JPH11333872A - エポキシ系光学シートの製造方法 - Google Patents

エポキシ系光学シートの製造方法

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JPH11333872A
JPH11333872A JP16133698A JP16133698A JPH11333872A JP H11333872 A JPH11333872 A JP H11333872A JP 16133698 A JP16133698 A JP 16133698A JP 16133698 A JP16133698 A JP 16133698A JP H11333872 A JPH11333872 A JP H11333872A
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Shunji Umehara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚さ精度や光学特性に優れて光学シートとし
て実用できる厚さが約500μm以下のエポキシ系樹脂
からなるシートを効率よく得ることができる製造方法の
開発。 【解決手段】 表面が平滑な支持体(1)上に易剥離性
の樹脂層(31)を順次形成しつつ、その樹脂層の上
に、液状エポキシ系樹脂、固形エポキシ系樹脂、硬化剤
及びレべリング剤を少なくとも成分とするエポキシ樹脂
塗工液(6)をシート状に順次展開して硬化処理し、前
記樹脂層と密着した硬化シートを形成しつつ、その硬化
シートを当該樹脂層と共に支持体より回収するエポキシ
系光学シート(8)を連続製造する方法。 【効果】 易剥離性の樹脂層の界面よりエポキシ系光学
シートを支持体より剥離回収でき、支持体の表面状態を
前記樹脂層を介し良好に転写反映できて、鏡面等の光学
特性に優れるシートを簡単な一連の操作を介し連続して
効率よく製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光学特性、耐熱性、軽量
性等に優れるエポキシ系光学シートの量産性に優れる製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ系樹脂からなるシートの
製造方法としては、エポキシ系樹脂を注形型の間隙に注
入して硬化処理する注型法やエポキシ系樹脂硬化板を切
削してシートとする方法が知られていた。しかしなが
ら、注入や型開き、あるいは切削等の煩雑な工程等を要
してシートの製造効率に乏しい問題点があった。また注
型法、切削法のいずれにても、厚さが例えば500μm
以下等と薄くなると光学歪が発生しやすくて、光学用途
に用いうるシートを得ることが困難な問題点もあった。
【0003】携帯型の電話や情報機器の普及に伴い薄く
て軽量な液晶セルの提供が強く望まれており、強度や耐
熱性等の点よりエポキシ系樹脂からなる光学シートにセ
ル基板としての役割が期待されている。しかしその場合
には、薄くて厚さ精度に優れ、位相差も小さいこと等の
性能や大量提供が可能なことなども要求されるが、前記
の如くかかる要求を満足させうるエポキシ系光学シート
の提供手段は未だ知られていない。
【0004】通例の樹脂シートの製造方法に準じて、圧
延ロールによるカレンダー法やTダイ等による溶融押出
し法、支持体上への樹脂液の流延法などによりエポキシ
系シートを連続製造することが考えられるが、エポキシ
系樹脂には接着剤としての用途もある如く、かかる方法
でエポキシ系樹脂をシートに成形した場合、ロールやダ
イや支持体等に接着して成形シートを剥離回収できず、
剥離時に破損する。また表面に凹凸が生じやすく、光学
シートに要求される表面平滑度を達成しにくい難点など
もある。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、厚さ精度や光学特性に
優れて光学シートとして実用できる厚さが約500μm
以下のエポキシ系樹脂からなるシートを効率よく得るこ
とができる製造方法の開発を課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、表面が平滑な支持体上に
易剥離性の樹脂層を順次形成しつつ、その樹脂層の上
に、液状エポキシ系樹脂、固形エポキシ系樹脂、硬化剤
及びレべリング剤を少なくとも成分とするエポキシ樹脂
塗工液をシート状に順次展開して硬化処理し、前記樹脂
層と密着した硬化シートを形成しつつ、その硬化シート
を当該樹脂層と共に支持体より回収することを特徴とす
るエポキシ系光学シートを連続製造する方法を提供する
ものである。
【0007】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、易剥離性の
樹脂層が得られたエポキシ系光学シートを支持体より剥
離回収することを可能とし、支持体の表面状態を前記樹
脂層を介し良好に転写反映させることができて、鏡面等
の光学特性に優れるシートを簡単な一連の操作を介し連
続して効率よく製造することができる。
【0008】また前記の支持体を介した展開層の移動速
度の調節で量産速度を容易に制御できて、その移動速度
や塗工液展開量の調節でシート厚も容易に制御でき、固
形エポキシ系樹脂の併用で強度や耐熱性も容易に制御す
ることができる。前記の結果、厚さが例えば500μm
以下等と薄くてその厚さ精度に優れ、位相差が小さい等
の光学特性に優れると共に、耐熱性等にも優れるエポキ
シ系光学シートを量産性よく得ることができる。
【0009】
【発明の実施形態】本発明の製造方法は、表面が平滑な
支持体上に易剥離性の樹脂層を順次形成しつつ、その樹
脂層の上に、液状エポキシ系樹脂、固形エポキシ系樹
脂、硬化剤及びレべリング剤を少なくとも成分とするエ
ポキシ樹脂塗工液をシート状に順次展開して硬化処理
し、前記樹脂層と密着した硬化シートを形成しつつ、そ
の硬化シートを当該樹脂層と共に支持体より回収して、
エポキシ系光学シートを連続製造するものである。
【0010】前記方法による製造工程例を図1に示し
た。この方法は、流延法による連続製造法を示したもの
であり、表面が平滑なエンドレスベルト1からなる支持
体を駆動ドラム11及び従動ドラム12を介し、例えば
0.1〜10m/分、就中0.2〜5m/分等の一定速
度で走行させつつ、その上にダイ2を介し樹脂液3を連
続的に塗布して乾燥、あるいは必要に応じ加熱又は光照
射などにより硬化処理して皮膜31とする。なお図例で
は、紫外線照射装置4が配置されている。
【0011】次に、前記により支持体上に樹脂層31を
順次形成しつつその樹脂層の上に、ダイ5を介しエポキ
シ樹脂塗工液6を順次塗布してシート状に展開し、その
展開層61を加熱方式や光照射方式等の適宜な硬化処理
装置7を介し硬化処理して、前記の樹脂層31と密着し
た硬化シート62を順次形成しつつ、その硬化シート6
2を当該樹脂層31と共に支持体1より回収してエポキ
シ系光学シート8が連続製造される。
【0012】支持体よりのエポキシ系光学シートの回収
は、割れ防止などの点よりガラス転移温度以上等の高温
雰囲気下で行うことが好ましい。従って回収は、エポキ
シ基を介したエポキシ系樹脂の硬化反応が約70%程度
以上進行して、加熱硬化方式によるその硬化温度雰囲気
やガラス転移温度近傍の温度雰囲気等の高温雰囲気にて
も塑性変形しない硬化状態となった後に行うことが前記
の割れや歪の発生防止などの点より好ましい。
【0013】なお支持体よりのエポキシ系光学シートの
回収に際しては、必要に応じ剥離手段を用いることがで
きる。また形成されたエポキシ系光学シートの連続体
は、必要に応じてレーザー光線や超音波カッター、ダイ
シングやウォータージェットなどの適宜な切断手段を介
し適宜な寸法に切断して回収することもできる。
【0014】前記方法において支持体としては、エンド
レスベルトの如きベルト状物や板状物、ドラムなどの、
エポキシ樹脂塗工液を順次連続的に展開でき、その展開
層を支持してシート状に維持できる適宜なものを用いう
る。支持体を形成する材質は、エポキシ樹脂の硬化処理
に耐えるものであればよく、従って例えばステンレスや
銅やアルミニウムの如き金属、ガラス、プラスチックな
どの適宜なものであってよい。就中、耐久性などの点よ
りステンレスが好ましい。
【0015】支持体の表面は、厚さ精度の向上などの点
より可及的に平滑であることが好ましい。ちなみに表面
粗さRaが0.02μm以下の支持体を用いて表面が鏡
面状のエポキシ系光学シートを得ることも可能である。
従って樹脂層や硬化シートの形成過程では、支持体の表
面を可及的に水平状態に維持させることが好ましい。こ
れにより、厚さ精度が±10%以下のエポキシ系光学シ
ートも容易に得ることができる。
【0016】支持体上に順次付設する樹脂層の形成に
は、支持体と接着しないか、接着してもその接着力が弱
くて支持体より容易に剥離できる易剥離性の適宜な透明
樹脂を用いることができ、特に限定はない。ちなみにか
かる樹脂の例としては、ウレタン系樹脂やアクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂やポリビニルアルコール、エチ
レンビニルアルコール共重合体の如きポリビニルアルコ
ール系樹脂、塩化ビニル系樹脂や塩化ビニリデン系樹脂
があげられる。
【0017】また、ポリアリレート系樹脂やスルホン系
樹脂、アミド系樹脂やイミド系樹脂、ポリエーテルスル
ホン系樹脂やポリエーテルイミド系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂やシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂やポリオ
レフィン系樹脂、スチレン系樹脂やビニルピロリドン系
樹脂、セルロース系樹脂やアクリロニトリル系樹脂など
も樹脂層の形成に用いうる。なお樹脂層の形成には、適
宜な透明樹脂の2種以上のブレンド物なども用いうる。
【0018】樹脂層は、形成シートと共に剥離されてエ
ポキシ系光学シートの片側表面層を形成することより、
透明性等の光学特性に優れるものであることが好まし
い。かかる光学特性及び前記の易剥離性、特にステンレ
ス系支持体に対する易剥離性などの点より樹脂層の形成
に好ましく用いうるものは、ウレタン系樹脂である。
【0019】前記の如く樹脂層は、エポキシ系光学シー
トの表面コート層として機能しうるものである。かかる
点より樹脂層の形成材は、例えば耐薬品性や表面硬度、
光学的異方性や低吸水性、低透湿性や低酸素透過性等の
ガスバリア性などの機能付与を目的に選択することもで
きる。
【0020】従って樹脂層は、例えば易剥離性の付与を
目的としたウレタン系樹脂層の上にガスバリア性の付与
を目的としたポリビニルアルコール系樹脂層を設けた重
畳層の如く、易剥離性に加えて他の機能を付与すること
などを目的に、単層物に加えて複層物として形成されて
いてもよい。
【0021】樹脂層の形成は、例えば樹脂を必要に応じ
有機溶媒や水等の適宜な溶媒にて溶液化してロールコー
ト法やワイヤバーコート法、エクストルージョンコート
法やカーテンコート法、スプレコート法などの適宜な方
式で支持体の所定面に塗布し、必要に応じそれを乾燥
後、加熱処理や光照射等の樹脂に応じた方式にて硬化処
理する方式などの適宜な方式にて皮膜化することにより
行うことができる。
【0022】前記のコート法による場合、均一塗布など
の点より樹脂液は、1〜100センチポイズに調製する
ことが好ましい。また上記した流延法によるエンドレス
ベルト上に塗布する場合には、エクストルージョンコー
ト法による方式が塗布効率などの点より好ましく、その
場合には特に1〜10センチポイズに調製した樹脂液が
好ましく用いうる。なおウレタン系樹脂等の塗布層を光
照射にて硬化処理する場合には、中心波長が365nmや
254nmの高圧や低圧の紫外線ランプを用いることが処
理効率などの点より好ましい。
【0023】形成する樹脂層の厚さは、適宜に決定しう
るが一般には易剥離性や剥離の際にヒビ割れの生じるこ
とを防止する点などより、樹脂層を形成する各層単位に
基づいて1〜10μm、就中8μm以下、特に2〜5μm
とすることが好ましい。
【0024】樹脂層の上に展開するエポキシ樹脂塗工液
の調製には、少なくとも液状エポキシ系樹脂、固形エポ
キシ系樹脂、硬化剤及びレべリング剤が用いられる。固
形エポキシ系樹脂を併用することにより、強度や耐熱性
の向上を図ることができ、また塗工液の粘度も調節で
き、特に塗工液を高粘度化できて展開層の厚さ制御など
を容易化することができる。
【0025】液状又は固形のエポキシ系樹脂について
は、形成する光学シートの使用目的などに応じて適宜な
ものを用いることができ、特に限定はない。ちなみにそ
の例としては、ビスフェノールA型やビスフェノールF
型、ビスフェノールS型やそれらの水添型の如きビスフ
ェノール型、フェノールノボラック型やクレゾールノボ
ラック型の如きノボラック型、トリグリシジルイソシア
ヌレート型やヒダントイン型の如き含窒素環型、脂環式
型や脂肪族型、ナフタレン型の如き芳香族型やグリシジ
ルエーテル型、ビフェニル型の如き低吸水率タイプやジ
シクロ型、エステル型やエーテルエステル型、それらの
変性型などがあげられる。
【0026】透明性等の光学特性などの点より好ましく
用いうる液状又は固形のエポキシ系樹脂は、脂環式型の
ものの如くベンゼン環等の共役二重結合を含有せずに変
色防止性の良好なものである。液状又は固形のエポキシ
系樹脂は、1種又は2種以上を用いうる。
【0027】液状エポキシ系樹脂と固形エポキシ系樹脂
の使用割合は、目的とする強度や耐熱性、塗工液の粘度
などに応じて適宜に決定してよい。一般には、固形エポ
キシ系樹脂の併用効果の発現性などの点より、液状エポ
キシ系樹脂100重量部あたり、1〜300重量部、就
中5〜200重量部、特に10〜150重量部の固形エ
ポキシ系樹脂が用いられる。
【0028】なお液状エポキシ系樹脂としては、固形エ
ポキシ系樹脂を併用して塗工性やシート状への展開性等
に優れるエポキシ樹脂塗工液を得る点などより、塗工時
の温度以下、就中、常温において液体状態を示す二液混
合型のものが好ましく用いうる。また通例、エポキシ当
量が100〜1000で、軟化点が120℃以下の液状
エポキシ系樹脂が、得られる光学シートの剛性や強度等
の物性などの点より好ましく用いうる。
【0029】一方、硬化剤についても特に限定はなく、
エポキシ系樹脂に応じた適宜な硬化剤を1種又は2種以
上用いることができる。ちなみにその例としては、テト
ラヒドロフタル酸やメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸やメチルヘキサヒドロフタル酸の如き
有機酸系化合物類、エチレンジアミンやプロピレンジア
ミン、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミ
ン、それらのアミンアダクトやメタフェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルス
ルホンの如きアミン系化合物類があげられる。
【0030】また、ジシアンジアミドやポリアミドの如
きアミド系化合物類、ジヒドラジットの如きヒドラジド
系化合物類、メチルイミダゾールや2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、エチルイミダゾールやイソプロピル
イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールやフェニ
ルイミダゾール、ウンデシルイミダゾールやヘプタデシ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ルの如きイミダゾール系化合物類も前記硬化剤の例とし
てあげられる。
【0031】さらに、メチルイミダゾリンや2−エチル
−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリンやイソ
プロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン
やフェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリンやヘ
プタデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイ
ミダゾリンの如きイミダゾリン系化合物類、その他、フ
ェノール系化合物類やユリア系化合物類、ポリスルフィ
ド系化合物類も前記硬化剤の例としてあげられる。
【0032】加えて、酸無水物系化合物類なども前記硬
化剤の例としてあげられ、低刺激性による作業環境性や
得られるシートの耐熱性向上による高温耐久性、変色防
止性などの点よりは、かかる酸無水物系硬化剤が好まし
く用いうる。その例としては無水フタル酸や無水マレイ
ン酸、無水トリメリット酸や無水ピロメリット酸、無水
ナジック酸や無水グルタル酸、テトラヒドロフタル酸無
水物やメチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒド
ロフタル酸無水物やメチルヘキサヒドロフタル酸無水
物、メチルナジック酸無水物やドデセニルコハク酸無水
物、ジクロロコハク酸無水物やベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸無水物やクロレンディック酸無水物などがあげ
られる。
【0033】就中、無水フタル酸やテトラヒドロフタル
酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサ
ヒドロフタル酸無水物の如く無色系ないし淡黄色系で、
分子量が約140〜約200の酸無水物系硬化剤が好ま
しく用いうる。
【0034】硬化剤の使用量は、その種類や液状又は固
形のエポキシ系樹脂のエポキシ当量などに応じて適宜に
決定でき、通例のエポキシ系樹脂硬化の場合に準じう
る。ちなみに前記の酸無水物系硬化剤では、得られるシ
ートの色相や耐湿性の低下防止などの点よりエポキシ基
1当量に対し、0.5〜1.5当量、就中0.6〜1.
4当量、特に0.7〜1.2当量の割合で酸無水物系硬
化剤を使用することが好ましい。なお他の硬化剤を単独
で又は2種以上を併用して使用する場合にも、その使用
量は前記の当量比に準じうる。
【0035】レベリング剤は、エポキシ樹脂塗工液の展
開層を空気との接触下に硬化処理する場合に、硬化剤等
の飛散による表面張力のバラツキなどで梨地状の表面と
なることを防止して平滑な表面が形成されることなどを
目的に配合するものであり、例えばシリコーン系やアク
リル系、フッ素系等の各種界面活性剤などの表面張力を
低下させうる適宜なものを1種又は2種以上用いうる。
就中、表面平滑化効果などの点よりシリコーン系界面活
性剤が好ましく用いうる。
【0036】エポキシ樹脂塗工液の調製に際しては、必
要に応じて硬化促進剤を配合することもできる。硬化促
進剤の配合により、硬化速度を促進して必要硬化処理時
間を短縮でき、支持体の必要長を不配合の場合の数分の
1程度に短縮することができる。従って量産性の向上や
製造設備の小型化などの点より硬化促進剤を配合するこ
とが好ましい。
【0037】用いる硬化促進剤については、特に限定は
なく、液状又は固形のエポキシ系樹脂や硬化剤の種類な
どに応じて例えば、第三級アミン類やイミダゾール類、
第四級アンモニウム塩類や有機金属塩類、リン化合物類
や尿素系化合物類の如き適宜なものを1種又は2種以上
用いることができる。
【0038】硬化促進剤の使用量は、硬化の促進効果な
どの点より適宜に決定しうるが、一般には硬化体が変色
することを防止する点などより全エポキシ系樹脂100
重量部あたり、0.05〜7重量部、就中0.1〜5重
量部、特に0.2〜3重量部が好ましい。
【0039】なおエポキシ樹脂塗工液には、必要に応じ
てエポキシ樹脂硬化体に配合されることのある、例えば
フェノール系やアミン系、有機硫黄系やホスフィン系等
の老化防止剤、グリコール類やシリコーン類、アルコー
ル類等の変性剤、発泡防止剤や水酸基含有化合物、染料
や変色防止剤、紫外線吸収剤などの適宜な添加剤を配合
することができる。前記の発泡防止剤は、得られるシー
ト中に光学特性の低下原因となる気泡が混入することの
防止などを目的に添加され、グリセリン等の多価アルコ
ールなどが好ましく用いうる。
【0040】エポキシ樹脂塗工液は、配合成分を必要に
応じ溶媒を併用して流動展開しうる状態とすることによ
り調製することができる。従ってエポキシ樹脂塗工液の
展開には、カーテンコート法やロールコート法等の上記
した樹脂層の形成方式に準じた、エポキシ樹脂塗工液を
流動展開させてシート状に成形しうる適宜な方式を採る
ことができる。就中、流延法にては塗布効率などの点よ
りエクストルージョンコート法が好ましく適用すること
ができる。
【0041】本発明によるエポキシ系光学シートは、エ
ポキシ系樹脂の硬化シートからなることより耐熱性に優
れるが、液晶セル基板として液晶セル製造過程の高温雰
囲気等に耐えるものとする点などよりは、ガラス転移温
度が170℃以上の硬化シートであることが好ましい。
また厚さは、曲げ強度等の剛性や表面平滑性、低位相差
性や薄型軽量性などの点より500μm以下、就中10
0〜400μm、特に200〜300μmであることが好
ましく、その厚さ精度は光学用途等の点より±10%以
下であることが好ましい。
【0042】さらにエポキシ系光学シートにおける位相
差(リタデーション)は、液晶セル等に適用した場合の
複屈折による色付きの防止などの点より、20nm以下、
就中10nm以下、特に5nm以下であることが好ましい。
なお前記の厚さ精度は、シートの平均厚さに対する最大
値と最小値の差に基づく。
【0043】本発明によるエポキシ系光学シートは、例
えば液晶セル基板や反射防止シートなどの各種の光学用
途に好ましく用いることができる。特に光学特性及び耐
熱性に優れ、表面の平滑性にも優れる点などより液晶セ
ル基板の如く、高温処理に耐えて曲げ強度等に優れ、位
相差が小さくて軽量性に優れることなどが要求される光
学用途に好ましく用いることができる。
【0044】
【実施例】実施例1 下記の式(a)で表される液状エポキシ樹脂171部
(重量部、以下同じ)、式(b)で表される固形エポキ
シ樹脂209部、ヘキサヒドロフタル酸無水物500
部、テトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチル
ホスホロジチオエート(式c)15部、グリセリン9部
及びシリコーン系界面活性剤(レベリング剤、楠本化成
社製、ディスパロンLS−009)1部を撹拌混合して
エポキシ樹脂塗工液を調製した。
【0045】
【0046】
【0047】次に図1に例示の流延法にて、ウレタン系
紫外線硬化型樹脂(新中村化学社製、NKオリゴUN−
01)の15重量%トルエン溶液をダイより吐出させて
0.2m/分の一定速度で回転走行するステンレス製エ
ンドレスベルト上に流延塗布し、トルエンを揮発乾燥
後、低圧水銀灯を介し紫外線を2000mJ/cm2照射し
て硬化処理し、幅500mm、厚さ2μmのウレタン系樹
脂層を形成した。
【0048】ついで前記の操作を継続しつつ、硬化した
ウレタン系樹脂層の上に上記のエポキシ樹脂塗工液をダ
イより連続に吐出させてシート状に流延展開し、その展
開層を加熱装置を介し120℃で30分間加熱硬化処理
した後、150℃に温調した従動ドラム上で硬化シート
をそれに密着したウレタン系樹脂層と共にエンドレスベ
ルトより剥離回収し、エポキシ系光学シートを連続的に
得た。そのシートを300mm角で切りだし、面内の36
点でレーザ厚さ計にて厚さを測定したところ、平均厚さ
が400μmでその厚さ精度は±10%であり、複屈折
測定装置による位相差は5nm以下であった。またシー
トのガラス転移温度も170℃以上であった。
【0049】実施例2 エポキシ樹脂塗工液として、上記した式(a)の液状エ
ポキシ樹脂266部と式(b)の固形エポキシ樹脂11
4部を120℃で撹拌して溶解しそれを常温に放冷後、
硬化剤500部、テトラ−n−ブチルホスホニウムo,
o−ジエチルホスホロジチオエート15部、グリセリン
9部及びシリコーン系界面活性剤1部を撹拌混合して調
製したものを用いたほかは、実施例1に準じて平均厚さ
400μm、厚さ精度±10%、位相差5nm以下、ガラ
ス転移温度170℃以上のエポキシ系光学シートを連続
的に得た。
【0050】なお前記の硬化剤は、メチルヘキサヒドロ
フタル酸無水物100部と下記の式(d)で表される変
性剤15部を120℃で撹拌してエステル化反応させた
後、常温に放冷して得たものである。
【0051】比較例1 樹脂層を設けずにエポキシ樹脂塗工液をエンドレスベル
ト上に直接塗工したほかは実施例1に準じてエポキシ系
光学シートを形成したが、ベルトとの接着力が強くて剥
離回収時に割れやクラックが発生して光学シートとして
実用できるものでなかった。
【0052】比較例2 シリコーン系界面活性剤を添加しないほかは実施例1に
準じてエポキシ系光学シートを形成したが、表面に梨地
状の模様が発生して光学シートとして実用できるもので
なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造工程例の側面説明図
【符号の説明】
1:エンドレスベルト(支持体) 31:樹脂層 61:エポキシ樹脂塗工液の展開層 7:硬化処理装置 62:硬化シート 8:エポキシ系光学シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 9:00 (72)発明者 八木 伸圭 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 須川 浩志 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 梅原 俊志 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が平滑な支持体上に易剥離性の樹脂
    層を順次形成しつつ、その樹脂層の上に、液状エポキシ
    系樹脂、固形エポキシ系樹脂、硬化剤及びレべリング剤
    を少なくとも成分とするエポキシ樹脂塗工液をシート状
    に順次展開して硬化処理し、前記樹脂層と密着した硬化
    シートを形成しつつ、その硬化シートを当該樹脂層と共
    に支持体より回収することを特徴とするエポキシ系光学
    シートを連続製造する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、液状エポキシ系樹脂
    及び固形エポキシ系樹脂の一方又は両方が脂環式型のも
    のであり、エポキシ樹脂塗工液が硬化促進剤も含有する
    エポキシ系光学シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、硬化剤が酸無
    水物系化合物類であるエポキシ系光学シートの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、酸無水物系化合物類
    がメチルヘキサヒドロフタル酸無水物であるエポキシ系
    光学シートの製造方法。
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