JP3795872B2 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷配線板作成等に用いられる感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷配線板製造の分野において、エッチング、めっき等の基材の化学的、電気的処理を用いる際に、レジスト材料として感光性組成物及びこれを用いた感光性エレメントを使用することが知られている。そして、感光性エレメントとしては、支持体上に感光性樹脂組成物を積層したものが広く使用されている。
【0003】
従来、印刷配線板の製造法には、テンティング法とめっき法という二つの方法が知られている。テンティング法は、チップ搭載のための銅スルーホールをレジストで保護し、エッチング、レジスト剥離を経て電気回路形成を行うのに対し、めっき法は、電気めっきによってスルーホールに銅を析出させ、ハンダめっきで保護し、レジスト剥離、エッチングによって電気回路の形成を行う方法がある。
【0004】
したがって、使用する感光性樹脂組成物に要求される特性は、金属に対する強い密着性、エッチング液やめっき薬品に対する耐薬品性、剥離性等である。
【0005】
特開昭62−74912号公報には、下記式(II)
【化2】
Figure 0003795872
で示される不飽和基を1分子中に3個以上有するエチレン性不飽和化合物を用いて、レジストの剥離性が改善された感光性樹脂組成物が開示されている(R1、R2及びR3はH又はCH3、nは整数)。しかしながら、R1=R2=Hのポリエチレングリコール鎖を有するエチレン性不飽和化合物を用いた場合、剥離性が改善されるものの、レジストの形状が悪くなり、エッチング時にラインギザを発生したり、レジストの可撓性や耐めっき性等がまだ充分でない。また、R1=H、R2=CH3又はR1=CH3、R2=Hのポリプロピレングリコール鎖を有するエチレン性不飽和化合物を用いた場合、良好な可撓性を有するものの、感度やテンティング性が低下したり、アルカリ現像液中で分離しやすく、スカムの原因となり、基板に付着するとショート、断線の原因となる等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解消し、優れた耐めっき性、可撓性及び剥離性を有し、現像スカムの発生しない感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1分子中にポリエチレングリコール鎖とポリプロピレングリコール鎖とを組み込んだエチレン性不飽和化合物を用いることによって上記の問題点を解決したものである。
【0008】
すなわち、本発明は、(A)一般式(I)
【化3】
Figure 0003795872
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はエチレン基又はプロピレン基を表し、R3はエチレン基又はプロピレン基を表し、R2とR3とは必ず異なる基であり、m及びnは繰り返し単位の個数を示しそれぞれ1以上の整数である〕で示される不飽和基を1分子中に3個以上有するエチレン性不飽和化合物、(B)有機ハロゲン化合物、(C)フィルム性付与ポリマー並びに(D)活性線により遊離ラジカルを生成しうる光開始剤及び/又は光開始剤系を含有してなる感光性樹脂組成物並びに該組成物の層とこれを支持する支持体フィルムとからなる感光性エレメントに関する。
【0009】
次に、本発明の感光性樹脂組成物について詳細に説明する。まず、(A)成分であるエチレン性不飽和化合物は、前記一般式(I)においてR1は水素又はメチル基を表す。m及びnはそれぞれ1以上の整数であるが、mとnの和が2〜10であることが好ましい。mとnの和が10を超えると、レジスト形状が劣る傾向がある。なお、一般式(I)における−R3O−及び−R2O−の基は、必ずしもそれぞれこの位置でn個連続及びm個連続して存在する必要はない。すなわち、ランダムに存在してもよいし、ブロック的に存在してもよい。
【0010】
一般式(I)で示される不飽和基を1分子中に3個以上有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、グリセリルポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリエトキシポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリエトキシポリプロポキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリエトキシポリプロポキシヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。(A)成分であるエチレン性不飽和化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)成分であるエチレン性不飽和化合物の使用量は、感光性樹脂組成物の総量100重量部に対して10〜80重量部とすることが好ましく、20〜50重量部とすることがより好ましい。(A)成分の使用量が少なすぎると、耐現像液性が低下する傾向があり、多すぎると感光性樹脂組成物としての粘度が低下し、エッジフュージョンが発生する傾向がある。
【0012】
本発明の感光性樹脂組成物において、上記一般式(I)で示される不飽和基を1分子中に3個以上有するエチレン性不飽和化合物以外の(E)他のエチレン性不飽和化合物を添加することができる。このような(E)他のエチレン性不飽和化合物としては、感度が高いという点から、アクリレート単量体又はメタクリレート単量体の使用が好ましく、例えば、多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、ビスフェノールAポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、例えば、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート等、多価カルボン酸、例えば、無水フタル酸等と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質、例えば、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等とのエステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物やトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等のウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0013】
本発明の感光性樹脂組成物における(B)成分である有機ハロゲン化合物としては、活性光により容易にハロゲンラジカルを遊離するもの又は連鎖移動により容易にハロゲンラジカルを遊離するものが好ましく、これらは感度が向上する等の好ましい結果を与える。(B)成分としては、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、ブロモホルム、1,1,1−トリクロロエタン、臭化メチレン、沃化メチレン、塩化メチレン、四臭化炭素、ヨードホルム、1,1,2,2−テトラブロモエタン、ペンタブロモエタン、トリブロモアセトフェノン、ビス−(トリブロモメチル)スルホン、塩化ビニル、塩素化オレフィン等が挙げられる。これらのうち、炭素−ハロゲン結合強度の弱い脂肪族ハロゲン化合物、特に同一炭素上に2個以上のハロゲン原子が結合している化合物、とりわけ有機ブロム化合物が好ましい。トリブロモメチル基を有する有機ハロゲン化合物が一層好ましい結果を与える。
【0014】
(B)成分の使用量は、感光性樹脂組成物の総量100重量部に対して0.1〜10重量部用いることが好ましく、0.2〜5重量部とすることがより好ましい。(B)成分の使用量が少なすぎるとイメージング性が低下する傾向があり、多すぎるとテント強度が低下する傾向がある。
【0015】
(C)成分として用いるフィルム性付与ポリマーには、特に制限はないが、ビニル共重合によって得られる高分子量体が好ましい。ビニル共重合体に用いられるビニル重合性単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸α−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチルスチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン、α−メチルスチレン、α−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。
【0016】
(C)成分の使用量は、感光性樹脂組成物の総量100重量部に対して20〜90重量部とすることが好ましく、50〜80重量部とすることがより好ましい。(C)成分の使用量が少なすぎると、塗膜性、現像性の向上、エッジフュージョンの発生の低下の達成が困難となる傾向があり、多すぎると感度が低下する傾向がある。
【0017】
(D)成分である活性線により遊離ラジカルを生成する光開始剤及び光開始剤系についても特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
(D)成分の使用量は、感光性樹脂組成物の総量100重量部に対して0.01〜20重量部とすることが好ましく、0.05〜10重量部とすることがより好ましい。この使用量が少なすぎると、十分な光感度が得られない傾向があり、多すぎると露光の際に組成物の表面での光吸収が増加して内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
【0019】
上記のような(A)〜(D)成分や(E)成分の混合順序、混合法等については特に制限はない。なお、本発明の感光性樹脂組成物には、他の副次的成分、例えば、染料、顔料、可塑剤、難燃剤、安定剤などを必要に応じて添加することができる。また、密着性付与剤を使用することもできる。
【0020】
次に、本発明の感光性エレメントについて詳細に説明する。本発明の感光性エレメントは、支持体フィルム上に前記感光性樹脂組成物の層を積層して形成することにより得られる。支持体フィルム上への感光性樹脂組成物層の形成は、常法により行うことができる。例えば、感光性樹脂組成物をメチルエチルケトン、トルエン、塩化メチレン等の有機溶剤に均一に溶解させ、この溶液を該支持体フィルム上にナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法等で塗布し、乾燥することにより行われる。感光層中の残存溶剤量は、特性保持のために2重量%以下に抑えることが好ましい。
【0021】
本発明に用いられる支持体フィルムは、感光性エレメントの製造時に必要な耐熱性、耐溶剤性を有していることが好ましいが、テフロンフィルム、離型紙等の離型性フィルムを一時的な支持体フィルムとし、この上に感光性樹脂組成物の層を形成した後、この層の上に耐熱性あるいは耐溶剤性の低いフィルムをラミネートし、該一時的な支持体フィルムを剥離して耐熱性あるいは耐溶剤性の低い支持体フィルムを有する感光性エレメントを製造することもできる。また、支持体フィルムは、活性光に対して透明であっても不透明であってもよい。使用しうる支持体フィルムの例として、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等、公知のフィルムを挙げることができる。
【0022】
長尺の感光性エレメントを製造する場合には、製造の最終段階で該エレメントをロール状に巻き取る。この場合、感圧性粘着テープ等で公知の方法を用い、背面処理した支持体フィルムを用いることにより、ロール状に巻き取ったときの感光性樹脂組成物の層の支持体フィルム背面への転着を防ぐことができる。同じ目的、さらに塵の付着を防ぐ目的で、該エレメントの感光性樹脂組成物の層の上に剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。
【0023】
剥離可能なカバーフィルムの具体例としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフイルム、テフロンフィルム、表面処理した紙等があり、カバーフィルムを剥離するときに感光性樹脂組成物の層と支持体フィルムとの接着力よりも感光性樹脂組成物の層とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0024】
本発明の感光性エレメントを構成する感光性樹脂組成物の層の厚さは、無電解めっきにより析出させるめっき銅の厚さ等によって異なるが、通常10〜100μmとされる。
【0025】
本発明における感光性樹脂組成物を溶液として、基板上に塗布し、乾燥後、あるいは感光性エレメントとしてその感光性樹脂組成物の層を基板上に積層した後、像的に露光し、現像してめっきレジストが製造される。
【0026】
露光及び現像処理は、常法により行える。すなわち、支持体フィルムが活性光に不透明である場合は、支持体フィルムを剥離した後、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の光源を用い、ネガマスクを通して像的に露光する。露光前後の50〜100℃での加熱処理は、基板と感光性樹脂層との密着性を向上するために好ましい。
【0027】
現像処理に用いられる現像液としては、アルカリ水溶液が用いられ、例えば、アルカリ金属の水酸化物の水溶液、アルカリ金属リン酸塩の水溶液、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩の水溶液などが挙げられる。特に、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。
【0028】
本発明の樹脂組成物のアルカリ現像は、現像液温度が10〜50℃、好ましくは20〜40℃の温度で、市販の現像機を用いて行うことができる。
【0029】
このようにしてめっきレジストパターンを形成した後、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の光源を用いて、活性光を再照射することが好ましく、めっきレジストの耐薬品性が向上する。
【0030】
また、本発明の感光性樹脂組成物の溶液をディップコート法、フローコート法等の方法で基板に直接塗布し、溶剤を乾燥後、直接あるいはポリエステルフィルム等の活性光に透明なフィルムを積層後、前記の感光性エレメントの場合と同様にして、ネガマスクを通して像的に露光し、現像し、さらに好ましくは活性光の露光をすることによっても前記と同様に特性の優れためっきレジストが形成できる。
【0031】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
【0032】
合成例1(フィルム性付与ポリマーの製造)
メチルセロソルブ/トルエン=3:2(重量比)の溶液(以下、溶液Aと称する)500mlをフラスコに入れ、85℃に昇温し、1時間放置した。その後、メタクリル酸23.7g、メタクリル酸メチル46.8g、アクリル酸エチル31.2g、アクリル酸2−エチルヘキシル1.5g及びアゾビスイソブチロニトリル0.17gを溶液A31.2gに溶解したものを4時間かけて滴下し、反応させた。
【0033】
次いで、メチルセロソルブ7.1gを加え、2時間保温し、メタクリル酸0.6g及びアゾビスイソブチロニトリル0.54gを溶液A4.8gに溶解したものを反応液に加え、さらに2時間保温した。その後、アゾビスイソブチロニトリル0.024gをメチルセロソルブ1.2gに溶解した溶液を添加して5時間保温した後、ハイドロキノン0.01gをメチルセロソルブ0.2gに溶解した溶液を加え、冷却した。得られた重合体を以下、ポリマー▲1▼と称する。ポリマー▲1▼は、不揮発分が38.5重量%、ガードナー粘度が25℃で110秒、重量平均分子量が84,000であった。なお、この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
【0034】
実施例1〜8及び比較例1〜3表1に示す配合(単位は重量部)で感光性樹脂組成物溶液を調製し、各々の溶液を厚さ23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、登録商標ルミラー)に乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗工し、乾燥し、厚さ35μmのポリエチレンフィルムで被覆して感光性エレメントを得た。なお、表1中、BPE−10は新中村化学株式会社製ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレートを意味し、エチレン性不飽和化合物a〜iは、一般式(I)における記号が表2に示すものを表す化合物を意味する。
【0035】
【表1】
Figure 0003795872
【0036】
【表2】
Figure 0003795872
【0037】
得られた各感光性エレメントについて、次に示す試験を行い、得られた結果を表5に示した。なお、これらの試験において、感光性エレメントの積層は、基板温度25℃、積層温度110℃、積層圧力(ラミネーターのエアシリンダー圧力)3.5kg/cm2、積層速度1.5m/分の条件で行った。
【0038】
(1)耐めっき性
得られた感光性エレメントを基材の上に前記の条件で積層し、ネガフィルムを適用し、3kWの高圧水銀灯(オーク製作所社製、HMW−201B)で60mJ/cm2の露光を行った。この際光感度を評価できるように、光透過量が段階的に少なくなるように作られたネガフィルム(光学密度0.05を1段目とし、1段ごとに光学密度が0.15ずつ増加する21段のステップタブレット)を用いた。光感度はステップタブレットの段数で示され、このステップタブレットの段数が高いほど光感度が高いことを示している。
【0039】
次いで、PETを除去し、現像処理したものを、脱脂後、流水水洗を1分間行い、次いで過酸化水素/硫酸の10/20容量%水溶液中に2分間浸漬した。さらに流水水洗を1分間行った後、10重量%硫酸水溶液浴に1分間浸漬し、再び流水水洗を1分間行った。次いで、硫酸銅めっき浴〔硫酸銅75g/l、硫酸190g/1、塩素イオン75ppm、カパーグリームPCM(メルテックス社製、商品名)5ml/l〕に入れ、硫酸銅めっき浴25℃、3A/dm2で40分間行った。硫酸銅めっき終了後、直ちに水洗し、続いて、10重量%ホウフッ化水素酸水溶液浴に1分間浸漬し、続いて半田めっき浴〔45重量%ホウフッ化錫64ml/l、45重量%ホウフッ化鉛22ml/l、42重量%ホウフッ化水素酸200ml/l、プルティンLAコンダクティビティソルト(メルテックス社、商品名)20g/l、プルティンLAスターター(メルテックス社、商品名)40ml/l〕に入れ、25℃、2A/dm2で20分間行った。半田めっき終了後、水洗を行い、乾燥した。
【0040】
耐めっき性を調べるため、乾燥後、直ちにセロテープを貼り、これを垂直方向に引き剥がし、レジストの剥がれの有無を調べた(テープテスト)。その後、上方から光学顕微鏡で半田めっきのもぐりの有無を観察した。半田めっきのもぐりを生じた場合は、透明なレジストを介してその下部に観察される。その結果を後記の表5に示す。
【0041】
(2)剥離性
得られた感光性エレメントを基材の上に前記の条件で積層し、5cm×7cmの長方形の開口部(光透過部)を有するネガフィルムを適用して、21段ステップタブレットで8段になるような露光量で露光し、現像した。次に、50℃の3重量%の水酸化ナトリウム水溶液を入れたビーカーに現像後の試料を浸漬し、レジスト(光硬化被膜)を剥離し、剥離片の大きさと剥離時間(秒)を測定し、結果を後記の表5に示した。剥離片の大きさの評価は、表3に示した基準によって行った。
【0042】
【表3】
Figure 0003795872
【0043】
(3)クロスカット性
得られた感光性エレメントを基材の上に前記の条件で積層し、(2)と同様にして露光し、現像した。次いで、JIS−K5400の方法で、クロスカット性を評価し、結果を後記の表5に示した。評価は、表4に示した基準で行った。クロスカット性の評価点数が高いものは、可撓性及び密着性に優れる。
【0044】
【表4】
Figure 0003795872
【0045】
(4)レジスト形状
得られた感光性エレメントを基材の上に前記の条件で積層し、21段ステップタブレットで8段になるような露光量で露光後、現像して120μm/120μm=ライン/スペースのレジストパターンを得た。走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−2100A)でレジストの形状を観察し、評価した。ライン形状に凹凸があるかどうかを評価し、その結果を後記の表5に示した。評価は下記の基準により行った。
【0046】
○ ライン形状に凹凸なし
× ライン形状に凹凸あり
(5)スカム発生性
得られたエレメントの感光層だけを0.2m2取り出し、1重量%炭酸ナトリウム水溶液に加え、撹拌機で常温で2時間撹拌した。得られたエマルジョンに所定量のノニオン系消泡剤を0.1重量%になるように添加し、さらに10分撹拌して一昼夜放置した。その後、スカムの発生の有無を観察した。
【0047】
【表5】
Figure 0003795872
【0048】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントは、下地金属(銅箔)への密着性が良好で、耐めっき性、可撓性、レジスト形状及び剥離性等に優れ、現像液中でのスカム発生がない。

Claims (4)

  1. (A)一般式(I)
    Figure 0003795872
    〔式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2はエチレン基又はプロピレン基を表し、R3はエチレン基又はプロピレン基を表し、R2とR3とは必ず異なる基であり、m及びnは繰り返し単位の個数を示しそれぞれ1以上の整数である〕で示される不飽和基を1分子中に3個以上有するエチレン性不飽和化合物、(B)有機ハロゲン化合物、(C)フィルム性付与ポリマー並びに(D)活性線により遊離ラジカルを生成しうる光開始剤及び/又は光開始剤系を含有してなる感光性樹脂組成物。
  2. (A)一般式(I)で示される不飽和基を1分子中に3個以上有するエチレン性不飽和化合物を、感光性樹脂組成物の総量100重量部に対して10〜80重量部含有してなる請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物の層と支持体フィルムを有する感光性エレメント。
  4. 剥離可能なカバーフィルムを感光性樹脂組成物の層上に積層してなる請求項3記載の感光性エレメント。
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