JPH09273466A - スタータのマグネットスイッチ励磁端子 - Google Patents
スタータのマグネットスイッチ励磁端子Info
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Abstract
電による過熱を検知するばかりでなく、励磁コイルに導
通している端子での異常な昇温をも検知し、励磁コイル
への通電を遮断する機能をもった励磁端子を提供するこ
と。 【解決手段】 マグネットスイッチの励磁コイルに導通
しており、スタータ外部の回路と接続される励磁端子に
おいて、端子金具1と、所定温度以上に昇温すると励磁
コイルと端子金具と間の導通を遮断する遮断手段(バイ
メタル)2と、端子金具1の脚部12に接触し遮断手段
2を収容しているケース3とを有する。遮断手段2は、
端子での異常発熱と励磁電流の異常とのいずれにも反応
し、導通を遮断するので、励磁端子での発熱に対する安
全性が向上する。
Description
力によりエンジンを始動するスタータの技術分野に属す
る。より詳しくは、スタータに装備されているマグネッ
トスイッチの励磁コイルに導通しており、スタータ外部
の回路と接続される励磁端子に関する。
ネットスイッチの励磁コイルに隣接して取り付けられた
温度センサにより、同励磁コイルの過熱を検知してモー
タへの通電を遮断する技術が開示されている。同公報で
は、温度センサ(遮断手段)として、常閉バイメタルや
温度ヒューズが例示されている。
技術では、温度センサはマグネットスイッチの励磁コイ
ルに接して装備されていたので、励磁コイルの過熱には
感応して励磁回路を遮断するが、励磁コイル用の端子そ
れ自身の発熱には感応することはなかった。すなわち、
スタータのマグネットスイッチ励磁端子には、励磁コイ
ルに通電してプランジャを吸引するに足りる励磁を行う
ために大電流が流れるので、本端子部分で導通不良があ
ると発熱につながる。導通不良は、振動等により端子部
分の接続がゆるんだ場合、被水や塵埃などにより端子の
接触面が汚れた場合、錆により接触面や導線との接続部
の電気抵抗が増した場合などに起こる。あるいは、整備
員の不慣れや不手際により、端子の接続が緩かったり、
時には端子とかみ合うプラグの向きが逆であったりする
場合さえあった。
分にて導通不良があり、電気抵抗が高まると通電時に異
常な発熱が起き得る。にもかかわらず、前述の従来技術
では上記端子と温度センサとの間に距離があるので、上
記端子の過熱を検知することができず、前述の不都合を
回避することができなかった。そこで本発明は、マグネ
ットスイッチの励磁コイルへの異常通電による過熱を検
知するばかりでなく、励磁コイルに導通している端子金
具とこれに接続される外部からの給電線の端子との接触
部や、それらの端子と導線との接続部などでの異常な昇
温をも検知し、励磁コイルへの通電を遮断する機能をも
ったスタータのマグネットスイッチ励磁端子を提供する
ことを解決すべき課題とする。
記課題を解決するために、発明者らは以下の手段を発明
した。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載のスタ
ータのマグネットスイッチ励磁端子(以下、単に励磁端
子と呼ぶ)である。
具は、遮断手段を介して励磁コイルに導通している。こ
の遮断手段は、所定温度以上では導通がなくなるか、あ
るいは電気抵抗が極めて高くなる性質をもつ。すなわ
ち、遮断手段は、サーモブレーカもしくはサーモヒュー
ズであって、前者は、昇温して遮断手段が作動したのち
温度が下がった場合に導通を回復するものを指し、後者
はいったん作動すると冷却後も導通が回復しないものを
いう。
スに格納されているので、端子金具が過熱して昇温した
場合に、熱が周囲に拡散して遮断手段が十分に昇温せず
作動しないという不具合は未然に防がれている。本手段
では、遮断手段が作動して励磁コイルへの導通が遮断さ
れる場合には、大きく分けて次の二通りがある。
れた場合である。ここで異常電流とは、異常に大きな電
流と、異常に長時間にわたって通電される電流とのいず
れをも指す。かかる場合には、励磁コイルまたは短絡部
分などで異常な昇温があり、遮断手段においても所定の
電気抵抗を有するのでジュール熱により異常に昇温す
る。その結果、遮断手段が作動して励磁コイルへの電流
は遮断され、励磁コイル等の異常な温度上昇で不具合が
生じることは、未然に防がれる。
イル付近の特定箇所の温度のみを検出して遮断手段が作
動する構成と異なり、励磁端子に流れる異常電流を検知
して遮断手段が作動することである。すなわち、上記特
定箇所以外で短絡等により異常電流が流れた場合でも、
その異常電流を検知できるので、検知漏れなく遮断手段
が作動して電流を遮断でき、より安全である。
で、励磁端子自体またはその近傍において異常な発熱が
起こり、励磁端子自体が異常な高温に到達した場合であ
る。この場合には、端子金具に当接しているケースに収
容されている遮断手段が、加熱されて昇温し、励磁コイ
ルに通じる電流を遮断する。その結果、熱エネルギ源と
なる電流の供給がなくなるので、励磁端子およびその付
近の熱による損傷は未然に防止され、安全性はより向上
する。
の項で述べたように、端子金具の接続部分での導通不良
(不十分な導通)によるものがほとんどである。その場
合には端子金具がまず過熱するが、端子金具の一部は遮
断手段を収容しているケースと接触しているので、熱は
ケース内の遮断手段に速やかに伝導される。その結果、
遮断手段も速やかに昇温して作動する温度にまでいた
り、過熱による不具合はより確実に防止される。
トスイッチ励磁端子によれば、マグネットスイッチの励
磁コイルへの異常通電による過熱を検知するばかりでな
く、励磁端子での異常な昇温をも検知することができ
る。そして、いずれの場合にも、励磁コイルへの通電は
遮断されるので、それ以上の過熱は回避され、過熱によ
る不具合を未然に防ぐことができる。その結果、マグネ
ットスイッチ付きのスタータの安全性が、いっそう向上
するという効果がある。
容されてユニット化されていれば、励磁端子の組み立て
の際に容易に組み込むことができる。その結果、従来技
術の励磁コイル側面への遮断手段の組み込みに比べて配
線も少なく、組み立て工数を低減することができるの
で、コストダウンにもなるという効果がある。 (第2手段)本発明の第2手段は、請求項2記載のスタ
ータのマグネットスイッチ励磁端子である。
あって、より具体的には常閉バイメタルかPTCサーミ
スタである。遮断手段が常閉バイメタルであれば、正常
な温度範囲ではより少ない電気抵抗で遮断手段に励磁電
流を流すことができる。また、熱容量が小さいので、よ
り速やかに励磁端子の過熱を検知して励磁電流を遮断す
ることができる。
り厳しい振動環境においても誤動作することが無いの
で、より高い信頼性を発揮することができる。また、P
TCサーミスタは、常温での抵抗値のばらつきが少な
く、一定した品質が期待できるという利点がある。その
うえ、PTCサーミスタは、ひとたび昇温すると電気抵
抗が増して自己発熱し、速やかに作動温度に達するの
で、より速やかに励磁コイルへの電流を遮断または低減
することができて、より安全であるという効果もある。
さらに、ソリッドステートで励磁端子への組み込みも容
易であるから、組み立て工数を減らすことが可能であ
る。
3記載のスタータのマグネットスイッチ励磁端子であ
る。本手段では、ケースは端子金具に接触しているの
で、端子金具が過熱した場合、端子金具から熱が速やか
にケースに伝達され、さらに遮断手段がケースに略密封
されていて熱がこもるので、遮断手段は速やかに昇温す
る。その結果、端子金具の過熱に応じて速やかに遮断手
段が励磁コイルへの電流を遮断するので、遮断手段の作
動遅れによる損傷は回避されるか、最低限にくい止めら
れる。
段の効果に加えて、励磁端子の過熱に対する遮断手段の
応答が速まるので、励磁端子の過熱による損傷をより良
く防止することができるという効果がある。 (第4手段)本発明の第4手段は、請求項4記載のスタ
ータのマグネットスイッチ励磁端子である。
スの少なくとも一部は、端子金具から形成されているの
で、端子金具の過熱があった場合には、極めて速やかに
遮断手段が昇温し、励磁コイルへの電流は遮断される。
したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果に加
えて、励磁端子の過熱に対する遮断手段の応答が極めて
速やかであり、励磁端子の過熱による損傷をより完全に
防止することができるという効果がある。
5記載のスタータのマグネットスイッチ励磁端子であ
る。本手段では、端子金具の少なくとも一部はケース内
に収容されているので、端子金具の過熱があった場合に
は、極めて速やかに遮断手段が昇温し、励磁コイルへの
電流は遮断される。
段の効果に加えて、励磁端子の過熱に対する遮断手段の
応答が極めて速やかであり、励磁端子の過熱による損傷
をより完全に防止することができるという効果がある。 (第6手段)本発明の第6手段は、請求項6記載のスタ
ータのマグネットスイッチ励磁端子である。
部材の一端が、励磁コイルかそのボビン、または磁気回
路部材に当接しており、他端が、遮断手段を収容してい
るケース内に保持されている。それゆえ、励磁コイルに
過熱が生じた場合、励磁コイルに隣接するボビンや磁気
回路部材も昇温し、伝熱部材により熱が励磁コイルから
励磁端子まで速やかに伝達され、遮断手段の温度が上昇
して作動し、励磁コイルへの電流は遮断される。その結
果、励磁コイルの過熱に対しても、異常電流だけにでは
なく、励磁コイルまたはその周辺の温度にも反応して遮
断手段が作動する。
段の効果に加えて、異常電流だけではなく、励磁コイル
やボビン、磁気回路部材等の温度そのものに反応して励
磁コイルへの電流を遮断することができるので、安全性
がよりいっそう向上するという効果がある。
のマグネットスイッチ励磁端子50は、図1に示すよう
に、スタータ1000に装備されているマグネットスイ
ッチ100の後端(図中右側)に装置されている。本項
中では、本端子をもって励磁端子と称することにする。
励磁端子50は、マグネットスイッチ100内の励磁コ
イル(図略)に導通しており、スタータ外部の回路と接
続される端子である。
スイッチ100、モータ200、およびハウジング30
0などから構成されており、先端付近(図中左方)のピ
ニオンギヤGを回転させてエンジン(図示せず)を始動
する機能を持つ。マグネットスイッチには、励磁コイル
(図略)が内蔵されており、励磁端子50から励磁コイ
ルへの通電があると、磁力によりプランジャ(図略)が
励磁コイル内に吸引される。プランジャには、メインス
イッチ(図略)とドライブレバー(図略)とが連動して
いる。励磁端子50に通電があり、励磁コイルが磁気吸
引力でプランジャを吸引すると、連動するメインスイッ
チは閉じてモータ200へメイン電流を導通させる。同
時に、プランジャと連動するドライブレバーを介して、
ピニオンギヤGが前方(図中左方)に押し出されてエン
ジン(図示せず)側のギヤと噛み合い、モータ200の
動力でエンジンを回転駆動する。
端)には、励磁端子50とは段差をもってメイン端子T
1およびコネクティング端子T2とが設けられている。
メイン端子T1には、バッテリ400に導通するリード
線が接続され、コネクティング端子T2には、モータ2
00に導通するコネクティングリードが接続される。両
端子T1,T2は、メイン回路C1(図4参照)の一部
をなす端子である。
に、端子金具1と、サーモブレーカである遮断手段とし
ての常閉バイメタル2と、遮断手段を収容しているケー
ス3とを有し、絶縁性のホルダ4に保持されている。な
お、図2では、励磁端子50は、外部回路に導通してい
るプラグPが係合している状態で図示されている。端子
金具1は、銅合金からなる板金部材であり、プラグPに
向かって突出している平らなへら板状の先端部11と、
ケース3のほぼ全周囲を取り巻きケース3をクランプし
ている脚部12とからなる。良導体である端子金具1
は、常閉バイメタル2を介してマグネットスイッチ10
0内部の励磁コイルに導通し、先端部11からプラグP
の相手金具Mを介して外部回路と接続されている。
る接点部材21を互いに接触させて一対のバイメタルが
対向しているもので、ケース3の保持部32によりケー
ス3内に保持されている。一対の常閉バイメタル2のう
ち、一方には励磁コイル6(図4には、プルインコイル
およびホールディングコイルの両方を示す)の捲線端部
61が接合されて励磁コイル6と導通しており、他方は
導線10を介して端子金具1に導通している。
互いに接触しているので、端子金具1と励磁コイル6と
は導通している。しかし、バイメタル2が所定温度以上
に昇温すると、バイメタル2が反って接点部材21が互
いに離れ、励磁コイル6と端子金具1と間の導通は遮断
される。導通が遮断される遮断手段(バイメタル2)の
作動温度は設計事項であるが、通常、120〜180°
C程度に設定しておくとよい。
を形成している耐熱樹脂製の本体部31と、その開口を
密閉している絶縁性に優れた樹脂製の保持部32とから
なる。本体部31は、上記内部空間にバイメタル2を収
容しており、保持部32は、バイメタル2の根元部分を
固定保持している。本体部31と保持部32とは互いに
接合している。
具1の脚部12が巻きついてクランプしており、端子金
具1とケース3とは互いに一体に固定されている。端子
金具1およびケース3は、再び図2に示すように、絶縁
樹脂製のホルダ4により、その内部空間に固定保持され
ている。すなわち、ホルダ4は、基部41と接続部42
とからなり、基部41の内部空間に端子金具1の脚部1
2とケース3とが収容固定されている。端子金具1およ
びケース3は、基部41の内壁が突出している支持部4
4と仕切り板46とによって長手方向(図中左右方向)
の位置が固定され、基部41の内壁が全周囲にわたって
突出している保持部45によって他の方向へも動かない
よう固定されている。
差し込み口40には、仕切り部46の貫通孔47から端
子金具1の先端部11が突出している。外部回路に導通
するプラグPが差し込み口40に差し込まれている状態
では、先端部11は、巻き込み形状の相手金具Mに嵌合
し、相手金具Mを介してコードCに導通している。同時
に、相手金具MおよびコードCの先端を保持しているプ
ラグホルダHは、差し込み口40に挿入されて嵌合して
いる。プラグホルダHから枝分かれしているフック部L
は、端子ホルダ接続部42の側壁に開口している係合孔
43に係合し、励磁端子50からプラグPが不用意に外
れない構造になっている。
すように、本実施例の励磁端子50は、マグネットスイ
ッチ100の励磁コイル6と、スイッチ回路C2の一部
である外部回路とを接続するマグネットスイッチ100
側の端子である。スイッチ回路C2は、キースイッチ5
00が閉じられると、連動してスタータリレー600が
閉じて形成される。バッテリ400からの励磁電流は、
スタータリレー600と励磁端子50とを介して励磁コ
イル6に流入する。一方、メイン回路C1は、バッテリ
400から、マグネットスイッチ100のメインスイッ
チ150を介して、モータ200の界磁コイルFおよび
アーマチュアAに接続している。したがって、励磁端子
50が属するスイッチ回路C2には、メイン回路C1ほ
どの大電流は正常な状態では流れない。なお、スイッチ
回路C2にスタータリレー600がなく、キースイッチ
500の一端が直接に励磁端子50に導通している回路
構成であっても、本実施例の励磁端子50の作動に不都
合は生じない。
スタータのマグネットスイッチ励磁端子50では、外部
回路であるスイッチ回路(励磁回路)C2と接続される
端子金具1は、遮断手段である常閉バイメタル2を介し
て励磁コイル6に導通している。常閉バイメタル2は、
前述のように所定温度以上では導通がなくなり、そのの
ち温度が下がると導通を回復する。
り、ケース3の四方は端子金具1の脚部12に密着して
いるので、端子金具1が過熱して昇温した場合に、熱が
周囲に拡散して遮断手段が十分に昇温せず作動しないと
いう不具合は未然に防がれている。本実施例では、常閉
バイメタル2が作動して励磁コイル6への導通が遮断さ
れる場合には、大きく分けて次の二通りがある。
流れた場合である。ここで異常電流とは、異常に大きな
電流と、異常に長時間にわたって通電される電流とのい
ずれをも指す。かかる場合には、励磁コイル6または短
絡部分などで異常な昇温があると同時に、バイメタル2
もバイメタル自体の電気抵抗を有するので、ジュール熱
が異常に生じて高温になる。その際、ケース3によって
バイメタル2は密封されているので、発生したジュール
熱の放散は抑制されており、速やかにバイメタル2は昇
温する。その結果、バイメタル2が作動して励磁コイル
6への電流は遮断されるので、それ以上の過熱は回避さ
れ、不具合は未然に防止される。
コイル6付近の特定箇所の温度を検出して遮断手段が作
動する構成(例えば従来技術)と異なり、励磁端子50
に流れる異常電流を検知してバイメタル2が作動するこ
とである。すなわち、上記特定箇所以外で(短絡等によ
り)異常に温度が上がった場合にも、バイメタル2で発
生するジュール熱により異常電流が検知されるので、検
知漏れなしにバイメタル2が作動して電流を遮断する。
したがって、本実施例の励磁端子50を備えたスタータ
1000は、従来技術の遮断手段を備えたスタータより
も安全性が向上している。
0自体またはその近傍において異常な発熱が起こり、励
磁端子50自体が異常な高温に昇温した場合である。こ
の場合には、励磁端子50自体に仕込まれたバイメタル
2が加熱されて昇温し、励磁コイル6に通じる電流を遮
断する。その結果、熱エネルギ源となる電流の供給がな
くなるので、励磁端子50およびその付近の熱による損
傷は未然に防止され、安全性はより向上する。
課題の項で述べたように、端子金具1の接続部分である
先端部11と相手金具Mとの間の導通不良(不十分な導
通)によるものがほとんどである。その場合には端子金
具1がまず過熱するが、その脚部12はバイメタル2を
収容しているケース3を抱き抱えるように接触している
ので、熱はケース3内のバイメタル2に速やかに伝導さ
れる。また、バイメタル2がケース3内に密封されてい
るので、バイメタル2が外気等で冷却されて作動が遅れ
る心配はない。その結果、バイメタル2も速やかに昇温
して作動する温度にまでいたり、励磁端子50付近での
過熱による不具合はより速やかかつ確実に防止される。
ットスイッチ励磁端子50によれば、マグネットスイッ
チ100の励磁コイル6への異常通電による過熱を検知
するばかりでなく、励磁端子50での異常な昇温をも検
知することができる。そして、いずれの場合にも、励磁
コイル6への通電は遮断されるので、それ以上は加熱さ
れることがなく、過熱による不具合を未然に防ぐことが
できる。その結果、マグネットスイッチ100付きのス
タータ1000の安全性が、いっそう向上するという効
果がある。
によれば、上記作用効果の他にも、次のような作用効果
がある。第1に、バイメタル2がケース3に収容されて
ユニット化されているので、励磁端子50の組み立ての
際に、バイメタル2を容易に組み込むことができる。ま
た、端子金具1とも一体化されているので、ホルダ4へ
の組み込みも容易である。その結果、本実施例によれ
ば、従来技術の励磁コイル側面への遮断手段の組み込み
に比べて配線も少なく、組み立て工数を低減することが
できるので、コストダウンにもなるという効果がある。
るから、正常な温度範囲では電気抵抗が過大になること
を回避することができ、十分な電流を励磁コイル6に流
すことができる。また、バイメタル2は、熱容量が比較
的小さいので、より速やかに励磁端子50の過熱を検知
して励磁電流を遮断することができ、より安全であると
いう効果がある。
断手段として常閉バイメタル2が採用されているが、P
TCサーミスタを遮断手段として有する変形態様が可能
である。遮断手段がPTCサーミスタであれば、より厳
しい振動環境においても誤動作することが無いので、よ
り高い信頼性を発揮することができる。また、PTCサ
ーミスタは、使用範囲の温度で製品間の抵抗値のばらつ
きがすくなく、一定した品質が期待できるという利点も
ある。
昇温すると電気抵抗が増して自己発熱し、速やかに作動
温度に達するので、より速やかに励磁コイルへの電流を
遮断または低減することができ、より安全であるという
効果もある。また、過大電圧が流れた場合にも自己発熱
が促進され、より速やかに抵抗が増大するので、電流制
限効果によるスイッチ回路C2の保護が可能である。
ートであり、励磁端子50への組み込みも容易であるか
ら、組み立て工数を減らすことが可能である。 (実施例1の変形態様2)遮断手段としては、他にサー
モヒューズ(温度ヒューズ)の採用も可能である。サー
モヒューズは、所定の温度で導体が溶けて溶断するかま
たは破断するなどして、導通を遮断する遮断手段であ
る。
遮断されたら、冷却して温度が常温に回復しても導通は
回復しないので、過熱の原因を除去したのち新しいサー
モヒューズに交換することが必要である。したがって、
サーモブレーカ(冷却後導通回復)とサーモヒューズ
(導通は回復せず)とのうち、いずれを励磁端子50に
組み込むかは、スタータ1000の使用条件等の諸条件
を考慮の上で決定されるべきである。
することができるので、サーモヒューズを遮断手段とす
る変形態様では、若干のコストダウンが期待できる。 〔実施例2〕 (実施例2の構成)本発明の実施例2としてのスタータ
のマグネットスイッチ励磁端子は、その要部の断面を図
5に示すように、端子金具1’が板金材を二つ折りにし
て形成されており、その脚部12’がケース本体部を兼
用していることを特徴としている。
は、先端で板金材が二つ折りになって形成されており、
これと連続する脚部12’は、上記二つ折りの板金材が
二股に拡げられたのち対向する二つの平行部により形成
されている。ケース底部である保持部32は、両脚部1
2’の端部の間に挟持されて固定されている。保持部3
2は、両脚部12’の間に、実施例1と同様の一対の常
閉バイメタル2を保持している。バイメタル2の一方は
導線10で端子金具1’と接続されており、他方には励
磁コイル6(図略)の捲線端部61が接続されている。
以上の端子金具1’、バイメタル2、および保持部32
などは、絶縁樹脂製のホルダ(図略)内に保持され、励
磁端子としてスタータ1000のマグネットスイッチ1
00に取り付けられている。
子金具1’の二枚の脚部12’が、その間の空間にバイ
メタル2を収容しており、端子金具1’が側面が開放さ
れたケースを形成している。それゆえ、端子金具1’の
過熱があった場合には、極めて速やかにバイメタル2が
昇温し、励磁コイル6(図略)への電流は遮断される。
過熱に対するバイメタル2の応答が極めて速やかで実施
例1以上であり、励磁端子の過熱による損傷をより完全
に防止することができるという効果がある。 (実施例2の変形態様1)実施例2において、端子金具
1’の脚部12’に側壁部を設け、図5に示すように組
み立てた際、バイメタル2の側面を覆う(図面の紙面に
平行な)側壁を形成してもよい。
端子金具1’の一部により略密閉されるので、熱伝達は
さらに短時間ですみ、応答性がさらに改善される。 (実施例2の変形態様2)本実施例のバイメタル2付近
の構成を簡易化した変形態様が可能である。本変形態様
は、図6に示すように、実施例2の端子金具1’に接続
している導線10と、導線10に接続されている一方の
バイメタル2とを省略した構成をとっている。脚部12
の内側面には、バイメタル2の接点部材21と同一の接
点部材21’が接合固定されており、接点部材21’に
は、捲線端部61が接続されている残されたバイメタル
2の先端の接点部材21が常温では接触している。
て工数も減るので、さらなるコストダウンが可能であ
る。 (実施例2の変形態様3)変形態様2のバイメタル2付
近の構成要素を増やし、より安全性を高めた変形態様も
可能である。
態様2と同様のバイメタル2の背面に接合された導電部
材22と、捲線端部61の先端部との間に、発熱体23
が挟持されて導電部材22と捲線端部61に接続されて
いる。発熱体23は、所定の電気抵抗を持つ導体で、バ
イメタル2の電気抵抗が小さく、異常電流に対して十分
な発熱量が確保しえないときに、発熱量を補ってバイメ
タル2を昇温する作用がある。その結果、異常発熱時に
より速やかに導通が遮断されるので、より高い安全性が
えられる。
が使用されていれば、抵抗が温度上昇や電圧上昇に伴っ
て増加するので、異常電流が流れた際や励磁端子の温度
が異常に上がってきた場合に、発熱量がいっそう増加す
る。その結果、より速やかにバイメタル2が昇温し、導
通を遮断して回路を保護するので、いっそう高い安全性
がえられる。
および上記変形態様1〜3に対しても、実施例1と同様
に、常閉バイメタルがPTCサーミスタやサーモヒュー
ズで置換されている変形態様も可能である。 〔実施例3〕 (実施例3の構成)本発明の実施例3としてのスタータ
のマグネットスイッチ励磁端子は、図8(a)〜(b)
に示すように、磁気回路部材であるグランドプレート7
の熱を励磁端子50’の遮断手段に伝導する伝熱部材8
を有する。
(a)に示すように、励磁コイル6はボビン60に巻き
ついており、ボビン60の励磁端子50’側には、隣接
してグランドプレート7が固定されている。さらに励磁
コイル6と励磁端子50’とは、仕切り円盤9によって
隔離されている。したがって、励磁コイル6での発熱が
励磁端子50’まで伝達されることは、特別の手段なし
にはごく限られたものでしかなく、励磁コイル6の温度
を励磁端子50’で検知することは難しかった。
ル6およびそのボビン60と隣接しているうえ、軟磁性
体であるから熱伝導度が高い金属で形成されているの
が、通常である。そこで、本実施例の励磁端子50’で
は、図9にその要部を示すように、グランドプレート7
に一端が当接し、他端がケース3A内に保持されている
銅合金製の伝熱部材8を有する。保持部32Aは、伝熱
部材8が貫通した状態で伝熱部材8を固定保持してお
り、仕切り円盤9には、伝熱部材8を通す貫通孔が形成
されている。
の構成と同一である。 (実施例3の作用効果)本実施例では、図9に示すよう
に、熱伝導率が高い銅合金製の伝熱部材8の一端が、励
磁コイル6に隣接しているグランドプレート7に当接し
ており、他端が、バイメタル2を収容しているケース3
A内に保持されている。それゆえ、励磁コイル6に過熱
が生じた場合、伝熱部材8により熱が励磁コイル6から
励磁端子50’まで速やかに伝達され、バイメタル2の
温度が上昇して作動し、励磁コイル6への電流は遮断さ
れる。その結果、励磁コイル6の過熱に関し、異常電流
だけにではなく、励磁コイル6またはその周辺の温度に
も反応してバイメタル2が作動する。
けではなく、励磁コイル6やグランドプレート7の温度
そのものに反応して、励磁コイル6への電流を遮断する
ことができるので、安全性がよりいっそう向上するとい
う効果がある。 (実施例3の変形態様)本実施例では、伝熱部材8は一
端でグランドプレート7に当接しているだけであるが、
端部を折り曲げて、グランドプレート7からの熱伝導を
十分に受容できるだけの接触面積をかせぐ変形態様も可
能である。あるいは、グランドプレート7に伝熱部材8
を受容する孔を設ける変形態様も可能である。さらに、
同孔を貫通孔として、伝熱部材8の一端がボビン60に
まで達している変形態様でもよい。
過熱に対し、よりいっそう速やかに反応して励磁コイル
6への電流を遮断することができる。 (実施例3のその他の変形態様)本実施例およびその変
形態様に対しても、実施例1と同様に、常閉バイメタル
2が、PTCサーミスタやサーモヒューズで置換されて
いる変形態様も可能である。
のマグネットスイッチ励磁端子は、図10にその要部を
示すように、端子金具1”に主要な特徴がある。すなわ
ち、第1の特徴は、端子金具1”の中間部13がケース
3B内に収容されていることであり、第2の特徴は、端
子金具1”の脚部12”が折り曲げられ、薄い絶縁シー
ト91を介して広い面積でグランドプレート7に当接し
ていることである。
2も含めて構成が極めてシンプルなことが挙げられる。
すなわち、バイメタル2は一枚だけであり、常温では接
点部材21で直接端子金具1に接触しているので、実施
例1の導線10に相当する部品はなく、簡素である。ま
た、端子金具1”が、実施例3の伝熱部材8をも兼ねて
おり、この点でも簡素な構成である。端子金具1”の形
状も単にL字型に曲げるだけで形成されるから、加工も
容易である。さらに、プラグ差し込み時に押圧力を受け
る端子金具1”が、グランドプレート7に脚部12”を
当接させており、力学上極めて強固で頑丈な構造が構成
されている。
述の第1〜3の特徴について、各々作用効果を有する。
第1の特徴は、端子金具1”の中間部13がケース3B
に収容されていることであるから、端子金具1”の先端
部11等で過熱があった場合には、極めて速やかにケー
ス3B内のバイメタル2が昇温し、励磁コイル6への電
流は遮断される。したがって、端子金具1”の過熱に対
するバイメタル2の応答が極めて速やかであり、端子金
具1”の過熱による励磁端子の損傷をより完全に防止す
ることができるという効果がある。
が絶縁シート91を介してグランドプレート7に当接し
ていることであるから、実施例3と同様に励磁コイル6
の熱をケース3B内に伝導する作用がある。それゆえ、
励磁コイル6が過熱した場合に、速やかにバイメタル2
が作動して励磁電流が遮断されるので、実施例3と同様
に安全性改善の効果がある。
であるから、部品コストおよび組み立て工数が少なく、
価格を低廉に抑えることができる。また、故障や不具合
が少なく、製造時の歩留りもよいという利点もある。 (実施例4の変形態様)本実施例に対しても、実施例1
と同様に、常閉バイメタルがPTCサーミスタやサーモ
ヒューズなどで置換されている変形態様が可能である。
の側面図
図
す部分側断面図
す部分側断面図
図
図
図
13:中間部 2:常閉バイメタル 21:接点部材 22:導電
部材 23:発熱体 3:ケース 31,31B:本体部 32,32’,32”,32A,32B:保持部 4,4’:ホルダ 40:差し込み口 41:基部 42:接続部
43:係合孔 44:支持部 45:保持部 46:仕切り部
47:貫通孔 50,50’:マグネットスイッチ励磁端子 6:励磁コイル 60:ボビン 61:捲線端部 7:グランドプレート(磁気回路部材) 8:伝熱部
材 9:仕切り円盤 91:絶縁シート 100:マグネットスイッチ 150:メインスイッ
チ 200:モータ 300:ハウジング 400:バッテリ 500:キースイッチ 60
0:スタータリレー 1000:スタータ G:ピニオン A:アーマチュ
ア F:界磁コイル C1:メイン回路 C2:スイッチ回路(励磁回路) T1:メイン端子 T2:コネクティング端子 P:プラグ C:被服コード M:相手金具 H:プラグホルダ L:フック部
Claims (6)
- 【請求項1】スタータ外部の回路に接続される端子金具
と、 所定温度以上に昇温すると、該端子金具とマグネットス
イッチの励磁コイルとの間の導通を遮断するサーモブレ
ーカおよびサーモヒューズのうちいずれかである遮断手
段と、 該端子金具に当接しており該遮断手段を収容しているケ
ースと、を有することを特徴とするスタータのマグネッ
トスイッチ励磁端子。 - 【請求項2】前記サーモブレーカは、常閉バイメタルお
よびPTCサーミスタのうちいずれかである請求項1記
載のスタータのマグネットスイッチ励磁端子。 - 【請求項3】前記ケースは、前記遮断手段を略密封して
いる請求項1記載のスタータのマグネットスイッチ励磁
端子。 - 【請求項4】前記ケースの少なくとも一部は、前記端子
金具から形成されている請求項1記載のスタータのマグ
ネットスイッチ励磁端子。 - 【請求項5】前記ケースは、前記端子金具の少なくとも
一部を収容している請求項1記載のスタータのマグネッ
トスイッチ励磁端子。 - 【請求項6】前記励磁コイルと、該励磁コイルが巻きつ
いているボビンと、該ボビンに隣接する軟磁性体からな
る磁気回路部材とのうち、いずれかに一端が当接し、他
端が前記ケース内に保持されている金属製の伝熱部材を
有する請求項1記載のスタータのマグネットスイッチ励
磁端子。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08268096A JP3775610B2 (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | スタータのマグネットスイッチ励磁端子 |
EP01115931A EP1143475B1 (en) | 1996-04-04 | 1997-03-27 | Power supply terminal structure for starter magnet switch |
DE69726471T DE69726471T2 (de) | 1996-04-04 | 1997-03-27 | Energieversorgungsanschluss-Struktur eines Anlasserschalters |
EP97105281A EP0800193B1 (en) | 1996-04-04 | 1997-03-27 | Power supply terminal structure for starter magnet switch |
DE69710508T DE69710508T2 (de) | 1996-04-04 | 1997-03-27 | Energieversorgungsterminalaufbau für Anlasserschalter |
US08/826,510 US5907204A (en) | 1996-04-04 | 1997-04-03 | Power supply terminal structure for starter magnet switch |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08268096A JP3775610B2 (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | スタータのマグネットスイッチ励磁端子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09273466A true JPH09273466A (ja) | 1997-10-21 |
JP3775610B2 JP3775610B2 (ja) | 2006-05-17 |
Family
ID=13781145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08268096A Expired - Lifetime JP3775610B2 (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | スタータのマグネットスイッチ励磁端子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3775610B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000038286A (ko) * | 1998-12-05 | 2000-07-05 | 에릭 발리베 | 차량의 시동전동기 과열방지장치 |
JP2008196373A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-08-28 | Mitsuba Corp | スタータ |
US7659801B2 (en) | 2005-12-07 | 2010-02-09 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Starter |
JP2011222410A (ja) * | 2010-04-13 | 2011-11-04 | Denso Corp | 電磁スイッチ |
JP2017066954A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | エンジン始動装置 |
-
1996
- 1996-04-04 JP JP08268096A patent/JP3775610B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20000038286A (ko) * | 1998-12-05 | 2000-07-05 | 에릭 발리베 | 차량의 시동전동기 과열방지장치 |
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JP2008196373A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-08-28 | Mitsuba Corp | スタータ |
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JP2017066954A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | エンジン始動装置 |
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JP3775610B2 (ja) | 2006-05-17 |
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