JPH11335384A - 光学活性マンガン錯体及び不斉エポキシ化反応 - Google Patents

光学活性マンガン錯体及び不斉エポキシ化反応

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JPH11335384A
JPH11335384A JP10141077A JP14107798A JPH11335384A JP H11335384 A JPH11335384 A JP H11335384A JP 10141077 A JP10141077 A JP 10141077A JP 14107798 A JP14107798 A JP 14107798A JP H11335384 A JPH11335384 A JP H11335384A
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香月  勗
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 近傍官能基を有しないオレフィン化合物を原
料に光学活性な医薬品やその中間体として有用な光学活
性エポキシ化合物を製造する触媒の提供。 【解決手段】 式(1) [W1〜W4は、水素原子、C1-4アルキル基、フェニル
基、及びマンガン原子に配位しうる基を意味し、かつ、
1〜W4のいずれか一つはマンガン原子に配位しうる基
を有する。Y1〜Y4は、水素原子、C1-4アルキル基、フ
ェニル基、ナフチル基、アントラニル基を意味するか、
又は、いずれか2つが一緒になって二重結合を含んでい
てもよいC4〜C8の環を形成してもよい。]で表される光
学活性マンガン錯体又はその塩。該触媒はベンゾピラン
誘導体等のオレフィン化合物に不斉エポキシ化反応を行
ない、光学活性エポキシ化合物を製造するのに用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不斉エポキシ化を
触媒する新規な光学活性マンガン錯体に関する。又、高
血圧症、喘息症等の治療に有効な光学活性ベンゾピラン
化合物を初めとして、医薬の重要合成中間体である光学
活性エポキシ化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近、
光学活性なマンガン錯体を用いる触媒的不斉エポキシ化
反応が見いだされており、近傍官能基を有しないオレフ
ィン化合物を原料とする効率的な光学活性エポキシ体の
製造法として注目されている。
【0003】例えば、特開平5-507645号公報に記載され
ているJacobsen等の製造法、特開平5-301878号公報、欧
州公開特許535377号公報及び特開平7-285983号公報に記
載されている香月等の製造法がある。
【0004】また、Tetrahedron Lett., 34, 4785 (199
3) には、ジヒドロサレンマンガン錯体の分子内に軸配
位子を導入した触媒による、不斉エポキシ化反応が記載
されている。
【0005】これらの方法はラセミ体の分割法と異な
り、プロキラルなオレフィン化合物から光学活性エポキ
シ化合物が得られるため不要な側の対掌体が無駄になる
という問題が解消され、原料となるオレフィンの種類に
よっては良好な化学収率と光学収率を与えるために効率
的な製造法となる。
【0006】しかし、これまで報告された触媒だけでは
すべての光学活性エポキシ体の製造において良好な結果
を与えるとは限らず、現在も改善を計るための研究が盛
んに行なわれているというのが現状である。
【0007】更に、サレンマンガン錯体のジアミン部分
の炭素上に、マンガン原子に配位しうる基を導入した例
は全く知られていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、近傍官能
基を有しないオレフィンから高い不斉収率で光学活性エ
ポキシ化合物を得ることのできる不斉触媒を見出すべく
鋭意努力検討した結果、本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち、本発明は、式(1)
【0010】
【化7】
【0011】[式中、W1、W2、W3及びW4は、それぞ
れ独立して水素原子、C1-4アルキル基、フェニル基(該
フェニル基は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4
ルコキシ基、シアノ基又はニトロ基で置換されていても
よい。)、及びマンガン原子に配位しうる基を意味し、
かつ、W1〜W4のいずれか一つはマンガン原子に配位し
うる基を有する。
【0012】Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立し
て水素原子、C1-4アルキル基、フェニル基、ナフチル
基、アントラニル基(該フェニル基、ナフチル基及びア
ントラニル基は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4
アルコキシ基、C2-5アルカノイル基、C2-5アルキルカル
ボニルオキシ基、C2-5アルコキシカルボニル基、フェニ
ル基、置換フェニル基、置換シリル基、シアノ基又はニ
トロ基で置換されていてもよい。)を意味するか、又
は、いずれか2つが一緒になって二重結合を含んでいて
もよいC4〜C8の環を形成してもよい。(該C4〜C8の環
は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ
基、C2-5アルカノイル基、C2-5アルキルカルボニルオキ
シ基、C2-5アルコキシカルボニル基、フェニル基、置換
フェニル基、置換シリル基、シアノ基又はニトロ基で置
換されていてもよい。)]で表される光学活性マンガン
錯体又はその塩に関する。
【0013】又、本発明は、式(1)で表される光学活
性マンガン錯体又はその塩を触媒として、式(2)
【0014】
【化8】
【0015】[式中、R1及びR2は、それぞれ独立し
て、水素原子、シアノ基、ニトロ基、アセチル基(該ア
セチル基は、フェニル基、置換フェニル基、置換ベンジ
ル基で置換されていてもよい。)で保護されていてもよ
いアミノ基、ベンゾイル基(該ベンゾイル基は、ハロゲ
ン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換され
ていてもよい。)で保護されていてもよいアミノ基、C
2-5アルカノイル基で保護されていてもよいアミノ基、
ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハ
ロC1-4アルキル基、カルボキシル基、ホルミル基、C2-5
アルカノイル基、アロイル基、ハロC2-5アルカノイル
基、カルバモイル基、C1-4アルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基、C1-4アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、スルホンアミド基、モノ又はジC
1-4アルキルスルホンアミド基を意味するか、又はR1
2がオルト位の時両者が一緒になって、結合する環と
ともに
【0016】
【化9】
【0017】(式中、nは0又は1の整数を表す。)を
意味する。
【0018】R3は水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4
アルコキシ基を意味する。
【0019】R4はC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基
又はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1-4
アルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されていてもよ
い。)を意味する。
【0020】又は、R3とR4が一緒になって
【0021】
【化10】
【0022】(R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立
して、水素原子又はC1-4アルキル基を意味する。)を意
味する。]で表されるオレフィン化合物に不斉エポキシ
化反応を行ない、式(3)
【0023】
【化11】
【0024】(R1、R2、R3及びR4は前記に同じ。*
で示された炭素原子の絶対配位はRかSを意味する。)
で表される光学活性エポキシ化合物を製造する方法に関
するものである。
【0025】以下、更に詳細に本発明を説明する。尚、
本明細書中「n」はノルマルを「i」はイソを「s」は
セカンダリーを「t」はターシャリーを「o」はオルト
を「m」はメタを「p」はパラを「c」はシクロを意味
する。まず、式(1)で表される化合物のW1、W2、W
3、W4、Y1、Y2、Y3及びY4の各置換基における語句
について説明する。
【0026】C1-4アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、c−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、、t
−ブチル基及びc−ブチル基等が挙げられる。
【0027】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0028】C1-4アルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、c
−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s
−ブトキシ基、t−ブトキシ基及びc−ブトキシ基等が
挙げられる。
【0029】マンガン原子に配位しうる基としては、式
(5)
【0030】
【化12】
【0031】[式中、mは0又は1の整数を意味す
る。]で表わされるカルボキシル基及びそのイオン、式
(6)
【0032】
【化13】
【0033】[式中、Xは酸素原子及び硫黄原子を意味
する。rは1又は2の整数を意味する。]で表わされる
ヒドロキシルアルキル基、及びメルカプチルアルキル基
並びに式(7)
【0034】
【化14】
【0035】[式中、Zは2−イミダゾリル基、2−ピ
リジル基、2−チエニル基、2−フリル基及び2−ピリ
ミジニル基を意味する。]で表わされる複素環置換メチ
ル基等が挙げられる。
【0036】C2-5アルカノイル基としては、アセチル
基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、
i−プロピルカルボニル基、c−プロピルカルボニル
基、n−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル
基、s−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基
及びc−ブチルカルボニル基等が挙げられる。
【0037】C2-5アルキルカルボニルオキシ基として
は、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキ
シ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポ
キシカルボニルオキシ基、c−プロポキシカルボニルオ
キシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、i−ブトキ
シカルボニルオキシ基、s−ブトキシカルボニルオキシ
基、t−ブトキシカルボニルオキシ基及びc−ブトキシ
カルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0038】C2-5アルコキシカルボニル基としては、メ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロ
ポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、c
−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル
基、i−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニ
ル基、t−ブトキシカルボニル基及びc−ブトキシカル
ボニル基等が挙げられる。
【0039】置換フェニル基としては、例えば、フルオ
ロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、
トリル基、エチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、
メトキシフェニル基(いずれもオルト体、メタ体、パラ
体が存在する。)及び3,5−ジメチルフェニル基等が
挙げられる。
【0040】置換シリル基としては、例えば、トリメチ
ルシリル基、トリエチルシリル基、トリn−プロピルシ
リル基、トリi−プロピルシリル基、トリn−ブチルシ
リル基、トリi−ブチルシリル基、トリn−ヘキシルシ
リル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルn−プロピ
ルシリル基、ジメチルn−ブチルシリル基、ジメチルi
−ブチルシリル基、ジメチルt−ブチルシリル基、ジメ
チルn−ペンチルシリル基、ジメチルn−オクチルシリ
ル基、ジメチルc−ヘキシルシリル基、ジメチルテキシ
ルシリル基、ジメチル−2,3−ジメチルプロピルシリ
ル基、ジメチル−2−(ビシクロヘプチル)シリル基、
ジメチルベンジルシリル基、ジメチルフェニルシリル
基、ジメチルp−トリルシリル基、ジメチルフロフェメ
シルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニ
ルシリル基、ジフェニルt−ブチルシリル基、トリベン
ジルシリル基、ジフェニルビニルシリル基、ジフェニル
n−ブチルシリル基及びフェニルメチルビニルシリル基
等を挙げることができる。
【0041】二重結合を含んでいてもよいC4〜C8の環と
しては、例えば、c−ブタン環、c−ブテン環、c−ペ
ンタン環、c−ペンテン環、c−ヘキサン環、c−ヘキ
セン環、ベンゼン環、c−ヘプタン環及びc−オクタン
環等が挙げられる。
【0042】本発明の光学活性マンガン錯体(1)は、
中心金属であるマンガンが1価から5価までの酸化状態
をとり得るため、種々の陰イオン対と塩を形成すること
ができる。塩を形成するイオン対としては1価のO
-、F-、Cl-、Br-、I-、CH3CO2 -、PF6 -
ClO4 -、BF4 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、TsO
-、2価のCO3 2-、SO4 2-、3価のPO4 3-イオン等が
挙げられるが、いずれの場合も、本目的の不斉触媒とし
て利用できる。
【0043】本発明の光学活性マンガン錯体(1)は、
光学活性エチレンジアミン部分の炭素上の一つにマンガ
ン金属に配位しうる基を有することで、従来知られてい
るC2対称のサレンマンガン錯体と大きく異なり、対称
軸を持たない。
【0044】更に、マンガン金属に配位しうる基を有す
ることで、マンガン錯体の安定性が増し、不斉エポキシ
化反応におけるマンガン触媒の使用量が、従来知られて
いるC2対称のマンガン触媒に比べて、非常に少ない量
においても高い化学収率、高い光学収率を達成すること
が可能である。
【0045】光学活性マンガン錯体(1)において、Y
4が置換基を有するフェニル基及び置換基を有するナフ
チル基等の場合、分子不斉を有するものが存在するが、
この時、二つのサリチルアルデヒド化合物由来の立体に
より、(R,S)、(R,R)及び(S,S)の3種の
立体異性体が存在する。本発明の光学活性マンガン錯体
には、上記3種の立体異性体の何れもが含まれる。種々
の基質に対して、適切に光学活性エチレンジアミン部分
とともに上記の立体を有する光学活性マンガン錯体を選
択することにより、高い光学収率で不斉エポキシ化反応
を達成することが可能である。従って、本発明の光学活
性マンガン触媒を用いる不斉エポキシ化反応は、本明細
書に記載された基質のみに限定されるものではない。
【0046】基質である式(2)で表されるオレフィン
化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8
置換基について説明する。
【0047】置換フェニル基としては、例えば、フルオ
ロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、
トリル基、エチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、
メトキシフェニル基(いずれもオルト体、メタ体、パラ
体が存在する。)及び3,5−ジメチルフェニル基等が
挙げられる。
【0048】置換ベンジル基としては、例えば、フルオ
ロベンジル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、
メチルベンジル基、エチルベンジル基、t−ブチルベン
ジル基、メトキシベンジル基(いずれもオルト体、メタ
体、パラ体が存在する。)及び3,5−ジメチルベンジ
ル基等が挙げられる。
【0049】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0050】C1-4アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、c−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−
ブチル基及びc−ブチル基が挙げられる。
【0051】C1-4アルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、c
−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s
−ブトキシ基、t−ブトキシ基及びc−ブトキシ基等が
挙げられる。
【0052】C2-5アルカノイル基としては、アセチル
基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、
i−プロピルカルボニル基、c−プロピルカルボニル
基、n−ブチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル
基、s−ブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基
及びc−ブチルカルボニル基等が挙げられる。
【0053】ハロC1-4アルキル基としては、フルオロメ
チル基、フルオロエチル基、フルオロn−プロピル基、
フルオロi−プロピル基、フルオロc−プロピル基、フ
ルオロn−ブチル基、フルオロi−ブチル基、フルオロ
s−ブチル基、フルオロt−ブチル基、フルオロc−ブ
チル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロn−
プロピル基、クロロi−プロピル基、クロロc−プロピ
ル基、クロロn−ブチル基、クロロi−ブチル基、クロ
ロs−ブチル基、クロロt−ブチル基、クロロc−ブチ
ル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモn−プ
ロピル基、ブロモi−プロピル基、ブロモc−プロピル
基、ブロモn−ブチル基、ブロモi−ブチル基、ブロモ
s−ブチル基、ブロモt−ブチル基、ブロモc−ブチル
基、アイオドメチル基、アイオドエチル基、アイオドn
−プロピル基、アイオドi−プロピル基、アイオドc−
プロピル基、アイオドn−ブチル基、アイオドi−ブチ
ル基、アイオドs−ブチル基、アイオドt−ブチル基及
びアイオドc−ブチル基が挙げられる。
【0054】アロイル基としては、ベンゾイル基、o−
トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基、α−ナ
フトイル基及びβ−ナフトイル基等が挙げられる。
【0055】ハロC2-5アルカノイル基としては、フルオ
ロアセチル基、フルオロエチルカルボニル基、フルオロ
n−プロピルカルボニル基、フルオロi−プロピルカル
ボニル基、フルオロc−プロピルカルボニル基、フルオ
ロn−ブチルカルボニル基、フルオロi−ブチルカルボ
ニル基、フルオロs−ブチルカルボニル基、フルオロt
−ブチルカルボニル基、フルオロc−ブチルカルボニル
基、クロロアセチル基、クロロエチルカルボニル基、ク
ロロn−プロピルカルボニル基、クロロi−プロピルカ
ルボニル基、クロロc−プロピルカルボニル基、クロロ
n−ブチルカルボニル基、クロロi−ブチルカルボニル
基、クロロs−ブチルカルボニル基、クロロt−ブチル
カルボニル基、クロロc−ブチルカルボニル基、ブロモ
アセチル基、ブロモエチルカルボニル基、ブロモn−プ
ロピルカルボニル基、ブロモi−プロピルカルボニル
基、ブロモc−プロピルカルボニル基、ブロモn−ブチ
ルカルボニル基、ブロモi−ブチルカルボニル基、ブロ
モs−ブチルカルボニル基、ブロモt−ブチルカルボニ
ル基、ブロモc−ブチルカルボニル基、アイオドアセチ
ル基、アイオドエチルカルボニル基、アイオドn−プロ
ピルカルボニル基、アイオドi−プロピルカルボニル
基、アイオドc−プロピルカルボニル基、アイオドn−
ブチルカルボニル基、アイオドi−ブチルカルボニル
基、アイオドs−ブチルカルボニル基、t−ブチルカル
ボニル基及びc−ブチルカルボニル基等が挙げられる。
【0056】C1-4アルキルスルフィニル基としては、例
えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、
n−プロピルスルフィニル基、i−プロピルスルフィニ
ル基、c−プロピルスルフィニル基、n−ブチルスルフ
ィニル基、i−ブチルスルフィニル基、s−ブチルスル
フィニル基、t−ブチルスルフィニル基及びc−ブチル
スルフィニル基等が挙げられる。
【0057】アリールスルフィニル基としては、ベンゼ
ンスルフィニル基、o−トルエンスルフィニル基、m−
トルエンスルフィニル基及びp−トルエンスルフィニル
基等が挙げられる。
【0058】C1-4アルキルスルホニル基としては、例え
ば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プ
ロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、c−
プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、i−
ブチルスルホニル基、s−ブチルスルホニル基、t−ブ
チルスルホニル基及びc−ブチルスルホニル基等が挙げ
られる。
【0059】アリールスルホニル基としては、ベンゼン
スルホニル基、o−トルエンスルホニル基、m−トルエ
ンスルホニル基及びp−トルエンスルホニル基等が挙げ
られる。
【0060】モノ又はジC1-4アルキルスルホンアミド基
としては、メチルスルホンアミド基、エチルスルホンア
ミド基、n−プロピルスルホンアミド基、i−プロピル
スルホンアミド基、c−プロピルスルホンアミド基、n
−ブチルスルホンアミド基、ジメチルスルホンアミド
基、ジエチルスルホンアミド基、ジn−プロピルスルホ
ンアミド基、ジi−プロピルスルホンアミド基、ジn−
ブチルスルホンアミド基、ジi−ブチルスルホンアミド
基及びジs−ブチルスルホンアミド基等が挙げられる。
【0061】式(2)で表されるのオレフィン化合物と
しては、式(4)
【0062】
【化15】
【0063】[式中、R1、R2、R5及びR6は前記に同
じ。]で表わされるベンゾピラン誘導体、1,2−ジヒ
ドロナフタレン及びインデン等が挙げられる。
【0064】ベンゾピラン誘導体の具体例としては、
2,2−ジメチルクロメン、6−シアノ−2,2−ジメ
チルクロメン、6−アセトアミド−7−ニトロ−2,2
−ジメチルクロメン、及び式(8)
【0065】
【化16】
【0066】[式中、R5及びR6は前記に同じ。nは0
又は1の整数を表す。]で表わされる化合物等が挙げら
れる。
【0067】以下、本発明の光学活性マンガン錯体にお
ける代表化合物を第1表及び第2表に例示するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。(第2表記載の
光学活性マンガン錯体はBの存在により、分子不斉が生
じ、(R,S)、(R,R)及び(S,S)の3種の立
体異性体が存在するが、全ての立体異性体が包含され
る。)
【0068】尚、第1表及び第2表中のQ1〜Q22
は、次の式で表される基である。又、式中、Meはメチ
ル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Bu
はブチル基を、Phはフェニル基を、Brは臭素を、O
Meはメトキシ基を、Acはアセチル基を−は塩が存在
しないことを意味する。
【0069】
【化17】
【0070】第1表
【0071】
【化18】
【0072】
【表1】 ──────────────────────────────── W12341234 塩 ──────────────────────────────── H H H Q2 H Q12 H Q12 ─ H H H Q2 H Q13 H Q12 ─ H H H Q2 H H H Q15 ─ H H H Q2 H H Me Q14 ─ H H Q2 H H Q12 H Q12 ─ H H Q2 H H Q13 H Q12 ─ H H Q2 H H H H Q15 ─ H H Q2 H H H Me Q14 ─ Me H H Q2 H Q12 H Q12 ─ H Me H Q2 H Q12 H Q12 ─ H H Me Q2 H Q12 H Q12 ─ Ph H H Q2 H Q12 H Q12 ─ H Ph H Q2 H Q12 H Q12 ─ H H Ph Q2 H Q12 H Q12 ─ H H H Q1 H Q12 H Q12 ─ H H H Q1 H Q13 H Q12 ─ H H H Q1 H H H Q15 ─ H H H Q1 H H Me Q14 ─ H H Q1 H H Q12 H Q12 ─ H H Q1 H H Q13 H Q12 ─ H H Q1 H H H H Q15 ─ H H Q1 H H H Me Q14 ─ Me H H Q1 H Q12 H Q12 ─ H Me H Q1 H Q12 H Q12 ─ H H Me Q1 H Q12 H Q12 ─ Ph H H Q1 H Q12 H Q12 ─ H Ph H Q1 H Q12 H Q12 ─ H H Ph Q1 H Q12 H Q12 ─ H H H Q3 H Q12 H Q12 PF6 - H H Q3 H H Q12 H Q12 Cl- H H H Q4 H Q12 H Q12 AcO- H H Q4 H H Q12 H Q12 PF6 - H H H Q5 H Q12 H Q12 Cl- H H Q5 H H Q12 H Q12 AcO- H H H Q6 H Q12 H Q12 PF6 - H H Q6 H H Q12 H Q12 Cl- H H H Q7 H Q12 H Q12 AcO- H H Q7 H H Q12 H Q12 PF6 - H H H Q8 H Q12 H Q12 Cl- H H Q8 H H Q12 H Q12 AcO- H H H Q9 H Q12 H Q12 PF6 - H H Q9 H H Q12 H Q12 Cl- H H H Q10 H Q12 H Q12 AcO- H H Q10 H H Q12 H Q12 PF6 - H H H Q11 H Q12 H Q12 Cl- H H Q11 H H Q12 H Q12 AcO- ────────────────────────────────
【0073】第2表
【化19】
【0074】
【表2】 ──────────────────────── W1234 A B 塩 ──────────────────────── H H H Q2 H Q17 ─ H H H Q2 H Q18 ─ H H H Q2 H Q19 ─ H H H Q2 Me Q20 ─ H H H Q2 Br Q21 ─ H H H Q2 OMe Q22 ─ H H Q2 H H Q17 ─ H H Q2 H H Q18 ─ H H Q2 H H Q19 ─ H H Q2 H Me Q20 ─ H H Q2 H Br Q21 ─ H H Q2 H OMe Q22 ─ Me H H Q2 H Q17 ─ H Me H Q2 H Q17 ─ H H Me Q2 H Q17 ─ Ph H H Q2 H Q17 ─ H Ph H Q2 H Q17 ─ H H Ph Q2 H Q17 ─ Ph H Me Q2 H Q17 ─ H Ph Me Q2 H Q17 ─ H H H Q1 H Q17 ─ H H H Q1 H Q18 ─ H H H Q1 H Q19 ─ H H H Q1 Me Q20 ─ H H H Q1 Br Q21 ─ H H H Q1 OMe Q22 ─ H H Q1 H H Q17 ─ H H Q1 H H Q18 ─ H H Q1 H H Q19 ─ H H Q1 H Me Q20 ─ H H Q1 H Br Q21 ─ H H Q1 H OMe Q22 ─ Me H H Q1 H Q17 ─ H Me H Q1 H Q17 ─ H H Me Q1 H Q17 ─ Ph H H Q1 H Q17 ─ H Ph H Q1 H Q17 ─ H H Ph Q1 H Q17 ─ Ph H Me Q1 H Q17 ─ H Ph Me Q1 H Q17 ─ H H H Q3 H Q17 PF6 - H H Q3 H H Q17 Cl- H H H Q4 H Q17 AcO- H H Q4 H H Q17 PF6 - H H H Q5 H Q17 Cl- H H Q5 H H Q17 AcO- H H H Q6 H Q17 PF6 - H H Q6 H H Q17 Cl- H H H Q7 H Q17 AcO- H H Q7 H H Q17 PF6 - H H H Q8 H Q17 Cl- H H Q8 H H Q17 AcO- H H H Q9 H Q17 PF6 - H H Q9 H H Q17 Cl- H H H Q10 H Q17 AcO- H H Q10 H H Q17 PF6 - H H H Q11 H Q17 Cl- H H Q11 H H Q17 AcO- ────────────────────────
【0075】
【発明の実施の形態】
【0076】次に、本発明の光学活性マンガン錯体の製
造法について説明する。式(1)で表される光学活性マ
ンガン錯体は以下の反応式1で示される方法によって製
造することができる。
【0077】反応式1
【0078】
【化20】
【0079】(式中、W1、W2、W3、W4、Y1、Y2
3及びY4は前記に同じ。Vは、塩素、臭素、ヨウ素等
のハロゲン原子又は酢酸イオン等のカルボン酸イオンを
意味し、aは2又は3の整数を意味する。) 反応式1は、サリチルアルデヒド化合物(9)と光学活
性ジアミン化合物(10)を反応させ、イミン化合物と
し、これにマンガン化合物(11)を反応させ、その
後、必要ならば空気酸化等の処理を行い、光学活性マン
ガン錯体(1)を製造する方法である。
【0080】反応式1における、イミン化合物の製造工
程について説明する。サリチルアルデヒド化合物(9)
に対するジアミン化合物(10)の使用量としては、
0.2〜2モル当量、好ましくは0.5当量程度が良
い。
【0081】反応温度については特に制限がなく、−2
0℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好まし
くは0℃から50℃の範囲がよい。
【0082】溶媒としては、エタノール、メタノールな
どのアルコール系の溶媒、アセトニトリル、プロピオニ
トリルのようなニトリル系の溶媒、ジクロロメタン、ク
ロロホルムのようなハロゲン系の溶媒、ベンゼン、トル
エンのような芳香族炭化水素系の溶媒、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテルのようなエーテル系の溶媒、ヘ
キサン、ヘプタンのような炭化水素系の溶媒、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドンなどのアミド系溶媒が挙げられ、好ましい溶媒と
してはエタノール、メタノール、アセトニトリル、ジク
ロロメタン、トルエン、ジメチルホルムアミド等を挙げ
ることができる。
【0083】この時必要であれば、等モル以上の無水硫
酸マグネシウムや無水ホウ酸又はモレキュラーシーブの
ような脱水剤を共存させてもよい。あるいは溶媒との共
沸脱水により生成水の除去を行なってもよい。
【0084】生成したイミン化合物は、必ずしも反応系
中から取り出す必要はなく、次のマンガン錯体合成と連
続して行なうこともできる。
【0085】次に、イミン化合物から光学活性マンガン
錯体(1)の製造法について説明する。
【0086】得られたイミン化合物を、エタノール、メ
タノールなどのアルコール系の溶媒、アセトニトリル、
プロピオニトリルのようなニトリル系の溶媒、ジクロロ
メタン、クロロホルムのようなハロゲン系の溶媒、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドンなどのアミド系の溶媒中に溶解又は懸濁さ
せ、0.5モル当量から10モル当量、好ましくは0.
8モル当量から2モル当量のマンガン化合物(11)を
加え、必要ならば、空気酸化を行い、目的とする、式
(1)で表される光学活性マンガン錯体を得ることがで
きる。
【0087】反応温度については特に制限がなく、−2
0℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好まし
くは0℃から50℃の範囲がよい。
【0088】好ましい溶媒としてはエタノール、メタノ
ール、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルホル
ムアミド等を挙げることができる。
【0089】空気酸化は、酸素の存在下で反応を行えば
達成できるが、酸素は大過剰の空気又は酸素ガスを反応
系中に吹き込むか、又は大気中、開放系で撹拌すること
により、供給することができる。
【0090】次に、本発明の光学活性マンガン錯体
(1)の合成原料であるサリチルアルデヒド化合物
(9)及び光学活性ジアミン化合物(10)について説
明する。
【0091】サリチルアルデヒド化合物(9)のうち、
分子不斉を有さないものについては入手可能であるもの
が多い。一方、分子不斉を有するサリチルアルデヒド化
合物は、Tetrahedron, 50, 11827 (1994) に記載された
方法等により合成することができる。分子不斉を有する
サリチルアルデヒド化合物の合成法の1例として、式
(12)で示した化合物の合成法を、反応式2に示し
た。
【0092】
【化21】
【0093】[式中、Phはフェニル基を意味する。]
【0094】反応式2
【0095】
【化22】
【0096】[式中、Tf2NPhはN−フェニルトリフルオ
ロメタンスルホンイミドを、PhMgBrはフェニルマグネシ
ウムブロミドを、NiCl2(dppe)は塩化[1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)を、
MOMClはクロロメチルメチルエーテルを、(i-Pr)2NEtは
ジイソプロピルエチルアミンを、t-BuLiはターシャリー
ブチルリチウムを、DMFはジメチルホルムアミドを、TMS
Brは臭化トリメチルシリルを、各々意味する。]
【0097】すなわち、分子不斉を持つ光学活性ビナフ
トール化合物を(a)コリジン存在下、N−フェニルト
リフルオロメタンスルホンイミドを反応させて一方の水
酸基をトリフレートとし、(b)塩化[1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)を触
媒としてフェニルグリニャール試薬で置換する。次いで
(c)塩基性条件下、クロロメチルメチルエーテルでメ
トキシメチル化した後、(d)t−ブチルリチウムでの
リチオ化、(e)ジメチルホルムアミドでのホルミル
化、(f)トリメチルシリルブロミドでの脱メトキシメ
チル化を経て、目的のサリチルアルデヒド化合物を合成
することができる。
【0098】光学活性ジアミン化合物(10)について
も入手可能なものを使用することができる。市販されて
いないジアミン化合物である(13)、(14)の合成
法を、反応式3、反応式4に示した。(式中、*で示さ
れた炭素原子の絶対配位はRかSを意味する。)
【0099】
【化23】
【0100】反応式3(ヒドロキシル基を有する光学活
性ジアミン化合物の合成法)
【0101】
【化24】
【0102】(式中、*で示された炭素原子の絶対配位
はRかSを意味する。) 反応式3は、カルボキシル基を有する光学活性ジアミン
化合物のカルボン酸部位を還元することにより、ヒドロ
キシル基を有する光学活性ジアミン化合物を製造する方
法である。
【0103】反応式4(メルカプチル基を有する光学活
性ジアミン化合物の合成法)
【0104】
【化25】
【0105】(式中、*で示された炭素原子の絶対配位
はRかSを意味する。) 反応式4は、ヒドロキシル基を有する光学活性ジアミン
化合物の水酸基部位をメルカプチルに置換することによ
り、メルカプチル基を有する光学活性ジアミン化合物を
製造する方法である。
【0106】次に、本発明の不斉エポキシ化反応につい
て説明する。式(3)で示される光学活性エポキシ化合
物は、以下の反応式5で示される方法によって製造する
ことができる。反応式5
【0107】
【化26】
【0108】(式中、R1、R2、R3及びR4は前記に同
じ。*で示された炭素原子の絶対配位はRかSを意味す
る。) 反応式5は、オレフィン化合物(2)を光学活性マンガ
ン錯体(1)の存在下、酸化剤と反応させることによ
り、光学活性エポキシ化合物(3)を製造する方法であ
る。
【0109】不斉エポキシ化反応の触媒として用いる光
学活性マンガン錯体(1)の使用量は、原料であるオレ
フィン化合物(2)に対して通常0.001モル%〜2
0モル%の範囲であるが、通常は触媒の使用量が少ない
ほど経済的であるので、好ましくは0.01モル%〜5
モル%の範囲である。
【0110】酸化剤の種類としては、ヨードシルベンゼ
ン、2−ヨードシル安息香酸、次亜塩素酸ナトリウム、
過ヨウ素酸テトラブチルアンモニウム、過酸化水素、酸
素、空気等を挙げることができる。
【0111】酸化剤がヨードシルベンゼン又は2−ヨー
ドシル安息香酸の場合の使用量は、原料であるオレフィ
ン化合物に対して通常1当量〜10当量、好ましくは1
当量〜3当量の範囲である。
【0112】酸化剤が次亜塩素酸ナトリウム、過ヨウ素
酸テトラブチルアンモニウム及び過酸化水素の場合の使
用量は、原料であるオレフィン化合物に対して通常1当
量〜100当量の範囲、好ましくは3当量〜30当量の
範囲である。
【0113】酸化剤として、空気又は酸素ガスを用いる
場合は、大過剰の空気又は酸素ガスを反応系中に吹き込
むか、又は大気中、開放系で撹拌することにより、供給
される。
【0114】反応溶媒としては、水、アセトニトリル、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル、メチル
イソブチルケトン、クロロベンゼン及びこれらの混合溶
媒等が挙げられる。
【0115】特に酸化剤が次亜塩素酸ナトリウムの場合
は、水とジクロロメタンのように2相系で実施する方が
好ましい場合がある。
【0116】又、反応系にピリジンN−オキシド、4−
フェニルピリジンN−オキシド、ルチジンN−オキシド
又は2−メチルイミダゾールなどのマンガン錯体に配位
能力を持つ成分を共存させることができる。使用量につ
いては特に制限がない。
【0117】反応温度は通常−50℃〜50℃の範囲、
好ましくは−20℃〜25℃の範囲がよい。
【0118】反応終了後は溶媒を減圧濃縮し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーあるいは蒸留により分離精
製すれば、目的とする光学活性エポキシ化合物を単離す
ることができる。
【0119】得られた光学活性エポキシ化合物の光学純
度は、光学活性液体クロマトグラフィーカラム(ダイセ
ル化学工業社、キラルセル OJなど)や旋光度によっ
て分析することができる。
【0120】
【実施例】以下、実施例により更に詳しく説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0121】実施例1 光学活性マンガン錯体(15)の合成
【0122】
【化27】
【0123】窒素雰囲気下で、(S)−2,3−ジアミ
ノプロピオン酸モノ塩酸塩42.0mg(0.30mm
ol)とサリチルアルデヒド(12)の(R)体224
mg(0.60mmol)のエタノール懸濁液6ml
に、1.4M水酸化ナトリウムエタノール溶液0.42
5ml(0.60mmol)を室温で少量づつ滴下し
た。オレンジ色の少し懸濁した溶液となった。
【0124】この溶液に酢酸マンガン(II)4水和物7
3.5mg(0.30mmol)を一度に加え、よく撹
拌した。直ちに黄色沈澱が析出してきた。1時間撹拌の
後、蓋を外し空気中で約12時間撹拌すると濃茶色の溶
液となった。減圧下で溶媒を留去した後、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメ
タン/エタノール=10/1〜4/1)で精製したとこ
ろ目的とするマンガン錯体225mgが茶色結晶として
得られた(収率85%)。
【0125】さらに、この結晶を酢酸エチルに溶解した
後、ヘキサンを加えて析出させたものを分析用サンプル
とした。
【0126】 元素分析;実測値 水素4.29%、炭素77.18%、窒素3.11% 計算値 水素4.43%、炭素77.19%、窒素3.16%(C57H37N2O4Mn+H2O ) (錯体は一分子の水を含む)
【0127】実施例2 6−アセトアミド−7−ニトロ−2,2−ジメチルクロ
メンのエポキシ化 (化合物(16)の合成)
【0128】
【化28】
【0129】6−アセトアミド−7−ニトロ−2,2−
ジメチルクロメン(26mg,0.1mmol)をアセ
トニトリル(0.8mL)に溶かした後、マンガン錯体
(15)(1.8mg,2μmol、2mol%)を加
え、0℃に冷却した。この溶液にヨードシルベンゼン
(23mg,0.1mmol)を一度に加えて、0℃で
6時間撹拌した。反応混合物を濃縮した後、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン
/酢酸エチル=4/1〜7/3)により精製したとこ
ろ、目的とする光学活性エポキシドが黄色の結晶として
28mg(収率100%)得られた。液体クロマトグラ
フィ(DAICEL CHIRALCELOJ,ヘキサ
ン/イソプロパノール=1:1,流速=0.5mL/
分)で光学純度を測定したところ98%e.e.であっ
た。
【0130】実施例3〜5 実施例2の触媒量の削減 マンガン錯体の使用量を変えた以外は実施例2と同様に
反応を行なった結果を下表に示す。
【0131】
【表3】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例 触媒量(mol%) 温度(℃) 時間(h) 収率(%) 不斉収率(%ee) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3 0.2 0 6 95 98 4 0.1 −20 48 94 99 5 0.01 0 240 92 99 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0132】実施例6〜8 実施例2の溶媒変更 溶媒を変えた以外は実施例2と同様に反応を行なった結
果を下表に示す。
【0133】
【表4】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例 溶媒 温度(℃) 時間(h) 収率(%) 不斉収率(%ee) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 6 ジクロロメタン 25 2 92 96 7 酢酸エチル 0 6 94 94 8 アセトン 0 6 99 95 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0134】実施例9〜11 実施例2の基質変更 反応基質を変えた以外は実施例2と同様に反応を行なっ
た結果を下表に示す。
【0135】
【表5】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例 基質 温度(℃) 時間(h) 収率(%) 不斉収率(%ee) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 9 化合物(17) −20 20 96 96 10 化合物(18) −20 20 86 97 11 化合物(19) −20 20 91 98 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0136】
【化29】
【0137】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、近傍官能基を有しないオレフィン化合物を
原料に光学活性な医薬品やその中間体として有用な光学
活性エポキシ化合物を製造する新規な触媒を提供するこ
とができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 [式中、W1、W2、W3及びW4は、それぞれ独立して水
    素原子、C1-4アルキル基、フェニル基(該フェニル基
    は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ
    基、シアノ基又はニトロ基で置換されていてもよ
    い。)、又はマンガン原子に配位しうる基を意味し、か
    つ、W1〜W4のいずれか一つはマンガン原子に配位しう
    る基を有する。Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立
    して水素原子、C1-4アルキル基、フェニル基、ナフチル
    基、アントラニル基(該フェニル基、ナフチル基及びア
    ントラニル基は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4
    アルコキシ基、C2-5アルカノイル基、C2-5アルキルカル
    ボニルオキシ基、C2-5アルコキシカルボニル基、フェニ
    ル基、置換フェニル基、置換シリル基、シアノ基又はニ
    トロ基で置換されていてもよい。)を意味するか、又
    は、いずれか2つが一緒になって二重結合を含んでいて
    もよいC4〜C8の環を形成してもよい。(該C4〜C8の環
    は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ
    基、C2-5アルカノイル基、C2-5アルキルカルボニルオキ
    シ基、C2-5アルコキシカルボニル基、フェニル基、置換
    フェニル基、置換シリル基、シアノ基又はニトロ基で置
    換されていてもよい。)]で表される光学活性マンガン
    錯体又はその塩。
  2. 【請求項2】 式(1)で表される化合物のマンガン原
    子に配位しうる基が、カルボキシル基である請求項1記
    載の光学活性マンガン錯体。
  3. 【請求項3】 式(1)で表される化合物のY2とY3
    一緒になってナフチル環を形成し(該ナフチル環は、ハ
    ロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-5
    アルカノイル基、C2-5アルキルカルボニルオキシ基、C
    2-5アルコキシカルボニル基、フェニル基、置換フェニ
    ル基、置換シリル基、シアノ基又はニトロ基で置換され
    ていてもよい。)、かつY4がナフチル基(該ナフチル
    基は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ
    基、C2-5アルカノイル基、C2-5アルキルカルボニルオキ
    シ基、C2-5アルコキシカルボニル基、フェニル基、置換
    フェニル基、置換シリル基、シアノ基又はニトロ基で置
    換されていてもよい。)である請求項1又は2記載の光
    学活性マンガン錯体又はその塩。
  4. 【請求項4】 式(2) 【化2】 [式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、
    シアノ基、ニトロ基、アセチル基(該アセチル基は、フ
    ェニル基、置換フェニル基、置換ベンジル基で置換され
    ていてもよい。)で保護されていてもよいアミノ基、ベ
    ンゾイル基(該ベンゾイル基は、ハロゲン原子、C1-4
    ルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されていてもよ
    い。)で保護されていてもよいアミノ基、C2-5アルカノ
    イル基で保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原
    子、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロC1-4アル
    キル基、カルボキシル基、ホルミル基、C2-5アルカノイ
    ル基、アロイル基、ハロC2-5アルカノイル基、カルバモ
    イル基、C1-4アルキルスルフィニル基、アリールスルフ
    ィニル基、C1-4アルキルスルホニル基、アリールスルホ
    ニル基、スルホンアミド基、モノ又はジC1-4アルキルス
    ルホンアミド基を意味するか、又はR1とR2がオルト位
    の時両者が一緒になって、結合する環とともに 【化3】 (式中、nは0又は1の整数を表す。)を意味する。R
    3は水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基を
    意味する。R4はC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基又
    はフェニル基(該フェニル基は、ハロゲン原子、C1-4
    ルキル基、C1-4アルコキシ基で置換されていてもよ
    い。)を意味する。又は、R3とR4が一緒になって 【化4】 (R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原
    子又はC1-4アルキル基を意味する。)を意味する。]で
    表されるオレフィン化合物に対し、請求項1記載の式
    (1)で表される光学活性マンガン錯体又はその塩を触
    媒として不斉エポキシ化反応を行ない、式(3) 【化5】 (R1、R2、R3及びR4は前記に同じ。*で示された炭
    素原子の絶対配位はRかSを意味する。)で表される光
    学活性エポキシ化合物を製造する方法。
  5. 【請求項5】 式(2)で表される化合物が、式(4) 【化6】 [式中、R1、R2、R5及びR6は前記に同じ。]である
    請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】 式(2)で表される化合物が、インデン
    である請求項4記載の製造法。
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