JPH11339574A - Ito膜の形成方法 - Google Patents

Ito膜の形成方法

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JPH11339574A
JPH11339574A JP16603798A JP16603798A JPH11339574A JP H11339574 A JPH11339574 A JP H11339574A JP 16603798 A JP16603798 A JP 16603798A JP 16603798 A JP16603798 A JP 16603798A JP H11339574 A JPH11339574 A JP H11339574A
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JP
Japan
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meth
film
resin composition
photosensitive resin
forming
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Application number
JP16603798A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nakajima
寛幸 中島
Kinya Kisoda
欣弥 木曽田
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Chugai Ro Co Ltd
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Chugai Ro Co Ltd
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターン形成性、透明性、低抵抗性等に優れ
たITO膜を形成する方法を提供すること。 【解決手段】 ベースポリマー(A)、エチレン性不飽
和化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有し、かつ
ベースポリマー(A)の共重合体の主成分が(メタ)ア
クリル酸エステル、(メタ)アクリル酸及び水酸基含有
(メタ)アクリル酸エステルである感光性樹脂組成物を
用いて、圧力勾配型プラズマガンを用いた活性化反応蒸
着法によるリフトオフ法で成膜を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ITO膜の形成方
法に関し、更に詳しくはパターン形成性、透明性、
(低)抵抗性等に優れたITO膜を成膜するITO膜の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、PDP等の表示パネルのガラ
ス基板上にITO膜を形成する方法として、リフトオフ
法がある。この方法は、基板に感光性樹脂組成物層を形
成する工程、この感光性樹脂組成物層をパターンマスク
を介して露光する工程、現像する工程、ITO膜を成膜
する工程及び硬化感光性樹脂組成物層を剥離する工程と
からなり、前記ITO膜は蒸着法により成膜する方法に
比べて低抵抗値で高透過率を安定して得られるスパッタ
リングによる成膜が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ITO膜の形成方法ではスパッタリングによる成膜であ
るため、低抵抗値を有するITO膜を得るにはITO膜
の結晶性が成膜処理時の基板温度と成膜速度に依存する
こと、すなわち、結晶化は基板温度を高くするほど促進
され、また、ITO膜に対するダメージは成膜速度を遅
くするほど軽減されることから、基板温度を高温に保持
して成膜するか、成膜速度を遅くして成膜する必要があ
る。例えば、1000Å/min以上の成膜速度で1.
5×10-4Ω・cm以下の抵抗率のITO膜をスパッタ
リングにより得るには基板温度を約300℃以上としな
ければならない。このことは、基板の耐熱性が低い場
合、1000Å/min以上の成膜速度で低抵抗率のI
TO膜を形成することができず、また、基板自体に耐熱
性があっても感光性樹脂組成物層の材質に制約が生じる
という問題がある。すなわち、ITO膜の形成時におけ
るスパッタリングによる成膜は基板あるいは感光性樹脂
組成物層により制約されるという問題がある。そこで、
本発明者らは圧力勾配型プラズマガンを使用する活性化
反応蒸着法(イオンプレーティング)は基板上に形成し
たITO膜がスパッタリングと同様に成膜時の基板温度
に依存するものの、基板温度が特定温度域にある時、抵
抗値は最小値となり、この最小値を境に低温側と高温側
で増加することになること、およびITO膜に対するダ
メージと成膜速度の関係について考察したところ、成膜
速度を早くしても粒子の運動エネルギーが著しく増加し
ないとの知見を得た。本発明は上記の知見に基づきなさ
れたものであって、低温でしかも高効率で成膜できて、
パターン形成性、透明性、低抵抗性等に優れたITO膜
の形成方法を提供することを目的としている。
【0004】
【問題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる課題について鋭意研究をした結果、基板に感光性
樹脂組成物層を形成する工程、感光性樹脂組成物層を
パターンマスクを介して露光する工程、現像する工
程、ITO膜を成膜する工程、及び硬化感光性樹脂
組成物層を剥離する工程の5工程からなるリフトオフ法
によるITO膜の成膜方法において、該感光性樹脂組成
物がベースポリマー(A)、エチレン性不飽和化合物
(B)及び光重合開始剤(C)を含有し、かつベースポ
リマー(A)の共重合体主成分として(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリル酸及び水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステルを用い、更に工程において圧
力勾配型プラズマガンを用いた活性化反応蒸着法により
成膜を行うことにより、パターン形成性、透明性、低抵
抗性等に優れたITO膜を形成することができることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明のITO膜の形成方法は、基板に感光性樹脂組
成物層を形成する工程、感光性樹脂組成物層をパター
ンマスクを介して露光する工程、現像する工程、I
TO膜を成膜する工程、及び硬化感光性樹脂組成物層
を剥離する工程の5工程からなるもので、各工程毎に説
明する。先ず、基板に感光性樹脂組成物層を形成する
工程とは、ITO膜を形成するべきガラス、樹脂板、樹
脂フィルム、セラミックス、金属等の基板上に感光性樹
脂組成物の層を設ける工程で、本発明においては、かか
る感光性樹脂組成物として、ベースポリマー(A)、エ
チレン性不飽和化合物(B)及び光重合開始剤(C)を
含有し、かつベースポリマー(A)の共重合体主成分と
して(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸
及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを用いるこ
とを特徴とするもので、かかる感光性樹脂組成物につい
て更に詳細に説明する。
【0006】本発明に用いられる感光性樹脂組成物のベ
ースポリマー(A)としては、アクリル系樹脂が用いら
れる。本発明においては、かかるアクリル系樹脂の共重
合体主成分としては、特に限定されないが、(メタ)ア
クリル酸エステル、(メタ)アクリル酸及び水酸基含有
(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として用いるこ
とが好ましく、特に上記成分中の水酸基含有(メタ)ア
クリル酸エステルの含有量を5〜50重量%(更には5
〜20重量%)にすることが好ましく、水酸基含有アク
リル酸アルキルエステルの含有量が5重量%未満では、
密着性が低下し、逆に50重量%を越えると現像性が低
下して好ましくない。
【0007】上記の(メタ)アクリル酸エステルとして
は、具体的に、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリ
レート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデ
シル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタ
ニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が
挙げられ、好適にはメチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレートが用いられ、更にはメチル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレートの3種類を併用する
ことが好ましい。
【0008】また、水酸基含有(メタ)アクリル酸エス
テルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ク
ロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシ
ヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチ
ル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、好適には2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートが用いられる。また、本
発明のベースポリマー(A)は、上記の共重合体主成分
以外の単量体を併用することも可能で、かかる単量体と
しては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチル
スチレン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテルなどが
挙げられる。
【0009】更に稀アルカリ現像型とするときは、エチ
レン性不飽和カルボン酸を15〜30重量%程度(酸価
で100〜200mgKOH/g)共重合することが必要
である。また、ベースポリマー(A)の重量平均分子量
としては、5〜10万が好ましく、更には6〜8万であ
る。
【0010】エチレン性不飽和化合物(B)としては、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,
2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(4−(メタ)アクリロ
キシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ
−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリ
シジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグ
リシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリン
トリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテル
ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどの多官能モノマーが挙げら
れ、グリセリントリアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート(ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等)が、好適に用いられ、2官能
モノマーと3官能モノマーとの併用が好ましく、また、
これらの多官能モノマーと共に、単官能モノマーを適当
量併用することもでき、かかる単官能モノマーの例とし
ては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−
(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル
フタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホ
スフェート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレ
ート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどが挙
げられる。
【0011】ベースポリマー(A)100重量部に対す
るエチレン性不飽和化合物(B)の配合割合は、10〜
200重量部、特に40〜100重量部の範囲から選ぶ
ことが望ましい。エチレン性不飽和化合物(B)の過少
は硬化不良、可撓性の低下、現像速度の遅延を招き、エ
チレン性不飽和化合物(B)の過多は粘着性の増大、コ
ールドフロー、硬化レジストの剥離速度低下を招く。
【0012】更に、光重合開始剤(C)としては、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイ
ンn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、
ベンジルジフェニルジスルフィド、ベンジルジメチルケ
タール、ジベンジル、ジアセチル、アントラキノン、ナ
フトキノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾ
フェノン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベン
ゾフェノン、ピバロインエチルエーテル、1,1−ジク
ロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフ
ェノン、ヘキサアリールイミダゾール二量体、2,2’
−ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テ
トラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2−クロロ
チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−
ジエチルチオキサントン、2,2’−ジエトキシアセト
フェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、2,2’−ジクロロ−4−フェノキシアセト
フェノン、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシ
イソブチルフェノン、ジベゾスパロン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−プロパノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、トリブロ
モフェニルスルホン、トリブロモメチルフェニルスルホ
ンなどが挙げられ、これらの1種または2種以上が用い
られる。光重合開始剤(C)の含有量は、ベースポリマ
ー(A)とエチレン性不飽和化合物(B)との合計量1
00重量部に対して、1〜20重量部程度とするのが適
当である。
【0013】本発明においては、上記の(A)〜(C)
に、更にシラン系化合物(D)を含有させることも有用
で、シラン系化合物(D)としては、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシ
クロヘキシ)−エチルトリメトキシシラン、β−(3,
4エポキシシクロヘキシ)−エチルトリエトキシシラン
等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピ
ルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン等のメタクリロシランなどが挙げられるが、エポキ
シシラン、アミノシラン、クロロプロピルシランのいず
れか1種以上を用いることが好ましい。シラン系化合物
(D)の含有量としては、上記(A)〜(C)の総量1
00重量部に対して0.01〜5重量部とすることが好
ましく、更には0.1〜1重量部で、特に0.1〜0.
3重量部とすることが好ましい。シラン系化合物(D)
の含有量が0.01重量%未満では、レジストの密着性
が低下し、逆に1重量%を越えるとガラス界面で剥離現
象が見られて好ましくない。
【0014】シラン系化合物(D)を含有させる方法と
しては、特に限定されず公知の方法、例えば上記の
(A)〜(C)の樹脂組成物に所定量のシラン系化合物
(D)を添加して、十分混合撹拌する方法等がある。本
発明に用いる感光性樹脂組成物(層)には、そのほか、
染料(クリスタルバイオレット,マラカイトグリーン,
マラカイトグリーンレイク,ブリリアントグリーン,パ
テントブルー,メチルバイオレット,ビクトリアブル
ー,ローズアニリン,パラフクシン,エチレンバイオレ
ット等)、密着性付与剤、可塑剤、酸化防止剤、熱重合
禁止剤、溶剤、表面張力改質材、安定剤、連鎖移動剤、
消泡剤、難燃剤、などの添加剤を適宜添加することがで
きる。
【0015】かくして、得られた感光性樹脂組成物の層
が基板上に形成されるわけであるが、このときの形成方
法としては、基材上に該感光性樹脂組成物を直接塗布し
て感光性樹脂組成物層を形成しても良いが、あらかじめ
フォトレジストフィルムまたはドライフィルムレジスト
(DFR)に成形したものを用いることも好ましく、具
体的には、該感光性樹脂組成物をポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルムな
どのベースフィルム面に塗工した後、その塗工面の上か
らポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィ
ルムなどの保護フィルムを被覆してDFRとすればよ
く、得られたDFRのベースフィルムと感光性樹脂組成
物層との接着力及び保護フィルムと感光性樹脂組成物層
との接着力を比較し、接着力の低い方のフィルムを剥離
してから感光性樹脂組成物層の側を基板表面に貼り付け
ることにより、感光性樹脂組成物層を形成させることが
できる。
【0016】また、上記の感光性樹脂組成物は、DFR
以外にもディップコート法、フローコート法、スクリー
ン印刷法等の常法により、基板上に直接塗工し、厚さ1
〜150μmの感光層を容易に形成することも、勿論可
能で、かかる塗工時には、メチルエチルケトン、メチル
セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、
シクロヘキサン、メチルセルソルブ、塩化メチレン、
1,1,1−トリクロルエタン等の溶剤を添加すること
もできる。
【0017】次いで、感光性樹脂組成物層をパターン
マスクを介して露光する工程においては、形成された感
光性樹脂組成物層の上(DFRを用いた場合には、残っ
たベースフィルムまたは保護フィルムの上)にパターン
マスク(電極形成部分が未露光部となる)を介して露光
する。露光は通常紫外線照射により行い、その際の光源
としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク
灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルラン
プなどが用いられる。紫外線照射後は、必要に応じ加熱
を行って、硬化の完全を図ることもできる。
【0018】続く現像する工程においては、露光後の
感光性樹脂組成物層の現像を行うのであるが、DFRを
用いたときには、レジスト上のフィルムを剥離除去して
から現像を行う。本発明に用いられる感光性樹脂組成物
は稀アルカリ現像型であるので、露光後の現像は、炭酸
ソーダ、炭酸カリウムなどのアルカリ0.5〜3重量%
程度の稀薄水溶液を用いて行う。かかる現像により、電
極が形成される微細パターン部の感光性樹脂組成物が除
去されるのである。
【0019】現像後は、ITO膜を成膜する工程に移
るわけであるが、この工程においては、圧力勾配型プラ
ズマガンを用いた活性化反応蒸着法(イオンプレーティ
ング法)により行う。かかる方法は、処理室内に基板を
位置させてこの基板を所定温度に保持する一方、処理室
内に10〜30sccmのアルゴンガスと所要量の酸素
ガスとを導入しながら処理室内を10-3〜10-5Tor
rに制御して、前記プラズマガンからのプラズマビーム
をるつぼ部に照射することで蒸発材料(In/Sn酸化
物あるいはIn/Sn金属)を蒸発させて成膜されるも
のである。なお、酸素ガスの導入量は蒸発材料あるいは
蒸発速度等により調節され、また、基板温度はITO膜
の所望抵抗値に基づき調整される。
【0020】最後は硬化感光性樹脂組成物層を剥離す
る工程で、ITO膜形成後に残っている硬化感光性樹脂
組成物の剥離を行うのである。かかる硬化感光性樹脂組
成物の剥離除去は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などの0.5〜10重量%程度の濃度のアルカリ水溶液
からなるアルカリ剥離液を用いて行えばよく、かかる樹
脂組成物の剥離により、(レジスト上の)不要部分のI
TO膜が除去されて、目的とするITO膜電極(微細パ
ターン)が形成されるのである。次いで、十分に水洗浄
を行った後、乾燥される。
【0021】かくして、パターン形成性、透明性、低抵
抗性等に優れたITO膜が基板上に形成されて、PDP
等の各種用途に用いられるのである。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、例中「部」とあるのは、断りのない限り重
量基準を意味する。 実施例1 (ドープの調整)下記のベースポリマー(A)59部、
下記のエチレン性不飽和化合物(B)25部及び下記処
方の光重量開始剤(C)5部を混合してドープ(感光性
樹脂組成物)を調製した。ベースポリマー(A) メチル(メタ)アクリレート/n−ブチルアクリレート
/2−エチルヘキシルアクリレート/メタクリル酸/ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合割合が重
量基準で15/30/15/20/20(酸価143.
3、ガラス転移点66.3℃、重量平均分子量8万)エチレン性不飽和化合物(B) テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート光重合開始剤(C) ベンゾフェノン/4,4’−ジエチルアミノベンゾフェ
ノン/2,2−ビス(o−クロロフェニル)4,5,
4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾー
ルの重量比8/0.15/1の混合物
【0023】(DFRの作製)上記のドープを、ギャッ
プ3ミルのアプリケーターを用いて厚さ20μmのポリ
エステルフイルム上に塗工し、室温で1分30秒放置し
た後、60℃、90℃、110℃のオーブンでそれぞれ
3分間ずつ乾燥して、レジスト厚20μmのDFRとな
した(ただし保護フイルムは設けていない)。上記で得
られたDFRを用いて以下の工程でITO膜の形成を行
った。
【0024】基板に感光性樹脂組成物層を形成する工
程 このDFRを、オーブンで60℃に予熱したガラス基板
(200mm×200mm×2mm)上に、ラミネート
ロール温度100℃、同ロール圧3kg/cm2、ラミ
ネート速度1.5m/secにてラミネートして、感光
性樹脂組成物層を形成した。
【0025】感光性樹脂組成物層をパターンマスクを
介して露光する工程 感光性樹脂組成物層形成後、基板全面にL/S(ライン
/スペース)=50μm/50μmになるようにライン
パターンをポリエステルフイルム上に置いて、オーク製
作所製の露光機HMW−532Dにて3kw超高圧水銀
灯で100mjに露光した。
【0026】現像する工程 露光後15分間のホールドタイムを取った後、1%Na
2CO3水溶液、30℃で、最少現像時間の1.5倍の時
間で現像し、その後、水洗・乾燥を行って、L/S=5
0μm/50μmのレジスト層のパターンを形成させ
た。
【0027】ITO膜を成膜する工程 パターンが形成されたガラス基板を処理室内に位置さ
せ、基板温度を160℃に保持して、圧力勾配型プラズ
マガンの出力を60V、150Aになるように供給電圧
を調整するとともに、処理室内に酸素ガスを約100s
ccmの流量で、かつ圧力勾配型プラズマガンからアル
ゴンガスを約30sccmの流量で供給し、そして、処
理室内を4.2×10-4Torrに調整し、約60秒間
成膜処理して膜厚1620ÅのITO膜を基板全面に形
成した。
【0028】硬化感光性樹脂組成物層を剥離する工程 最後に、ITO膜が形成されたレジスト表面に、50℃
に加温した3%NaOH水溶液を60秒間シャワーリン
グすることで硬化感光性樹脂組成物を剥離し、パターン
形状がL/S=50μm/50μmのITO膜(厚さ1
620Å)をガラス基板上に形成した。
【0029】形成されたITO膜について、以下の評価
を行った。 [パターン形成性]形成されたITO膜のパターン(L
/S=50μm/50μm)について、断面形状及び直
線性を以下の要領で評価した。 (断面形状)パターンのライン方向のエッジ部における
光の干渉縞の有無を目視観察して、以下の通り判断し
た。尚、断面形状が良好な矩形の場合には、干渉縞は発
生しない。 ○ −−− 光の干渉縞は認められない × −−− 光の干渉縞が発生 (直線性) パターンのライン方向のエッジ部の状況を目視観察し
て、以下の通り判断した。 ○ −−− エッジ部にギザギザが認められない × −−− エッジ部にギザギザが認められる
【0030】[透明性]ITO膜の光透過率(%)を分
光光度計(島津製作所社製『UV−3101PC』)を
用いて測定した。 [抵抗性]ITO膜の面抵抗値(Ω/□)を表面抵抗計
(油化電子社製『Lovesta MP』)を用いて測定し
た。
【0031】実施例2 実施例1において、ドープの配合成分として、更にシラ
ン系化合物(D)であるγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランを0.2部配合した以外は同様にITO
膜の形成を行って、同様に評価を行った。
【0032】実施例3 実施例1において、ベースポリマー(A)のメチル(メ
タ)アクリレート/n−ブチルアクリレート/2−エチ
ルヘキシルアクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートの共重合割合を重量基準で1
0/40/10/20/20とした以外は同様にITO
膜の形成を行って、同様に評価を行った。
【0033】比較例1 実施例1において、ベースポリマー(A)をメチル(メ
タ)アクリレート/n−ブチルアクリレート/2−エチ
ルヘキシルアクリレート/メタクリル酸=40/30/
15/15(重量比)の共重合体とした以外は同様にI
TO膜の形成を行って、同様に評価を行った。
【0034】比較例2 実施例1において、のITO膜を成膜する工程で、圧
力勾配型プラズマガンによるイオンプレーティング方式
に変えて、スパッタリング方式に変更した(但し、基板
温度及び成膜速度は実施例1と同様にした)以外は同様
にITO膜の形成を行って、同様に評価を行った。実施
例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】 パターン形成性 透明性 抵抗性 断面形状 直線性 (%) (Ω/□) 実施例1 ○ ○ 89.3 12.05 〃 2 ○ ○ 89.7 11.95 〃 3 ○ ○ 89.5 11.87 比較例1 × × * * 〃 2 △ △ 87.2 23.46 *パターン形成が不良であったため測定せず
【0036】
【発明の効果】本発明のITO膜の形成法は、特定の感
光性樹脂組成物と特定のITO膜の蒸着法を組み合わせ
たリフトオフ法を採用しているため、パターン形成性、
透明性、低抵抗性等に優れた良好なITO膜を形成する
ことができ、PDP用途を初めとする各種用途の薄膜電
極形成に大変有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 9/02 H01J 9/02 F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に感光性樹脂組成物層を形成する
    工程、感光性樹脂組成物層をパターンマスクを介して
    露光する工程、現像する工程、ITO膜を成膜する
    工程、及び硬化感光性樹脂組成物層を剥離する工程の
    5工程からなるリフトオフ法によるITO膜の形成方法
    において、該感光性樹脂組成物がベースポリマー
    (A)、エチレン性不飽和化合物(B)及び光重合開始
    剤(C)を含有し、かつベースポリマー(A)の共重合
    体主成分として(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)
    アクリル酸及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル
    を用い、更に工程において圧力勾配型プラズマガンを
    用いた活性化反応蒸着法により成膜を行うことを特徴と
    するITO膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂組成物が更にシラン系化合物
    (D)を含有することを特徴とする請求項1記載のIT
    O膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 感光性樹脂組成物層が感光性樹脂組成物
    をベースフィルムに積層してなるフォトレジストフィル
    ムであることを特徴とする請求項1または2記載のIT
    O膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 工程における成膜速度が1000Å/
    min以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か記載のITO膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 基材がプラズマディスプレイパネル形成
    用基材であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記
    載のITO膜の形成方法。
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