JP3386371B2 - エポキシ樹脂シートの製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂シートの製造方法

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JP3386371B2 JP16133598A JP16133598A JP3386371B2 JP 3386371 B2 JP3386371 B2 JP 3386371B2 JP 16133598 A JP16133598 A JP 16133598A JP 16133598 A JP16133598 A JP 16133598A JP 3386371 B2 JP3386371 B2 JP 3386371B2
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豊 青木
俊志 梅原
起市 下平
義昌 坂田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、液晶セル基板等の光学用
途シートの形成などに好適なエポキシ樹脂シートの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂シートの製造方法として、圧
延ロールによるカレンダー法やTダイ等による溶融押出
し法、支持体上への樹脂液の流延法が知られているが、
かかる方法で形成したエポキシ樹脂シートは知られてい
ない。接着剤としての用途もある如く、エポキシ樹脂を
かかる方法で成形した場合、ロールやダイや支持体等に
接着して成形シートを剥離回収できないためである。
【0003】一方、エポキシ樹脂成形体の製造方法とし
て、注形型にエポキシ樹脂を注入する注型法が知られて
おり、半導体封止体や板が形成されている。かかる方法
では、エポキシ樹脂に離型剤を配合する方式や注形型を
離型剤で表面処理する方式にて前記した接着問題を克服
している。
【0004】しかしながら、前記の注型法をエポキシ樹
脂シートの製造に適用した場合、混入離型剤又は表面に
転着した離型剤が強度低下、表面の汚染やムラ等を誘発
する難点があり、光学用途等に使用できるエポキシ樹脂
シートを製造することが困難な問題点があった。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、光学用途にも使用でき
るエポキシ樹脂シートを得ることができる製造方法の開
発を課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】 本発明は、シート製造装置本体に
おける、エポキシ樹脂含有液の展開層を支持してシート
状に維持する機能部分を形成する支持体に対して易剥離
性の樹脂の液を塗布して形成した樹脂層にて被覆した
支持体上にエポキシ樹脂含有液をシート状に展開し、
その展開層を硬化処理して前記樹脂層と密着した硬化シ
ートを形成した後、その硬化シートを当該樹脂層と共に
支持体より回収することを特徴とするエポキシ樹脂シー
トの製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の効果】 本発明によれば、易剥離性の樹脂層が
得られたエポキシ樹脂シートをシート製造装置本体を形
成する支持体より剥離回収することを可能とし、支持体
の表面状態を前記樹脂層を介し良好に転写反映させるこ
とができて、鏡面や凹凸面等を介した光学特性に優れる
シートも容易に得ることができる。
【0008】
【発明の実施形態】 本発明の製造方法は、シート製造
装置本体における、エポキシ樹脂含有液の展開層を支持
してシート状に維持する機能部分を形成する支持体に対
して易剥離性の樹脂の液を塗布して形成した樹脂層にて
被覆した前記支持体上にエポキシ樹脂含有液をシート状
に展開し、その展開層を硬化処理して前記樹脂層と密着
した硬化シートを形成した後、その硬化シートを当該樹
脂層と共に支持体より回収してエポキシ樹脂シートを得
るものである。
【0009】本発明による製造工程例を図1、図2に示
した。図1に例示の方法は、支持体にエンドレスベルト
1を用いて流延法によりエポキシ樹脂シートを連続製造
するものである。一方、図2に例示の方法は、支持体に
注形型9を用いて注型法にてエポキシ樹脂シートを製造
するものである。
【0010】 従ってシート製造装置本体を形成する
持体としては、前記のエンドレスベルトや注形型の如き
ベルト状物や板状物などの、エポキシ樹脂含有液の展開
層を支持してシート状に維持できる適宜なものを用いう
る。支持体を形成する材質は、エポキシ樹脂の硬化処理
に耐えるものであればよく、従って例えばステンレスや
銅やアルミニウムの如き金属、ガラス、プラスチックな
どの適宜なものであってよい。就中、耐久性などの点よ
りステンレスが好ましい。
【0011】エポキシ樹脂含有液の展開層を支持する支
持体の表面は、例えば液晶セル基板や反射防止シート、
プリズムシートや拡散シート等の形成目的のシートに応
じて、鏡面や平面、プリズム面や微細凹凸面などの適宜
な形状に形成されていてよく、特に限定はない。なお表
面が鏡面状のエポキシ樹脂シートの製造を目的とする場
合、表面粗さRaが0.02μm以下の支持体を用いる
ことが好ましい。
【0012】支持体を被覆する樹脂層の形成には、支持
体と接着しないか、接着してもその接着力が弱くて支持
体より容易に剥離できる易剥離性の適宜な樹脂を用いる
ことができ、特に限定はない。ちなみにかかる樹脂の例
としては、ウレタン系樹脂やアクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂やポリビニルアルコール、エチレンビニルア
ルコール共重合体の如きポリビニルアルコール系樹脂、
塩化ビニル系樹脂や塩化ビニリデン系樹脂があげられ
る。
【0013】また、ポリアリレート系樹脂やスルホン系
樹脂、アミド系樹脂やイミド系樹脂、ポリエーテルスル
ホン系樹脂やポリエーテルイミド系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂やシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂やポリオ
レフィン系樹脂、スチレン系樹脂やビニルピロリドン系
樹脂、セルロース系樹脂やアクリロニトリル系樹脂など
も樹脂層の形成に用いうる。なお樹脂層の形成には、適
宜な樹脂の2種以上のブレンド物なども用いうる。
【0014】ステンレス系支持体に対する易剥離性等の
点よりは、ウレタン系樹脂、就中、下記の化学式にて表
されるものが好ましい。
【0015】また樹脂層は、形成シートと共に剥離され
てエポキシ系樹脂シートの表面コート層として機能しう
ることより、例えば耐薬品性や表面硬度、光学的異方性
や低吸水性、低透湿性や低酸素透過性等のガスバリア性
等の機能付与などを目的にその材料を選択することもで
きる。
【0016】従って樹脂層は、例えば易剥離性の付与を
目的としたウレタン系樹脂層の上にガスバリア性の付与
を目的としたポリビニルアルコール系樹脂層を設けた重
畳層の如く、易剥離性に加えて他の機能を付与すること
などを目的に、単層物に加えて複層物として形成されて
いてもよい。
【0017】樹脂層の形成は、例えば樹脂を必要に応じ
有機溶媒や水等の適宜な溶媒にて溶液化してロールコー
ト法やスピンコート法、ワイヤバーコート法やエクスト
ルージョンコート法、カーテンコート法やスプレコート
法、ディップコート法などの適宜な方式で支持体の所定
面に塗布し、必要に応じそれを乾燥後、加熱処理や光照
射等の樹脂に応じた方式にて硬化処理する方式などの適
宜な方式にて皮膜化することにより行うことができる。
【0018】前記のコート法による場合、均一塗布など
の点より樹脂液は、1〜100センチポイズに調製する
ことが好ましい。また上記した流延法によるエンドレス
ベルト上に塗布する場合には、エクストルージョンコー
ト法による方式が塗布効率などの点より好ましく、その
場合には特に1〜10センチポイズに調製した樹脂液が
好ましく用いうる。なおウレタン系樹脂等の塗布層を光
照射にて硬化処理する場合には、中心波長が365nmや
254nmの高圧や低圧の紫外線ランプを用いることが処
理効率などの点より好ましい。
【0019】形成する樹脂層の厚さは、適宜に決定しう
るが一般には易剥離性や剥離の際にヒビ割れの生じるこ
とを防止する点などより、樹脂層を形成する各層単位に
基づいて1〜10μm、就中8μm以下、特に2〜5μm
とすることが好ましい。
【0020】支持体を被覆する樹脂層上に展開するエポ
キシ樹脂含有液の調製には、少なくともエポキシ系樹脂
とその硬化剤が用いられるが、そのエポキシ系樹脂につ
いては特に限定はなく、形成する樹脂シートの使用目的
などに応じて適宜なものを用いうる。
【0021】ちなみに前記のエポキシ系樹脂の例として
は、ビスフェノールA型やビスフェノールF型、ビスフ
ェノールS型やそれらの水添型の如きビスフェノール
型、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型
の如きノボラック型、トリグリシジルイソシアヌレート
型やヒダントイン型の如き含窒素環型、脂環式型や脂肪
族型、ナフタレン型の如き芳香族型やグリシジルエーテ
ル型、ビフェニル型の如き低吸水率タイプやジシクロ
型、エステル型やエーテルエステル型、それらの変性型
などがあげられる。
【0022】変色防止性などの点より好ましく用いうる
エポキシ系樹脂は、ビスフェノールA型や脂環式型、ト
リグリシジルイソシアヌレート型のものである。また通
例、エポキシ当量が100〜1000で、軟化点が12
0℃以下のエポキシ系樹脂が得られる樹脂シートの柔軟
性や強度等の物性などの点より好ましく用いうる。さら
に塗工性やシート状への展開性等に優れるエポキシ樹脂
含有液を得る点などよりは、塗工時の温度以下、就中、
常温において液体状態を示す二液混合型のものが好まし
く用いうる。エポキシ系樹脂は、1種又は2種以上を用
いうる。
【0023】一方、硬化剤についても特に限定はなく、
エポキシ系樹脂に応じた適宜な硬化剤を1種又は2種以
上用いることができる。ちなみにその例としては、テト
ラヒドロフタル酸やメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸やメチルヘキサヒドロフタル酸の如き
有機酸系化合物類、エチレンジアミンやプロピレンジア
ミン、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミ
ン、それらのアミンアダクトやメタフェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルス
ルホンの如きアミン系化合物類があげられる。
【0024】また、ジシアンジアミドやポリアミドの如
きアミド系化合物類、ジヒドラジットの如きヒドラジド
系化合物類、メチルイミダゾールや2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、エチルイミダゾールやイソプロピル
イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾールやフェニ
ルイミダゾール、ウンデシルイミダゾールやヘプタデシ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ルの如きイミダゾール系化合物類も前記硬化剤の例とし
てあげられる。
【0025】さらに、メチルイミダゾリンや2−エチル
−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリンやイソ
プロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン
やフェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリンやヘ
プタデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイ
ミダゾリンの如きイミダゾリン系化合物類、その他、フ
ェノール系化合物類やユリア系化合物類、ポリスルフィ
ド系化合物類も前記硬化剤の例としてあげられる。
【0026】加えて、酸無水物系化合物類なども前記硬
化剤の例としてあげられ、変色防止性などの点よりはか
かる酸無水物系硬化剤が好ましく用いうる。その例とし
ては無水フタル酸や無水マレイン酸、無水トリメリット
酸や無水ピロメリット酸、無水ナジック酸や無水グルタ
ル酸、テトラヒドロフタル酸無水物やメチルテトラヒド
ロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチ
ルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水
物やドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水
物やベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物やクロレン
ディック酸無水物などがあげられる。
【0027】就中、無水フタル酸やテトラヒドロフタル
酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサ
ヒドロフタル酸無水物の如く無色系ないし淡黄色系で、
分子量が約140〜約200の酸無水物系硬化剤が好ま
しく用いうる。
【0028】硬化剤の使用量は、その種類やエポキシ系
樹脂のエポキシ当量などに応じて適宜に決定でき、通例
のエポキシ系樹脂硬化の場合に準じうる。ちなみに前記
の酸無水物系硬化剤では、得られるシートの色相や耐湿
性の低下防止などの点よりエポキシ基1当量に対し、
0.5〜1.5当量、就中0.6〜1.4当量、特に
0.7〜1.2当量の割合で酸無水物系硬化剤を使用す
ることが好ましい。なお他の硬化剤を単独で又は2種以
上を併用して使用する場合にも、その使用量は前記の当
量比に準じうる。
【0029】エポキシ樹脂含有液の調製に際しては、エ
ポキシ樹脂と硬化剤の他に必要に応じてエポキシ樹脂硬
化体に配合されることのある適宜な添加剤を配合するこ
とができる。ちなみにその例としては、第三級アミン類
やイミダゾール類、第四級アンモニウム塩類や有機金属
塩類、リン化合物類や尿素系化合物類の如き適宜な硬化
促進剤があげられる。
【0030】硬化促進剤は、1種又は2種以上を用いる
ことができ、就中、第三級アミン類やイミダゾール類が
好ましく用いうる。硬化促進剤の使用量は、促進効果な
どに応じて適宜に決定しうるが、一般には変色防止性な
どの点よりエポキシ系樹脂100重量部あたり、0.0
5〜7重量部、就中0.1〜5重量部、特に0.2〜3
重量部が好ましい。
【0031】またフェノール系やアミン系、有機硫黄系
やホスフィン系等の老化防止剤、グリコール類やシリコ
ーン類、アルコール類等の変性剤、シリコーン系やアク
リル系、フッ素系等の界面活性剤、染料や顔料、変色防
止剤や紫外線吸収剤なども前記添加剤の例としてあげら
れる。なお前記界面活性剤の配合は、エポキシ樹脂含有
液の展開層を空気との接触下に硬化処理する場合に平滑
な表面が形成されることなどを目的とし、かかる点より
シリコーン系のものが特に好ましく用いうる。
【0032】エポキシ樹脂含有液は、配合成分を必要に
応じ溶媒を併用して流動展開しうる状態とすることによ
り調製することができる。従ってエポキシ樹脂含有液の
展開には、カーテンコート法やロールコート法等の上記
した樹脂層の形成方式に準じた、エポキシ樹脂含有液を
流動展開させてシート状に成形しうる適宜な方式を採る
ことができる。就中、流延法にては塗布効率などの点よ
りエクストルージョンコート法が好ましく適用すること
ができる。
【0033】前記の如く、エポキシ樹脂シートの製造
は、例えば上記した流延法や注型法、あるいはロール塗
工法などの適宜な方式にて行うことができる。ちなみに
上記図1に例示の流延法にては、エンドレスベルト1か
らなる支持体を駆動ドラム11及び従動ドラム12を介
し、例えば0.1〜10m/分、就中0.2〜5m/分
等の一定速度で走行させつつ、その上にダイ2を介し樹
脂液3を塗布して乾燥、あるいは必要に応じ加熱又は光
照射などにより硬化処理して皮膜31とする。なお図例
では、紫外線照射装置4が配置されている。
【0034】次に前記により支持体1を被覆する樹脂層
31の上に、ダイ5を介しエポキシ樹脂含有液6を塗布
してシート状に展開し、その展開層61を加熱方式や光
照射方式等の適宜な硬化処理装置7を介し硬化処理し
て、前記の樹脂層31と密着した硬化シート62を形成
した後、その硬化シート62を当該樹脂層31と共に支
持体1より回収してエポキシ樹脂シート8が製造され
る。従ってかかる方式にては、樹脂層を片面に有するエ
ポキシ樹脂シートを連続製造することができる。厚さ精
度に優れるシートを得る点などよりは、樹脂層や硬化シ
ートを可及的に水平とした支持体上で形成することが好
ましい。
【0035】前記において、支持体よりのエポキシ樹脂
シートの回収に際しては、必要に応じ剥離手段を用いる
ことができる。またかかる回収は、割れ防止などの点よ
りガラス転移点以上等の高温雰囲気下に行うことが好ま
しい。さらに形成された連続状態のエポキシ樹脂シート
は、レーザー光線や超音波カッター、ダイシングやウォ
ータージェットなどの適宜な切断手段を介し適宜な寸法
に切断して回収することもできる。前記の流延法によれ
ば、支持体を介した展開層の移動速度の調節で製造速度
を容易に制御でき、またその移動速度や展開量の調節で
得られるシートの厚さも容易に制御することができる。
【0036】一方、図2に例示の注型法にては、スピン
コート法等の適宜な方式にて型板91の表面に樹脂液を
塗布し前記に準じ皮膜として樹脂層を形成した後、その
型板の一対をシーリング剤92及びスペーサ93を介し
樹脂層コート側を内側にして対向配置して注形型9から
なる支持体を形成する。
【0037】次に前記注形型9の型板間の間隙にエポキ
シ樹脂含有液を注入してシート状に展開し、その展開層
を加熱硬化処理して前記樹脂層と密着した硬化シートを
形成した後、対向型板を当該樹脂層との界面より割り開
くことにより、硬化シートの両面に樹脂層を有するエポ
キシ樹脂シートを注形型9からなる支持体より回収する
ことができる。かかる注形型を割り開く際にも、前記と
同様に割れ防止などの点よりエポキシ樹脂シートのガラ
ス転移点以上の温度で行うことが好ましい。
【0038】前記において型板としては、金属やガラス
やプラスチック等の適宜な材質からなる平板や凹凸板な
どの適宜な形態のものを用いることができる。従って表
面にプリズムアレイ構造を有するエポキシ樹脂シートな
ども形成することができ、透明な型板を介して紫外線等
の光照射にても硬化シートを形成することが可能であ
る。
【0039】形成するエポキシ樹脂シートの厚さは、使
用目的などに応じて適宜に決定することができる。一般
には、剛直性ないし柔軟性や薄型軽量性等のシートとし
ての特性を活かす点などより1mm以下、就中30〜90
0μm、特に100〜800μmとされる。なお光学用途
などでは200〜500μmの厚さが有利な場合も多
い。
【0040】本発明によるエポキシ樹脂シートは、エポ
キシ樹脂からなる利点などに基づいて各種の用途に好ま
しく用いることができ、液晶セル基板や反射防止シー
ト、プリズムシートや拡散シートなどの光学用シートと
しても好ましく用いうる。
【0041】
【実施例】実施例1 前記の化学式で表される3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート400部(重量部、以下同じ)、メチルヘキサヒ
ドロフタル酸無水物500部、下記の化学式で表される
テトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホス
ホロジチオエート15部、グリセリン9部及び界面活性
剤1部を撹拌混合してエポキシ樹脂含有液を調製した。
【0042】次に図1に例示の流延法にて、ウレタン系
紫外線硬化型樹脂の17重量%トルエン溶液をダイより
吐出させて0.2m/分の一定速度で回転走行するステ
ンレス製エンドレスベルト上に流延塗布し、トルエンを
揮発乾燥後、紫外線照射装置を介し硬化処理し(中心波
長254nm、積算光量2000mJ/cm2)、幅500m
m、厚さ2μmのウレタン系樹脂層を形成した。
【0043】ついで前記の操作を継続しつつ、硬化した
ウレタン系樹脂層の上に上記のエポキシ樹脂含有液をダ
イより吐出させてシート状に流延展開し、その展開層を
加熱装置を介し120℃で30分間加熱硬化処理した
後、150℃に温調した従動ドラム上で硬化シートをそ
れに密着したウレタン系樹脂層と共にエンドレスベルト
より剥離回収し、それを流れ方向に490mmの間隔で切
断して幅490mm、平均厚さ400μm(標準偏差23
μm)のエポキシ樹脂シートを連続的に得た。なお前記
の平均厚さ及び標準偏差は、480mm角の面内における
60点を測定することにより求めた。
【0044】実施例2 実施例1に準じたウレタン系紫外線硬化型樹脂の17重
量%トルエン溶液(樹脂液)及びエポキシ樹脂含有液を
用いて、450mm角の金属平板からなる型板の表面にス
ピンコート法にて樹脂液を塗布し前記に準じて厚さ2μ
mのウレタン系樹脂層を形成した後、その型板の一対を
シーリング剤とスペーサを介し前記ウレタン系樹脂層の
コート側を内側にして対向配置し間隙が400μmの注
形型を形成した。
【0045】次に、前記注形型の型板間にエポキシ樹脂
含有液を注入し、それを加熱炉に入れて120℃で30
分間、ついで150℃で1時間加熱硬化処理した後、対
向の型板をウレタン系樹脂層との界面より割り開き、硬
化シートの両面にウレタン系樹脂層を有する平均厚さ4
00μm(標準偏差15μm)で400mm角のエポキシ樹
脂シートを得た。なお前記の平均厚さ及び標準偏差は、
400mm角の面内における20点を測定することにより
求めた。
【0046】実施例3 溝が幅方向となるように形成した微細なプリズム状凹凸
を100μmピッチで有するエンドレスベルトを用いた
ほかは実施例1に準じてエポキシ樹脂シートを得た。得
られたシートは、そのウレタン系樹脂層にエンドレスベ
ルト表面の微細プリズム状凹凸が良好に転写形成された
ものであった。
【0047】比較例1 ウレタン系樹脂層の厚さを0.5μmとしたほかは実施
例1に準じてエポキシ樹脂シートを形成したが、厚さが
薄すぎて前記のウレタン系樹脂層が実質的な樹脂層とし
て機能せず、得られたエポキシ樹脂シートがエンドレス
ベルトに強く接着していて当該シートをベルトより剥離
回収する際に当該シートに割れやクラックが発生した。
【0048】比較例2 ウレタン系樹脂層に代えて、フッ素系剥離剤をエンドレ
スベルト上にスプレー塗布して皮膜を形成し、その上に
エポキシ樹脂含有液を展開したほかは実施例1に準じて
エポキシ樹脂シートを得た。得られたエポキシ樹脂シー
トは、そのエンドレスベルト面側がフッ素系剥離皮膜に
よる汚染、及びヒケによるムラを有するものであった。
【0049】評価試験 実施例、比較例で得たエポキシ樹脂シートに光を透過さ
せたところ、実施例1,2では光透過率にムラはなく、
実施例3では優れたプリズムシート特性を示していずれ
の実施例も良好な光学特性を示し、光学用途に実用可能
なシートであったが、比較例1、2では目視にても明ら
かなクラック又は汚染やヒケによる光透過ムラが認めら
れ、光学用途に実用できないシートであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造工程例の側面説明図
【図2】他の製造工程例の斜視説明図
【符号の説明】 1:エンドレスベルト(支持体) 31:樹脂層 61:エポキシ樹脂含有液の展開層 7:硬化処理装置 62:硬化シート 8:エポキシ樹脂シート 9:注形型(支持体) 91:型板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 下平 起市 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 坂田 義昌 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 豊岡 正英 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−337408(JP,A) 特開 平8−29763(JP,A) 特開 平9−156051(JP,A) 特開 平9−234843(JP,A) 実開 昭61−168908(JP,U) 実公 平2−39781(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 41/24 G02B 1/04 G02F 1/1333 500

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート製造装置本体における、エポキシ
    樹脂含有液の展開層を支持してシート状に維持する機能
    部分を形成する支持体に対して易剥離性の樹脂の液を塗
    布して形成した樹脂層にて被覆した前記支持体上にエポ
    キシ樹脂含有液をシート状に展開し、その展開層を硬化
    処理して前記樹脂層と密着した硬化シートを形成した
    後、その硬化シートを当該樹脂層と共に支持体より回収
    することを特徴とするエポキシ樹脂シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、樹脂層が単層物又は
    複層物からなり、その厚さが層単位に基づいて1〜10
    μmのものであるエポキシ樹脂シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、エポキシ樹脂
    含有液がエポキシ系樹脂、酸無水物系硬化剤及び硬化促
    進剤を少なくとも成分とするエポキシ樹脂シートの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、支持体がエンド
    レスベルト又は注形型であるエポキシ樹脂シートの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において、光学用途のシー
    トを得るエポキシ樹脂シートの製造方法。
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