JPH11340443A - Soiウエーハの作製方法およびsoiウエーハ - Google Patents

Soiウエーハの作製方法およびsoiウエーハ

Info

Publication number
JPH11340443A
JPH11340443A JP15832198A JP15832198A JPH11340443A JP H11340443 A JPH11340443 A JP H11340443A JP 15832198 A JP15832198 A JP 15832198A JP 15832198 A JP15832198 A JP 15832198A JP H11340443 A JPH11340443 A JP H11340443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
soi
thickness
silicon
cut
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15832198A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayasu Katayama
正健 片山
Masatake Nakano
正剛 中野
Kiyoshi Mitani
清 三谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP15832198A priority Critical patent/JPH11340443A/ja
Publication of JPH11340443A publication Critical patent/JPH11340443A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 貼り合わせ法によりSOIウエーハを作製す
る方法において、きわめて簡単な手法により、実質的に
1枚のシリコンウエーハから1枚のSOIウエーハを得
るようにし、シリコンウエーハの利用率を著しく改善す
ることができるSOIウエーハの作製方法を提供する。 【解決手段】 二枚のシリコンウエーハのうち、少なく
とも一方のシリコンウエーハ2の表面に酸化膜4を形成
し、該酸化膜を介して他方のシリコンウエーハ3と密着
させ、これに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバ
イス作製側ウエーハ2を主面と平行に切断し、次に該デ
バイス作製側ウエーハ2を所望厚さまで薄膜化するSO
Iウエーハ6の作製方法、そしてこの方法で副生された
切断ウエーハに、再処理を加えてシリコンウエーハとし
て再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二枚のシリコンウ
エーハをシリコン酸化膜を介して貼り合わせてSOIウ
エーハを作製する、いわゆる貼り合わせSOI(Silico
n on Insulator)ウエーハの作製方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】SOIウエーハの作製方法としては、2
枚のシリコン単結晶ウエーハをシリコン酸化膜を介して
貼り合わせる技術として、例えば特公平5−46086
号公報に示されるように、少なくとも一方のウエーハに
酸化膜を形成し、接合面に異物を介在させることなく相
互に密着させた後、およそ200〜1200℃の温度で
熱処理して結合強度を高める方法が、従来より知られて
いる。
【0003】熱処理を行うことにより結合強度が高めら
れた貼り合わせウエーハは、その後の研削及び研磨工程
等が可能となるため、デバイス作製側ウエーハを研削、
研磨あるいはエッチング等により所望の厚さに薄膜化す
ることにより、素子形成を行うSOI層を形成すること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
方法では、デバイス作製側ウエーハ(ボンドウエーハ)
を研削、研磨、あるいはエッチングして薄膜化するの
で、SOI層となる極わずかな厚さを除いて、デバイス
作製側ウエーハのほとんどが消失してしまう。したがっ
て、2枚のシリコンウエーハから1枚のSOIウエーハ
を作製することになり、高価な材料であるシリコンウエ
ーハの利用率が低く、SOIウエーハの製造コストを著
しく上昇せしめていた。
【0005】このような問題を解決するため、本発明者
らは先に特開平6−112451号のような方法を提案
した。この方法は、例えば3枚のシリコンウエーハを重
ね合わせて結合した後、間のウエーハを主面に沿って切
断することによって、3枚のシリコンウエーハから2枚
のSOIウエーハを得ると言うものである。
【0006】この方法では、材料としてのシリコンウエ
ーハの利用率をある程度改善できる。しかし、3枚のシ
リコンウエーハから2枚のSOIウエーハを得るもので
あるので、1枚分のシリコンウエーハが無駄になってし
まう。また、その後のランニングテストの結果、1枚の
シリコンウエーハの両面を結合させるものであるため
(複数面結合)、結合時のハンドリングが困難であり、
また未結合部が発生し易くなることがあることがわかっ
た。
【0007】一方、近年の半導体デバイスの高集積化、
高速度化により、SOI層の厚さはさらなる薄膜化が要
求されており、例えば1ミクロン以下といった極薄のS
OI層が要求されるようになってきている。ところが、
上記貼り合わせ法によりSOIウエーハを作製する場合
には、ボンドウエーハを研削・研磨等をしてSOI層を
形成する薄膜化加工の基準となるのは、支持基板となる
他方のシリコンウエーハ(ベースウエーハ)の裏面が基
準となるため、用いるベースウエーハの平坦度がきわめ
て高いものを使用する必要があるとともに、その後の研
削、研磨あるいはエッチング等の加工精度も超高精度な
ものとする必要がある。したがって、いきおいSOI加
工コストを上昇せしめるという問題もある。
【0008】そこで、本発明はこのような問題点に鑑み
なされたもので、貼り合わせ法によりSOIウエーハを
作製する方法において、未結合部が発生し易くなる等の
品質面の問題を引き起こすことなく、きわめて簡単な手
法により、実質的に1枚のシリコンウエーハから1枚の
SOIウエーハを得るようにし、シリコンウエーハの材
料コストを著しく改善することができるSOIウエーハ
の作製方法を提供することを目的とする。
【0009】また、これに合わせてSOI層の薄膜化処
理加工を表面からの取りしろ管理をする方法と組み合わ
せることによって、用いるベースウエーハおよび加工精
度を通常品質のものとしても膜厚均一性の高いSOIウ
エーハを得ることができるようにし、これによって加工
コストの低減化をはかり、一層SOIウエーハ作製コス
トを下げることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の請求項1に記載した発明は、二枚のシリコンウ
エーハのうち、少なくとも一方のシリコンウエーハの表
面に酸化膜を形成し、該酸化膜を介して他方のシリコン
ウエーハと密着させ、これに熱処理を加えて強固に結合
させた後、デバイス作製側ウエーハを主面と平行に切断
し、次に該デバイス作製側ウエーハを所望厚さまで薄膜
化することを特徴とするSOIウエーハの作製方法であ
る。
【0011】このように、1枚のシリコンウエーハ(ボ
ンドウエーハ)と1枚のシリコンウエーハ(ベースウエ
ーハ)を結合し、ボンドウエーハを主面と平行に切断す
るようにすれば、ボンドウエーハのほとんど全てを研
削、研磨等する方法に比して極めて簡単にSOIウエー
ハを作製することができるとともに、片面結合であるた
め、ハンドリングが困難で未結合部が発生し易いと言っ
た問題も生じない。そして、ボンドウエーハの切断され
たウエーハを再利用すれば、シリコンウエーハの無駄と
なる部分を著しく減少させる事ができるので、材料歩留
りを向上させることができる。
【0012】この場合、本発明では請求項2に記載した
ように、デバイス作製側ウエーハを所望厚さまで薄膜化
する工程において、SOI層の表面を気相エッチングし
て該薄膜の厚さを均一化する工程を行うようにするのが
好ましい。
【0013】このように、SOI層の薄膜化工程におい
て、気相エッチングによってSOI層の厚さを均一化す
るようにすれば、気相エッチングは表面からの取りしろ
管理とすることができるので、超高平坦度のベースウエ
ーハあるいは超高精度の研削、研磨等の加工手法を用い
なくとも、所望の膜厚均一性を有するSOIウエーハを
得ることができる。
【0014】そして、本発明では請求項3に記載したよ
うに、用いるデバイス作製側ウエーハの厚さは、少なく
とも最終のSOI層厚とSOI層の薄膜化処理厚と切断
しろと切断ウエーハの再処理に要する厚さ分、再利用ウ
エーハの厚さより厚くしたものとすることができる。用
いるボンドウエーハの厚さをこの様なものとすれば、材
料ロスを最小限に抑制できるとともに、所望厚さを有す
る再利用ウエーハを得ることができるからである。
【0015】この場合、請求項4に記載したように、用
いるデバイス作製側ウエーハの周縁部に、予め切断のた
めのガイド溝を設けておくようにしてもよい。このよう
に、ボンドウエーハにガイド溝を設けておくと、切断時
に切断機のブレードがぶれたりすることなく、確実に所
望厚さで、精度良く切断することができる。
【0016】そして、本発明の請求項5に記載した発明
は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のS
OIウエーハの作製方法によって副生された切断ウエー
ハに、再処理を加えてシリコンウエーハとして再利用す
る方法である。このように、本発明ではボンドウエーハ
をその主面に平行に切断するので、副生される切断ウエ
ーハに再処理を加えてシリコンウエーハとして再利用す
ることによって、材料としてのシリコンウエーハの利用
率を著しく向上せしめることができる。
【0017】この場合、請求項6に記載したように、前
記再処理は、切断ウエーハの切断面を研削・研磨するも
のとすることができる。すなわち、本発明で副生される
切断ウエーハは、一方の面が切断面であり、その反対側
の面はもとのシリコンウエーハのままの平坦な面であ
る。したがって、片面のみに研削等の再処理を加えれば
足りるので、再処理は簡単であり、且つその取りしろも
少なくて済む。
【0018】そして、本発明の請求項7に記載したよう
に、前記請求項5または請求項6に記載の方法で再処理
された切断ウエーハを、SOIウエーハのベースウエー
ハとして再利用することができる。このように、本発明
で副生される切断ウエーハを再処理して、ベースウエー
ハとして用いれば、実質上1枚のシリコンウエーハから
1枚のSOIウエーハを得ることができる。
【0019】こうして、本発明によって得られるSOI
ウエーハは、膜厚の均一な高品質なものとなり(請求項
8)、また再処理されたウエーハは結合熱処理が施され
ているので酸素析出が発生しており、いわゆるゲッタリ
ング効果を有する好適なものとなる(請求項9)。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。ここで、図1は本発明にかかるSOIウ
エーハの作製工程の概略を示す流れ図である。
【0021】以下、本発明を工程順にしたがって説明す
ると、図1においてまず、貼り合わせ法によりSOIウ
エーハを作製するための原料ウェーハ(単結晶シリコン
鏡面ウエーハ:例えばチョクラルスキー法で作製した直
径6インチ(150mm)、方位<100>のもの)で
あるボンドウェーハ2及びベースウェーハ3を用意する
(図1(A))。
【0022】この時、ベースウエーハ3の厚さは通常の
ものを用意すればよいが、ボンドウエーハ2の厚さは通
常のものより厚いものを用意し、切断後に切断ウエーハ
が再利用できるようにする。すなわち、ボンドウエーハ
2は少なくとも最終のSOI層厚とSOI層の薄膜化処
理厚(薄膜化に要する厚さ)と切断しろと切断ウエーハ
の再処理に要する厚さ分、再利用ウエーハの厚さより厚
くしたものとする。
【0023】例えば、上記の様な直径6インチの場合で
あれば、ベースウエーハ3の厚さを625μmとし、ボ
ンドウエーハ2の厚さを1100μmとすれば良い。用
いるベースウエーハおよびボンドウエーハの厚さをこの
様なものとすれば、材料ロスを最小限に抑制できるとと
もに、所望厚さを有する再利用ウエーハを得ることがで
きる。
【0024】次に、用意されたシリコン単結晶ウエーハ
のうち、例えばボンドウェーハ2に熱処理を施し、ボン
ドウエーハ表面に酸化膜4を形成する(図1(B))。
この酸化膜の形成は、ベースウエーハ3に行っても良い
し、両ウエーハともに酸化膜を形成しても良い。
【0025】次に、この酸化膜を形成した厚いボンドウ
エーハ2とベースウエーハ3を清浄な雰囲気下で密着さ
せる(図1(C))。そして、これに熱処理を加えて、
ボンドウエーハ2とベースウエーハ3を強固に結合さ
せ、貼り合わせウエーハ1とする。熱処理条件として
は、例えば、酸素または水蒸気を含む雰囲気下、800
℃〜1200℃の温度で2時間行えば良い(図1
(D))。
【0026】この時、ボンドウエーハ2とベースウエー
ハ3が強固に結合されるとともに、貼り合わせウエーハ
1の外表面全体、特にベースウエーハ側にも、後工程で
エッチング被膜となる酸化膜5が形成される。このよう
に、本発明は、通常の貼り合わせ法によるSOIウエー
ハの作製工程と同様に、1枚のシリコンウエーハと1枚
のシリコンウエーハを結合する片面結合であるため、ハ
ンドリングが困難で未結合部が発生し易いと言った問題
は生じない。
【0027】次に、ボンドウエーハ2を所定位置で主面
と平行に切断し、SOIウエーハ6と切断ウエーハ7と
に分割する(図1(E))。このように、ボンドウエー
ハとベースウエーハを結合後、ボンドウエーハを主面と
平行に切断するようにすれば、従来法のようにボンドウ
エーハのほとんど全てを研削、研磨あるいはエッチング
する方法に比して極めて簡単にSOIウエーハを作製す
ることができる。
【0028】この場合、ボンドウエーハの切断位置とし
ては、できるだけSOI層が薄くなるようにした方が、
その後のSOI層の薄膜化処理での取りしろが少なくて
済むし、切断ウエーハ7も厚くなるので望ましい。ただ
し、切断によってSOI層の表面には加工歪みが残留す
るので、これを除去し、表面を平坦化するとともに、S
OI層を所望厚とするための研削、研磨等の薄膜化処理
が必要であるので、これに要する厚さを残す必要があ
る。したがって、例えば100μm程度残すようにボン
ドウエーハを切断すれば、研削、研磨に約75μmを要
するので、残り25μm以下での所望厚のSOI層を得
ることができる。
【0029】そして、切断は、例えばダイヤモンド内周
刃8でボンドウエーハの所定厚さ位置で主面と平行に、
すなわち結合面と平行に切断すれば良い。内周刃切断装
置としては、例えばSOIウエーハを保持して固定する
保持盤と、これに対向配置される吸着盤を具備し、切断
するSOIウエーハを挟持するようにする。そして、保
持盤と吸着盤はそれぞれ、ウエーハ面に垂直方向に進退
動可能に構成されており、かつ保持盤は割り出しピッチ
機構を備え、ウエーハが傾斜して切断されないように、
内周刃と正確にSOIウエーハの結合面が平行になるよ
うに、面合わせ機能を有している。このような切断装置
を用いれば、簡単に結合ウエーハのボンドウエーハの所
定位置で主面と平行に切断して、SOIウエーハと切断
ウエーハに分割することができる。
【0030】この場合、図2に示したようにボンドウエ
ーハの周縁部に、予め切断のためのガイド溝9を設けて
おくようにすると、切断時に切断機のブレードがぶれた
りすることなく、確実に所望厚さで、精度良くボンドウ
エーハを切断することができる。
【0031】こうして得られたSOIウエーハ6の外周
部約2mmには、ボンドウエーハとベースウエーハの未
結合部が存在している。このような未結合部は、デバイ
スを作製するSOI層として用いることができない上
に、後工程で剥れ落ちて、種々の問題を引き起こすため
除去する必要がある。
【0032】未結合部を除去するには、図1(F)に示
すように、まず未結合部が存在するSOI層の外周部
を、幅wにわたって所定厚(残し厚)まで研削して除去
する。研削によれば、高速で除去することができるし、
加工精度もよいからである。この場合、残し厚としては
できるだけ薄くした方が、後工程であるエッチング工程
での取りしろを減少させることができるので好ましい。
【0033】しかし、エッチングと異なりシリコンウエ
ーハを機械的に研削すると、加工歪みが生じることは良
く知られており、あまり残し厚を薄くすると、埋め込み
酸化膜4、あるいはベースウエーハ3に加工歪みのよう
なダメージが到達してしまい、その後のエッチングによ
りSOI層の外周部の未結合部を完全に除去する際に、
ダメージを受けた埋め込み酸化膜4を通ってエッチング
液が、ベースウエーハ3の表面にも達し、この部分に傷
や凹凸を発生させ、その後のデバイス工程における歩留
を低下させてしまう。したがって、外周部の研削は、埋
め込み酸化膜4、ベースウエーハ3にダメージを与える
ことのない厚さまででとどめておく。
【0034】外周研削が終了したなら、エッチングによ
りSOIウエーハ外周部の未結合部を完全に除去する。
これは、酸化膜にくらべてシリコン単結晶のエッチング
速度が格段に大きいエッチング液に、SOIウエーハ6
を浸漬することによって行うことができる。すなわち、
SOI層側はシリコンが露出しているために、エッチン
グ液によってエッチングされるが、ベースウエーハ側
は、酸化膜5あるいは埋め込み酸化膜4で覆われている
ためにエッチングされない。そして、未結合部は上記外
周研削により充分に薄くされているので、この外周部が
エッチング除去された時点でSOIウエーハをエッチン
グ液から取り出すことにより、未結合部を完全に除去し
たSOIウエーハを得ることができる。
【0035】このような選択性をもったエッチングとし
ては、HF+HNO3 ,KOH,NaOH等によるエッ
チングを挙げることができるが、より選択性の大きいK
OH,NaOH等によるいわゆるアルカリエッチングと
するのが好ましい。
【0036】尚、ボンドウエーハ2とベースウエーハ3
を結合する熱処理を非酸化性雰囲気で行い、ベースウエ
ーハの裏面に酸化膜が形成されない場合には、上記未結
合部を完全に除去するエッチング工程の前に、耐エッチ
ング性テープ等により裏面を保護してからエッチングを
行うようにすればよい。
【0037】次に、図1(G)に示すように、SOI層
10の表面を通常の方法に従い研削及び研磨して、所望
厚さとするとともに表面を平坦化したのち、ベースウエ
ーハ3の酸化膜をエッチング除去する。酸化膜を除去す
るエッチングは、例えば50%のフッ酸にSOIウエー
ハ6を3〜4分浸漬すればよい。
【0038】ここで、上記した製造工程では、外周部の
研削、未結合部のエッチング除去、SOI層の研削・研
磨、という工程順としているが、外周部の研削後にSO
I層を所定厚まで研削し、その後未結合部のエッチング
除去をしてからSOI層表面の研磨を行うようにしても
よい。
【0039】こうしてボンドウエーハを切断する方法に
よりSOIウエーハを作製することができるが、本発明
ではさらにSOI層10の表面を気相エッチングして、
膜厚を均一化する工程を行うのが好ましい。このよう
に、SOI層の薄膜化工程において、最後に気相エッチ
ングによってSOI層の厚さを均一化するようにすれ
ば、気相エッチングは表面からの取りしろ管理とするこ
とができるので、予め用いるベースウエーハを超高平坦
度のものを用いたり、あるいは超高精度の研削、研磨等
の加工手法を用いなくとも、所望の膜厚均一性を有する
SOIウエーハを得ることができる。
【0040】このような気相エッチングする方法として
は、特開平5−160074号公報に開示されているい
わゆるPACE(plasma assisted chemical etching)
法と呼ばれる方法がある。このPACE法は気相エッチ
ングによる薄膜の厚さを均一化する方法であり、予め均
一化しようとするシリコン層の厚さの分布を測定して、
厚さ分布のマップを作成し、そのマップにしたがって数
値制御により厚い部分を局所的に気相エッチングにより
除去することによって、極薄でかつ膜厚がきわめて均一
な薄膜を作製することができる方法である。
【0041】そこで、本実施形態では、最後に、図1
(H)に示すように、SOI層10の表面をPACE法
による気相エッチングして薄膜の厚さを均一化する。こ
の方法では、まずSOIウエーハ6上のSOI層10の
厚さ分布を測定した後、その分布に従って、SOIウエ
ーハ6上を膜厚分布に応じて空洞11の走行速度を制御
することにより、空洞内のプラズマに暴露される時間が
制御され、その結果表面のエッチング除去量が制御され
ることによって、SOIウエーハ6上のSOI層10の
厚さを均一化するものである。プラズマは、SOIウエ
ーハ6を挟んで上下に配置された、電極12、13に高
周波電源14から高周波を印加することによって、空洞
11内に局在化して発生させる。そして、この空洞11
がSOIウエーハ6上を自在に走行できるようになって
いる。
【0042】こうして、膜厚均一性の極めて良いSOI
層を有するSOIウエーハを、ボンドウエーハを主面に
平行に切断する方法によって得ることができるが、この
ような本発明では、図1の工程(E)で示されるよう
に、切断ウエーハ7が副生される。そして、本発明では
予めボンドウエーハは厚いものを用いているので、切断
ウエーハは充分な厚さを有する。したがって、これに再
処理を加えてシリコンウエーハとして再利用すれば、S
OIウエーハの作製コストを著しく下げることが可能と
なる。
【0043】この場合特に、本発明で副生される切断ウ
エーハ7は、一方の面が切断面であり、その反対側の面
はもとのシリコンウエーハのままの平坦な面である。し
たがって、切断面側のみに研削・研磨等の再処理を加え
ればよい。したがって、片面だけの処理であるので簡単
であり、且つその取りしろも少なくて済む。すなわち、
通常のシリコンインゴットからスライスしてシリコンウ
エーハを得る場合には、両面が切断面であるため、ラッ
ピング、エッチング工程等が必要不可欠であり、その取
りしろも多いものとなるが、本発明の切断ウエーハは、
片面が平坦であるため、これを基準に切断面を研削・研
磨すれば足り、例えば75μmも取りしろがあれば、通
常のシリコン鏡面ウエーハと同じ平坦な面を得ることが
できる。
【0044】そして、こうして切断ウエーハを再処理し
て得られたシリコンウエーハを、SOIウエーハのベー
スウエーハとして再利用するようにすれば、実質上1枚
のシリコンウエーハから1枚のSOIウエーハを得るこ
とができ、材料としてのシリコンウエーハの利用率を著
しく改善することができる。
【0045】また、本発明によって切断ウエーハを再処
理して得られたシリコンウエーハは、図1の工程(D)
のように結合熱処理が施されているので、ウエーハ内に
酸素析出が発生しており、いわゆるゲッタリング効果を
有するものとなる。したがって、これをデバイス作製に
用いればデバイス作製歩留りを向上させることができる
し、上記の様にSOIウエーハのベースウエーハとして
用いた場合にも、SOI層に作製されるデバイス歩留り
の改善を図ることができる。
【0046】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 (実施例)まず、直径150mm(6インチ)、厚さ1
100μmと625μmで、導電型p型、抵抗率10〜
20Ω・cm の鏡面研磨されたCZ基板を用意し、厚い方
をボンドウエーハ用、通常の厚さである薄い方をベース
ウエーハ用とした。これらのウエーハの平坦度は、通常
の品質であるTTV値(Total Thickness Variation :
一枚のウエーハの中で一番厚い箇所と一番薄い箇所の厚
さの差)で2〜4μmのものを用いた。そして、これら
のウエーハを用いて図1の(A)〜(D)の工程にした
がい結合して、結合ウエーハを得た。
【0047】次に、図1の工程(E)のように、ボンド
ウエーハを主面と平行に内周刃によって切断した。SO
I層残し厚を100μmとした。内周刃の切断しろは約
300μmであった。したがって、約700μm厚の切
断ウエーハが副生された。
【0048】次に、図1の工程(F)、(G)のよう
に、SOIウエーハの周辺の未結合部を約60μm研削
した後、KOH水溶液中に浸漬してアルカリエッチング
を行って未結合部を完全に除去した。この際、SOI層
も約40μmエッチングされた。次に、SOI層を約4
0μm研削し、さらにSOI層の表面に取りしろ約15
μmの鏡面研磨を施した。こうして厚さ約5μmのSO
I層を有するSOIウエーハを作製した。この場合も、
研削あるいは研磨等は通常用いる装置により行った。
【0049】その後、図1の工程(H)の気相エッチン
グを行い、最後に取りしろ約10nmの研磨を施して、
厚さ1μmのSOI層を有するSOIウエーハを作製し
た。
【0050】こうしてできたSOIウエーハのSOI層
の膜厚をウエーハ面内の数千点で測定した所、全点1±
0.1μm以内の測定値が得られた。これは通常品質の
ベースウエーハおよび通常精度の研削・研磨を行ったに
もかかわらず得られたもので、気相エッチングを行わな
い通常法では高平坦度ウエーハ、高精度加工を行って
も、上記のようなSOI層の厚さ精度を得ることはでき
ない。
【0051】次に、図1の工程(E)で副生された厚さ
約700μmの切断ウエーハを、フッ酸で表面の酸化膜
を除去した後、切断面を約60μm研削し、その後約1
5μm鏡面研磨した。こうして得られたシリコンウエー
ハは、厚さ625μmであり、その平坦度等の表面の品
質は通常のシリコン鏡面ウエーハと何ら遜色の無いもの
が得られた。そこで、このシリコンウエーハを上記図1
に示した本発明のSOIウエーハ作製工程のベースウエ
ーハ3として用いた所、上記と同様に膜厚均一性のよい
高品質のSOIウエーハを得ることができた。したがっ
て、これを繰り返すことによって、実質上1枚のシリコ
ンウエーハから1枚のSOIウエーハを得ることができ
ることがわかった。
【0052】この場合、本発明の実施例では、厚さ11
00μmと625μmのシリコンウエーハを用いて、S
OIウエーハを得ることになる。1100μmと625
μmのシリコンウエーハを得るためには、それぞれ約1
400μmと900μmの厚さのスライスウエーハをイ
ンゴットから切り出さなければならない。しかし、1枚
の再処理ウエーハを得ることができるので、結局シリコ
ンの大雑把な材料使用量は、1400+900−900
=1400μmということになる。
【0053】一方、通常法では、厚さ625μmと62
5μmのシリコンウエーハを用いて、SOIウエーハを
得る。625μmのシリコンウエーハを得るためには、
約900μmの厚さのスライスウエーハをインゴットか
ら切り出さなければならない。したがって、大雑把な材
料使用量は、900+900=1800μmということ
になる。よって、本発明では、シリコンウエーハの利用
率も大幅な改善ができることがわかる。
【0054】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0055】例えば、上記では図1に示した工程で本発
明を実施する場合につき例を挙げて説明したが、本発明
はこの様な工程に限定されるものではなく、必要に応じ
工程順の入れ替え、変更、付加が行われるものである。
【0056】また、副生される切断ウエーハの再処理方
法も、上記で挙げた切断面を研削・研磨する場合に限ら
れるものではなく、エッチングあるいは熱処理等を加え
ても良い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、SO
Iウエーハの作製において、ボンドウエーハとベースウ
エーハを結合後、ボンドウエーハを主面と平行に切断す
ることによって、未結合部が発生し易い等の品質面の問
題を引き起こすことなく、きわめて簡単に、実質的に1
枚のシリコンウエーハから1枚のSOIウエーハを得る
ことができるようになり、シリコンウエーハの材料コス
トを著しく改善することができる。
【0058】また、これに合わせてSOI層の薄膜化処
理加工において気相エッチングにより厚さを均一化する
工程を導入し、表面からの取りしろ管理をするようにす
ることによって、用いるベースウエーハおよび加工精度
を通常品質のものとしても膜厚均一性のきわめて良好な
SOIウエーハを得ることができる。したがって、加工
コストの低減化もできるので、一層SOIウエーハの作
製コストを下げることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(H)は、本発明にかかるSOIウエ
ーハの作製工程の概略を示す流れ図である。
【図2】ボンドウエーハにガイド溝を設けた場合を示し
た図である。
【符号の説明】
1…貼り合わせウエーハ、 2…ボンドウエーハ、 3
…ベースウエーハ、4…酸化膜(埋め込み酸化膜)、
5…酸化膜(エッチング被膜)、6…SOIウエーハ、
7…切断ウエーハ、 8…内周刃、9…ガイド溝、
10…SOI層、 11…空洞、 12、13…電極、
14…高周波電源。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚のシリコンウエーハのうち、少なく
    とも一方のシリコンウエーハの表面に酸化膜を形成し、
    該酸化膜を介して他方のシリコンウエーハと密着させ、
    これに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバイス作
    製側ウエーハを主面と平行に切断し、次に該デバイス作
    製側ウエーハを所望厚さまで薄膜化することを特徴とす
    るSOIウエーハの作製方法。
  2. 【請求項2】 前記デバイス作製側ウエーハを所望厚さ
    まで薄膜化する工程において、SOI層の表面を気相エ
    ッチングして該薄膜の厚さを均一化する工程を行うこと
    を特徴とする請求項1記載のSOIウエーハの作製方
    法。
  3. 【請求項3】 用いるデバイス作製側ウエーハの厚さ
    は、少なくとも最終のSOI層厚とSOI層の薄膜化処
    理厚と切断しろと切断ウエーハの再処理に要する厚さ
    分、再利用ウエーハの厚さより厚くしたものとすること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のSOIウ
    エーハの作製方法。
  4. 【請求項4】 用いるデバイス作製側ウエーハの周縁部
    に、予め切断のためのガイド溝を設けておくことを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の
    SOIウエーハの作製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載のSOIウエーハの作製方法によって副生された
    切断ウエーハに、再処理を加えてシリコンウエーハとし
    て再利用する方法。
  6. 【請求項6】 前記再処理は、切断ウエーハの切断面を
    研削・研磨するものであることを特徴とする請求項5に
    記載の切断ウエーハを再利用する方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項5または請求項6に記載の方
    法で再処理された切断ウエーハを、SOIウエーハのベ
    ースウエーハとして再利用することを特徴とする切断ウ
    エーハを再利用する方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項1ないし請求項4の作製方法
    で作製されたSOIウエーハ。
  9. 【請求項9】 前記請求項5または請求項6に記載の方
    法で再処理された再利用に供されるシリコンウエーハ。
JP15832198A 1998-05-22 1998-05-22 Soiウエーハの作製方法およびsoiウエーハ Pending JPH11340443A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15832198A JPH11340443A (ja) 1998-05-22 1998-05-22 Soiウエーハの作製方法およびsoiウエーハ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15832198A JPH11340443A (ja) 1998-05-22 1998-05-22 Soiウエーハの作製方法およびsoiウエーハ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11340443A true JPH11340443A (ja) 1999-12-10

Family

ID=15669092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15832198A Pending JPH11340443A (ja) 1998-05-22 1998-05-22 Soiウエーハの作製方法およびsoiウエーハ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11340443A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005079109A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp 貼合せsoiウェーハの製造方法及び該方法により製造された貼合せsoiウェーハ
US7781309B2 (en) 2005-12-22 2010-08-24 Sumco Corporation Method for manufacturing direct bonded SOI wafer and direct bonded SOI wafer manufactured by the method
US8506832B2 (en) 2009-08-25 2013-08-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Wafer dividing apparatus and methods

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005079109A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp 貼合せsoiウェーハの製造方法及び該方法により製造された貼合せsoiウェーハ
JP4581349B2 (ja) * 2003-08-29 2010-11-17 株式会社Sumco 貼合せsoiウェーハの製造方法
US7781309B2 (en) 2005-12-22 2010-08-24 Sumco Corporation Method for manufacturing direct bonded SOI wafer and direct bonded SOI wafer manufactured by the method
US7855129B2 (en) 2005-12-22 2010-12-21 Sumco Corporation Method for manufacturing direct bonded SOI wafer and direct bonded SOI wafer manufactured by the method
US8506832B2 (en) 2009-08-25 2013-08-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Wafer dividing apparatus and methods

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7855129B2 (en) Method for manufacturing direct bonded SOI wafer and direct bonded SOI wafer manufactured by the method
JP3635200B2 (ja) Soiウェーハの製造方法
KR101151458B1 (ko) 접합 웨이퍼의 제조방법 및 접합 웨이퍼
KR100789205B1 (ko) 실리콘 웨이퍼 및 에스오아이 웨이퍼의 제조방법, 그리고그 에스오아이 웨이퍼
JP3352896B2 (ja) 貼り合わせ基板の作製方法
TWI394204B (zh) 鍵合晶圓的製造方法
US6583029B2 (en) Production method for silicon wafer and SOI wafer, and SOI wafer
EP1156531A1 (en) Method for recycled separated wafer and recycled separated wafer
JPH10223497A (ja) 貼り合わせ基板の作製方法
JP4398934B2 (ja) Soiウエーハの製造方法
JP2006222453A (ja) シリコンウエーハの製造方法及びシリコンウエーハ並びにsoiウエーハ
JP6168143B2 (ja) ハイブリッド基板の製造方法
JP2662495B2 (ja) 接着半導体基板の製造方法
JP3352902B2 (ja) 貼り合わせ基板の作製方法
KR20040060990A (ko) 접합 웨이퍼의 제조 방법
JP2001085648A (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法および貼り合わせウエーハ
JPH09260620A (ja) 結合ウエーハの製造方法およびこの方法で製造される結合ウエーハ
JPH11340443A (ja) Soiウエーハの作製方法およびsoiウエーハ
JPH06112173A (ja) 半導体シリコンエピタキシャル基板の製造方法
JP4581349B2 (ja) 貼合せsoiウェーハの製造方法
JPH1126337A (ja) 貼り合わせ基板の作製方法
JP2003151939A (ja) Soi基板の製造方法
JP3945130B2 (ja) 張り合わせ誘電体分離ウェーハの製造方法
JP3962972B2 (ja) 張り合わせ基板の製造方法
JP4440810B2 (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040420

A977 Report on retrieval

Effective date: 20051226

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060118

A521 Written amendment

Effective date: 20060313

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060912