JP4088338B2 - 車両スタータ用通電スイッチの非常保護方法 - Google Patents

車両スタータ用通電スイッチの非常保護方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車両スタータ用電磁継電器(リレー)、すなわち、内燃機関を始動させるためのスタータを稼働させるために用いられる内燃機関用スタータの通電スイッチとして、上記電磁継電器の機能と共に短絡事故時の非常保護機能も併せ持つ通電スイッチとして好適なスイッチ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関を始動させるために用いられるスタータには、図17に示されるようなプランジャー型のソレノイドを用いたマグネットスイッチが多く用いられている。
【0003】
この種のマグネットスイッチにおいては、実開昭51−81951号、実開昭55−15707号、実開昭55−15709号などに開示されているように、合成樹脂製の絶縁ベースを挿通するように取り付けられる一対の出力端子軸の内端部を軸線と直交する板面を備えた板状に形成し、一対の出力端子軸の間の絶縁ベース内にプランジャーを出力端子軸の軸線方向と平行に配置して、ソレノイドの励磁状態によって当該軸線方向に平行に移動可能に構成し、ソレノイドが励磁するとプランジャーの先端部が一対の出力端子軸に接触することによって一対の出力端子軸同士を導通させるようになっている。出力端子軸は丸軸形状であってその絶縁ベースの外側に突出した外側部分には雄ネジが刻設されている。
【0004】
この雄ネジにはOリング、平座金、ばね座金が順次挿通され、これらはナットによって絶縁ベースに対して締め付けられる。なお、このソレノイド方式の場合、図17に見られる如く、可動接点と両出力端子軸が絶縁ベースに取り付けられるそれぞれの個所との距離はほぼ同じである。
【0005】
一方、50ccのオートバイなどのようにスタータへの供給電力の比較的少ない用途においては、通電スイッチとして図6に示されるようなヒンジ型の電磁リレーを用いる場合がある。この電磁リレーは、例えば実開昭61−116051号公報、実開昭62−139045号公報にも見られるように、一対の入力端子片に接続された電磁コイルと、電磁コイルの一方の電極に接合されたヨークと、ヨークに対してヒンジ構造により可動に接続されるとともに電磁コイルの他方の電極に対して接離するように構成された可動片と、可動片に接続された可動接点と、一方が可動接点に導通されており、他方が可動接点に対向する固定接点を備えた一対の出力端子片とを備えたものである。上記リレーは、入力端子片と出力端子片のソケット挿入部である外端部は、絶縁ベースの薄板状の挿通部をそのまま挿通方向に伸ばした形状の薄板状に形成されている。
【0006】
上記の電磁リレーを用いた従来の通電スイッチにおいては、原動機付き自転車など小型の内燃機関を始動させるためのスタータに用いる場合には、マグネットスイッチに較べて軽量、小型で制御電力も少ないことから好都合である。
【0007】
しかし、この型のリレーにおいては、一対の入力端子片と一対の出力端子片とは合成樹脂製の絶縁ベースを挿通し、絶縁ベースの外側に配置された外端部をスタータのソケットに挿入するように構成されている。
【0008】
従って、負荷装置に短絡事故が生じ、スタータ動作時に該リレーに通常のスタータ電流を上回る過電流が流れた場合、上記ソケットで外部端子が絶縁ベースにはめ込まれて固着されているので、上記過電流による異常加熱により絶縁ベースが溶融しても、後述する本願発明のように上記接点間が開放されることはない。
【0009】
通常125cc以下のクラスでは後述するヒューズが付いていないことが多いので、上記短絡事故が起きると上記リレー自体やバッテリーから出ている電源ケーブルの被覆が溶融し、場合によっては該溶融によって上記接点間が短絡状態になるとバッテリーが完全に放電するまで電流が流れ、最後には燃えだしてしまうこととなる。
【0010】
上記のように、従来の電磁リレーをスタータに用いる場合、スタータには大電流が流れるので負荷装置に短絡事故が発生すると過電流によりリレー自体が燃えてしまうと同時に他の電気系の被覆が溶融したりして修復不可能な故障を発生し、最悪の場合は発火、炎上等の危険性もあるという問題がある。
【0011】
従って、特公昭62−58098号公報や実公昭56−31004号公報に示されるように、250cc以上のオートバイでは該リレーはヒューズと一体化して用いられている。しかし、上記ヒューズを別に取り付けることは部品点数が増えることになり、構造も複雑となる欠点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、従来のマグネットスイッチの改良型として構造が簡単で作り易く、従って安価で、信頼性の高い電磁リレー構造であって、なおかつ、前記従来の欠点を改良し、上記リレー自体にヒューズと同様の過電流溶断機能を備え、ヒューズを用いずに構成を簡略化して、上記従来のヒューズを備えたものと同機能を有するスタータ用通電スイッチを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の車両スタータ用通電スイッチは、一対の入力端子部及び一対の出力端子軸を備え、一対の前記入力端子部の間に電圧を印加することにより電磁コイルに磁力を発生させて一対の前記出力端子軸間を導通させるように構成された車両スタータ用通電スイッチにおいて、
収納ケースの一部を構成し、一対の棒状の出力端子軸が挿通する絶縁ベース、該絶縁ベースを挿通すると共に、外部ケーブルが固着される前記一対の棒状の出力端子軸、上記絶縁ベースのケース内側端部においてそれぞれ上記出力端子軸と導電接続される屈曲板状の一対の出力端子片、前記一方の出力端子片に導電接続された固定接点、前記他方の出力端子片と導電接続され、前記電磁コイルの発生する磁界に応じて動作する可動接点を備えたヒンジ型の可動片からなり、上記可動片の動作に基づいて上記接点間を開閉動作させることにより前記一対の出力端子軸間を導通させると共に、負荷装置の短絡事故に対し前記絶縁ベースが該短絡の過電流によって溶融することにより前記接点間を開放する非常保護機能も併せ有することを特徴とする。
【0014】
前記棒状の出力端子軸の外部ケーブル取り付け側に雄螺子部が形成され、該螺子部に前記外部ケーブルのターミナルがナットで取り付けられており、前記一対の出力端子片における、前記開閉動作する接点と前記絶縁ベースのケース内側端部との距離がそれぞれ異なっていて、前記距離の短い方の一方の端子片と出力端子軸が導電接続される側の絶縁ベースが前記過電流による異常加熱により溶融して前記接点が開放されるまで、前記距離の長い方の他方の端子片と出力端子軸が導電接続される側の絶縁ベースが溶融されないような温度差を生じるように前記それぞれの端子片の形状が構成されている。
【0015】
また、過電流による異常加熱により、上記端子片取り付け部絶縁ベースが溶融する前記距離の短い方の一方の端子片が固定接点側であることを特徴とする。
さらに、前記構成において、絶縁ベースが過電流による異常加熱により溶融する側の一方の端子片と接続される出力端子軸が、スプリング・ワッシャーを介して前記絶縁ベースにネジ止めされており、前記絶縁ベース溶融時該出力端子軸が上記スプリング・ワッシャーの復元力によりケース外方に引き抜かれることを特徴とし、さらに、絶縁ベース溶融時、前記一方の端子片が前記可動接点の圧接力により固定接点側の端子軸を中心にして接点開放方向に回動することを特徴とする。
【0016】
この発明の構成を用いることにより、従来別途必要であったヒューズを備えなくても上記従来のものと同様の過電流保護機能が得られるので、スタータの通電スイッチ装置の全体構成を簡略化でき、安価に作ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る通電スイッチの実施例について説明する。
この実施例は内燃機関用スタータの通電スイッチとして用いられる場合に適合するように構成した例を示すものである。図1は本発明の通電スイッチの実施例の全体構造を金属ケース20(図示−点鎖線で示す。)を取り外した状態を示すための概略斜視図、図2は図1に示すヒンジ型の電磁継電部30を除く部分の分解斜視図、図3(a)は図2における絶縁ベース10の外面を示すための背面図であり、図3(b)は図2における絶縁ベース10の内面の他の実施例を示す詳細図である。
【0018】
この実施例では、絶縁ベース10に対して銅合金などの良導体からなる一対の出力端子軸11をケース内側から一対の軸挿通孔10aに挿通した後、図2に示す出力端子片12,13を出力端子軸11のケース内側端部11aに嵌合させ、図1に示す電磁継電部30を絶縁ベース10に対して組み込むことによって構成されている。なお、出力端子片12,13は出力端子軸11と同じ銅合金などの良導体で形成されている。
【0019】
絶縁ベース10は図2に示すように矩形板上の合成樹脂からなり、出力端子軸11を挿通する軸挿通孔10aと、後述する入力端子片を挿通して外部に引き出すための一対のスリット孔10bと、後述する電磁継電部30のヨークに設けられた一対に延長部を挿通するための一対の矩形孔10cとを備えており、金属ケースの内側に嵌合するように構成された枠上の嵌合つば部10j(図2)の上側部分の直下位置に金属製の接点保持板14が圧入固定されている。なお、前記絶縁ベースは通常ポリエチレンテレフタレート樹脂が用いられており、上記接点保持板14は接点開放時の上側ストッパーである。
【0020】
この接点保持板14の圧入固定部の直下には、図3(b)の10mに示される横長のスリット穴が形成されており、後述する出力端子片13の圧入部13c(図2)を圧入固定するようになっている。
【0021】
絶縁ベース10の背面には図1〜図3に示すように横長の厚肉部10dが設けられ、この厚肉部10dの表面に上記挿通孔10aの背面側の開口が形成されている。厚肉部10dにおける軸挿通孔10aの開口縁部10iは図4に示すように円錐面に成形されている。絶縁ベース10の背面の上部には一対の出力端子11間を遮るように三角柱形状の庇部10e(図1,図3)が設けられ、この庇部10eからさらに背面側及び下方に伸びる板上の仕切部10f(図1,図3)も形成されている。厚肉部10dの下には、一対の凹部10gが形成されており、これらの凹部10gの内部にそれぞれ上記スリット孔10b及び矩形孔10c(図2,図3)が開口している。また、凹部10g内におけるスリット孔10bの内側側方には、さらに円形状の円凹部10hがそれぞれ設けられている。
【0022】
図3(b)において、斜線部が同一平面を形成し、10i,10k,10lは該平面に対する凹部となっている。10lは、前記端子片の12f、13f(図2)の部分がはめ込まれる凹部であり、10aは端子軸挿入口である。10iは前記接点保持板14の支持構造用に設けられたものである。
【0023】
この実施例では、凹部10kが設けられている。該凹部10kが設けられていると、該凹部10kと凹部10lの境界となる部分10nが前記短絡時の溶融により溶けるスピードが早まる効果があり、その分後述する接点圧による回動が早まり動作が確実なものとなる。以上の全ての構造は射出成形などによって一体に形成されている。
【0024】
出力端子軸11は丸棒状に形成されており、ケース内側端部11aは軸線方向と直交する板面を備えた板状に形成され、その表面は平面となっている。出力端子軸11の内端部11aの表面の中心部には図2に示すように小径の軸状に形成された突出軸部11bが設けられている。出力端子軸11における軸挿通孔10a内に挿通された部分は円筒面状の外周部を備えているが、図4に示すように軸挿通孔10aに挿通された部分よりも外部側には雄ネジ11cが刻設されている。この雄ネジ11cには図4に示す防水用のOリング15及びOリングを加圧するための平座金16が挿通され、さらに図3に示すスプリング・ワッシャー(ばね座金)17が挿通された後、ナット18,19が螺入され、締め付けられる。
【0025】
出力端子片12は、図2に示すように、カシメ孔12bを備えたヨーク取付部12aと、このヨーク取付部12aから伸びる帯板状の平帯部12cと、平帯部12cに対して約30度程度屈曲して内側斜め方向に伸びる傾斜板部12dと、傾斜板部12dに対して再び傾斜し、平帯部12cと再び平行になるとともに途中から上下方向に幅広に形成された幅変化部12eと、幅変化部12eから直角に屈曲して上記出力端子軸11の内端部11aの表面と平行な板面を備えた平板状の接触板部12fとを有する。接触板部12fのほぼ中央には内端部11aの中央の突出軸部11bを挿通可能な軸孔12gが形成されている。
【0026】
一方、出力端子片13は、水平に配置される対面部13aの表面状に固定接点13bが固定されており、この固定接点13bの奥側は圧入部13cとなり、絶縁ベース10に形成された図示しないスリット穴に圧入固定される。対面部13aから水平に伸びる連結部13dの絶縁ベース側はほぼ直角に屈曲して垂直な平板状の接触板部13eとなっており、この接触板部13eは出力端子軸11のケース内側端部11aに当接するようになっている。接触板部13eの中央には突出軸部11bを受け入れるための軸孔13fが形成されている。なお、理解を容易にするため繰り返すと、図1において、31は合成樹脂性のコイルスプール、14は金属製の接点保持板、30,34は同材質のヨーク及び可動片、33はリン青銅のバネである。図1において、符号31を付けられているところは、すべて一体化されていている一つの部材である。
【0027】
電磁継電部30においては、図1が示すように、合成樹脂からなるコイルスプール31の中心孔に図示しない鉄心が挿通され、断面L字状のヨーク32が下側のコイルスプール31の下部にて鉄心に接合されている。ヨーク32の上端部には薄いリン青銅などの薄板からなるL字型の可動接点ばね33の下部37が固定されている。この可動接点ばね33の上端部38はコイルスプール31の上部に配置された、材質は同じでヨーク32とは別体の可動片34を固着すると共にそのまま延伸し、先端に図示しない可動接点を取付け、この可動接点は接点保持板14の下方に配置されている。コイルスプール31の円筒部の外周面には電磁コイル35が巻回され、この電磁コイル35から引き出された導電線の両端部は、コイルスプール31の側部に圧入された一対の入力端子片36(一方のみを図示している。)に接続されている。
【0028】
一対の入力端子片36は絶縁ベース10の一対の上記スリット孔10bにそれぞれ圧入され、図3に示す絶縁ベース10の背面側に設けられた凹部10gの内部に突出している。コイルスプール31の上部には一対の相互に対称形に形成された凸部31a(図1)が設けられており、これらの凸部31aに形成された凹溝部31bに接点保持板14の周縁部に設けられた突起14aが嵌合するようになっている。コイルスプール31に取り付けられたヨーク32の下部には、絶縁ベース10側の端部に図示しない一対の延長部が設けられており、これらの延長部は絶縁ベース10の下部に設けられた図2及び図3に示す矩形孔10cに挿通される。
【0029】
この実施例においては、図2に示す出力端子片12,13の接触板部12f,13eが出力端子軸11のケース内側端部11aに接するように突出軸部11bを軸孔12g,13fに挿通させた状態で、電磁継電部30を図1に示すように絶縁ベース10に対して装着する。このとき、出力端子片12のヨーク取付部12aに形成されたカシメ孔12bに対してヨーク32の側部に設けられた突起32a(図1)を挿通され、突起32aの挿通されて突出した部分をカシメ加工することによって出力端子片12はヨーク32に固定される。また、出力端子片12,13の軸孔12g,13fに挿通された突出軸部11bもカシメ加工によって軸孔12g,13fの開口縁部に広がった形状となり、これによって出力端子軸11と出力端子片12,13とが接続固定される。
【0030】
上記の電磁継電部30を絶縁ベース10に装着する際に、一対の入力端子片36はスリット孔10bに挿通されて絶縁ベース10の背面部に設けられた凹部10g内に突出し、ヨーク32の一対の延長部は矩形孔10cに挿通されて絶縁ベース10の背面部に設けられた凹部10g内に突出する。絶縁ベース10の背面部に突出したヨーク32の延長部の凹部10g内に突出した部分が凹部10g内においてカシメ加工を受けることにより、電磁継電部30は絶縁ベース10に対して固定される。なお、スリット孔10bを挿通して絶縁ベース10の背面側の凹部10g内に突出した入力端子片36の外端部には入力配線が接続される。この状態で外端部は隣接する円凹部10hに向けて屈曲させられ、その後、凹部10g内に樹脂が流し込まれて密封される。
【0031】
本実施例では、絶縁ベース10の背面側に突出した一対の入力端子片36の外端部の間に所定値以上の電圧を印加すると、電磁コイル35に電流が流れて励磁され、可動片34が図示しない鉄心の上端部に形成された磁極に吸引されて可動接点ばね33の先端部に設けられた図示しない可動接点が下方向に動き、出力端子片13の固定接点13bに接触する。これによって、一方の出力端子軸11から出力端子片12、ヨーク32、可動接点ばね33、可動接点、固定接点13b、出力端子片13、他方の出力端子軸11までの導通経路が形成される(図10参照)。
【0032】
この実施例では、まず、高電流に耐えうる充分な断面積を備えた出力端子軸11を絶縁ベース10に挿通させ、出力端子軸のケース内側端部(絶縁ベース10の前面側であって、金属ケース20の内側に配置された端部)に対して電磁継電部30に接続された出力端子片12,13を導電接続しているため、通常動作時に絶縁ベースの挿通部や外部の配線コードやソケットとの間の接合部において過熱し、絶縁ベースが変形したり、接合部が焼損したりすることを防止することができる。また、この実施例においては、図4に示すように、出力端子片12,13のいずれもが出力端子軸11のケース内側端部11aの表面に対して屈曲部を介して平行に設けられた接触板部12f,13eを備えており、これらの接触板部12f,13eの表面をケース内側端部11aに当接させた状態で導通が確保されているので、出力端子軸と出力端子片との間の導電接触部の接合面積を大きくすることができ、通常動作時に大電流を流しても接合部の過熱や焼損などを防止することができる。
【0033】
以下、次に前記負荷装置が短絡故障を起こしたときの動作を説明する。車両用スタータは動作時大電流が流れるので、負荷装置が短絡状態となると大電流が流れっぱなしとなって危険である。すなわち、加熱によりスタータの電気系は電線の被覆等が至るところで溶融し修復不可能になると同時に、場合によっては発火し、最悪の場合は炎上・爆発等の危険もある。このため、従来は別途ヒューズを設けていたが、この発明の通電スイッチは上記ヒューズと同様に短絡事故時の過電流による非常保護装置としても機能する。その動作は、以下のとおりである。
【0034】
図5〜図9は、前記図1〜図3のこの発明の通電スイッチの要部を示したものである。図6が図1の上面図に相当し、図5,図7は、図6の左右切り欠き側面図である。図8は、図6の底面図であり、図9は、前記端子片のみを取り出した詳細図である。
【0035】
図において、20は図1の出力端子軸11に相当する端子ボルト(C端子)、21はC端子・ヨーク接合部、22は可動片・ヨーク接合部、24は図1の他の出力端子軸11に相当する端子ボルト(固定片)である。図9において、25はC端子(図1の出力端子片12)、26は可動片(図1の33)、27は可動接点及びその下部にある固定接点、28は固定片(図1の出力端子片13)である。
【0036】
図10に示す如く、前記電磁継電部が動作すると、バッテリー31からの電流はC端子20から、可動片26,可動接点、固定接点27を介して端子ボルト(固定片)側に流れる。この系の中に省略されているが、スタータ・モーターが配置されており、車両のエンジンを始動させる。
【0037】
図1の圧肉部10aとボルト18の間には、平座金と共に図11に示されるスプリング・ワッシャー40が間挿される。該スプリング・ワッシャー40は、図11(a)に示される締め付け状態から図11(b)に示される開放状態になるとき、バネの復元力により2〜3mm図の上下方向に伸張する。前記短絡故障時の加熱により前記絶縁ベース10が溶融すると、絶縁ベースによる出力端子軸11の締め付けが緩んで該ワッシャーは復元し、該復元時の該ワッシャーの復元力により前記端子ボルト(固定片)24は絶縁ベースと反対方向(外方向)に引き抜かれる。この状態を図12に示す。
【0038】
また、図13(a)に示されるように、電磁継電部動作時に可動接点を固定接点13bに当接させるため、電磁石42に吸引されている可動切片43は、そのバネ圧により可動接点41を図面下方に押しており、前記絶縁ベースの溶融時には固定接点を固定している絶縁ベースが溶融により緩むことによりその絶縁ベースの固定力が緩み、図13(c)に示されるように、固定接点13bは端子ボルト(固定片)44を中心にして回動するように下方向に押し出される。結果的に前記溶融時には、前記引き抜き動作と相俟って前記可動接点41と固定接点13bとの間が開放されることになる。
【0039】
上記動作説明から分かるように、上記短絡保護動作が行われるためには、絶縁ベース溶融時、上記端子軸がフリーとなる必要がある。実開昭62−139045号公報にも示されるような従来のこの型のリレーにおいては、一対の入力端子片と一対の出力端子片は絶縁ベースの外側に配置された外端部をスタータのソケットに挿入するように構成されているので、上記ソケットで外部端子が絶縁ベースにはめ込まれて固着されているため、絶縁ベース溶融時上記端子軸がフリーにならないので上記動作は生じない。この発明は、通常動作時の電流容量を大きくした丸棒状の端子軸と該端子軸への外部ケーブル接続をナット締めで行う構造の組み合わせを車両スタータ用通電スイッチに用い、上記絶縁ベース溶融時該端子軸がフリーになる点に特徴がある。
【0040】
表1に、実際にこの発明の通電スイッチに過電流を流した場合の測定結果を示す。図15にその測定結果(サンプル9)の例(グラフ)を示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004088338
【0042】
表1及び図15における温度は、図14における測定部52,51の温度の測定結果である。図15において、横軸は経過時間であり、図15に見られるように、固定端子側52の方の温度上昇がC端子側51の温度上昇より大きく、通電後の経過時間4分47秒後に固定端子側で絶縁ベースが225℃となって溶融し、接点が開放されて通電が止まっている。なお、この時C端子側51の温度上昇は175℃であり、絶縁ベースはまだ溶融していない。同様に、他のサンプルのデータについて説明すると、表1において、NG時間とは、前記通電後接点開放に至るまでの経過時間である。接点開放後は、通電による加熱も終了するので前記溶融した絶縁ベースは開放状態のまま自然に固まることになる。オフロック時の温度上昇値とは、前記接点開放時の上記固定端子側52及びC端子側51の温度値である。
【0043】
次に、上記のように固定端子側52及びC端子側51の間に温度差が生じる動作を説明する。
表2には、前記各部の抵抗を調べるため、通電実験時の前記通電スイッチの各部分の電圧値、抵抗値を測定した結果を示す。表中のA〜Eは図16に図示される同じ記号の個所を示す。
【0044】
【表2】
Figure 0004088338
【0045】
表2から分かるようにA〜C及びD〜Eの抵抗値はC〜Dの間の抵抗値に較べるとはるかに小さい。これは接点個所の接触抵抗がA,E間の大部分を占めており、前記過電流時の発熱も大部分が該接点部分で生じることを意味している。端子片12,13等は銅を用いているので熱伝導性及び放熱性が良く、従って前記測定個所52,51の温度上昇は前記接点と前記測定個所(絶縁ベースへの取り付け部)間の距離によって決まり、上記測定個所の温度上昇差はこのようにして生じるものと考えられる。上記温度上昇の差は、一方の端子片可動接点側(C端子側)12が固定されている状態で、固定接点側13が溶融して移動可能となることを意味し、このことはこの発明の非常保護動作(異常時の接点開放動作)を確実にするためには重要な事項である。すなわち、両方の端子片が同時に溶融する状況では前記開放動作が必ず起こるとは保証されないからである。表3に上記固定片の移動距離の測定値を示す。
【0046】
【表3】
Figure 0004088338
【0047】
この発明の電磁継電器は、20〜30個上記開放試験を行ったが、いずれも前記オフ動作をし、非常保護装置として十分信頼性の高いものであることが確認された。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、絶縁ベースを挿通する出力端子軸のケース内側端部と、電磁継電部の接点ブロックに導電接続された出力端子片とを導電接続したことにより、外部の配線やソケットなどと接続される出力端子軸の電流容量を大きくし、通常動作時の出力端子軸の過熱による絶縁ベースの変形や導電接続部の焼損などを防止することができる。特に、出力端子片の屈曲部の先に形成された接触板状部の表面が出力端子軸の内端部の表面に当接するように構成することができ、出力端子片と出力端子軸との接合面積を大きくとることができ、この接合部の過熱や焼損を防止することができる。
【0049】
また、この発明の通電スイッチは、従来必要とされたヒューズを併用しなくても、ヒューズを用いた場合と同様の過電流保護機能を該通電スイッチ自体が有しており、その動作の信頼性も高いものである。従って、従来より部品点数が少なくなり、明らかに構成が簡単で、手軽で安価な非常保護機能を兼ね備えた車両スタータ用通電スイッチが実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通電スイッチの実施例における金属ケースを取り外した状態を示す斜視図である。
【図2】同実施例における電磁動作部を取り除いた部分の分解斜視図である。
【図3】同実施例における図2に示す状態にある絶縁ベースの背面部を示す背面図(a)及び正面図(b)である。
【図4】同実施例における一対の出力端子軸と一対の出力端子片との接続部分(2ヶ所)を拡大して示す拡大縦断面図(a)及び(b)である。
【図5】この発明の通電スイッチの要部を示したものであり図6の左右切り欠き側面図である。
【図6】この発明の通電スイッチの要部を示したものであり図1の上面図である。
【図7】この発明の通電スイッチの要部を示したものであり図6の左右切り欠き側面図である。
【図8】この発明の通電スイッチの要部を示したものであり図6の底面図である。
【図9】この発明の前記端子片のみを取り出した詳細図である。
【図10】上記実施例における通電スイッチの動作電流の流れを説明する図である。
【図11】出力端子軸にはめ込まれるスプリング・ワッシャーを示す。
【図12】上記スプリング・ワッシャーの動作態様の説明図である。
【図13】この発明の通電スイッチの可動接点の保護動作態様を示す。
【図14】上記保護動作の実験における測定個所を示す。
【図15】上記保護動作の実験結果の例を示す。
【図16】上記保護動作の各部抵抗測定実験における測定個所を示す。
【図17】従来のソレノイド式のリレーを示す。
【符号の説明】
10 絶縁ベース
10a 軸挿通孔
11 出力端子軸
11a 内端部
11b 突出軸部
12,13 出力端子片
12f,13e 接触板部
12g,13f 軸孔
20 端子ボルト(C端子)
21 C端子・ヨーク接合部
22 可動片・ヨ−ク接合部
23 固定片
24 端子ボルト(固定片)
25 端子ボルト(C端子)
26 可動片
27 可動接点・固定接点
28 固定片
30 電磁動作部
31 コイルスプール
32 ヨーク
33 可動接点ばね
34 可動片
35 電磁コイル
36 入力端子片
40 スプリング・ワッシャー
43 可動片

Claims (2)

  1. 一対の入力端子部及び一対の出力端子軸を備え、一対の前記入力端子部の間に電圧を印加することにより電磁コイルに磁力を発生させて一対の前記出力端子軸間を導通させるように構成された車両スタータ用通電スイッチにおいて、収納ケースの一部を構成し、一対の棒状の出力端子軸が挿通するポリエチレンテレフタレートからなる絶縁ベース、該絶縁ベースを挿通すると共に、外部ケーブルが固着される前記一対の棒状の出力端子軸、上記絶縁ベースのケース内側端部においてそれぞれ上記出力端子軸と導電接続される屈曲板状の一対の出力端子片、前記一方の出力端子片に導電接続された固定接点、前記他方の出力端子片と導電接続され、前記電磁コイルの発生する磁界に応じて動作する可動接点を備えたヒンジ型の可動片からなり、上記可動片の動作に基づいて上記接点間を開閉動作させることにより前記一対の出力端子軸間を導通させると共に、負荷装置の短絡事故に対し前記絶縁ベースが該短絡の過電流によって融点付近まで加熱され溶融することにより前記接点間を開放する非常保護機能も併せ有する車両スタータ用通電スイッチにおいて、
    前記一対の出力端子片における、前記開閉動作する接点と前記絶縁ベースのケース内側端部との距離がそれぞれ異なっていて、前記距離の短い方の固定接点側の出力端子軸が挿通される側の絶縁ベースが前記過電流による異常加熱により溶融して前記接点が開放されるまで、L字型の可動接点ばねを含む前記距離の長い方の出力端子軸が挿通される側の絶縁ベースが溶融されないように温度差を生じるように構成されていると共に、
    前記絶縁ベースが過電流による異常加熱により溶融する側の一方の端子片と接続される出力端子軸が、スプリング・ワッシャーを介して前記絶縁ベースにネジ止めされており、前記絶縁ベース溶融時該出力端子軸が上記スプリング・ワッシャーの復元力によりケース外方に引き抜かれることにより負荷装置の短絡事故等の非常時に前記接点を開放することを特徴とする車両スタータ用通電スイッチの非常保護方法
  2. 前記一方の端子片の固定接点が出力端子軸の中心から偏心するように屈曲した形状であって、絶縁ベース溶融時、該一方の端子片が負荷装置の短絡事故等の非常時に可動接点の圧接力により固定接点側の端子軸を中心にして接点開放方向に回動することにより前記接点を開放することを特徴とする前記請求項1記載の車両スタータ用通電スイッチの非常保護方法
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