-γ-2π/3)sin(ω2t+α-2π/3) +cos(ω2t-γ-4π/3)sin(ω2t+α-4π/3)}〕 ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}の公式を用いて f2=μIm2〈Im1 sin(3(ω12)t-3α) +n Ic1〔(1/2){ sin(3ω1t-3β+3ω2t+3α) -sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α)} +(1/2){ sin(3ω1t-3β-2π/3+3ω2t+3α-2π/3) -sin(3ω1t-3β-2π/3-3ω2t-3α+2π/3)} +(1/2){ sin(3ω1t-3β-4π/3+3ω2t+3α-4π/3) -sin(3ω1t-3β-4π/3-3ω2t-3α+4π/3)}〕 +n Ic2(t)〔(1/2){ sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω1t-γ-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-2π/3+ω2t+α-2π/3) -sin(ω2t-γ-2π/3-ω2t-α+2π/3)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-4π/3+ω2t+α-4π/3) -sin(ω2t-γ-4π/3-ω2t-α+4π/3)}〕〉 =μIm2〔Im1 sin(3(ω12)t-3α) +(1/2) n Ic1{ sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-4π/3) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-8π/3) −3sin
(3ω1t-3β+3ω2t-3α)} +(1/2) n Ic2(t){ sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-4π/3) +sin(2ω2t-γ+α-8π/3)+3sin(γ+α)}〕 =μIm2〔Im1 sin(3(ω12)t-3α) +(1/2) n Ic1{ sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-2π/3) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-4π/3) -3sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α)} +(1/2) n Ic2(t){ sin(2ω2t-γ+α) +sin(2ω2t-γ+α-2π/3) +sin(2ω2t-γ+α-4π/3) +3sin(γ+α)}〕 =μIm2{Im1 sin(3(ω12)t-3α) -(3/2)n Ic1 sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α) +(3/2)n Ic2(t)sin(γ+α)} …(52) ここで、f2については、(48)式のところでみたよ
うに、外側磁石および外側コイルの作る磁界の影響がな
い場合は、 f2=(3/2)n Ic2(t)sin(γ+α) …(53) となり、一定トルクで駆動できる。
【0090】これに対して、外側磁石や外側コイルの作
る磁界の影響が残る場合は、(52)式において、 Ic2(t)={(2/3)C/μIm2-Im1 sin(3(ω12)t-3α) +n Ic1 sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α)}/{n sin(γ+α)} …(54) ただし、C:定数とすると、f2=Cとなり一定トルク
での駆動が可能となる。つまり、磁極数比が3:1の場
合、(52)式によれば、内側磁石の回転に対して外側
磁石の影響が若干発生することを意味している。より正
確には位相差(ω1−ω2)に応じた一定のトルク変動が
内側磁石の回転に生じる。その様子を図21に示す。矩
形波モデルとしたとき、顕著に外側磁石と内側磁石の磁
力干渉の影響が表される。いま、状態Aを考えると、こ
の状態よりも状態Bのほうが安定するため、Bの状態へ
移そうとするトルクが発生する。このトルクは断続トル
クとなり、位相差(ω1−ω2)によって発生するわけで
ある。さらに述べると、現実にはコイルの間の距離の影
響を受けたり完全な正弦波が実現できないため、完全に
外側磁石の影響を打ち消すことができない場合があり、
その場合の最も極端な場合がこの(52)式で表され
る。しかしながら、(54)式により振幅変調を行うこ
とで、その一定トルク変動を打ち消すことが可能とな
り、磁極数比が3:1の場合であっても内側磁石を一定
トルクで駆動できるのである。
【0091】〈3−3〉まとめ (51)、(52)の各式によれば、外側磁石と内側磁
石のそれぞれに同期させてステータコイルに電流を流す
とき、両方の磁石にそれぞれ回転トルクが発生すること
がわかる。計算はしなかったが、外側磁石に同期させて
ステータコイルに電流を流したときは外側磁石にのみ、
また内側磁石に同期させてステータコイルに電流を流し
たときは内側磁石にのみ回転トルクが発生することはい
うまでもない。このことから、磁極数比が3:1の組み
合わせであるときにも、回転電機として働くことが可能
であることが証明された。
【0092】〈3−4〉電流設定 図14に示した外周側と内周側のコイルとを図22に示
したように共用化することを考える。図14においてコ
イルaとd、コイル、コイルaとe、コイル
、コイルaとf、コイルをまとめればよいか
ら、図22と対照させると、図22においてステータコ
イルに流す複合電流を、 I1=Ia+Id I10I 1Ia+Id I2Ic I11I 2=Ic I3=Ib I12I 3Ib I4Ia+If I13I 4=Ia+If I5=Ic I14I 5Ic I6Ib I15I 6=Ib I7=Ia+Ie I16Ia+Ie I8Ic I17I 8=Ic I9=Ib I18I 9Ib とすればよいことがわかる。つまり、磁極数比が3:1
の組み合わせでは、9相の電流で代表することができ
る。これは、磁極数比が2:1の組み合わせとの対比か
らいえば、磁極数比が3:1の組み合わせでは18相の
交流としなければならないのであるが、磁極数比が3:
1の組み合わせの場合に限り、半周で位相が反転してい
るため、18相の半分の9相の交流で代表することがで
きるからである。
【0093】ただし、コイル1、4、7、
コイルの負担が大きくなるため、残りのコイルも使用し
て内側回転磁界を形成させることを考えると、 I1=Ia+Ii I10I 1Ia+I i I2Ic+I vi I11I 2=Ic+Ivi I3=Ib+Iii I12I 3Ib+I ii I4Ia+I vii I13I 4=Ia+Ivii I5=Ic+Iiii I14I 5Ic+I iii I6Ib+I viii I15I 6=Ib+Iviii I7=Ia+Iiv I16I 7Ia+I iv I8Ic+I ix I17I 8=Ic+Iix I9=Ib+Iv I18I 9Ib+I v であればよい。内側回転磁界を形成させるための電流I
i〜Iix i ixの位置関係を図23に示す。
【0094】〈3−5〉9相交流で内側回転磁界を与え
る場合 〈3−5−1〉9相交流で内側回転磁界を作ることを考
えると、このときの磁束密度Bc2は次のようになる。 Bc2=μn{Ici(t)sin(θ)+Icii(t)sin(θ-2π/9) +Iciii(t)sin(θ-4π/9) +Iciv(t)sin(θ-6π/9) +Icv(t)sin(θ-8π/9) +Icvi(t)sin(θ-10π/9) +Icvii(t)sin(θ-12π/9) +Icviii(t)sin(θ-14π/9) +Icix(t)sin(θ-16π/9)} …(55) したがって、全体の磁束密度Bは次のようになる。
【0095】 B=B1+B2+Bc1+Bc2 =μIm1 sin(3ω1t-3θ)+μIm2 sin(ω2t+α-θ) +μn{Ica(t)sin(3θ)+Icb(t)sin(3θ-2π/3) +Icc(t)sin(3θ-4π/3)} +μn{Ici(t)sin(θ)+Icii(t)sin(θ-2π/9) +Iciii(t)sin(θ-4π/9) +Iciv(t)sin(θ-6π/9) +Icv(t)sin(θ-8π/9) +Icvi(t)sin(θ-10π/9) +Icvii(t)sin(θ-12π/9) +Icviii(t)sin(θ-14π/9) +Icix(t)sin(θ-16π/9)} …(56) このときのf1を計算してみると、 f1=Im1×B(θ=ω1t)+Im1×B(θ=ω1t+2π/3)-Im1×B(θ=ω1t+π/3) =μIm1〈Im1{sin(3ω1t-3ω1t)+sin(3ω1t−3ω1t+2π) -sin(3ω1t−3ω1t+π)} +Im2{sin(ω2t+α-ω1t)+sin(ω2t+α-ω1t-2π/3) -sin(ω2t+α-ω1t+π/3)} +n〔Ica(t){sin(3ω1t)+sin(3ω1t+2π) -sin(3ω1t+π)} +Icb(t){sin(3ω1t-2π/3)+sin(3ω1t+2π-2π/3) -sin(3ω1t+π-2π/3)} +Icc(t){sin(3ω1t-4π/3)+sin(3ω1t+2π-4π/3) -sin(3ω1t+π-4π/3)}〕 +n〔Ici(t){sin(ω1t)+sin(ω1t+2π/3) +sin(ω1t+π/3)} +Icii(t){sin(ω1t-2π/9)+sin(ω1t-2π/9+2π/3) +sin(ω1t-2π/9+π/3)} +Iciii(t){sin(ω1t-4π/9)+sin(ω1t-4π/9+2π/3) +sin(ω1t-4π/9+π/3)} +Iciv(t){sin(ω1t-6π/9)+sin(ω1t-6π/9+2π/3) +sin(ω1t-6π/9+π/3)} +Icv(t){sin(ω1t-8π/9)+sin(ω1t-8π/9+2π/3) +sin(ω1t-8π/9+π/3)} +Icvi(t){sin(ω1t-10π/9)+sin(ω1t-10π/9+2π/3) +sin(ω1t-10π/9+π/3)} +Icvii(t){sin(ω1t-12π/9)+sin(ω1t-12π/9+2π/3) +sin(ω1t-12π/9+π/3)} +Icviii(t){sin(ω1t-14π/9)+sin(ω1t-14π/9+2π/3) +sin(ω1t-14π/9+π/3)} +Icix(t){sin(ω1t-16π/9)+sin(ω1t-16π/9+2π/3) +sin(ω1t-16π/9+π/3)}〕〉 =μIm1〈Im1{sin(3ω1t-3ω1t)+sin(3ω1t−3ω1t+2π) -sin(3ω1t−3ω1t+π)} (=0) +Im2{sin(ω2t+α-ω1t)+sin(ω2t+α-ω1t-2π/3) -sin(ω2t+α-ω1t+π/3)} (=0) +n〔Ica(t){sin(3ω1t)+sin(3ω1t+2π)-sin(3ω1t+π)} +Icb(t){sin(3ω1t-2π/3)+sin(3ω1t+2π-2π/3) -sin(3ω1t+π-2π/3)} +Icc(t){sin(3ω1t-4π/3)+sin(3ω1t+2π-4π/3) -sin(3ω1t+π-4π/3)}〕 +n〔Ici(t){sin(ω1t)+sin(ω1t+2π/3)+sin(ω1t+π/3)} (=0 ) +Icii(t){sin(ω1t-2π/9)+sin(ω1t-2π/9+2π/3) +sin(ω1t-2π/9+π/3)} (=0) +Iciii(t){sin(ω1t-4π/9)+sin(ω1t-4π/9+2π/3) +sin(ω1t-4π/9+π/3)} (=0) +Iciv(t){sin(ω1t-6π/9)+sin(ω1t-6π/9+2π/3) +sin(ω1t-6π/9+π/3)} (=0) +Icv(t){sin(ω1t-8π/9)+sin(ω1t-8π/9+2π/3) +sin(ω1t-8π/9+π/3)} (=0) +Icvi(t){sin(ω1t-10π/9)+sin(ω1t-10π/9+2π/3) +sin(ω1t-10π/9+π/3)} (=0) +Icvii(t){sin(ω1t-12π/9)+sin(ω1t-12π/9+2π/3) +sin(ω1t-12π/9+π/3)} (=0) +Icviii(t){sin(ω1t-14π/9)+sin(ω1t-14π/9+2π/3) +sin(ω1t-14π/9+π/3)} (=0) +Icix(t){sin(ω1t-16π/9)+sin(ω1t-16π/9+2π/3) +sin(ω1t-16π/9+π/3)}〕〉(=0) =3μn Im1{Ica(t)sin(3ω1t)+Icb(t)sin(3ω1t-2π/3) +Icc(t)sin(3ω1t-4π/3)} …(57) となり、内側回転磁界を3相交流で与えた場合に得られ
る上記(46)式と変わりない。
【0096】一方、f2を計算してみると、次のように
なる。 f2=Im2×B(θ=ω2t+α) =μIm2〔Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α)+Im2 sin(ω2t+α-ω2t-α) +n{ Ica(t)sin(3ω2t+3α)+Icb(t)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Icc(t)sin(3ω2t+3α-4π/3)} +n{ Ici(t)sin(ω2t+α) +Icii(t)sin(ω2t+α-2π/9) +Iciii(t)sin(ω2t+α-4π/9) +Iciv(t)sin(ω2t+α-6π/9) +Icv(t)sin(ω2t+α-8π/9) +Icvi(t)sin(ω2t+α-10π/9) +Icvii(t)sin(ω2t+α-12π/9) +Icviii(t)sin(ω2t+α-14π/9) +Icix(t)sin(ω2t+α-16π/9)}〕 =μIm2〔Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) +n{ Ica(t)sin(3ω2t+3α)+Icb(t)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Icc(t)sin(3ω2t+3α-4π/3)} +n{ Ici(t)sin(ω2t+α) +Icii(t)sin(ω2t+α-2π/9) +Iciii(t)sin(ω2t+α-4π/9) +Iciv(t)sin(ω2t+α-6π/9) +Icv(t)sin(ω2t+α-8π/9) +Icvi(t)sin(ω2t+α-10π/9) +Icvii(t)sin(ω2t+α-12π/9) +Icviii(t)sin(ω2t+α-14π/9) +Icix(t)sin(ω2t+α-16π/9)}〕 …(58)。
【0097】〈3−5−2〉外側回転磁界と内側回転磁
界をともに与える場合 上記の3相交流Ica(t)、Icb(t)、Icc
(t)は Ica(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β) …(59a) Icb(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β-2π/3) …(59b) Icc(t)=Ic1 cos(3ω1t-3β-4π/3) …(59c) であり、上記の9相交流Ici(t)〜Icix(t)を Ici(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ) …(60a) Icii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-2π/9) …(60b) Iciii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-4π/9) …(60c) Iciv(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-6π/9) …(60d) Icv(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-8π/9) …(60e) Icvi(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-10π/9) …(60f) Icvii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-12π/9) …(60g) Icviii(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-14π/9) …(60h) Icix(t)=Ic2(t) cos(ω2t-γ-16π/9) …(60i) とおく。
【0098】(59a)式〜(59c)および式(60
a)式〜(60i)式を(58)式に代入して、f2を計
算する。 f2=μIm2〔Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) +n{ Ic1 cos(3ω1t-3β)sin(3ω2t-3α) +Ic1 cos(3ω1t-3β-2π/3)sin(3ω2t+3α-2π/3) +Ic1 cos(3ω1t-3β-4π/3)sin(3ω2t+3α-4π/3)} +n{ Ic2(t) cos(ω2t-γ)sin(ω1t+α) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-2π/9)sin(ω1t+α-2π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-4π/9)sin(ω1t+α-4π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-6π/9)sin(ω1t+α-6π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-8π/9)sin(ω1t+α-8π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-10π/9)sin(ω1t+α-10π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-12π/9)sin(ω1t+α-12π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-14π/9)sin(ω1t+α-14π/9) +Ic2(t) cos(ω2t-γ-16π/9)sin(ω1t+α-16π/9)}〕 ここで、cos(a)sin(b)=(1/2){sin(a+b)-sin(a-b)}の公式を用いて f2=μIm2〈Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) +n Ic1〔(1/2){ sin(3ω1t-3β+3ω2t+3α) -sin(3ω1t-3β-3ω2t-3α)} +(1/2){ sin(3ω1t-3β-2π/3+3ω2t+3α-2π/3) -sin(3ω1t-3β-2π/3-3ω2t-3α+2π/3)} +(1/2){ sin(3ω1t-3β-4π/3+3ω2t+3α-4π/3) -sin(3ω1t-3β-4π/3-3ω2t-3α+4π/3)}〕 +n Ic2(t)〔(1/2){ sin(ω2t-γ+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-2π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-2π/9-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-4π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-4π/9-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-8π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-6π/9-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-10π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-8π/9-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-12π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-10π/9-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-14π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-12π/9-ω2t-α)} +(1/2){ sin(ω2t-γ-16π/9+ω2t+α) -sin(ω2t-γ-14π/9-ω2t-α)}〕〉 =μIm2〈Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) +(1/2)n Ic1{ sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α) -sin(3ω1t-3ω2t-3α-3β) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-4π/3) -sin(3ω1t-3ω2t-3α-3β) +sin(3ω1t+3ω2t-3β+3α-2π/3) -sin(3ω1t-3ω2t-3α-3β)} +n Ic2(t)〔(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α-4π/9)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α-8π/9)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α-12π/9)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α-16π/9)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α-2π/9)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α-6π/9)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α-10π/9)+sin(γ+α)} +(1/2){sin(ω2t-γ+ω2t+α-14π/9)+sin(γ+α)}〕〉 =μIm2{Im1 sin(3ω1t-3ω2t-3α) -(3/2)n Ic1 sin(3ω1t+3ω2t-3α-3β) +(9/2)n Ic2(t)sin(γ+α)} …(61)。
【0099】〈3−5−3〉まとめ (61)式右辺の第1項、第2項は、(48)式のとこ
ろでみたように、他相の分を考慮すると打ち消されるこ
とになるのは、3相交流の場合と同じである。一方、内
側回転磁界を9相交流で与えた場合に得られるこの(6
1)式を、内側回転磁界を3相交流で与えた場合に得ら
れる上記の(52)式と比較すると、(61)式のほう
が(52)式よりも固定項(最後の項)が3倍となって
いる。つまり、内側磁石の駆動電流を9相の交流(Ii
〜Iix)とすれば、内側磁石の駆動電流を3相交流とす
る場合より3倍もの電磁力(駆動トルク)が得られるわ
けである。このことは、逆にいえば、内側磁石に同じ駆
動トルクを発生させるのに、駆動電流は1/3でよいこ
とを意味している。これで、理論的な解析を終える。
【0100】次に、図24〜図30に第5から第11ま
での各実施形態を示す。これらも前述の4つの実施形態
と同様に、ステータの内と外にロータ3、4を配置した
ものである。ただし、図24、図25は磁極数比が2:
1、図26は磁極数比が2:3、図27は磁極数比が
4:3、図28、図30は磁極数比が2:1、図29は
磁極数比が9:1の組み合わせのものである。まとめる
と、外側磁石の磁極数が内側磁石の磁極数より多い場合
に限らず、外側磁石の磁極数が内側磁石の磁極数より少
ない場合でもかまわない。また、ロータは第1から第4
までの各実施形態で説明した一周分を展開して複数個を
連結し、円筒状に構成しても、展開する前のものと同様
に扱うことができる。
【0101】また、ステータと2つのロータの並び方は
基本的にどんな並び方でもかまわない。たとえば、図3
1は、ステータ41の内側に中間ロータ42と内ロータ
43の2つのロータを配置したものである。この場合、
中間ロータ42を外枠44と同じに鉄枠で覆ったので
は、ステータ41に発生する磁束が内ロータ43まで届
かなくなるので、中間ロータ42を鉄枠で覆うことはし
ない。図示しないが、ステータの外側に2つのロータを
配置したときも同様である。このように、ステータを最
も外側か最も内側に配置したときのメリットは、ステー
タのコイルを冷やす必要がある場合に冷却が容易になる
点にある。
【0102】なお、各実施形態では、2つのロータを永
久磁石で構成する場合で説明したが、各ロータを電磁石
で構成することができることはいうまでもない。また、
モータ駆動電流回路はPWM信号を用いる場合に限ら
ず、PAM信号その他の信号を用いる場合でもかまわな
い。また、各実施形態では、電機の構造がラジアルギャ
ップ型(径方向にロータとステータの空隙がある)のも
のについて述べたが、アキシャルギャップ型(軸方向に
ロータとステータの空隙がある)のものについても本発
明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における回転電機の概略断面
図であり、(a)は回転電機全体の概略断面図、(b)
はロータとステータ部分の断面図〔(a)のA−A’断
面図〕。
【図2】ステータ2の内周側と外周側に専用コイルを配
置した回転電機本体の概略断面図。
【図3】制御システム図。
【図4】インバータの回路図。
【図5】第2の実施の形態における回転電機本体の概略
断面図。
【図6】第3の実施の形態における回転電機本体の概略
断面図。
【図7】第4の実施の形態における回転電機本体の概略
断面図。
【図8】電流制御系回路の一実施の形態を示すブロック
図。
【図9】コンパレータ部の1回路分を示す回路ブロック
図。
【図10】磁極数比が3:1の場合における外側ロータ
3、ステータ2、内側ロータ4の断面図であり、(a)
は電流(方向および大きさ)を示し、(b)は実装コイ
ルを示す。
【図11】図10(b)の構成を、回転θ方向に展開し
た場合における外側と内側のロータを駆動する電流の種
類を示した展開図。
【図12】種々の磁極数比における最小相数とコイル種
類の一覧を示す図。
【図13】N(2p−2p)基本形を考えるのに参照す
るモデル図。
【図14】磁束密度の変化を示すモデル図。
【図15】N{2(2p)−2p}基本形を考えるのに
参照するモデル図。
【図16】磁束密度の変化を示すモデル図。
【図17】N{2(2p)−2p}基本形を考えるのに
参照するモデル図。
【図18】12相交流の分布を示す波形図。
【図19】N{3(2p)−2p}基本形を考えるのに
参照するモデル図。
【図20】磁束密度の変化を示すモデル図。
【図21】外側磁石と内側磁石の磁力干渉の説明図。
【図22】N{3(2p)−2p}基本形を考えるのに
参照するモデル図。
【図23】9相交流の分布を示す波形図。
【図24】第5の実施の形態における回転電機本体の概
略断面図。
【図25】第6の実施の形態における回転電機本体の概
略断面図。
【図26】第7の実施の形態における回転電機本体の概
略断面図。
【図27】第8の実施の形態における回転電機本体の概
略断面図。
【図28】第9の実施の形態における回転電機本体の概
略断面図。
【図29】第10の実施の形態における回転電機本体の
概略断面図。
【図30】第11の実施の形態における回転電機本体の
概略断面図。
【図31】第12の実施の形態における回転電機本体の
概略断面図。
【符号の説明】
1…回転電機本体 2…ステータ 3…外側ロータ 4…内側ロータ 5…外枠 6…コイル 7…コア 8…ギャップ 9…内側ロータ軸 10…外側ロータ
軸 11…電源 12…インバー
タ 13…外側ロータ3の位相を検出する回転角センサ 14…内側ロータ4の位相を検出する回転角センサ 15…制御回路 50、51…電流演算器 52、53…電
流制御器 54、55…位相調整器 56…コンパレ
ータ部 57…主駆動回路 58…モータ 59…三角波発生器 60…比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−182211(JP,A) 特開 平9−172705(JP,A) 特開 平9−46815(JP,A) 実開 平3−124770(JP,U) 実開 平2−122569(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 16/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つのロータと1つのステータを三層構造
    で、かつ同一の軸上に構成すると共に、前記2つのロー
    タ用の磁束を発生する共通のコイルをステータに設け、
    このコイルに前記ロータの数と同数の回転磁場が発生す
    るように、各ロータに対応する電流を加え合わせた複合
    電流を流す回転電機であって、 前記各ロータに対して、前記コイルに流す電流を3相交
    流相当として与え、かつ、外側のロータと内側のロータ
    との磁極数の比である磁極数比を3:1にした場合に、
    前記ステータに設けるコイルを同じ位相の電流が流れる
    コイル毎に5種類に区分けし、同種のコイルを接続する
    ことにより、5相分の前記複合電流で駆動するように構
    成したことを特徴とする回転電機。
  2. 【請求項2】2つのロータと1つのステータを三層構造
    で、かつ同一の軸上に構成すると共に、前記2つのロー
    タ用の磁束を発生する共通のコイルをステータに設け、
    このコイルに前記ロータの数と同数の回転磁場が発生す
    るように、各ロータに対応する電流を加え合わせた複合
    電流を流す回転電機であって、 前記各ロータに対して、前記コイルに流す電流を3相交
    流相当として与え、かつ、外側のロータと内側のロータ
    との磁極数の比である磁極数比を奇数:1(3:1を除
    く)にした場合に、前記ステータに設けるコイルを同じ
    位相の電流が流れるコイル毎に6種類に区分けし、同種
    のコイルを接続することにより、6相分の前記複合電流
    で駆動するように構成したことを特徴とする回転電機。
  3. 【請求項3】2つのロータと1つのステータを三層構造
    で、かつ同一の軸上に構成すると共に、前記2つのロー
    タ用の磁束を発生する共通のコイルをステータに設け、
    このコイルに前記ロータの数と同数の回転磁場が発生す
    るように、各ロータに対応する電流を加え合わせた複合
    電流を流す回転電機であって、 前記各ロータに対して、前記コイルに流す電流を3相交
    流相当として与え、かつ、外側のロータと内側のロータ
    との磁極数の比である磁極数比を奇数:奇数(3:1お
    よび奇数:1を除く)にした場合に、前記ステータに設
    けるコイルを同じ位相の電流が流れるコイル毎に8種類
    に区分けし、同種のコイルを接続することにより、8相
    分の前記複合電流で駆動するように構成したことを特徴
    とする回転電機。
  4. 【請求項4】2つのロータと1つのステータを三層構造
    で、かつ同一の軸上に構成すると共に、前記2つのロー
    タ用の磁束を発生する共通のコイルをステータに設け、
    このコイルに前記ロータの数と同数の回転磁場が発生す
    るように、各ロータに対応する電流を加え合わせた複合
    電流を流す回転電機であって、 前記各ロータに対して、前記コイルに流す電流を3相交
    流相当として与え、かつ、外側のロータと内側のロータ
    との磁極数の比である磁極数比を偶数:1にした場合
    に、前記ステータに設けるコイルを同じ位相の電流が流
    れるコイル毎に9種類に区分けし、同種のコイルを接続
    することにより、9相分の前記複合電流で駆動するよう
    に構成したことを特徴とする回転電機。
  5. 【請求項5】前記2つのロータは、それぞれ永久磁石で
    構成されたものである、ことを特徴とする請求項1乃至
    請求項4の何れかに記載の回転電機。
  6. 【請求項6】円筒状のステータの外側と内側に所定の間
    隔をおいてそれぞれ1つずつのロータを配置した、こと
    を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の回
    転電機。
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