JP3724607B2 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷配線板の製造法には、テンティング法とめっき法の二つがある。テンティング法は、チップ搭載のための銅スルーホールをレジストで保護し、エッチング、レジスト剥離を経て電気回路形成を行なう方法である。一方、めっき法は、電気めっきによってスルーホールに銅を析出させ、半田めっきで保護し、レジスト剥離、エッチングによって電気回路の形成を行なう方法である。これらの方法を実施するときに、レジストとして感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントが使用されており、未硬化部をアルカリ性水溶液で除去するアルカリ現像型が主流となっている。
【0003】
しかし、アルカリ現像型の感光性樹脂組成物を用いた場合は、現像液中に未重合の感光性樹脂組成物が溶解し、この溶解成分がスラッジとなり、基板上に再付着してショート不良の発生原因となっている。特に、現像時の発泡を抑制する消泡剤を組み合わせて使用することにより、スラッジ発生量が多くなるという問題があるため、従来の感光性樹脂組成物及び感光性エレメントは、スラッジ発生によるショート不良防止のために、現像機の洗浄を短期間で行い、さらに循環ポンプに使用しているフィルタの交換も短期間で行わなければならず、改善が求められていた。
【0004】
また、特公平4−39661号公報には、界面活性剤を含有することを特徴とする光重合性組成物が開示されているが、これは現像機のポリ塩化ビニル樹脂部分の軟化、膨潤の防止を主目的としており、現像時に発生するスラッジについての記載はない。
さらに、近年、印刷配線板の配線の高密度化、高精度化に伴い、テンティング法ではスルーホールの異形穴化、スルーホールランドの狭小化等に対するテント信頼性が問題となっており、また、めっき法ではめっき薬品に対する耐性が要求されるが、従来の技術ではこの耐性を増すと硬化した膜が硬くて脆くなるため、テント信頼性との両立が難しく、問題となっていた。
【0005】
特開平7−128851号公報には、カルボキシル基を含有するバインダーポリマー、光重合開始剤及び重合可能なエチレン性不飽和化合物を含み、そのエチレン性不飽和化合物が線状ウレタン(メタ)アクリレートとγ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートを必須成分として含有する感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントが、耐めっき性と密着性に優れていることが開示されている。また、その後の調査、検討により低スラッジ化も達成されていることが判明した。しかしながら、この組合せではテント信頼性があまり良好ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、現像時に発生するスラッジを低減し、銅スルーホール法、ハンダスルーホール法のいずれの方法によっても、耐めっき性、下地金属との密着性等に優れ、かつテント信頼性が良好な感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果を奏し、よりスラッジを低減、耐めっき性、密着性及びテント信頼性が優れる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の効果を奏し、さらに塗膜性、光感度及び光硬化物の機械特性に優れる。
請求項4記載の発明は、スラッジを低減、耐めっき性、密着性、テント信頼性、塗膜性、光感度、光硬化物の機械特性等に優れ、また、取扱性、作業性にも優れた感光性エレメントを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)カルボキシル基を有するバインダーポリマー、
(B)光重合開始剤及び
(C)分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物
を含み、前記(C)成分が一般式(I)
【化3】
Figure 0003724607
〔式中、R1は3価の有機基を示し、R2は一般式(II)
【化4】
Figure 0003724607
(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、Xはアルキレンオキサイド基を示し、nは1〜14の整数である)
で表される基を示す〕
で表される化合物を必須成分として含有する感光性樹脂組成物に関する。
【0008】
また、本発明は、(C)成分中の一般式(I)で表される化合物の含有量が、(C)成分100重量部中10〜90重量部である前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(A)成分を40〜80重量部、(B)成分を、(A)成分と(C)成分の合計量100重量部に対して0.1〜20重量部及び(C)成分を20〜60重量部含み、(A)成分と(C)成分の合計量を100重量部とした前記感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥してなる感光性エレメントに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明に(A)成分として用いられるカルボキシル基を有するバインダーポリマーとしては、例えば、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルとアクリル酸又はメタクリル酸とこれらと共重合しうるビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらの共重合体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0010】
アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
【0011】
また、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルや、アクリル酸又はメタクリル酸と共重合しうるビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、アクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0012】
本発明の感光性樹脂組成物に(B)成分として用いられる光重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベンゾイン誘導体(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0013】
本発明における(C)成分である分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物に必須成分として含まれる上記一般式(I)で表される化合物において、上記一般式(I)中、R1で示される3価の有機基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチン基、エタントリイル基、1,2,3−プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ネオペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、2−エチル−ヘキサントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基などが挙げられる。
また、R2で示される上記一般式(II)中、Xであるアルキレンオキサイド基としては、特に制限はなく、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基などが挙げられ、中でもエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基が好ましい。
【0014】
なお、プロピレンオキサイド基の結合方向としては、
【化5】
Figure 0003724607
の2種がある。
また、上記一般式(II)中、nは1〜14の整数であり、2〜14であることが好ましい。nが14を超えると、機械強度が低下する。
【0015】
上記一般式(I)で表される化合物は、例えば、下記の一般式(II−1)、一般式(II−2)又は一般式(II−3)で表される化合物と、一般式(III)で表される化合物との反応などにより得られる。
【0016】
【化6】
Figure 0003724607
〔式中、R3及びnは一般式(II)におけると同意義であり、mは3〜6の整数である〕
【化7】
Figure 0003724607
〔式中、R1は一般式(I)と同意義である〕
【0017】
なお、上記一般式(II−2)において、このブロックセグメントのプロピレンオキサイド単位は、表記の都合上メチル基の結合位置が酸素原子の2つ隣の炭素原子上となっているが、この構造に限定されるわけではなく、酸素原子の隣の炭素原子上にメチル基が結合したもの、又は酸素原子の2つ隣の炭素原子上にメチル基が結合したプロピレンオキサイド単位と酸素原子の隣の炭素原子上にメチル基が結合したプロピレンオキサイド単位とが交互にあるいはアトランダムに混じって存在していてもよい。
【0018】
また、(C)成分中の必須成分である一般式(I)で表される化合物以外のものとしては、例えば、多価アルコール(ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等)にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート又はビスフェノールAジオキシエチレンジメタクリレート(ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジメタクリレート等)、グリシジル基含有化合物(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリレート等)にα,β−不飽和カルボン酸を付加させて得られる化合物、アクリル酸のアルキルエステル又はメタクリル酸のアルキルエステル(アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等)などが挙げられる。
【0019】
本発明において、(A)成分の配合量は、(A)成分及び(C)成分の合計量100重量部に対して40〜80重量部の範囲とすることが好ましい。この配合量が40重量部未満では、光硬化物が脆くなり易い傾向があり、感光性エレメントとして用いた場合に塗膜性に劣る傾向がある。また、この配合量が80重量部を超えると、感度が不充分となる傾向がある。
【0020】
(B)成分の配合量は、(A)成分及び(C)成分の合計量100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲とすることが好ましい。この配合量が0.1重量部未満であると、感度が不充分となる傾向があり、20重量部を超えると、露光の際に組成物の表面での吸収が増大して、内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0021】
また、(C)成分の配合量は、(A)成分及び(C)成分の合計量100重量部に対して20〜60重量部の範囲とすることが好ましい。この配合量が20重量部未満であると、感度が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると、光硬化物が脆くなる傾向がある。
(C)成分中の必須成分である一般式(I)で表される化合物の配合量は、 (C)成分100重量部に対して、10〜90重量部であることが好ましく、60〜90重量部であることがより好ましい。この配合量が10重量部未満であると、耐めっき性、密着性及びテント信頼性が劣る傾向があり、90重量部を超えると、スラッジ量が増える傾向がある。
【0022】
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに、染料、発色剤、可塑剤、顔料、難燃剤、安定剤、密着性付与剤などの添加剤を必要に応じて添加してもよい。これらの使用量は、前記(A)、(B)及び(C)成分の総量100重量部に対して2重量部以下とすることが好ましい。
【0023】
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(A)、(B)及び(C)成分を溶解しうる溶剤、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等に溶解、混合させることにより、均一な溶液とすることができる。
【0024】
本発明の感光性樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥し、感光性エレメント(積層体)を得ることができる。支持体としては、重合体フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるフィルムが用いられ、これらのうちポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの重合体フィルムは、後に感光層から除去可能でなくてはならないため、除去が不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であったりしてはならない。これらの重合体フィルムの厚さは、通常、5〜100μm、好ましくは10〜30μmである。これらの重合体フィルムの一つは、感光層の支持フィルムとして、他の一つは感光層の保護フィルムとして感光層の両面に積層してもよい。
【0025】
本発明の感光性エレメントを用いてフォトレジスト画像を製造するに際しては、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光層を加熱しながら基板に圧着させることにより積層する。積層される表面は、通常、金属面であるが、特に制限はない。
感光層の加熱圧着の温度は、特に制限はないが、通常、90〜130℃とされる。また、感光層の加熱圧着の圧力は、特に制限はないが、通常、3kg/cm2とされる。
感光層を前記のように加熱すれば、予め基板を予熱処理する必要はないが、積層性をさらに向上させるために基板の予熱処理を行うこともできる。
【0026】
このようにして積層が完了した感光層は、次いで、ネガフィルム又はポジフィルムを用いて活性光により画像的に露光される。この際感光層上に存在する重合体フィルムが透明の場合には、そのまま露光してもよいが、不透明の場合には、当然除去する必要がある。感光層の保護という点からは、重合体フィルムは透明で、この重合体フィルムを残存させたまま、それを通して露光することが好ましい。
活性光としては、公知の活性光源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、その他から発生する光が用いられる。感光層に含まれる光重合開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるので、その場合は活性光源は紫外線を有効に放射するものにすべきである。もちろん、光重合開始剤が可視光線に感受性のもの、例えば、9,10−フェナンスレンキノン等である場合には、活性光として可視光が用いられ、その光源としては前記のもの以外に写真用フラッド電球、太陽ランプなども用いられる。
【0027】
次いで、露光後、感光層上に重合体フィルム等が存在している場合には、これを除去した後、アルカリ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知方法により未露光部を除去して現像する。アルカリ水溶液の塩基としては、リチウム、ナトリウムあるいはカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウムあるいはカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられ、特に、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。現像に用いるアルカリ水溶液のpHは、好ましくは9〜11の範囲であり、また、その温度は感光層の現像性に合わせて調節される。
また、アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤などを混入させてもよい。
【0028】
さらに、印刷配線板を製造するに際しては、現像されたフォトレジスト画像をマスクとして露光している基板の表面を、エンチング、めっき等の公知方法で処理する。次いで、フォトレジスト画像は、通常、現像に用いたアルカリ水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離される。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜5重量%の水酸化ナトリウム水溶液などが用いられる。
【0029】
本発明に用いる前記一般式(I)で表される化合物を用いることにより、テントの伸びを含めて総合的にテント信頼性を向上させることができる。これは、イソシアヌル酸構造がテント強度に、アルキレンオキサイド基と結合した直鎖状ウレタン(メタ)アクリレートセグメントがテントの伸びに、各々影響を及ぼし、良好に相互作用をしているためと推測される。
【0030】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明する。
実施例1〜2及び比較例1〜6
表1及び表2に示す材料を配合し、溶液を調製した。
【0031】
【表1】
Figure 0003724607
【0032】
【表2】
Figure 0003724607
【0033】
得られた溶液に表3に示す(C)成分を溶解させて感光性樹脂組成物の溶液を得た。
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を25μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、50μmであった。
【0034】
一方、35μm厚の銅箔を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業株式会社製、商品名MCL−E−61)の銅表面を#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓社製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に前記感光性樹脂組成物層を120℃に加熱しながらラミネートした。次いで、このようにして得られた基板に、ネガフィルムを使用し、3kW高圧水銀灯(オーク製作所製、HMW−201B)で90mJ/cm2の露光を行った。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液1リットルを60秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。
得られたパターンを有する積層板について、下記の試験を行い、この試験の結果を表3にまとめて示した。
【0035】
▲1▼スラッジ量
上記現像工程において、発生したスラッジを遠心分離機により分離、ろ過し、さらに150℃で4時間乾燥した後、スラッジの重量を測定した。
【0036】
▲2▼密着性
密着性は、現像液に剥離せずに残ったラインの幅(μm)で表され、この密着性の数値が小さい程、細いラインでも銅張り積層板から剥離せずに銅張り積層板に密着していることから、密着性が高いことを示す。
【0037】
▲3▼耐めっき性
現像後の銅張り積層板を脱脂液(PC−455(メルテックス社製)25重量%)に5分間浸漬し、水洗し、ソフトエッチ液(過硫酸アンモニウム150g/リットル)に2分間浸漬し、水洗し、10重量%硫酸に1分浸漬することにより前処理を行い、硫酸銅めっき浴〔硫酸銅75g/リットル、硫酸190g/リットル、塩素イオン50ppm、カパーグリームPCM(メルテックス社製)5ml/リットル)に入れ、硫酸銅めっきを室温下、3A/dm2で40分間行った。その後、水洗して10重量%ホウフッ化水素酸に1分浸漬し、半田めっき浴(45重量%ホウフッ化錫64ml/リットル、45重量%ホウフッ化鉛22ml/リットル、42重量%ホウフッ化水素酸200ml/リットル、プルティンLAコンダクティビティーソルト(メルテックス社製)20g/リットル、プルティンLAスターター(メルテックス社製)40ml/リットル)に入れ、半田めっきを室温下、1.5A/dm2で15分行った。
【0038】
水洗、乾燥後、耐めっき性を調べるため、直ちにセロテープを貼り、これを垂直方向に引き剥がして(90°ピールオフ試験)、レジストの剥がれの有無を観察した。また、レジスト剥離後、上方から光学顕微鏡で半田めっきのもぐりの有無を観察した。半田めっきのもぐりを生じた場合、透明なレジストを介してその下部にめっきにより析出した半田が観察される。
【0039】
▲4▼テント強度及び伸び
1.6mm厚の銅張り積層板に直径6mmの穴を100個あけた基材の両面に感光性樹脂組成物を積層し、90mJ/cm2の露光を行い、60秒間現像した。次いで、基材にあけた穴の強度を直径1.5mmの挿入径の円柱を用いてレオメーター(FUDOH社製)により破断までの強度と伸びを測定した。
【0040】
▲5▼異形テント破れ率
1.6mm厚の銅張り積層板に図1に示すように多数の穴が開いた基材の両面に感光性樹脂組成物を積層し、90mJ/cm2の露光を行い、60秒間の現像を2回行った。
現像後、図1に示す評価基板1の多数の穴のうち直径(d)4mmの穴が3個連なって開いている三連穴2(h=8mm)合計18個のうちの穴破れ数を測定し、異形テント破れ率を下記の数式から算出して評価した。
【数1】
Figure 0003724607
なお、表3におけるテント強度、テント伸び及び異形テント破れ率をテント信頼性の指標と考えた。
【0041】
【表3】
Figure 0003724607
【0042】
以上の結果から明らかなとおり、一般式(I)で表される化合物を用いることにより、現像時に発生するスラッジ量を低減できるとともに、密着性、耐メッキ性及びテント信頼性を向上させることができた。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の感光性樹脂組成物は、現像時に発生するスラッジを低減し、銅スルーホール法、ハンダスルーホール法のいずれの方法によっても、耐めっき性、下地金属との密着性等に優れ、かつテント信頼性が良好なものである。
請求項2記載の感光性樹脂組成物は、請求項1記載の感光性樹脂組成物の効果を奏し、よりスラッジを低減、耐めっき性、密着性及びテント信頼性が優れる。
請求項3記載の感光性樹脂組成物は、請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物の効果を奏し、さらに塗膜性、光感度及び光硬化物の機械特性に優れる。
請求項4記載の感光性エレメントは、スラッジを低減、耐めっき性、密着性、テント信頼性、塗膜性、光感度、光硬化物の機械特性等に優れ、また、取扱性、作業性にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で異形テント破れ率を評価する際に用いた評価基板の平面図である。
【図2】図1中の三連穴の拡大説明図である。
【符号の説明】
1 評価基板
2 三連穴

Claims (4)

  1. (A)カルボキシル基を有するバインダーポリマー、
    (B)光重合開始剤及び
    (C)分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物
    を含み、前記(C)成分が一般式(I)
    Figure 0003724607
    〔式中、R1は3価の有機基を示し、R2は一般式(II)
    Figure 0003724607
    (式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、Xはアルキレンオキサイド基を示し、nは1〜14の整数である)
    で表される基を示す〕
    で表される化合物を必須成分として含有する感光性樹脂組成物。
  2. (C)成分中の一般式(I)で表される化合物の含有量が、(C)成分100重量部中10〜90重量部である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. (A)成分を40〜80重量部、(B)成分を、(A)成分と(C)成分の合計量100重量部に対して0.1〜20重量部及び(C)成分を20〜60重量部含み、(A)成分と(C)成分の合計量を100重量部とした請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1、2又は3記載の感光性樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥してなる感光性エレメント。
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