JPH11339622A - 車両スタ―タ用通電スイッチ - Google Patents
車両スタ―タ用通電スイッチInfo
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- JPH11339622A JPH11339622A JP11040715A JP4071599A JPH11339622A JP H11339622 A JPH11339622 A JP H11339622A JP 11040715 A JP11040715 A JP 11040715A JP 4071599 A JP4071599 A JP 4071599A JP H11339622 A JPH11339622 A JP H11339622A
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Abstract
同様の過電流溶断機能を備え、ヒューズを用いずに構成
を簡略化した非常保護機能を有する車両スタータ用通電
スイッチを提供することを目的とするものである。 【解決手段】 この発明の車両スタータ用通電スイッチ
は、収納ケースの一部を構成し、一対の棒状の出力端子
軸が挿通する絶縁ベース、外部ケーブルが固着される前
記一対の棒状の出力端子軸、上記絶縁ベースのケース内
側端部においてそれぞれ上記出力端子軸と導電接続され
る屈曲板状の一対の出力端子片、一方の出力端子片に導
電接続された固定接点、他方の出力端子片と導電接続さ
れ、電磁コイルの発生する磁界に応じて動作する可動接
点を備えたヒンジ型の可動片からなり、上記可動片の動
作に基づいて上記接点間を開閉動作させることにより前
記一対の出力端子軸間を導通させると共に、負荷装置の
短絡事故に対し前記絶縁ベースが該短絡の過電流によっ
て溶融することにより前記接点間を開放する非常保護機
能も併せ有するものである。
Description
磁継電器(リレー)、すなわち、内燃機関を始動させる
ためのスタータを稼働させるために用いられる内燃機関
用スタータの通電スイッチとして、上記電磁継電器の機
能と共に短絡事故時の非常保護機能も併せ持つ通電スイ
ッチとして好適なスイッチ構造に関する。
られるスタータには、図17に示されるようなプランジ
ャー型のソレノイドを用いたマグネットスイッチが多く
用いられている。
実開昭51−81951号、実開昭55−15707
号、実開昭55−15709号などに開示されているよ
うに、合成樹脂製の絶縁ベースを挿通するように取り付
けられる一対の出力端子軸の内端部を軸線と直交する板
面を備えた板状に形成し、一対の出力端子軸の間の絶縁
ベース内にプランジャーを出力端子軸の軸線方向と平行
に配置して、ソレノイドの励磁状態によって当該軸線方
向に平行に移動可能に構成し、ソレノイドが励磁すると
プランジャーの先端部が一対の出力端子軸に接触するこ
とによって一対の出力端子軸同士を導通させるようにな
っている。出力端子軸は丸軸形状であってその絶縁ベー
スの外側に突出した外側部分には雄ネジが刻設されてい
る。
金が順次挿通され、これらはナットによって絶縁ベース
に対して締め付けられる。なお、このソレノイド方式の
場合、図17に見られる如く、可動接点と両出力端子軸
が絶縁ベースに取り付けられるそれぞれの個所との距離
はほぼ同じである。
タータへの供給電力の比較的少ない用途においては、通
電スイッチとして図6に示されるようなヒンジ型の電磁
リレーを用いる場合がある。この電磁リレーは、例えば
実開昭61−116051号公報、実開昭62−139
045号公報にも見られるように、一対の入力端子片に
接続された電磁コイルと、電磁コイルの一方の電極に接
合されたヨークと、ヨークに対してヒンジ構造により可
動に接続されるとともに電磁コイルの他方の電極に対し
て接離するように構成された可動片と、可動片に接続さ
れた可動接点と、一方が可動接点に導通されており、他
方が可動接点に対向する固定接点を備えた一対の出力端
子片とを備えたものである。上記リレーは、入力端子片
と出力端子片のソケット挿入部である外端部は、絶縁ベ
ースの薄板状の挿通部をそのまま挿通方向に伸ばした形
状の薄板状に形成されている。
ッチにおいては、原動機付き自転車など小型の内燃機関
を始動させるためのスタータに用いる場合には、マグネ
ットスイッチに較べて軽量、小型で制御電力も少ないこ
とから好都合である。
の入力端子片と一対の出力端子片とは合成樹脂製の絶縁
ベースを挿通し、絶縁ベースの外側に配置された外端部
をスタータのソケットに挿入するように構成されてい
る。
ータ動作時に該リレーに通常のスタータ電流を上回る過
電流が流れた場合、上記ソケットで外部端子が絶縁ベー
スにはめ込まれて固着されているので、上記過電流によ
る異常加熱により絶縁ベースが溶融しても、後述する本
願発明のように上記接点間が開放されることはない。
ューズが付いていないことが多いので、上記短絡事故が
起きると上記リレー自体やバッテリーから出ている電源
ケーブルの被覆が溶融し、場合によっては該溶融によっ
て上記接点間が短絡状態になるとバッテリーが完全に放
電するまで電流が流れ、最後には燃えだしてしまうこと
となる。
タに用いる場合、スタータには大電流が流れるので負荷
装置に短絡事故が発生すると過電流によりリレー自体が
燃えてしまうと同時に他の電気系の被覆が溶融したりし
て修復不可能な故障を発生し、最悪の場合は発火、炎上
等の危険性もあるという問題がある。
実公昭56−31004号公報に示されるように、25
0cc以上のオートバイでは該リレーはヒューズと一体化
して用いられている。しかし、上記ヒューズを別に取り
付けることは部品点数が増えることになり、構造も複雑
となる欠点がある。
グネットスイッチの改良型として構造が簡単で作り易
く、従って安価で、信頼性の高い電磁リレー構造であっ
て、なおかつ、前記従来の欠点を改良し、上記リレー自
体にヒューズと同様の過電流溶断機能を備え、ヒューズ
を用いずに構成を簡略化して、上記従来のヒューズを備
えたものと同機能を有するスタータ用通電スイッチを提
供することを目的とするものである。
に、この発明の車両スタータ用通電スイッチは、一対の
入力端子部及び一対の出力端子軸を備え、一対の前記入
力端子部の間に電圧を印加することにより電磁コイルに
磁力を発生させて一対の前記出力端子軸間を導通させる
ように構成された車両スタータ用通電スイッチにおい
て、収納ケースの一部を構成し、一対の棒状の出力端子
軸が挿通する絶縁ベース、該絶縁ベースを挿通すると共
に、外部ケーブルが固着される前記一対の棒状の出力端
子軸、上記絶縁ベースのケース内側端部においてそれぞ
れ上記出力端子軸と導電接続される屈曲板状の一対の出
力端子片、前記一方の出力端子片に導電接続された固定
接点、前記他方の出力端子片と導電接続され、前記電磁
コイルの発生する磁界に応じて動作する可動接点を備え
たヒンジ型の可動片からなり、上記可動片の動作に基づ
いて上記接点間を開閉動作させることにより前記一対の
出力端子軸間を導通させると共に、負荷装置の短絡事故
に対し前記絶縁ベースが該短絡の過電流によって溶融す
ることにより前記接点間を開放する非常保護機能も併せ
有することを特徴とする。
付け側に雄螺子部が形成され、該螺子部に前記外部ケー
ブルのターミナルがナットで取り付けられており、前記
一対の出力端子片における、前記開閉動作する接点と前
記絶縁ベースのケース内側端部との距離がそれぞれ異な
っていて、前記距離の短い方の一方の端子片と出力端子
軸が導電接続される側の絶縁ベースが前記過電流による
異常加熱により溶融して前記接点が開放されるまで、前
記距離の長い方の他方の端子片と出力端子軸が導電接続
される側の絶縁ベースが溶融されないような温度差を生
じるように前記それぞれの端子片の形状が構成されてい
る。
端子片取り付け部絶縁ベースが溶融する前記距離の短い
方の一方の端子片が固定接点側であることを特徴とす
る。さらに、前記構成において、絶縁ベースが過電流に
よる異常加熱により溶融する側の一方の端子片と接続さ
れる出力端子軸が、スプリング・ワッシャーを介して前
記絶縁ベースにネジ止めされており、前記絶縁ベース溶
融時該出力端子軸が上記スプリング・ワッシャーの復元
力によりケース外方に引き抜かれることを特徴とし、さ
らに、絶縁ベース溶融時、前記一方の端子片が前記可動
接点の圧接力により固定接点側の端子軸を中心にして接
点開放方向に回動することを特徴とする。
別途必要であったヒューズを備えなくても上記従来のも
のと同様の過電流保護機能が得られるので、スタータの
通電スイッチ装置の全体構成を簡略化でき、安価に作る
ことができる。
に係る通電スイッチの実施例について説明する。この実
施例は内燃機関用スタータの通電スイッチとして用いら
れる場合に適合するように構成した例を示すものであ
る。図1は本発明の通電スイッチの実施例の全体構造を
金属ケース20(図示−点鎖線で示す。)を取り外した
状態を示すための概略斜視図、図2は図1に示すヒンジ
型の電磁継電部30を除く部分の分解斜視図、図3
(a)は図2における絶縁ベース10の外面を示すため
の背面図であり、図3(b)は図2における絶縁ベース
10の内面の他の実施例を示す詳細図である。
銅合金などの良導体からなる一対の出力端子軸11をケ
ース内側から一対の軸挿通孔10aに挿通した後、図2
に示す出力端子片12,13を出力端子軸11のケース
内側端部11aに嵌合させ、図1に示す電磁継電部30
を絶縁ベース10に対して組み込むことによって構成さ
れている。なお、出力端子片12,13は出力端子軸1
1と同じ銅合金などの良導体で形成されている。
上の合成樹脂からなり、出力端子軸11を挿通する軸挿
通孔10aと、後述する入力端子片を挿通して外部に引
き出すための一対のスリット孔10bと、後述する電磁
継電部30のヨークに設けられた一対に延長部を挿通す
るための一対の矩形孔10cとを備えており、金属ケー
スの内側に嵌合するように構成された枠上の嵌合つば部
10j(図2)の上側部分の直下位置に金属製の接点保
持板14が圧入固定されている。なお、前記絶縁ベース
は通常ポリエチレンテレフタレート樹脂が用いられてお
り、上記接点保持板14は接点開放時の上側ストッパー
である。
は、図3(b)の10mに示される横長のスリット穴が
形成されており、後述する出力端子片13の圧入部13
c(図2)を圧入固定するようになっている。
すように横長の厚肉部10dが設けられ、この厚肉部1
0dの表面に上記挿通孔10aの背面側の開口が形成さ
れている。厚肉部10dにおける軸挿通孔10aの開口
縁部10iは図4に示すように円錐面に成形されてい
る。絶縁ベース10の背面の上部には一対の出力端子1
1間を遮るように三角柱形状の庇部10e(図1,図
3)が設けられ、この庇部10eからさらに背面側及び
下方に伸びる板上の仕切部10f(図1,図3)も形成
されている。厚肉部10dの下には、一対の凹部10g
が形成されており、これらの凹部10gの内部にそれぞ
れ上記スリット孔10b及び矩形孔10c(図2,図
3)が開口している。また、凹部10g内におけるスリ
ット孔10bの内側側方には、さらに円形状の円凹部1
0hがそれぞれ設けられている。
形成し、10i,10k,10lは該平面に対する凹部
となっている。10lは、前記端子片の12f、13f
(図2)の部分がはめ込まれる凹部であり、10aは端
子軸挿入口である。10iは前記接点保持板14の支持
構造用に設けられたものである。
いる。該凹部10kが設けられていると、該凹部10k
と凹部10lの境界となる部分10nが前記短絡時の溶
融により溶けるスピードが早まる効果があり、その分後
述する接点圧による回動が早まり動作が確実なものとな
る。以上の全ての構造は射出成形などによって一体に形
成されている。
り、ケース内側端部11aは軸線方向と直交する板面を
備えた板状に形成され、その表面は平面となっている。
出力端子軸11の内端部11aの表面の中心部には図2
に示すように小径の軸状に形成された突出軸部11bが
設けられている。出力端子軸11における軸挿通孔10
a内に挿通された部分は円筒面状の外周部を備えている
が、図4に示すように軸挿通孔10aに挿通された部分
よりも外部側には雄ネジ11cが刻設されている。この
雄ネジ11cには図4に示す防水用のOリング15及び
Oリングを加圧するための平座金16が挿通され、さら
に図3に示すスプリング・ワッシャー(ばね座金)17
が挿通された後、ナット18,19が螺入され、締め付
けられる。
シメ孔12bを備えたヨーク取付部12aと、このヨー
ク取付部12aから伸びる帯板状の平帯部12cと、平
帯部12cに対して約30度程度屈曲して内側斜め方向
に伸びる傾斜板部12dと、傾斜板部12dに対して再
び傾斜し、平帯部12cと再び平行になるとともに途中
から上下方向に幅広に形成された幅変化部12eと、幅
変化部12eから直角に屈曲して上記出力端子軸11の
内端部11aの表面と平行な板面を備えた平板状の接触
板部12fとを有する。接触板部12fのほぼ中央には
内端部11aの中央の突出軸部11bを挿通可能な軸孔
12gが形成されている。
る対面部13aの表面状に固定接点13bが固定されて
おり、この固定接点13bの奥側は圧入部13cとな
り、絶縁ベース10に形成された図示しないスリット穴
に圧入固定される。対面部13aから水平に伸びる連結
部13dの絶縁ベース側はほぼ直角に屈曲して垂直な平
板状の接触板部13eとなっており、この接触板部13
eは出力端子軸11のケース内側端部11aに当接する
ようになっている。接触板部13eの中央には突出軸部
11bを受け入れるための軸孔13fが形成されてい
る。なお、理解を容易にするため繰り返すと、図1にお
いて、31は合成樹脂性のコイルスプール、14は金属
製の接点保持板、30,34は同材質のヨーク及び可動
片、33はリン青銅のバネである。図1において、符号
31を付けられているところは、すべて一体化されてい
ている一つの部材である。
うに、合成樹脂からなるコイルスプール31の中心孔に
図示しない鉄心が挿通され、断面L字状のヨーク32が
下側のコイルスプール31の下部にて鉄心に接合されて
いる。ヨーク32の上端部には薄いリン青銅などの薄板
からなるL字型の可動接点ばね33の下部37が固定さ
れている。この可動接点ばね33の上端部38はコイル
スプール31の上部に配置された、材質は同じでヨーク
32とは別体の可動片34を固着すると共にそのまま延
伸し、先端に図示しない可動接点を取付け、この可動接
点は接点保持板14の下方に配置されている。コイルス
プール31の円筒部の外周面には電磁コイル35が巻回
され、この電磁コイル35から引き出された導電線の両
端部は、コイルスプール31の側部に圧入された一対の
入力端子片36(一方のみを図示している。)に接続さ
れている。
一対の上記スリット孔10bにそれぞれ圧入され、図3
に示す絶縁ベース10の背面側に設けられた凹部10g
の内部に突出している。コイルスプール31の上部には
一対の相互に対称形に形成された凸部31a(図1)が
設けられており、これらの凸部31aに形成された凹溝
部31bに接点保持板14の周縁部に設けられた突起1
4aが嵌合するようになっている。コイルスプール31
に取り付けられたヨーク32の下部には、絶縁ベース1
0側の端部に図示しない一対の延長部が設けられてお
り、これらの延長部は絶縁ベース10の下部に設けられ
た図2及び図3に示す矩形孔10cに挿通される。
子片12,13の接触板部12f,13eが出力端子軸
11のケース内側端部11aに接するように突出軸部1
1bを軸孔12g,13fに挿通させた状態で、電磁継
電部30を図1に示すように絶縁ベース10に対して装
着する。このとき、出力端子片12のヨーク取付部12
aに形成されたカシメ孔12bに対してヨーク32の側
部に設けられた突起32a(図1)を挿通され、突起3
2aの挿通されて突出した部分をカシメ加工することに
よって出力端子片12はヨーク32に固定される。ま
た、出力端子片12,13の軸孔12g,13fに挿通
された突出軸部11bもカシメ加工によって軸孔12
g,13fの開口縁部に広がった形状となり、これによ
って出力端子軸11と出力端子片12,13とが接続固
定される。
装着する際に、一対の入力端子片36はスリット孔10
bに挿通されて絶縁ベース10の背面部に設けられた凹
部10g内に突出し、ヨーク32の一対の延長部は矩形
孔10cに挿通されて絶縁ベース10の背面部に設けら
れた凹部10g内に突出する。絶縁ベース10の背面部
に突出したヨーク32の延長部の凹部10g内に突出し
た部分が凹部10g内においてカシメ加工を受けること
により、電磁継電部30は絶縁ベース10に対して固定
される。なお、スリット孔10bを挿通して絶縁ベース
10の背面側の凹部10g内に突出した入力端子片36
の外端部には入力配線が接続される。この状態で外端部
は隣接する円凹部10hに向けて屈曲させられ、その
後、凹部10g内に樹脂が流し込まれて密封される。
突出した一対の入力端子片36の外端部の間に所定値以
上の電圧を印加すると、電磁コイル35に電流が流れて
励磁され、可動片34が図示しない鉄心の上端部に形成
された磁極に吸引されて可動接点ばね33の先端部に設
けられた図示しない可動接点が下方向に動き、出力端子
片13の固定接点13bに接触する。これによって、一
方の出力端子軸11から出力端子片12、ヨーク32、
可動接点ばね33、可動接点、固定接点13b、出力端
子片13、他方の出力端子軸11までの導通経路が形成
される(図10参照)。
充分な断面積を備えた出力端子軸11を絶縁ベース10
に挿通させ、出力端子軸のケース内側端部(絶縁ベース
10の前面側であって、金属ケース20の内側に配置さ
れた端部)に対して電磁継電部30に接続された出力端
子片12,13を導電接続しているため、通常動作時に
絶縁ベースの挿通部や外部の配線コードやソケットとの
間の接合部において過熱し、絶縁ベースが変形したり、
接合部が焼損したりすることを防止することができる。
また、この実施例においては、図4に示すように、出力
端子片12,13のいずれもが出力端子軸11のケース
内側端部11aの表面に対して屈曲部を介して平行に設
けられた接触板部12f,13eを備えており、これら
の接触板部12f,13eの表面をケース内側端部11
aに当接させた状態で導通が確保されているので、出力
端子軸と出力端子片との間の導電接触部の接合面積を大
きくすることができ、通常動作時に大電流を流しても接
合部の過熱や焼損などを防止することができる。
したときの動作を説明する。車両用スタータは動作時大
電流が流れるので、負荷装置が短絡状態となると大電流
が流れっぱなしとなって危険である。すなわち、加熱に
よりスタータの電気系は電線の被覆等が至るところで溶
融し修復不可能になると同時に、場合によっては発火
し、最悪の場合は炎上・爆発等の危険もある。このた
め、従来は別途ヒューズを設けていたが、この発明の通
電スイッチは上記ヒューズと同様に短絡事故時の過電流
による非常保護装置としても機能する。その動作は、以
下のとおりである。
の通電スイッチの要部を示したものである。図6が図1
の上面図に相当し、図5,図7は、図6の左右切り欠き
側面図である。図8は、図6の底面図であり、図9は、
前記端子片のみを取り出した詳細図である。
に相当する端子ボルト(C端子)、21はC端子・ヨー
ク接合部、22は可動片・ヨーク接合部、24は図1の
他の出力端子軸11に相当する端子ボルト(固定片)で
ある。図9において、25はC端子(図1の出力端子片
12)、26は可動片(図1の33)、27は可動接点
及びその下部にある固定接点、28は固定片(図1の出
力端子片13)である。
すると、バッテリー31からの電流はC端子20から、
可動片26,可動接点、固定接点27を介して端子ボル
ト(固定片)側に流れる。この系の中に省略されている
が、スタータ・モーターが配置されており、車両のエン
ジンを始動させる。
は、平座金と共に図11に示されるスプリング・ワッシ
ャー40が間挿される。該スプリング・ワッシャー40
は、図11(a)に示される締め付け状態から図11
(b)に示される開放状態になるとき、バネの復元力に
より2〜3mm図の上下方向に伸張する。前記短絡故障時
の加熱により前記絶縁ベース10が溶融すると、絶縁ベ
ースによる出力端子軸11の締め付けが緩んで該ワッシ
ャーは復元し、該復元時の該ワッシャーの復元力により
前記端子ボルト(固定片)24は絶縁ベースと反対方向
(外方向)に引き抜かれる。この状態を図12に示す。
磁継電部動作時に可動接点を固定接点13bに当接させ
るため、電磁石42に吸引されている可動切片43は、
そのバネ圧により可動接点41を図面下方に押してお
り、前記絶縁ベースの溶融時には固定接点を固定してい
る絶縁ベースが溶融により緩むことによりその絶縁ベー
スの固定力が緩み、図13(c)に示されるように、固
定接点13bは端子ボルト(固定片)44を中心にして
回動するように下方向に押し出される。結果的に前記溶
融時には、前記引き抜き動作と相俟って前記可動接点4
1と固定接点13bとの間が開放されることになる。
保護動作が行われるためには、絶縁ベース溶融時、上記
端子軸がフリーとなる必要がある。実開昭62−139
045号公報にも示されるような従来のこの型のリレー
においては、一対の入力端子片と一対の出力端子片は絶
縁ベースの外側に配置された外端部をスタータのソケッ
トに挿入するように構成されているので、上記ソケット
で外部端子が絶縁ベースにはめ込まれて固着されている
ため、絶縁ベース溶融時上記端子軸がフリーにならない
ので上記動作は生じない。この発明は、通常動作時の電
流容量を大きくした丸棒状の端子軸と該端子軸への外部
ケーブル接続をナット締めで行う構造の組み合わせを車
両スタータ用通電スイッチに用い、上記絶縁ベース溶融
時該端子軸がフリーになる点に特徴がある。
過電流を流した場合の測定結果を示す。図15にその測
定結果(サンプル9)の例(グラフ)を示す。
おける測定部52,51の温度の測定結果である。図1
5において、横軸は経過時間であり、図15に見られる
ように、固定端子側52の方の温度上昇がC端子側51
の温度上昇より大きく、通電後の経過時間4分47秒後
に固定端子側で絶縁ベースが225℃となって溶融し、
接点が開放されて通電が止まっている。なお、この時C
端子側51の温度上昇は175℃であり、絶縁ベースは
まだ溶融していない。同様に、他のサンプルのデータに
ついて説明すると、表1において、NG時間とは、前記
通電後接点開放に至るまでの経過時間である。接点開放
後は、通電による加熱も終了するので前記溶融した絶縁
ベースは開放状態のまま自然に固まることになる。オフ
ロック時の温度上昇値とは、前記接点開放時の上記固定
端子側52及びC端子側51の温度値である。
端子側51の間に温度差が生じる動作を説明する。表2
には、前記各部の抵抗を調べるため、通電実験時の前記
通電スイッチの各部分の電圧値、抵抗値を測定した結果
を示す。表中のA〜Eは図16に図示される同じ記号の
個所を示す。
抵抗値はC〜Dの間の抵抗値に較べるとはるかに小さ
い。これは接点個所の接触抵抗がA,E間の大部分を占
めており、前記過電流時の発熱も大部分が該接点部分で
生じることを意味している。端子片12,13等は銅を
用いているので熱伝導性及び放熱性が良く、従って前記
測定個所52,51の温度上昇は前記接点と前記測定個
所(絶縁ベースへの取り付け部)間の距離によって決ま
り、上記測定個所の温度上昇差はこのようにして生じる
ものと考えられる。上記温度上昇の差は、一方の端子片
可動接点側(C端子側)12が固定されている状態で、
固定接点側13が溶融して移動可能となることを意味
し、このことはこの発明の非常保護動作(異常時の接点
開放動作)を確実にするためには重要な事項である。す
なわち、両方の端子片が同時に溶融する状況では前記開
放動作が必ず起こるとは保証されないからである。表3
に上記固定片の移動距離の測定値を示す。
記開放試験を行ったが、いずれも前記オフ動作をし、非
常保護装置として十分信頼性の高いものであることが確
認された。
縁ベースを挿通する出力端子軸のケース内側端部と、電
磁継電部の接点ブロックに導電接続された出力端子片と
を導電接続したことにより、外部の配線やソケットなど
と接続される出力端子軸の電流容量を大きくし、通常動
作時の出力端子軸の過熱による絶縁ベースの変形や導電
接続部の焼損などを防止することができる。特に、出力
端子片の屈曲部の先に形成された接触板状部の表面が出
力端子軸の内端部の表面に当接するように構成すること
ができ、出力端子片と出力端子軸との接合面積を大きく
とることができ、この接合部の過熱や焼損を防止するこ
とができる。
要とされたヒューズを併用しなくても、ヒューズを用い
た場合と同様の過電流保護機能を該通電スイッチ自体が
有しており、その動作の信頼性も高いものである。従っ
て、従来より部品点数が少なくなり、明らかに構成が簡
単で、手軽で安価な非常保護機能を兼ね備えた車両スタ
ータ用通電スイッチが実現できた。
属ケースを取り外した状態を示す斜視図である。
の分解斜視図である。
ースの背面部を示す背面図(a)及び正面図(b)であ
る。
力端子片との接続部分(2ヶ所)を拡大して示す拡大縦
断面図(a)及び(b)である。
あり図6の左右切り欠き側面図である。
あり図1の上面図である。
あり図6の左右切り欠き側面図である。
あり図6の底面図である。
である。
の流れを説明する図である。
シャーを示す。
明図である。
作態様を示す。
す。
定個所を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 一対の入力端子部及び一対の出力端子軸
を備え、一対の前記入力端子部の間に電圧を印加するこ
とにより電磁コイルに磁力を発生させて一対の前記出力
端子軸間を導通させるように構成された車両スタータ用
通電スイッチにおいて、 収納ケースの一部を構成し、一対の棒状の出力端子軸が
挿通する絶縁ベース、該絶縁ベースを挿通すると共に、
外部ケーブルが固着される前記一対の棒状の出力端子
軸、上記絶縁ベースのケース内側端部においてそれぞれ
上記出力端子軸と導電接続される屈曲板状の一対の出力
端子片、前記一方の出力端子片に導電接続された固定接
点、前記他方の出力端子片と導電接続され、前記電磁コ
イルの発生する磁界に応じて動作する可動接点を備えた
ヒンジ型の可動片からなり、上記可動片の動作に基づい
て上記接点間を開閉動作させることにより前記一対の出
力端子軸間を導通させると共に、負荷装置の短絡事故に
対し前記絶縁ベースが該短絡の過電流によって溶融する
ことにより前記接点間を開放する非常保護機能も併せ有
することを特徴とする車両スタータ用通電スイッチ。 - 【請求項2】 前記棒状の出力端子軸の外部ケーブル取
り付け側に雄螺子部が形成され、該螺子部に前記外部ケ
ーブルのターミナルがナットで取り付けられることを特
徴とする前記請求項1記載の車両スタータ用通電スイッ
チ。 - 【請求項3】 前記一対の出力端子片における、前記開
閉動作する接点と前記絶縁ベースのケース内側端部との
距離がそれぞれ異なっていて、前記距離の短い方の一方
の端子片と出力端子軸が導電接続される側の絶縁ベース
が前記過電流による異常加熱により溶融して前記接点が
開放されるまで、前記距離の長い方の他方の端子片と出
力端子軸が導電接続される側の絶縁ベースが溶融されな
いような温度差を生じるように前記それぞれの端子片の
形状が構成されていることを特徴とする前記請求項1ま
たは2記載の車両スタータ用通電スイッチ。 - 【請求項4】 過電流による異常加熱により、上記端子
片取り付け部絶縁ベースが溶融する前記距離の短い方の
一方の端子片が固定接点側であることを特徴とする前記
請求項3または4記載の車両スタータ用通電スイッチ。 - 【請求項5】 絶縁ベースが過電流による異常加熱によ
り溶融する側の一方の端子片と接続される出力端子軸
が、スプリング・ワッシャーを介して前記絶縁ベースに
ネジ止めされており、前記絶縁ベース溶融時該出力端子
軸が上記スプリング・ワッシャーの復元力によりケース
外方に引き抜かれることを特徴とする前記請求項1〜4
の内、いずれか1項記載の車両スタータ用通電スイッ
チ。 - 【請求項6】 絶縁ベース溶融時、前記一方の端子片が
前記可動接点の圧接力により固定接点側の端子軸を中心
にして接点開放方向に回動することを特徴とする前記請
求項4または5記載の車両スタータ用通電スイッチ。
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---|---|---|---|
JP04071599A JP4088338B2 (ja) | 1998-03-26 | 1999-02-18 | 車両スタータ用通電スイッチの非常保護方法 |
CN 00101914 CN1201360C (zh) | 1999-02-18 | 2000-01-28 | 通电开关 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10049098 | 1998-03-26 | ||
JP10-100490 | 1998-03-26 | ||
JP04071599A JP4088338B2 (ja) | 1998-03-26 | 1999-02-18 | 車両スタータ用通電スイッチの非常保護方法 |
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---|---|
JPH11339622A true JPH11339622A (ja) | 1999-12-10 |
JP4088338B2 JP4088338B2 (ja) | 2008-05-21 |
Family
ID=26380232
Family Applications (1)
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JP04071599A Expired - Fee Related JP4088338B2 (ja) | 1998-03-26 | 1999-02-18 | 車両スタータ用通電スイッチの非常保護方法 |
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Country | Link |
---|---|
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5923137U (ja) * | 1982-08-02 | 1984-02-13 | オムロン株式会社 | リレ−の端子装置 |
JPS6149327A (ja) * | 1984-08-16 | 1986-03-11 | 松下電器産業株式会社 | 温度過昇防止装置 |
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JPH04136845U (ja) * | 1991-06-12 | 1992-12-21 | 日本電気株式会社 | 電磁リレー |
JPH0969327A (ja) * | 1995-08-30 | 1997-03-11 | Mitsuba Corp | 電磁スイッチにおけるターミナルハウジングの組付け構造 |
-
1999
- 1999-02-18 JP JP04071599A patent/JP4088338B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
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Publication number | Publication date |
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