JP3750755B2 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント回路板の製造分野において、エッチング、メッキ等に用いられるレジスト材料としては、感光性樹脂組成物及びそれに支持体と保護フィルムを用いて得られる感光性エレメントが広く用いられている。
プリント回路板は、感光性フィルムを銅基板上にラミネートして、パターン露光した後、未露光部を現像液で除去し、エッチング又はメッキ処理を施して、パターンを形成させた後、硬化部分を基板上から剥離除去する方法によって製造されている。
【0003】
この未露光部の除去を行う現像液としては、炭酸水素ナトリウム溶液等を使用するアルカリ現像型が主流になっており、現像液は、通常、ある程度感光層を溶解する能力がある限り使用され、使用時には現像液中に感光性樹脂組成物が溶解又は分散される。
近年の印刷配線板の高密度化に伴い、銅基板とパターン形成された感光層との接触面積が小さくなる為、現像、エッチング又はメッキ処理工程で優れた接着力、機械強度、耐薬品性、柔軟性等が要求される。
また、作業性の点から剥離除去の際剥離片が細分化し且つ剥離時間が短いことが好ましい。
通常、剥離は、自動剥離機にて行われるが、剥離片が大きいと、剥離機のロールに剥離片が絡まり著しく作業性を低下させるのみならず、剥離片が清浄な基板上に再付着する可能性がある。
【0004】
この種の特性のうち、耐薬品性を向上させるのにイソシアヌレート環をもつ光重合性化合物の使用する方法が、特開昭61−77844号公報、特開昭62−290705号公報、特開昭61−14212号公報、特開昭59−222480号公報、特開平1−14190号公報、特開昭57−55914号公報、特開平5−216224号公報、特開平5−273754号公報等に記載されているが、硬化膜が固く、脆いという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、密着性、耐薬品性、柔軟性及び剥離性が優れた感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果を奏し、さらに光感度、機械特性等が優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果を奏し、さらにアルカリ現像性が優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項4記載の感光性エレメントは、作業性が優れる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマ、(B)分子内に重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(C)光開始剤を含み、前記(B)成分が一般式(I)
【化4】
(式中、R1は2価の有機基を示し、R2は一般式(II)
【化5】
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、Xはアルキレンオキサイド基を示し、nは1〜14の整数である)を示す)で表される化合物及び一般式(III)
【化6】
(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、Yはアルキレンオキサイド基を示し、mは1〜30の整数を示す)で表される化合物を必須成分として含む感光性樹脂組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、(A)成分がアルカリ水溶液に可溶又は膨潤可能であり、酸価が100〜500であり、重量平均分子量が20,000〜300,000である前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の使用割合が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し、(A)成分が40〜80重量部、(B)成分が20〜60重量部及び(C)成分が0.1〜20重量部であり(B)成分中の上記一般式(I)で表される化合物が3重量部以上含まれ、且つ上記一般式(III)で表される化合物が3重量部以上含まれる前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥してなる感光性エレメントに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマ、(B)分子内に重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合化合物及び (C)光開始剤を含み、前記(B)成分が、上記一般式(I)で表される化合物を必須成分として含むものである。
【0009】
本発明における、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマとしては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸とこれらと共重合しうるビニルモノマとの共重合体等が挙げられ、これらの共重合体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0010】
前記ビニルモノマとしては、特に制限はなく、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、これらに対応するメタクリレート、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0011】
(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマは、アルカリ水溶液(例えば、1〜3重量%の炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム水溶液等)に可溶又は膨潤可能であることが、現像性、環境保全性等の点で好ましい。
また、酸価は、100〜500であることが好ましい。酸価が100未満では、現像時間が遅くなる傾向があり、500を超えると、光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
また、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、ポリスチレン換算したもの)は、20,000〜300,000であることが好ましい。重量平均分子量が、30,000未満では、耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると、現像時間が長くなる傾向がある。
【0012】
本発明における、(B)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合化合物に、必須成分として含まれる上記一般式(I)で表される化合物において、上記一般式(I)中、R1である2価の有機基としては、特に制限はなく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチル−ヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
また、R2である上記一般式(II)中、Xであるアルキレンオキサイド基としては、特に制限はなく、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基が挙げられ、なかでもエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基が好ましい。
【0013】
なお、プロピレンオキサイド基の結合方向としては、
【化7】
の2種がある。
また、上記一般式(II)中、nは1〜14の整数である必要があり、2〜14であることが好ましい。nが14を超えると、機械強度が低下する。
【0014】
上記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、一般式(II−1)、一般式(II−2)又は一般式(II−3)で表される化合物と、一般式(IV)で表される化合物との反応等により得られる。
【化8】
(式中、R3及びnは一般式(II)におけると同意義であり、mは3〜6の整数である)
【化9】
(式中、R1は一般式(I)におけると同意義である)
【0015】
なお、上記一般式(II−2)において、このブロックセグメントのプロピレンオキサイド単位は、表記の都合上メチル基の結合位置が酸素原子の2つ隣の炭素原子上となっているが、この構造に限定されるわけではなく、
【化10】
等も含むものとする。
【0016】
上記一般式(I)で表される化合物としては、市販品として、例えば、NKオリゴ UR−21(一般式(I)で、R1=−C6H12−、R3=−CH3、X=−CH2CH2O−、n=4(平均値)、新中村化学工業(株)商品名)、NKオリゴUR−41(一般式(I)で、R1=−C6H12−、R3=−CH3、X=−CH2−CH(CH3)−O−又は−CH(CH3)−CH2−O−、n=5(平均値)、新中村化学工業(株)商品名)、NKオリゴ UA−42(一般式(I)で、R1=−C6H12−、R3=−CH3、X=−CH2−CH(CH3)−O−又は−CH(CH3)−CH2−O−、n=9(平均値)、新中村化学工業(株)商品名)、NKオリゴ UA−44(一般式(I)で、R1=−C6H12−、R3=−H、X=−CH2−CH(CH3)−O−又は−CH(CH3)−CH2−O−、n=6(平均値)、新中村化学工業(株)商品名)等が挙げられる。
【0017】
また、本発明における、(B)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合化合物に、必須成分として含まれる上記一般式(III )で表される化合物において、上記一般式(III)中、R4は水素原子またはメチル基であり、Yであるアルキレンオキサイド基としては、一般式(II)中のX同様特に制限されることはなく、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基が挙げられ、なかでもプロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基が好ましい。
【0018】
上記一般式(III)で表される化合物としては、市販品として、例えばエポキシエステル70PA(一般式(III)でR4=−H、Y=−CH2−CH(CH3)−O−又は−CH(CH3)−CH2O−、m=1(平均値)、共栄社化学(株)、商品名)、エポキシエステル200PA(一般式(III)でR4=−H、Y=−CH2−CH(CH3)−O−又は−CH(CH3)−CH2O−、m=3(平均値)、共栄社化学(株)、商品名)、エポキシエステル400PA(一般式(III)でR4=−H、Y=−CH2−CH(CH3)−O−又は−CH(CH3)−CH2O−、m=6 (平均値)、共栄社化学(株)、商品名)等が挙げられる。
【0019】
また、本発明における(B)成分中の必須成分である上記の一般式(I)で表される化合物以外の化合物としては、例えば、多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物(ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、これらに対応するメタクリレート等)、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジアクリレート、これらに対応するメタクリレート等のビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリレート、これらに対応するメタクリレート等)、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、これらに対応するメタクリレート等)などが挙げられる。
【0020】
本発明における(C)光開始剤としては、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾイン(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0021】
本発明における(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、40〜80重量部とすることが好ましい。この配合量が、40重量部未満では、光硬化物が脆くなり易く、感光性エレメントとして用いた場合に、塗膜性が劣る傾向があり、80重量部を超えると、感度が不充分となる傾向がある。
【0022】
本発明における(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜60重量部とすることが好ましい。この配合量が、20重量部未満では、感度が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると、光硬化物が脆くなる傾向がある。
また、本発明における(B)成分中の必須成分である一般式(I)で表される化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、3重量部以上であることが好ましく、5〜40重量部であることがより好ましい。この配合量が、3重量部未満では、感度、密着性、耐メッキ性等が劣る傾向がある。
また、本発明における(B)成分中のもう一つの必須成分である一般式(III )で表される化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、3重量部以上であることが好ましく、5〜20重量部であることがより好ましい。この配合量が3重量部未満では、剥離時間が長くなる傾向がある。
【0023】
本発明における(C)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましい。この配合量が、0.1重量部未満では、感度が不充分となる傾向があり、20重量部を超えると、露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、染料、発色剤、可塑剤、顔料、難燃剤、安定剤、密着性付与剤等を添加することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記各成分を、これらを溶解する溶剤、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等に溶解、混合させることにより、均一な溶液とすることができる。
【0024】
本発明の感光性エレメントは、前記本発明の感光性樹脂組成物を、支持体上に塗布、乾燥することにより作製できる。
【0025】
支持体としては、重合体フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるフィルムが挙げられ、なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
これらの重合体フィルムは、後に感光層から除去する必要があるため、除去が不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であったりしてはならない。
【0026】
これらの重合体フィルムの厚さは、5〜100μmとすることが好ましく、10〜30μmとすることがより好ましい。また、これらの重合体フィルムは、一つは感光層の支持体フィルムとして、他の一つは感光層の保護フィルムとして感光層の両面に積層することができる。
【0027】
本発明の感光性エレメントを用いてフォトレジスト画像を製造する方法としては、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光層を加熱しながら基板に圧着させることにより積層する方法等が挙げられる。
積層される表面は、通常、金属面であるが、特に制限はない。
【0028】
感光層の加熱温度は、特に制限はなく、90〜130℃とすることが好ましい。また、感光層の圧着圧力は、特に制限はなく、1〜10kgf/cm2とすることが好ましい。
なお、感光層を前記のように加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできる。
【0029】
このようにして積層が完了した感光層は、次いで、ネガフィルム又はポジフィルムを用いて、活性光に画像的に露光される。この際、感光層上に存在する重合体フィルムが透明の場合には、そのまま露光してもよく、また、不透明の場合には、当然除去する必要がある。
【0030】
感光層の保護という点からは、重合体フィルムは透明で、この重合体フィルムを残存させたまま、それを通して露光することが好ましい。
【0031】
活性光は、公知の活性光源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク等から発生する光が用いられる。感光層に含まれる光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるので、その場合は活性光源は紫外線を有効に放射するものが好ましい。また、光開始剤が可視光線に感受するもの、例えば、9,10−フェナンスレンキノン等である場合には、活性光としては可視光が用いられ、その光源としては前記のもの以外に、写真用フラッド電球、太陽ランプ等も用いられる。
【0032】
次いで、露光後、感光層上に重合体フィルム等が存在している場合には、これを除去した後、アルカリ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法により未露光部を除去して現像する。
アルカリ性水溶液の塩基としては、水酸化アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム若しくはカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等)などが挙げられ、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。
現像に用いるアルカリ水溶液のpHは、9〜11の範囲することが好ましく、その温度は、感光層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させることもできる。
【0033】
さらに、印刷配線板を製造する方法としては、現像されたフォトレジスト画像をマスクとして露光している基板の表面を、エッチング、メッキ等の公知方法で処理する方法等が挙げられる。
次いで、フォトレジスト画像は、通常、現像に用いたアルカリ水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜5重量%の水酸化ナトリウム水溶液等が用いられる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1〜4及び比較例1〜3
表1及び表2に示す材料を配合し、溶液を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
得られた溶液に、表3に示す(B)成分を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0038】
【表3】
【0039】
表3中、使用した化合物は、
*1:一般式(I)で、R1は−C6H12−、R3は−CH3、Xは−CH2CH2O−、nは4(平均値)の化合物、新中村化学工業(株)製
*2:一般式(I)で、R1は−C6H12−、R3は−CH3、Xは−CH2CH(CH3)−O−又は−CH(CH3)−CH2O、nは5(平均値)の化合物、新中村化学工業(株)製
*3:一般式(III)で、R4は−H、Yは−CH2CH(CH3)−O−又は−CH(CH3)−CH2O、mは1(平均値)の化合物、共栄社化学(株)製
*4:一般式(III)で、R4は−H、Yは−CH2CH(CH3)O−又は−CH(CH3)CH2O−、mは3(平均値)の化合物、共栄社化学(株)製
*5:ポリプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製)
*6:γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート
*7:β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート
である。
【0040】
次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で約10分間乾燥して、感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、50μmであった。
【0041】
一方、銅箔(厚さ35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E−61)の銅表面を、♯600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に前記感光性樹脂組成物層を120℃に加熱しながらラミネートした。
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製)HMW−201Bを用いて、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを試験片の上に置いて、60mJ/cm2で露光した。
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーし、未露光部分を除去した後、銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の光感度を評価し、その結果を表4に示した。
光感度は、ステップタブレットの段数で示され、このステップタブレットの段数が高いほど、光感度が高いことを示す。
【0042】
また、密着性は、現像後、剥離せずに残ったライン幅(μm)を測定し、その結果を表4に示した。
この密着性の数字が小さい程、細いラインでも銅張り積層板から剥離せずに銅張り積層板に密着していることを示し、密着性が高いことを示す。
【0043】
耐メッキ性は、上記のようにラミネートし、所定の露光量により露光を行い、次いで、上記現像液により現像後、脱脂(PC−455(メルテックス社製)25重量%)5分浸漬→水洗→ソフトエッチ(過硫酸アンモニウム150g/リットル)2分浸漬→水洗→10重量%硫酸1分浸漬の順に前処理を行い、硫酸銅メッキ浴(硫酸銅75g/リットル、硫酸190g/リットル、塩素イオン50ppm、カパーグリームPCM(メルテックス社製)5ml/リットル)に入れ、硫酸銅メッキを室温下、3A/dm2で40分間行った。
その後、水洗して、10重量%ホウフッ化水素酸に1分浸漬し、ハンダメッキ浴(45重量%ホウフッ化スズ64ml/リットル、45重量%ホウフッ化鉛22ml/リットル、42重量%ホウフッ化水素酸200ml/リットル、プルティンLAコンダクティビティーソルト(メルテックス社製)20g/リットル、プルティンLAスターター(メルテックス社製)41ml/リットル)に入れ、半田メッキを室温下、1.5A/dm2で15分間行った。
【0044】
水洗、乾燥後耐メッキ性を調べるために、直ちにセロテープを貼り、これを垂直方向に引き剥がして(90°ピールオーフ試験)、レジストの剥がれの有無を観察し、結果を表4に示した。
また、レジスト剥離後、上方から光学顕微鏡で、半田メッキのもぐりの有無を観察し、結果を表4に示した。
半田メッキのもぐりを生じた場合、透明なレジストを介して、その下部にメッキにより析出した半田が観察される。
【0045】
また、別の試験片を、ストーファー21段ステップタブレットで8段を示す露光量で、露光、現像後、クロスカット試験(JIS−K−5400)を行い、結果を表4に示した。
また、5cm×5cmの試験片を、ストーファー21段ステップタブレットで8段を示す露光量で露光、現像した後50℃に加温した3重量%NaOHに浸漬し、レジストが剥離する時間を測定し、剥離片の大きさも同時に測定した結果を形状として表4に示した。
【0046】
【表4】
【0047】
表4から明らかなように、本発明の範囲内の実施例1〜4は耐メッキ性、密着性及びクロスカット性が良好であり、剥離性も優れている。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の感光性樹脂組成物は、密着性、耐薬品性、柔軟性及び剥離性が優れたものである。
請求項2記載の感光性樹脂組成物は、請求項1記載の感光性樹脂組成物の効果を奏し、さらに光感度、機械特性等が優れる。
請求項3記載の感光性樹脂組成物は、請求項2記載の感光性樹脂組成物の効果を奏し、さらにアルカリ現像性が優れる。
請求項4記載の感光性エレメントは、作業性が優れる。
Claims (4)
- (A)成分がアルカリ水溶液に可溶又は膨潤可能であり、酸価が100〜500であり、重量平均分子量が20,000〜300,000である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- (A)成分、(B)成分及び(C)成分の使用割合が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し、(A)成分が40〜80重量部、(B)成分が20〜60重量部及び(C)成分が0.1〜20重量部であり(B)成分中の上記一般式(I)で表される化合物が3重量部以上含まれ、且つ上記一般式(III)で表される化合物が3重量部以上含まれる請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1、2又は3記載の感光性樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥してなる感光性エレメント。
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JP13146296A JP3750755B2 (ja) | 1996-05-27 | 1996-05-27 | 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント |
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