JPH11333888A - 射出成形用金型 - Google Patents

射出成形用金型

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JPH11333888A
JPH11333888A JP26167298A JP26167298A JPH11333888A JP H11333888 A JPH11333888 A JP H11333888A JP 26167298 A JP26167298 A JP 26167298A JP 26167298 A JP26167298 A JP 26167298A JP H11333888 A JPH11333888 A JP H11333888A
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JP
Japan
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gate
cut pin
tip
mold
cavity
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Pending
Application number
JP26167298A
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English (en)
Inventor
Koichi Onishi
浩一 大西
Ryoji Kitai
亮次 北井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形性が良く、しかも後のゲートカット処理を
行うことなく端部が面取りされた成形品を成形すること
ができる射出成形用金型を提供する。 【解決手段】端部が面取りされた成形品を射出成形する
ためのキャビティ3を有し、成形品の面取りされた部位
もしくはその周辺部を形成するキャビティ3の部位にゲ
ート部4が連設された射出成形用金型であって、先端8
1がゲート部4の一部を形成するとともに、成形品の面
取りされた部位に対応するキャビティ3端部の一部を形
成するゲートカットピン8がゲート部4に出没自在に設
けられている。ゲート部4の一部を形成するゲートカッ
トピン8の先端81は、キャビティ3側に形成された水
平部と、この水平部からランナ5側に連続して形成され
且つゲート部4を拡張する方向に傾斜した勾配部とで構
成されている。ゲートカットピン8の先端81が溶融樹
脂の硬化後の樹脂硬度よりも硬い材質で形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形用金型に
関し、具体的には成形品の面取りされた部位もしくはそ
の部位を含む周辺部を形成するキャビティの部位にゲー
ト部が連設された射出成形用金型であって、射出成形時
における上記ゲート部構造及びゲート部の処理技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】比較的幅広の板状体などの成形品を射出
成形により成形する場合において、樹脂の充填やヒケ、
ヤケ、シルバーストリークなどが発生しにくいなどの成
形性の面から、サイドゲートにより樹脂をキャビティに
充填するのが好ましい場合が多い。
【0003】そして、上記サイドゲートを使用するもの
においては、成形品を成形した後に成形品と一体に成形
されたゲート部をゲートカット処理する必要があること
から、従来において、このゲートカット処理を不要にす
るための射出成形用金型が提供されている。
【0004】図13は、上述したゲートカットの後処理
を不要とした従来の射出成形用金型の構成を示してい
る。
【0005】図において、aは成形品に対応する形状に
形成されたキャビティ(図示では一部を表している)で
あり、このキャビティaの端部下方にはランナcに連通
されたサイドゲートbが連設されている。
【0006】上記サイドゲートbは、その先端部下面が
ゲートカットピンdの先端d1によって形成されてい
る。このゲートカットピンdは、油圧シリンダ等により
その先端d1がサイドゲートbの先端部下面を形成する
位置と、キャビティaの端部下面(サイドゲートbとキ
ャビティaとの連通部)を形成する位置(図14参照)
との間で上下に移動自在に構成されている。
【0007】このようにして構成された射出成形用金型
は、まず、図13に示したようにゲートカットピンdの
先端をサイドゲートbの先端部下面を形成する位置に配
置した状態で、図示しない射出成形機から溶融樹脂をラ
ンナc、サイドゲートbを介してキャビティaに充填
し、保圧終了後に図14に示したようにゲートカットピ
ンdの先端をキャビティaの端部下面を形成する位置に
油圧シリンダによって上昇させ、この状態でキャビティ
a内の樹脂を冷却させた後、型開して成形品を取り出し
ている。
【0008】すなわち、ゲートカットピンdの先端を上
昇させてサイドゲートbの先端部に充填されている樹脂
をキャビティa内に強制的に押し込むことによって、成
形品の端部とゲート部とを分離させた状態で冷却してお
り、これにより成形品はゲート部から分離された状態で
取り出され、後のゲートカット処理を不要にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の射出成形用金型では、端部の各コーナが面取り
されていない形状の成形品を成形するのに有効であるも
のの、上記端部の各コーナを面取りした形状、例えば図
15に示したように端部の断面を横U字状にしたものに
上記技術を適用する場合には、ゲートカットピンdの先
端d1を上記端部の形状に対応するように形成する必要
があり、このため当該ゲートカットピンdの先端d1の
形状はその一部にエッジd2を有するものにならざるを
得ない。
【0010】このようにエッジd2を有するゲートカッ
トピンdでは、当該ゲートカットピンdの上下移動によ
ってエッジd2にヘタリ等が生じ易く耐久性が著しく悪
くなるとともに、このエッジd2でキャビティaを損傷
するおそれもあるため、端部の各コーナを面取りした形
状の成形品の成形には上記従来の技術が適用できないと
いう問題がある。従って、端部の各コーナを面取りした
形状の成形品をその端部からゲートを介して充填する成
形においては、成形後にゲートカット処理を行っている
のが現状である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の射出成形
用金型は、端部が面取りされた成形品を射出成形するた
めのキャビティを有し、上記成形品の面取りされた部位
もしくはその周辺部を形成するキャビティの部位にゲー
ト部が連設された射出成形用金型であって、先端が上記
ゲート部の一部を形成するとともに、上記成形品の面取
りされた部位に対応するキャビティ端部の一部を形成す
るゲートカットピンが設けられ、当該ゲートカットピン
の先端が上記ゲート部に出没自在に設けられたものであ
る。
【0012】請求項2記載の射出成形用金型において
は、前記ゲート部の一部を形成するゲートカットピンの
先端は、キャビティ側に形成された水平部と、この水平
部からランナ側に連続して形成され且つ前記ゲート部を
拡張する方向に傾斜した勾配部とで構成されている。
【0013】請求項3記載の射出成形用金型において
は、前記水平部は、前記勾配部までの長さが0.5mm
以上、当該水平部に対する勾配部の傾斜が20〜45°
である。
【0014】請求項4記載の射出成形用金型において
は、前記水平部は、前記勾配部までの長さが0.2mm
以下、当該水平部に対する勾配部の傾斜が45〜80°
であり、さらにゲートカットピンの先端がゲート部に最
も突出した際に、このゲートカットピンの先端とゲート
部で形成される間隔が10〜50μmである。
【0015】請求項5記載の射出成形用金型において
は、前記ゲートカットピンの先端が溶融樹脂の硬化後の
樹脂硬度よりも硬い材質で形成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0017】図1は、請求項1に記載の射出成形用金型
の概略の全体構成を示している。この射出成形用金型
は、固定型1と当該固定型1に対して上下方向に開閉自
在な可動型2とから構成されている。射出成形用金型に
は、図1に示したような型締め状態において、上記固定
型1と可動型2との合わせ面(パーティングライン)P
Lにキャビティ3が形成されるとともに、キャビティ3
にはゲート部4を介してランナ部5が形成されている。
このランナ部5は固定型1を通じて図示しない射出成形
機の射出ノズルに連結されている。
【0018】前記キャビティ3の端部31は、図2に示
したように横U字状に形成されており、この端部が前記
ゲート部4に連通されている。
【0019】前記可動型2側のランナ部5は、当該可動
型2に配置された入れ子6に形成されている。この入れ
子6は、可動型2にスプリング7を介して上下方向に摺
動自在に設けられ、図5に示した型開き状態において可
動型2から上方に突出するように構成されている。
【0020】また、前記可動型2にはゲートカットピン
8が設けられている。ゲートカットピン8はその先端8
1が前記キャビティ3の端部31及びゲート部4に臨ん
で配置されるともに、油圧シリンダ9により上下方向に
移動自在に構成されている。
【0021】このゲートカットピン8の先端81は、図
3に示したように、欠落部82と水平部83とで形成さ
れている。
【0022】欠落部82は、キャビティ3の端部31に
対峙する部位に形成されており、当該キャビティ3の端
部31の形状に対応する形状、つまり、キャビティ3の
端部形状である横U字形状の下半分の形状と同じ形状に
形成されている。この欠落部82は、ゲートカットピン
8が図3に示したように上方に移動した場合には、キャ
ビティ3の端部31の一部を形成することになる。
【0023】水平部83は、ゲート部4に対峙する部位
に形成されており、図4に示したようにゲートカットピ
ン8が下方に移動した際には、ゲート部4の一部を形成
するとともに、ゲートカットピン8が図3に示したよう
に上方に移動した場合には、ゲート部4内に突出し、当
該ゲート部4の先端部の上下幅を縮小させる。
【0024】次に、このように構成された射出成形用金
型による射出成形時の動作について説明する。
【0025】まず、可動型2を図5に示した型開きの状
態から成形品およびランナ部の固化樹脂を取り除き、上
方に移動させて図1に示したように型締めする。これに
より入れ子6が固定型1に上方から押圧されて可動型2
内に配置される。この際、ゲートカットピン8は図4の
ように下方に移動した位置にあり、その水平部83がゲ
ート部4の一部(下面)を形成している。
【0026】この状態で、射出成形機から溶融樹脂を射
出すると、溶融樹脂がランナ部5、ゲート部4を通じて
キャビティ3内に充填される。この後、キャビティ3内
に充填した溶融樹脂を保圧し、樹脂が固化しないうちに
ゲートカットピン8を油圧シリンダ9により上方に移動
させる。これにより、ゲートカットピン8の先端81
は、図3に示したように、その欠落部82がキャビティ
3の端部31の一部を形成するとともに、水平部83が
ゲート4部内に突出して当該ゲート4の上下幅を縮小さ
せる。
【0027】このように、溶融樹脂をキャビティ3に充
填させる射出工程では、ゲートカットピン8を下方に移
動させることで、ゲート部4の開口面積を大きく確保し
ている。このゲート部4の開口面積は、ゲートカットピ
ン8の下方への移動量を調整することで、従来の射出成
形用金型におけるゲート部の開口面積よりも大きく確保
することができる。このため、射出工程において溶融樹
脂をキャビティ3に円滑に充填することができ、この結
果、未充填、ヒケ、ヤケ、シルバーストリーク等の外観
不良や寸法不良の発生を抑制することができる。
【0028】また、ゲートカットピン8の上方への移動
により、欠落部82に充填されていた樹脂はキャビティ
3内に強制的に押し込まれることになるが、キャビティ
3内が過充填になる場合にはその一部がゲート部4を通
じてランナ側に逃げることになる。よって、過充填によ
るバリ等の発生を防止できることは無論、樹脂をキャビ
ティ3内に強制的に押し込むことにより未充填やヒケの
発生をさらに抑制するという効果が期待できる。
【0029】そして、上述のようにゲートカットピン8
が上方に移動した後、冷却工程に移り、溶融樹脂が冷却
固化すると、可動板2を下方に移動させて型開きし、キ
ャビティ3で成形された樹脂の成形品を取り出す。
【0030】この際、ゲート部4の先端部はゲートカッ
トピン8の水平部83の上方への移動によってその上下
幅が幅狭の状態になっているため、このゲート部4の先
端部で成形される樹脂のゲート形状は薄膜状となり、こ
の薄膜状のゲート4の先端が成形品に連なることにな
る。よって、型開きした際に入り子6がスプリング7に
より可動型2から上方に突出することによって、成形品
からゲートがその薄膜状のゲート先端から切断されるこ
とになる(図6参照)。
【0031】このように型開きの動作に伴ってゲートが
成形品から切断されるため、後のゲートカット処理は不
要になることは無論のこと、切断されるゲート先端が薄
膜であることからゲートの先端一部が成形品の端部に残
ることもなく、当該成形品の端部を綺麗な状態で成形す
ることができ、ナイフ等による成形品の端面仕上げを行
う作業を行う必要がない。
【0032】図7及び図8は、請求項2、3に記載の射
出成形用金型の主要部の構成を示している。なお、前述
した射出成形用金型と同じ構成のものには、同符号を付
して説明は省略する。
【0033】この射出成形用金型は、前述したゲートカ
ットピン8の先端81、特に水平部83の形状に特徴が
あり、詳しくは水平部83に勾配部84が形成されてい
る。
【0034】上記勾配部84は、前記水平部83のラン
ナ部5側に形成されており、ゲート部4の上下幅を拡張
する方向、つまり下方に傾斜した傾斜面によって形成さ
れている。つまりゲートカットピン8の先端81は、欠
落部82、水平部83、勾配部84によって形成されて
いる。
【0035】そして、前記水平部83のキャビティ3か
らランナ5にかけての左右方向の長さLは0.5mm以
上が好ましい。上記水平部83の長さLを0.5mm未
満にするとこの水平部83がエッジに近い形になり、ゲ
ートカットピン8の上下移動に伴い、この水平部83に
ヘタリが生じたり、キャビティ3の端部31にキズを付
けてしまうおそれがあるからである。
【0036】また、勾配部84の傾斜角θは、20〜4
5°であることが好ましい。このように勾配部84の傾
斜角θを20〜45°にすることで、ゲートカットピン
8を上方に移動させる際において、勾配部84の傾斜面
により溶融樹脂の受圧面積を大きくでき、これによりゲ
ートカットピン8を上方に移動させる油圧シリンダの作
動力を軽減でき、油圧シリンダの小型化、ひいては射出
成形用金型全体の小型化及びコストの低減を図ることが
できる。なお、勾配部84の傾斜角θを、20〜45°
に設定したのは、この範囲よりも大きいとゲートカット
ピンの先端部の耐久性が問題になり、また、この範囲よ
りも小さいと上述した効果が期待できなくなるからであ
る。
【0037】なお、本実施の形態では、端部断面が横U
字状の成形品を成形する場合について説明したが、図9
に示したような上下のコーナ部のみを円弧状に面取した
端部断面形状の成形品や、図10に示したような上下の
コーナ部が直線的に面取りされた端部断面形状の成形品
の成形にも適用することができる。この場合には、ゲー
トカットピン8の先端81の欠落部82の形状を成形品
の端部断面形状に対応した形状に形成すればよい。他の
構成については、前述した射出成形用金型の構成と同様
であり、同じ構成のものに同符号を付して説明は省略す
る。
【0038】また、本実施の形態では、ゲートカットピ
ン8を可動型2に設けたものについて説明したが、固定
型1側に設けることも可能である。
【0039】さらに、本実施の形態では、ゲートカット
ピン8を油圧シリンダ9により移動させているが、油圧
シリンダの他に、空圧シリンダや金型に設けられたエジ
ェクタロッドの動作を利用してゲートカットピン8を移
動させるように構成してもよい。
【0040】また、本実施の形態では、上下に型開きす
る射出成形用金型について説明したが、型開きの方向は
上下に限らず左右であってもよい。
【0041】さらに、本実施の形態では、入れ子6を金
型の開閉動作に伴うスプリング7の付勢力を利用して可
動型2において型開き方向に移動させることで、ゲート
の切断を行うものについて説明したが、アンギュラピン
を使用して可動型2において型開き方向と直交する方向
に移動させるようにしてもよく、或いは油圧もしくは空
圧シリンダを用いて型開き方向もしくは型開き方向と直
交する方向に移動させるようにしてもよい。
【0042】図11は、請求項4記載の射出成形用金型
におけるゲートカットピンの先端の形状及びその周辺部
を示している。なお、前述した射出形成用金型と同じ構
成のものには、同符号を付してその説明は省略する。
【0043】この射出成形用金型は、前述したゲートカ
ットピン8の先端81、特に水平部83及び勾配部84
の形状、並びにゲード部4と上記先端81との関係を特
徴とするものである。
【0044】詳しくは、勾配部84は、前記水平部83
のランナ部5側に形成されており、ゲート部4の上下幅
を拡張する方向、つまり下方に傾斜した傾斜面によって
形成されている。
【0045】ここで、前記水平部83のキャビティ3か
らランナ5にかけての左右方向の長さLが0.2mm以
下であり、さらに、勾配部84の傾斜角θが45〜80
°であるように形成されるとともに、図12に示したよ
うにゲートカットピン8の先端81がゲート部4に最も
突出した際に、このゲートカットピン8の先端81(水
平部83)とゲート部4で形成される間隔Cが10〜5
0μmになるように設定されている。
【0046】具体的構造としては、例えば、ゲートカッ
トピン8の途中部に段差部8aを形成し、ゲートカット
ピン8を上方へ移動させ、この先端81とゲート部4で
形成される間隔Cが10〜50μmになった際に、上記
段差部8aに図示しないストッパが当接し、ゲートカッ
トピン8の上方への移動を強制的に阻止するようになさ
れている。
【0047】上述のようにゲートカットピン8の先端8
1とゲート部4で形成される間隔Cを10〜50μmに
設定してこの先端81がキャビティ3に当たらないよう
にすることで、ゲートカットピン8の先端81とキャビ
ティ3との干渉による両者の破損を防止できる。
【0048】また、ゲートカットピン8の先端81は、
請求項5記載のように、ゲート部4を通じてキャビティ
3に充填される溶融樹脂の硬化後の樹脂硬度よりも硬い
材質で形成されている。この先端81の材質の硬度は、
溶融樹脂の種類によっても異るが、例えば、一般的には
ロックウェル硬度50(HRC)以上が好ましい。
【0049】このように、ゲートカットピン8の先端8
1を構成することで、前述の実施の形態で説明した水平
部の長さLを0.5mm未満にした場合の不具合、勾配
部の傾斜角θを大きくした場合の不具合を解消でき、水
平部83の長さLと勾配部84の傾斜角θを上述したよ
うに設定することが可能になる。
【0050】そして、前述した射出成形用金型と同様
に、ゲートカットピン8を上方に移動させる際におい
て、勾配部84の傾斜面により溶融樹脂の受圧面積を大
きくでき、これによりゲートカットピン8を上方に移動
させる油圧シリンダの作動力を軽減でき、油圧シリンダ
の小型化、ひいては射出成形用金型全体の小型化及びコ
ストの低減を図ることができるとともに、ゲートの厚み
をさらに薄くできるので、型開きの動作に伴ってゲート
カットを略完全に行うことができ、後のゲートカット処
理を行うことなく端部が面取りされた成形品を成形する
ことができる。
【0051】また、ゲートカットピン8の先端81を溶
融樹脂の硬化後の樹脂硬度よりも硬い材質で形成するこ
とで、長期的な使用による先端81のヘタリを極力抑制
することができ、耐久性も高めることができる。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の射出成形用
金型によれば、ゲートカットピンの先端がゲート部の一
部を形成するとともに、成形品の面取りされた部位とな
るキャビティ端部の一部を形成し、このゲートカットピ
ンの先端をゲート部に出没自在に設けたことにより、溶
融樹脂をキャビティに充填させる際には、ゲートカット
ピンを移動させて当該ゲート部の開口面積を大きく確保
することで、溶融樹脂をキャビティに円滑に充填するこ
とができ、未充填、ヒケ、ヤケ、シルバーストリーク等
の外観不良や寸法不良の発生を抑制でき成形性の向上を
図ることができる。また、キャビティへの溶融樹脂の充
填後にゲートカットピンを移動させてゲート部の開口面
積を縮小させることで、成形品の端部に連設されるゲー
トの厚みを薄くできるので、型開きの動作に伴ってゲー
トカットを行うことができ、後のゲートカット処理を行
うことなく端部が面取りされた成形品を成形することが
できる。
【0053】また、ゲート部の一部を形成するゲートカ
ットピンの先端を、キャビティ側に形成された水平部
と、この水平部からランナ側に連続して形成され且つ前
記ゲート部を拡張する方向に傾斜した勾配部とで構成し
たことで、上記勾配部の作用によりゲートカットピンの
移動を円滑に行うことができ、当該ゲートカットピンを
移動させるためのアクチュエータ等を小型化でき、ひい
ては射出成形用金型全体の小型化及びコストの低減を図
ることができる。
【0054】さらに、ゲートカットピンの先端を溶融樹
脂の硬化後の樹脂硬度よりも硬い材質で形成すること
で、長期的な使用による当該ゲートカットピンの先端の
ヘタリを極力抑制することができ、耐久性も高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の射出成形用金型の全体構成を示
した断面図である。
【図2】同じく射出成形用金型におけるキャビティ及び
ゲート部周辺を示した拡大図である。
【図3】同じく射出成形用金型におけるゲートカットピ
ンの先端の形状及びゲートカットピンが上方に移動した
状態を示した拡大図である。
【図4】同じく射出成形用金型におけるゲートカットピ
ンが下方に移動した状態を示した拡大図である。
【図5】同じく射出成形用金型における型開き状態の全
体構成を示した断面図である。
【図6】同じく射出成形用金型における型開き状態のキ
ャビティ及びゲート部周辺を示した拡大図である。
【図7】請求項2、3記載の射出成形用金型におけるゲ
ートカットピンの先端の形状及びその周辺部を示した拡
大図である。
【図8】同じく射出成形用金型におけるゲートカットピ
ンの先端の形状を示した拡大図である。
【図9】射出成形用金型の他の実施の形態を示した図で
ある。
【図10】射出成形用金型のさらに他の実施の形態を示
した図である。
【図11】請求項4記載の射出成形用金型におけるゲー
トカットピンの先端の形状及びゲートカットピンが下方
に移動した状態を示した拡大図である。
【図12】同じく射出成形用金型におけるゲートカット
ピンが上方に移動した状態を示した拡大図である。
【図13】従来の射出成形用金型のゲートカットピンに
よるゲート部構造を示した図である。
【図14】従来の射出成形用金型のゲートカットピンに
よるゲート部構造を示した図である。
【図15】従来の射出成形用金型を適用して端部の各コ
ーナを面取りした形状の成形品を成形する場合を示した
図である。
【符号の説明】
1 固定型 2 可動型 3 キャビティ 4 ゲート部 5 ランナ部 6 入れ子 7 スプリング 8 ゲートカットピン 81 先端 82 欠落部 83 水平部 84 勾配部 9 油圧シリンダ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部が面取りされた成形品を射出成形す
    るためのキャビティを有し、上記成形品の面取りされた
    部位もしくはその周辺部を形成するキャビティの部位に
    ゲート部が連設された射出成形用金型であって、 先端が上記ゲート部の一部を形成するとともに、上記成
    形品の面取りされた部位に対応するキャビティ端部の一
    部を形成するゲートカットピンが設けられ、当該ゲート
    カットピンの先端が上記ゲート部に出没自在に設けられ
    たことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】 前記ゲート部の一部を形成するゲートカ
    ットピンの先端は、キャビティ側に形成された水平部
    と、この水平部からランナ側に連続して形成され且つ前
    記ゲート部を拡張する方向に傾斜した勾配部とで構成さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の射出成形用金型。
  3. 【請求項3】 前記水平部は、前記勾配部までの長さが
    0.5mm以上、当該水平部に対する勾配部の傾斜が2
    0〜45°であることを特徴とする請求項2記載の射出
    成形用金型。
  4. 【請求項4】 前記水平部は、前記勾配部までの長さが
    0.2mm以下、当該水平部に対する勾配部の傾斜が4
    5〜80°であり、さらにゲートカットピンの先端がゲ
    ート部に最も突出した際に、このゲートカットピンの先
    端とゲート部で形成される間隔が10〜50μmである
    ことを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
  5. 【請求項5】 前記ゲートカットピンの先端が溶融樹脂
    の硬化後の樹脂硬度よりも硬い材質で形成されたことを
    特徴とする請求項1、2、3又は4記載の射出成形用金
    型。
JP26167298A 1998-03-25 1998-09-16 射出成形用金型 Pending JPH11333888A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015182270A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 共伸プラスチック株式会社 金型、及び樹脂成形品の製造方法
CN107932846A (zh) * 2017-12-26 2018-04-20 张家港中天精密模塑有限公司 一种注塑叶轮去浇口机构

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